以下、本発明をデジタルカメラに適用した実施の形態を図面に基づき説明する。
図1(A)に示すように、本発明の撮像装置としてのデジタルカメラ10の正面には、低照度の場合に発光されるストロボ12と、撮影される被写体像からの光が入射するファインダー窓14と、被写体像を結像させるための光学ユニット16と、が設けられている。また、デジタルカメラ10の側面には、撮影によって得られた画像データをデジタルデータとして記憶する可搬型の記録メディア18(図2参照、図1では省略)を装着可能なスロット20が設けられている。
なお、光学ユニット16は、沈胴式の光学レンズであり、撮影時以外は、デジタルカメラ10本体の筐体22内に沈胴されており、撮影時には、光軸方向に伸縮可能な鏡筒16Aが伸長されて、図1(A)に示すように筐体22の外部に現れるようになっている。また、この光学ユニット16は、鏡筒16A内に、撮影レンズ40、フォーカスレンズ42、及び絞り・シャッタ機構44を含んでいる(図2参照)。撮影レンズ40は、1枚又は複数枚のレンズで構成された単一の焦点距離(固定焦点)のレンズでも良いし、ズームレンズや望遠/広角の二焦点切替式レンズの如く焦点距離可変のものでもよい。
一方、デジタルカメラ10の背面には、図1(B)に示すように、撮影によって得られた被写体画像、各種メニュー、及びパラメータ等を表示するLCD24、ファインダー窓14から入射した光が図示を省略した光学部材を介して案内され、撮影する被写体像の構図を決定する際に撮影者によって覗かれるファインダー接眼部26、及び撮影倍率をアップ又はダウンしたり、LCD24に表示されたメニュー画面から所望のメニュー項目又はズーム倍率の設定や各種パラメータ等を選択する際に撮影者によって操作される十字ボタン28が設けられている。
更に、デジタルカメラ10の上面には、デジタルカメラ10の各部への電源電力の供給/供給停止の切り替えを行う電源スイッチ30、撮影の指示入力のために撮影者によって押圧操作されるシャッタスイッチ(所謂レリーズスイッチ)32、及び撮影モードを選択する際に撮影者によって回転操作されるモードダイヤル34が設けられている。レリーズスイッチ32は、中間位置まで押下される状態(以下、「半押し状態」という。)、及び当該中間位置を超えた最終押下位置まで押下される状態(以下、「全押し状態」という。)の2段階の押圧操作が可能に構成されている。詳細は後述するがデジタルカメラ10では、レリーズボタン32を半押し状態にすることによりAE(AutomaticExposure、自動露出)機能が働いて露出状態(シャッタースピード、及び絞りの状態)が設定された後、AF(Auto Focus、自動合焦)機能が働いて合焦制御されるとともに、AWB補正値(ホワイトバランスを補正するための基準補正値)の演算、及び詳細を後述する感度を調整するための補正値が設定されると共に、感度及びホワイトバランスの双方を調整するための調整値の演算が行われる。その後、引き続き全押し状態にすると露光(撮影)が行われる。なお、ホワイトバランスを調整するための基準補正値の演算は、上記のように自動で行っても良いが、手動又は半自動で行うことができる。
次に本実施の形態に係るデジタルカメラ10の構成を説明する。
図2に示すように、デジタルカメラ10は、光学ユニット16の光軸後方に配置されたCCD(Charge Coupled Device)50、CDS回路52、アナログ/デジタル変換器(以下、「A/D変換器」と称す)54、CCD駆動信号発生部56、モータドライバ58、ストロボ制御部13、及びデジタルカメラ10の全体的な動作を司る主制御部60を備えている。
CDS回路52は、CCD50から読み出された被写体像を示す出力信号を相関二重サンプリング(CDS:Correlated Double Sampling)処理すると共にR、G、Bの各色信号に色分解処理して各色信号の信号レベルの調整を行う。A/D変換器54は、CDS回路52により処理されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。CCD駆動信号発生部56は、CCD50を駆動するためのタイミング信号を生成する。モータドライバ58は、光学ユニット16に含まれる撮影レンズ40を移動(鏡筒の伸縮)させるためのズームモータ、フォーカスレンズ42を移動させるためのAF(Auto Focus)モータ、及び絞り・シャッタ機構44を駆動するアイリスシャッタモータの各モータを駆動する。モータドライバ58は、更に、撮影レンズ40のズーム位置を検知するための検知センサ58Aを含んでいる。ストロボ制御部13は、ストロボ12発光を制御する。主制御部60は、デジタルカメラ10の全体的な動作を司る。
主制御部60は、画像入力制御部62、画像信号処理回路64、VRAM66、表示制御部68、圧縮伸長処理回路70、メディア制御部72、AF検出回路74、AE(Auto Exposure)・AWB(Auto WhitWBalance)検出回路76、感度調整部90、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)78、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)80、及びCPU82が、バス84により相互に接続されている。また、CPU82は、CCD駆動信号発生部56、モータドライバ58と接続されている。さらに、CPU82は、十字ボタン28、電源スイッチ30、シャッタスイッチ32、及びモードダイヤル34と接続されている。
