JP4383675B2 - 移動無線通信システムにおける順方向リンクの可変および固定レートを制御する方法および装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に移動無線通信システムに関する。とくに、本発明は、基地局から移動装置に順方向リンクで送られたデータ情報信号の送信レートを制御する符号分割多重アクセス（ＣＤＭＡ）移動無線通信システムに関する。とくに、本発明は、選択された基地局から移動局にデータを送信するために可変および固定レートのデータ伝送モードを交互に使用することにより順方向リンク上のデータの送信レートを制御する新しい改善されたシステムおよび方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
移動無線通信システムでは、音声サービスを提供する要求とデータサービス（すなわち、インターネットまたはファクシミリ送信のような非音声サービス）を提供する要求との間に大きい相違がある。音声サービスは、データサービスと異なり、厳密な固定した遅延がスピーチフレーム間に必要である。一般に、音声情報を送信するために使用されるスピーチフレームの全体的な１方向遅延は１００ｍ秒より短くなければならない。それとは対照的に、データ（すなわち、非音声情報）サービス中に生じる伝送遅延にはばらつきが生じる可能性が高く、したがって音声サービスが許容できるものより大きい遅延が使用される可能性が高い。
【０００３】
音声サービスとデータサービスのもう１つの違いは、音声サービスがデータサービスとは対照的に固定した共通グレードのサービスを必要とすることである。一般に、音声サービスを提供するデジタルシステムでは、全てのユーザに対して固定した等しい送信レートを使用すると共にスピーチフレームに対して許容可能な最大エラーレートを使用することによりこの要求が満たされる。データサービスに関しては、サービスのグレードはユーザ間で異なる可能性が高い。
【０００４】
音声サービスとデータサービスとの間のさらに別の相違は、音声サービスにはＣＤＭＡ通信システムの場合にソフトハンドオフを使用して提供される信頼性の高い通信リンクが必要なことである。ソフトハンドオフにおいて、信頼性を高めるために２以上の基地局からの同じ音声情報の冗長送信が要求される。この付加的な信頼性はデータサービスのサポートには必要ない。これは、誤って受信されたデータパケットが送信可能なためである。
【特許文献１】
ＵＳＰ３，５３６，８４０号
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
移動局が移動無線通信システム中において移動するとき、順方向リンクの品質（およびデータを送信するための順方向リンクの容量）は変化する。したがって、基地局と移動局との間の所定の順方向リンクはいくつかの瞬間に非常に高いデータ伝送をサポートすることができ、他の瞬間にはその同じ順方向リンクがはるかに低いデータ伝送レートしかサポートすることができない可能性がある。順方向リンク上での情報のスループットを最大にするために、順方向リンク上でのデータの伝送を変化させ、その順方向リンクが高い伝送レートをサポートできるインターバル期間中にデータレートを増加させるようにすることが可能であることが望ましい。
【０００６】
非音声トラフィックが順方向リンクで基地局から移動局に送られているとき、その移動局からその基地局に制御情報を送る必要がある。しかしながら、時によって、その順方向リンク信号が強いものであっても、逆方向リンク信号が弱く、そのために基地局が移動局から制御情報を受信できない状況が生じることがある。このような状況において、順方向リンクと逆方向リンクのバランスが取れていない場合、基地局での制御情報の受信品質を改善するために逆方向リンク上で送信電力を増加することは望ましくない。たとえばＣＤＭＡシステムでは、このような電力増加はこのシステム中の別の移動局が経験する逆方向リンク容量に悪影響を及ぼす可能性が高いので、逆方向リンク上の送信電力を増加することは望ましくない。逆方向リンク容量に悪影響を与えずに、各移動局に関連した順方向および逆方向リンクのバランスが保たれたデータ送信システムを有することが望ましい。このようなシステムは、順方向リンクがさらに高いデータレートをサポートするのに十分に強い場合に、このような個々のリンク上での非音声データのスループットを最大にすることが可能であることがさらに望ましい。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明は、移動無線通信システムにおける基地局から移動局への情報の送信に関連したデータレートを制御する方法および装置に関する。移動局は、交互に可変レートモードおよび固定レートモードで基地局から情報を受取る。可変レートモードの基地局からの送信レートは連続したデータ送信インターバル間で変化し、固定レートモードでの基地局からの送信レートは連続したデータ送信インターバル間で不変である。順方向リンク上でのスループットを最大にするために、基地局は可変レート伝送モードを使用して、その順方向リンクが高いレートをサポートできるときには常にそのデータ伝送レートを増加することが好ましい。基地局は移動局から逆方向リンクで送られた制御情報を監視し、基地局はこの制御情報を使用して、逆方向リンクが弱く、順方向リンクとのバランスが取れていない状態であるときを移動局に示す。順方向リンクが好ましい可変レートモードで動作しており、逆方向リンクが不平衡状態であると移動局が決定した場合、移動局は最初に、可変レートモードで動作でき、またその移動局に対する高いデータレートをサポートすることのできる第２の基地局の位置をつき止めようと試みる。移動局がこのような第２の基地局の位置をつき止めた場合、第２の基地局からの可変レートモードでのデータ送信が続行し、そうでない場合には、第１の基地局または異なった基地局からの固定レートモードでのデータ送信が続行する。その後、移動装置は、可変レートモードでのデータ送信をサポートするのに十分に強い順方向リンクが存在しているときに可変レートモードに戻ろうとする。
【０００８】
とくに好ましい実施形態において、データは、第１の基地局が可変データレート制御情報を移動局から受取ることができなくなるまで第１の基地局から移動局に可変レートモードで送信される。可変データレート制御情報には、たとえば次の送信インターバル中にデータを移動局に送信するために基地局が使用しなければならないデータレートが含まれている。第１の基地局が可変データレート制御情報を移動局から受取る（それによって、現在の順方向および逆方向リンクのバランスが取れていないことを示す）ことができない場合、その移動局はその移動局への可変レートモードでの高いデータ送信をサポートする第２の基地局をサーチすることによって可変レートモードのままでいようとする。第２の基地局が選択されるために、それは第１の基地局からの順方向リンクに関連した長期平均信号対雑音比とほぼ同じ長期平均順方向信号対雑音比を有していなければならない。移動局がその移動局への可変レートモードでの高いデータ送信をサポートする第２の基地局の位置をつき止めることができた場合、第２の基地局はデータを移動局へ可変レートモードで送信し、第１の基地局から移動局への可変レートモードでの送信は終了する。移動局がその移動局への可変レートモードでのデータ送信をサポートする第２の基地局の位置をつき止められなかった場合には、データは指定された基地局（すなわち、第１の基地局または異なった基地局のいずれか）から移動局に固定レートモードで送信される。
【０００９】
移動局は（ｉ）データを移動局に固定レートモードで送信するために使用された指定された基地局が可変レート制御情報を高い信頼性により再び受信でき、移動局で受信された指定された基地局からの順方向リンク信号があるしきい値を越える長期平均信号対雑音比を有するとき、あるいは（ii）固定レートモードでのデータ送信をサポートするために順方向リンク信号で必要とされる長期信号対雑音比のしきい値を越えた長期平均信号対雑音比を有する別の基地局（データを移動局に固定レートモードで送信するために使用された指定された基地局以外の）から移動局が信号を受信したとき、固定レートモードから可変レートモードに戻すように切替える。
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明の特徴、目的および利点は以下の詳細な説明および図面を参照することによってさらに明らかになるであろう。なお、図面において全体を通じて対応して同じ参照符号が一貫して同じ部分を示すために使用されている。
【００１１】
本発明の好ましい実施形態において、複数の基地局は移動無線局にパイロット信号を送る。移動局で高い信頼性により受信されるのに十分な強さのパイロット信号を有する基地局は、アクティブセットの基地局と呼ばれる。本発明では、このアクティブセットの中の１個の基地局だけが所定の時間スロット中にデータトラフィック（すなわち、インターネットトラフィックのような非音声情報）を順方向リンクで移動局に送信する。好ましい実施形態において、データトラフィックを単一の基地局から移動局に送信するためにこのような時間インターバル中にＣＤＭＡ変調が使用される。
【００１２】
