JP4388175B2 - 非特異的IgE産生促進剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非特異的IgE産生促進剤、抗アレルギー剤及び自己免疫疾患治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、アレルギーを有する人の数は増加の一途をたどっており、アレルギーは大きな社会問題となっている。このアレルギーを発症させる要因として、遺伝的な背景の他に、環境的な背景、例えば、衛生状態、食生活、住環境、大気汚染、ストレスなどが大きく関与していると言われている。そして、アレルギー発症に密接に関係している分子のひとつとして、イムノグロブリンE(IgE)が知られており、このIgEを産生するアレルギーモデル系を開発し、アレルギー疾患に関連する研究に役立てようとする研究が活発に行われている[Imaoka et al.,Exp. Anim., vol.42, No.1, pp.61-65, 1993] 。
【0003】
花粉症、気管支喘息などはI型アレルギー病に分類される。これらのアレルギー病増加の原因としていろいろな修飾因子が考えられているが、寄生虫感染や、結核などの細菌感染の減少もその一因であると考えられている。これは、寄生虫に感染すると、寄生虫に特異的なIgEのみならず寄生虫には無関係な非特異的多数の抗原に対するIgE抗体も同時に産生する。そして、寄生虫感染によってもたらされた多量の非特異的IgE抗体が互いに競合しあい、肥満細胞や好塩基球上の高親和性IgEレセプター(FceR−I)をすべて被いつくし、結果として個々のアレルギーに関与する特異的なIgE抗体のレセプターへの結合を阻害し、肥満細胞からヒスタミンなどの遊離を起こさせないようにしてアレルギーの発症を防いでいると考えられている。したがって、抗原特異的IgEに対して抗原非特異的IgEの比率を高めることによりアレルギーの発症を抑制できる。
【0004】
一方、実験動物にIgEを産生させる手段としては、百日咳菌アジュバント、フロイント完全アジュバント(FCA)あるいはアラムアジュバントなどを用い免疫する方法が一般的に行われている。百日咳菌アジュバントは、百日咳菌 (Bordetella pertussis) の菌体成分からなり、この菌体成分中のリポポリ多糖(LPS)や百日咳菌毒素が免疫システムを非特異的に刺激する。また、FCAは、鉱物油、乳化剤及び結核菌(Mycobacterium tuberculosis)の菌体成分からなり、この鉱物油及び乳化剤で抗原をエマルジョン化することにより、抗原を投与部位に長く滞留させ代謝による分解を受け難くすると共に、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)の菌体成分中のムラミルジペプチド(MDP)が免疫システムを非特異的に刺激する。これらのアジュバントでは、菌体成分が強力な免疫応答促進作用を示すため、アジュバント効果が非常に高い。しかし、菌体成分による副作用、例えば、ツベルクリン過敏症、肉芽腫、アジュバント関節炎などを引き起こし易く、これらのアジュバントの取扱いに際しては、吸引や粘膜との接触を避けるなど特別な注意を要する。
【0005】
一方、アラムアジュバントは、抗原を吸着し沈澱物として存在する水酸化アルミニウムゲルからなり、抗原・水酸化アルミニウムゲル複合体が投与部位に長く滞留しアジュバント効果を示す。このアラムアジュバントは、上述したような百日咳菌アジュバントやFCAなどで見られる副作用は殆ど認められず、ヒトに用いることのできる唯一のアジュバントとして知られている。また、このアラムアジュバントは、百日咳菌アジュバントと同時に用いられることもあり、百日咳菌アジュバントによる免疫システムに対する非特異的な刺激効果が付加されるが、百日咳菌 (Bordetella pertussis) の菌体成分による副作用が生じるという問題がある。
【0006】
すなわち、百日咳菌アジュバント、FCAあるいは百日咳菌アジュバント添加アラムアジュバントなどの菌体成分を用いたアジュバントは、いずれも強力なアジュバント効果を示すが、これらのアジュバントの使用に際しては、上述したような副作用を考慮しなければならない。また、アラムアジュバント単体でも、菌体成分を含む百日咳菌アジュバントあるいはFCAなどと比べ副作用は弱いものの、最近ではアルミニウムの毒性も問題視されており、より安全性の高いアジュバントが望まれている。
