JP4384132B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4384132B2
JP4384132B2 JP2006138530A JP2006138530A JP4384132B2 JP 4384132 B2 JP4384132 B2 JP 4384132B2 JP 2006138530 A JP2006138530 A JP 2006138530A JP 2006138530 A JP2006138530 A JP 2006138530A JP 4384132 B2 JP4384132 B2 JP 4384132B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor output
low
oxygen concentration
sensor
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006138530A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007270815A (ja
Inventor
潤 飯田
秀隆 牧
幸夫 末廣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2006138530A priority Critical patent/JP4384132B2/ja
Publication of JP2007270815A publication Critical patent/JP2007270815A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4384132B2 publication Critical patent/JP4384132B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に内燃機関の排気系に設けられた酸素濃度センサの劣化判定機能を有するものに関する。
内燃機関の排気系に設けられる酸素濃度センサの劣化判定手法は、従来より種々提案されている。特許文献1には、酸素濃度センサ出力の所定周波数帯域成分をバンドパスフィルタで抽出し、抽出した信号成分の振幅またはパワーに基づいて、酸素濃度センサの劣化を判定する装置が示されている。
特開2005−240618号公報
上記特許文献1に示された装置では、酸素濃度センサが、排気浄化用触媒の下流側に配置される場合には、バンドパスフィルタにより抽出される信号成分の振幅(パワー)が小さくなり、判定精度が低下するおそれがある。このため、特許文献1に示された装置では、バンドパスフィルタにより抽出される信号成分の振幅(パワー)に応じて直接的に判定せずに、抽出される信号成分の振幅(パワー)に応じて空燃比制御パラメータが変更され、空燃比制御の制御周期によって劣化判定が行われる。このため、劣化判定処理が複雑化するという課題があった。
また上記特許文献1に示された装置では、抽出した信号成分の振幅またはパワーに基づいて劣化判定が行われるため、センサ出力の立ち上り部分の応答劣化か、立ち下がり部分の応答劣化かを独立して判定することはできない。
本発明はこの点に着目してなされたものであり、酸素濃度センサの劣化判定を、センサの設置位置に拘わらず比較的簡便な手法で正確に行うことができ、しかもセンサ出力の立ち上り特性または立ち下がり特性のいずれが劣化しているかを判定することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、排気系(13)に酸素濃度センサ(18)を備える内燃機関の制御装置において、前記酸素濃度センサ出力(SVO2)に含まれる低域成分を相対的に強調する低域強調演算を行い、低域強調センサ出力(SVO2INV)を算出する低域強調手段と、前記低域強調センサ出力(SVO2INV)と所定上側閾値(SVO2INVTHH)及び所定下側閾値(SVO2INVTHL)の少なくとも一方との比較結果に基づいて、前記酸素濃度センサ(18)の劣化を判定する判定手段を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記低域強調手段は、前記低域強調演算を行う応答遅れ補償器(21)と、ローパスフィルタ(23)とを組み合わせて構成されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置において、前記判定手段は、前記低域強調センサ出力(SVO2INV)が前記所定上側閾値(SVO2INVTHH)以下であるとき、前記酸素濃度センサ出力の立ち上り特性が劣化したと判定し、前記低域強調センサ出力(SVO2INV)が前記所定下側閾値(SVO2INVTHL)以上であるとき、前記酸素濃度センサ出力の立ち下がり特性が劣化したと判定することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか1項に記載の内燃機関の制御装置において、前記判定手段は、前記酸素濃度センサ出力の最大値が所定上限値(SVO2THH)以上であり、かつ前記酸素濃度センサ出力の最小値が所定下限値(SVO2THL)以下であるとき、前記劣化判定を実行することを特徴とする