本発明は、順方向リンク上でのデータトラフィックのスループットを最大にするために可変レートデータ伝送モードを使用する。本発明のために、移動局に対するデータトラフィックの順方向リンク上での送信レートが基地局から移動局にデータを送信するために使用される連続した時間スロット間で変化することを許される場合には、基地局はデータを可変レートデータ伝送モードで移動局に送るように動作する。したがって、たとえば、データトラフィックを基地局から移動局に可変レート伝送モードで送信するために時間スロットＴ０、Ｔ５およびＴ１０が使用された場合、データトラフィックは順方向リンク上で、たとえばＴ０期間中に１５３．６Ｋｂｐｓ、Ｔ５期間中に３０７．２ＫｂｐｓおよびＴ１０期間中に再び１５３．６Ｋｂｐｓで送信されることができる。以下図２との関連でさらに詳細に説明するように、移動局は、これがデータトラフィックをある基地局から可変レートモードで受信していないときには、データトラフィックをある基地局から固定レートモードで受信してもよい。可変レートモードとは対照的に、移動局に対するデータトラフィックの順方向リンク上での伝送レートが、データを基地局から移動局に送信するために使用される連続した時間スロット間で変わることを許されない（不変の状態を維持される）場合には、基地局は移動局に対して固定レート伝送モードでデータを送るように動作していると考えられる。
【００１３】
可変レートモードで動作しているとき、移動局はデータトラフィックをその移動局に送信している基地局からのパイロット信号を連続的に監視している。移動局は、基地局から送られたパイロット信号の信号対雑音比の現在および過去の値に基づいて、順方向リンクがその移動局に関連した次の送信インターバル中サポートすることのできる最大データレートを予測する。したがって、予測された最大レートはチャンネル状態の変化と共に変化する。その後、移動局は、予測された最大データレートを表す量子化された値を基地局にデータレート制御チャンネルで送る。基地局は、それがこのデータレート制御メッセージ（ＤＲＣメッセージ）を移動局から受信することができた場合、データを移動局に送信するための次の時間スロットで、データトラフィックをリクエストされた（すなわち、予測された）レートで移動局に送る。さらに基地局は、それが高い信頼性によりＤＲＣメッセージを移動局からデータレート制御チャンネルで受信することができた場合、バランス状態ビット（すなわち、ビットは０または１に設定される）を移動局に送り、その基地局が高い信頼性によりＤＲＣメッセージを受信していることを示す。バランス状態ビットは順方向リンクで移動局に周期的に送られ、好ましい実施形態において、バランス状態ビットは移動局に対して順方向リンクで４００ｍ秒毎に一度送られる。全ての各時間スロットに対して、移動局は、順方向リンクが次の送信インターバル中サポートできる新しい最大データレートを予測し、この予測された値の量子化された表示をＤＲＣメッセージの一部分として基地局に返送する。応答時、基地局はＤＲＣメッセージを移動局から受信しようとし、また次の時間スロットでデータトラフィックをリクエストされた新しいレートで移動局に送ってもよい。その後、このプロセスは、以下に説明するようにシステム中で不平衡状態が検出されるまで可変レートモードで各時間スロットが終るたびに繰返される。
【００１４】
上述したように、可変レートモードで動作しているとき、移動局は、順方向リンクが次の送信インターバル中サポートすることのできる最大データレートを、データを移動局に送る基地局からのパイロット信号の信号対雑音比の現在および過去の値に基づいて予測する。１実施形態において、移動局は、順方向リンクが将来３ｍ秒間サポートすることのできる最大データレートを予測しようとする。３ｍ秒の遅延はとくに最大データレート情報を移動局から基地局に送るために必要な送信時間を考慮に入れるために使用される。特に好ましい実施形態において、移動局は（１）データを移動局に送信した基地局からのパイロット信号に対する長期、中期および短期平均信号対雑音比を計算し、（２）これら３つの平均から最も小さい標準偏差を有する１つの平均を選択し、（３）その後順方向リンク上の選択された平均信号対雑音比の場合にサポートされることのできる最大データレートを選択することにより次の送信インターバルに対する最大データレートを予測する。その後、選択された最大データレートを表す量子化された値は、基地局に対してＤＲＣメッセージの一部分としてデータレート制御チャンネルで送られる。ＤＲＣメッセージを移動局から基地局に送る好ましい変調システムは、本出願人にその権利が譲渡され、ここにおいて参考文献とされている米国特許出願第08/963,386号明細書（“Method and Apparatus for High Packet Data Transmission, ”）に開示されている。
【００１５】
図１を参照すると、本発明の好ましい実施形態による可変レート伝送モードを使用して基地局から移動局への情報の送信レートを制御する方法100 の示すフロー図が示されている。このシステムが上述のように可変レートモードで動作しているとき、移動局は基地局から周期的に受信したバランス状態ビットの状態を監視する。基地局がＤＲＣメッセージを高い信頼性でデータレート制御チャンネルで受信することができなかった場合、基地局は移動局に送られた次のバランス状態ビットの値を切換え、それによってそのシステムが不平衡状態になるので、逆方向リンクが基地局へのデータレート情報の送信をサポートすることができないことを移動局に示す。ステップ110 において、移動局は可変レートモードで動作しているときに、その基地局がＤＲＣメッセージを逆方向リンクで受信できないことを示す２つの連続したメッセージを基地局から受信した場合には、不平衡状態を検出する。
【００１６】
可変レートモードでの動作中に、移動局はアクティブセットの中の全ての基地局（順方向リンクで現在移動局に送信している基地局を含む）からのパイロット信号を連続的に監視し、このような各基地局に関連した信号対雑音比の“長期”平均を維持する。各基地局に対する長期平均は、何百ミリ秒程度の基地局に関連した信号対雑音比の平均サンプルによって決定される。現在移動局にデータを送っているアクティブセットの中の基地局は“ベストサービング”基地局として識別され、最高の長期平均信号対雑音比を有するアクティブセットの中の基地局（ベストサービング基地局を除く）は“第２のベストサービング”基地局として識別される。可変レートモードでの動作中、移動局は値（ＦｗｄＬｉｎｋＤｉｆｆ）を維持し、この値はベストサービング基地局に関連した長期平均信号対雑音比（Ｓ／Ｎ）bestBBと第２のベストサービング基地局に関連した長期平均信号対雑音比（Ｓ／Ｎ）2dbestBBとの間の差である［すなわち、ＦｗｄＬｉｎｋＤｉｆｆ＝（Ｓ／Ｎ）bestBB−（Ｓ／Ｎ）2dbestBB］（ステップ120 ）。ステップ130 において、移動局はＦｗｄＬｉｎｋＤｉｆｆ値をしきい値（ＤＲＣｈａｎｄｏｆｆ ｔｈ）と比較し、ＦｗｄＬｉｎｋＤｉｆｆがしきい値より小さい場合には、ステップ160 において、移動局は可変レートモードでの第２のベストサービング基地局からの伝送を続行する（すなわち、移動局は第２のベストサービング基地局からの送信に対して新しい最大データレートを予測し、この情報を有するＤＲＣメッセージを、上述したようにＤＲＣメッセージを受信してデータトラフィックをリクエストされたレートで次の送信インターバル中に移動局に送ろうとする第２のベストサービング基地局に送信する）。
【００１７】
ステップ130 においてＦｗｄＬｉｎｋＤｉｆｆ値がしきい値（ＤＲＣｈａｎｄｏｆｆ ｔｈ）より大きい場合、これは、第２のベストサービング基地局に関連した順方向リンクがベストサービング基地局に関連した順方向リンクより著しく弱いことを示すものである。本発明の好ましい実施形態は、いくつかの場合において、第２のベストサービング基地局に関連した順方向リンクがベストサービング基地局に関連した順方向リンクより著しく弱い場合、第２のベストサービング基地局を使用して達成可能な最大データレートが低すぎるので、可変レートモードでベストサービング基地局から第２のベストサービング基地局にスイッチしないことを選択している。
【００１８】
ステップ140 および150 において、ＦｗｄＬｉｎｋＤｉｆｆ値がしきい値（ＤＲＣｈａｎｄｏｆｆ ｔｈ）より大きい場合、ベストサービング基地局に関連した長期平均信号対雑音比は固定値（ＦｉｘｅｄＲａｔｅＣｔｏＩＤｅｌｔａ）だけ減少され、その後ベストサービング基地局に関連した調節された長期信号対雑音比平均は別のしきい値（ＦｉｘｅｄＲａｔｅＣ Ｉ）と比較される。ステップ140 においてベストサービング基地局の長期平均信号対雑音比を減少方向に調節する目的は、ベストサービング基地局からの送信と関連して移動局が受けることがあるゆっくりしたフェーディングを補償することである。しきい値ＦｉｘｅｄＲａｔｅＣ Ｉは、可変レートモードから固定レートモードにシステムを切替えるために必要なベストサービング基地局の長期平均信号対雑音比（ステップ140 における調節後の）の最小値を表す。
【００１９】
ベストサービング基地局の長期平均信号対雑音比（ステップ140 における調節後の）がＦｉｘｅｄＲａｔｅＣ Ｉ値を越えない場合、ステップ160 において移動局は可変レートモードで第２のベストサービング基地局からの伝送を続行する（すなわち、移動局は第２のベストサービング基地局からの送信に対して新しい最大データレートを予測し、この情報を含むＤＲＣメッセージを、上述したようにＤＲＣメッセージを受信してデータトラフィックをリクエストされたレートで次の送信インターバル中に移動局に送ろうとする第２のベストサービング基地局に送信する）。ステップ150 においてＦｉｘｅｄＲａｔｅＣ Ｉ値を越えない場合に可変レートモードのままでいることは、固定レートモードに切替えることにより最小データレートが達成されることができない場合に、可変レートモードのままであり、弱い（すなわち、低いデータレートの）順方向リンクで動作することが好ましい設計選択肢を表している。
