JP4387343B2 - 微粉物質の固化成形方法および接合方法 - Google Patents

微粉物質の固化成形方法および接合方法 Download PDF

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Description

本発明は、緻密な内部組織や優れた機械的性質を有する微粉物質を効率よく得る固化成形方法およびその方法を利用した接合方法に関する。
従来より微粉物質として金属粉末を用い、高機能材料が製造されている。例えば、形状が複雑な強度部品に対しては、金属粉末を用い、ニアネットシェイプが可能なホットプレス法やHIP法などが適用され、特に、緻密な組織と優れた機械的性質が要求される強度部品などは、HIP法で製造されている。一方、ホットプレス法やHIP法などの焼結法によらず、高機能材料を得る固化成形法の開発も行われている(非特許文献1)。
非特許文献1には、図11に示すような一対の成形工具20,21を用い、図12に示すような形状の金属粉末の固化成形体26を得る方法が提案されている。この非特許文献1に記載の固化成形方法は、一対の成形工具20,21の間に所定量の金属粉末22を充填し、その後、一対の成形工具20,21により圧縮した状態で、図中下方に示す成形工具21を回転方向25に回転させて固化成形体26を形成している。図11中、23は、成形工具21の回転軸中心を示す。
ここで、一対の成形工具20,21は、向かい合う作用面が平行となるように配置されているとともに、押圧方向24に対して直角な半径方向に開口が形成されている。このような一対の成形工具20,21を用い、得られる固化成形体26は、図12(a)、(b)に示すようにその厚さtが薄く、厚さ方向に性質が一様であるが、成形体中心27から半径方向に測った半径方向距離rによって性質が変化するという特徴を有する。
一方、特許文献1には、接合面間の隙間Sにアルミ粉粒体を充填し、これとアルミ材料の接合部を摩擦熱により加熱して可塑化し、攪拌混合して形材パネルP、Pを接合する摩擦攪拌接合方法が開示されている。この特許文献1に記載の接合方法は、図13に模式的に示すように、接合ツール30を用い、形材パネルP、Pなどのアルミ製長尺部材を接合するのに好適な方法である。なお、図13中、Sはクランプする前の隙間を示し、Fは、クランプする矯正力を示す。θは、接合ツール30における肩部30Bの面の傾斜を表し、接合ツール30の回転中心31とテーブル33の法線とのなす角に等しい。この摩擦攪拌接合方法は、形材パネルP、Pをテーブル33上に載せ、接合ツール30を高速で回転させながら接合面に沿って移動方向32に向けて移動させ、接合部と接合ツール30のピン30Aとの摩擦熱、及び接合部と接合ツール30の肩部30Bとの摩擦熱によってアルミ材料の接合部と一緒に金属粉末を加熱し、可塑化しているため、突合わせ面の隙間Sが大きくても、この隙間Sを埋めることで接合面の平滑性の低下、接合部の接合強度低下を防止できる方法である。
特開2001−205457号公報 前田 英嗣、他2名 塑性と加工、37巻431号(1996)p1291-1297
ここで、非特許文献1に記載の金属粉末の固化成形方法は、捻り・圧縮・せん断による結晶表面固化成形法とも称され、成形時、一対の成形工具20,21の向かい合う作用面により、金属粉末22に圧縮変形とせん断変形を生じさせ、捻りによりせん断変形を生じさせることで、金属粉末表面に形成されている酸化膜を破るとともに、それらの変形により発生する加工発熱、外部からの加熱、及び作用面と金属粉末22との接触により生じる摩擦熱を利用して、金属粉末同士の結合強化を図っている。
しかしながら、非特許文献1に記載の捻り・圧縮・せん断による結晶表面固化成形法では、一対の成形工具20,21間に、たとえ十分な量の金属粉末22を充填したとしても、成形時、互いに向かい合う作用面間の間隔が狭くなるに従い、押圧方向24に対して直角な方向に形成されている開口から金属粉末22が押し出されてしまうため、厚さtが薄い円盤状の成形体しか得ることができないという問題があった。
