本発明は、入賞口の側部に軸支された可動翼片を、起立位置と傾動位置とに変換制御する可変入賞装置を備えているパチンコ遊技機に関する。
パチンコ遊技機の可変入賞装置にあって、可動翼片を起立位置と傾動位置とに変換駆動する駆動制御装置としては、一般的にソレノイドが用いられている。この駆動制御装置は、常態で起立位置に在る可動翼片を傾動位置へ変換させる場合に、ソレノイドを励磁して該可動翼片を傾動させる。そして、予め定められた開放時間が経過すると、ソレノイドを消磁して可動翼片を起立位置に変換する。このように、ソレノイドを励磁することにより、可動翼片を変換するようにした構成の可変入賞装置が良く知られている(例えば、特許文献1)。尚、可動翼片は、傾動位置に変換した場合に、遊技球を入賞口へ案内する作用を発揮するようにしている構成が一般的である。
ここで、パチンコ遊技機の遊技盤に配設される可変入賞装置にあって、入賞口の左右両側で軸支された左右一対の可動翼片を、上方に立ち上がる起立位置と、逆ハ字形に外側方に拡開する傾動位置とに変換制御する構成も知られている。この可変入賞装置としては、例えば、普通電動役物が知られており、該普通電動役物の入賞口へ遊技球が流入することに起因して、特別図柄を変動させ、当該特別図柄を大当り図柄態様で確定停止すると、所定の大当り作動を実行することとなる。したがって、遊技者は、普通電動役物の可動翼片が傾動位置へ変換されることに充分な注意を払っており、該普通電動役物は遊技における重要度が高いものである。尚、この普通電動役物(可変入賞装置)は、可動翼片が起立位置に在る場合にも、左右両側の可動翼片間から入賞口へ遊技球を流入可能とし、可動翼片が拡開して傾動位置に変換されることにより、該可動翼片が遊技球を入賞口へ案内する作用を発揮し、比較的遊技球の流入し易い状態とする構成としている。
特開2001−327685号公報(段落番号「0002」)
ところで、可変入賞装置の可動翼片は、上述したように、傾動位置に変換された場合に遊技球を入賞口へ案内する案内作用を有するものとなっており、遊技領域を転動流下してきた遊技球が、この可動翼片に衝突して該可動翼片に沿って入賞口へ流入する。このため、例えば、基準開放時間の経過によりソレノイドを消磁し、可動翼片が傾動位置から起立位置へ戻るように傾動開始した時に、遊技球が該可動翼片に衝突すると、当該遊技球が可動翼片の案内作用により入賞口に流入するだけでなく、この衝突力が可動翼片を開放する方向に作用する。これによって、可動翼片の開放時間が延長されることとなる。すなわち、ソレノイドを励磁して可動翼片を傾動位置とする入賞口の基準開放時間に比して、実際に入賞口が開放している時間(以下、実開放時間)が長くなってしまう。このため、この延長された時間に、本来の開放時間では流入できなかったはずの遊技球が流入することもあり得てしまう。特に、遊技機毎に、遊技盤面の遊技釘の配置により入賞口への遊技球の流入し易さが異なることから、遊技球が比較的流入し易いパチンコ遊技機では、前記した可動翼片の開放時間が延長される状況も生じ易くなる。このため、可変入賞装置の入賞口へ遊技球が流入し易い遊技機と、流入し難い遊技機との間の利益差が拡大する傾向にあり、遊技の公平性を欠くものとなっていた。また、入賞口の延長された開放時間に遊技球が流入することにより、本来発生しないはずの利益を遊技者に付与することとなるため、遊技場が不利益を被ることともなっていた。
また、可動翼片と遊技釘との間に遊技球が挟まる場合も生じ得る。この場合には、可動翼片が開放した状態で維持されることとなり、基準開放時間を越えて、遊技球が入賞口に流入し易い状態が継続する。このため、遊技者は、本来直ちに遊技場の係員に連絡して挟まった遊技球を取り除かねばならないが、当該状態を放置して遊技を継続して利益を得ようとする傾向が強い。このような場合には、遊技場に不利益が生じ、この放置時間が長くなるほど遊技場の損失が大きくなっていた。
本発明は、上述した問題を解決し、遊技機間の公平性を保持し得るパチンコ遊技機を提案することを目的とするものである。
本発明の第一発明は、入賞口の側部で傾動可能に軸支され、起立位置と傾動位置とに変換される可動翼片と、該可動翼片を駆動制御する駆動制御装置とを具備する可変入賞装置と、所定入賞条件の成立に起因して駆動制御装置を駆動することにより、可動翼片を起立位置から傾動位置へ変換して、該傾動位置に予め定められた基準開放時間維持するように制御する遊技制御手段とを備えたパチンコ遊技機において、傾動位置へ変換する可動翼片を検知する翼片検知センサを備えると共に、遊技制御手段が、翼片検知センサにより可動翼片の傾動を検知して得た入賞口の実開放時間と、基準開放時間との時間差を累積して積算時間差値を演算する演算処理内容と、該積算時間差値が予め定めた超過上限値に達した場合には、可動翼片を傾動位置へ傾動させる所定入賞条件の成立確率を低確率とする低確率処理を所定回数実行するようにした確率制御処理内容とを備えていることを特徴とするパチンコ遊技機である(請求項1)。
かかる構成にあっては、実開放時間が基準開放時間より超過した場合に、その時間差を累積し積算時間差値を演算する演算処理内容を、可変入賞装置が可動翼片を傾動位置に変換して入賞口を開放する毎に実行する。そして、この積算時間差値が所定の超過上限値に達した場合には、所定入賞条件の成立する確率を低確率とする確率制御処理内容を実行することにより、可動翼片を起立位置から傾動位置へ変換する作動を実行し難くしている。これは、基準開放時間に比して長くなった時間に相当する遊技者側の利益を、入賞条件を成立し難くすることによって相殺するようにしたものである。したがって、例えば、上述したように、可動翼片の傾動位置から起立位置へ変換される時に、遊技球が該可動翼片に衝突して実開放時間が基準開放時間より長くなる状態が複数回生じても、その長くなった時間に応じて可動翼片が開放されない場合が生じ得ることとなる。而して、可動翼片の開放という利益は、総じて平準化されることとなり、遊技機間で、可変入賞装置の実開放時間をほぼ均等化できる。さらに、遊技場にあっては、このような実開放時間の超過による不利益を被ることが防止できる。また、遊技球が、可動翼片と遊技釘とに挟まれて可動翼片の開放した状態が継続した場合となっても、これ以降の入賞条件の成立確率が低確率となるため、可動翼片の傾動が行われ難くなり、遊技場の損失を回復することができ、遊技機の健全性を保持し得る。
ここで、超過上限値および入賞条件の成立する低確率としては、可動翼片の開放時間が延長したという遊技者側の利益を適正に相殺し得るように設定することが好適である。例えば、超過上限値を比較的小さな値に設定すれば、成立確率も本来の基準確率に比して少し低い確率に設定する。又は、超過上限値を大きく設定すれば、成立確率もかなり低い確率に設定する。さらに、この低確率処理の実行回数としては、入賞条件の成否を判定する処理の一回だけとしても、複数回行うようにしても良く、前記遊技者側の利益を適正に相殺できるように設定することが好ましい。このように、超過上限値、入賞条件の成立確率、低確率とする回数は、適宜設定することが可能である。
一方、本発明の第二発明は、入賞口の側部で傾動可能に軸支され、起立位置と傾動位置とに変換される可動翼片と、該可動翼片を駆動制御する駆動制御装置とを具備する可変入賞装置と、所定入賞条件の成立に起因して駆動制御装置を駆動することにより、可動翼片を起立位置から傾動位置へ変換して、該傾動位置に予め定められた基準開放時間維持するように制御する遊技制御手段とを備えたパチンコ遊技機において、傾動位置へ変換する可動翼片を検知する翼片検知センサを備えると共に、遊技制御手段が、翼片検知センサにより可動翼片の傾動を検知して得た入賞口の実開放時間と、基準開放時間との時間差を累積して積算時間差値を演算する演算処理内容と、該積算時間差値が予め定めた超過上限値に達した場合には、可動翼片を傾動位置へ傾動させる所定入賞条件の成立を取り消す非開放処理を所定回数実行するようにした開放制御処理内容とを備えていることを特徴とするパチンコ遊技機である(請求項2)。
かかる構成にあっても、上述した第一発明と同様に、実開放時間が基準開放時間より長くなった場合に、その時間差を累積して積算時間差値を演算する演算処理内容を、入賞口を開放する毎に実行する。そして、この積算時間差値が所定の超過上限値に達した場合には、所定入賞条件の成立を取り消すことにより、可動翼片を起立位置から傾動位置へ変換する作動を行わない開放制御処理内容を実行するようにしている。これは、基準開放時間に比して長くなった時間に相当する遊技者側の利益を、入賞条件の成立を取り消すことによって相殺するようにしたものである。したがって、実開放時間が基準開放時間より長くなる状態が複数回生じても、その長くなった時間に応じて可動翼片が開放されないこととなる。而して、可動翼片の開放という利益は総じて平準化され、可動翼片の実開放時間を遊技機間でほぼ均等にできる。さらに、遊技場にあっては、このような実開放時間の超過による不利益を被ることが防止できる。また、遊技球が、可動翼片と遊技釘とに挟まれて可動翼片の開放した状態が維持された場合にあっても、以降の入賞条件の成立が取り消されて、可動翼片の傾動が行われないこととなるため、遊技場の損失を回復することができ、遊技の健全性を保持し得る。
ここで、超過上限値、入賞条件の成立を取り消す回数は適宜に設定することができ、可動翼片の開放時間が延長したという遊技者側の利益を適正に相殺し得るように設定することが好ましい。例えば、基準開放時間に相当する超過上限値を設定して、入賞条件の成立一回を取り消すようにしても良い。
上述した第一発明又は第二発明のパチンコ遊技機にあって、遊技盤に配設され、複数の普通図柄を変動表示する図柄表示装置と、遊技盤に配設され、遊技球の通過可能な普通図柄始動口と、該普通図柄始動口を通過する遊技球を検知し、球検知信号を出力する普通図柄始動スイッチとを備えてなり、可変入賞装置が、入賞口の左右両側に一対の可動翼片を具備する普通電動役物であって、遊技制御手段が、普通図柄始動スイッチからの球検知信号に基づいて普通図柄を変動させ、当該普通図柄を当り図柄態様で確定停止すると、入賞条件が成立し、普通電動役物の一対の可動翼片を起立位置から傾動位置へ変換する駆動制御を実行するようにした構成が提案される(請求項3)。