【００２０】
ベストサービング基地局の長期平均信号対雑音比（ステップ140 における調節後の）がＦｉｘｅｄＲａｔｅＣ Ｉ値を越えた場合、移動局はベストサービング基地局の調節された長期平均信号対雑音比を使用して、このベストサービング基地局に関連した順方向リンク上において固定レートモードでサポートされることのできる固定データレート（“リクエストされた固定レート”）を計算する。その後、移動局は図２に示されている固定レートモードに入ろうとする。
【００２１】
図２を参照すると、本発明の好ましい実施形態による固定レート伝送モードを使用して基地局から移動局への情報の送信レートを制御する方法200 のフロー図が示されている。ステップ210 において、移動局は、固定レートエネーブルビットが設定された状態で固定モード制御メッセージを基地局制御装置（デジタルリンクによりシステム中の基地局に結合されている）に送ることによって固定レートモードに入ることを試みる。このメッセージには、移動局が順方向リンク上においてデータを受信することを所望したリクエストされた固定レートと、移動局が固定レートモードでデータを受信することを所望した基地局のアイデンティティとが含まれている。このメッセージは信頼性の高い伝送を使用して送信され、そのために、固定モード制御メッセージで識別された基地局がその基地局に関連した逆方向リンクでメッセージを受信することができない場合、別の基地局がそのメッセージを移動局から受信し、その後基地局制御装置までのそのメッセージの経路を設定し、次に、その基地局制御装置がこのメッセージを固定モード制御メッセージで識別された基地局に送る。移動局はこのメッセージを送った後、リクエストされた固定データレートで入ってきた任意のデータトラフィックに対して固定モード制御メッセージで識別された基地局に注意を払っている。固定モードカウンタが期限切れになる前に、移動局が固定モード制御メッセージで識別された基地局からデータトラフィックの有効なフレームを受信しなかった場合、その移動局は上述したように固定モード制御メッセージを再送信することにより再度固定レートモードに入ろうとするか、あるいは第２のベストサービング基地局を使用して順方向リンク上での可変レート送信を続けることにより可変レートモードに戻ろうとする。その代わり、固定モードカウンタが期限切れになる前に、移動局が固定モード制御メッセージで識別された基地局からデータトラフィックの有効なフレームを受信しなかった場合、移動局は故障状態にされるだけでもよい。
【００２２】
ステップ220 において、固定モード制御メッセージが送られた後、移動局はナル(null)カバーを使用してＤＲＣメッセージをデータ制御チャンネルでベストサービング基地局に送信し始める。ＤＲＣメッセージ値はデータスケジュール化のための固定レートモードでは無視されるが、固定レートモードを脱する条件が適切かどうかを決定するために使用される。さらに固定レートモードにおいて、固定レート制御メッセージで特定された基地局は、あたかもその基地局が、リクエストされた固定レートを含むＤＲＣメッセージをその移動局から受信し続けているかのように、固定レート制御メッセージで特定された固定レートでデータを移動局に送信し続ける。さらに、固定レートモードのあいだ、移動局は（ｉ）固定レートデータをその移動局に送信している基地局からのバランス状態ビット（このビットは、上述のように基地局がＤＲＣメッセージを成功的に受信できたか否かに基づいて送られる）と、（ii）アクティブセット中の全ての基地局に関連した長期平均信号対雑音比とを監視している。この情報は、以下説明するように、移動局が可変レートモード動作に何時戻るべきかを決定するために使用される。好ましい実施形態において、移動局はそれが固定レートモードに入るとデータレートを変えることは許されず、あるいは基地局がその移動局にデータトラフィックを送信するために使用される。
【００２３】
ステップ230 において、移動局はテストを行って、固定レートモードを出て可変レートモードに戻るべきか否かを決定する。好ましい実施形態において、移動局は（１）現在移動局にデータトラフィックを送信している基地局が、しきい値（ＶａｒＲａｔｅＴｈｒｅｓｈｏｌｄ ｄＢ）より上の長期平均信号対雑音比を有し、かつ現在移動局にデータトラフィックを送信している基地局がバランス状態ビットを設定し、その基地局がＤＲＣメッセージを高い信頼性で移動局から受信していることを示しているか、あるいは（２）アクティブセットの中の別の基地局は、移動局が現在データトラフィックを固定レートモードで受信しているその固定レートをサポートするために必要な信号対雑音比より少なくともＶａｒＲａｔｅＴｈｒｅｓｈｏｌｄ ｄＢ上の長期平均信号対雑音比を有しているという２つの条件の一方が満たされたときに固定レートモードを出る。これらの条件のいずれかが満たされた場合、ステップ240 において移動局は、固定レートエネーブルフィールドが０に設定された状態で固定モード制御メッセージを基地局制御装置に送信することによって固定レートモードを出ようとする。移動局がカウンタの期限切れ前にこの固定モード制御メッセージの承認を受信した場合、移動局はそのＤＲＣメッセージを可変レートモード動作に切替えることにより固定レートモードを出て、その後移動局は上述したように可変レートモードで方法100 にしたがって動作する。
【００２４】
図３を参照すると、本発明のデータ送信モードおよびレート制御システムを実施するために使用される例示的なＣＤＭＡ移動局300 の構成素子を示すブロック図が示されている。移動局は、ダイプレクサ332 によりアナログ受信機334 および送信電力増幅器336 に結合されたアンテナ330 を含んでいる。アンテナ330 およびダイプレクサ332 は標準的な設計のものであり、単一のアンテナによる同時送受信が可能である。アンテナ330 は１以上の基地局から移動局に送信された信号を収集し、ダイプレクサ332 を通って信号をアナログ受信機334 に供給する。受信機334 はまたアナログデジタル変換器（示されていない）を備えている。受信機334 はダイプレクサ332 からＲＦ信号を受信し、この信号を増幅して周波数下方変換し、デジタル化された出力信号をデジタルデータ受信機340 ，342 とサーチ受信機344 とに供給する。図３の実施形態では２つのデジタルデータ受信機しか示されていないが、低性能の移動局は単一のデジタルデータ受信機しか有しておらず、一方高性能の装置は２以上のデジタルデータ受信機を備えてダイバーシティ受信を可能にしてもよいことが理解されるであろう。受信機340 および342 の出力はダイバーシティ結合回路348 に供給され、このダイバーシティ結合回路348 は、受信機340 および342 から受信された２つのデータ流を時間調節し、２つのデータ流を合計し、その結果を復号する。受信機340 および342 、サーチ受信機344 ならびにダイバーシティ結合およびデコーダ回路348 の動作に関する詳細は、本出願人にその権利が譲渡され、ここにおいて参考文献とされている米国特許第 5,101,501号明細書（“Method and Apparatus for Providing A Soft Handoff In Communications In A CDMA Cellular Telephone System ”）に記載されている。
【００２５】
出力信号はデコーダ348 から制御プロセッサ346 に供給される。デコーダからの出力信号は、たとえば、移動局で受信された任意の不平衡状態メッセージ、アクティブセットの中の基地局から移動局に送られた信号に対する信号対雑音比情報、および固定レートエネーブルフィールドが０に設定されたときのその固定レート制御メッセージの承認を含んでいる。この出力信号に応答して、制御プロセッサ346 は、適切な基地局に送られるＤＲＣメッセージの内容または基地局制御装置に送られる固定モード制御メッセージの内容（移動局が可変レートモードと固定レートモードとの間でスイッチしている場合）を決定する。図１および２と関連して上述したシステム100 および200 は、制御プロセッサ346 上のソフトウェアで構成されることが好ましい。これらの決定に応答して、制御プロセッサ346 は信号を送信変調器338 に送り、この送信変調器338 は、適切な基地局に送信するために拡散スペクトル変調にしたがって制御プロセッサ346 で生成された制御メッセージを変調する。
【００２６】
図４を参照すると、本発明のデータ送信モードおよびレート制御システムを構成するために使用される例示的なＣＤＭＡ基地局400 の構成素子のブロック図が示されている。基地局では、ダイバーシティ受信用の分離したアンテナおよびアナログ受信機をそれぞれ備えた２つの受信システムが使用される。各受信システムにおいて信号はダイバーシティ結合プロセスを受けるまで同様に処理される。破線内の構成要素は、その基地局と１つの移動局との間の通信に対応した構成要素に対応している。さらに図４を参照すると、第１の受信システムは、アンテナ460 、アナログ受信機462 、サーチャ受信機464 、ならびにデジタルデータ受信機466 および468 から構成されている。第２の受信システムは、アンテナ470 、アナログ受信機472 、サーチャ受信機474 、ならびにデジタルデータ受信機476 から構成されている。セルサイト制御プロセッサ478 は、信号処理および制御のために使用される。とくに、セルサイト制御プロセッサ478 は、ある移動局から受信した可変および固定レート制御情報（すなわち、ＤＲＣおよび固定モード制御メッセージ）を監視し、このような情報の受信の成功に応答して、基地局がデータを順方向リンクにより特定のレートで送信する。セルサイト制御プロセッサ478 はまた、基地局が移動局からの可変レート制御情報の受信を停止したときにその基地局が適切な移動局に不平衡状態メッセージを送信するように機能する。