また、特許文献1には、形材パネルなどのアルミ製長尺部材を接合する摩擦攪拌接合方法が記載されているが、緻密な内部組織や優れた機械的性質を有する固化成形体を得る方法に関して言及されていない。
そのうえ、特許文献1に記載の摩擦攪拌による接合方法は、接合ツール30を高速で回転させながら接合面に沿って移動方向32に向けて移動させるため、高速で回転させた工具の回転エネルギーが接合面に沿って分散され、効率よく金属粉末を固化成形することができないという、欠点もある。
そこで本発明は、緻密な内部組織や優れた機械的性質を有し、かつ押圧方向の厚さが十分厚い微粉物質の固化成形体を効率よく得る固化成形方法、及びそれを利用した接合方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討し、空間内に所定量の微粉物質が閉じこめられる粉末充填用容器と微粉物質を押圧しかつ撹拌する攪拌工具とを用い、微粉物質同士の結合強化を容易に達成できることを知見して本発明をなすに至った。
本発明は、以下のとおりである
1.粉末充填用容器内に所定量の微粉物質を充填した後、棒状の撹拌工具により、容器内の微粉物質を圧縮しつつ攪拌し、固化成形するに際し、前記撹拌工具の押し付け部先端に、撹拌工具の回転軸中心と同軸にねじ部を設け、前記押し付け部先端の平坦な面及びねじ部の全面を前記微粉物質と接触する作用面とすることを特徴とする微粉物質の固化成形方法。
2.前記粉末充填用容器内に予め混合した二種以上の微粉物質を充填し、固化成形することを特徴とする上記に記載の微粉物質の固化成形方法。
3.得られる固化成形体を押出成形、プレス成形等により二次加工することを特徴とする上記又はに記載の微粉物質の固化成形方法。
4.前記微粉物質が金属粉末であることを特徴とする上記1のいずれかに記載の微粉物質の固化成形方法。
5.部材同士を摩擦熱を利用して接合する接合方法において、粉末充填用容器内の所定量の微粉物質を充填した後棒状の撹拌工具により、容器内の微粉物質を圧縮しつつ攪拌し、得られる固化成形体と前記撹拌工具とを前記撹拌工具の作用面を介して接合するに際し、前記撹拌工具の押し付け部先端に、撹拌工具の回転軸中心と同軸にねじ部を設け、前記押し付け部先端の平坦な面及びねじ部の全面を前記微粉物質と接触する作用面とすることを特徴とする接合方法。
本発明によれば、緻密な内部組織や優れた機械的性質を有し、かつ押圧方向の厚さが十分厚い微粉物質の固化成形体を容易に得ることができる。また、それを利用した接合方法によれば、得られる固化成形体と撹拌工具とを撹拌工具の作用面を介して容易に接合することができる。
微粉物質を金属粉末として以下説明する。
まず、本発明に係る微粉物質の固化成形方法に用いて好適な成形工具について図を用いて説明する。図1には、成形工具の概略断面図を示し、図2(a)には、本発明に用いる攪拌工具1の形状を示した。本発明に用いて好適な成形工具は、押し付け部1Aの作用面である下面にねじ部9を設けた攪拌工具1と、下パンチ2を装着した状態で所定量の金属粉末5を収容できる粉末充填容器4を具備している。図2(b)には、参考例の攪拌工具1の形状を示した。
粉末充填容器4は、下パンチ2とダイス3とで構成され、また、撹拌工具1が上方から挿入された状態で、所定量の金属粉末が押し付け部1Aと、下パンチ2と、ダイス3とで形成される空間に閉じこめられるようになっている。一方、攪拌工具1は、その一端部(図1中の上部)が図示しない駆動装置に接続され、上下に移動可能とされ、他端部(図1中の下部)に押し付け部1Aを有し、金属粉末5を押圧しかつ攪拌することができる棒状に形成されている。すなわち、粉末充填容器4内に挿入される部分であって、押し付け部1A以外の攪拌工具1の外径はダイス3の内壁面と接触しない太さ寸法とされている。
また、押し付け部1Aの外周とダイス3の内壁面との隙間は、成形時、攪拌工具1が滑らかに回転することができ、かつ粉末充填容器4内に充填した所定量の金属粉末5が漏れ出さないように形成されている。このようにしておくのが、攪拌工具1の回転エネルギーを有効に金属粉末5の固化成形に使えるため好ましい。なお、下パンチ2の軸芯とダイス3に設けた貫通孔の中心とが、攪拌工具1の回転軸中心8と同軸となるように成形工具が配置されている。図1中、6、7は攪拌工具1の押圧方向、回転方向をそれぞれ示す。