かかる構成にあっては、普通電動役物の左右一対の可動翼片が、基準開放時間に比して長く開放され、入賞口へ遊技球の流入し易い状態が生じた場合に、普通電動役物の作動する入賞条件の成立確率を低確率とするか、又は該入賞条件の成立を取り消すことにより、総じて、遊技球の入賞口へ流入する可能性を平準化することができる。これにより、普通電動役物の入賞口へ遊技球が流入することによって得られる遊技者の利益は、ほぼ均質化されることとなり、遊技の健全性を保持することができる。
また、パチンコ遊技機が、遊技盤に配設され、複数の特別図柄を変動表示する図柄表示装置と、遊技盤に配設され、遊技球が流入可能な大入賞口、及び該大入賞口を開閉する開閉扉を具備する大入賞口装置とを備えてなり、可変入賞装置が、入賞口を通過する遊技球を検知し、球検知信号を出力する特別図柄始動スイッチを備えると共に、遊技制御手段が、特別図柄始動スイッチからの球検知信号に基づいて、特別図柄を変動させ、当該特別図柄を大当り図柄態様で確定停止した場合に、大入賞口装置の開閉扉を開閉作動させる所定の大当り作動を実行する大当り制御内容を具備する構成が提案される(請求項4)。
かかる構成にあっては、普通電動役物の入賞口へ遊技球が流入することにより、特別図柄が変動し、大当り図柄態様で確定停止すると、大当り作動が実行されるようにしたものである。すなわち、普通電動役物の入賞口への遊技球流入が、遊技者の最も望む大当り作動の実行につながっている。したがって、上述した本発明の構成により発揮される作用効果により、大当り作動の実行される可能性を遊技機間でほぼ等しくすることができ、遊技者の得る賞球としての実利を公平とし、遊技の健全性が適正に保たれる。
本発明の第一発明は、上述したように、傾動中の可動翼片を検知する翼片検知センサにより得た入賞口の実開放時間と、基準開放時間との時間差を累積して積算時間差値を演算処理し、該積算時間差値が所定の超過上限値に達すると、所定入賞条件の成立確率を低確率とする低確率処理を所定回数実行するようにした構成である。(請求項1)。一方、第二の発明は、実開放時間と基準開放時間との時間差を累積した積算時間差値が、所定の超過上限値に達した場合には、所定入賞条件の成立を取り消す非開放処理を所定回数実行するようにした構成である(請求項2)。これら構成により、可動翼片の開放時間が延長したことによる遊技者側の利益を相殺することができるため、遊技機間で可動翼片の実開放時間がほぼ均等化され、遊技機間の公平性を保つことができる。また、可動翼片の実開放時間が長くなることにより生ずる遊技場の損失も回復され、遊技機の健全性を保持し得る。
上述の第一発明又は第二発明の構成にあって、可変入賞装置が左右一対の可動翼片を備えた普通電動役物であり、入賞条件の成立を、普通図柄始動口を遊技球が通過したことに基づき、普通図柄が当り図柄態様で確定停止したこととする構成(請求項3)にあっては、普通電動役物の入賞口へ遊技球が流入する可能性を総じて均等化することができ、遊技の健全性を保ち得る。
また、可変入賞装置の入賞口に遊技球が流入することに基づき、特別図柄を変動させ、該特別図柄が大当りとなると、所定の大当り作動を実行するようにした構成(請求項4)にあっては、本発明の作用効果により、大当り作動の実行される可能性を遊技機間でほぼ等しくでき、遊技の健全性が適正に保たれる。
以下に、本発明をいわゆる第一種パチンコ遊技機に適用した実施例を説明する。
図1は、第一種パチンコ遊技機の遊技盤1を示す。この遊技盤1には、その遊技盤面2にほぼ円形の誘導レール3で囲繞された遊技領域4が設けられており、該遊技領域4のほぼ中央にはセンターケース5が配設されている。このセンターケース5には、液晶表示器、CRT表示器等からなる図柄表示装置6が組付けられており、さらに該図柄表示装置6には図柄表示領域7が形成されている。尚、遊技領域4には、図示しない遊技釘が複数取り付けられており、該遊技領域4に打ち出された遊技球が転動流下することとなっている。
図柄表示領域7の中央位置には特別図柄A、特別図柄B、及び特別図柄Cがそれぞれ表示される特別図柄表示部a,b,cが形成される。この特別図柄A,B,Cは、それぞれ「0」〜「9」の数字からなり、これらの数字が順に上下方向へ配列されて、三列の特別図柄列が構成されている。そして、遊技球が後述する普通電動役物13内の特別図柄始動入賞口20に流入すると、これを契機として各特別図柄列が上下方向に循環変動を開始することにより特別図柄A,B,Cが変動開始し、その後確定停止される。そして、この停止表示された特別図柄A,B,Cの図柄態様が大当り図柄態様(A=B=C)である場合に、いわゆる「大当り」となって後述の大当り作動が実行される。
また、図柄表示領域7内の左上位置には普通図柄表示部x,yが形成され、この普通図柄表示部x,yに、「7」又は「−」を示す普通図柄X,Yが表示される。そして、遊技球が後述する普通図柄作動ゲート12を通過すると、これを契機として普通図柄X,Yを変動する表示が開始され、その後確定停止する。
この図柄表示装置6の直上右位置には、4個のパイロットランプからなる特別図柄変動保留数表示部19が配設されている。この特別図柄変動保留数表示部19は、特別図柄A,B,Cの変動中に遊技球が特別図柄始動入賞口20に流入し、特別図柄A,B,Cの図柄変動が保留された場合に、4個を限度として変動保留数を表示するものである。
また、図柄表示装置6の直上左位置には、4個の発光ダイオードLEDからなる普通図柄変動保留数表示部21が配設されている。この普通図柄変動保留数表示部21は、普通図柄X,Yの変動中に遊技球が普通図柄作動ゲート12を通過する等して、普通図柄X,Yの図柄変動が保留された場合に、4個を限度として変動保留数を表示するものである。
一方、センターケース5の両側位置には、遊技球が通過可能な普通図柄作動ゲート12,12が配設されており、この普通図柄作動ゲート12,12を遊技球が通過すると、普通図柄作動ゲート12,12に内蔵された普通図柄始動スイッチS2(図2参照)がこの遊技球通過を検知し、球検知信号を出力する。そして、かかる球検知信号に基づいて、前記普通図柄X,Yの変動表示が開始される。この普通図柄作動ゲート12,12が、本発明にかかる普通図柄始動口である。
また、センターケース5の直下位置には、特別図柄始動入賞口20を備えた普通電動役物13が配設されている。この普通電動役物13にあっては、特別図柄始動入賞口20の左右両側に、該特別図柄始動入賞口20の開口度を変化させる左右一対の可動翼片15,15が傾動可能に設けられている。この左右一対の可動翼片15,15は、上方に立ち上がる起立位置(図3(イ))で、その間を遊技球が通過し得るように互いに離間されており、この間隙の下側が特別図柄始動入賞口20となっている。そして、上記した普通図柄X,YがX=Y=「7」で確定停止した場合に、普通電動役物ソレノイド32(図4参照)を駆動源とする可動翼片15,15が所定時間、外側方に拡開されて、特別図柄始動入賞口20の開口度が拡大し、遊技球が流入し易い状態となる(図3(ロ))。この特別図柄始動入賞口20には、光電スイッチ、リミットスイッチ等の特別図柄始動スイッチS1(図2参照)が備えられ、遊技球が特別図柄始動入賞口20に流入すると、特別図柄始動スイッチS1がこの遊技球を検知し、球検知信号を出力する。そして、かかる球検知信号に基づいて、図柄表示領域7の特別図柄表示部a,b,cで、特別図柄A,B,Cの変動表示が開始される。尚、この普通電動役物13は、本発明の要部に係り、詳しくは後述する。
この普通電動役物13の下方には、内部に特定領域(図示省略)と一般領域(図示省略)とを有する大入賞口23を具備する大入賞口装置25が配設されている。この大入賞口装置25は横長矩形状の開閉扉24を具備し、この開閉扉24が大入賞口開放ソレノイド(図3参照)により開閉制御されて、大入賞口23を開放状態とする開放位置又は閉鎖状態とする閉鎖位置のいずれかに変換される。そして、停止表示された特別図柄A,B,Cが大当り図柄態様(A=B=C)であると、閉鎖位置に在る開閉扉24を開放位置へ変換し、さらに、その開放位置にある開閉扉24の上面が案内作用を生じ、大入賞口23へ遊技球が案内される。そして、特定領域に遊技球が流入すると、次の開閉ラウンドが実行される条件が満たされ、所定の開閉ラウンド数だけ開閉扉24の開閉作動を生じて、遊技者に所定の利益が付与される。さらに、大入賞口23内部には、特定領域に入った遊技球を検知する特定領域スイッチS3と、当り中の入賞個数を計数するカウントスイッチS4とが設けられている。ここで特定領域スイッチS3にも、特定領域に入った遊技球を計数するカウントスイッチとしての機能が備えられている。なお、この大入賞口装置25の開閉扉24を開閉作動することにより、本発明にかかる大当り作動が構成される。
図2は、本発明にかかるパチンコ遊技機の遊技作動を制御する制御回路を示すものである。
マイクロコンピュータを構成する主制御基板60には、パチンコ遊技機の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられており、この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設されている。この主制御用中央制御装置CPUは、遊技に関する統括的な制御を処理実行するものであって、この主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書きできる記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。
記憶装置ROMには、制御プログラムや、各種乱数テーブル等の固定データが格納されている。この乱数テーブルとしては、大当り特別乱数テーブル、大当り図柄乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル 、リーチ乱数テーブル、リーチ図柄乱数テーブル、変動パターン選択乱数テーブル、当り普通乱数テーブル、及びハズレ普通図柄乱数テーブル等があり、所定の要件が充足されると主制御用中央制御装置CPUが各乱数テーブルから乱数値を取得する。
