JP4383230B2 - 3次元物体照合装置 - Google Patents

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本件発明は、3次元物体の計測データを既知モデルを対比することにより位置姿勢推定や物体識別を行う3次元物体照合装置に関し、特に、計測誤差を考慮して高速かつ高精度の位置姿勢推定や物体識別を可能とする3次元物体照合装置に関する。
近年、センサによって計測した3次元データ(レンジデータ又は距離画像)に基づいて物体の位置姿勢推定や物体識別を行う3次元物体照合技術が注目されている。この3次元データを、既知の物体モデルと対比することにより位置姿勢推定や物体識別を行うことができる。3次元物体照合技術には様々なものがある。
例えば、特開平6−109451号公報(特許文献1)では、計測したレンジデータを物体モデルと照合するために、事前に物体モデルの見え方に関するデータ表(3次元アスペクト表)を生成しておき、レンジデータから抽出した3次元特徴量によって3次元アスペクト表を参照して視方向を決定し、その視方向と既知の視点と物体モデルとから3次元物体の姿勢を推定する。また、特開平10−124677号公報(特許文献2)では、計測したレンジデータから平面と円筒面を検出し、この検出結果と基準配置モデルを参照して姿勢候補を選択する。姿勢候補の選択には、一般化ハフ変換等の多数決原理を用いている。しかしながら、これらの3次元物体照合技術では、予め生成したアスペクト表や姿勢候補の中から最もよく合致する姿勢を選択するため、高精度の姿勢推定を行うことは困難である。
一方、Besl等の提唱するICPアルゴリズム(非特許文献1)では、レンジデータから特徴量を抽出する代わりに、ともに点群として表されるレンジデータと物体モデルデータの間で、一方の形状データの各点から他方の形状データの最も近い点までの距離の2乗和を最小化することにより、2つの形状データが最も良く重なるような座標変換を得る。また清水等(非特許文献2)は、ICPアルゴリズムにおいてセンサの視線方向に生じる計測誤差を考慮して、計測誤差の生じる範囲を誤差の標準偏差σとして規定し、σに応じた適合度を与えることにより計測誤差の影響を考慮した照合を行っている。
特開平6−109451号公報 特開丙10−124677号公報 B.J.Besl等、「A method for registration 3-D shapes」、IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence、vol.14、no.2、pp.239-256、1992 清水、出口等、「計測誤差を考慮した距離画像からの精密な姿勢推定」、電子情報通信学会論文誌D-II、No12、pp2298-2306、1999年
ICPアルゴリズムのように点群同士の照合を行えば照合精度を高めることができるが、大量のデータ点数を照合に用いる必要があり、高速の照合が行えないという問題が生じる。また、照合精度を高めるためにはセンサによって生じる計測誤差の影響も考慮する必要があるが、清水等(非特許文献2)の提案する方法では単一の視線方向に生じる計測誤差しか考慮されておらず、物体の形状によっては十分な照合精度を得ることができない。
そこで本件発明は、実用性の高い照合性能を実現するために、センサによる計測誤差の影響を低減しながら、高速かつ高精度の照合を可能とする3次元物体照合装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本件発明に係る3次元物体照合装置は、物体の立体形状を計測して3次元データを得る3次元データ取得手段と、取得した3次元データを蓄積する3次元データ蓄積手段と、取得した3次元データと参照すべき標準3次元データとの照合を行う3次元データ照合手段とを備えた3次元物体照合装置であって、さらに、前記3次元データの各計測点について計測誤差を推定する誤差特性評価手段と、前記3次元データから1以上のデータ領域を切り出し、所定の形状特徴値が閾値よりも大きなデータ領域を初期候補として選定する特徴部分抽出手段と、前記データ領域又は前記データ領域同士の組合せについて推定処理時間と推定照合精度を計算する処理時間・精度評価手段と、前記初期候補から、目標処理時間と目標照合精度を達成するデータ領域又はデータ領域同士の組合せを選定する照合データ領域選定手段とを備え、前記3次元データ照合手段が、前記照合データ領域選定手段の選定したデータ領域又はデータ領域同士の組合せについて標準3次元データとの照合を行うことを特徴とする。
本件発明に係る3次元物体照合装置によれば、照合に適した特徴を持つ1以上のデータ領域を初期候補として選定し、さらに、データ領域中の各計測点の計測誤差から推定した照合精度と、データ領域の大きさ等に基づいて推定した処理時間とをもとに照合に最も適したデータ領域又はデータ領域同士の組合せを選定するため、従来よりも少ないデータ点数で照合を行っても照合精度を低下させることがなく、高速かつ高精度の照合が可能となる。
実施の形態1
以下の実施の形態では、本件発明に係る3次元物体照合装置を位置姿勢推定に応用する場合を例に説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る3次元物体照合装置の概略を示す模式図である。3次元物体照合装置では、センサ等の3次元データ取得手段6によってある視線方向から見た対象物体4の3次元データを取得し、その計測した3次元データを既知の3次元データ(標準3次元データ)と照合することにより、対象物体4の位置姿勢推定を行う。図示するように、センサ6によって取得した3次元データは、メモリ等の3次元データ蓄積手段8に蓄積され、照合データ領域選定手段10において照合に用いるデータ領域が選定され、3次元データ照合手段12において標準3次元データとの照合が行われた後、照合結果が出力される。計測した3次元データを表すセンサ座標は任意であるが、例えば、センサ6の視線方向をz軸とし、それに直交する平面内にx軸とy軸を取る直交座標をセンサ座標として用いることができる。位置姿勢の推定精度を高めるために複数の方向から物体4の計測を行うこともあるが、その場合には統一したセンサ座標系に変換して標準3次元データとの照合が行われる。
図2は、図1に示す3次元物体照合装置のより詳細な処理構成を示すブロック図である。図2に示すように、照合データ領域選定手段10は、下位モジュールとして誤差特性評価手段14と、特徴部分抽出手段16と、処理時間・精度評価手段18を有する。誤差特性評価手段14では、センサ6と計測点の空間上の位置関係や対象物体4の表面特性(材質、形状)に基づいて各計測点における誤差の推定標準偏差の空間分布(=誤差特性)を算出する。特徴部分抽出手段16では、計測データ中の距離変化の大きな点や曲率の大きな点を選定し、照合処理の際に用いるべきデータ領域の初期候補の抽出処理を行う。処理時間・精度評価手段18では、先に選定されている初期候補のデータ領域の組合せにより達成される処理時間を推定すると共に、そのデータ領域を用いた際の推定精度を先に算出しておいた誤差特性に基づいて評価する。照合データ領域選定手段10は、これらの下位モジュールの動作を制御して必要な情報を得ることにより、各方向別の目標照合精度や目標の処理時間を実現するのに必要なデータ領域が決定される。ここで選定されたデータ領域を用いて3次元照合を行うことにより、高速かつ高精度の照合が可能となる。また、過去に選定したデータ領域とその照合結果は照合特性蓄積手段20に蓄積され、照合データ領域選定手段10における以降の選定処理に活用される。
図3は照合の処理フローを示すフロー図である。以下、このフロー図に従って各構成における処理の詳細について説明する。
(3次元データ取得)
まず、3次元データ取得手段6によって対象物体4の3次元立体形状を表す3次元データが取得される(ステップ30)。この3次元データ取得手段6としては、各種の3次元距離測定手段を用いることができ、例えば、2つ以上のカメラを用いて三角測量原理により距離分布計測を行うステレオ方式、パターン投光を行い1つ以上のカメラで観測して三角測量原理に基づいて計測を行う構造化光方式、レーダー光の出射から反射光の受光までの時間を計測する飛行時間法などの各種レンジファインダを用いることができる。3次元データ取得手段6によって得られるデータは、一般にある視点方向から物体4を見たときの距離画像であり、部分的な3次元データである。3次元データは、センサ6を動かしながら複数の視点から計測したデータを複合したものであっても良い。
(3次元データ蓄積)
次に、3次元データ取得手段6によって取得した3次元データを3次元データ蓄積手段8に蓄積する(ステップ32)。3次元データ蓄積手段8は、計測した3次元データを記憶可能なメモリであれば良く、特に種類は問わない。また、3次元データ蓄積手段8には、計測した3次元データの他に、照合すべき対象物体4の標準3次元データも蓄積されている。標準3次元データは、既知の姿勢の物体4を計測することによって得た3次元データでも良いし、CAD設計情報などから生成された3次元データであっても良い。
(照合データ領域選定)
次に、照合データ領域選定手段10が、下位動作モジュールである誤差特性評価手段14、特徴部分抽出手段16、処理時間・精度評価手段18の動作制御を行って総合的な評価を行った上でデータ領域選定を行う(ステップ34〜42)。これにより座標の各方向別の目標照合精度や目標の処理時間を実現するのに必要なデータ領域が選定される。以下、3つの下位動作モジュールについて、その動作をフロー順に説明していき、次いでこれらを総合的に評価すると共に動作制御を行う照合データ領域選定手段の動作について述べる。なお、3つの下位動作モジュールは基本的には図3に示すようにシーケンシャルに処理されるが、照合データ領域選定手段10で適切なデータ領域の選定ができなかった場合には、特徴部分抽出手段16での閾値パラメータを変更するなどして、目標の位置姿勢推定精度や処理時間を達成するように1回以上動作する構成となっている。
−誤差特性評価
まず、誤差特性評価手段14では、3次元データ蓄積手段8に蓄積された3次元データの各計測点について誤差特性の評価を行う(ステップ34)。ここで評価する誤差特性は、各計測点が持つ計測誤差の空間的な分布を評価したものであり、例えばセンサ座標の各座標軸方向における計測誤差の推定標準偏差として表される。ここで評価する誤差特性の種類は特に限定されないが、例えば、センサ6の構造によって決まる誤差特性や、対象物体4の表面反射特性(材質、形状)によって決まる誤差特性などが挙げられる。
センサ6の構造によって決まる誤差特性について図4を参照しながら説明する。図4に示すように、センサ(=3次元データ取得手段)6として構造化光方式のものを用いた場合、センサ6は主としてパターン投光器22と受光カメラ部24から構成され、両者はベースラインと呼ばれる一定距離Lだけ離して配置される。ここでは図面正面から見て左側にパターン投光部22が配置され、右側に受光カメラ部24が配置された場合を考える。センサ6の構造に由来する計測誤差の大きさは、対象物体4の計測点とセンサ6との空間的な位置関係に依存して変化する。即ち、このセンサ6では、受光カメラ24のカメラ中心24aから計測点に向かって延びる線分をLとし、パターン投光器22の投光器中心22aから計測点に向かって照射方向に延びる線分をLとすると、計測点は線分Lと線分Lの交差点26又は26’となり、ベースラインLと線分Lと線分Lから構成される三角形から三角測量の原理に基づいて計測点までの距離が算出される。通常、線分L及びLは空間的な幅を持った線分であるため、その交差点26又は26’はある面積をもったひし形領域となり、この領域の広がり分だけ距離の計測誤差が生じることになる。この交差領域の広がりは計測点とセンサ6の空間的な位置関係によって変化する。
例えば、カメラ中心24a及びパターン投光器中心22aのいずれに対しても右側または左側に計測点がある場合、図4左側に示すようにL及びLの交差角度が鋭角となり、線分Lと線分Lの交差領域26は縦長のひし形となる。この計測誤差の誤差ベクトルは、例えば、ひし形の2本の対角線ベクトルによって近似することができるため、特定の方向(この場合は線分L方向)への誤差ベクトルが特に大きくなる。一方、計測点がカメラ中心24aと投光器中心22aの中間に位置する場合には、線分Lと線分Lは前述の場合よりも鈍い角度で交わるため、長方形に近いひし形領域26’となるか、少なくとも前述の場合よりも緩い角度のひし形領域26’となる。また、ひし形領域26’は前述の場合のひし形領域26よりも小さくなる。このためひし形領域26’の2つの対角線ベクトルによって近似した誤差ベクトルは、前述の場合の誤差ベクトルよりも小さく、また2つの誤差ベクトルの大きさがほぼ等しくなるため特定の方向への依存性も少なくなる。評価した各計測点における誤差ベクトルを、所定の座標系の各座標軸に射影することによって、センサ6の構造の由来する計測誤差の大きさを各座標軸方向ごとに評価することができる。具体的には、2本の対角線ベクトルの座標軸への射影成分を座標軸ごとに足し合わせれば、各方向における計測誤差の大きさを評価することができる。
このセンサ構造に由来する計測誤差は、センサ6の構造に関する情報(上記例では線分LとLの幅)とセンサ6に対する空間上の位置(センサ空間での座標)から計算することができる。センサ構造に由来する計測誤差をセンサ空間での各座標軸について予め計算しておき、センサによって計測した各計測点の座標に対応付ければ、センサ構造に由来する誤差特性の評価を高速に行うことができる。
次に、対象物体4の表面反射特性(材質、形状)によって決まる誤差特性の評価について説明する。対象物体4の材質や形状は様々であり、それに応じてパターン投光器22から対象物体4に照射された光が受光カメラ24方向に反射する反射割合が変化する。この反射割合が小さいほど、受光カメラ24で感知する計測信号のS/N比が低下するため計測誤差が大きくなる。例えば、対象物体4の計測点が反射率の低い素材である場合には、受光カメラ24側への帰還光成分が少なくなり、計測信号のS/N比が低下することで計測誤差が大きくなる。また、対象物体4の計測点における面方位が投光器22に正対するような配置となる場合も、受光カメラ24側への帰還光成分が少なくなり、S/N比が低下することで計測誤差が大きくなる。対象物体4の面方位の影響は、対象物体の表面が鏡面反射性である場合に特に大きい。逆に、対象物体の表面が完全拡散面である場合には対象物体4の面方位の影響は小さくなる。
この対象物体4の表面反射特性(材質、形状)によって決まる計測誤差は、例えば、対象物体4を置いたときに受光カメラ24で受光した輝度信号から対象物体4を置かないときに受光カメラ24で受光した輝度信号を減算することによって簡単に評価することができる。即ち、対象物体4を置いたときと置かないときの輝度信号の差は、対象物体4から受光カメラ24に向かって反射した光の割合に相当するため、これが大きいほど計測信号のS/N比が大きくなり、計測誤差が小さくなる。このようにして評価した計測誤差は、簡易的には等方的に発生すると近似できる。従って、前述のセンサ構造由来の誤差特性に加えて対象物体4の表面反射特性によって決まる誤差特性を考慮する場合、センサ構造に基づく計測誤差のx、y、z各成分に対して、表面反射特性から導いた計測誤差に相当する係数を乗算することにより表面反射特性よる計測誤差の影響を加味することができる。
−特徴部分抽出
次に特徴部分抽出手段16では、計測した3次元データの中から照合に適したデータ領域を抽出する(ステップ36)。例えば、3次元データから予め決められた標準的なサイズのデータ領域を切り出し、各データ領域について所定の形状特徴値を算出した上で、形状特徴値が閾値を超えるデータ領域を初期候補として選択する。ここで形状特徴値は、照合に適したデータ領域を判断できる指標となるものであれば良い。例えば、あるデータ領域が形状的にユニークであったり、そのデータ領域の濃淡テクスチャがユニークであれば照合に適していると言える。従って、形状特徴値の具体例としては、そのデータ領域における距離データの分散、曲率の分散、曲率(それ自体)、ヒストグラム分布、ヒストグラムの平均や標準偏差、空間周波数(フーリエ変換の係数等)等が挙げられる。
例えば、距離データの分散を形状特徴値とする場合について説明する。一般に計測した3次元データ(距離データ)中で距離変化の大きな領域は、空間的ユニーク性が高いため、位置姿勢推定や物体識別に有効な部分となることが知られている。距離の変化が大きなデータ領域を選定するには、例えば、以下の選定アルゴリズム1ような処理を行えば良い。即ち、Step1では、センサの受光カメラ24からの視線方向に垂直な面内で等間隔に区切った8方向(22.5度間隔)を設定し、各方向について距離データの分散値を算出する。そして、Step2において、各方向のデータ分散のうち最小のものが閾値を越えていれば初期候補として選定する。
<選定アルゴリズム1>
Step1 3次元計測データ中、等間隔に区切った8方向について各方向別の距離データ分散値算出
Step2 if(8方向中最も小さな分散値>閾値) then 選択
次に、曲率の分散を形状特徴値とする場合について説明する。曲率の変化が大きなデータ領域を選定するには、例えば、以下の選定アルゴリズム2のような処理を行えば良い、即ち、Step1では、選定アルゴリズム1と同様に等間隔に区切った8方向について各方向における法線単位ベクトルの分散値を算出する。次に、Step2において、各方向のデータ分散のうち最小のものが閾値を越えていれば初期候補として選定する。
<選定アルゴリズム2>
Step1 3次元計測データ中、等間隔に区切った8方向について、各方向の法線成分の分散値算出
Step2 if (8方向中最も小さな変化値の分散値>閾値) then 選択
ここでデータ分散の最小値を代表値として閾値と比較しているが、データ分散の代表値の取り方は任意であり、例えばデータ分散の平均値を閾値と比較しても良い。但し、データ分散の最小値を代表値とすれば、照合に不適切な領域の誤選定を防止するのに有効である。例えば、データ分散の最大値を閾値を比較した場合、全体として照合に不適切であるが、ある一方向だけが偶然にデータ分散が大きな領域が誤って選定される場合がある。尚、データ分散を評価する方向は8方向には限定されず、対象物体の形状に合わせて適宜選択すれば良い。評価方向を設定する面も、視線方向に垂直な面には限定されず、例えば対象物体のデータ領域の平均的な法線に垂直な面であっても良い。
−処理時間・精度評価
次に、処理時間・精度評価手段18において、特徴部分抽出手段16で選定されたデータ領域の初期候補から各種組合せに対する推定照合精度と推定処理時間算出を行う(ステップ38)。まず、推定照合精度は、先の誤差特性評価手段14で評価した誤差特性に基づいて算出できる。例えば、誤差特性評価手段14によって各計測点における誤差ベクトル、即ち、x、y、z方向の計測誤差の推定標準偏差を見積もっているため、データ領域内の全ての誤差ベクトルを合成すれば、データ領域全体が示す計測誤差をx、y、z方向について知ることができる。ここでデータ領域の大きさがそれぞれ異なる場合には、合成した誤差ベクトルをデータ領域内の計測点数で割って平均誤差ベクトルを求めても良い。また、データ領域内の各計測点が持つ誤差ベクトルの分散が、小さいほうが照合精度が良好となる傾向にある。そこで誤差ベクトルの分散を計算して照合精度の指標としても良い。この分散は、誤差ベクトルのx、y、z成分の各々について計算しても良い。また、誤差ベクトルの合成と誤差ベクトルの分散の両方を組合せて照合精度の指標を得ても良い。
次に、推定処理時間は、データ領域面積の2乗に比例するので、あらかじめ蓄積しておいた単位点数あたりの照合時間との比例計算により計算できる。なお、処理時間・精度評価手段では、所定のデータ領域の組合せについて評価を行っても良いし、データ領域ごとに評価を行っても良い。
−照合データ領域選定
次に、照合データ領域選定手段10において、上記に述べた3つの下位動作モジュールである誤差特性評価手段14、特徴部分抽出手段16、処理時間・精度評価手段の出力から得られる評価値を基にデータ領域の選定を行い、データ領域の選定が適切にできなかった場合は選定の閾値を変えるなどして特徴部分の抽出からやり直す(ステップ40、42)。具体的には、照合データ領域選定手段10において、特徴部分抽出手段16で選定されたM個の初期候補データ領域から目標の照合精度と処理時間を達成できるデータ領域の組合せを探索する。
例えば、最初に処理時間・精度評価手段18で得た推定処理時間に基づいて、処理時間を目標時間内に収めるために用いるべきデータ領域数N(M≧N)が決定される。組合せに用いるデータ領域数Nが決定されると、処理時間・精度評価手段18において推定照合精度を得ることができるので、目標照合精度を達成できるかどうかを判断する。x、y、z方向別に目標となる照合精度(位置姿勢推定の許容誤差等)が異なる場合には、各方向ごとに推定照合精度を目標精度と比較することにより、適切なデータ領域の組合せが選定できる。尚、この組合わせを選定する際、組合わせ数が多くなると、検証に時間がかかるため、遺伝アルゴリズムなどの準最適化手法を用いても良い。尚、目標処理時間を達成するデータ領域数Nが初期候補数Mとほぼ等しい場合(M≒N)や、目標とする方向別の精度を達成するために異なる法線方向成分を持つ候補領域を組合せる必要がある場合には、組合せ数が数百個程度に抑えられるのであれば総当り的に組合せを検証しても良い。また、後述する照合特性蓄積手段20に蓄積されている過去の組合せ例や、あらかじめ与えられている標準的な組合せ例などに応じて、組合せを優先、限定するなどして評価を行うことも可能である。
こうして、目標とする照合精度と処理時間を満たす組合せを見つけることができる。複数の組合せ候補が存在する場合には、そのうち最も照合精度のよいものを選ぶなどして候補を絞り込む。なお、目的の照合精度及び処理時間を満たす組合せが存在しない場合は、処理時間の増加を許容して解を見つけるために照合データ領域選定手段10における目標処理時間を増加するか、又は、初期候補を増やすために特徴部分抽出手段16における閾値を変更する等して、再度選定処理を実行する(ステップ42)。なお、無限ループに陥らないようにするため、一定回数以上の処理が繰り返された場合には、処理を打ち切り、それまでに得られた結果のうち、最適な結果を出力するとともに注意メッセージを出力する。尚、ここでは選択するデータ領域が、複数のデータ領域の組合せである場合を中心に説明したが、十分な照合精度が得られる場合には単一のデータ領域を選定しても良い。
以上の評価結果を用いることで、推定精度及び処理時間見込みを最もよく満たすものを選ぶこともできるし、複数の組合せ候補をリストアップしておき、さらに別の基準と組合せて選定することも可能である。ここで、別の選定基準としては2次元画像処理と組合せて表面のテクスチャ情報も利用して選定を行うことなどが考えられる。例えば、ステップ36から38と平行して3次元データの輝度値に対してSUSANオペレータ等の表面テクスチャに基づく特徴選定オペレータを実行し、その結果得られた特徴部分が含まれるようにデータ領域の組合せを選定しても良い。尚、この場合は距離データと輝度データの両方を用いて照合を行う。
(3次元データ照合)
次に、3次元データ照合手段12において、照合データ領域選定手段10によって選定されたデータ領域又はデータ領域同士の組合せを3次元データ蓄積手段8に蓄積された標準3次元データと照合する。ここで照合には、3次元データ同士の照合が可能な種々の照合手法を用いることができる。例えば、非特許文献1に記載されたICPアルゴリズム法、非特許文献2に記載された計測誤差を考慮した照合法、池内克史による「物体認識と認識プログラムの自動生成」(人工知能学会誌、vol.4、No.1、pp.30-42、1989)に紹介された種種の幾何推論システム、特開平6−109451号に記載されたようなアスペクト姿勢への射影による予め登録した代表姿勢と照合する方法、等を用いることができる。中でもICPアルゴリズムを用いれば、任意の形状を扱うことができ、しかも高精度の照合が可能となる点で有利である。
ICPアルゴリズムでは、ともに点群として表現された2つの3次元データ、即ち計測された3次元データと標準3次元データの間で、一方の3次元データのそれぞれの点から他方の3次元データの中で最も近い点までの距離の2乗和を最小化することにより2つの3次元データが最も良く重なるような座標変換を得る。ここで本件発明では、計測された3次元データの全体について照合を行うのではなく、選定されたデータ領域についてのみ照合を行う。このとき照合対象となる標準3次元データからも対応するデータ領域を切り出す必要があるが、対象物体4の微小な移動が予想される場合には、標準3次元データにおいて過去の照合で一致した部分から予想される移動分だけ広げた範囲から複数のデータ領域を切り出し、順次照合すれば良い。対象物体4が完全自由回転をしている等、移動量や方向の予測が困難であるときには、標準3次元データの全体から一致するデータ領域を探索する必要があるため、後述する多重解像度データを用いて照合することが有効である。

(照合特性蓄積、照合結果出力)
こうして最終的な位置姿勢推定結果が得られると、照合に用いたデータ領域や照合結果等の情報が照合特性蓄積手段20に蓄積された後、照合結果が出力される(ステップ46、48)。尚、照合特性蓄積手段20には、過去の照合結果の他に、照合データ領域選定手段10が3つの下位動作モジュールを動作制御する際や、各モジュールが評価を行うための各種照合特性を保持する。例えば、評価を行う際の標準領域サイズや標準的な組合せ例に関する情報などが過去の照合結果などから蓄積されており、これを照合データ領域選定手段において優先的な組合せとして利用する。
尚、本実施の形態では、位置姿勢推定の対象となる物体について計測した3次元データから特徴部分であるデータ領域を選定し、既知の標準3次元データと照合する場合について説明したが、3次元照合には基本的に双方向性があるため、この逆の処理を行っても良い。即ち、既知の3次元データから特徴部分であるデータ領域を選定しておき、位置姿勢推定の対象となる物体について計測した3次元データと照合しても良い。この場合は、既知の3次元データが本件発明における「3次元データ」となり、位置姿勢推定の対象となる物体について計測した3次元データが「標準3次元データ」となる。尚、既知の3次元データを計測によって得る場合、構成や処理フローは図2及び図3と同様となる。
実施の形態2
図5は、本発明の実際の形態2に係る3次元物体照合装置を示すブロック図であり、図6は、その処理を示すフロー図である。実施の形態2では、特徴部分抽出手段14における選定基準及び/又は照合データ領域選定手段10で用いる選定基準を変更指示するための選定基準変更手段11を備えており、3次元データを取得、蓄積した後に対象物体4に合わせて選定基準を適宜変更する(ステップ33)。その他の点は、実施の形態1と同様である。ここで、特徴部分抽出手段14の選定基準を変更するとは、データ領域選定の閾値の変更のほか、選定アルゴリズムの変更や、切り出すデータ領域の大きさの変更も含まれる。また、照合データ領域選定手段10で用いる選定基準を変更するとは、目標処理時間や目標照合精度を変えることの他、組合せに用いるデータ領域数の変更、表面テクスチャに基づく選定等の他の選定手法の併用の有無に関する変更なども含まれる。
本実施の形態によれば、対象物体の形状によって選定基準を変更することにより、目標精度、目標処理時間を満たす組合せをより適切に選択することが可能となる。例えば、直方体形状の対象物体に対して、計測視野の関係から複数視点からの計測が行われ、かつ、各計測視点における計測データが角を含まない平面部のみであった場合などは、実施の形態1で述べた選定アルゴリズム1,2では、ユニーク性のある部分が存在しないことになる。しかし、平面3面があれば空間的な位置姿勢拘束条件となりうるので、こうした場合には法線方向が直交する平面3面を照合すべきデータ領域として抽出すればよい。選定基準変更手段11では、こうした場合に対応して、オペレータが対象物体に応じて特徴部分抽出手段16における選定閾値(又はアルゴリズム)や照合データ領域選定手段における選定基準を切り替えるように変更指示を与えることができ(ステップ33)、例えば、対象物体の平面部からあらかじめ決めておいた中央領域を選定するように動作させる。また、照合の際には、通常の照合と異なり、平面の法線方向の位置照合結果のみを有効な結果として用いるなどの動作制御が必要となるため、3次元照合手段12での照合動作も変更することが好ましい。本実施の形態のように、選定基準変更手段11を備えたことにより、処理の柔軟性を向上させることができる。
実施の形態3
図7は、本発明の実際の形態3に係る3次元物体照合装置の処理を示すフロー図である。実施の形態3では、実施の形態2においてオペレータが変更していた選定基準を、データ領域の選定結果に応じて選定基準変更手段が自動的に変更するようにする(ステップ41)。その他の点は、実施の形態2と同様である。
本実施の形態では、照合データ選定手段10でデータ領域の選定を行った結果、目標精度、目標処理時間を満たす組合せが得られなかった場合に、自動的に特徴部分抽出手段16における選定基準や照合データ領域選定手段における選定基準を切り替える(ステップ41)。この変更にあたっては、特徴部分抽出手段16において、実施の形態1で述べた選定基準1、2では初期候補群が得られない場合に、実施の形態2述べたような平面構成に応じた選定基準に自動的に変更して再度処理を行うように動作が制御する。また、選定基準変更手段11によって、実施の形態1における表面テクスチャに基づく選定の併用の有無を切替えても良い。
尚、本実施の形態では、照合データ領域選定手段10の選定結果に基づいてデータ選定基準を変更する場合について説明したが、図8に示すように、3次元データ照合手段12により照合した後(ステップ44)、照合結果の適否を判断して(ステップ45)、照合結果がエラー値である等、適切でない場合には選定基準変更手段11によって選定基準を変更しても良い(ステップ41’)。
実施の形態4
図9は、本発明の実際の形態4に係る3次元物体照合装置を示すブロック図であり、図10は、その処理を示すフロー図である。この実施形態では、図9に示すように、特徴部分抽出手段16で選定したデータ領域に対して、その後の照合処理計算に用いるデータ点数を削減するためのデータ点数削減手段19を備えている。例えば図10に示すように、特徴部分抽出手段によって選定した後(ステップ36)、選定した初期候補に対してデータ点数の削減を行う(ステップ37)。これにより、データ点数をすべて用いた場合には目標とする処理時間を実現できない場合にも、データ点数を減らして処理時間が短縮できるため、目標の処理時間の達成が可能となる。その他の点は、実施の形態3と同様である。
データ点数の削減方法としては、近接する点の平均代表点を用いる方法が一般的である。例えば、3次元データが平面状の各点に対する高さ情報のようなサーフェース形式である場合について説明する。データ点数が2×2の領域について1つの平均代表点を与える処理を行った場合、データ点数は1/4となる。照合対象となるデータ領域内の相互の点を総当りで照合するような手法であれば、この2乗、即ち1/16の計算量で済むため、照合処理を16倍高速化することが可能である。なお、データ削減のための平均化処理は近傍する2点で行なっても良いし、さらに拡大した領域、例えばデータ点数が4×4の領域やそれ以上の領域であっても良い。その他に、対象となる物体4の形状が比較的滑らかな変化を示す場合には、簡易的な間引き処理によってデータ点数を削減することも可能である。例えば、データ点数が2×2の領域や隣接2点のうちから1点を間引き抽出して用いることも可能である。なお、データ点が3次元空間上の格子点に存在するソリッドデータを扱う場合には、2×2×2領域のように3次元方向に隣接するデータに対して同様に処理すればよい。
ただし、これらの処理では照合点数が減るため、対象物体の形状を表すのに十分なデータ点数が得られない場合には照合精度の低下を生じる可能性がある。そこで、データ削減を行った後(ステップ37)、処理時間・精度評価手段によって予想される照合精度を算出し(ステップ38)、目標の照合精度に対して十分であるかどうかを検証する(ステップ40)。目標の照合精度が得られなかった場合には、選定基準変更手段11において、削減するデータ点数を変更して処理を繰り返す(ステップ40〜42)。これらの処理における照合精度の評価手順は実施の形態1と同様であり、実施の形態1では用いられるデータ点が削減処理される前のものであったのに対し、本実施例では削減処理された後のデータ点である点のみが異なる。本実施の形態によれば、データ点数削減によって高速度処理を実現しつつ、照合精度を維持できるという効果が得られる。
実施の形態5
図11は、本発明の実際の形態5に係る3次元物体照合装置の処理を示すフロー図である。本実施の形態では、実施の形態4におけるデータ点数削減処理が多重解像度にわたって実行される場合について、さらに「3次元照合手段」における利用方法も含めて説明する。本実施の形態におけるブロック図は、実施の形態4の図9と同じである。
実施の形態4では、データ点数削減手段におけるデータ点数の削減処理を1段階で行う場合について説明したが、本実施の形態ではデータ点数削減を異なるデータ削減率を用いて多段階で行い、多重解像度のデータを得る。例えば、特徴部分抽出手段によってデータ領域の初期候補の選定が終わった後(ステップ36)、初期候補のあるデータ領域に対して、まずデータ点数が2×2の領域で平均代表点を選定し、次に4×4領域で平均代表点選定し、さらに8×8領域で平均代表点を選定すると(ステップ37)、それぞれ1/4、1/16、1/64のデータ点数に削減した3種類のデータが得られたことになる。データ点数の削減率が高いほど低解像度となるため、上記の処理により多重解像度のデータが得られる。データ点数削減を行った後の多重解像度のデータに対して処理時間・精度評価を行い(ステップ38)、データ領域の選定を行う(ステップ40)。
ここで処理時間・精度の算定とそれらを目標照合精度や目標処理時間と比較する処理は各解像度ごとに行う。多重解像度処理の場合、異なる解像度に対して異なる目標照合精度を用いることが好ましい。即ち、低解像度データでの照合においては、低い位置精度で粗く位置推定できればよく、高解像度に移行するほど高い目標位置精度となり、最終的に所望の目標位置精度で位置・姿勢推定ができればよい。従って、本実施の形態においては、各解像度において目標とする照合精度を個別に指定可能とすることが好ましい。
そして3次元照合手段12において、上記処理によって選択されたデータ領域を用いて照合が行われる(ステップ44a〜44e)。この際、まず最も低解像度のデータのみを用いた照合が行われ、順次高解像度のデータを用いた照合処理が行われる。例えば、照合するデータの解像度が低解像度から高解像度までN段階(Nは1から始まる整数)に分かれていたとする。3次元データの照合を開始すると(ステップ44a)、まず初期解像度の段階を最も低いN=1に設定し(ステップ44b)、次に指定された1段階目の解像度データの照合処理を行い(ステップ44c)、次に設定された解像度の段階Nが最終解像度であるかを判断し(ステップ44d)、最終解像度でなければ解像度の段階を1つ増加してステップ44cに戻る一方(ステップ44e)、最終解像度であれば次の照合特性蓄積に進む。
ここで、低解像度で得られた照合結果を、より高解像度での照合の際に利用する。「照合結果」とは、照合位置だけであっても良く、照合度などの照合位置以外の情報を含んでいても良い。例えば、低解像度での照合によって得た照合位置を、次に行う高解像度での照合の照合初期値として用いることが好ましい。これにより、低解像度段階での少ないデータ点数で開始した照合処理結果を、より詳細なデータを持つ高解像度段階に引き継ぐことができ、処理速度の向上と精度維持を容易に両立させることができる。
尚、低解像度で得られた照合結果を、より高解像度での照合に利用する場合、照合位置に加えて照合度を引き継いでも良い。例えば、低解像度において複数の位置を推定した場合、各々の照合位置と照合度を合わせて高解像度での照合に引継ぎ、高解像度では照合度が高い照合位置から優先的に照合を進めることが考えられる。
実施の形態6
図12は、本発明の実際の形態4に係る3次元物体照合装置を示すブロック図であり、図13は、その処理を示すフロー図である。実施の形態5では、特徴部分抽出手段16で選定されたデータ領域に対してデータ点数を削減する場合について説明したが、本実施の形態では、予め多重解像度化された3次元データに対して、特徴部分抽出手段16でデータ領域の選定を行う場合について説明する。
照合すべき物体の形状によっては、低解像度において選定すべき特徴部分と高解像度において選定すべき特徴部分が異なる場合がある。特に、高い空間周波数成分の形状を持つ物体については、低解像度のデータではその特徴要素が失われるため、実施の形態5で行ったように高解像度データを基に選定した特徴部分については、低解像度データでは特徴が存在しない部分となっている場合がある。そこで本実施の形態においては、3次元データ蓄積手段8に蓄えられた3次元データから多重解像度データ生成手段9において多重解像度データを生成しておき、特徴部分の選定処理を各解像度データに対して行う。
例えば、図13に示すように、3次元データを蓄積した後(ステップ32)、多重解像度データ生成手段9による処理を開始する(ステップ35a)。生成する多重解像度データの解像度が低解像度から高解像度までN段階(Nは1から始まる整数)に分かれているとする。まず初期解像度の段階を最も低いN=1に設定し(ステップ35b)、次に指定された1段階目の解像度データの生成(データ削減)を行い(ステップ35c)、生成したデータに対して、誤差特性評価(ステップ34)、特徴部分抽出(ステップ36)、処理時間・精度評価(ステップ38)、照合用データ領域の選定(ステップ40)を行った後、設定された解像度の段階Nが最終解像度であるかを判断し(ステップ35d)、最終解像度でなければ解像度の段階を1つ増加してステップ35cに戻る一方(ステップ35
e)、最終解像度であれば次の照合特性蓄積に進む。その後の3次元データ照合手段における照合手順(ステップ44a〜44e)は、実施の形態5と同様に、低解像度データから高解像度データへと順次照合するとともに、低解像度データにおける照合結果を高解像度データにおける照合初期値として利用する。
ここで解像度毎の誤差精度評価、特徴部分抽出、処理時間・精度評価、及び照合用データ領域の選定は、先の実施の形態と同様にして行うことができる。但し、特徴部分抽出のステップ(ステップ36)では、解像度によって切り出すデータ領域の大きさ、選定アルゴリズム、閾値等を変更することが好ましい。例えば、解像度が低い場合には広いデータ領域を切り出し、解像度が上がるにしたがって切り出すデータ領域を狭くしていっても良い。特に、最も解像度が低い場合に切り出すデータ領域の大きさを対象物体の全体としておけば、後のデータ照合において有利である。即ち、3次元データ照合は最も低い解像度のデータから開始するが、照合開始時には物体の位置姿勢が予想できていない場合が多いため、照合に用いる3次元データが部分的なデータ領域であると標準3次元データから対応するデータ領域を切り出すことが難しい。そこで最も低い解像度では物体全体をデータ領域とすることにより、標準3次元データの全体と照合すれば良くなり、照合処理が容易となる。解像度が低い場合には、照合位置精度が低い代わりに単位面積あたりの処理時間が短くなるため、物体全体でデータ照合を行っても目標処理時間の達成が可能である。その後順次高い解像度になるに従って、データ領域を小さくしていけば、短い処理時間で高い照合精度を実現できる。以上の処理により、解像度毎に最適な部分を照合可能となり、多くの対象を簡易な手順で高速かつ高精度に照合可能になる。
実施の形態7
図14は、本発明の実際の形態7に係る3次元物体照合装置を示すブロック図であり、図15は、その処理を示すフロー図である。本実施の形態では、多重解像度データの生成と照合のみを行い、誤差特性評価や特徴部分抽出は行わない。即ち、3次元データ蓄積手段8に3次元データを蓄積した後(ステップ32)、多重解像度データ生成手段9において3次元データに対してデータ点数削減を異なるデータ削減率を用いて多段階で行い、多重解像度のデータを得る(ステップ35)。多重解像度データを得る手順は、実施の形態5で説明したのと同様である。そして3次元照合手段12において、多重解像度化された3次元データを用いて照合が行われるが(ステップ44a〜44e)、この際、まず低解像度データのみを用いた照合が行われ、順次高解像度データを用いた照合処理が行われる。この際、低解像度で得られた照合結果が、より高解像度での照合の際に利用される。具体的には、低解像度での照合位置や照合度が高解像度での照合初期値として用いられる。これにより、低解像度段階での少ないデータ点数で開始した照合処理結果を、より詳細なデータを持つ高解像度段階に引き継ぐことができ、処理速度の向上と精度維持を容易に両立させることができるという効果がある。
図1は、本件発明の実施の形態1に係る3次元物体照合装置の概略を示す模式図である。 図2は、本件発明の実施の形態1に係る3次元物体照合装置の構成を示すブロック図である。 図3は、本件発明の実施の形態1に係る3次元物体照合装置の処理フローを示すフロー図である。 図4は、センサ構造に由来する計測誤差を説明する模式図である。 図5は、本件発明の実施の形態2に係る3次元物体照合装置の構成を示すブロック図である。 図6は、本件発明の実施の形態2に係る3次元物体照合装置の処理フローを示すフロー図である。 図7は、本件発明の実施の形態3に係る3次元物体照合装置の処理フローを示すフロー図である。 図5は、本件発明の実施の形態3に係る3次元物体照合装置の別の処理フローを示すフロー図。 図9は、本件発明の実施の形態4に係る3次元物体照合装置の構成を示すブロック図である。 図10は、本件発明の実施の形態4に係る3次元物体照合装置の処理フローを示すフロー図である。 図11は、本件発明の実施の形態5に係る3次元物体照合装置の処理フローを示すフロー図である。 図12は、本件発明の実施の形態6に係る3次元物体照合装置の構成を示すブロック図である。 図13は、本件発明の実施の形態7に係る3次元物体照合装置の処理フローを示すフロー図である。 図14は、本件発明の実施の形態7に係る3次元物体照合装置の構成を示すブロック図である。 図15は、本件発明の実施の形態6に係る3次元物体照合装置の処理フローを示すフロー図である。
符号の説明
4 計測対象物体、 6 3次元データ取得手段、 8 3次元データ蓄積手段、 10 照合データ領域選定手段、 12 3次元データ照合手段、 14 誤差特性評価手段、 16 特徴部分抽出手段、 18 処理時間・精度評価手段。

Claims (10)

  1. 物体の立体形状を計測して3次元データを得る3次元データ取得手段と、
    取得した3次元データを蓄積する3次元データ蓄積手段と、
    取得した3次元データと参照すべき標準3次元データとの照合を行う3次元データ照合手段とを備えた3次元物体照合装置であって、
    さらに、前記3次元データの各計測点について計測誤差を推定する誤差特性評価手段と、
    前記3次元データから1以上のデータ領域を切り出し、所定の形状特徴値が閾値よりも大きなデータ領域を初期候補として選定する特徴部分抽出手段と、
    前記データ領域又は前記データ領域同士の組合せについて推定処理時間と推定照合精度を計算する処理時間・精度評価手段と、
    前記初期候補から、目標処理時間と目標照合精度を達成するデータ領域又はデータ領域同士の組合せを選定する照合データ領域選定手段とを備え、
    前記3次元データ照合手段が、前記照合データ領域選定手段の選定したデータ領域又はデータ領域同士の組合せについて標準3次元データとの照合を行うことを特徴とする3次元物体照合装置。
  2. 前記誤差特性評価手段が、前記3次元データ取得手段に由来する計測誤差を前記3次元取得手段と前記物体の相対位置から推定することを特徴とする請求項1に記載の3次元物体照合装置。
  3. 前記3次元データ取得手段が、前記物体に照射した光を受光器によって検出することによって立体形状を計測し、
    前記誤差特性評価手段が、前記物体表面で反射して前記受光器に向かう光線の割合に基づいて計測誤差を推定することを特徴とする請求項1又は2に記載の3次元物体照合装置。
  4. 過去に選定したデータ領域又はデータ領域同士の組合せを蓄積する照合特性蓄積手段を備え、前記照合データ領域選定手段が、前記照合特性蓄積手段に蓄積された情報に基づいてデータ領域又はデータ領域同士の組合せを選定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の3次元物体照合装置。
  5. 前記特徴部分抽出手段で用いる選定基準及び/又は前記照合データ領域選定手段で用いるデータ選定基準を変更する選定基準変更手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の3次元物体照合装置。
  6. 前記選定基準変更手段が、前記照合データ領域選定手段の選定結果又は前記3次元データ照合手段での照合結果に基づいて自動的に変更動作を行うことを特徴とする請求項5に記載の3次元物体照合装置。
  7. 前記3次元データ又はデータ領域から照合すべきデータ点数を削減するデータ点数削減手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の3次元物体照合装置。
  8. 前記3次元データ又はデータ領域から異なる削減率でデータ点数を削減することにより多重解像度化されたデータを生成する多重解像度データ生成手段を備え、
    前記3次元データ照合手段が、前記多重解像度データを低解像度データから高解像度データへと順次照合するとともに、低解像度データにおける照合結果を高解像度データにおける照合初期値として利用することを特徴とする請求項1乃至7に記載の3次元物体照合装置。
  9. 前記特徴部分抽出手段で用いる選定基準及び/又は前記照合データ領域選定手段で用いるデータ選定基準を変更する選定基準変更手段を備え、
    前記多重解像度データ生成手段が、削減率を変更しながら前記3次元データからデータ削減を繰り返すことにより多重解像度化されたデータを生成し、
    前記選定基準変更手段が、各解像度のデータについて、前記特徴部分抽出手段で用いる選定基準及び/又は前記照合データ領域選定手段で用いるデータ選定基準を変更しながら選定を繰り返すことを特徴とする請求項8に記載の3次元物体照合装置。
  10. 前記多重解像度データ生成手段が、削減率を変更しながら前記3次元データからデータ削減を繰り返すことにより多重解像度化されたデータを生成し、
    前記特徴部分抽出手段が、前記多重解像度化されたデータの解像度に応じて切り出すデータ領域の大きさを変えるとともに、前記解像度が最小であるときには前記3次元データの略全体からデータ領域を切り出すことを特徴とする請求項8又は9に記載の3次元物体照合装置。
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