【0007】
一方で、寄生虫感染時には高IgE血症、好酸球増多が見られ、これがT細胞のサブセットであるTh2に大きく依存していることが明らかとなっている。すなわち、寄生虫感染において、寄生虫抗原がTh2優位の反応を誘導していることが明らかになっている。IgE産生の誘導活性にはサイトカインIL−4やIL−13が、IgE産生の増強活性や好酸球の増加や分化にはIL−5のサイトカインがそれぞれ作用している。更に、このTh2サブセットはTh0と呼ばれる細胞集団から分化し、もう一つのサブセットであるTh1とそれぞれが産生するサイトカインによって、拮抗することがわかっている。現在、慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患の発症をこれらの細胞のバランスによる細胞性調節機構の観点から解析することが進められている。すなわち、Th1細胞が自己免疫疾患の発症に重要であり、Th1細胞が自己免疫反応を押し進め、Th2細胞がそれを調節していることが提唱されている(Trinchieri, G.: Immunol. Today. 14:335-338,1993)。このように、Th2細胞を優位にすることができれば自己免疫疾患の発症を予防したり、抑えたりすることが可能であると考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、副作用が少なく、かつ、非特異的IgE産生促進効果が高く、抗アレルギー剤、自己免疫疾患治療剤やアジュバントとして有用な物質を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、非特異的IgE産生促進効果を有する物質を見出すべく、鋭意検討をおこなったところ、LNT(lacto-N-tetraose:Galβ1-3GlcNAc β1-3Galβ1-4Glc)とキャリアーとの結合物が高い非特異的IgE産生促進効果を有し、抗アレルギー剤、自己免疫疾患治療剤及びアジュバントとして有用であることを見いだし、本発明を完成させた。
【0010】
すなわち、本発明は、LNTとキャリアーとの結合物を有効成分とする非特異的IgE産生促進剤を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の非特異的IgE産生促進剤、抗アレルギー剤及び自己免疫疾患治療剤に用いられるLNTとキャリアーとの結合物(以下、「LNT−C」と称する)におけるLNTとは、ラクト−N−テトラオース(Galβ1-3GlcNAcβ1-3Galβ1-4Glc) であり、例えば化学合成法(Chem. Pharm. Bullo, 28, 1804-1809(1980) )、及びβ−1,3−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼの存在下、ラクトースにUDP−GlcNAcを作用させてラクト−N−トリオースIIを合成し、さらにβ−ガラクトシダーゼの存在下、ラクト−N−トリオースIIにガラクトースを結合させる方法によって製造することができる。
【0012】
一方、キャリアーとしてはタンパク質、ポリペプチド、多糖類、合成高分子が挙げられる。タンパク質としては、血清タンパク質(例えば血清アルブミン)が好ましい。当キャリアーは、抗アレルギー剤や自己免疫疾患治療剤のように医薬として用いる場合には、投与対象に対して抗原となり得ないタンパク質、例えばヒト用医薬の場合にはヒト由来タンパク質、例えばヒト血清アルブミン(HSA)が例示できる。ポリペプチド又は合成高分子としてはポリリジン、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、(メタ)アクリレート系ポリマー等が挙げられる。形状は直鎖状でも分枝があっても、デンドリマーであってもかまわないが、キャリアー1分子あたりLNTが10〜20個結合しているものが好ましい。また多糖類としては、デキストラン、ヘパリン、ヒアルロン酸、キトサン等の天然多糖等が挙げられる。
【0013】