ここで、前記した各乱数テーブルについて説明する。
大当り特別乱数テーブルは、0〜299の300コマからなる。通常の状態(以下、通常遊技状態)では、この大当り特別乱数テーブルから取得した大当り特別乱数値KがK=7の場合に「大当り」となり、大当り確率は1/300である。一方、大当りとなる特別図柄A,B,Cが奇数図柄からなる大当り態様(例えば、「3,3,3」、以下特定図柄という)であった場合には、これを契機として、大当り作動後に、遊技者にとって有利な利益が付与される有利遊技状態となる。この有利遊技状態の一形態としては、「大当り」となる確率(以下、大当り確率という)が向上し、かつ特別図柄A,B,Cの変動時間が短縮される時間短縮機能が作動する確変遊技状態がある。この確変遊技状態では、大当り特別乱数テーブルから取得した大当り特別乱数値KがK=7,59,119,197,279の場合に「大当り」となる。すなわち大当り確率は1/60である。なお、通常遊技状態および確変遊技状態にあっても、取得した大当り特別乱数値Kが、前記値以外であるとハズレとなる。
そのほか、通常遊技状態と確変遊技状態とでは、普通電動役物13の、可動翼片15,15が傾動して特別図柄始動入賞口20へ遊技球の通過容易な状態で保持される時間(後述する基準開放時間)の長さが異なるように設定されている。通常遊技状態では、普通図柄X,Yが当りとなると、基準開放時間を0.2秒間とし、一方、確変遊技状態では、基準開放時間を4秒間とする。
また、大当り図柄乱数テーブルは、0〜9の10コマからなり、取得した大当り特別乱数値Kの内容が「大当り」である場合に、特別図柄A,B,Cの大当り態様を決定するものである。例えば、この大当り図柄乱数テーブルから取得した大当り図柄乱数値LがL=3の場合に、停止表示される大当り態様は「3,3,3」となる。
一方、ハズレ図柄乱数テーブルは、取得した当り特別乱数値Kの内容がハズレである場合に、特別図柄A,B,Cのハズレ態様を決定するものである。なお、このハズレ図柄乱数テーブルからは、ハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mcを取得する。
また、0〜99の100コマからなるリーチ乱数テーブルからは、リーチ乱数値Nを取得する。このリーチ乱数値Nは、大当り特別乱数値Kの内容がハズレである場合に、リーチ変動作動を実行するか否かを決定するものである。なお、大当り特別乱数値Kの内容が当りである場合は、必ずリーチ変動作動を実行する。ここで、リーチ乱数値NがN=7,17,23,37,43,53,61,71,89,91であると、リーチ変動作動が実行され、リーチ態様の特別図柄A,B,Cが表示される。なお、リーチ変動作動の作動態様は、低速スクロール、逆走行、低速走行からの加速的停止等により多様に構成されている。
また、0〜9の10コマからなるリーチ図柄乱数テーブルからは、リーチ図柄乱数値Qを取得する。このリーチ図柄乱数値Qは、リーチ変動作動を実行する際のリーチ態様を決定するものである。例えば、このリーチ図柄乱数値QがQ=3の場合には、特別図柄A,B,Cのうち、一番目と二番目に停止する二つの図柄が「3」となるリーチ態様が表示される。
また、当り普通乱数テーブルは、0〜96の97コマからなり、当り普通乱数値Vを取得する。この当り普通乱数値Vは、普通図柄X,Yの当りハズレを決定するものである。ここで、当り普通乱数値VがV=0,1,2,96であると、ハズレとし、該Vがこれ以外の値であると、当りとなる。すなわち普通図柄の当り確率は93/97である。この当り普通乱数値Vが当りであると、普通図柄X,Yの停止図柄態様は「7,7」となる。一方、当り普通図柄値Vがハズレである場合には、当該当り普通乱数値Vと同時期に、ハズレ普通図柄乱数テーブルから取得したハズレ普通図柄乱数値Wに従って普通図柄X,Yをハズレ態様で確定表示する。このハズレ普通図柄乱数テーブルは、0〜2の3コマからなり、ハズレ普通図柄乱数値WがW=「0」であるとX=「7」,Y=「−」で確定表示し、W=「1」であるとX=「−」,Y=「7」で確定表示し、W=「2」であるとX=「−」,Y=「−」で確定表示する。
また、変動パターン選択乱数テーブルは、0〜126の127コマからなり、かかるテーブルから変動パターン選択乱数値Gを取得する。この変動パターン選択乱数値Gは、特別図柄A,B,Cの図柄変動や、これ以外の演出図柄の変動パターンを決定するものであり、特別図柄A,B,Cの停止表示時間、確定表示されるまでの変動時間、演出図柄の演出時間等をそれぞれ定めている。そして、変動パターン選択乱数値Gの値に応じて、図柄表示制御基板62の記憶装置ROMに複数備えられている変動パターンテーブルの特別図柄変動パターンが振り分けられており、このパターンに従って図柄変動が表示実行される。
一方、主制御基板60の記憶装置RAMには、特別図柄始動スイッチS1、普通図柄始動スイッチS2のON作動に基づく始動記憶等が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域、及びワークエリア等が設けられている。
ここで、始動記憶について詳述する。原則、特別図柄A,B,Cは、遊技球が特別図柄始動入賞口20に流入すると変動開始し、普通図柄X,Yは、遊技球が普通図柄作動ゲート12(普通図柄始動領域)を通過すると変動開始する。しかし、特別図柄A,B,Cは、特別図柄A,B,Cが変動している期間等に遊技球が特別図柄始動入賞口20を流入しても直ぐに図柄変動は開始されない。また、普通図柄X,Yも、普通図柄X,Yが変動している期間、又は普通電動役物13の可動翼片15,15の駆動中に普通図柄作動ゲート12を遊技球が通過しても図柄変動は開始されない。このように図柄が変動できない期間(以下、変動開始不能期間という)に特別図柄始動スイッチS1、又は普通図柄始動スイッチS2のON作動があった場合は、記憶装置RAMに当該遊技球通過の記憶が保持され、始動記憶として特別図柄A,B,Cの図柄変動、或いは普通図柄X,Yの図柄変動が保留されることとなる。そして、変動開始不能期間が解除されて(図柄変動等が終了して)、図柄変動を開始できる変動開始可能期間となると、記憶装置RAMに記憶保持された始動記憶が記憶消化されて、保留されていた図柄変動がそれぞれ変動開始される。
また、この主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。そして主制御用中央制御装置CPUは、一定間隔のクロックパルスによって時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして時間を計測するタイマーTMも接続されている。
また、この主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられている。この主制御基板60の出力ポートには、図柄表示制御基板62、音源制御基板63、光源制御基板64、及び払出制御基板65の各入力ポートが接続され、主制御基板60からの制御指令が、各制御基板62,63,64,65へ一方向に出力される。一方、主制御基板60の入力ポートには、特別図柄始動スイッチS1が接続されていると共に、盤面中継基板61を介して、普通図柄始動スイッチS2、特定領域スイッチS3、及びカウントスイッチS4が接続されている。さらに、後述する翼片検知センサ31(図3,図4参照)も接続されている。そして、主制御基板60が2msごとに各スイッチS1〜S4及び翼片検知センサ31から出力される検知信号を調べ、各検知信号に従って所定情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して普通電動役物13の可動翼片15,15を傾動する普通電動役物ソレノイド32(図4参照)や、大入賞口装置25の開閉扉24を開閉する大入賞口ソレノイド等が接続され、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に作動される。
ここで主制御用中央制御装置CPU、及び後述する各制御基板62,63,64,65に設置されている各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。なお、この演算ユニットの連成数によって、中央制御装置CPUの演算処理能力が決まる。そして、主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成したデータ又はコマンドを各制御基板62,63,64,65にそれぞれ出力し、各制御基板62,63,64,65の中央制御装置CPUがこのデータ等に従って所定の制御を処理実行することとなる。
上記の図柄表示制御基板62には、図柄表示装置6を駆動し、図柄表示装置6の図柄表示領域7上で表出される図柄表示態様を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、図柄表示態様を制御処理する図柄制御用中央制御装置CPUに、特別図柄変動パターン、普通図柄変動パターン等に関する固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。
ここで、図柄表示制御基板62は、主制御基板60から入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを図柄制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所定の図柄表示態様を演出する図柄データを、出力ポートを介して表示用ドライバに出力する。そして、この表示用ドライバが、前記図柄データに従って図柄表示装置6の図柄表示領域7に所定の図柄を所定態様で表出させる。
上記の音源制御基板63には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音響発生パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この音源制御基板63は、上記の主制御基板60より入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを音源制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定の音データを出力ポートを介してサウンドジェネレータに出力し、このサウンドジェネレータが、前記音データに従ってスピーカに効果音を出力させる。