【００２７】
両受信システムは、ダイバーシティ結合およびデコーダ回路480 に結合されている。デジタルリンク482 は、制御プロセッサ478 の制御の下で基地局制御装置またはデータルータとの間で信号を伝送するために使用される。アンテナ460 で受信された信号はアナログ受信機462 に供給され、ここにおいてその信号は、移動局アナログ受信機に関連して説明したプロセスと同様に増幅され、周波数変換され、デジタル化される。アナログ受信機462 からの出力は、デジタルデータ受信機466 および468 ならびにサーチャ受信機464 に供給される。第２の受信システム（すなわち、アナログ受信機472 、サーチャ受信機474 、ならびにデジタルデータ受信機476 ）は、受信された信号を第１の受信システムと類似した方法で処理する。デジタルデータ受信機466 および476 の出力はダイバーシティ結合およびデコーダ回路480 に供給され、この回路480 は復号アルゴリズムにしたがって信号を処理する。第１および第２の受信システムならびにダイバーシティ結合およびデコーダ回路480 は、上述の米国特許第 5,101,501号明細書（“Method and Apparatus for Providing A Soft Handoff In Communications In A CDMA Cellular Telephone System ”）に記載されている。移動装置に送信されるべき信号は、プロセッサ478 の制御の下で送信変調器484 に供給される。送信変調器484 は意図された受信移動局に送信されるべきデータを変調する。
【００２８】
以上、当業者が本発明を形成または使用できるようにするために好ましい実施形態を説明してきた。本発明は移動無線通信システムにおける基地局から移動局へのデータの送信に関連して説明されているが、本発明の原理は他の状況および用途において適応されることができる。さらに、当業者は、上述した実施形態に対する種々の修正を容易に認識し、また、ここに規定されている一般原理は発明力を要することなく他の実施形態に適応可能である。したがって、本発明はここに記載されている方法および装置に限定されるものではなく、添付された請求項に一致する広い技術的範囲を与えられている。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の好ましい実施形態による、可変レート伝送モードを使用して基地局から移動局への情報の送信レートを制御するシステムの動作を示す概略図。
【図２】 本発明の好ましい実施形態による、固定レート伝送モードを使用して基地局から移動局への情報の送信レートを制御するシステムの動作を示す概略図。
【図３】 本発明のデータ送信レート制御システムを構成するために使用される例示的な移動局の構成素子を示すブロック図。
【図４】 本発明のデータ送信レート制御システムを構成するために使用される例示的な基地局の構成素子を示すブロック図。
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に移動無線通信システムに関する。とくに、本発明は、基地局から移動装置に順方向リンクで送られたデータ情報信号の送信レートを制御する符号分割多重アクセス（ＣＤＭＡ）移動無線通信システムに関する。とくに、本発明は、選択された基地局から移動局にデータを送信するために可変および固定レートのデータ伝送モードを交互に使用することにより順方向リンク上のデータの送信レートを制御する新しい改善されたシステムおよび方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
移動無線通信システムでは、音声サービスを提供する要求とデータサービス（すなわち、インターネットまたはファクシミリ送信のような非音声サービス）を提供する要求との間に大きい相違がある。音声サービスは、データサービスと異なり、厳密な固定した遅延がスピーチフレーム間に必要である。一般に、音声情報を送信するために使用されるスピーチフレームの全体的な１方向遅延は１００ｍ秒より短くなければならない。それとは対照的に、データ（すなわち、非音声情報）サービス中に生じる伝送遅延にはばらつきが生じる可能性が高く、したがって音声サービスが許容できるものより大きい遅延が使用される可能性が高い。
【０００３】
音声サービスとデータサービスのもう１つの違いは、音声サービスがデータサービスとは対照的に固定した共通グレードのサービスを必要とすることである。一般に、音声サービスを提供するデジタルシステムでは、全てのユーザに対して固定した等しい送信レートを使用すると共にスピーチフレームに対して許容可能な最大エラーレートを使用することによりこの要求が満たされる。データサービスに関しては、サービスのグレードはユーザ間で異なる可能性が高い。
【０００４】
音声サービスとデータサービスとの間のさらに別の相違は、音声サービスにはＣＤＭＡ通信システムの場合にソフトハンドオフを使用して提供される信頼性の高い通信リンクが必要なことである。ソフトハンドオフにおいて、信頼性を高めるために２以上の基地局からの同じ音声情報の冗長送信が要求される。この付加的な信頼性はデータサービスのサポートには必要ない。これは、誤って受信されたデータパケットが送信可能なためである。
【特許文献１】
ＵＳＰ３，５３６，８４０号
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
移動局が移動無線通信システム中において移動するとき、順方向リンクの品質（およびデータを送信するための順方向リンクの容量）は変化する。したがって、基地局と移動局との間の所定の順方向リンクはいくつかの瞬間に非常に高いデータ伝送をサポートすることができ、他の瞬間にはその同じ順方向リンクがはるかに低いデータ伝送レートしかサポートすることができない可能性がある。順方向リンク上での情報のスループットを最大にするために、順方向リンク上でのデータの伝送を変化させ、その順方向リンクが高い伝送レートをサポートできるインターバル期間中にデータレートを増加させるようにすることが可能であることが望ましい。
【０００６】
非音声トラフィックが順方向リンクで基地局から移動局に送られているとき、その移動局からその基地局に制御情報を送る必要がある。しかしながら、時によって、その順方向リンク信号が強いものであっても、逆方向リンク信号が弱く、そのために基地局が移動局から制御情報を受信できない状況が生じることがある。このような状況において、順方向リンクと逆方向リンクのバランスが取れていない場合、基地局での制御情報の受信品質を改善するために逆方向リンク上で送信電力を増加することは望ましくない。たとえばＣＤＭＡシステムでは、このような電力増加はこのシステム中の別の移動局が経験する逆方向リンク容量に悪影響を及ぼす可能性が高いので、逆方向リンク上の送信電力を増加することは望ましくない。逆方向リンク容量に悪影響を与えずに、各移動局に関連した順方向および逆方向リンクのバランスが保たれたデータ送信システムを有することが望ましい。このようなシステムは、順方向リンクがさらに高いデータレートをサポートするのに十分に強い場合に、このような個々のリンク上での非音声データのスループットを最大にすることが可能であることがさらに望ましい。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明は、移動無線通信システムにおける基地局から移動局への情報の送信に関連したデータレートを制御する方法および装置に関する。移動局は、交互に可変レートモードおよび固定レートモードで基地局から情報を受取る。可変レートモードの基地局からの送信レートは連続したデータ送信インターバル間で変化し、固定レートモードでの基地局からの送信レートは連続したデータ送信インターバル間で不変である。順方向リンク上でのスループットを最大にするために、基地局は可変レート伝送モードを使用して、その順方向リンクが高いレートをサポートできるときには常にそのデータ伝送レートを増加することが好ましい。基地局は移動局から逆方向リンクで送られた制御情報を監視し、基地局はこの制御情報を使用して、逆方向リンクが弱く、順方向リンクとのバランスが取れていない状態であるときを移動局に示す。順方向リンクが好ましい可変レートモードで動作しており、逆方向リンクが不平衡状態であると移動局が決定した場合、移動局は最初に、可変レートモードで動作でき、またその移動局に対する高いデータレートをサポートすることのできる第２の基地局の位置をつき止めようと試みる。移動局がこのような第２の基地局の位置をつき止めた場合、第２の基地局からの可変レートモードでのデータ送信が続行し、そうでない場合には、第１の基地局または異なった基地局からの固定レートモードでのデータ送信が続行する。その後、移動装置は、可変レートモードでのデータ送信をサポートするのに十分に強い順方向リンクが存在しているときに可変レートモードに戻ろうとする。
【０００８】