LNTとキャリアーとの結合反応としては、ジカルボン酸無水物等を用いたカルボキシル基をもつリンカー;還元アミノ化法、ジアミン等のアミノ基をもつリンカー等が挙げられるが、例えばLNTとキャリアーとを還元剤の存在下に反応させる、いわゆる還元アミノ化法等により行うのが好ましい。還元アミノ化法に用いる還元剤としてはナトリウムシアノボロハイドライド(NaBH3CN)、等が挙げられる。
【0014】
LNT−CにおけるLNTとキャリアーとの結合比率(LNT:C)は、5:1〜50:1、特に10:1〜20:1が好ましい。
【0015】
LNT−Cの好ましい例は、LNT−HSAであり、市販品を用いることもできる。
【0016】
かかるLNT−Cは後記実施例に示すように動物に投与したとき、抗原特異的IgEや抗原特異的IgGの産生能に比べて、抗原非特異的IgEの産生能が顕著に高い。従って、LNT−Cは非特異的IgE産生促進剤として有用である。
【0017】
一方、前記の如く、抗原特異的IgEに対して抗原非特異的IgEの比率を増加させるとアレルギーの発症を抑制できるといわれており、本発明者はこのことをラット受身皮膚アナフィラキシー反応モデルを用いて確認した(後記実施例5)。LNT−Cは、抗原特異的IgEに比べて抗原非特異的IgEを顕著に産生するので、LNT−Cを投与すればアレルギー反応を抑制できることは明らかである。従って、LNT−Cは抗アレルギー剤、特に花粉症、気管支喘息、アトピー性皮膚炎等の他、インスリン保存性糖尿病、慢性関節リウマチ等に代表される自己免疫疾患等の治療薬として有用である。
【0018】
本発明の医薬は、経口投与又は非経口投与(筋肉内、皮下、静脈内、坐薬など)のいずれでも投与できる。
【0019】
経口用製剤を調製する場合、賦形剤、更に必要に応じて、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤などを加えた後、常法による、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤、油性又は水性の懸濁液剤などとする。賦形剤としては、例えば乳糖、コーンスターチ、白糖、ブドウ糖、ソルビット、結晶セルロースなどが挙げられる。結合剤としては、たとえば、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、エチルセルロース、メチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
【0020】
崩壊剤としては、例えば、デンプン、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カルシウム、デキストラン、ペクチンなどが挙げられる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ、硬化植物油などが挙げられる。これらの錠剤や顆粒剤には、糖衣、ゼラチン等により適宜コーティングしてもよい。
【0021】
注射剤を調製する場合、必要により、pH調整剤、緩衝剤、安定化剤、保存剤などを添加し、常法により、皮下、筋肉内、静脈内注射剤とする。注射剤は、溶液を容器に収納後、凍結乾燥などによって、固形製剤として、用時調製の製剤としてもよい。また、一投与量を容器に収納してもよく、また、多投与量を同一の容器に収納してもよい。
【0022】
本発明の医薬の投与量は、ヒトの場合、LNT−Cとして成人1日当たり通常0.01〜1000mg、好ましくは0.1〜100mgの範囲で、1日量を1日1回、あるいは2〜4回に分けて投与する。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0024】
参考例1 β−1,3−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼの調製ウシ血液約10Lを採取し、室温で約2.5時間放置し、凝固させた。上清を回収し遠心分離(8,000rpm ,30min ,4℃)により混入した血球成分を除去し、血清2.7Lを得た。25%飽和になるように硫酸アンモニウムを添加し、3時間放置した。さらに、50%飽和になるように硫酸アンモニウムを添加し、一晩放置した。
【0025】
遠心分離(8,000rpm ,30min ,4℃)により沈殿を集め、少量のカコジル酸緩衝液(pH7.0)に溶解し透析後、凍結乾燥を行い、部分精製のβ−1,3−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(β−GlcNAcT)を得た。