上記の光源制御基板64には、パチンコ遊技機に備えられた発光ダイオードLED、装飾ランプ等で構成される電飾装置、特別図柄変動保留数表示部19、普通図柄変動保留数表示部21等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、電飾装置の点灯、点滅等を制御する光源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、発光ダイオードLED,装飾ランプ等を電飾するための電飾パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この光源制御基板64は、光源制御用中央制御装置CPUで、上記の主制御基板60から入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを演算処理し、所定の光データを出力ポートを介して、発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を発光作動するドライバを配した光源作動基板に出力し、この光源作動基板が、所定の発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。
ところで、上述したように、遊技球が特別図柄始動入賞口20を連続的に通過することにより特別図柄A,B,Cの変動中に特別図柄始動スイッチS1がON作動した場合は、この遊技球通過を変動開始不能期間の遊技球通過と認識し、当該図柄変動は変動開始可能期間となるまで保留される。すなわち、始動記憶として主制御基板60の記憶装置RAMに記憶保持される。そしてこの記憶に基づいて特別図柄変動保留数表示部19の発光ダイオードLEDが順次点灯し、その時点での図柄変動の保留数を表示する。一方、変動開始可能期間となると、記憶装置RAMの図柄変動の保留は消化され、これに対応して特別図柄変動保留数表示部19では、消化分が減算された保留数が表示される。なお、普通図柄変動保留数表示部21でも、同様な態様で普通図柄X,Yの図柄変動について変動保留数が表示される。ところで、上述したように、特別図柄変動保留数表示部19及び普通図柄変動保留数表示部21が表示可能な変動保留数は最高4個までであって、変動保留数がこの上限数に達した後の、特別図柄始動入賞口20、普通図柄作動ゲート12への遊技球通過はオーバーフローとなって無効球となる。
上記の払出制御基板65には、遊技球の貸球や賞球等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動して、所定の貸球や賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム、賞球や貸球の球数パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、球数カウントデータ等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この払出制御基板65は、主制御基板60から入力されたデータ又はコマンドに従い、払出制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定のデータを出力ポートを介して払出中継基板に送信し、このデータにより貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動し、所定の貸球や賞球の払い出しを実行する。また、払出制御基板65は、遊技球の貸球を記憶したプリペイドカードの読み込み書き込みを行うプリペイドカードユニットと、このプリペイドカードのデータ処理を中継するCR接続基板を介して接続され、遊技球の残球データ等をやり取りする。
次に、本実施例のパチンコ遊技機の制御処理を説明する。
図5に示されるように、パチンコ遊技機の制御処理は、メインルーチンと複数のサブルーチンとで構成されている。
メインルーチンがスタートすると、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、電源投入時であるか否かをまず判定する。ここで、電源投入時である場合は、初期化処理を実行し、初期値乱数更新処理に移行して無限ループ処理を実行する。
一方、電源投入時でない場合は、次に出力処理、入力処理、乱数作成処理、初期値乱数更新処理、遊技枠処理、スイッチ処理、始動口処理、大入賞口処理、特別図柄処理、普通図柄処理、普通電動役物処理、データ作成処理、エラー制御処理、大当り遊技処理を実行し、次に初期値乱数更新処理に移行して無限ループ処理を実行する。なお、この一連の処理は、上述したタイマーTMによりカウントされる所定単位時間(2ms)ごとに繰り返し実行される。
次に、上述のサブルーチンのうち、始動口処理を図6に従って説明する。
遊技者が図示しない発射ハンドルを回動操作すると、遊技球が図示しない発射装置により遊技領域4に打ち出される。そして、遊技球が転動流下して、その後特別図柄始動入賞口20に流入(入賞)すると、特別図柄始動スイッチS1がON作動して球検知信号を出力する。そして、かかるON作動を契機として、以下に述べる制御処理を実行開始する。
まず、特別図柄始動スイッチS1が出力する球検知信号の入力の有無を判定し(ステップS1)、入力があった場合は、特別図柄始動スイッチS1のON作動をあったと認識し、記憶装置RAMに累積して記憶保持される特別図柄A,B,Cについての図柄変動の保留数(以下、特別図柄変動保留数Uという)がU≧4であるか否かを判定する(ステップS2)。そして、特別図柄変動保留数UがU≧4である場合は、始動口処理を終了する。
一方、特別図柄変動保留数UがU<4であると、特別図柄変動保留数Uを1加算し、加算したものを新たに特別図柄変動保留数Uとする処理を実行する(U←U+1)(ステップS3)。そして、記憶装置ROMに格納されている大当り特別乱数テーブル、大当り図柄乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル、リーチ乱数テーブル、リーチ図柄乱数テーブル、変動パターン選択乱数テーブルから、大当り特別乱数値K、大当り図柄乱数値L、ハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mc、リーチ乱数値N、リーチ図柄乱数値Q、及び変動パターン選択乱数値Gをそれぞれ取得し、取得した各乱数値を一旦、記憶装置RAMに格納する(ステップS4〜S9)。そして、この始動口処理を終了する。
次に、特別図柄処理を図7に従って説明する。
まず、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、特別図柄A,B,Cが変動中であるか否かを判定する(ステップS10)。
ここで、特別図柄A,B,Cが変動中でない場合は、記憶装置RAMに特別図柄A,B,Cの図柄変動が保留されているか否かを判定し(ステップS13)、保留されていない場合は(U=0)、そのまま特別図柄処理を終了する。一方、図柄変動が保留されている場合は(特別図柄変動保留数U≧1)は、特別図柄変動保留数Uを1減算する(U←U−1)(ステップS14)。
そして、ステップS14の処理後、現在、確変遊技状態であるか否かを判定する(ステップS15)。ここで、確変遊技状態である場合は、取得した大当り特別乱数値Kを判定するための高確率用判定データをセットする(ステップS16)。この高確率用判定データは、取得した大当り特別乱数値KがK=7,59,119,197,279のいずれかの場合に値が一致し、一致した場合に当り態様が停止表示されて大当り作動が実行される。一方、通常遊技状態であると判定した場合は、低確率用判定データをセットする(ステップS17)。この低確率用判定データは、取得した大当り特別乱数値KがK=7の場合に値が一致する。
次に、取得した大当り特別乱数値Kが、セットした判定データと同一であるか否かを判定する(ステップS18)。ここで、大当り特別乱数値Kが判定データと同一であると、「大当り」となり、大当りフラグをONとする(ステップS19)。
さらに、取得した大当り図柄乱数値Lに従って、特別図柄A,B,Cの図柄態様を設定する(ステップS20)。
一方、大当り特別乱数値Kの内容が「大当り」でない場合は、取得したリーチ乱数値Nを判定し、リーチ変動作動を実行するか否かを決める(ステップS21)。ここで、リーチ乱数値NがN=7,17,23,37,43,53,61,71,89,91であると、リーチ変動作動を実行する。それ以外であると、リーチ変動作動を実行しない。
判定の結果、リーチ変動作動を実行する場合は、リーチ図柄乱数値Qに従ってハズレリーチ図柄を設定する(ステップS22)。一方、リーチ変動作動を実行しない場合は、ハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mcに従ってハズレ図柄を設定する(ステップS23)。
大当り図柄、ハズレリーチ図柄、又はハズレ図柄を設定すると、変動パターン選択乱数値Gに従って変動パターンを設定し(ステップS24)、変動時間をセットした後(ステップS25)、変動開始コマンドを出力(ステップS26)する。
ステップS10で特別図柄A,B,Cが変動中であると判定した場合、又はステップS26を実行した場合は、次にステップS11に移行する。ステップS11では、所定の変動時間が経過したか否かを判定し(ステップS11)、経過していなければ特別図柄処理を終了し、経過していれば変動停止コマンドを出力する(ステップS12)。そして、特別図柄処理を終了する。