前記判定手段は、前記低域強調センサ出力の最大値(SVO2INVMAX)が所定上側閾値(SVO2INVTHH)以下であるとき、前記酸素濃度センサ出力の立ち上り特性が劣化したと判定し、前記低域強調センサ出力の最小値(SVO2INVMIN)が所定下側閾値(SVO2INVTHL)以上であるとき、前記酸素濃度センサ出力の立ち下がり特性が劣化したと判定するようにしてもよい。
請求項1に記載の発明によれば、酸素濃度センサ出力に含まれる低域成分を相対的に強調する低域強調演算が行われ、低域強調センサ出力が算出され、低域強調センサ出力と所定上側閾値及び所定下側閾値の少なくとも一方との比較結果に基づいて、酸素濃度センサの劣化が判定される。低域強調センサ出力は、応答遅れの影響が顕著に表れる低域成分が相対的に強調されるため、正常な(劣化していない)センサの低域強調センサ出力の振幅は、劣化しているセンサの補償センサ出力の振幅に比べて非常に大きくなる。そのため、センサの劣化を比較的簡単な構成で正確に検出することができる。また、センサ出力の立ち上り特性が劣化したときは、低域強調センサ出力が所定上側閾値以下となる一方、センサ出力の立ち下がり特性が劣化したときは、低域強調センサ出力が所定下側閾値以上となるので、立ち上がり特性または立ち下がり特性のいずれが劣化したかを判定することができる。
請求項2に記載の発明によれば、比較的周波数の高いノイズ成分をローパスフィルタによって除去することができるので、ノイズに対するロバスト性の高い判定を行うことができる。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の一実施形態にかかる内燃機関(以下「エンジン」という)及びその制御装置の全体構成図であり、例えば4気筒のエンジン1の吸気管2の途中にはスロットル弁3が配されている。スロットル弁3にはスロットル弁開度(TH)センサ4が連結されており、当該スロットル弁3の開度に応じた電気信号を出力して電子制御ユニット(以下「ECU」という)5に供給する。
燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁3との間かつ吸気管2の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃料ポンプに接続されていると共にECU5に電気的に接続されて当該ECU5からの信号により燃料噴射弁6の開弁時間が制御される。
スロットル弁3の上流側には吸入空気流量GAIRを検出する吸入空気流量センサ7が設けられている。またスロットル弁3の下流側には吸気圧PBAを検出する吸気圧センサ8、及び吸気温TAを検出する吸気温センサ9が設けられている。これらのセンサの検出信号は、ECU5に供給される。
エンジン1の本体に装着されたエンジン水温(TW)センサ10はサーミスタ等から成り、エンジン水温(冷却水温)TWを検出して対応する温度信号を出力してECU5に供給する。
ECU5には、エンジン1のクランク軸(図示せず)の回転角度を検出するクランク角度位置センサ11が接続されており、クランク軸の回転角度に応じた信号がECU5に供給される。クランク角度位置センサ11は、エンジン1の特定の気筒の所定クランク角度位置でパルス(以下「CYLパルス」という)を出力する気筒判別センサ、各気筒の吸入行程開始時の上死点(TDC)に関し所定クランク角度前のクランク角度位置で(4気筒エンジンではクランク角180度毎に)TDCパルスを出力するTDCセンサ及びTDCパルスより短い一定クランク角周期(例えば30度周期)で1パルス(以下「CRKパルス」という)を発生するCRKセンサから成り、CYLパルス、TDCパルス及びCRKパルスがECU5に供給される。これらのパルスは、燃料噴射時期、点火時期等の各種タイミング制御、エンジン回転数(エンジン回転速度)NEの検出に使用される。
排気管13には三元触媒14及び15が上流側からこの順序で設けられている。
三元触媒は、酸素蓄積能力を有し、エンジン1に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりリーン側に設定され、排気中の酸素濃度が比較的高い排気リーン状態では、排気中の酸素を蓄積し、逆にエンジン1に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりリッチ側に設定され、排気中の酸素濃度が低く、HC、CO成分が多い排気リッチ状態では、蓄積した酸素により排気中のHC,COを酸化する機能を有する。
三元触媒14の上流位置には、比例型酸素濃度センサ17(以下「LAFセンサ17」という)が装着されており、このLAFセンサ17は排気中の酸素濃度(空燃比)にほぼ比例した電気信号を出力し、ECU5に供給する。
三元触媒14と15の間には、二値型酸素濃度センサ(以下「O2センサ」という)18が装着されており、その検出信号はECU5に供給される。このO2センサ18は、その出力が理論空燃比の前後において急激に変化する特性を有し、その出力は理論空燃比よりリッチ側で高レベルとなり、リーン側で低レベルとなる。
ECU5は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)、該CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路、前記燃料噴射弁6に駆動信号を供給する出力回路等から構成される。