とくに好ましい実施形態において、データは、第１の基地局が可変データレート制御情報を移動局から受取ることができなくなるまで第１の基地局から移動局に可変レートモードで送信される。可変データレート制御情報には、たとえば次の送信インターバル中にデータを移動局に送信するために基地局が使用しなければならないデータレートが含まれている。第１の基地局が可変データレート制御情報を移動局から受取る（それによって、現在の順方向および逆方向リンクのバランスが取れていないことを示す）ことができない場合、その移動局はその移動局への可変レートモードでの高いデータ送信をサポートする第２の基地局をサーチすることによって可変レートモードのままでいようとする。第２の基地局が選択されるために、それは第１の基地局からの順方向リンクに関連した長期平均信号対雑音比とほぼ同じ長期平均順方向信号対雑音比を有していなければならない。移動局がその移動局への可変レートモードでの高いデータ送信をサポートする第２の基地局の位置をつき止めることができた場合、第２の基地局はデータを移動局へ可変レートモードで送信し、第１の基地局から移動局への可変レートモードでの送信は終了する。移動局がその移動局への可変レートモードでのデータ送信をサポートする第２の基地局の位置をつき止められなかった場合には、データは指定された基地局（すなわち、第１の基地局または異なった基地局のいずれか）から移動局に固定レートモードで送信される。
【０００９】
移動局は（ｉ）データを移動局に固定レートモードで送信するために使用された指定された基地局が可変レート制御情報を高い信頼性により再び受信でき、移動局で受信された指定された基地局からの順方向リンク信号があるしきい値を越える長期平均信号対雑音比を有するとき、あるいは（ii）固定レートモードでのデータ送信をサポートするために順方向リンク信号で必要とされる長期信号対雑音比のしきい値を越えた長期平均信号対雑音比を有する別の基地局（データを移動局に固定レートモードで送信するために使用された指定された基地局以外の）から移動局が信号を受信したとき、固定レートモードから可変レートモードに戻すように切替える。
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明の特徴、目的および利点は以下の詳細な説明および図面を参照することによってさらに明らかになるであろう。なお、図面において全体を通じて対応して同じ参照符号が一貫して同じ部分を示すために使用されている。
【００１１】
本発明の好ましい実施形態において、複数の基地局は移動無線局にパイロット信号を送る。移動局で高い信頼性により受信されるのに十分な強さのパイロット信号を有する基地局は、アクティブセットの基地局と呼ばれる。本発明では、このアクティブセットの中の１個の基地局だけが所定の時間スロット中にデータトラフィック（すなわち、インターネットトラフィックのような非音声情報）を順方向リンクで移動局に送信する。好ましい実施形態において、データトラフィックを単一の基地局から移動局に送信するためにこのような時間インターバル中にＣＤＭＡ変調が使用される。
【００１２】
本発明は、順方向リンク上でのデータトラフィックのスループットを最大にするために可変レートデータ伝送モードを使用する。本発明のために、移動局に対するデータトラフィックの順方向リンク上での送信レートが基地局から移動局にデータを送信するために使用される連続した時間スロット間で変化することを許される場合には、基地局はデータを可変レートデータ伝送モードで移動局に送るように動作する。したがって、たとえば、データトラフィックを基地局から移動局に可変レート伝送モードで送信するために時間スロットＴ０、Ｔ５およびＴ１０が使用された場合、データトラフィックは順方向リンク上で、たとえばＴ０期間中に１５３．６Ｋｂｐｓ、Ｔ５期間中に３０７．２ＫｂｐｓおよびＴ１０期間中に再び１５３．６Ｋｂｐｓで送信されることができる。以下図２との関連でさらに詳細に説明するように、移動局は、これがデータトラフィックをある基地局から可変レートモードで受信していないときには、データトラフィックをある基地局から固定レートモードで受信してもよい。可変レートモードとは対照的に、移動局に対するデータトラフィックの順方向リンク上での伝送レートが、データを基地局から移動局に送信するために使用される連続した時間スロット間で変わることを許されない（不変の状態を維持される）場合には、基地局は移動局に対して固定レート伝送モードでデータを送るように動作していると考えられる。
【００１３】
可変レートモードで動作しているとき、移動局はデータトラフィックをその移動局に送信している基地局からのパイロット信号を連続的に監視している。移動局は、基地局から送られたパイロット信号の信号対雑音比の現在および過去の値に基づいて、順方向リンクがその移動局に関連した次の送信インターバル中サポートすることのできる最大データレートを予測する。したがって、予測された最大レートはチャンネル状態の変化と共に変化する。その後、移動局は、予測された最大データレートを表す量子化された値を基地局にデータレート制御チャンネルで送る。基地局は、それがこのデータレート制御メッセージ（ＤＲＣメッセージ）を移動局から受信することができた場合、データを移動局に送信するための次の時間スロットで、データトラフィックをリクエストされた（すなわち、予測された）レートで移動局に送る。さらに基地局は、それが高い信頼性によりＤＲＣメッセージを移動局からデータレート制御チャンネルで受信することができた場合、バランス状態ビット（すなわち、ビットは０または１に設定される）を移動局に送り、その基地局が高い信頼性によりＤＲＣメッセージを受信していることを示す。バランス状態ビットは順方向リンクで移動局に周期的に送られ、好ましい実施形態において、バランス状態ビットは移動局に対して順方向リンクで４００ｍ秒毎に一度送られる。全ての各時間スロットに対して、移動局は、順方向リンクが次の送信インターバル中サポートできる新しい最大データレートを予測し、この予測された値の量子化された表示をＤＲＣメッセージの一部分として基地局に返送する。応答時、基地局はＤＲＣメッセージを移動局から受信しようとし、また次の時間スロットでデータトラフィックをリクエストされた新しいレートで移動局に送ってもよい。その後、このプロセスは、以下に説明するようにシステム中で不平衡状態が検出されるまで可変レートモードで各時間スロットが終るたびに繰返される。
【００１４】
上述したように、可変レートモードで動作しているとき、移動局は、順方向リンクが次の送信インターバル中サポートすることのできる最大データレートを、データを移動局に送る基地局からのパイロット信号の信号対雑音比の現在および過去の値に基づいて予測する。１実施形態において、移動局は、順方向リンクが将来３ｍ秒間サポートすることのできる最大データレートを予測しようとする。３ｍ秒の遅延はとくに最大データレート情報を移動局から基地局に送るために必要な送信時間を考慮に入れるために使用される。特に好ましい実施形態において、移動局は（１）データを移動局に送信した基地局からのパイロット信号に対する長期、中期および短期平均信号対雑音比を計算し、（２）これら３つの平均から最も小さい標準偏差を有する１つの平均を選択し、（３）その後順方向リンク上の選択された平均信号対雑音比の場合にサポートされることのできる最大データレートを選択することにより次の送信インターバルに対する最大データレートを予測する。その後、選択された最大データレートを表す量子化された値は、基地局に対してＤＲＣメッセージの一部分としてデータレート制御チャンネルで送られる。ＤＲＣメッセージを移動局から基地局に送る好ましい変調システムは、本出願人にその権利が譲渡され、ここにおいて参考文献とされている米国特許出願第08/963,386号明細書（“Method and Apparatus for High Packet Data Transmission, ”）に開示されている。
【００１５】
図１を参照すると、本発明の好ましい実施形態による可変レート伝送モードを使用して基地局から移動局への情報の送信レートを制御する方法100 の示すフロー図が示されている。このシステムが上述のように可変レートモードで動作しているとき、移動局は基地局から周期的に受信したバランス状態ビットの状態を監視する。基地局がＤＲＣメッセージを高い信頼性でデータレート制御チャンネルで受信することができなかった場合、基地局は移動局に送られた次のバランス状態ビットの値を切換え、それによってそのシステムが不平衡状態になるので、逆方向リンクが基地局へのデータレート情報の送信をサポートすることができないことを移動局に示す。ステップ110 において、移動局は可変レートモードで動作しているときに、その基地局がＤＲＣメッセージを逆方向リンクで受信できないことを示す２つの連続したメッセージを基地局から受信した場合には、不平衡状態を検出する。
【００１６】
可変レートモードでの動作中に、移動局はアクティブセットの中の全ての基地局（順方向リンクで現在移動局に送信している基地局を含む）からのパイロット信号を連続的に監視し、このような各基地局に関連した信号対雑音比の“長期”平均を維持する。各基地局に対する長期平均は、何百ミリ秒程度の基地局に関連した信号対雑音比の平均サンプルによって決定される。現在移動局にデータを送っているアクティブセットの中の基地局は“ベストサービング”基地局として識別され、最高の長期平均信号対雑音比を有するアクティブセットの中の基地局（ベストサービング基地局を除く）は“第２のベストサービング”基地局として識別される。可変レートモードでの動作中、移動局は値（ＦｗｄＬｉｎｋＤｉｆｆ）を維持し、この値はベストサービング基地局に関連した長期平均信号対雑音比（Ｓ／Ｎ）bestBBと第２のベストサービング基地局に関連した長期平均信号対雑音比（Ｓ／Ｎ）2dbestBBとの間の差である［すなわち、ＦｗｄＬｉｎｋＤｉｆｆ＝（Ｓ／Ｎ）bestBB−（Ｓ／Ｎ）2dbestBB］（ステップ120 ）。ステップ130 において、移動局はＦｗｄＬｉｎｋＤｉｆｆ値をしきい値（ＤＲＣｈａｎｄｏｆｆ ｔｈ）と比較し、ＦｗｄＬｉｎｋＤｉｆｆがしきい値より小さい場合には、ステップ160 において、移動局は可変レートモードでの第２のベストサービング基地局からの伝送を続行する（すなわち、移動局は第２のベストサービング基地局からの送信に対して新しい最大データレートを予測し、この情報を有するＤＲＣメッセージを、上述したようにＤＲＣメッセージを受信してデータトラフィックをリクエストされたレートで次の送信インターバル中に移動局に送ろうとする第２のベストサービング基地局に送信する）。