なお、上述した特別図柄処理のなかで、主制御用中央制御装置CPUが、特別図柄A,B,Cを変動開始する変動開始コマンドを図柄表示制御基板62に出力すると、図柄表示制御基板62は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて図柄制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行う。そして、その結果に従って表示用ドライバを介して図柄表示装置6の図柄表示領域7で特別図柄A,B,Cの変動表示を開始して、取得した乱数値に従って特別図柄A,B,Cを確定表示する。
そして、上述した特別図柄処理により、特別図柄A,B,Cが大当り図柄態様で確定停止した場合には、主制御基板60は、以下の賞球形態を発生させる大当り作動を実行する。すなわち、盤面中継基板61を介して大入賞口ソレノイドを駆動して、大入賞口23を開放する。そして、大入賞口23を遊技球が通過し、この大入賞口23内の特定領域スイッチS3やカウントスイッチS4がON作動すると、その信号を盤面中継基板61を介して主制御基板60が確認し、必要に応じて、図柄表示制御基板62や払出制御基板65に制御指令コマンドを出力する。そして、サウンドジェネレータがファンファーレを発すると共に、大入賞口ソレノイドを駆動し、開閉扉24を前方に傾動して大入賞口23を開放する開閉ラウンドを実行する。さらに、大入賞口23に形成された特定領域を遊技球が通過し、特定領域スイッチS3がON作動した時は、次の開閉ラウンドへの移行条件が充足され、一旦開閉扉24を閉鎖駆動して、第一開閉ラウンドを終了する。そして、その動作終了後に再び大入賞口23を開放して、次の第二開閉ラウンドへ移行する。一方、所定制限時間(30秒)が経過するか、この所定制限時間内で、特定領域スイッチS3とカウントスイッチS4による遊技球の入賞検知が10個となると、大入賞口23を閉鎖する。このような開閉ラウンドを最大15回繰り返す賞球形態を発生させて、遊技者に利益を供与する。そして、この一連の大入賞口装置25の開閉作動が終了すると、大当り作動が終了する。
次に、本発明の要部について説明する。
上述したように、遊技盤面2の、センターケース5の直下位置には、普通電動役物13が配設されている(図1参照)。この普通電動役物13は、図4のように、遊技盤面2に取り付けられるベース板39を備えており、該ベース板39の略中央には球流入孔35が形成されている。この球流入孔35は、該球流入孔35に流入した遊技球を本パチンコ遊技機外へ排出する球排出路(図示せず)に連通している。また、ベース板39にはその前面側に、前壁部36aと円弧状の下部周壁部36bとを備えたカバー体36が配設されており、該カバー体36の前壁部36aと下部周壁部36bとによってベース板39の前方及び下半分が覆われている。このベース板39の表面には、球流入孔35の左右両側に支軸37,37が前方に向けて突成されており、該支軸37,37によって左右一対の可動翼片15,15の基部が回動可能に軸支されている。
この両可動翼片15の裏面にはそれぞれ、前記支軸37より内側に偏倚する位置に作動杆40が後方に向けて突成されている。この作動杆40は、可動翼片15が支持軸37に軸支された状態で、ベース板39の裏面側に配設された普通電動役物ソレノイド32のプランジャ34に、リンク部材33を介して連繋されている。そして、この普通電動役物ソレノイド32を励磁してプランジャ34を引き込むことにより、支軸33’を支点として回動するリンク部材33を介して、可動翼片15,15が逆ハ字形に外側方に拡開する傾動位置に変換され、また、普通電動役物ソレノイド32を消磁してプランジャ34がバネ付勢により押し出されると、リンク部材33の回動を介して、可動翼片15,15が上方に立ち上がる起立位置に変換される。
尚ここで、可動翼片15,15が傾動位置から起立位置に変換される場合にあって、プランジャ34はバネ付勢により押し出されるようになっていることから、可動翼片15,15を該バネ付勢に比して強い力が拡開する方向に作用すれば、傾動位置近傍で留まることとなり得る。したがって、普通電動役物ソレノイド32が消磁されて、可動翼片15,15が傾動位置から起立位置方向へ傾動する時に、転道流下してきた遊技球が該可動翼片15,15に衝突すると、その力により、可動翼片15,15は傾動を妨げられることとなり、その後再び傾動して起立位置まで戻っても、実際に開放していた時間(実開放時間)は、本来の開放時間(基準開放時間)よりも長くなってしまう。これは、遊技者にとって、特別図柄始動入賞口20に遊技球が流入し易い時間が延長されるという利益となる。事実、この開放時間が長くなった時に、さらに遊技球が流入することもあり得る。
また、この普通電動役物13のベース板39には、図3、図4のように、球流入孔35の左側に、左側の可動翼片15を検知する翼片検知センサ31が配設されている。この翼片検知センサ31は、該センサ31の前面を可動翼片15が覆う場合に、検知信号を発信するようになっている。そして、可動翼片15が、起立位置に在る場合(図3(イ))に、該可動翼片15の左側縁に設けた欠損部41により露出する位置に、翼片検知センサ31が配設されており、この起立位置に在る場合には検知信号が発せられないようになっている。一方、可動翼片15が傾動すると、翼片検知センサ31が可動翼片15に覆われることとなって、検知信号が発せられる。尚、可動翼片15が傾動位置にある場合(図3(ロ))にも、可動翼片15が翼片検知センサ31を覆うこととなるように、当該センサ31が配されている。すなわち、上述した普通電動役物ソレノイド32が励磁されて可動翼片15,15が起立位置から傾動開始してから、再び起立位置に戻ってくるまで、検知信号が発せられていることとしている。
さらに、この普通電動役物13の、球流入孔35の奥側には、遊技球が当該球流入孔35を通過する毎に検知する特別図柄始動スイッチS1(図2参照)が配設されている。この特別図柄始動スイッチS1は、特別図柄始動入賞口20に流入した遊技球を検知するようになっている。
尚、普通電動役物13が本発明にかかる可変入賞装置であり、普通電動役物ソレノイド32が本発明にかかる駆動制御装置であり、特別図柄始動入賞口20が本発明にかかる入賞口である。
次に、以下の各実施例に従って、上述した普通電動役物13の可動翼片15,15が、基準開放時間に比して実開放時間が長くなった場合の制御態様について詳述する。
この実施例1にあって、上述した主制御基板60は、当り普通乱数テーブルから取得した当り普通乱数値Vの判定を、上述した当り確率93/97とする通常判定値の他に、当り確率を49/97とする低確率判定値を備えている。ここで、低確率判定値は、当り普通乱数値VがV=21〜69であった場合に当りとし、これ以外の場合にハズレとするように設定されている。そして、この当り普通乱数値Vが当りと判定されると、上述したように、普通図柄X、Yが「7,7」で確定停止する。一方、当り普通乱数値Vがハズレ判定されると、当り普通乱数値Vと同時期に取得したハズレ普通図柄乱数値Wに従って、普通図柄X,Yを「7,−」、「−,7」、「−,−」のいずれかのハズレ態様で確定表示する。
また、上述した翼片検知センサ31は、盤面中継基板61に接続されており、該翼片検知センサ31が可動翼片15,15を検知すると、所定の検知信号を該盤面中継基板61を介して主制御基板60へ出力する。主制御基板60は、翼片検知センサ31から入力した検知信号により、可動翼片15,15が起立位置から傾動開始して再び起立位置に戻るまでの実開放時間を求めることができる。
一方、主制御基板60は、普通電動役物ソレノイド32を励磁して可動翼片15,15を傾動する役物作動時間T2が予め設定されており、該役物作動時間T2に従って制御処理している。尚、この役物作動時間T2に、普通電動役物ソレノイド32が傾動位置から起立位置まで傾動する時間を加えた時間が、本発明にかかる基準開放時間となる。本実施例にあっては、普通電動役物ソレノイド32が励磁されていない場合に、翼片検知センサ31から検知信号が入力されると、これを超過時間(実開放時間と基準開放時間との時間差)として累積し、積算時間差値T3を演算するように処理している。この処理方法にあっても、実質的には、実開放時間を計測し、基準開放時間を超過した超過時間を求めて積算時間差値を演算する処理と同じである。
さらに、上記した積算時間差値T3が、予め定めた超過上限値に達すると、次回から、当り普通図柄テーブルから取得した当り普通乱数値Vを判定する場合に、上記した低確率判定値を用いるようにする。この低確率判定値は、所定回数(低確率判定回数N2)の判定に用いられるように設定しており、当該回数N2が経過した後は、再び通常の確率判定を用いる。尚、積算時間差値T3は、超過上限値に達すると零帰(以下、クリア)され、再び超過時間が生じた場合に累積して積算時間差値T3を演算処理するようにしている。
ここで、上述したように、各制御基板は、一連の制御処理をタイマーTMによりカウントされる2ms毎に繰り返し実行するようにしていることから、超過時間も2ms毎のカウント数として演算されるようになっている。すなわち、この1カウントが2msであり、例えば500カウントが1秒に相当する。
本実施例1にあっては、積算時間差値T3を判定する超過上限値を500カウント(1秒)に設定し、また、低確率判定回数N2を10回に設定している。すなわち、上記した役物作動時間T2及び積算時間差値T3は、この制御処理が繰り返し行われる毎に、1カウントずつ加減算されるようにして演算処理されている。
この実施例1の普通図柄処理を図8に従って説明する。
主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、遊技球が普通図柄作動ゲート12を通過したことを認識すると(ステップS101)、普通図柄X,Yの保留数(以下、普通図柄変動保留数FUという)がFU<4であるか否かを判定する(ステップS102)。
そして、FU<4である場合は、当り普通乱数テーブルから当り普通乱数値Vを取得して格納し(ステップS103)、普通図柄変動保留数FUを1加算する(FU←FU+1)(ステップS104)。一方、ステップS102において、FU≧4である場合は、ステップS103,S104の処理を行わず、ステップS105に移行する。
ステップS105では、普通電動役物13が作動中(普通電動役物ソレノイド32の励磁中)であるか否かを判定する。そして、作動中である場合は、そのまま普通図柄処理を終了する。