【0026】
参考例2 ラクト−N−トリオースIIの合成
540mgのラクトースと90mgのUDP−GlcNAcを、3mLの75mMカコジル酸緩衝液(pH7.5)に溶解し、これに、参考例1で得られたβ−GlcNAcTを加えて、40℃にて30時間反応を行った。反応液を活性炭−セライトのカラム(4.4×87cm)に供し、0%から30%のエタノールのグラジェント溶液を150mL/hrの流速で流し、4mLずつのフラクションを集めた。3糖のフラクションを集めて濃縮することにより、17mgのラクト−N−トリオースII(GlcNAcβ1−3Galβ1−4Glc)を得た。
【0027】
参考例3 ラクト−N−テトラオースの合成
60mgのGalβ−oNpと36mgのラクト−N−トリオースIIを40mM酢酸緩衝液(pH5.5)3mLに溶解し、Bacillus criculans由来のβ−1,3−ガラクトシダーゼ(特開平9−313177)を250mU添加して、50℃で11時間反応させた後、100℃で5分間加熱して反応を停止した。反応液を実施例3と同様の方法でHPLCにて分析したところ、ラクト−N−テトラオースの標準品の保持時間と一致する転移生成物のピークが検出された。
【0028】
遠心分離(5000×g,15min)により不溶物を除去後、上清を5%メタノールを含む水で平衡化したODS Chromatorex DM1020T(富士シリアル化学社製)クロマトグラフィー(φ1.1×5.7cm)に供した。最初に溶出した還元糖の画分を15mLに濃縮し、活性炭−セライトクロマトグラフィー(φ2.2×28cm)に供した。最初に水(150mL)、次いで7.5%エタノール(300mL)により洗浄し、7.5%(1L)〜35%(1L)のエタノールの直線濃度勾配法により溶出した結果、エタノールの濃度が15%と20%付近に、210nmの吸収を持つピークが2本検出された。20%付近の画分は、本発明のラクト−N−テトラオース、及びβ1−6異性体と推定される生成物の混合物であることが推測されたために、本画分を、50mMリン酸緩衝液(pH7.0)で基質濃度0.1%に希釈し、β−ガラクトシダーゼ(大和化成社製Biolacta)を326U添加し、40℃で21時間反応を行った後、100℃で5分間加熱して反応を停止させた。
【0029】
遠心分離(5000×g,15min)により不純物を除去後、上清を活性炭−セライトクロマトグラフィー(φ2.2×10cm)に供した。水(100mL)、次いで7.5%エタノール(60mL)により洗浄し、7.5%(300mL)〜35%(300mL)のエタノールの直線濃度勾配法により溶出した結果、エタノールの濃度が20%付近に、210nmの吸収を持つピークが1本検出された。これを濃縮、凍結乾燥し、白色粉末(7.1mg)を得た。このものは、1H−NMR及び13C−NMRによる構造解析の結果、ラクト−N−テトラオースと構造決定された。
【0030】
実施例1:LNT−HSAの合成
HSA(ヒト血清アルブミン、RAD Chemical社製) 15mg(0.000217mmol)、参考例3で合成したLNT30mg(0.0424mmol)を0.2Mほう酸バッファー(pH 8.5)1.5mLに溶解し室温で撹拌した。この反応液にナトリウムシアノボロハイドライド(NaBH3CN) 15mg(0.2419mmol)を加え、50℃にて撹拌した。反応液を12時間後、24時間後、96時間後にそれぞれ0.5mLサンプリングした。
サンプリング後、反応液を80%酢酸にて中和し、ULTRAFREE-MC(分子量カットオフ10000,1mL) 3つに分注し、遠心機(15min 、15000rpm)にて脱塩を行った。250μL の水で希釈して再度遠心機にて脱塩を行った。同様の操作を2回繰り返した。得られた高分子量画分LNT−HSAを水1mLに希釈後、動物実験に供するサンプルとした。
【0031】
実施例2:LNT−HSAのレクチン(RCA120)結合活性
