JP4385568B2 - プラズマ表示装置の駆動方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマ放電を利用して表示を行うプラズマ表示装置の駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel) は、従来、テレビジョン受像機やコンピュータ用ディスプレイにおいて広く用いられてきた陰極線管(CRT)では実現が難しいとされる薄型・大画面化が可能であり、特に大型ディスプレイへの今後の展開が期待されている。
【0003】
図8は、従来のAC型プラズマ表示装置の表示パネルの構成を表している。この表示パネル100は、前面ガラス基板101と背面ガラス基板102とが対向配置された構造を有し、表示面側の前面ガラス基板101上には、発光表示のための放電を行う電極対107(維持電極107X,走査電極107Y)が複数形成されている。この電極107X,107Yは、100μm程度の放電ギャップを介して並列しており、それぞれに電気抵抗を低減するためのバス電極108が一体的に付設されている。また、その上には、誘電体層109,保護層110が順に形成されている。
【0004】
一方、背面ガラス基板102の上には、複数のアドレス電極103が電極対107と直交する方向に配列するように形成されている。アドレス電極103の上には誘電体層104が形成され、更にその上に、各アドレス電極103毎に空間を仕切るための隔壁105が形成されている。隔壁105の間には、赤(R;Red),緑(G;Green)および青(B;Blue )の3原色の蛍光体層106が周期的に塗布形成されている。
【0005】
こうした前面ガラス基板101と背面ガラス基板102に挟まれた放電空間は、周縁部において気密封止され、放電ガスで満たされている。通常、放電ガスとしては、ネオン(Ne),キセノン(Xe)等の混合ガスが用いられ、Xe混合比はおよそ5%、そのときの混合ガスのガス圧は65kPa程度となっている。
【0006】
図9は、表示パネル100における電極構造を示す平面図である。ここでは、電極対107とアドレス電極103とはm×nのマトリクスを形成し、その交差領域は、図中に点線で囲んで示してあるが、各々が発光の最小単位を構成し、画素に相当する領域となっている。このプラズマ表示装置は、表示パネル100に接続された駆動回路から各電極に駆動パルスが供給されることにより動作し、画素毎のON/OFF(発光/非発光)の制御は通常3段階で行われる。選択消去方式を例にとると、画素を構成する3電極には、図10(A)〜(C)に示したような電圧波形が印加される。
【0007】
リセット期間では、全ての維持電極107X(X1 ,X2 ,・・・,Xn )に負電圧、走査電極107Y(Y1 ,Y2 ,・・・,Yn )に正電圧を印加し、各電極対間で放電させる(リセット放電)。これによりプライミング(円滑な放電のために行う補助放電からの荷電粒子の供給)を行い、全画素領域内に荷電粒子等を生成し、保護層110の表面に一様に蓄積し、それ以前に書き込まれていた画素情報を全て消去して画面全体を均一な荷電状態とする。この蓄積された荷電粒子による電荷が、いわゆる壁電荷である。
【0008】
続くアドレス期間では、各画素に電荷の有無によって2値状態を形成し、ON/OFFのデータ書き込みを行う。すなわち、並列する走査電極107Y(Y1 ,Y2 ,・・・Yn )に順次パルス入力を行って走査してゆくと共に、全てのアドレス電極103(A1 ,A2 ,・・・Am )のそれぞれに、電圧印加されている走査電極107Yとの組合せにより選択される画素のON/OFFに応じた(この場合ではOFF表示画素に対して)データパルスを、走査電極107Y側の走査タイミングに合わせて入力してゆく。ON画素領域には、放電開始電圧より低い走査パルスのみが印加されるため、放電は発生しないが、OFF画素領域では、2つのパルスの重畳電圧が放電開始電圧を超えてアドレス放電が生じ、蓄積された電荷が消去される。
【0009】
サスティン期間では、予め選択されたON表示画素を発光させ、表示を行う。このときには、全ての電極対107に交流パルス(維持パルス)を印加する。今度は壁電荷による電位がバイアスとなり、壁電荷が残っている画素、つまりON表示画素のみがその放電ギャップにおいて放電開始電圧に達し、選択的に放電が発生する(サスティン放電)。この画素内では、放電により放電ガスが紫外線を放ち、紫外線が蛍光体層106に照射されることにより発光が生じ、放電期間中、持続される。
【0010】