ECU5のCPUは、上述の各種エンジンパラメータ信号に基づいて、種々のエンジン運転状態を判別するとともに、該判別されたエンジン運転状態に応じて、次式(1)を用いて、前記TDC信号パルスに同期して開弁作動する燃料噴射弁6の燃料噴射時間TOUTを演算する。
TOUT=TIM×KCMD×KAF×K1+K2 (1)
ここに、TIMは基本燃料量、具体的には燃料噴射弁6の基本燃料噴射時間であり、吸入空気流量GAIRに応じて設定されたTIMテーブルを検索して決定される。TIMテーブルは、エンジンに供給する混合気の空燃比がほぼ理論空燃比になるように設定されている。
KCMDは目標空燃比係数であり、通常制御中は、O2センサ出力SVO2に応じて設定される。目標空燃比係数KCMDは、空燃比A/Fの逆数、すなわち燃空比F/Aに比例し、理論空燃比のとき値1.0をとるので、目標当量比ともいう。
KAFは、フィードバック制御の実行条件が成立するときは、LAFセンサ17の検出値から算出される検出当量比KACTが目標当量比KCMDに一致するようにPID(比例積分微分)制御あるいは適応制御器(Self Tuning Regulator)を用いた適応制御により算出される空燃比補正係数である。
K1及びK2は夫々各種エンジンパラメータ信号に応じて演算される他の補正係数および補正変数であり、エンジン運転状態に応じた燃費特性、エンジン加速特性等の諸特性の最適化が図れるような所定値に決定される。
ECU5のCPUは上述のようにして求めた燃料噴射時間TOUTに基づいて燃料噴射弁6を開弁させる駆動信号を出力回路を介して燃料噴射弁6に供給する。また、ECU5のCPUは、以下に説明するようにO2センサ18の劣化判定を行う。
図2は、劣化判定を行うモジュールの構成を示すブロック図である。この図に示すブロックの機能は、実際にはECU5のCPUで実行される処理により実現される。
図2に示すモジュールは、O2センサ出力SVO2が入力される遅れ補償器21と、劣化判定部22とからなる。遅れ補償器21は、O2センサの経時変化により発生する応答遅れを補償する演算をおこない、補償センサ出力SVO2INVを出力する。遅れ補償器21は、例えば図4に示すような周波数特性を有しており、O2センサの応答遅れの影響が顕著に表れる低周波帯域を強調する特性を有する。
劣化判定部22は、補償センサ出力SVO2INVの最大値SVO2INVMAX及び最小値SVO2INVMINを算出し、最大値SVO2INVMAX及び最小値SVO2INVMINに基づいて、O2センサ18の劣化判定を行う。
図3は、図2に示す遅れ補償器21及び劣化判定部22の機能を実現する処理のフローチャートである。この処理は、エンジン運転中において所定時間(例えば10ミリ秒)毎にECU5のCPUで実行される。
ステップS21では、下記式(2)にO2センサ出力SVO2を適用してO2センサの応答遅れ補償演算を実行し、補償センサ出力SVO2INV(k)を算出する。
SVO2INV(k)=
b0・SVO2(k)+b1・SVO2(k-1)+…+bm・SVO2(k-m)
+a1・SVO2INV(k-1)+a2・SVO2INV(k-2)+…
+an・SVO2INV(k-n) (2)
ここで、kは本処理の実行周期で離散化した制御時刻、b0〜bm及びa1〜anはフィルタ係数である。m及びnはそれぞれ例えば3及び2に設定され、b0,b1,b2,及びb3は、それぞれ例えば0.024,0.073.0.073,及び0.024に設定され、a1及びa2は、それぞれ例えば−1.956及び0.957に設定される。式(2)による演算の周波数特性は、例えば図4に示されるようになる。周波数帯域FR1は、O2センサ18が劣化したときに、その出力特性に大きく影響する帯域であるため、ゲインが大きく設定されている。周波数帯域FR2は、劣化の影響を受けない帯域であるため、ゲインを0[dB]としている。また周波通帯域FR3は、ノイズの影響を除くために周波数が高くなるほど減衰するように設定されている。
ステップS22では、活性フラグFSO2HTが「1」であるか否か、すなわちO2センサ18が活性化しているか否かを判別する。FSO2HT=0であって、O2センサ18が活性化していないときは直ちに本処理を終了する。FSO2HT=1であるときは、下記式(3)及び(4)により、補償センサ出力SVO2INVの最大値SVO2INVMAX及び最小値SVO2INVMINを算出する(ステップS23)。式(3)の右辺は、前回までに算出された最大値SVO2INVMAXと、今回の補償センサ出力SVO2INV(k)のうち大きい方を選択する演算であり、式(4)の右辺は、前回までに算出された最小値SVO2INVMINと、今回の補償センサ出力SVO2INV(k)のうち小さい方を選択する演算である。
SVO2INVMAX=max(SVO2INVMAX,SVO2INV(k))
(3)
SVO2INVMIN=min(SVO2INVMIN,SVO2INV(k))
(4)
ステップS24では、センサ出力SVO2(k)が第1上側閾値SVO2THH(例えば650mV)以上であるか否かを判別する。この答が肯定(YES)であるときは、上側振幅フラグFSVO2Hを「1」に設定する。その後ステップS28に進む。