これに対し、普通電動役物13が作動していない場合は、次に普通図柄X,Yが変動中であるか否かを判定する(ステップS106)。ここで、普通図柄X,Yが変動中の場合は、普通図柄変動時間T1から1減算し(ステップS123)、該T1=0であるか否かを判定する(ステップS124)。そして、普通図柄変動時間T1=0である場合には、普通図柄X、Yの変動を停止して(ステップS125)普通図柄処理を終了する。また、T1≠0である場合には、そのまま普通図柄処理を終了する。
一方、普通図柄X,Yが変動中でない場合は(ステップS106)、普通図柄X,Yが停止図柄表示時間中か否かを判定し(ステップS107)、停止図柄表示時間中でない場合は普通図柄変動保留数FUがFU=0であるか否かを判定する(ステップS108)。そして、普通図柄変動保留数FUがFU=0である場合は、普通図柄処理を終了する。また、FU≠0である場合は、普通図柄変動保留数FUを1減算し(ステップS109)、取得した当り普通乱数値Vについて当り判定を行う(ステップS110〜S118)。
ここで、当り普通乱数値Vによる当り判定処理を説明する。上記したように、普通図柄変動保留数FUから1減算すると(ステップS109)、後述する普通電動役物処理にあって、積算時間差値T3が所定の超過上限値を越えた場合にON処理される積算満了フラグが、ON状態か否かを判定する(ステップS110)。この積算満了フラグがON状態でない場合には、上述した当り確率93/97とした通常判定値をセットし(ステップS115)、取得した当り普通乱数値Vの当り判定を行う(ステップS116)。一方、積算満了フラグがON状態の場合には、上述した当り確率49/97の低確率判定値をセットし(ステップS111)、低確率判定回数N2から1減算する(ステップS112)。そして、この低確率判定回数N2がN2=0であるか否かを判定し(ステップS113)、N2=0である場合には積算満了フラグをOFFとする(ステップS114)。低確率判定回数N2が、N2≠0の場合、又は積算満了フラグをOFFとすると、取得した当り普通乱数値Vについて当り判定を行う(ステップS116)。このステップS116における当り普通乱数値Vの判定結果に従って、当り判定図柄の決定(ステップS117)、又はハズレ判定図柄の決定(ステップS118)を行う。
次に、普通図柄変動時間短縮機能が作動中(本実施例にあっては確変遊技状態)か否かを判定する(ステップS119)。作動中である場合は、普通図柄変動時間T1をT1=2500(5秒)に設定し(ステップS120)、普通図柄X,Yを変動開始する(ステップS122)。一方、作動中でない場合は、普通図柄変動時間T1をT1=15000(30秒)に設定し(ステップS121)、普通図柄X,Yを変動開始する(ステップS122)。なお、この普通図柄変動時間短縮機能は、大入賞口処理(図5参照)において、条件装置の作動が、特定図柄に起因するものである場合に、普通図柄X,Yの変動時間を短縮するものである。なお、大入賞口処理における条件装置の作動等の処理は、従来技術であるため、詳細な説明は省略する。
普通図柄X,Yを変動開始すると(ステップS122)、上述したステップS106で普通図柄X、Yが変動中と判定した場合と同様に、普通図柄変動時間T1から1減算し(ステップS123)、該T1=0であるか否かを判定する(ステップS124)。そして、普通図柄変動時間T1≠0である場合には、そのまま普通図柄処理を終了し、また、T1=0である場合には、普通図柄X、Yの変動を停止して(ステップS125)普通図柄処理を終了する。
また、上述したステップS107にあって、普通図柄X、Yが停止図柄表示時間中であった場合には、該停止図柄表示時間が経過したか否かを判定し(ステップS126)、経過していなければ普通図柄処理をそのまま終了する。一方、停止図柄表示時間が経過していた場合には、停止図柄が当り図柄か否かを判定し(ステップS127)、当り図柄であると、普通電動役物13の開放延長機能が作動しているか否かを判定する(ステップS128)。この開放延長機能が作動している場合には、普通電動役物ソレノイド32を励磁して可動翼片15,15を傾動させる役物作動時間T2をT2=2000(4秒)にセットする(ステップS129)。一方、開放延長機能が作動していない場合には、役物作動時間T2をT2=100(0.2秒)にセットする(ステップS130)。ここで、普通電動役物開放延長機能は、大入賞口処理(図5参照)において、条件装置の作動が特定図柄による作動である場合に作動開始されるものであって、確変遊技状態である場合に作動する。かかる処理内容は、公知技術であるため、説明を省略する。
上記したように、役物作動時間T2がセットされると、一回の役物作動時間T2内で特別図柄始動入賞口への遊技球流入量の最大数を予め定めた規定入賞数N1をN1=4に設定する(ステップS131)。そして、普通電動役物ソレノイド32を励磁して可動翼片15,15を傾動させる、普通電動役物13の作動を開始し(ステップS132)、普通図柄処理を終了する。
また、上述したステップS127にあって、普通図柄X,Yの停止図柄がハズレ図柄であった場合には、上記したステップS128〜S132の処理を行わずに普通図柄処理を終了する。
次に、普通電動役物処理を図9に従って説明する。
まず、主制御用中央制御装置CPUは、普通電動役物13が、普通電動役物ソレノイド32を励磁している作動中であるか否かを判定する(ステップS133)。普通電動役物13が作動中である場合には、翼片検知センサ31からの検知信号が入力しているか否かを判定し(ステップS134)、該検知信号を入力している場合には、役物作動時間T2から1減算する(ステップS135)。ここで、特別図柄始動スイッチS1からの球検知信号が入力しているか否かを判定(ステップS136)する。この球検知信号を入力している場合には、規定入賞数N1から1減算し(ステップS137)、賞球の払い出しを指示する賞球指令コマンドを払出制御基板65に出力して(ステップS138)、所定数(五個)の賞球を払い出す。そして、規定入賞数N1がN1=0であるか否かを判定し(ステップS139)、該規定入賞数N1がN1=0であると、普通電動役物ソレノイド32を消磁して可動翼片15,15を起立位置へ傾動させ、普通伝動役物13の作動を停止する(ステップS141)。そして、規定入賞数N1及び役物作動時間T2をクリアし(ステップS142)、普通電動役物処理を終了する。
一方、上記したステップS139で規定入賞数N1がN1≠0である場合には、役物作動時間T2がT2=0であるか否かを判定する(ステップS140)。ここで、役物作動時間T2がT2≠0であった場合には、普通電動役物処理を終了する。また、このT2=0であった場合には、上記と同様に、普通電動役物ソレノイド32を消磁して可動翼片15,15を起立位置へ傾動させ、普通伝動役物13の作動を停止する(ステップS141)。そして、規定入賞数N1及び役物作動時間T2をクリアし(ステップS142)、普
電動役物処理を終了する。
また、上述したステップS133にあって、普通電動役物13が作動していない場合には、翼片検知センサ31からの検知信号が入力しているか否かを判定する(ステップS143)。ここで、球検知信号を入力していると(本発明の、基準開放時間より実開放時間が長くなっている状態)、超過時間を累積する積算時間差値T3に1加算する(ステップS144)。尚、このステップS143,S144により、実質的に、実開放時間の、基準開放時間に対する超過時間(時間差)を計測して累積していく演算処理がなされている。
このステップS144にあって、積算時間差値T3が累積されると、該積算時間差値T3がT3=500(超過上限値)となったか否かを判定する(ステップS145)。ここで、積算時間差値T3がT3=500である場合には、積算満了フラグをON作動し(ステップS146)、当該積算時間差値T3をクリアする(ステップS147)。そして、普通図柄の当り判定を低確率判定値にセットして判定する回数を設定した低確率判定回数N2をN2=10にセットする(ステップS148)。
上記した、ステップS143で翼片検知センサ31の検知信号を入力していない場合、ステップS145で積算時間差値T3が500より小さい場合、ステップS148を実行した場合には、特別図柄始動スイッチS1からの球検知信号が入力しているか否かを判定(ステップS149)する。ここで、この球検知信号を入力している場合には、賞球の払い出しを指示する賞球指令コマンドを払出制御基板65に出力して(ステップS150)、所定数(五個)の賞球を払い出し、普通電動役物処理を終了する。一方、この球検知信号を入力していない場合には、そのまま普通電動役物処理を終了する。
上述した普通図柄処理及び普通電動役物処理にあって、超過時間を累積して積算時間差値T3を演算する処理が、本発明にかかる演算処理内容であり、該T3が超過上限値に達した場合に、次回から低確率判定回数N2まで、当り普通乱数値Vを低確率判定値で判定する制御処理等が、本発明にかかる確率制御処理内容である。ここで、当り普通乱数値Vを低確率判定値で判定する制御処理が、本発明の低確率処理である。
尚、上述した普通図柄処理のなかで、主制御用中央制御装置CPUが、普通図柄X,Yの変動開始を指示する変動開始コマンドを図柄表示制御基板62に出力すると、図柄表示制御基板62は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて図柄制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行う。そして、その結果に従って表示用ドライバを介して図柄表示装置6の図柄表示領域7で普通図柄X,Yの変動表示を開始して、取得した乱数値に従って確定停止する。
また主制御用中央制御装置CPUは、特別図柄始動スイッチS1のON作動に基づき、賞球指令コマンドを払出制御基板65に出力すると共に、賞球作動に連動する賞球音の発生指令コマンドを音源制御基板63に、賞球ランプ等の発生指令コマンドを光源制御基板64にそれぞれ出力する。