実施例1で得られた反応時間が異なる3種類の合成LNT−HSA(反応時間;12、24、96時間)、そして市販しているLNT−HSA (Accurate Chemical & Scientific Corp.) を、0.5M炭酸バッファー:pH9.5で0.1:0.3、1.0、3.0、10.0μg/mLの濃度に調製し、50μL/wellずつ96穴プレート(Nunc Immnomodule plate,polysorp F8 )に分注して37℃、1 時間インキュベートした。プレートから溶液を除去し、洗浄液(10mMトリス-HCl,0.15NaCl,0.05%Tween-20, pH7.5)で3回洗浄後、1 %牛血清アルブミン(Sigma A-6003)/PBS(リン酸バッファー生理食塩水, pH 7.4)で200μL/wellずつ分注して37℃、1 時間ブロッキングした。プレートを洗浄液で1 回洗浄後、HRP標識RCA−120 (生化学工業)を0.1%牛血清アルブミン/洗浄液で2,000倍に希釈し、50μL/wellずつ分注して37℃、1時間反応させた。反応終了後、洗浄液でプレートを5回洗浄し、TMB発色試薬(DAKO)を50μL/wellずつ添加し、室温で10分反応させた後、3N硫酸溶液を50μL/wellずつ加えて反応を停止させた。S450nm/R600nmで各wellの吸光度を測定した(TOSOH ;A4i MICRO PLATE READER ) 。
【0032】
RCA−120は末端にβ−ガラクトースを持つ糖鎖と結合するため、LNTにも反応し、この結合反応によってLNT−HSA分子中のLNT分子の相対的な量が比較できる。その結果を図1に示した。市販品のLNT−HSAは検討した全てのLNT−HSAの中で最もRCA−120との結合量が多かった。次いで反応時間が最も長い96時間のLNT−HSAであった。HSA量を基準として、LNTとHSAの反応時間を12、24、96時間にしたLNT−HSAを比較すると、明らかに反応時間の長い方がLNT量が多い。この反応条件における反応時間とLNT−HSA中のLNT量は直線的であった(例えばHSAのコーティング濃度10μg/mLでの12、24、96時間反応させた場合でのLNT量との関係はy=0.011x+0.008;r2=1.000であった)。従って少なくとも96時間の反応時間までは、HSA分子中の反応基の飽和は起こっていないと考えられる。
【0033】
実施例3:合成したLNT−HSAのSDS−ポリアクリルアミド電気泳動
SDS−ポリアクリルアミド電気泳動には、ノベックス社のNuPAGE電気泳動システムを用いた。
合成反応の各時間(12、24、96時間)において分取したLNT−HSA、1ないし0.5μL と蒸留水6.5μL 、SDSサンプルバッファ−(4X)を混合し、ノベックス社製NuPAGE3−8%トリス酢酸ゲルにそれぞれ負荷した。コントロールとして、HSA(0.7μg /μL )を1ないし2μL を同様に処理しゲルに負荷した。泳動終了後、ゲルを染色液(50%メタノール、10%酢酸、0.1%クマシーブリリアントブルー)に浸漬し、30分振盪した。その後、ゲルを脱色液に浸し、適当な時間振盪した。
【0034】
HSAに対し、結合するLNTが経時的に増加すると考えられるため、分子量の増加がゲル上で観察されることが予想された。図2に示すとおり、合成したLNT−HSAは、反応12時間において、すでにHSAよりも高い分子量を示し、反応時間の延長に従い、さらに分子量が高く変化した。このことから本反応においては、時間に従いLNTとHSAが結合し、その結果、反応時間が長いものほどより多くのLNTが結合したLNT−HSAが得られた。
【0035】
実施例4:抗体産生能の検討
6 週齡で購入し、約10日間予備飼育したBALB/c雌性マウス(日本エスエルシー株式会社)に生理食塩水で調製したLNT−HSA、LNnT−HSA(ラクト−N−ネオテトラオース(Galβ1-4GlcNAcβ1-3Galβ1-4Glc) とHSAの結合物,Accurate chem.)10μg を0.2mLの液量で腹腔内に2 回(1回i.p.〜2回i.p.14日間隔)および3回(1回i.p.〜2回i.p.14日間隔、2回i.p.〜3回i.p. 7日間隔)投与した。また、陽性対照群および陰性対照群には、HSA10μg にアジュバントとしてImject Alum(PIERCE)を等量加えた懸濁液および生理食塩水を投与した。最終投与7日後に眼窩血管叢より採血し、血清中の総IgEおよびHSA特異的IgEをEIA法により測定した。血清中総IgE、HSA特異的IgEは以下の方法で測定した。