なお、選択書き込み方式は、リセット時に全画素から電荷を消去しておいて、アドレス放電によってON表示画素に壁電荷を形成する(データ書き込み)を行うものであり、サスティン期間の駆動は選択消去の場合と同様にして行われる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
こうした一連の動作において、サスティン放電時にパルス印加から放電開始までの時間(放電遅れ時間)が短いと、電流が瞬間的に集中して流れるために電力回収を十分に行うことができない、あるいは駆動回路に大きな負荷がかかって性能を十分に発揮できない等の問題が生じていた。
【0012】
また、同様に放電が起こりやすい条件下では、先端放電のような特有の放電を生じることがあった。そのため、パルス印加の度に電極107X,107Yの先端部分に電流が集中してしまう。また、通常のサスティン駆動では、同じ形状のパルスが連続的に印加されるので、放電状態も同様の状況が繰り返されるようになる。このため、放電は、常に電極の同じ部分に生じることが多かった。これらによって、保護層110の劣化が局所的に進み、電圧変動や輝度劣化の原因となっていた。
【0013】
こうした問題の発生傾向は、高輝度化を図るために放電ガスのXe濃度を高くすると一層顕著となる。
【0014】
ところで、本出願人と同一出願人は、先に、放電ガス中のXe濃度を従来に比べて大幅に高め、そのガス全圧を5kPa以上50kPa以下とすることにより、発光効率や輝度を向上させたプラズマ表示装置を提案している(特願平11−201867号、特願2000−201502号、特願2000−222007号など)。同時に、その維持電極,走査電極間の放電ギャップは、50μm未満と格段に狭く設定され、駆動電圧の低減や、画素あたりの表示領域を縮小して高精細化が図られるようになっている。また、維持電極および走査電極の上の誘電体層は、15μm以下と従来(30μm〜40μm)より格段に薄く形成されて容量が大きくなり、電荷蓄積量が増加することにより駆動電圧の低減が図られるようになっている。以下の説明では、このような構成のプラズマ表示装置を狭ギャップ型と呼ぶことにする。
【0015】
この狭ギャップ型では、放電ギャップが狭く、誘電体層が薄いために維持放電の放電開始電圧が低くなっており、またXe濃度が高いこともあって、放電遅れ時間が短くなる。つまり、構造的に維持放電が起こりやすいという特徴がある。そのため、狭ギャップ型では、従来型における上述の問題が起こりやすくなっており、更なる駆動上の工夫が待たれていた。
【0016】
その一方、サスティン期間に連続的に印加されるパルスのうち、最初に印加される第1パルスについては、続く第2パルス以下に比べて放電遅れ時間が長くなることがあった。
【0017】
図11は、電極対の一方において測定したサスティン駆動時の放電遅れの様子を示しており、(A)は第1パルスと、この電極に次に印加されたパルスの電圧波形、(B)はその充放電電流、(C)は発光(フォトマル出力)である。用いた表示パネルは、電極対間の放電ギャップ20μm,放電ガスに占めるXe濃度4%,放電ガス圧67kPaである。また、駆動条件は、サスティン電圧140V,駆動周波数64kHzであり、1msの休止期間の後にサスティン駆動を行っている。
【0018】
この場合では、第1パルスにおける発光は、その立ち上がりより640nsも遅れて始まっている。対して、第1パルスに続くパルスでは、放電遅れは100ns程である。これは、プライミング効果の有無によって説明できる。つまり、第1パルスの印加時点では、アドレス期間の直後であるためにデータ書き込み時またはリセット時に行われた前回の放電から間があり、これらの放電によるプライミング効果が小さくなっている。よって、壁電荷による放電が主となるので、比較的放電は生じにくく、放電遅れ時間が長くなる。しかし、それ以降のパルス印加においては、第1パルスによる放電のおかげで、十分にプライミングされているために放電遅れ時間は短く、またほぼ一定となる。
【0019】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、放電の安定化を図ることが可能なプラズマ表示装置の駆動方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明のプラズマ表示装置の駆動方法は、電極対の少なくとも一方に、立ち上がり時間tで急峻に立ち上がる第1の維持パルスを印加し、続いて、電極対に、第1の維持パルスよりも長い立ち上がり時間t(t>t)で立ち上がる第2の維持パルスを交互に、時系列的に相関がないように互いに立ち上がり時間を変えつつ、発光期間に応じて連続的に印加して、放電を持続して行うことにより発光表示を行うようにしたものである。