賞球指令コマンドが入力された払出制御基板65は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて払出制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従って賞球ユニットのソレノイドを作動させて所定数量(五個)の賞球を払い出す。
これと同期して、賞球音の発生指令コマンドが入力された音源制御基板63は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて音源制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従ってスピーカより所定の賞球音を上記賞球の払出時に合わせて出力する。
同時に光源制御基板64でも、入力された賞球ランプの発生指令コマンドに従って光源制御用中央制御装置CPUが記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて演算処理を行い、その結果に従って所定の発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。
このような実施例1にあっては、普通電動役物13の普通電動役物ソレノイド32が作動しておらず、かつ可動翼片15,15が拡開している場合に、その超過時間を累積して積算時間差値T3を演算し、該T3が超過上限値(1秒に相当)に達すると、次回から所定の低確率判定回数N2(10回)の、普通図柄が当りとなる確率を低確率とするようにしている。ここで、低確率判定値は、通常判定値の1/2の当り確率としていると共に、積算時間差値T3の超過上限値を、役物作動時間T2=0.2秒(通常遊技状態)の5回分として設定し、かつ低確率判定回数N2をN2=10回としている。尚、この通常判定値は93/97であり、ほとんど場合で当りを得ることができる。したがって、前記のように低確率、超過上限値、低確率判定回数N2を夫々に設定することにより、実開放時間が超過して得た、遊技球の流入し易い時間の延長という遊技者側の利益を、ほぼ相殺することができることとなる。
この実施例1のパチンコ遊技機にあって、例えば、傾動位置にある可動翼片15,15が、普通電動役物ソレノイド32の消磁により、起立位置へ戻る傾動を開始した時に、遊技盤1を転動流下してきた遊技球が、一方の可動翼片15に衝突すると、可動翼片15,15は傾動を妨げられることとなる。そして、この遊技球は可動翼片15に案内されて特別図柄始動入賞口20に流入する。これにより、可動翼片15,15の実開放時間が延長されることとなり、さらに遊技球が可動翼片15,15に衝突して流入することもあり得る。このような状態に対して、本実施例1は上述のように、可動翼片15,15の拡開する超過時間を相殺するようにしていることから、その有用性を充分に発揮されることとなる。したがって、遊技盤面2に配設される遊技釘の配置や傾き等によって特別図柄始動入賞口20に遊技球が比較的入賞し易い遊技機にあっても、可動翼片15,15の拡開する実開放時間は、他の遊技機とほぼ均一にすることができ、遊技機間の公平性を保つことができる。
実施例2にあっては、上述の実施例1と同様に、積算時間差値T3が所定の超過上限値に達した場合に、普通図柄X,Yの当りとなる確率を低確率とするものである。ここで、主制御基板60の記憶装置ROMには、0〜96の97コマからなる当り普通乱数テーブルと別に、0〜193の194コマからなる低確率当り普通乱数テーブルが格納されており、積算時間差値T3が超過上限値に達すると、該低確率当り普通乱数テーブルから当り普通乱数値Vを取得するようにしている。ここで、どちらの乱数テーブルから当り普通乱数値Vを取得しても、該Vが3〜95であると当りと判定するようにしていることから、当り普通乱数テーブルに比して、低確率当り普通乱数テーブルから取得した場合の当り確率が1/2に低下する。
また、上述した実施例1と同様に、超過上限値を500カウント(1秒に相当)、低確率判定回数N2をN2=10に設定している。
本実施例2の普通図柄処理を図10により説明する。
遊技球が普通図柄作動ゲート12を通過すると(ステップS201)、普通図柄変動保留数FUがFU<4であることを確認して(ステップS202)、積算満了フラグがON状態であるか否かを判定する(ステップS203)。ここで、積算満了フラグがON状態でない場合には、通常の、97コマの当り普通乱数テーブルから当り普通乱数値Vを取得して格納し(ステップS208)、ステップS209に移行して普通図柄変動保留数FUに1加算するする。一方、積算満了フラグがON状態である場合には、194コマの低確率当り普通乱数テーブルから当り普通乱数値Vを取得して格納する(ステップS204)。そして、低確率判定回数N2から1減算し(ステップS205)、該N2=0か否かを判定する(ステップS206)。低確率判定回数N2=0である場合には、積算満了フラグをOFFとして(ステップS207)、普通図柄変動保留数FUに1加算する(ステップS209)。また、低確率判定回数N2≠0の場合には、直接ステップS209に移行する。
その後、普通電動役物13の作動判定(ステップS210)、普通図柄X,Yの変動判定(ステップS211)、普通図柄X,Yの停止表示判定(ステップS212)を夫々に処理実行する。さらに、普通図柄変動保留数FUがFU=0であると判定すると(ステップS213)、該FUから1減算し(ステップS214)、上記のように、当り普通乱数テーブル又は低確率当り普通乱数テーブルのいすれかから取得した当り普通乱数値Vが当りであるか否かを判定する(ステップS215)。この当りハズレ判定結果に従って、それぞれの停止図柄(ステップS216,S217)を決め、普通図柄X,Yの変動を開始する。
尚、本実施例2の普通図柄処理にあって、ステップS201〜S202は、上述した実施例1のステップS101〜S102と同じ処理であり、また、ステップS209〜S214は、実施例1のステップS104〜S109と同じ処理であり、さらに、ステップS215〜S231は、実施例1のS116〜S132と同じ処理である。これら同じ処理を行う各ステップについては、説明を省略する。
また、この実施例2にあって、普通電動役物処理は、上述した実施例1と同様の処理を実行し(図9参照)、基準開放時間より実開放時間が長くなると、その超過時間を累積して積算時間差値T3を演算し、該T3がT3=500となると、積算満了フラグをONとする処理を実行する。
この実施例2にあっては、積算時間差値T3がT3=500(超過上限値)に達すると、積算満了フラグをONとして、次の普通図柄始動ゲート12,12への遊技球通過から、コマ数が二倍の低確率当り普通乱数テーブルから当り普通乱数値Vを取得するようにした低確率処理を、10回(低確率判定回数N2=10)行うようにした構成である。かかる構成にあっては、積算時間差値T3が超過上限値に達した後に、次に普通図柄作動ゲート12を遊技球が通過したことを契機として、低確率当り普通乱数テーブルから当り普通乱数値Vを抽出する処理(低確率処理)を実行するようになっている。すなわち、既に普通図柄X,Yの変動保留数が在る場合には、当該変動保留数の当り普通乱数値Vは通常の当り普通乱数テーブルから抽出されており、この当り普通乱数値Vに従って処理される。したがって、上述した実施例1のように、変動保留数が在る場合に積算時間差値T3が超過上限値に達すると、次に変動開始する普通図柄X、Yから当り確率が低確率となるようにしていることと異なり、本実施例2の構成は、T3が超過上限値に達した時期と、当り確率を低確率として設定処理される普通図柄X、Yの変動開始時期とに時間差が生じることとなっている。尚ここで、普通図柄X,Yの変動保留数が無い場合は、実施例1と実施例2とも同様となる。
このような実施例2にあっては、上記のように当り確率を低確率とする設定時期が積算時間差値T3の超過上限値に達した時期と時間差を生ずる場合があることの他には、上述した実施例1と同様の作用効果を発揮することができる。尚、実施例2にあって、上述した実施例1と同じ構成には、同じ符号を付し、その説明を省略している。
実施例3にあっては、積算時間差値T3が所定の超過上限値に達した場合に、次回から所定回数(当り取消回数N3)、普通図柄X,Yの当りを取り消すように制御処理するものである。ここで、積算時間差値T3の超過上限値は500(1秒に相当)とし、普通図柄X,Yの当りを取り消す回数の当り取消回数N3はN3=5と設定している。尚、当り普通乱数テーブルは0〜96の97コマからなり、当り普通乱数値Vが3〜95の場合に当りとして判定するように設定している。
かかる構成の普通図柄処理を図11により説明する。
遊技球が普通図柄作動ゲート12を通過すると(ステップS301)、普通図柄変動保留数FUがFU<4であることを確認して(ステップS302)、当り普通乱数テーブルから当り普通乱数値Vを取得して格納し(ステップS303)、FUに1加算する(ステップS304)。そして、普通電動役物13の作動判定(ステップS305)、普通図柄X,Yの変動判定(ステップS306)、普通図柄X,Yの停止表示判定(ステップS307)を夫々に処理実行する。さらに、普通図柄変動保留数FUがFU=0であると判定すると(ステップS308)、該FUから1減算し(ステップS309)、当り普通乱数値Vが当りであるか否かを判定する(ステップS310)。
ステップS310で、当り普通乱数値Vが当りと判定された場合には、積算満了フラグがON状態であるか否かを判定する(ステップS311)。ここで、積算満了フラグがON状態であると、前記当りを取り消してハズレとし、ハズレ図柄を決定する(ステップS312)。そして、当り取消回数N3から1減算し(ステップS313)、該N3がN3=0であるか否かを判定する(ステップS314)。この当り取消回数N3がN3=0であると、積算満了フラグをOFFとする(ステップS315)。そして、普通図柄X,Yを変動する処理を行う(ステップS318〜S324)。
一方、上述したステップS311で積算満了フラグがON状態でないと判定した場合には、当り図柄を決定する(ステップS316)。また、上述したステップS310でハズレと判定した場合には、ハズレ図柄を決定する(ステップS317)。そして、このように当り図柄又はハズレ図柄を決定すると、普通図柄X,Yを変動する処理に移行する(ステップS318〜S324)。