【００１７】
ステップ130 においてＦｗｄＬｉｎｋＤｉｆｆ値がしきい値（ＤＲＣｈａｎｄｏｆｆ ｔｈ）より大きい場合、これは、第２のベストサービング基地局に関連した順方向リンクがベストサービング基地局に関連した順方向リンクより著しく弱いことを示すものである。本発明の好ましい実施形態は、いくつかの場合において、第２のベストサービング基地局に関連した順方向リンクがベストサービング基地局に関連した順方向リンクより著しく弱い場合、第２のベストサービング基地局を使用して達成可能な最大データレートが低すぎるので、可変レートモードでベストサービング基地局から第２のベストサービング基地局にスイッチしないことを選択している。
【００１８】
ステップ140 および150 において、ＦｗｄＬｉｎｋＤｉｆｆ値がしきい値（ＤＲＣｈａｎｄｏｆｆ ｔｈ）より大きい場合、ベストサービング基地局に関連した長期平均信号対雑音比は固定値（ＦｉｘｅｄＲａｔｅＣｔｏＩＤｅｌｔａ）だけ減少され、その後ベストサービング基地局に関連した調節された長期信号対雑音比平均は別のしきい値（ＦｉｘｅｄＲａｔｅＣ Ｉ）と比較される。ステップ140 においてベストサービング基地局の長期平均信号対雑音比を減少方向に調節する目的は、ベストサービング基地局からの送信と関連して移動局が受けることがあるゆっくりしたフェーディングを補償することである。しきい値ＦｉｘｅｄＲａｔｅＣ Ｉは、可変レートモードから固定レートモードにシステムを切替えるために必要なベストサービング基地局の長期平均信号対雑音比（ステップ140 における調節後の）の最小値を表す。
【００１９】
ベストサービング基地局の長期平均信号対雑音比（ステップ140 における調節後の）がＦｉｘｅｄＲａｔｅＣ Ｉ値を越えない場合、ステップ160 において移動局は可変レートモードで第２のベストサービング基地局からの伝送を続行する（すなわち、移動局は第２のベストサービング基地局からの送信に対して新しい最大データレートを予測し、この情報を含むＤＲＣメッセージを、上述したようにＤＲＣメッセージを受信してデータトラフィックをリクエストされたレートで次の送信インターバル中に移動局に送ろうとする第２のベストサービング基地局に送信する）。ステップ150 においてＦｉｘｅｄＲａｔｅＣ Ｉ値を越えない場合に可変レートモードのままでいることは、固定レートモードに切替えることにより最小データレートが達成されることができない場合に、可変レートモードのままであり、弱い（すなわち、低いデータレートの）順方向リンクで動作することが好ましい設計選択肢を表している。
【００２０】
ベストサービング基地局の長期平均信号対雑音比（ステップ140 における調節後の）がＦｉｘｅｄＲａｔｅＣ Ｉ値を越えた場合、移動局はベストサービング基地局の調節された長期平均信号対雑音比を使用して、このベストサービング基地局に関連した順方向リンク上において固定レートモードでサポートされることのできる固定データレート（“リクエストされた固定レート”）を計算する。その後、移動局は図２に示されている固定レートモードに入ろうとする。
【００２１】
図２を参照すると、本発明の好ましい実施形態による固定レート伝送モードを使用して基地局から移動局への情報の送信レートを制御する方法200 のフロー図が示されている。ステップ210 において、移動局は、固定レートエネーブルビットが設定された状態で固定モード制御メッセージを基地局制御装置（デジタルリンクによりシステム中の基地局に結合されている）に送ることによって固定レートモードに入ることを試みる。このメッセージには、移動局が順方向リンク上においてデータを受信することを所望したリクエストされた固定レートと、移動局が固定レートモードでデータを受信することを所望した基地局のアイデンティティとが含まれている。このメッセージは信頼性の高い伝送を使用して送信され、そのために、固定モード制御メッセージで識別された基地局がその基地局に関連した逆方向リンクでメッセージを受信することができない場合、別の基地局がそのメッセージを移動局から受信し、その後基地局制御装置までのそのメッセージの経路を設定し、次に、その基地局制御装置がこのメッセージを固定モード制御メッセージで識別された基地局に送る。移動局はこのメッセージを送った後、リクエストされた固定データレートで入ってきた任意のデータトラフィックに対して固定モード制御メッセージで識別された基地局に注意を払っている。固定モードカウンタが期限切れになる前に、移動局が固定モード制御メッセージで識別された基地局からデータトラフィックの有効なフレームを受信しなかった場合、その移動局は上述したように固定モード制御メッセージを再送信することにより再度固定レートモードに入ろうとするか、あるいは第２のベストサービング基地局を使用して順方向リンク上での可変レート送信を続けることにより可変レートモードに戻ろうとする。その代わり、固定モードカウンタが期限切れになる前に、移動局が固定モード制御メッセージで識別された基地局からデータトラフィックの有効なフレームを受信しなかった場合、移動局は故障状態にされるだけでもよい。
【００２２】
ステップ220 において、固定モード制御メッセージが送られた後、移動局はナル(null)カバーを使用してＤＲＣメッセージをデータ制御チャンネルでベストサービング基地局に送信し始める。ＤＲＣメッセージ値はデータスケジュール化のための固定レートモードでは無視されるが、固定レートモードを脱する条件が適切かどうかを決定するために使用される。さらに固定レートモードにおいて、固定レート制御メッセージで特定された基地局は、あたかもその基地局が、リクエストされた固定レートを含むＤＲＣメッセージをその移動局から受信し続けているかのように、固定レート制御メッセージで特定された固定レートでデータを移動局に送信し続ける。さらに、固定レートモードのあいだ、移動局は（ｉ）固定レートデータをその移動局に送信している基地局からのバランス状態ビット（このビットは、上述のように基地局がＤＲＣメッセージを成功的に受信できたか否かに基づいて送られる）と、（ii）アクティブセット中の全ての基地局に関連した長期平均信号対雑音比とを監視している。この情報は、以下説明するように、移動局が可変レートモード動作に何時戻るべきかを決定するために使用される。好ましい実施形態において、移動局はそれが固定レートモードに入るとデータレートを変えることは許されず、あるいは基地局がその移動局にデータトラフィックを送信するために使用される。
【００２３】
ステップ230 において、移動局はテストを行って、固定レートモードを出て可変レートモードに戻るべきか否かを決定する。好ましい実施形態において、移動局は（１）現在移動局にデータトラフィックを送信している基地局が、しきい値（ＶａｒＲａｔｅＴｈｒｅｓｈｏｌｄ ｄＢ）より上の長期平均信号対雑音比を有し、かつ現在移動局にデータトラフィックを送信している基地局がバランス状態ビットを設定し、その基地局がＤＲＣメッセージを高い信頼性で移動局から受信していることを示しているか、あるいは（２）アクティブセットの中の別の基地局は、移動局が現在データトラフィックを固定レートモードで受信しているその固定レートをサポートするために必要な信号対雑音比より少なくともＶａｒＲａｔｅＴｈｒｅｓｈｏｌｄ ｄＢ上の長期平均信号対雑音比を有しているという２つの条件の一方が満たされたときに固定レートモードを出る。これらの条件のいずれかが満たされた場合、ステップ240 において移動局は、固定レートエネーブルフィールドが０に設定された状態で固定モード制御メッセージを基地局制御装置に送信することによって固定レートモードを出ようとする。移動局がカウンタの期限切れ前にこの固定モード制御メッセージの承認を受信した場合、移動局はそのＤＲＣメッセージを可変レートモード動作に切替えることにより固定レートモードを出て、その後移動局は上述したように可変レートモードで方法100 にしたがって動作する。
【００２４】
図３を参照すると、本発明のデータ送信モードおよびレート制御システムを実施するために使用される例示的なＣＤＭＡ移動局300 の構成素子を示すブロック図が示されている。移動局は、ダイプレクサ332 によりアナログ受信機334 および送信電力増幅器336 に結合されたアンテナ330 を含んでいる。アンテナ330 およびダイプレクサ332 は標準的な設計のものであり、単一のアンテナによる同時送受信が可能である。アンテナ330 は１以上の基地局から移動局に送信された信号を収集し、ダイプレクサ332 を通って信号をアナログ受信機334 に供給する。受信機334 はまたアナログデジタル変換器（示されていない）を備えている。受信機334 はダイプレクサ332 からＲＦ信号を受信し、この信号を増幅して周波数下方変換し、デジタル化された出力信号をデジタルデータ受信機340 ，342 とサーチ受信機344 とに供給する。図３の実施形態では２つのデジタルデータ受信機しか示されていないが、低性能の移動局は単一のデジタルデータ受信機しか有しておらず、一方高性能の装置は２以上のデジタルデータ受信機を備えてダイバーシティ受信を可能にしてもよいことが理解されるであろう。受信機340 および342 の出力はダイバーシティ結合回路348 に供給され、このダイバーシティ結合回路348 は、受信機340 および342 から受信された２つのデータ流を時間調節し、２つのデータ流を合計し、その結果を復号する。受信機340 および342 、サーチ受信機344 ならびにダイバーシティ結合およびデコーダ回路348 の動作に関する詳細は、本出願人にその権利が譲渡され、ここにおいて参考文献とされている米国特許第 5,101,501号明細書（“Method and Apparatus for Providing A Soft Handoff In Communications In A CDMA Cellular Telephone System ”）に記載されている。