【0021】
本発明のプラズマ表示装置の駆動方法では、第1の維持パルスは急峻に立ち上げられ、不要に長い放電遅れ時間が短縮される。第1の維持パルス以降に印加される第2の維持パルスは緩やかに立ち上げられ、電力回収が十分可能となる程度に放電遅れ時間が延長される。第2の維持パルスを、時系列的に相関がないように立ち上がり時間を変えて印加することにより、電極の放電を生じる部分が放電の度にずらされ、常に同じ部分に放電が生じることが回避される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る駆動方法により駆動されるプラズマ表示装置の概略構成を示しており、図2は、そのうちの表示パネルの構成を示す図である。この装置は狭ギャップ型であり、表示パネル10以外は一般的な構成となっている。よって、駆動回路部分については、表示パネル10に接続されて電圧信号を出力するサスティンドライバ21,データドライバ22を除いては図示およびその説明を省略する。
【0024】
表示パネル10は、前面ガラス基板11,背面ガラス基板12が放電空間を介して対向配置されたものである。前面ガラス基板11の上には、放電ギャップGを隔てて延在するように形成された維持電極17X(X1 ,X2 ,・・・Xn ),走査電極17Y(Y1 ,Y2 ,・・・Yn )からなるn対の電極対17が設けられている。これら維持電極17X,走査電極17Yの一側縁には、抵抗低減のためにAl(アルミニウム)等からなるバス電極18が一体的に設けられている。また、ここでは、維持電極17Xと走査電極17Yの間の放電ギャップGは50μm未満、好ましくは20μm以下とされる。このため、維持放電が通常より起こりやすくなっている。
【0025】
電極対17の上には、誘電体層19,保護層20が順に設けられている。通常、誘電体層はスクリーン印刷法によりガラスペーストを30μm程度の厚みに塗布して形成されるが、この誘電体層19は、酸化珪素をスパッタ,真空蒸着,イオンプレーティング或いはCVD(Chemical Vapor Deposition )等の成膜法により成膜し、例えば6μm程度の薄く均一な厚みに形成したものである。充分に薄い誘電体層19は、容量が大きく、電荷蓄積量が増加すると共に駆動電圧の低減にも寄与する。
【0026】
一方、背面ガラス基板12の上には、例えばAl等からなるアドレス電極13(A1 ,A2 ,・・・Am )が並列に配設されている。その上には順に、誘電体層14、放電空間を各アドレス電極13毎に区画するための隔壁15が設けられている。なお、隔壁15の間には蛍光体16が設けられている。
【0027】
このような構造を有する前面ガラス基板11と背面ガラス基板12は、電極対17(17X,17Y)とアドレス電極13とが互いの延長方向を直交させて各交点を画素とするn×mのマトリクスを構成するように位置合わせされる。図1では、こうした電極構造を表示面側から見た様子が表されており、維持電極17X,走査電極17Yはサスティンドライバ21に、アドレス電極13はデータドライバ22に電気的に接続されている。また、基板11,12は、放電空間内に放電ガスを封入し、周縁部にて気密封止されている。ここでは、放電ガスとしてXe単体もしくはXe含有ガスが用いられ、その圧力は5kPa以上70kPa以下とされている。なお、Xe含有ガスのXe濃度は、30%以上100%未満と、輝度を向上させるために高濃度であることが好ましい。
【0028】
次に、本実施の形態に係る駆動方法を説明する。ここでは、サブフィールド法により階調制御を行い、各サブフィールドにおけるリセット、アドレスおよびサスティンの基本動作は通常通りに行うものとする。
【0029】
図3(A)〜(C)は、本実施の形態の駆動方法に係る駆動電圧波形(1サブフィールド分)を示すタイミングチャートであり、図4(A),(B)は、そのうちサスティン期間の駆動電圧波形を拡大して示したものである。
【0030】
まず、リセット放電を通常と同様に行う。サスティンドライバ21から全ての維持電極17X,走査電極17Yそれぞれに同時に正負のパルスを印加し、各電極対17の間で放電させる。これにより、全ての画素領域の保護層20の表面が荷電粒子により帯電した(壁電荷が形成された)状態、もしくは、全画素領域内から電荷が消去された状態のいずれかを均一に形成する。
【0031】