また、2Aは、成形時、金属粉末5に加える圧縮力を測定するために、下パンチ2に取り付けたストレインゲージを示し、3Aは、成形時、金属粉末5の温度を測定するために、ダイス3の外面から内部の空間に向かって穿孔した孔に差し込んだ温度計を示す。
前記温度計3Aを差し込む孔は、その先端が所定量の金属粉末5が閉じこめられる空間に連通しないよう、ダイス材を少し残して、所定の高さ箇所に穿孔されている。従って、成形時、温度計3Aで検出される温度は、ダイス材を介して金属粉末5の温度を測定しているため、真の金属粉末5の温度より低い値を示すことになる。
ここで、図2(a)には、押し付け部1Aの平坦な下面に続けてねじ部9を設けた攪拌工具1を示し、図2(b)には、ねじ部9を設けず、押し付け部1Aの平坦な下面を全面を下パンチ2と向かい合う作用面とした攪拌工具1を示した。作用面とは、成形時、金属粉末5と接触する面をいう。すなわち、図2(a)に示すように、金属粉末5の攪拌促進を狙ってねじ部9を設けた攪拌工具1の場合には、ねじ部9を設けてない押し付け部1Aの下面と、ねじ部9の全面が作用面となる。ねじ部9は、攪拌工具1の回転軸中心8と同軸に形成されている。
次いで、本発明にかかる固化成形方法について説明する。
本発明にかかる金属粉末の固化成形方法は、図1に示した成形工具を用い、粉末充填用容器4内に所定量の金属粉末5を充填した後、棒状の撹拌工具1により圧縮しつつ攪拌し、固化成形するに際し、図2(a)に示したように、押し付け部1Aの先端に、撹拌工具1の回転軸中心と同軸にねじ部9を設け、押し付け部1A先端の平坦な下面及びねじ部9の全面を前記金属粉末5と接触する作用面とする方法である。このようにして得られる固化成形体10の断面図を模式的に図3(a)に示す。参考例の攪拌工具で得られる固化成形体の断面図を図3(b)に模式的に示す。図3中、Lは攪拌工具1の押し付け部下面から厚さ方向に測った厚さ方向距離を表し、rは成形体中心11から半径方向に測った半径方向距離を表す。
上記した金属粉末の固化成形方法によれば、粉末充填用容器4内に充填された金属粉末5が撹拌工具1により圧縮しつつ攪拌されることで、金属粉末表面に形成されている酸化膜が破られるとともに、金属粉末5に摩擦熱による温度上昇が生じて金属粉末5の軟化が起こる。それと同時に、金属粉末5には、撹拌工具1の作用面と金属粉末5との接触により塑性流動が生じる。このようにして、金属粉末5には、撹拌工具1から回転エネルギーが押し付け部1Aの作用面を介して伝達されるため、外部加熱せずに、金属粉末同士の結合強化を容易に達成することができる。その結果、緻密な内部組織や優れた機械的性質を有し、かつ押圧方向の厚さtが十分厚い金属粉末の固化成形体を容易に得ることができるのである。
成形時に金属粉末5に生じる摩擦熱には、(i)押し付け部1Aの外周面とダイス3の内壁面との接触による摩擦熱や、(ii)攪拌工具1の作用面と金属粉末5との接触による摩擦熱、(iii)金属粉末5同士の接触による摩擦熱があり、それにより温度上昇が起こる。例えば、後述する実施例においては、厚さt=6mm、直径=12mmのものが得られるだけの金属粉末5を粉末充填用容器4内に充填しかつ、最大圧縮荷重を5kN、撹拌工具1の回転速度を820、1375、1785rpmとした成形条件で、温度計3Aにより100〜200℃の最高到達温度が検出されたので、成形前の温度を25℃としたとき、成形中の金属粉末5に75〜175℃を超える温度上昇が生じていたことになる。
また、上記の摩擦熱、及び撹拌工具1の作用面と金属粉末5との接触による塑性流動とにより、図7(a)、図9(a)に示すような部分からなる固化成形体10が得られた。
すなわち、撹拌工具1との接触により強い金属粉末の塑性流動及び摩擦熱が生じた摩擦攪拌部10Aと、摩擦攪拌部10Aに続く、撹拌工具1との接触により生じた強い金属粉末の流動及び摩擦熱の影響を受けた流動熱影響部10Bを少なくとも有し、あるいはさらに、流動熱影響部10Bから熱影響のみを受けた熱影響部10Cが存在している。