96穴プレート(Nunk; polysorp) に0.1M炭酸緩衝液、pH8.2で調製した2μg/mL濃度のRat抗マウスIgE抗体(PharMingen; Cat.#02111D ) を0.1mL/wellずつ入れて4℃一晩放置した。抗体溶液を除去した後、250μL/wellの洗浄液(0.05%Tween-20, 0.15M NaCl, 10mM Tris-HCl, pH7.5) で3回洗浄し、1%ウシ血清アルブミン/PBS溶液200μL/wellでブロッキング(室温、30分)した後、溶液を除去して洗浄液で3回洗浄した。マウス血清検体は、検体を1%ウシ血清アルブミン/PBSで至適に希釈した後、100μL/wellとして室温で1時間反応させた。プレートを洗浄後、血清中総IgE抗体を測定する場合はビオチン化抗マウスIgE抗体(PharMingen; Cat.#02132D )、HSA特異的IgE抗体を測定する場合はビオチン化HSA(HSA 10mgとNHS-Biotin5mgを4℃2時間反応させ、ゲルろ過で脱塩して得た)を加えて室温で1時間反応させた。洗浄後ストレプトアビジン−西洋ワサビパーオキシダーゼ(Pierce) を加えて室温で30分反応させ、溶液を除去後、6回洗浄し、TMB発色剤(DAKO)で室温で30分反応させた後3N硫酸で反応を停止して450nmの吸光度を測定した(対照600nm)。血清中総IgEを測定する場合は、マウス抗ジニトロフェニルIgE(Yamasa)を500ng/mL〜7.81ng/mLまで2倍希釈系列を作製してIgEの標準品として吸光度を測定し、この吸光度からマウスの検体血清の総IgE濃度を決定した。
【0036】
血清中のHSA特異的IgG抗体の測定は、96穴プレート(Nunk; polysorp) に0.5M炭酸緩衝液、pH9.5で調製した10μg/mL濃度のHSAを50μL/wellづつ入れて4℃一晩放置した。HSA溶液を除去した後、250μL/wellの洗浄液で3回洗浄し、1%ウシ血清アルブミン/PBS溶液200μL/wellでブロッキング(室温、1時間)した後、溶液を除去して洗浄液で洗浄した。マウス検体血清を至適希釈率で希釈し、50μL/wellとして室温で2時間反応させた。血清溶液を除去後、5回洗浄を行ない、西洋ワサビパーオキシダーゼ結合ヤギ抗マウスIgG(Jackson Immuno Research Labratories Inc.)を加えて室温で1時間反応させた。溶液を除去して5回洗浄後、TMB発色剤(DAKO)で室温で15分反応させた後3N硫酸で反応を停止して450nmの吸光度を測定した(対照600nm)。
【0037】
LNT−HSA、LNnT−HSA、HSA、HSA/Alum、そしてコントロールとして生食を腹腔内投与した日を0日とし、14日後に再度同量を投与した。20日後にマウスから採血してこれらの投与による抗体産生に及ぼす影響を比較検討した。測定結果を図3〜図5に示す。図3は総IgEの血清濃度を測定した結果であり、LNnT−HSAは有意に総IgE抗体価を産生させた。一方、LNT−HSAも有意差はなかったが総IgE抗体価を増加させる傾向を示した。これらはアラムアジュバンドより強い総IgE抗体価の上昇をもたらした。図4はHSA特異的なIgE抗体価を測定した結果であり、総IgE抗体価と同じような傾向を示した。すなわち、LNnT−HSAが最も強くHSA特異的IgE抗体を産生させ、次いでLNT−HSAも有意差は示さなかったが産生増加傾向を示した。ところが図5で示したように、HSA特異的IgG抗体価の産生誘導能ではLNnT−HSAがこれらの中で最も強い産生誘導活性を示したのは同じであるが、2番目に強いのはアラムアジュバンドと共にHSAを投与した方がLNT−HSA投与よりも強いIgG産生誘導能を示した。
【0038】
同様に、0日、14日後と22日後と3回LNT−HSA、LNnT−HSA、HSA、HSA/Alum、そしてコントロールとして生食を腹腔内投与し、29日後にマウスから採血してこれらの投与による抗体産生に及ぼす影響を測定した結果を図6〜図8に示す。図6は総IgEの血清濃度を測定した結果であり、図3とほぼ同じ傾向を示したがLNnT−HSA、LNT−HSA、そしてHSA/Alumではその濃度は2回投与に比べ2倍以上であった。総IgE抗体価の高い順番は2回投与と同じで、LNnT−HSA、LNT−HSA、そしてHSA/Alumの順番であり、やはりLNnT−HSA、LNT−HSAはアラムアジュバントより強い総IgE抗体価の上昇をもたらした。図7はHSA特異的なIgE抗体価を測定した結果であり、LNnT−HSAとLNT−HSAがほぼ同じような産生誘導を示したのに比べ、HSA/Alumが2回投与に比較すると3回投与することにより、一挙に抗体価の上昇が認められた。図8で示したHSA特異的IgG抗体価の産生誘導能では2回投与とほぼ同じ傾向を示した。すなわち、LNnT−HSA、HSA/Alum、LNT−HSA投与の順番であった。