次いで、通常と同様にアドレッシングを行う。すなわち、サスティンドライバ21から走査電極17Yに走査パルスを印加し、同時に、その走査タイミングに同期させてデータドライバ22からアドレス電極13にデータパルスを印加する。データパルスは、映像データから生成されたON/OFF信号に基づいたものであり、データ書き込みの場合はON表示画素、データ消去の場合はOFF表示画素に対して出力されるように制御されている。各パルスの値は、走査電極17Y,アドレス電極13の両極に電圧がかけられたときのみ放電開始電圧を超えてアドレス放電が発生するように設定されているので、結果的に、発光させる画素領域に選択的に壁電荷が形成される。
【0032】
次に、サスティン放電を行う。すなわち、発光期間に応じて、サスティンドライバ21から全ての維持電極17X,走査電極17Yに交互に維持パルスを連続的に印加する。これにより壁電荷が形成されている画素の電極対17の間で持続的に放電が生じ、選択された画素の発光表示が行われる。なお、維持パルス各々については、電極17,17Yの別なく時系列的な印加順に第1パルス,第2パルス,第3パルス,・・・と呼ぶことにする。
【0033】
ここでは、まず、第1パルスとして、立ち上がり時間t0 で急峻に立ち上がる維持パルス31を、走査電極17Yに印加する。維持パルス31は、できるだけ急峻に立ち上がらせることが好ましく、立ち上がり時間t0 は例えば200ns以下、さらには100ns以下に設定される。これにより、放電は早く開始されるようになる。通常、最初の放電では、プライミングが少ないために比較的大きな放電遅れが生じるが、ここでは、その放電遅れ時間が短縮される。
【0034】
続いて、電極対17に、維持パルス31よりも長い立ち上がり時間t1 (t1 >t0 )で立ち上がる維持パルス32を交互に印加し、放電を持続させる。立ち上がり時間t1 の値は、表示パネルにおける放電ガス圧等の条件や駆動条件に応じて適宜に設定されるが、電力回収が十分に可能な程度に放電遅れ時間を延長するように設定される。具体的には、放電遅れ時間を80ns以上として、放電に寄与する放電電流から、パルス印加時に流れる無効電流を分離するように設定するとよい。これにより、第2パルス以下の維持パルスは緩やかに立ち上げられ、電極対17に対する電流の集中が軽減される。また、放電遅れ時間が、電力回収を十分行うことができる長さに調整される。
【0035】
このように本実施の形態においては、第1パルスとして、走査電極17Yに急峻に立ち上がる維持パルス31を印加し、続いて、電極対17に、維持パルス31よりも緩やかに立ち上がる維持パルス32を交互に印加してサスティン放電を発生させるようにしたので、最初の放電における不要に長い放電遅れ時間は短縮され、続く放電における放電遅れ時間は電力回収を十分行うことができる長さに調整されて、放電状態が制御される。よって、サスティン放電を安定して行うことができると共に、電力回収を十分に行うことによって、消費電力の軽減を図ることができる。また、第2パルス以下の維持パルス32は、緩やかに立ち上げられるので、電流の集中による表示パネル10の劣化や駆動回路の負担が軽減される。
【0036】
なお、本実施の形態では、狭ギャップ型のプラズマ表示装置を駆動させるようにしたので、従来型よりも電極対17間で放電しやすい構造であるために、こうした放電制御は、一層顕著な効果を発揮する。
【0037】
(変形例)
図5(A),(B)は、上記第1の実施の形態の変形例に係る駆動方法を示すタイミングチャートであり、サスティン期間の駆動電圧波形を示している。すなわち、リセット期間、アドレス期間に関しては、第1の実施の形態のとおりに駆動される。
【0038】
本変形例では、サスティン期間において、第1パルスだけでなく第2パルスにも維持パルス31を印加するようにしている。上述したように、第1パルス印加時点ではプライミングが期待できないが、サスティン期間以前の放電しなかった期間によっては、第2パルスを印加する際にも、まだ十分に荷電粒子等が供給されていないおそれがある。そこで、第2パルスも第1パルス同様の波形として、意図的に放電を開始させるようにする。これにより、サスティン放電初期の放電遅れ時間が適切に制御される。なお、本変形例は、以下の実施の形態においても適用可能である。
【0039】
〔第2の実施の形態〕
図6(A),(B)は、第2の実施の形態に係る駆動方法を示すタイミングチャートであり、サスティン期間の駆動電圧波形を示している。なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の狭ギャップ型プラズマ表示装置を駆動させるものとするので、各構成要素の符号は同一とし、その説明を適宜省略する。また、駆動方法においても、第1の実施の形態と同様の箇所は説明を省略する。