後述するが熱影響部10Cは、その相対密度が摩擦攪拌部10A、あるいは流動熱影響部10Bより低く、空孔が多数存在している部分であって、内部組織や機械的性質がやや劣る。一方、摩擦攪拌部10Aと、摩擦攪拌部10Aから流動及び摩擦熱の影響を受けた流動熱影響部10Bは、極一部を除く、大部分が緻密な内部組織や優れた機械的性質を有する。したがって、押圧方向の厚さtを一段と厚くする必要がある場合には、内部組織や機械的性質がやや劣る熱影響部10Cを含むものとすることができるが、内部組織や機械的性質を重視する場合には、空孔が多数存在している熱影響部10Cを含めない方が好ましい。
ここで、用いる金属粉末5としては、1種又は二種以上の粉末を用いることができる。二種以上の金属粉末を用いる場合には、予め混合した二種以上の金属粉末を粉末充填用容器4内に充填した後、固化成形することが固化成形体内に各粉末を均一に分散させることができるので好ましい。
金属粉末5としては、アルミニウム系や銅系、鉄系、シリコン系等の金属粉末が好適であり、特に酸素と結合して強固な酸化膜でその表面が覆われるアルミニウム系の金属粉末に本発明を適用することがより好適である。また、非金属粉末、例えば、プラスチック粉末に本発明を適用することもできる。
また得られた固化成形体を押出成形、プレス成形等により二次加工することが好ましい。この理由は、用いる成形工具の形状を製造する固化成形体の形状に対応させることにより、棒状、パイプ状等種々の形状の固化成形体を得ることができるが、二次加工することにより、複雑な形状の部品に加工することができるからである。
また、本発明にかかる微粉物質の固化成形方法によれば、粉末充填用容器4内に所定量の微粉物質を充填した後、棒状の撹拌工具1により、容器内の微粉物質を押圧しつつ攪拌し、圧縮荷重が所定値の最大圧縮荷重に到達した後、所定値の最大圧縮荷重を一定時間(30〜60秒)負荷し、固化成形が終了した後回転を停止し、冷却後に撹拌工具1を引き出す。その際、図2(a)に示したように、押し付け部1Aの先端に、撹拌工具1の回転軸中心と同軸にねじ部9を設け、押し付け部1A先端の平坦な下面及びねじ部9の全面を前記微粉物質と接触する作用面とすることにより、図3(a)に示した状態の固化成形体10を得ることができる。そこで、この方法を利用した接合方法によれば、得られる固化成形体10と攪拌工具1とを撹拌工具の作用面を介して容易に接合することができる。なお、図3(b)には参考例の攪拌工具で得られる固化成形体10を示した。
但し、固化成形体10が粉末充填用容器4に固着するのを防止するため、金属粉末を充填する前に、下パンチ2の上面とダイス3の内壁にカーボングラファイトなどの離型剤を塗布しておく。
図1、2に示した成形工具を用い、粉末充填用容器4内に所定量の金属粉末5を充填した後、撹拌工具1を挿入した状態で、撹拌工具1により圧縮荷重が所定の最大圧縮荷重になるまで金属粉末5を圧縮しつつ攪拌し、その後、回転を停止し、圧縮荷重を除荷して空冷し、撹拌工具1を引き出した。なお、金属粉末5として、純度99.76%、平均粒径28.46μmのアルミニウム粉末(東洋アルミニウム株式会社製)を用いた。また撹拌工具1はフライス盤の回転部に取り付けた。
成形条件、成形工具は以下のとおりである。また、得られた図3(a)、(b)に示した状態の固化成形体10は、L=0の位置で切断した後、各部分の密度測定、及び成形体中心11を通る縦断面におけるビッカース硬さ及び組織観察を行った。
〔成形条件〕
・最大圧縮荷重:5kN(各条件とも同じ)
・撹拌工具1の回転速度:0〜最高1785rpm(段階的に上昇させた結果、820、1375、1785rpmで厚さtが十分な固化成形体10が得られた。)
・金属粉末5の充填量:下記成形工具を用い、厚さt=6mm、直径=12mmの固化成形体が得られる量
・離型剤:固化成形体10が粉末充填用容器4に固着するのを防止するため、下パンチ2の上面とダイス3の内壁にカーボングラファイトを塗布(但し、撹拌工具1の作用面には、カーボングラファイトを塗布せず。)
〔成形工具〕