【００２５】
出力信号はデコーダ348 から制御プロセッサ346 に供給される。デコーダからの出力信号は、たとえば、移動局で受信された任意の不平衡状態メッセージ、アクティブセットの中の基地局から移動局に送られた信号に対する信号対雑音比情報、および固定レートエネーブルフィールドが０に設定されたときのその固定レート制御メッセージの承認を含んでいる。この出力信号に応答して、制御プロセッサ346 は、適切な基地局に送られるＤＲＣメッセージの内容または基地局制御装置に送られる固定モード制御メッセージの内容（移動局が可変レートモードと固定レートモードとの間でスイッチしている場合）を決定する。図１および２と関連して上述したシステム100 および200 は、制御プロセッサ346 上のソフトウェアで構成されることが好ましい。これらの決定に応答して、制御プロセッサ346 は信号を送信変調器338 に送り、この送信変調器338 は、適切な基地局に送信するために拡散スペクトル変調にしたがって制御プロセッサ346 で生成された制御メッセージを変調する。
【００２６】
図４を参照すると、本発明のデータ送信モードおよびレート制御システムを構成するために使用される例示的なＣＤＭＡ基地局400 の構成素子のブロック図が示されている。基地局では、ダイバーシティ受信用の分離したアンテナおよびアナログ受信機をそれぞれ備えた２つの受信システムが使用される。各受信システムにおいて信号はダイバーシティ結合プロセスを受けるまで同様に処理される。破線内の構成要素は、その基地局と１つの移動局との間の通信に対応した構成要素に対応している。さらに図４を参照すると、第１の受信システムは、アンテナ460 、アナログ受信機462 、サーチャ受信機464 、ならびにデジタルデータ受信機466 および468 から構成されている。第２の受信システムは、アンテナ470 、アナログ受信機472 、サーチャ受信機474 、ならびにデジタルデータ受信機476 から構成されている。セルサイト制御プロセッサ478 は、信号処理および制御のために使用される。とくに、セルサイト制御プロセッサ478 は、ある移動局から受信した可変および固定レート制御情報（すなわち、ＤＲＣおよび固定モード制御メッセージ）を監視し、このような情報の受信の成功に応答して、基地局がデータを順方向リンクにより特定のレートで送信する。セルサイト制御プロセッサ478 はまた、基地局が移動局からの可変レート制御情報の受信を停止したときにその基地局が適切な移動局に不平衡状態メッセージを送信するように機能する。
【００２７】
両受信システムは、ダイバーシティ結合およびデコーダ回路480 に結合されている。デジタルリンク482 は、制御プロセッサ478 の制御の下で基地局制御装置またはデータルータとの間で信号を伝送するために使用される。アンテナ460 で受信された信号はアナログ受信機462 に供給され、ここにおいてその信号は、移動局アナログ受信機に関連して説明したプロセスと同様に増幅され、周波数変換され、デジタル化される。アナログ受信機462 からの出力は、デジタルデータ受信機466 および468 ならびにサーチャ受信機464 に供給される。第２の受信システム（すなわち、アナログ受信機472 、サーチャ受信機474 、ならびにデジタルデータ受信機476 ）は、受信された信号を第１の受信システムと類似した方法で処理する。デジタルデータ受信機466 および476 の出力はダイバーシティ結合およびデコーダ回路480 に供給され、この回路480 は復号アルゴリズムにしたがって信号を処理する。第１および第２の受信システムならびにダイバーシティ結合およびデコーダ回路480 は、上述の米国特許第 5,101,501号明細書（“Method and Apparatus for Providing A Soft Handoff In Communications In A CDMA Cellular Telephone System ”）に記載されている。移動装置に送信されるべき信号は、プロセッサ478 の制御の下で送信変調器484 に供給される。送信変調器484 は意図された受信移動局に送信されるべきデータを変調する。
【００２８】
以上、当業者が本発明を形成または使用できるようにするために好ましい実施形態を説明してきた。本発明は移動無線通信システムにおける基地局から移動局へのデータの送信に関連して説明されているが、本発明の原理は他の状況および用途において適応されることができる。さらに、当業者は、上述した実施形態に対する種々の修正を容易に認識し、また、ここに規定されている一般原理は発明力を要することなく他の実施形態に適応可能である。したがって、本発明はここに記載されている方法および装置に限定されるものではなく、添付された請求項に一致する広い技術的範囲を与えられている。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の好ましい実施形態による、可変レート伝送モードを使用して基地局から移動局への情報の送信レートを制御するシステムの動作を示す概略図。
【図２】 本発明の好ましい実施形態による、固定レート伝送モードを使用して基地局から移動局への情報の送信レートを制御するシステムの動作を示す概略図。
【図３】 本発明のデータ送信レート制御システムを構成するために使用される例示的な移動局の構成素子を示すブロック図。
【図４】 本発明のデータ送信レート制御システムを構成するために使用される例示的な基地局の構成素子を示すブロック図。
Claims (18)
- 複数の基地局と１つの移動局とを有する移動無線通信システムにおいて、移動局が１つの基地局から情報を可変レートモードまたは固定レートモードのいずれかで受信し、１つの基地局から移動局への可変レートモードでの情報の送信レートは移動局に関連した連続したデータ送信インターバル間で変化し、１つの基地局から移動局への固定レートモードでの情報の送信レートは移動局に関連した連続したデータ送信インターバル間で不変である、基地局の１つから移動局への情報の送信に関連したデータレートを制御する方法において、
（Ａ）第１の基地局が可変データレート制御情報を移動局から受信することができなくなるまで第１の基地局から移動局にデータを可変レートモードで送信し、
（Ｂ）第１の基地局が可変データレート制御情報を移動局から受信することができない場合、その移動局への可変レートモードでのデータ送信をサポートする第２の基地局をサーチすることによって移動局において可変レートモードのままにすることを試み、移動局がその移動局への可変レートモードでのデータ送信をサポートする第２の基地局の位置をつき止めることができる場合、データを第２の基地局から移動局へ可変レートモードで送信し、第１の基地局から移動局への可変レートモードでの送信は終了し、
（Ｃ）移動局がその移動局への可変レートモードでのデータ送信をサポートする第２の基地局の位置をつき止められない場合、データを第１の基地局または異なった基地局のいずれかから移動局に固定レートモードで送信するステップを含んでいることを特徴とするデータレート制御方法。 - ステップ（Ａ）はさらに、
（１）可変データレート制御情報を移動局から第１の基地局に送信し、
（２）可変データレート制御情報を第１の基地局において受信することを試み、
（３）第１の基地局が可変データレート制御情報を受信した場合、可変データレート制御情報に応答して一群の候補データレートの１つを第１の基地局で選択し、データを第１の基地局から移動局に選択されたデータレートで送信し、その後第１の基地局が可変データレート制御情報を移動局から受信することが可能である限り、第１の基地局から移動局への情報の送信レートを、その移動局に関連した連続したデータ送信インターバル間で変えるためにステップ（Ａ）（１）−（Ａ）（２）を繰返し、
（４）第１の基地局が可変データレート制御情報を移動局から受信できない場合、不平衡状態メッセージを第１の基地局から移動局に送って、第１の基地局が可変データレート制御情報を移動局から成功的に受信できないことを示して、第１の基地局から移動局へのデータの可変レートモードでの送信を終了するステップを含んでいる請求項１記載の方法。 - ステップ（Ｂ）はさらに、
（１）不平衡状態メッセージに応答して第２の基地局を選択し、データ情報を移動局に送信し、第１の基地局から移動局への送信に関連した第１の信号品質測定値を、第２の基地局から移動局への送信に関連した第２の信号品質測定値と比較し、
（２）第１の信号品質測定値が第２の信号品質測定値のしきい値を越えない場合には、
（ｉ）可変データレート制御情報に応答して移動局から送られる一群の候補データレートの１つを第２の基地局で選択し、
（ii）ステップ（Ｂ）（２）（ｉ）で選択されたデータレートでデータを第２の基地局から移動局に送信し、