また、この実施例3にあって、普通電動役物処理は、図12のように、普通電動役物13が作動していないと判定した場合に(ステップS332)、翼片検知センサ31から検知信号が入力されていると(ステップS342)、積算時間差値T3に1加算して(ステップS343)、該T3が超過上限値(500カウント)に達しているか否かを判定する(ステップS344)。ここで、積算時間差値T3がT3=500であると、積算満了フラグをON作動して(ステップS345)、該T3をクリアする(ステップS346)と共に、当り取消回数N3をN3=5にセットする(ステップS347)。このように普通電動役物処理が実行される。
このような実施例3の普通図柄処理及び普通電動役物処理にあって、超過時間を累積して積算時間差値T3を演算する処理が、本発明にかかる演算処理内容であり、該T3が超過上限値に達した場合に、次回から当り取消回数N3まで、当り判定を取り消す制御処理等が、本発明にかかる開放制御処理内容である。ここで、当り判定を取り消す制御処理が、本発明の非開放処理である。
尚、本実施例3にあって、上述した実施例1と同じ構成には、同じ符号を付し、その説明を省略している。また、普通図柄処理にあって、ステップS301〜S309は、上述した実施例1のステップS101〜S109と同じ処理であり、さらに、ステップS318〜S331は、実施例1のステップS119〜S132と同じ処理である。さらにまた、普通電動役物処理にあっては、ステップS347が、実施例1のステップS148と異なる以外は、同じ処理となっている。これら同じ処理を行う各ステップにあっては、説明を省略している。
このような実施例3の構成にあっては、普通電動役物13の普通電動役物ソレノイド32が作動しておらず、かつ可動翼片15,15が拡開している場合に、その超過時間を累積して積算時間差値T3を演算し、該T3が超過上限値(1秒に相当)に達すると、次回から普通図柄X,Yの当り判定を取り消す処理を、当り取消回数N3だけ行うようにしている。ここで、超過上限値を1秒に相当する500カウントとし、当り取消回数N3を5回に設定していることから、実開放時間の超過した時間による遊技者側の利益をほぼ相殺することができ得る。したがって、上述した実施例1と同様、遊技機間で、可動翼片15,15の拡開する実開放時間をほぼ均一とすることができ、遊技機間の公平性を保つことができる。
実施例4は、積算時間差値T3が所定の超過上限値に達すると、これ以降の、普通電動役物13の可動翼片15,15を拡開している時間が、所定時間(賞球減少時間T4)経過するまで、特別図柄始動入賞口20への遊技球流入に応じて払い出される賞球数を少なくするように制御処理を行うようにしたものである。ここで、賞球数を減少する賞球減少時間T4を、普通電動役物13の役物作動時間T2より大きく設定すると、可動翼片15,15が複数回拡開する間で、特別図柄始動入賞口20への遊技球流入による賞球数が少なくなる。尚、本実施例にあっては、賞球数を減少する賞球減少時間T4はT4=15000(30秒に相当)に設定しており、また、賞球数は通常五個を三個に減少するように設定している。
この実施例4の普通図柄処理は、図13に示すように、ステップS407により普通図柄X,Yが停止図柄を表示していないと判定した場合に、普通図柄変動保留数FUがFU≠0であると(ステップS408)、該FUから1減算して(ステップS409)、取得した当り普通乱数値Vの当り判定を行う(ステップS410)。そして、当り又はハズレの図柄を決定して普通図柄X、Yの変動開始する処理を行い(ステップS411〜ステップS419)、普通図柄処理を終了する。
また、普通電動役物処理は、図14に示すように、普通電動役物13が作動中であるか否かを判定し(ステップS427)、作動中であれば、積算満了フラグがON状態で在るか否かを判定する(ステップS428)。ここで、積算満了フラグがON状態である場合には、賞球減少時間T4から1減算し(ステップS429)、該賞球減少時間T4がT4=0か否かを判定する(ステップS430)。この賞球減少時間T4がT4=0であると、積算満了フラグをOFFとして(ステップS431)、翼片検知センサ31の検知信号が入力しているか否かを確認する(ステップS432)。
一方、上記したステップS428で積算満了フラグがOFF状態であった場合には、ステップS429〜S431を行わず、ステップS432へ移行する。
ステップS432で、翼片検知センサ31の検知信号が入力していることを確認すると、役物作動時間T2から1減算する(ステップS433)。次に、特別図柄始動スイッチS1から球検知信号を入力しているか否かを判定し(ステップS434)、該球検知信号を入力していた場合には、規定入賞数N1から1減算する(ステップS435)。そして、積算満了フラグがON状態であるか否かを判定し(ステップS436)、ON状態である場合には、賞球数を三個とする賞球指令コマンドを払出制御基板65へ出力する(ステップS437)。また、積算満了フラグがOFF状態である場合には、賞球数を五個とする賞球指令コマンドを出力する(ステップS438)。これら賞球指令コマンドに従って、賞球が払い出されることとなる。
一方、普通電動役物13が作動中でない場合には、積算時間差値T3が超過上限値に達すると積算満了フラグをON状態とする処理を実行する(ステップS443〜S447)。そして、賞球減少時間T4をT4=15000(30秒)に設定する(ステップS448)。尚、普通電動役物13が作動していない場合に、特別図柄始動入賞口20に遊技球が流入すると、例え積算満了フラグがON状態であっても、賞球数は通常の五個が払い出されるように処理している(ステップS449〜S450)。
尚、本実施例4にあって、上述した実施例1と同じ構成には、同じ符号を付し、その説明を省略している。また、普通図柄処理にあって、ステップS401〜S409は、上述した実施例1のステップS101〜S109と同じ処理であり、さらに、ステップS410〜S426は、実施例1のS116〜S132と同じ処理である。さらにまた、普通電動役物処理にあって、ステップS439〜S447は、上述した実施例1のステップS139〜S147と同じ処理であり、また、ステップS449〜S450は、実施例1のステップS149〜S150と同じ処理である。これら同じ処理を行う各ステップにあっては、説明を省略している。
このような実施例4の構成にあっては、普通電動役物13の普通電動役物ソレノイド32が作動しておらず、かつ可動翼片15,15が拡開している場合に、その超過時間を累積して積算時間差値T3を演算し、該T3が超過上限値(1秒に相当)に達すると、これ以降の普通電動役物13の作動中に、賞球減少時間T4が経過するまで、賞球数を減少するようにしている。すなわち、遊技球が特別図柄始動入賞口20に入り易くなった時間が延長したという遊技者側に有利な作動を、賞球数の減少という実損により相殺するようにしている。したがって、普通電動役物13の実開放時間が延長する状態が生じた場合にも、総合的な見地から賞球数に公平性を付与し、遊技場に損失が生じることを防止できる。
上述した実施例1〜実施例4にあっては、可動翼片15,15が傾動位置から起立位置へ傾動している時に遊技球が衝突して実開放時間が超過した場合だけでなく、遊技釘と可動翼片15,15とに遊技球が挟まって該可動翼片15,15が拡開した状態で保持される場合にも有用に働くものとなっている。例えば、実施例1及び実施例2にあって、前記状態となった場合には、可動翼片15,15が傾動していることから、積算時間差値T3は累積と超過上限値に達することとを繰り返すこととなるため、この遊技球が挟まった状態が解除された後からは、普通図柄X,Yの当り確率を低確率する制御処理が連続して行われることとなるため、これに応じて、特別図柄A,B,Cが変動する回数も減少する。一方、実施例3の場合には、普通図柄X,Yの当りが連続して取り消されることから、特別図柄A,B,Cを変動することが著しく減少することとなる。したがって、遊技者は利益を甘受することができず、これに伴って遊技場の利益を回復することができる。また、遊技者は、このような状態を直ぐに解消するようにホール係に通報することともなり得る。而して、遊技の健全性を適正に保つことができる。一方、実施例4にあっても、賞球量が減ることから、遊技場の被る不利益を減少できると共に、遊技者も適正な利益を得るように直ぐに通報するようにもなる。
本発明は、上述した実施例に限定されるものでなく、これ以外にも様々な構成で実現することができる。例えば、積算時間差値が超過上限値に達した場合に、複数種類の低確率処理の中から選択して実行するようにしても良いし、また、低確率と当りの取り消しとのいずれかを選択して処理するようにすることもできる。
パチンコ遊技機の遊技盤1を示す正面図である。
遊技機の制御回路を示すブロック回路図である。
普通電動役物13の可動翼片15,15が、(イ)起立位置に在る状態と、(ロ)傾動位置に在る状態とを示す正面図である。
普通電動役物13を示す分解斜視図である。
複数のサブルーチンからなるメインルーチンの処理内容を示すフローチャート図である。
始動口処理の処理内容を示すフローチャート図である。
特別図柄処理の処理内容を示すフローチャート図である。
実施例1の、普通図柄処理の処理内容を示すフローチャート図である。
実施例1の、普通電動役物処理の処理内容を示すフローチャート図である。
実施例2の、普通図柄処理の処理内容を示すフローチャート図である。
実施例3の、普通図柄処理の処理内容を示すフローチャート図である。
実施例3の、普通電動役物処理の処理内容を示すフローチャート図である。
実施例4の、普通図柄処理の処理内容を示すフローチャート図である。
実施例4の、普通電動役物処理の処理内容を示すフローチャート図である。
符号の説明
1 遊技盤
6 図柄表示装置
7 図柄表示領域
12 普通図柄作動ゲート(普通図柄始動口)
13 普通電動役物(可変入賞装置)
15 可動翼片
20 特別図柄始動入賞口(入賞口)
31 翼片検知センサ
32 普通電動役物ソレノイド(駆動制御装置)