ステップS24でSVO2(k)<SVO2THHであるときは、センサ出力SVO2(k)が第1下側閾値SVO2THL(例えば200mV)以下であるか否かを判別する(ステップS26)。この答が肯定(YES)であるときは、下側振幅フラグFSVO2Lを「1」に設定する(ステップS27)。その後ステップS28に進む。
ステップS26でSVO2(k)>SVO2THLであるときは、直ちにステップS28に進む。
ステップS28では、上側振幅フラグFSVO2H及び下側振幅フラグFSVO2Lがともに「1」であるか否かを判別する。この答が否定(NO)であるときは直ちに本処理を終了する。
上側振幅フラグFSVO2H及び下側振幅フラグFSVO2Lがともに「1」であるときは、ステップS29に進み、最大値SVO2INVMAXが第2上側閾値SVO2INVTHH(例えば700mV)以下であるか否かを判別する。この答が否定(NO)であるときは、最小値SVO2INVMINが第2下側閾値SVO2INVTHL(例えば0V)以上であるか否かを判別する(ステップS30)。ステップS30の答が否定(NO)であるときは、O2センサ18は正常(劣化していない)と判定し、正常フラグFOK67及び終了フラグFDONEをともに「1」に設定する(ステップS31)。
ステップS30でSVO2INVMIN≧SVO2INVTHLであるときは、O2センサ出力の立ち下がり特性が劣化していると判定し、立ち下がり劣化フラグFFSD67Fを「1」に設定するとともに、終了フラグFDONEを「1」に設定する(ステップS34)。
ステップS29でSVO2INVMAX≦SVO2INVTHHであるときは、O2センサ出力の立ち上り応答特性が劣化していると判定し、立ち上り劣化フラグFFSD67Rを「1」に設定する(ステップS32)。次いで、ステップS30と同様に、最小値SVO2INVMINが第2下側閾値SVO2INVTHL以上であるか否かを判別する(ステップS33)。ステップS33の答が否定(NO)であるときは、終了フラグFDONEを「1」に設定し(ステップS35)、本処理を終了する。ステップS33で、SVO2INVMIN≧SVO2INVTHLであるときは、前記ステップS34に進む。したがってこの場合は、立ち上り劣化フラグFFSD67R及び立ち下がり劣化フラグFFSD67Fがともに「1」に設定される。
図5及び図6は、図3の処理を説明するためのタイムチャートであり、図5はO2センサ18が正常である場合に対応し、図6は劣化している場合に対応する。図5(a)及び図6(a)に示す実線が、補償センサ出力SVO2INVの推移を示し、破線がセンサ出力SVO2の推移を示す。
図5に示す例では、時刻t0にO2センサ18の活性化が完了し、活性フラグFSO2HTが「1」に設定される(同図(d))。その後補償センサ出力SVO2INVが大きく減少し、それに伴って最小値SVO2INVMINが減少して、第2下側閾値SVO2INVTHLより小さくなる。次いで補償センサ出力SVO2INVが増加し、それに伴って最大値SVO2INVMAXが増加し、第2上側閾値SVO2INVTHHを超える。時刻t1において、センサ出力SVO2が第1下側閾値SVO2THL以下となり、下側振幅フラグFSVO2Lが「1」に設定される(同図(c))。さらに時刻t2において、センサ出力SVO2が第1上側閾値SVO2THH以上となり、上側振幅フラグFSVO2Hが「1」に設定される(同図(b))。したがって、図3のステップS29以下の処理が実行され、ステップS29及びS30の答がともに否定(NO)となって、正常と判定される。その結果、時刻t2において、終了フラグFDONE及び正常フラグFOK67がともに「1」に設定される(図5(e)(g))一方、立ち上り劣化フラグFFSD67R及び立ち下がり劣化フラグFFSD67Fはともに「0」を維持する(同図(f))。
図6に示す例では、時刻t10にO2センサ18の活性化が完了し、活性フラグFSO2HTが「1」に設定される。その後補償センサ出力SVO2INVが減少し、それに伴って最小値SVO2INVMINが徐々に減少するが、第2下側閾値SVO2INVTHLには達しない。一方最大値SVO2INVMAXは、第2上側閾値SVO2INVTHHを僅かに超える。時刻t11において、センサ出力SVO2が第1上側閾値SVO2THH以上となり、上側振幅フラグFSVO2Hが「1」に設定される(同図(b))。次いで時刻t12において、センサ出力SVO2が第1下側閾値SVO2THL以下となり、下側振幅フラグFSVO2Lが「1」に設定される(同図(c))。したがって、図3のステップS29以下の処理が実行され、ステップS29の答が否定(NO)で、ステップS30の答が肯定(YES)となり、立ち下がり特性が劣化していると判定され、立ち下がり劣化フラグFFSD67Fが「1」に設定される(図6(f))。同時に、終了フラグFDONEが「1」に設定される(同図(e))。正常フラグFOK67は「0」を維持する(同図(g))。