(iii)第２の基地局が可変データレート制御情報を移動局から受信することが可能である限り、第２の基地局から移動局への情報の送信レートを、その移動局に関連した連続したデータ送信インターバル間で変えるためにステップ（Ｂ）（２）（ｉ）−（Ｂ）（２）（ii）を繰返すことによって、データを第２の基地局から移動局に可変レートモードで送信するステップを含んでいる請求項２記載の方法。 - ステップ（Ｂ）（１）における第２の基地局は、移動局からの送信に関連した最高の信号品質測定値を有する１つの基地局を複数の基地局から選択することにより選択される請求項２記載の方法。
- ステップ（Ｃ）はさらに、第１の信号品質測定値が第２の信号品質測定値のしきい値より大きい場合、固定データレート制御メッセージを移動局から特定された基地局に送信し、固定データレート制御メッセージにしたがって決定された固定レートでデータを特定された基地局から移動装置に送信するステップを含んでいる請求項４記載の方法。
- ステップ（Ｃ）はさらに、第１の信号品質測定値が第２の信号品質測定値のしきい値より大きい場合に、
（１）固定データレート制御メッセージを移動局から第１の基地局に送信し、
（２）固定データレート制御メッセージに応答して第１の基地局から移動局への送信に対する固定データレートを決定し、
（３）ステップ（Ｃ）（２）で決定された固定データレートが第２のしきい値を越えた場合、ステップ（Ｃ）（２）で決定された固定データレートでデータを第１の基地局から移動局に送信し、
（４）ステップ（Ｃ）（２）で決定された固定データレートが第２のしきい値を越えない場合、データを移動局に固定レートモードで送信する異なった基地局を選択し、固定レートモードでデータを異なった基地局から移動局に、ステップ（Ｃ）（２）で決定された固定データレートを越える増加した固定データレートで送信するステップを含んでいる請求項５記載の方法。 - ステップ（Ｃ）（４）の異なった基地局を選択するステップはさらに、移動局からの送信に関連した最高の信号品質測定値を有する１つの基地局を複数の基地局から選択するステップを含んでいる請求項６記載の方法。
- ステップ（Ｃ）（４）の固定レートモードでデータを送信するステップは、最高の信号品質測定値を有する基地局から移動局にデータを送信するステップをさらに含んでいる請求項７記載の方法。
- 最高の信号品質測定値を有する基地局からデータを送信するために使用される増加した固定データレートは、最高の信号品質測定値に基づいて決定される請求項８記載の方法。
- ステップ（Ｂ）（２）はさらに、
（iv）第２の基地局が移動局から可変データレート制御情報をもはや受信できなくなった場合、不平衡状態メッセージを第２の基地局から移動局に送信し、第２の基地局が可変データレート制御情報を移動局から成功的に受信できないことを示すステップを含んでいる請求項８記載の方法。 - （Ｄ）（ｉ）データを移動局に固定レートモードで送信するために使用された指定された基地局が可変レート制御情報を移動局から高い信頼性により再び受信でき、（ii）指定された基地局からの移動局で受信された順方向リンク信号が第２のしきい値を越える長期平均信号対雑音比を有している場合に、固定レートモードから可変レートモードに切替えて戻すステップをさらに含んでいる請求項５記載の方法。
- （Ｄ）固定レートモードのデータの送信をサポートするために順方向リンク信号において必要とされる長期平均信号対雑音比が第３のしきい値を越えた長期平均信号対雑音比を有しているデータを移動局に固定レートモードで送信するために使用された指定された基地局以外の基地局から移動局が信号を受信した場合に、固定レートモードから可変レートモードに戻すように切替えるステップをさらに含んでいる請求項５記載の方法。
- 複数の基地局と１つの移動局とを有する移動無線通信システムにおいて、移動局が１つの基地局から情報を可変レートモードまたは固定レートモードのいずれかで受信し、１つの基地局から移動局への可変レートモードでの情報の送信レートは移動局に関連した連続したデータ送信インターバル間で変化し、１つの基地局から移動局への固定レートモードでの情報の送信レートは移動局に関連した連続したデータ送信インターバル間で不変である、基地局の１つから移動局への情報の送信に関連したデータレートを制御するための装置において、
（Ａ）第１の基地局が可変データレート制御情報を移動局から受信することができなくなるまで第１の基地局から移動局にデータを可変レートモードで送信し、第１の基地局が可変データレート制御情報を移動局から受信できなくなった後、第１の基地局から移動局への可変レートモードでのデータの送信を終了する第１の基地局における送信機と、
（Ｂ）第１の基地局が可変データレート制御情報を移動局から受信することができない場合、その移動局への可変レートモードでのデータ送信をサポートする第２の基地局をサーチすることによってサービスを可変レートモードで維持しようとする移動局における制御装置と、
（Ｃ）移動局がその移動局への可変レートモードでのデータ送信をサポートする第２の基地局の位置をつき止めることができる場合、移動局からの信号に応答して、データを第２の基地局から移動局へ可変レートモードで送信する第２の基地局における送信機と、
（Ｄ）移動局がその移動局への可変レートモードでのデータ送信をサポートする第２の基地局の位置をつき止められない場合、データを移動局に固定レートモードで送信する第１の基地局または異なった基地局のいずれかにおける送信機とを具備していることを特徴とする装置。 - 複数の基地局と１つの移動局とを有する移動無線通信システムにおいて、移動局が１つの基地局から情報を可変レートモードまたは固定レートモードのいずれかで受信し、１つの基地局から移動局への可変レートモードでの情報の送信レートは移動局に関連した連続したデータ送信インターバル間で変化し、１つの基地局から移動局への固定レートモードでの情報の送信レートは移動局に関連した連続したデータ送信インターバル間で不変である、基地局の１つから移動局への情報の送信に関連したデータレートを制御するための装置において、
（Ａ）第１の基地局が可変データレート制御情報を移動局から受信することができなくなるまで第１の基地局から移動局にデータを可変レートモードで送信し、第１の基地局が可変データレート制御情報を移動局から受信できなくなった後、第１の基地局から移動局へのデータの可変レートモードでの送信を終了する手段と、
（Ｂ）第１の基地局が可変データレート制御情報を移動局から受信することができない場合、その移動局への可変レートモードでのデータ送信をサポートする第２の基地局をサーチすることによってサービスを可変レートモードでサービスを維持しようとする移動局制御手段と、
（Ｃ）移動局がその移動局への可変レートモードでのデータ送信をサポートする第２の基地局の位置をつき止めることができる場合には、データを第２の基地局から移動局へ可変レートモードで送信する手段と、
（Ｄ）移動局がその移動局への可変レートモードでのデータ送信をサポートする第２の基地局の位置をつき止められない場合、第１の基地局または異なった基地局のいずれかからデータを移動局に固定レートモードで送信する手段とを具備していることを特徴とする装置。 - 通信システムにおいて、
第１の基地局から移動局への情報の送信に関連したデータレートを制御し、
移動局により第１の基地局から情報を可変レートモードまたは固定レートモードのいずれかで受信し、
第１の基地局から移動局への可変レートモードでの情報の送信レートは移動局に関連した連続したデータ送信インターバル間で変化し、
第１の基地局が移動局から可変データレート制御情報を受信することができなくなるまで第１の基地局から移動局にデータを可変レートモードで送信するステップを含んでいる方法。 - さらに、第１の基地局が可変データレート制御情報を移動局から受信することができない場合、その移動局への可変レートモードでのデータ送信をサポートする第２の基地局をサーチすることによって移動局において可変レートモードのままに維持することを試み、
第２の基地局がその移動局への可変レートモードでのデータ送信をサポートする能力を有することを検出し、
データを第２の基地局からその移動局へ可変レートモードで送信し、
第１の基地局からその移動局への可変レートモードでのデータの送信を終了するステップを含んでいる請求項１５記載の方法。 - さらに、第１の基地局が可変データレート制御情報を移動局から受信することができない場合、その移動局への可変レートモードでのデータ送信をサポートする第２の基地局をサーチすることによって移動局において可変レートモードのままに維持することを試み、
第２の基地局がその移動局への可変レートモードでのデータ送信をサポートする能力がなくなったことを検出し、
データを第１の基地局または別の基地局のいずれかから移動局へ固定レートモードで送信するステップを含み、固定レートモードでの情報の送信レートは移動局に関連した連続したデータ送信インターバル間で固定されている請求項１５記載の方法。 - 通信システムにおいて、
データを移動局から可変レートモードで送信する第１の基地局における送信機と、
第１の基地局が可変データレート制御情報を移動局から受信することができない場合、その移動局への可変レートモードでのデータ送信をサポートする第２の基地局をサーチすることによってサービスを可変レートモードで維持する移動局における制御装置と、
移動局がその移動局への可変レートモードでのデータ送信をサポートする第２の基地局の位置を検出することができる場合には、移動局からの信号に応答して、データを第２の基地局から移動局へ可変レートモードで送信するように構成されている第２の基地局における送信機とを具備している装置。
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