【0039】
総IgE抗体価を除いて、HSA特異的IgE、HSA特異的IgGの抗体価は吸光度で示した相対的な価であるために、これら抗体間の産生誘導能を比較するのは難しい。そこでHSA/Alumを1.0として各抗体の産生能の比較を図9及び図10に示す。2回投与の実験系を比較したのが図9、3回投与の比較が図10である。2回投与と3回投与での結果は、傾向としては同じであるがその差が顕著であったのは2回投与であった。LNnT−HSA、LNT−HSA共に総IgEとHSA特異的IgEの産生誘導はアジュバントと共にHSAを投与した群に比べ著しく強い。ところがLNT−HSAとLNnT−HSAで差が認められた点は、HSA特異的IgG産生において、LNT−HSAはHSA/Alumと比較しても著しく低く、ましてLNnT−HSAはHSA/Alumより高い誘導活性を有しているため、LNT−HSAとは顕著な差として認められた。この傾向は差が少なくはなっているが、3回投与でも傾向は認められた(図10)。
【0040】
アレルギー反応を抑えるための医薬としては、総IgE量を増加させ、かつHSA特異的なIgEやIgGの産生を抑える特性を持っている必要があり、この観点からLNT−HSAが最も優れていることが確かめられた。
【0041】
実施例5:受身皮膚アナフィラキシー反応(PCA ; passive cutaneous anaphylaxis reaction)
皮膚、組織の特定の細胞に親和性をもつ抗体が、それらの細胞上のレセプターに固着している状態のところ(皮膚、組織が感作の状態にあるという)に、対応する抗原が投与されると、それら細胞膜上で抗原抗体反応が起こり、それが引き金になって、ヒスタミン、セロトニン、SRS−A(slow reacting substance of anaphylaxis) などが放出されて、血管の透過性亢進や平滑筋の収縮などを特徴とするアナフィラキシーの症状を呈する。正常な動物の皮内に抗体を注射して皮膚を受け身に感作し、一定時間後に抗原と色素(エバンスブルー)を静注すると、抗体の固着した部位の血管透過性亢進の結果、色素が血管外に漏出して青色のスポットが観察される。これがPCA反応である。モルモットやラットの皮膚を用いて異種抗体を検出する方法と、同種の動物の皮膚を用いて同種の細胞にのみ親和性を持つ抗体の検出を行う場合とがある。非常に鋭敏な方法で、特に同種皮膚のPCA反応はきわめて微量の抗体の検出が可能である。即時型アレルギーのうち、いわゆるI型のアナフィラキシーで最も問題になるIgE抗体は、同種の細胞にのみ親和性を持つ抗体で、ヒトの場合にはP−K(Prausnitz-Kuster) 反応で検出され、マウス、ラットなどの実験動物では同種の動物の皮膚を用いたPCA反応で検出される。ただし、マウスのIgE抗体は、ラットの皮膚をも感作できる。しかも、IgG1抗体はラット皮膚に結合してもすぐ離れてしまうので、感作時間を2時間以上にすればIgE抗体のみが検出できることがわかり、以来マウスのIgE抗体の検出にはほとんどラットを用いるPCA反応が行われている。同種の皮膚を感作する抗体はIgEのほかにも、モルモットではIgG1、マウスでもIgG1、ラットではIgG2などが知られているので、同じくPCA反応でも、どの抗体をみているのかを識別することが肝要である。IgEとIgG1との識別は、抗体を皮内に注射してから、惹起の抗原静脈注射までの時間の差、抗体の熱に対する抵抗性などで行っている。この点、ラットの皮膚でマウス抗体を検出する組み合わせは、マウスIgE抗体検出には非常に良い方法である。
そこで、マウス抗OVA−IgEとマウス抗DNP−IgE競合によるPCA反応を行った。具体的には、LNT−HSAを投与した際に増加する非特異的IgEにより、抗原特異的IgEにdilutionがかかるか否かを、抗原特異的IgEとして抗OVA−IgEを、非特異的IgEとして抗DNP−IgEを用いたラットによるPCA反応により検討した。