以上詳述したように本実施形態では、O2センサ出力SVO2の応答遅れを補償する演算が行われ、補償センサ出力SVO2INVが算出され、補償センサ出力SVO2INVの最大値SVO2INVMAX及び最小値SVO2INVMINに基づいて、O2センサ18の劣化判定が行われる。補償センサ出力SVO2INVは、応答遅れの影響が顕著に表れる低域成分が相対的に強調されるため、正常な(劣化していない)センサの補償センサ出力SVO2INVの振幅は、劣化しているセンサの補償センサ出力SVO2INVの振幅に比べて非常に大きくなる。そのため、センサの劣化を比較的簡単な構成で正確に検出することができる。また、最大値SVO2INVMAXに基づいて、センサ出力SVO2の立ち上り特性の劣化判定が行われ、最小値SVO2INVMINに基づいてセンサ出力SVO2の立ち下がり特性の劣化判定が行われるので、立ち上がり特性または立ち下がり特性のいずれが劣化したかを判定することができる。
本実施形態では、ECU5が低域強調手段及び判定手段を構成する。具体的には、図3のステップS21が低域強調手段に相当し、ステップS23〜S35が判定手段に相当する。
[第2の実施形態]
上述した第1の実施形態では、補償センサ出力SVO2INVの最大値SVO2INVMAX及び最小値SVO2INVMINを算出し、最大値SVO2INVMAXと第2上側閾値SVO2INVTHHとの比較結果、及び最小値SVO2INVMINと第2下側閾値SVO2INVTHLとの比較結果に基づいて、劣化判定を行うが、本実施形態は、最大値SVO2INVMAX及び最小値SVO2INVMINを算出せずに、劣化判定を行うようにしたものである。なお、本実施形態は、以下に説明する点以外は、第1の実施形態と同一である。
図7は、本発明の第2の実施形態にかかるO2センサ劣化判定処理のフローチャートである。この処理は、図3に示す処理のステップS23を削除して、ステップS41〜S44を追加するとともに、図3のステップS29,S30,及びS33を、それぞれステップS29a,S30a,及びS33aに変更したものである。
ステップS41では、補償センサ出力SVO2INV(k)が第2上側閾値SVO2INVTHHより大きいか否かを判別し、その答が肯定(YES)であるときは、上側OKフラグFSVO2HOKを「1」に設定し(ステップS42)、ステップS24に進む。ステップS41でSVO2INV(k)≦SVO2INVTHHであるときは、補償センサ出力SVO2INV(k)が第2下側閾値SVO2INVTHLより小さいか否かを判別する(ステップS43)。その答が肯定(YES)であるときは、下側OKフラグFSVO2LOKを「1」に設定し(ステップS44)、その後ステップS24に進む。ステップS43でSVO2INV(k)≧SVO2INVTHLであるときは、直ちにステップS24に進む。
ステップS29aでは、上側OKフラグFSVO2HOKが「0」であるか否かを判別し、この答が否定(NO)であるときは、ステップS30aで下側OKフラグFSVO2LOKが「0」であるか否かを判別する。ステップS30aの答が否定(NO)であるときは、正常判定が行われる(ステップS31)。
ステップS30aでFSVO2LOK=0であるときは、O2センサ出力の立ち下がり特性が劣化していると判定し、ステップS34に進む。
またステップS29aでFSVO2HOK=0であるときは、O2センサ出力の立ち上り応答特性が劣化していると判定し、立ち上り劣化フラグFFSD67Rを「1」に設定する(ステップS32)。次いで、ステップS33aで下側OKフラグFSVO2LOKが「0」であるか否かを判別し、その答が否定(NO)であるときは、ステップS35に進む。ステップS33aで、FSVO2OKL=0であるときは、ステップS34に進む。
図8及び図9は、図7の処理を説明するためのタイムチャートである。図8(a)には、図5(a)と同一の波形が示されており、図8(b),(c),(d),(g),(h),及び(i)は、それぞれ図5(b)〜(g)と同一である。また、図9(a)には、図6(a)と同一の波形が示されており、図9(b),(c),(d),(g),(h),及び(i)は、それぞれ図6(b)〜(g)と同一である。
本実施形態では、上側OKフラグFSVO2HOK及び下側OKフラグFSVO2LOKが用いられている。図8に示す例では、時刻t3において補償センサ出力SVO2INVが第2下側閾値SVO2INVTHLより小さくなり、下側OKフラグFSVO2LOKが「1」に設定されるとともに(図8(f))、時刻t4において補償センサ出力SVO2INVが第2上側閾値SVO2INVTHHより大きくなり、上側OKフラグFSVO2HOKが「1」に設定される(図8(e))。したがって、時刻t2において、正常フラグFOK67が「1」に設定される。
一方図9に示す例では、時刻t13において補償センサ出力SVO2INVが第2上側閾値SVO2INVTHHより大きくなり、上側OKフラグFSVO2HOKが「1」に設定される(図9(e))。しかし、補償センサ出力SVO2INVが第2下側閾値SVO2INVTHLより小さくならない。その結果、時刻t12にセンサ出力SVO2が第1下側閾値SVO2THLより小さくなり、立ち下がり劣化フラグFFSD67Fが「1」に設定される。
以上のように本実施形態では、補償センサ出力SVO2INVの最大値SVO2INVMAX及び最小値SVO2INVMINを算出することなく、第1の実施形態と同様にO2センサ18の劣化判定を行うことができる。
