JP4382047B2 - キャリッジアセンブリの組立方法 - Google Patents
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Description
ボール20をかしめ孔12bに圧入する際には、かしめによる変形が生じるから、従来はかしめツール22に超音波振動を作用させ、ボール20をかしめ孔12bに圧入する際の応力を低減させるようにして、サスペンション12等に変形が生じないようにしている。
すなわち、キャリッジアームの取り付け孔とサスペンションに設けられたかしめ部とを位置合わせして、キャリッジアームにサスペンションをセットし、かしめツールに超音波振動を作用させて、前記かしめ部に設けられたかしめ孔にボールを圧入して通過させることにより、キャリッジアームにサスペンションをかしめ固定するキャリッジアセンブリの組立方法において、前記かしめ部のかしめ孔の内周面に溝加工が施されたサスペンションを使用し、前記かしめツールにより前記ボールをかしめ孔に圧入してキャリッジアームにサスペンションをかしめ固定することを特徴とする。
(キャリッジアセンブリの組立方法)
図1は本発明に係るキャリッジアセンブリの組立方法の一実施形態を示す説明図である。本実施形態のキャリッジアセンブリの組立方法においては、前述したボール20使用してサスペンション12をキャリッジアーム10にかしめ固定する。図1は、超音波発生装置40に設けられた超音波ホーンであるかしめツール22によりボール20をかしめ部に圧入してサスペンション12をキャリッジアーム10にかしめ固定する状態を示す。
図2では、かしめツール22によりボール20をサスペンション12のかしめ孔に圧入して、キャリッジアーム10にサスペンション12をかしめ固定する際に使用するボールとして、外表面にディンプル部(凹部)201を形成したボール20aを使用することを特徴とする。
図2(a)は、キャリッジアーム10の先端にサスペンション12をセットし、サスペンション12のかしめ部12aに形成されたかしめ孔12bにボール20aをセットして、かしめツール22によりボール20aを圧入する状態を示している。
図2(b)は、かしめツール22に超音波振動を作用させながら、ボール20aをかしめ孔12bを通過させた状態を示す。
かしめツール22によりボールをサスペンション12のかしめ孔12bに圧入して通過させる際に、ボールを回転しやすくしてボールを通過させるようにする方法として、図4に示すように、ボールの重心位置をボールの外形形状の対称中心位置から偏位させた形態としたボール20cを使用する方法もある。
図4(a)に示すボール20cは、ボールの外面の一部に凹部203を形成し、ボール20cが転動する際の中心位置に対して、重心位置を偏位(偏位D)させた形態としたものである。
ボールを球体から変形させる例としては、楕円体状、ラグビーボール状、円錐体状にするといったことが考えられる。また、ボールの重心位置を偏位させるためには、ボールの外面に突起を設けるといった、球体から変形される方法以外の方法を採用してもよい。
図5は、かしめツール22によりボールをかしめ孔12bに圧入する際にボールを回転させる方法として、サスペンション12のかしめ部12aのかしめ孔12bの内面にスクリュー溝121を設ける方法を示す。
図5(a)は、サスペンション12のかしめ部12aのかしめ孔12bの内周面にスクリュー溝121を設けた状態を示す。図5(b)は、かしめツール22によりボール20をかしめ孔12bに圧入して通過させた状態を示す。かしめツール22に超音波振動を作用させてボール20をかしめ孔12b内に進入させていくと、スクリュー溝121の作用によってボール20が軸線のまわりに回転しながら移動する。
なお、かしめ孔12bの内周面に施す溝加工は、スクリュー溝とする場合に限らず、ボール20をかしめ孔12bに圧入する際の押圧力によってボール20に回転力が作用するようにするものであればよい。
本実施形態の場合は、ボール20として従来使用している球体のものを使用してボール20に作用する応力を低減できるという利点がある。
図6は、ボール20に積極的に回転力を作用させる方法として、かしめツール22あるいはキャリッジアーム10を支持する装置側での工夫を示す。
図6(a)は、かしめツール22を軸線の回りで回転させ、かしめツール22によりボール20をかしめ孔12bに圧入する際に、かしめツール22とボール20との摩擦によってボール20を回転させながらかしめ孔12b内を移動するように設けた例である。この場合、かしめツール22からボール20に対しては、ボール20を前方回転させようとする従来の力に加えて、ボール20をかしめツール22の軸線の回りで回転させようとする力が作用する。これによって、ボール20がかしめ孔12bを通過する際の負荷(応力)を低減させることができる。