【0040】
ここでは、サスティン期間において、第1パルスとして、走査電極17Yに急峻に立ち上がる維持パルス31を印加したのち、維持パルス31よりも緩やかに立ち上がる複数種の波形の維持パルス32a,32b,32c,・・・を組み合わせて、電極対17それぞれに順に印加する。これら維持パルス32a,32b,32c,・・・は、それぞれ立ち上がり時間t1a,t1b,t1c,・・・と互いに異なるパルスであって、全て維持パルス31よりも長い立ち上がり時間を有している(t0 <t1a,t1b,t1c,・・・)。
【0041】
また、維持パルス32a,32b,32c,・・・を所定のn種類のパルスとして設定しておき、例えばこれらを順に繰り返すなど、前後でパルスの種類が異なるように組み合わせて印加することが好ましい。さらには、サスティン期間中、印加するパルスの種類が全部異なるようにしてもよい。またここでは、パルスの種類を電極17X,17Yのそれぞれに対して変えるようにしたが、第1パルス,第2パルス,第3パルス,・・・と、その印加順に従ってパルス種を変化させるようにしてもよい。
【0042】
このようにして、維持パルスの立ち上がり時間を時系列的に変化させると、プライミング効果を放電毎に変化させることができる。これにより、常に電極17X,17Yの同じ部分で放電を生じることが、防止される。
【0043】
このように本実施の形態においては、第2パルス以下を互いに立ち上がり時間の異なる維持パルス32a,32b,32c,・・・としたので、電極17X,17Yのうち放電を生じる部分が放電の度にずらされ、電極17上の保護層19が、局所的に劣化してしまうことが防止される。よって、これに起因する放電開始電圧の変動などが抑制され、装置としての信頼性向上を図ることができる。なお、その他の効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0044】
(変形例)
図7(A),(B)は、上記第2の実施の形態の変形例に係る駆動方法を示すタイミングチャートであり、サスティン期間の駆動電圧波形を示している。本変形例では、第2パルス以下を互いに立ち上がり時間に全く相関のない維持パルス32a,32b,32c,32d,32e,・・・を印加する。すなわち、第2パルス以下においては、立ち上がり時間をランダムに変化させて維持パルスを発生させるようにしている。なお、維持パルス32a,32b,32c,32d,32e,・・・は、第2の実施の形態同様、維持パルス31よりも立ち上がり時間が長くなるように設定される。この場合には、パルス種の組み合わせを考える必要がなく、より簡易に、電極17X,17Yにおける放電部分を放電の度にずらし、保護層19が局所的に劣化するのを防止することができる。
【0045】
なお、本発明は、上記実施の形態や変形例に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施の形態では、維持放電ギャップが50μm未満である狭ギャップ型プラズマ表示装置について説明したが、維持放電ギャップが100μm程度である従来のプラズマ表示装置においても、本発明が適用できるのは勿論のことであり、特に、放電ガスのXe濃度が高い場合に好適に適用される。その場合も、上記実施の形態と同様の効果を発揮することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし請求項9のいずれか1に記載のプラズマ表示装置の駆動方法によれば、電極対の少なくとも一方に、立ち上がり時間tで急峻に立ち上がる第1の維持パルスを印加し、続いて、電極対に、第1の維持パルスよりも長い立ち上がり時間t(t>t)で立ち上がる第2の維持パルスを交互に、時系列的に相関がないように互いに立ち上がり時間を変えつつ、発光期間に応じて連続的に印加して、放電を持続して行うことにより発光表示を行うようにしたので、第1の維持パルスにより、最初の放電における不要に長い放電遅れ時間は短縮され、第2の維持パルスにより、続く放電における放電遅れ時間は電力回収を十分行うことができる長さに調整され、放電状態が制御される。従って、サスティン放電を安定して行うことができると共に、電力回収を十分に行うことによって、消費電力の軽減を図ることが可能となる。特に、狭ギャップ型のプラズマ表示装置を駆動させる場合には、従来型よりも電極対間で放電しやすい構造であり、放電遅れが短い傾向にあるため、大きな効果が期待できる。