・攪拌工具1:炭素鋼S45C、押し付け部1Aの直径:12mm、押し付け部1Aの厚さb=1.0mm、ダイス3内に挿入する押し付け部1A以外の部分の直径:10mm
・攪拌工具1の作用面形状(5種類):ねじ部9を設けたもの(正ねじの場合:呼び径=M4、M6、M8、逆ねじの場合:呼び径=M6、押し付け部下面からねじ部先端までの長さa=5mm)、ねじ部9を設けてないもの
・下パンチ2:合金工具鋼鋼材SKD 11、直径が12mmの円柱状
・ダイス3:合金工具鋼鋼材SKD 11、外径が50mm、内径が12mmの円筒形状
〔固化成形体の調査方法〕
・相対密度について
得られた固化成形体10の各部分の密度を測定し、純アルミニウムの真密度で除して相対密度とした。その際、成形体表面に付着した離型剤のカーボングラファイトを取り除き、ねじ部9を設けた攪拌工具1を用いた場合、ねじ部9を除外してアルミニウム部分の密度を精製水を用いてアルキメデス法により測定した。アルキメデス法による密度測定には、電子比重計(ミラージュ貿易株式会社 SD−200L)を使用した。
なお、厚さtが6.0mmである固化成形体に対して、厚さt方向に順に適宜な間隔で切断して得た相対密度の値は、それぞれ厚さ方向距離L=0、1.5、3.0、4.5、6.0mmでの値としてプロットした。その結果を図4、図5、図8(a)に示した。
・固化成形体10のビッカース硬さ、及び組織観察について
前記相対密度を測定したものとは別に作製しておいた固化成形体10を用い、ビッカース硬さ試験機で成形体中心11を通る縦断面におけるビッカース硬さHVを測定した。なお、ビッカース硬さ試験は、JIS Z 2244に準拠して試験力を1000g、保持時間15秒で行った。但し、半径方向距離r=6.0mmであるビッカース硬さ試験は、表面より内側近くの位置で行った。
その結果を、図6、図7(b)、図8(b)、図8(c)、図9(b)、図10に示した。また、純アルミニウムの圧延材(規格:A1050P)と、従来法(ホットプレス法)により得た焼結物(焼結条件:焼結温度500℃、荷重10kN、焼結物の直径12mm)のビッカース硬さも比較のために測定し、図中に併記した。
固化成形体10の組織観察は、前記相対密度を測定したものとは別に作製しておいた固化成形体10を用い、成形体中心11を通る縦断面を0.8%NaOH水溶液により腐食して行った。その結果、成形条件によって異なる流動模様がそれぞれ観察された。その組織観察結果に基づいて作製した模式図を図7、図9に示した。
得られた固化成形体10の組織観察結果によれば、摩擦攪拌部10A、流動熱影響部10B、及び熱影響部10Cが一体化しており、摩擦攪拌部10Aと流動熱影響部10Bとの境は明瞭に観察されたが、流動熱影響部10Bと熱影響部10Cとの境ははっきりとしなかった。
図4、図5、図8(a)に示した相対密度の結果から、得られた固化成形体10は、目標とする0.80以上の相対密度を有し、緻密なものであることがわかる。また、図4、図5、図8(a)に示した固化成形体10の相対密度と厚さ方向距離Lとの関係を示す特性図の結果から、厚さ方向距離Lが6mmに近い箇所(熱影響部10Cに相当する。)の相対密度は、それ以外の摩擦攪拌部10Aと流動熱影響部10Bよりも小さく、熱影響部10Cには、微小な空孔が多数存在していることがわかる。これは組織観察の結果とも一致している。
また、押し付け部1Aにねじ部9を設けた攪拌工具1、あるいは押し付け部1Aにねじ部9を設けてない攪拌工具1のどちらを用いた場合でも、半径方向距離r=6mmでの測定結果を除き、大部分のビッカース硬さが従来法(ホットプレス法)により得た焼結物のそれよりも高く、優れた機械的性質を有することがわかる(図6、図7(b)、図8(b)、図8(b)、図9(c)、図10参照)。
また、正ねじを形成した場合、図7(b)に示すL=3.0mmでかつr=4.0、5.0mmの箇所のビッカース硬さが最も高くなっている。この理由としては、この部分が摩擦攪拌部10Aから熱影響と流動の影響を受けた流動熱影響部10Bに相当し、再結晶が起こらず、せん断変形により加工硬化しているためであると考えられる。なお、L=1.5mmでかつr=3.0、4.0、5.0mmの箇所は摩擦攪拌部10Aの範囲にある。