本実施形態では、図7のステップS21が低域強調手段に相当し、ステップS24〜S35及びS41〜S44が判定手段に相当する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、劣化判定モジュールは、図10(a)または図10(b)に示すように構成してもよい。図10の構成は、図2の構成にローパスフィルタ23を追加したものである。上述した実施形態の応答遅れ補償器21は、高域成分を減衰させる特性を有するが、さらに図4に示す周波数帯域FR3のノイズ成分を減衰させるローパスフィルタ23を追加することにより、ノイズに対するロバスト性を高めることができる。
また上述した第1の実施形態では、最大値SVO2INVMAX及び最小値SVO2INVMINを用いて劣化判定を行っているが、最大値SVO2INVMAXまたは最小値SVO2INVMINのいずれか一方のみを用いて、O2センサ18の劣化判定を行うようにしてもよい。また第2の実施形態では、補正出力SVO2INVと第2上側閾値SVO2INVTHHとの比較結果、並びに補正出力SVO2INVと第2下側閾値SVO2INVTHLとの比較結果を用いて劣化判定を行っているが、いずれか一方の比較結果のみに基づいてO2センサ18の劣化判定を行うようにしてもよい。
また、本発明はO2センサ18が排気浄化用の三元触媒の下流側に配置される場合だけでなく、図11(a)に示すように上流側に配置される場合にも適用可能である。この場合には、目標当量比KCMDを「1.0」に固定し、O2センサ18の出力に基づいて空燃比補正係数KAFを算出することにより、O2センサ出力SVO2が高レベルと低レベルとの間を変動し、上述した劣化判定を行うことができる。
さらに図11(b)に示すように、三元触媒14及び15を単一の容器に格納し、その中間に酸素濃度センサ18を配置した場合にも本発明を適用することができる。
また本発明は、クランク軸を鉛直方向とした船外機などのような船舶推進機用エンジンなどの排気系に設けられる酸素濃度センサの劣化判定にも適用が可能である。
本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。 O2センサの劣化判定モジュールの構成を示すブロック図である。 O2センサの劣化判定処理のフローチャートである。 図2に示す応答遅れ補償器の周波数特性を示す図である。 図3の処理による、O2センサが正常である場合の判定例を説明するためのタイムチャートである。 図3の処理による、O2センサが劣化している場合の判定例を説明するためのタイムチャートである O2センサの劣化判定処理(第2の実施形態)のフローチャートである。 図7の処理による、O2センサが正常である場合の判定例を説明するためのタイムチャートである。 図7の処理による、O2センサが劣化している場合の判定例を説明するためのタイムチャートである 劣化判定モジュールの変形例を示すブロック図である。 O2センサの配置を説明するための図である。
符号の説明
1 内燃機関
4 電子制御ユニット(低域強調手段、判定手段)
6 燃料噴射弁
13 排気管
18 酸素濃度センサ

Claims (4)

  1. 排気系に酸素濃度センサを備える内燃機関の制御装置において、
    前記酸素濃度センサ出力に含まれる低域成分を相対的に強調する低域強調演算を行い、低域強調センサ出力を算出する低域強調手段と、
    前記低域強調センサ出力と所定上側閾値及び所定下側閾値の少なくとも一方との比較結果に基づいて、前記酸素濃度センサの劣化を判定する判定手段を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記低域強調手段は、前記低域強調演算を行う応答遅れ補償器と、ローパスフィルタとを組み合わせて構成されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記判定手段は、前記低域強調センサ出力が前記所定上側閾値以下であるとき、前記酸素濃度センサ出力の立ち上り特性が劣化したと判定し、前記低域協調センサ出力が前記所定下側閾値以上であるとき、前記酸素濃度センサ出力の立ち下がり特性が劣化したと判定することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記判定手段は、前記酸素濃度センサ出力の最大値が所定上限値以上であり、かつ前記酸素濃度センサ出力の最小値が所定下限値以下であるとき、前記劣化判定を実行することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
JP2006138530A 2006-03-08 2006-05-18 内燃機関の制御装置 Expired - Fee Related JP4384132B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006138530A JP4384132B2 (ja) 2006-03-08 2006-05-18 内燃機関の制御装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006063177 2006-03-08
JP2006138530A JP4384132B2 (ja) 2006-03-08 2006-05-18 内燃機関の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007270815A JP2007270815A (ja) 2007-10-18
JP4384132B2 true JP4384132B2 (ja) 2009-12-16

Family

ID=38673861

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006138530A Expired - Fee Related JP4384132B2 (ja) 2006-03-08 2006-05-18 内燃機関の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4384132B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111183358B (zh) * 2018-09-13 2023-06-02 株式会社东芝 构造物评价系统、构造物评价装置以及构造物评价方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007270815A (ja) 2007-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4198718B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
US7677027B2 (en) Deterioration detecting apparatus for catalyst
EP2354505B1 (en) Exhaust gas purifying apparatus for internal combustion engine
JP4531597B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4205030B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP4499062B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009115012A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
US9249712B2 (en) Air-fuel ratio control system for internal combustion engine
JP4030010B2 (ja) 排ガスセンサの劣化判定装置
JP4384132B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5337140B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP5543852B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP4936018B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
US9057337B2 (en) Air-fuel ratio control system for internal combustion engine
JP5770585B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP5297509B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP5342618B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP5297508B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP5220908B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP4368928B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2007285190A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JPH05214991A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP2011058475A (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090127

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090326

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090908

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090924

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131002

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees