JP4383094B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体に対して超音波を送受信して得たエコー信号に基づき、超音波画像を生成する超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波診断装置は、超音波を患者(被検体)の診断対象部位に送信し、診断対象部位からのエコー信号を受信するものであり、超音波プローブを内視鏡の処置具挿通用チャンネルに挿通して先端部を目的部位まで到達させ、腫瘍の浸潤度合いを観察するものがある。
今日、超音波プローブは、普及に伴って大腫瘍の深達度診断、粘膜下腫瘍診断、リンパ節への浸潤等も簡便に利用したいとの要望が上がっている。
【0003】
しかしながら、従来の超音波プローブは、振動子開口が狭く、また、周波数が高いこともあって、深達度が不足してしまっていた。
また、従来の超音波プローブは、単純に周波数を低く設定しても、超音波ビームが広がってしまい、深達度が向上しても、方位分解能が劣化するといった相反する現象があった。
【0004】
一方、これに対して、従来の超音波診断装置は、例えば、特開平7−23957号公報や特許第3241704号公報や特許第3244536号公報又は米国特許第5,331,855号公報や米国特許第6,159,153号公報に記載されているように複数の振動子エレメントで形成した超音波振動子アレイ(フェイズドアレイとも言う)を超音波振動子として用いたものが提案されている。
【0005】
上記特開平7−23957号公報に記載の超音波診断装置は、古野方式の電子走査型の原理に加え、超音波振動子アレイに送信する送信波をFM信号として更に圧縮率を向上したものが提案されている。
また、上記特許第3241704号公報に記載の超音波診断装置は、超音波振動子アレイに送信する送信波の低周波成分よりも高周波成分に対する実質的開口が狭くなるように駆動回路を制御して分解能を向上したものが提案されている。
【0006】
また、上記特許第3244536号公報に記載の超音波診断装置は、超音波振動子アレイの各エレメント毎に異なる周波数で駆動して超音波振動子アレイに送信波を送信するものが提案されている。
また、上記米国特許第5,331,855号公報に記載の超音波診断装置は、超音波振動子アレイで超音波走査して高速に超音波探傷するものが提案されている。
【0007】
また、上記米国特許第6,159,153号公報に記載の超音波診断装置は、超音波振動子アレイに送信する送信波を異なる周波数fで異なる方向に送信し、一方の超音波の送受信を時間を待たず、他方の超音波の送信を行い、これら双方の受信データを交互にフレームライン上で合成して画像化することで、分解能を考慮せずフレームレートを向上するものが提案されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−23957号公報
【0009】
【特許文献2】
特許第3241704号公報
【0010】
【特許文献3】
特許第3244536号
【0011】
【特許文献4】
米国特許第5,331,855号公報
【0012】
【特許文献5】
米国特許第6,159,153号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載の超音波診断装置においても、超音波プローブを用いる場合、診断可能な深達度の達成や内視鏡の処置具挿通用チャネル径に挿入可能なチャネル径に形成するために限界がある。
【0014】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、開口面積が制限されている超音波プローブを用いる場合においても、深達度の向上及び遠点方向の分解能の向上が可能な超音波診断装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の超音波診断装置は、回転駆動される回転方向に所定のピッチで複数の振動子エレメントを配列して形成し、前記複数の振動子エレメントの配列により前記回転方向に所定の開口幅を有する超音波振動子アレイと、
前記超音波振動子アレイを回転駆動する回転駆動部と、
前記超音波振動子アレイを回転駆動した場合における前記回転駆動部による前記所定のピッチに対応する回転角度の移動量に同期してタイミング信号を発生するタイミング信号発生回路と、
前記タイミング信号発生回路で発生したタイミング信号に基づき、前記回転角度の移動量の複数回分に相当する所定期間における前記回転角度の移動量毎となる複数回のタイミングにおいて、同一の1音線を形成するように前記超音波振動子アレイを形成する前記複数の振動子エレメントそれぞれに、超音波送信させる送信信号を出力する送信回路と、
前記超音波振動子アレイを形成する前記複数の振動子エレメントによる超音波受信して得た被検体からのエコー信号を前記タイミング信号発生回路で発生したタイミング信号に基づいて合成する場合、前記所定期間における前記同一の1音線を形成するように前記複数回の超音波送信に用いた前記複数の振動子エレメントを用いて受信した前記複数回のエコー信号を、1音線のエコー信号に合成する受信回路と、
を具備し、前記複数の振動子エレメントを用いて1音線当たりでの超音波送受信に用いた前記超音波アレイによる前記所定の開口幅から、前記所定期間における前記同一の1音線を形成するように前記複数回の超音波送信及び該複数回の超音波送信に対応した前記複数回の超音波受信に用いた前記超音波振動子アレイにおける前記回転方向の開口幅を拡大可能にしたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の1実施の形態を説明する。
図1ないし図13は本発明の1実施の形態に係わり、図1は本発明の1実施の形態を備えた超音波診断装置を示す全体構成図、図2は図1の超音波プローブ及び超音波観測装置の回路構成を示す回路ブロック図、図3は図2の振動子アレイを示す外観斜視図、図4は従来の超音波振動子及び図3の振動子アレイの広がり角を示す説明図であり、図4(a)は図3の振動子アレイの広がり角を示す説明図、図3(b)は従来の超音波振動子の広がり角を示す説明図、図5は図2の送信回路の回路構成を示す回路ブロック図、図6は振動子アレイの回転移動位置を示す説明図であり、図6(a)は移動前の振動子アレイの回転移動位置を示す説明図、図6(b)は1ピッチ移動後の振動子アレイの回転移動位置を示す説明図、図6(c)は2ピッチ移動後の振動子アレイの回転移動位置を示す説明図、図6(d)は3ピッチ移動後の振動子アレイの回転移動位置を示す説明図、図6(e)は4ピッチ移動後の振動子アレイの回転移動位置を示す説明図、図6(f)は5ピッチ移動後の振動子アレイの回転移動位置を示す説明図、図6(g)は6ピッチ移動後の振動子アレイの回転移動位置を示す説明図、図7は振動子アレイに印加する送信信号を示す説明図であり、図7(a)は一番上のエレメントの位置から超音波ビームを形成する際の振動子アレイに印加する送信信号を示す説明図、図7(b)は真ん中のエレメントの位置から超音波ビームを形成する際の振動子アレイに印加する送信信号を示す説明図、図7(c)は一番下のエレメントの位置から超音波ビームを形成する際の振動子アレイに印加する送信信号を示す説明図、図8は図7の振動子アレイで受信したエコー信号を入力される受信回路の動作を示す説明図、図9は隣合う音線に対しても走査する際の振動子アレイに印加する送信信号を示す説明図であり、図9(a)は3方向に超音波ビームを走査する際の送信信号を示す説明図、図9(b)は同図(a)の送信信号をエレメント毎に合成した際の送信信号を示す説明図、図10は図9の送信信号による振動子アレイで受信したエコー信号を入力される受信回路の動作を示す説明図、図11は各音線毎に周波数を異ならせた際の振動子アレイに印加する送信信号を示す説明図であり、図11(a)は3方向に超音波ビームを走査する際の送信信号を示す説明図、図11(b)は同図(a)の送信信号をエレメント毎に合成した際の送信信号を示す説明図、図12は図11の送信信号による振動子アレイで受信したエコー信号を入力される受信回路の動作を示す説明図、図13はコード化送信(チャープ送信)を行う際の送受信信号の波形を示すグラフであり、図13(a)は送信信号の波形を示すグラフ、図13(b)は受信信号(近距離(近点))の波形を示すグラフ、図13(c)は受信信号(遠距離(遠点))の波形を示すグラフ、図13(d)は同図(a)の送信波形の瞬時周波数を示すグラフ、図13(e)は同図(b)の受信信号(近距離(近点))のフィルタリング後の波形を示すグラフ、図13(f)は同図(c)の受信信号(遠距離(遠点))のフィルタリング後の波形を示すグラフである。
【0017】
図1に示すように本発明の1実施の形態の超音波診断装置1は、被検体内に挿入され、超音波の送受を行う超音波プローブ(超音波探触子とも言う)2と、この超音波プローブ2が着脱自在に接続され、超音波画像を構築する処理を行う超音波観測装置3と、この超音波観測装置3から出力される映像信号が入力されることにより超音波画像を表示するCRTや液晶モニタなどの表示装置であるモニタ4と、超音波観測装置3に対する設定指示等を行う操作設定部5とから構成される。
【0018】
超音波プローブ2は、被検体内等に挿入し易いように細長に形成した挿入部6と、この挿入部6の後端に設けた操作部(把持部)7とを有し、挿入部6の先端部8には超音波振動子として後述するように複数の振動子エレメント(以下、単にエレメント)で形成した超音波振動子アレイ(以下、振動子アレイ)9が内蔵されている。
超音波プローブ2は、挿入部6内を挿通したフレキシブルシャフト11の先端側に振動子アレイ9が取り付けられている。フレキシブルシャフト11は、この後端が操作部7に設けた回動駆動部12に接続されている。
【0019】
回動駆動部12は、振動子アレイ9を機械的に回転させる図示しないモータを有し、フレキシブルシャフト11を回転させることで振動子アレイ9を回動駆動する。
また、超音波プローブ2は、挿入部先端部8付近において、フレキシブルシャフト11の軸受け13で回転自在に支持された硬質のシャフト14を介して振動子アレイ9に接続されている。
【0020】
尚、超音波プローブ2は、挿入部先端部8が超音波を透過する音響キャップ15で覆われている。そして、振動子アレイ9の周囲は、超音波を伝達(伝播)する図示しない超音波伝播媒体で満たされている。尚、軸受け13は、超音波伝播媒体を音響キャップ15から後方側に漏れるのを防止するシール機能も有する。
超音波プローブ2は、フレキシブルシャフト11内部を挿通する信号線を介して振動子アレイ9が超音波観測装置3に電気的に接続されている。
【0021】
図2に示すように超音波プローブ2は、このプローブの種類を判定するためのコード情報を記憶したコード発生回路21を有している。そして、超音波プローブ2が超音波観測装置3に接続された際に、コード発生回路21は、そのコード情報を超音波観測装置3に出力するようになっている。
【0022】
そして、超音波プローブ2は、超音波観測装置3からのパルス状の送信信号を出力されると、この送信信号をリニアアンプ等の信号増幅回路22で線形増幅し、スリップリング等の信号伝達部23で振動子アレイ9に伝達される。そして、超音波プローブ2は、振動子アレイ9で発生する超音波を被検体側に送信し、被検体側で反射された反射超音波を受信して超音波エコー信号(以下、エコー信号)に変換し、このエコー信号を信号伝達部23で受信して信号増幅回路22で線形増幅し、超音波観測装置3に出力するようになっている。
【0023】
また、超音波プローブ2は、回動駆動部12内のモータの回転角度を検出するエンコーダ等の回転位置検出部24で回転角度をセンシングし、駆動制御回路25に出力するようになっている。
駆動制御回路25は、回転位置検出部24からのセンシング信号により、回動駆動部12の回転速度を一定に保つように、フィードバック制御する、所謂、サーボ回路を構成している。駆動制御回路25は、同時に超音波観測装置3の後述する制御部32に回転位置検出部24からのセンシング信号を出力するようになっている。
【0024】
超音波観測装置3は、超音波プローブ2のコード発生回路21から出力されるコード情報に基づき、プローブの種類を判別するコード判別回路31と、このコード判別回路31で判別した結果に基づき、装置全体を制御する制御部32を有して構成される。
超音波観測装置3の制御部32は、超音波プローブ2の回転位置検出部24からのセンシング信号に同期してタイミング信号を発生するようにタイミング信号発生回路(以下、TG)33を制御する。そして、TG33からのタイミング信号に基づき、送信回路34は、パルス状の送信信号を振動子アレイ9の各エレメントに送信する。
【0025】
そして、振動子アレイ9の各エレメントからのエコー信号を受信した受信回路35は、TG33からのタイミング信号に基づいてエコー信号を合成し、この合成信号をデジタルスキャンコンバータ(DSCと略記)36に出力する。
DSC36は、スキャンコンバート(放射状の走査から所望のテレビジョン方式の画像信号に変換)してモニタ4に出力し、このモニタ4の表示画面に超音波画像を表示させる。尚、超音波観測装置3は、操作設定部5の操作によって、振動子アレイ9におけるフォーカスポイントの設定をユーザが自在にコントロール可能となっている。
【0026】
本実施の形態では、振動子アレイ9は、例えば、図3に示すように回転方向に対して3つの振動子エレメント9a〜9cで3分割に形成されている。この振動子アレイ9は、回転軸方向に対してアレイ形状に形成されているので、回転させることにより、後述するように同一音線を複数回送受信できるようになっている。
【0027】
振動子アレイ9の各エレメント9a〜9cは、それぞれ挿入軸方向に対して厚みが不均一になるようにプラノコンケーブ(平凹)形状に形成されている。このプラノコンケーブ(平凹)形状は、図4(a)に示すように挿入軸方向の中心位置近辺が相対的に薄く、端辺が相対的に厚くなっている。
ここで、従来の超音波振動子101は、図4(b)に示すように挿入軸方向に対し、均一の振動子であるため、近距離(近点)での開口面積が大きくなってしまう。
【0028】
ここで、従来の超音波プローブを図14及び図15に示す。
図14は、従来の超音波プローブの先端側を示す断面図、図15は図14の超音波振動子の超音波指向性(ビームプロファイル)を示し、図15(a)は超音波プローブの回転方向に対する超音波指向性(ビームプロファイル)を示す説明図、図15(b)は超音波プローブの挿入軸方向に対する超音波指向性(ビームプロファイル)を示す説明図である。
【0029】
図14に示すように従来の超音波プローブ100は、超音波を透過する略円筒状の音響キャップ100a内に単一の超音波振動子101が配設されている。この音響キャップ100aは、超音波振動子101の周囲を例えば水等の超音波伝播媒体で充填されている。
【0030】
そして、超音波振動子101は、超音波観測装置(不図示)からの送信信号により図に示す通り円周方向に超音波ビームを送受信するようになっている。
【0031】
そして、超音波診断装置は、超音波振動子で受信した例えば、1周0〜511までの512音線データを取得し、超音波観測装置により超音波画像を得るようになっている。
【0032】
ここで、超音波振動子は、超音波指向性(ビームプロファイル)が図15(a)及び図15(b)に示すようになっている。
図15(a)に示すように超音波振動子は、回転方向に対する超音波指向性(ビームプロファイル)がθ1である。また、図15(b)に示すように超音波振動子は、挿入軸方向に対する超音波指向性(ビームプロファイル)がθ2である。
【0033】
この超音波ビームの広がり角度θ1,θ2は、次式のようになる。
θ1,θ2=C/(f×d)…(1)
C:音速、f=駆動周波数、d=開口幅
ここで、超音波振動子は、外形を例えば、2mm(回転方向)×4(挿入方向)mmとする。
【0034】
また、深達度を向上させるために、超音波振動子の駆動周波数を5MHzと設定した場合、振動子での回転方向の広がり角度θ1は、
θ1=1530m/s / (5MHz・2mm)
=8.8度
となる。
但し、水中での音速は1530m/sとする。
【0035】
そして、超音波画像を構成するラジアル方向の音線数を512本とした場合の走査線の角度は、
θr=360° /512
=0.7度
となる。
【0036】
すると、超音波ビームは、近距離(近点)では問題なく収束するが、遠距離(遠点)では発散してしまう。
このため、従来の超音波診断装置は、単一の超音波振動子を用いる場合、広がり角度θを小さくする必要がある。
【0037】
従って、従来の超音波診断装置は、単一の超音波振動子を用いる場合、広がり角度θを小さくするため、駆動周波数fを大きくするか、開口幅dを大きくする必要がある。
しかしながら、超音波診断装置は、超音波プローブを用いる場合、診断可能な深達度の達成や内視鏡の処置具挿通用チャネル径に挿入可能なチャネル径に形成するために限界がある。
【0038】
一般に、超音波プローブ2は、挿入軸方向に関しては、回転軸方向より自由度が高く、ある程度長さを取ることが可能である。
ここで、挿入軸方向の振動子長を約6mmとする。開口径6mm、周波数5MHzとすると、広がり角θ1は、上述した式(1)により、θ1=2.9度となる。これは、超音波内視鏡の広がり角度とほぼ同じであり、遠方でのビームの広がりを許容できる。
【0039】
しかしながら、開口が6mmと大きくなると、従来の超音波振動子101は、近距離(近点)での超音波ビームの形状が広がり、超音波プローブの近距離(近点)分解能の良さが欠如してしまう。
このため、本実施の形態の振動子アレイ9は、超音波プローブ2の挿入軸方向に対して、各エレメント9a〜9cの厚みが不均一になるプラノコンケーブ形状を採用している。
【0040】
このことにより、振動子アレイ9は、各エレメント9a〜9cの挿入軸方向の厚みが部分的に異なるので、それぞれの共振周波数が異なるように形成できる。そして、振動子アレイ9は、送信時広帯域周波数で送信し、受信時に周波数的に重み付けを行うことで、受信開口を可変し、近距離(近点)から遠距離(遠点)まで細いビーム形状により走査可能となる。
このため、振動子アレイ9は、近距離(近点)では、高い周波数で受信し、遠距離(遠点)では、低い周波数で受信することで、振動子開口を近距離(近点)では小さく、遠距離(遠点)では大きくすることが可能となる。
【0041】
従って、超音波観測装置3は、回転軸方向に対して振動子アレイ9の実質開口を拡大可能であり、且つ受信回路35での後述するフィルタ処理を各エレメント9a〜9cのプラノコンケーブ(平凹)形状に合わせることにより、振動子アレイ9の開口を挿入軸方向に対して可変可能となっている。
【0042】
そして、本実施の形態では、後述するように送信回路34は1音線に対して複数回の超音波送信を行うように振動子アレイ9の各エレメント9a〜9cに対してそれぞれ送信信号を出力するようになっていると共に、受信回路35は振動子アレイ9の各エレメント9a〜9cで受信して得た、1音線に対する複数回の超音波送信による被検体からのエコー信号を合成するようになっている。
【0043】
図5に示すように受信回路35は、受信したエコー信号を周波数分離して所望の周波数のエコー信号を取り出すBPF( Band Pass Filter )回路41と、このBPF回路41で分離されたエコー信号を図示しないA/DコンバータでA/D変換後、ダイナミックフォーカスするために遅延するDL( Delay Line )42と、このDL42で遅延されたエコー信号を合成加算する加算器43と、この加算器43で合成した信号を周波数毎に選択するセレクタ44と、このセレクタ44で選択された信号を周波数毎に重み付けするWeight回路45と、このWeight回路45で重み付けされた信号を一時、格納保持するSLM( Sub Line Memory )46と、このSLM46で把持された信号を周波数毎に合成加算する加算器47と、この加算器47で合成した信号を各エレメント9a〜9c毎に選択するセレクタ48と、このセレクタ48で選択された信号を音線毎に格納するLM( Line Memory )49とで構成されている。
【0044】
また、振動子アレイ9は、図6(a)〜図6(g)に示すように回転方向のビーム開口を広げるようになっている。図6(a)〜図6(g)は、振動子アレイ9が少しずつ512分割の角度で回転し、移動している様子を示す。説明を単純化するために、振動子アレイ9のピッチと、機械的な回転のラジアルピッチをdとし同一にする。
【0045】
そして、振動子アレイ9は、図6(c)の位置で両端のエレメント9a,9cを同位相に制御すれば、図6(c)のエレメント9bの位置に超音波ビームが形成されるようになっている。この図6(c)の状態で、実線矢印位置に超音波ビームを形成するためには、各エレメント9a〜9cの位相をコントロールする必要がある。尚、位相のコントロール方法については、後述する。
【0046】
図6(c)の位置で、振動子アレイ9は、先ず位相制御され、実線矢印位置に超音波ビームを形成する。そして、図6(d)の位置で、振動子アレイ9は、アレイの中心位置(実線矢印)に位相制御されて、超音波ビームを形成する。
また、次の図6(e)の位置で、振動子アレイ9は、アレイの中心位置(実線矢印)に位相制御されて、超音波ビームを形成する。
【0047】
このように振動子アレイ9は、図6(c)〜図6(e)までの間で実線矢印で示すように、図6(c)ではエレメント9aの位置で、図6(d)ではエレメント9bの位置で、図6(e)ではエレメント9cの位置で、同一音線上に3本の超音波ビームを形成するようになっている。一点鎖線及び点線の矢印も、実線矢印の場合と同等の関係を示している。
尚、これら超音波ビームの合成方法は後述するが、上記同一音線データを合成することにより、振動子アレイ9の移動を含めた開口幅(開口とも言う)をD1の大きさに拡大できる。
本実施の形態では、上記のように振動子アレイ9をメカニカルに回転移動させることで、3つのエレメントの場合の開口Dからより大きい開口D1に拡大可能となっている。
【0048】
次に、実際に上記における超音波ビームの広がり角度を比較する。
振動子アレイ9の開口Dを2mm、送信周波数を5MHzとした場合、広がり角度θdは、
θd=音速/(周波数・開口)=8.8度
となる。
【0049】
ここで、開口がDからD1に拡大されると、実施開口は1.67倍に拡大される。よって、開口D1時の超音波ビームの広がり角度θdlは、5.3度と開口の拡大に応じて、広がり角度が縮小される。
そして、上記音線位置に超音波ビームを形成するために、各エレメント9a〜9cに対する送信信号のタイミングを図示したようにコントロールする必要がある。
【0050】
次に、図7を用いて、振動子アレイ9に印加する送信信号の位相制御について説明する。図7(a)〜図7(c)は、振動子アレイ9に印加する送信信号を示す。
これら図7(a)〜図7(c)は、図6(b)〜図6(d)の一点鎖線矢印方向に超音波ビームを形成する方法を示しており、一点鎖線矢印の同一ライン上において、図7(a)は図6(b)に対応し、図7(b)は図6(c)に対応し、図7(c)は、図6(d)に対応している。
【0051】
図7(a)に示すように振動子アレイ9は、送信回路34からの送信信号を一番下のエレメント9cに比べて一周期遅れで真ん中のエレメント9bに送信し、且つ真ん中のエレメント9bに比べて二周期遅れで一番上のエレメント9aに送信することで、一番上のエレメント9aの位置から超音波ビームを形成するようになっている。
【0052】
また、図7(b)に示すように振動子アレイ9は、送信回路34からの送信信号を両端のエレメントと同じ周期で、且つこれら両端のエレメントに比べて一周期遅れで真ん中のエレメント9bに送信することで、真ん中のエレメント9bの位置から超音波ビームを形成するようになっている。
【0053】
更に、図7(c)に示すように振動子アレイ9は、送信回路34からの送信信号を一番上のエレメント9aに比べて一周期遅れで真ん中のエレメント9bに送信し、且つ真ん中のエレメント9bに比べて二周期遅れで一番下のエレメント9cに送信することで、一番下のエレメント9cの位置から超音波ビームを形成するようになっている。
【0054】
そして、送信回路34は、図6(a)の走査位置(回転位置)から図6(b)の走査位置(回転位置)に振動子アレイ9が物理的に移動した際に、図7(a)に示すように位相制御して超音波ビームの送受信制御を行うようになっている。
【0055】
また、送信回路34は、図6(b)の走査位置(回転位置)から図6(c)の走査位置(回転位置)に振動子アレイ9が物理的に移動した際に、図6(b)と図6(c)とで作る音線位置が同一になったとき、図7(b)に示すように位相制御して超音波ビームの送受信制御を行うようになっている。
【0056】
更に、送信回路34は、図6(c)の走査位置(回転位置)から図6(d)の走査位置(回転位置)に振動子アレイ9が物理的に移動した際に、図6(b)と図6(c)と図6(d)とで作る音線位置が同一になったとき、図7(c)に示すように位相制御して超音波ビームの送受信制御を行うようになっている。
【0057】
そして、超音波診断装置1は、上述したように送信回路34が振動子アレイ9に印加する送信信号を位相制御することで、図7(a)〜図7(c)の動作により、振動子アレイ9が1音線に対して超音波ビームを送信する。そして、超音波診断装置1は、被検体から反射してきたそれぞれの超音波ビームを振動子アレイ9の各エレメント9a〜9cで受信して1音線に対するエコー信号を得るようになっている。
そして、超音波診断装置1は、1音線に対する3つの超音波ビームのそれぞれに対して得たエコー信号を受信回路35で合成するようになっている。
【0058】
次に、図8を用いて、1音線に対するエコー信号の合成方法について説明する。図8は、受信回路35の1音線に対する合成動作を説明するための概略説明図である。
図8に示すように受信回路35は、先ず、1音線に対する1番目の走査位置(回転位置)において、振動子アレイ9の各エレメント9a〜9cで受信して得たエコー信号をそれぞれA/D変換してDL42(DL0〜DL2)に入力する。DL42(DL0〜DL2)では、時間に応じて位相制御して遅延し、次段の加算器43でこれら各エレメント9a〜9cからのエコー信号を合成加算する。そして、合成されたエコー信号は、セレクタ44で選択されてSLM046に一時、格納保持される。
【0059】
同様に、受信回路35は、1音線に対する2番目の走査位置(回転位置)において、振動子アレイ9の各エレメント9a〜9cで受信して得たエコー信号をA/D変換後、DL42(DL0〜DL2)で遅延して次段の加算器43で合成加算し、セレクタ44で選択してSLM146に一時、格納保持する。
【0060】
同様に、受信回路35は、1音線に対する3番目の走査位置(回転位置)におおいて、振動子アレイ9の各エレメント9a〜9cで受信して得たエコー信号をA/D変換後、DL42(DL0〜DL2)で遅延して次段の加算器43で合成加算し、セレクタ44で選択してSLM246に一時、格納保持する。
【0061】
そして、これらSLM46(SLM0〜SLM2)に格納保持された上記時分割され、同一音線にて受信されたエコー信号を次段の加算器47で合成加算することで、受信回路35は1音線に対するエコー信号を得るようになっている。そして、受信回路35は、合成した1音線分のエコー信号をLM49に格納する。
【0062】
このように超音波観測装置3は、振動子アレイ9を物理的に移動させ、時分割になっている同一音線上のデータを加算合成して、1音線データを生成するようになっている。このことにより、超音波観測装置3は、振動子アレイ9の実質開口を拡大することが可能となる。
尚、上記図8までは、1音線に特化して説明したが、実際には隣合う音線に対しても走査する必要がある。
【0063】
次に、図9及び図10を参照して、実際での走査方法を説明する。
図9(a)に示すように振動子アレイ9は、一点鎖線、実線、点線矢印の3方向に超音波ビームを走査する。
点線矢印に超音波ビームを発生させる場合、送信回路34は、一点鎖線のタイミングで振動子アレイ9の各エレメント9a〜9cに送信信号を印加する必要がある。
【0064】
同時に、実線の超音波ビームを発生させる場合、送信回路34は、実線で示すタイミングで送信信号を印加する。また、点線の矢印方向に超音波ビームを発生させる場合、送信回路34は、点線で示すタイミングで送信信号を印加する。
尚、フレームレートを遅くして良い場合には、送信回路34は、図9(b)に示すように3音線を形成して同時に多方向へ超音波ビームを生成するようにそれぞれの送信信号を合成して振動子アレイ9の各エレメント9a〜9cに印加すれば良い。
【0065】
そして、受信回路35は、図10に示すように一点鎖線、実線、点線矢印の3方向に1音線に対する3つの超音波ビームのそれぞれに対して得たエコー信号を合成するようになっている。
尚、これら一点鎖線、実線、点線矢印の3方向からのエコー信号の合成は、LM49(LM0〜LM2)へ入力される際にセレクタ48で入力方向を選択される以外は、上述した図8とほぼ同様な動作であるので説明を省略する。
【0066】
次に、図11及び図12を用いて、同時多方向へ超音波ビームを送受信する方法を説明する。尚、この場合、基本的には図9及び図10と同じであるが、合成送信信号による合成受信信号を分離するために、各音線毎に周波数を異ならせ、受信時に周波数を分離することにより、同時送信可能とする。
【0067】
図11(a)に示すように振動子アレイ9は、周波数5MHzで生成された一点鎖線の送信信号が送信回路34から入力されて各エレメント9a〜9cを駆動され、一点鎖線矢印方向へ超音波ビームを形成するようになっている。
また、振動子アレイ9は、周波数10MHzで生成された実線の送信信号が送信回路34から入力されて各エレメント9a〜9cを駆動され、実線矢印方向へ超音波ビームを形成するようになっている。
【0068】
更に、振動子アレイ9は、周波数7.5MHzで生成された点線の送信信号が送信回路34から入力されて各エレメント9a〜9cを駆動され、点線矢印方向へ超音波ビームを形成するようになっている。
そして、送信回路34は、上記一点鎖線、実線、点線矢印の送信信号を図11(b)に示すように合成し、この合成送信信号を振動子アレイ9の各エレメント9a〜9cに出力して振動子アレイ9を駆動するようになっている。
【0069】
以上のように、合成された送信信号は、複数の音線を形成する。
図11に示すように受信回路35は、振動子アレイ9の各エレメント9a〜9cで受信して得たエコー信号をそれぞれBPF回路41により周波数分離を行い、所望の周波数をとり出す。
【0070】
ここで、一点鎖線の音線を合成するには、5MHzの周波数成分を取り出し、DL42(DL0〜DL2)により受信してダイナミックフォーカスを行う。
そして、5MHzのみを取り出して合成加算した受信信号は、他の10,7.5MHz成分が取り除かれ、指向特性が改善されてS/Nの良い信号となる。
【0071】
尚、図示はしないが、合成受信信号を分離する方法として、合成送信信号をコード化して送信を行っても良い。この場合、周波数分離時に周波数を変更したのと同様にコードを変更する必要がある。また、受信時には、畳み込みを行うために、送信時のコードで畳み込み処理を行う。上記のようにコード化された信号は、S/N良く復調され、DL42にて位相整合されるようになっている。
【0072】
加算合成されたエコー信号は、セレクタ44によりSLM046が選択される。SLM046の前段には、Weight回路45が設けられ、重み付けがされる。本実施の形態では、重み付けは、例えば時間的に増幅率の係数が変化するように設定されている。
Weight回路45により、例えば、時間的に早い段階では、10MHzの信号に重きが置かれ、時間の経過と共に、7.5MHz、10MHzと重み付けが変化するようになっている。
【0073】
このように重み付けの変化を持たせるために、セレクタ44では、以下のような選択処理が施される。
・5MHz(振動子端部音線)→時間経過と共に、重み付けは大きくなる。→SLM046を選択する。
・10MHz(振動子中央音線 振動子移動時、次の音線)→時間経過と共に重み付けは減少→SLM246を選択する。
・7.5MHz(振動子端部音線 振動子移動時、次の次の音線)→時間経過に関わらず重み付けはほぼ一定。→SLM146を選択する。
【0074】
上記のようにWeight回路45で重み付けされたエコー信号は、セレクタ44によりSLM46(SLM0〜SLM2)のどれかにそれぞれ選択され、振動子アレイ9の移動と共にデータが格納される。
そして、受信回路35は、SLM46(SLM0〜SLM2)までにデータを格納した時点で、これらデータを次段の加算器47で合成し、(セレクタ48で選択して)LM249に格納する。
【0075】
次に、振動子アレイ9は、メカニカル機構により物理的位置が移動され、次の音線上に位置される。次の音線上に位置された場合でも、振動子アレイ9は、位相制御され、前と同じ音線(同一音線)上を走査する。そして、振動子アレイ9は、1音線に対してそれぞれ3回同じ音線を走査し、3データをSLM0〜2に格納する。そして、受信回路35は、振動子アレイ9の各エレメント9a〜9cで受信した3音線データを、SLM46(SLM0〜SLM2)に格納する。SLM46(SLM0〜SLM2)にデータが全て格納されると、受信回路35は、各SLM46(SLM0〜SLM2)からのデータを合成し、(セレクタ48で選択して)LM149に合成データを格納する。
【0076】
同様に、振動子アレイ9は、メカニカル機構により物理的位置が移動され、3番目の音線上に位置され、前と同じ音線(同一音線)上を走査する。そして、振動子アレイ9は、それぞれ3回同じ音線を走査する。そして、受信回路35は、振動子アレイ9の各エレメント9a〜9cで受信した3音線データを、SLM46(SLM0〜SLM2)に格納する。SLM46(SLM0〜SLM2)にデータが全て格納されると、受信回路35は、各SLM46(SLM0〜SLM2)からのデータを合成し、(セレクタ48で選択して)LM049に合成データを格納する。
【0077】
そして、受信回路35は、LM49(LM0〜LM2)に格納されたデータを1フレーム分蓄えて保持し、DSC36へ出力する。
DSC36は、受信回路35からの1フレーム分のエコー信号をスキャンコンバート(放射状の走査から所望のテレビジョン方式の画像信号に変換)してモニタ4に出力する。モニタ4は、スキャンコンバートされたデータを表示処理して表示画面に超音波画像を表示する。
【0078】
尚、送信回路34は、上述したように周波数分離の他に、コード化送信(チャープ波送信含む)を行うことにより、単一方向のみならず、多方向に同時送信可能な構成となっている。
従来の一般的な送信信号は単一周波数であり、この単一周波数を送受信して画像形成している。
【0079】
送信回路34は、コード化送信として例えば、図13(a)に示すようなチャープ送信を行っている。チャープ送信は、所定帯域を有する周波数を時間と共に遷移させた送信信号であり、例えば、送信開始時は周波数が低く、送信終了時は周波数が高くなっている。尚、図13(d)は、図13図(a)の送信信号の瞬時周波数を示している。
【0080】
この場合、受信回路35は、近距離(近点)では図13(b)に示すように受信し、遠距離(遠点)では図13(c)に示すように受信している。
そして、受信回路35は、図13(a)の送信信号と同じ形の参照波形を用いて受信信号の参照波との一致性を演算(コンボリューション)処理してフィルタリングし、近距離(近点)では図13(e)に示すように受信信号を得、遠距離(遠点)では図13(f)に示すように受信信号を得る。
これにより、超音波診断装置1は、時間的に長い信号でも分解能良い超音波画像を得られる。
【0081】
尚、本実施の形態では、受信回路35は、同一音線データを複数回取得し、合成加算可能な構成とし、振動子アレイ9の回転方向開口を実質より拡大可能として遠距離(遠点)での超音波ビームの方位分解能を改善するように構成しているが、本発明はこれに限定されず、送信回路34で送信信号の周波数をBPF回路41により分離するようにし、分離した音線データを時間軸をパラメータとして重み付け、加算し近距離(近点)から遠距離(遠点)までの超音波ビームの特性を改善するように構成しても良い。この場合、受信回路35は、コード化送信による、各音線毎のデータの分離において、畳み込みによりデータ圧縮して、位相整合、加算合成を行う。
【0082】
また、本実施の形態では、簡単化のために振動子アレイ9のピッチと、メカニカルな回転移動量とを同じにしたが、これらが決して同じ必要はなく、エンコーダ信号及び、既知の振動子形状から音線合成することは簡単である。
この場合、回動駆動部12は、ステップ動作のモータが好ましく、一定位置に振動子アレイ9を保持することが可能であれば、決して同時送信する必要はない。
【0083】
この結果、本実施の形態の超音波診断装置1は、プローブの回転軸方向に対して、振動子開口の拡大ができ、遠距離(遠点)方向の分解能の向上が可能となる。また、本実施の形態の超音波診断装置1は、プローブの挿入軸方向に対して、振動子開口の可変可能で、感度向上のため長径拡大しても、近距離(近点)分解能の向上が図れる。
これにより、本実施の形態の超音波診断装置1は、開口面積が制限されている超音波プローブを用いる場合においても、深達度の向上及び遠点方向の分解能の向上が可能となる。
【0084】
尚、本実施の形態では、3つの振動子エレメント9a〜9cで3分割に形成されている振動子アレイ9を用いて構成しているが、本発明はこれに限定されず、3つ以上の振動子エレメントで振動子アレイを形成しても構わない。
また、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【0085】
[付記]
(付記項1) 複数の振動子エレメントで形成した超音波振動子アレイと、
前記超音波振動子アレイを回動駆動する回動駆動部と、
前記回動駆動部による回転角度に同期してタイミング信号を発生するタイミング信号発生回路と、
前記タイミング信号発生回路で発生したタイミング信号に基づき、1音線に対して複数回の超音波送信を行うように前記超音波振動子アレイの各振動子エレメントに対してそれぞれ送信信号を出力する送信回路と、
前記超音波振動子アレイの各振動子エレメントで受信して得た被検体からのエコー信号を前記タイミング信号発生回路で発生したタイミング信号に基づいて合成する受信回路と、
を具備し、前記超音波振動子アレイの実質開口を拡大可能に構成したことを特徴とする超音波診断装置。
【0086】
(付記項2) 前記超音波振動子アレイの各振動子エレメントは、プラノコンケーブ形状を有することを特徴とする付記項1に記載の超音波診断装置。
【0087】
(付記項3) 複数の振動子エレメントが順次並べられた超音波振動子アレイと、
前記超音波振動子アレイを回転駆動して生成される各音線毎に所定のタイミングで複数回の超音波の送信を行う送信回路と、
前記送信回路により複数回送信のなされた前記音線の超音波エコー信号を前記タイミングに基づいて前記超音波振動子アレイの開口に対して実質開口を拡大可能に合成する受信回路と、
を具備したことを特徴とする超音波診断装置。
【0088】
(付記項4) 前記超音波振動子アレイの各振動子エレメントは、プラノコンケーブ形状を有することを特徴とする付記項1に記載の超音波診断装置。
【0089】
(付記項5) 超音波プローブと、
複数のエレメントにより構成した超音波振動子アレイと、
前記超音波振動子アレイを回転させる駆動部と、
回転角度に同期するタイミング信号発生回路と、
前記タイミング信号発生回路により、1音線に対して複数回送信を行う送信回路と、
前記複数回送信を行った音線からのエコーを合成する受信回路と、
を具備し、
前記超音波振動子アレイの開口より実質開口を拡大可能としたことを特徴とする超音波診断装置。
【0090】
(付記項6) 前記超音波振動子アレイに対し送信を行う送信タイミングは、複数のエレメントに対し、て同時に送信することを特徴とする付記項5に記載の超音波診断装置。
【0091】
(付記項7) 前記超音波アレイの各振動子エレメントは、厚みが不均一であるプラノコンケーブ形状を有することを特徴とする付記項5に記載の超音波診断装置。
【0092】
(付記項8) 前記送信回路は、任意周波数選択可能であり、
前記プラノコンケーブ形状を持つ超音波振動子アレイに対して可変開口可能な構造とする付記項7に記載の超音波診断装置。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、開口面積が制限されている超音波プローブを用いる場合においても、深達度の向上及び遠点方向の分解能の向上が可能な超音波診断装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施の形態の超音波診断装置を示す全体構成図
【図2】図1の超音波プローブ及び超音波観測装置の回路構成を示す回路ブロック図
【図3】図2の振動子アレイを示す外観斜視図
【図4】従来の超音波振動子及び図3の振動子アレイの広がり角を示す説明図
【図5】図2の送信回路の回路構成を示す回路ブロック図
【図6】振動子アレイの回転移動位置を示す説明図
【図7】振動子アレイに印加する送信信号を示す説明図
【図8】図7の振動子アレイで受信したエコー信号を入力される受信回路の動作を示す説明図
【図9】隣合う音線に対しても走査する際の振動子アレイに印加する送信信号を示す説明図
【図10】図9の送信信号による振動子アレイで受信したエコー信号を入力される受信回路の動作を示す説明図
【図11】各音線毎に周波数を異ならせた際の振動子アレイに印加する送信信号を示す説明図
【図12】図11の送信信号による振動子アレイで受信したエコー信号を入力される受信回路の動作を示す説明図
【図13】コード化送信(チャープ送信)を行う際の送受信信号の波形を示すグラフ
【図14】従来の超音波プローブの先端側を示す断面図
【図15】図14の超音波振動子の超音波指向性(ビームプロファイル)を示す図
【符号の説明】
1…超音波診断装置
2…超音波プローブ
3…超音波観測装置
4…モニタ
5…操作設定部
9…振動子アレイ(超音波振動子アレイ)
31…コード判別回路
32…制御部
33…TG(タイミング信号発生回路)
34…送信回路
35…受信回路
36…DSC(デジタルスキャンコンバータ)
41…BPF( Band Pass Filter )回路
42…DL( Delay Line )
43,47…加算器
44,48…セレクタ
45…Weight回路
46…SLM( Sub Line Memory )
49…LM( Line Memory )
Claims (2)
- 回転駆動される回転方向に所定のピッチで複数の振動子エレメントを配列して形成し、前記複数の振動子エレメントの配列により前記回転方向に所定の開口幅を有する超音波振動子アレイと、
前記超音波振動子アレイを回転駆動する回転駆動部と、
前記超音波振動子アレイを回転駆動した場合における前記回転駆動部による前記所定のピッチに対応する回転角度の移動量に同期してタイミング信号を発生するタイミング信号発生回路と、
前記タイミング信号発生回路で発生したタイミング信号に基づき、前記回転角度の移動量の複数回分に相当する所定期間における前記回転角度の移動量毎となる複数回のタイミングにおいて、同一の1音線を形成するように前記超音波振動子アレイを形成する前記複数の振動子エレメントそれぞれに、超音波送信させる送信信号を出力する送信回路と、
前記超音波振動子アレイを形成する前記複数の振動子エレメントによる超音波受信して得た被検体からのエコー信号を前記タイミング信号発生回路で発生したタイミング信号に基づいて合成する場合、前記所定期間における前記同一の1音線を形成するように前記複数回の超音波送信に用いた前記複数の振動子エレメントを用いて受信した前記複数回のエコー信号を、1音線のエコー信号に合成する受信回路と、
を具備し、前記複数の振動子エレメントを用いて1音線当たりでの超音波送受信に用いた前記超音波アレイによる前記所定の開口幅から、前記所定期間における前記同一の1音線を形成するように前記複数回の超音波送信及び該複数回の超音波送信に対応した前記複数回の超音波受信に用いた前記超音波振動子アレイにおける前記回転方向の開口幅を拡大可能にしたことを特徴とする超音波診断装置。 - 前記超音波振動子アレイの各振動子エレメントは、プラノコンケーブ形状を有することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
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