図7は、ボール20を用いてサスペンション12をキャリッジアーム10にかしめ固定する際に、かしめツール22によりボール20を加熱することによりボール20を熱膨張させてかしめ固定する方法を示す。
図7(a)はかしめツール22をボール20に当接させ、かしめツール22によってボール20を加熱している状態、図7(b)は、ボール20が加熱されて熱膨張した状態を示す。
そして、ボール10を温度制御して、ボール20がかしめ孔12bを通過する際の応力を調節することにより、サスペンション12等を変形させることなく、また所要のかしめ力が得られるようにして、キャリッジアセンブリを組み立てることができる。
以上、いくつかの実施形態について説明したが、複数の実施形態を組み合わせてかしめ固定を行うようにしてもよい。
前記かしめ孔を通過する際にボールに作用する負荷を、球体のボールにくらべて低減させたボールを使用して、キャリッジアームにサスペンションをかしめ固定することを特徴とするキャリッジアセンブリの組立方法。
(付記2) キャリッジアームの取り付け孔とサスペンションに設けられたかしめ部とを位置合わせして、キャリッジアームにサスペンションをセットし、前記かしめ部に設けられたかしめ孔にボールを圧入して通過させることにより、キャリッジアームにサスペンションをかしめ固定するキャリッジアセンブリの組立方法において、
前記ボールとして表面に凹部あるいは凸部が形成されたボールを使用して、キャリッジアームにサスペンションをかしめ固定することを特徴とするキャリッジアセンブリの組立方法。
(付記3) キャリッジアームの取り付け孔とサスペンションに設けられたかしめ部とを位置合わせして、キャリッジアームにサスペンションをセットし、前記かしめ部に設けられたかしめ孔にボールを圧入して通過させることにより、キャリッジアームにサスペンションをかしめ固定するキャリッジアセンブリの組立方法において、
前記ボールとして非球体に形成されたボールを使用して、キャリッジアームにサスペンションをかしめ固定することを特徴とするキャリッジアセンブリの組立方法。
(付記4) キャリッジアームの取り付け孔とサスペンションに設けられたかしめ部とを位置合わせして、キャリッジアームにサスペンションをセットし、前記かしめ部に設けられたかしめ孔にボールを圧入して通過させることにより、キャリッジアームにサスペンションをかしめ固定するキャリッジアセンブリの組立方法において、
前記ボールとして表面に潤滑材層が被覆されたボールを使用して、キャリッジアームにサスペンションをかしめ固定することを特徴とするキャリッジアセンブリの組立方法。
(付記5) キャリッジアームの取り付け孔とサスペンションに設けられたかしめ部とを位置合わせして、キャリッジアームにサスペンションをセットし、前記かしめ部に設けられたかしめ孔にボールを圧入して通過させることにより、キャリッジアームにサスペンションをかしめ固定するキャリッジアセンブリの組立方法において、
前記ボールとして重心位置をボールの外形形状の対称中心から偏位させたボールを使用して、キャリッジアームにサスペンションをかしめ固定することを特徴とするキャリッジアセンブリの組立方法。
(付記6) キャリッジアームの取り付け孔とサスペンションに設けられたかしめ部とを位置合わせして、キャリッジアームにサスペンションをセットし、前記かしめ部に設けられたかしめ孔にボールを圧入して通過させることにより、キャリッジアームにサスペンションをかしめ固定するキャリッジアセンブリの組立方法において、
前記かしめ部のかしめ孔の内周面に溝加工が施されたサスペンションを使用し、前記かしめツールにより前記ボールをかしめ孔に圧入してキャリッジアームにサスペンションをかしめ固定することを特徴とするキャリッジアセンブリの組立方法。
(付記7) キャリッジアームの取り付け孔とサスペンションに設けられたかしめ部とを位置合わせして、キャリッジアームにサスペンションをセットし、前記かしめ部に設けられたかしめ孔にボールを圧入して通過させることにより、キャリッジアームにサスペンションをかしめ固定するキャリッジアセンブリの組立方法において、
前記ボールを前記かしめ孔に圧入する際に、前記キャリッジアームと前記かしめツールとをその軸線に対して相対的に回転させ、キャリッジアームにサスペンションをかしめ固定することを特徴とするキャリッジアセンブリの組立方法。
(付記8) 前記キャリッジアームと前記かしめツールとをその軸線に対して相対的に回転させる際に、前記かしめツールのみをその軸線に対して回転させることを特徴とする付記7記載のキャリッジアセンブリの組立方法。
(付記9) 前記キャリッジアームと前記かしめツールとをその軸線に対して相対的に回転させる際に、キャリッジアームのみを前記かしめツールの軸線に対して回転させることを特徴とする付記7記載のキャリッジアセンブリの組立方法。