さらに、第2の維持パルスを、時系列的に相関がないように立ち上がり時間を変えて印加することにより、電極の放電を生じる部分が放電の度にずらされ、常に同じ部分に放電が生じることが回避される。従って、電極上の保護層が局所的に劣化することが抑制され、放電開始電圧の変動等が防止されて、装置としての信頼性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る狭ギャップ型プラズマ表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したプラズマ表示装置の表示パネルの構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ表示装置の駆動方法を示す電圧波形図である。
【図4】図3に示した駆動方法のサスティン期間を拡大して示した電圧波形図である。
【図5】図3に示した駆動方法の変形例を示す電圧波形図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るプラズマ表示装置の駆動方法を示す電圧波形図である。
【図7】図6に示した駆動方法の変形例を示す電圧波形図である。
【図8】従来のプラズマ表示装置における一般的な表示パネルの構成を示す斜視図である。
【図9】図8に示した表示パネルにおける電極構成を示す平面図である。
【図10】従来のプラズマ表示装置の一般的な駆動方法を説明するための図である。
【図11】図8に示した表示パネルにおいて測定したサスティン駆動時の放電遅れの様子を示す図であり、(A)は電圧波形、(B)は充放電電流、(C)は発光(フォトマル出力)を示す。
【符号の説明】
10…表示パネル、11…前面ガラス基板、12…背面ガラス基板、13…アドレス電極、14…誘電体層、15…隔壁、16…蛍光体層、17…電極対、17X…維持電極、17Y…走査電極、18…バス電極、19…誘電体層、20…保護層、21…サスティンドライバ、22…データドライバ、31,32…維持パルス。

Claims (9)

  1. 放電ガスが封止された放電空間を間に対向配置された第1の基板および第2の基板と、前記第1の基板の上に放電ギャップを隔てて延在するように形成された維持電極および走査電極からなる電極対と、前記第2の基板の上に前記電極対との交差方向に延在するように形成されたアドレス電極と、前記電極対と前記アドレス電極との交差領域として形成された画素領域とを備えたプラズマ表示装置を駆動する方法であって、
    前記電極対の少なくとも一方に、立ち上がり時間tで急峻に立ち上がる第1の維持パルスを印加し、
    続いて、前記電極対に、前記第1の維持パルスよりも長い立ち上がり時間t(t>t)で立ち上がる第2の維持パルスを交互に、時系列的に相関がないように互いに立ち上がり時間を変えつつ、発光期間に応じて連続的に印加して、放電を持続して行うことにより発光表示を行う
    ことを特徴とするプラズマ表示装置の駆動方法。
  2. 前記第1の維持パルスの立ち上がり時間tは、200ns以下である
    ことを特徴とする請求項1記載のプラズマ表示装置の駆動方法。
  3. 前記放電ガスがキセノン(Xe)を含み、かつ、前記放電ガスの圧力が5kPa以上70kPa以下であるプラズマ表示装置を駆動する
    ことを特徴とする請求項1記載のプラズマ表示装置の駆動方法。
  4. 更に、前記放電ガスのキセノン(Xe)濃度が30%以上100%未満である
    ことを特徴とする請求項3記載のプラズマ表示装置の駆動方法。
  5. 前記放電ガスがキセノン(Xe)のみからなり、かつ、前記放電ガスの圧力が5kPa以上70kPa以下であるプラズマ表示装置を駆動する
    ことを特徴とする請求項1記載のプラズマ表示装置の駆動方法。
  6. 前記放電ギャップが50μm未満であるプラズマ表示装置を駆動する
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ表示装置の駆動方法。
  7. 前記放電ギャップが20μm以下であるプラズマ表示装置を駆動する
    ことを特徴とする請求項6に記載のプラズマ表示装置の駆動方法。
  8. 前記第1の基板と前記電極対の上に誘電体層が設けられており、前記誘電体層の厚みが15μm以下であるプラズマ表示装置を駆動する
    ことを特徴とする請求項1記載のプラズマ表示装置の駆動方法。
  9. 更に、前記誘電体層の厚みが6μmである
    ことを特徴とする請求項8記載のプラズマ表示装置の駆動方法。
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