【0042】
動物は、SD−IGS雄性ラットを7週齡で購入し、14日間の予備飼育後に使用(9週齡)した。抗OVA(ovalbumin ; 卵白アルブミン)−IgE(12mg/mL )は、OVA10mgをアジュバントとしてAlumとともに腹腔内に2週間隔で3回投与したマウスの血清を用いた。また、抗DNP(2,4-dinitrophenol ;2,4- ジニトロフェノール)−IgE(1mg/mL)は、ヤマサ醤油;code:7676、lot :07117 、惹起抗原としてはOVA(9.124mg/mL)をそれぞれ用いた。
【0043】
(方法)
1)受動感作
抗OVA−IgEを生理食塩液で300(40ng/mL) 、600(20ng/mL) 、1200(10ng/mL) 倍に希釈した。希釈した抗OVA−IgEそれぞれに、抗DNP−IgEが30(1:30)、100(1:100) 、300(1:300) 、1000(1:1000)倍濃度になるように等量加えた。剪毛したラットの背部に麻酔下で上記試料を100mLずつ皮内注射した。
2)惹起抗原の調整
OVAを生理食塩液に溶解させて10mg/mL に調製した後、等量の0.5%エバンスブルー/ 生理食塩液と混合した。
3)惹起処置
受動感作処置の24時間後に惹起抗原1mLをラットの陰茎静脈より注射した。
4)漏出青色斑の測定
惹起抗原投与の30分後にラットをエーテル麻酔下で放血致死させ、背部皮膚を剥離して漏出青色斑の長径(mm)と短径(mm)を計測し、この積を青色スポットの面積(mm2)として算出した。
【0044】
(結果)
結果を図11に示す。CONT(抗OVA−IgEのみ) においては希釈により漏出青色斑面積が減少した。また、抗OVA−IgEに対して抗DNP−IgEを加えた場合、漏出青色面積の減少がみられた。特に、抗DNP−IgEを300および1000倍量加えた場合においては、抗OVA−IgEの希釈にかかわらず漏出青色斑が消失した。以上から抗原非特異的IgEを特異的IgEに対して大量に投与すれば、競合反応が起こり、アレルギーの発生を抑制することが判明した。
【0045】
【発明の効果】
本発明の非特異的IgE産生促進剤を用いれば、抗原特異的IgEに比べて抗原非特異的IgEの産生が顕著に促進される。従って、各種アレルギー反応、例えば花粉症、気管支喘息等の他、インスリン依存性糖尿病、慢性関節リウマチ等に代表される自己免疫疾患等の予防及び治療薬として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】LNT−HSAとRCA120レクチンとの結合量を示す図である。○:ACC社製LNT−HSA、△、□および●はそれぞれ実施例1の方法で合成したLNT−HSAで反応時間はそれぞれ12、24および96時間である。
【図2】実施例1の方法で合成したLNT−HSAのSDS−ポリアクリルアミド電気泳動図である。バンドは、左からLNT−HSA(96hr)、LNT−HSA(24hr)、LNT−HSA(12hr)、分子量マーカー、HSAを示す。
【図3】試料を2回投与した場合の総IgEの血清濃度を示す図である。
【図4】試料を2回投与した場合のHSA特異的なIgE抗体価を示す図である。
【図5】試料を2回投与した場合のHSA特異的なIgE抗体価を示す図である。
【図6】試料を3回投与した場合の総IgEの血清濃度を示す図である。
【図7】試料を3回投与した場合のHSA特異的なIgE抗体価を示す図である。
【図8】試料を3回投与した場合のHSA特異的なIgG抗体価を示す図である。
【図9】試料を2回投与した際の抗体量比を示す図である。
【図10】試料を3回投与した際の抗体量比を示す図である。
【図11】マウス抗OVA−IgEとマウス抗DNP−IgE競合によるPCA反応の結果を示す図である。
Claims (3)
- ラクト−N−テトラオースとキャリアーとの結合物を有効成分とする非特異的IgE産生促進剤。
- キャリアーがタンパク質である請求項1記載の非特異的IgE産生促進剤。
- タンパク質がヒト血清アルブミンである請求項2記載の非特異的IgE産生促進剤。
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