これに対して、逆ねじを形成した場合、あるいはねじ部9を設けてない場合には、正ねじを形成した場合と異なる結果が得られた。この理由としては、攪拌工具1の作用面の形状が異なることにより摩擦熱、及び塑性流動の状態が変化したためと考えられる。
本発明に用いて好適な成形工具を示す概略断面図である。 (a)は本発明に用いる攪拌工具の形状を示す正面図、(b)は参考例の攪拌工具の形状を示す正面図である。 (a)は本発明により得られる固化成形体の状態、(b)は参考例の攪拌工具で得られる固化成形体の状態を示す断面図である。 本発明により得た固化成形体の相対密度と厚さ方向距離Lとの関係を示す特性図である。 本発明により得た固化成形体の相対密度と厚さ方向距離Lとの関係を示す特性図である。 本発明により得た固化成形体のビッカース硬さと厚さ方向距離Lとの関係を示す特性図である。 (a)は、本発明により得た固化成形体の部分を模式的に示す断面図であり、(b)は、その部分によるビッカース硬さ変化を示す特性図である。 (a)は、本発明により得た固化成形体の相対密度と厚さ方向距離Lとの関係を示す他の特性図であり、(b)、(c)はその固化成形体のビッカース硬さと半径方向距離r及び厚さ方向距離Lとの関係を示す特性図である。 (a)は、本発明により得た固化成形体の部分を模式的に示す他の断面図であり、(b)は、その部分によるビッカース硬さ変化を示す他の特性図である。 参考例の攪拌工具で得られる固化成形体のビッカース硬さ変化を示す特性図である。 非特許文献1に記載の金属粉末の固化成形方法の問題点を説明する斜視図である。 (a)は、非特許文献1に記載の金属粉末の固化成形方法で得られる固化成形体の形状を示す平面図、(b)は、X−X断面図である。 特許文献1に記載の摩擦攪拌による接合方法を説明するための斜視図である。
符号の説明
1 攪拌工具
1A 押し付け部
2 下パンチ
2A ストレインゲージ
3 ダイス
3A 温度計
4 粉末充填用容器
5 金属粉末
6 押圧方向
7 回転方向
8 回転軸中心
9 ねじ部
10 固化成形体
10A 摩擦攪拌部
10B 流動熱影響部
10C 熱影響部
11 成形体中心
t 固化成形体の厚さ
L 攪拌工具の押し付け部下面から厚さ方向に測った厚さ方向距離
r 成形体中心から半径方向に測った半径方向距離
20、21 成形工具
22 金属粉末
23 回転軸中心
24 押圧方向
25 回転方向
26 固化成形体
27 成形体中心
30 接合ツール
30A ピン
30B 肩部
31 回転中心
32 移動方向
33 テーブル
P 形材パネル
F 矯正力
θ 肩部30Bの面の傾斜
S クランプする前の隙間

Claims (5)

  1. 粉末充填用容器内に所定量の微粉物質を充填した後、棒状の撹拌工具により、容器内の微粉物質を圧縮しつつ攪拌し、固化成形するに際し、前記撹拌工具の押し付け部先端に、撹拌工具の回転軸中心と同軸にねじ部を設け、前記押し付け部先端の平坦な面及びねじ部の全面を前記微粉物質と接触する作用面とすることを特徴とする微粉物質の固化成形方法。
  2. 前記粉末充填用容器内に予め混合した二種以上の微粉物質を充填し、固化成形することを特徴とする請求項に記載の微粉物質の固化成形方法。
  3. 得られる固化成形体を押出成形、プレス成形等により二次加工することを特徴とする請求項又はに記載の微粉物質の固化成形方法。
  4. 前記微粉物質が金属粉末であることを特徴とする請求項のいずれかに記載の微粉物質の固化成形方法。
  5. 部材同士を摩擦熱を利用して接合する接合方法において、粉末充填用容器内に所定量の微粉物質を充填した後棒状の撹拌工具により、容器内の微粉物質を圧縮しつつ攪拌し、得られる固化成形体と前記撹拌工具とを前記撹拌工具の作用面を介して接合するに際し、前記撹拌工具の押し付け部先端に、撹拌工具の回転軸中心と同軸にねじ部を設け、前記押し付け部先端の平坦な面及びねじ部の全面を前記微粉物質と接触する作用面とすることを特徴とする接合方法。
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