(付記10) キャリッジアームの取り付け孔とサスペンションに設けられたかしめ部とを位置合わせして、キャリッジアームにサスペンションをセットし、前記かしめ部に設けられたかしめ孔にボールを圧入して通過させることにより、キャリッジアームにサスペンションをかしめ固定するキャリッジアセンブリの組立方法において、
前記かしめツールにより前記ボールを加熱しボールを熱膨張させて、キャリッジアームにサスペンションをかしめ固定することを特徴とするキャリッジアセンブリの組立方法。
(付記11) 前記かしめツールによりかしめ孔にボールを圧入する際に、前記かしめツールに超音波振動を作用させることを特徴とする付記1〜10のいずれか一項に記載のキャリッジアセンブリの組立方法。
(付記12) 第一の部材に設けられた孔内にボールを圧入して、前記第一の部材と第二の部材とをかしめ固定する部材の製造方法において、表面に凹部あるいは凸部が形成されたボールを前記孔に合わせるステップと、前記ボールを前記孔内に圧入するステップと、を備えることを特徴とする部材の製造方法。
(付記13) 第一の部材に設けられた孔内にボールを圧入して、前記第一の部材と第二の部材とをかしめ固定する部材の製造方法において、非球形ボールを前記孔に合わせるステップと、前記非球形ボールを前記孔内に圧入するステップと、を備えることを特徴とする部材の製造方法。
(付記14) 第一の部材に設けられた孔内にボールを圧入して、前記第一の部材と第二の部材とをかしめ固定する部材の製造方法において、表面に潤滑材層が被覆されたボールを前記孔に合わせるステップと、前記ボールを前記孔内に圧入するステップと、を備えることを特徴とする部材の製造方法。
(付記15) 第一の部材に設けられた孔内にボールを圧入して、前記第一の部材と第二の部材とをかしめ固定する部材の製造方法において、重心位置を外形形状の対称中心から偏位させたボールを前記孔に合わせるステップと、前記ボールを前記孔内に圧入するステップと、を備えることを特徴とする部材の製造方法。
(付記16) 第一の部材に設けられた孔内にボールを圧入して、前記第一の部材と第二の部材とをかしめ固定する部材の製造方法において、前記孔内に溝を形成するステップと、前記溝が形成された孔にボールを圧入するステップと、を備えることを特徴とする部材の製造方法。
(付記17) 第一の部材に設けられた孔内にボールを圧入して、前記第一の部材と第二の部材とをかしめ固定する部材の製造方法において、前記ボールを加熱するステップと、前記加熱されたボールを前記孔に圧入するステップと、を備えることを特徴とする部材の製造方法。
(付記18) 第一の部材に設けられた孔内にボールを圧入する際に、ボールに超音波振動を作用させて圧入することを特徴とする付記12〜17のいずれか一項に記載の部材の製造方法。
10a 取り付け孔
12 サスペンション
12a かしめ部
12b かしめ孔
20、20a、20b、20c ボール
22 かしめツール
40 超音波発生装置
121 スクリュー溝
201 ディンプル部
202 潤滑材層
203 凹部
Claims (3)
- キャリッジアームの取り付け孔とサスペンションに設けられたかしめ部とを位置合わせして、キャリッジアームにサスペンションをセットし、
かしめツールに超音波振動を作用させて、前記かしめ部に設けられたかしめ孔にボールを圧入して通過させることにより、キャリッジアームにサスペンションをかしめ固定するキャリッジアセンブリの組立方法において、
前記かしめ部のかしめ孔の内周面に溝加工が施されたサスペンションを使用し、前記かしめツールにより前記ボールをかしめ孔に圧入してキャリッジアームにサスペンションをかしめ固定することを特徴とするキャリッジアセンブリの組立方法。 - キャリッジアームの取り付け孔とサスペンションに設けられたかしめ部とを位置合わせして、キャリッジアームにサスペンションをセットし、
かしめツールに超音波振動を作用させて、前記かしめ部に設けられたかしめ孔にボールを圧入して通過させることにより、キャリッジアームにサスペンションをかしめ固定するキャリッジアセンブリの組立方法において、
前記ボールを前記かしめ孔に圧入する際に、前記キャリッジアームと前記かしめツールとを、かしめツールの軸線に対して相対的に回転させてキャリッジアームにサスペンションをかしめ固定することを特徴とするキャリッジアセンブリの組立方法。 - キャリッジアームの取り付け孔とサスペンションに設けられたかしめ部とを位置合わせして、キャリッジアームにサスペンションをセットし、
かしめツールに超音波振動を作用させて、前記かしめ部に設けられたかしめ孔にボールを圧入して通過させることにより、キャリッジアームにサスペンションをかしめ固定するキャリッジアセンブリの組立方法において、
前記かしめツールにより前記ボールを加熱しボールを熱膨張させて、キャリッジアームにサスペンションをかしめ固定することを特徴とするキャリッジアセンブリの組立方法。
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