画像入力制御部62は、A/D変換器54によるデジタル変換後のデジタル信号を被写体を表す被写体画像の画像データとして入力する。画像信号処理回路64は、入力された画像データに対して所定のデジタル信号処理を行う。VRAM66は、LCD24に表示する画像データを格納する。表示制御部68は、VRAM66に格納された画像データに基づく画像を表示するようにLCD24の表示を制御する。圧縮伸長処理回路70は、入力された画像データを圧縮・伸長する。メディア制御部72は、スロット20に装填された記録メディア18に対して各種情報を読み書きする。AF検出回路74は、入力された画像データに基づいて最適な焦点位置を検出する。AE・AWB検出回路76は、入力された画像データに基づいて最適な露出及びホワイトバランスを調整する。感度調整部90は、入力された被写体画像の画像データに基づいて感度を調整する(詳細後述)。SDRAM78は、ワークメモリとして用いられる。EEPROM80は、各種プログラムやパラメータ等の情報が予め記憶されている。CPU82は、上記各部を制御する。
なお、一般に、CCD50には、シャッターゲートを介してシャッタードレインが設けられており、シャッターゲートをシャッターゲートパルスによって駆動することにより、蓄積した信号電荷をシャッタードレインに掃き出すことができる。すなわち、CCD50は、シャッターゲートパルスによって各センサに蓄積される電荷の蓄積時間(シャッタスピード)を制御する、所謂電子シャッター機能を有しており、絞り・シャッタ機構44のシャッタ機能の代わりにこの電子シャッター機能を用いるようにしてもよい。
次に、上記実施の形態に係るデジタルカメラ10の作用を説明する。
図3には、CPU82で実行される処理ルーチンを示した。電源スイッチ30によりデジタルカメラ10に電源が投入されるとステップ100へ進み、シャッタスイッチ32が半押し状態になったと判断されると、ステップ102へ進む。ステップ102では、被写体画像1フレーム分のR、G、B信号を積算した積算値に基づいて被写体輝度(撮影EV)を求め、この撮影EVに基づいて露光制御値として絞り値とシャッタースピードと
を決定する、AE制御が行なわれる。
次のステップ104では、被写体輝度(撮影EV)と、R/G、B/Gといった色情報とを用いて光源種を判別し、光源の色温度に関わらずに、白い被写体が白く色再現されるようにホワイトバランスを調整するためのデジタルゲイン(以下、基準補正値という)を定める。
なお、上記ステップ102及びステップ104の処理は、本実施の形態では、CCD50から取得される画像データに基づいて行う場合を説明するが、周知の測光センサやAF投光/受光センサからなる測距センサ等を用いて行うようにしてもよい。
次のステップ106では、画像データに基づいて感度を調整するための補正値を設定するとともに、上記ステップ104で設定された基準補正値を感度を調整するための補正値に基づいて調整した、感度及びホワイトバランスの双方を調整するための調整値を算出する調整値算出処理が実行される(詳細後述)。
次のステップ108では、シャッタスイッチ32が全押し状態であるか否かを判別し、否定された場合には、上記ステップ100へ戻り、肯定されるとステップ110へ進み、撮影処理が行なわれた後に本ルーチンを終了する。撮影処理は、上記ステップ102で決定した絞り値になるように絞り・シャッタ機構44を駆動し、CCD50から被写体画像の画像データが、CDS52及びA/D変換器54を介して主制御部60に入力される。主制御部60では、入力された画像データに対して、上記ステップ106で調整された顔領域の調整値及び被写体画像の顔領域以外の領域の調整値各々に基づいて、顔領域及び被写体画像の顔領域以外の領域に対応する画像データ各々を補正することによって、顔領域のホワイトバランスの調整とともに、感度の調整を行ない、被写体画像の顔領域以外の領域のホワイトバランスの調整とともに感度の調整を行う。感度及びホワイトバランスが調整された画像データは、更にガンマ処理及びシャープネス処理等の所定の処理が行なわれ、圧縮伸長処理回路70で圧縮処理が行なわれた後、メディア制御部72を介して、記録メディア18に記録される。
次にステップ106の調整値算出処理について図4を用いて説明する。
ステップ200では、得られた画像データに基づいて被写体画像の中の人物の顔領域を抽出する顔領域抽出処理が実行される。ステップ200の処理は、例えば、顔領域を認識するための輪郭情報テンプレートをEEPROM80に予め記憶し、被写体画像から人物の顔領域の輪郭を抽出して抽出した輪郭と、輪郭情報テンプレートとを比較することによって、顔領域を抽出する。
次のステップ202では、上記ステップ200で抽出した顔領域に対応する画像データに基づいて、顔領域の輝度Nを算出する輝度算出処理が実行される。
ここで、本実施の形態のデジタルカメラ10では、予めEEPROM80に、顔領域の感度を調整するための輝度のしきい値V1、しきい値V1より高いしきい値V2が予め記憶されると共に、3種類の補正値G1、G2、及びG3各々が記憶されている。なお、補正値G1は、輝度がしきい値V1より低いときに補正値G2より感度が高くなるように補正するための補正値である。補正値G2は、輝度がしきい値V1からV2の範囲内にあるときに、補正値G3より感度が高くなるように補正するための補正値である。補正値G3は、輝度がしきい値V3以上のときに感度を補正するための補正値である。
次のステップ204では、上記ステップ202で算出した輝度Nが予め定めたしきい値V1より低い値か否かを判別し、肯定されるとステップ206で、顔領域の補正値として補正値G1を設定する。
一方、上記ステップ204で否定されると、ステップ208において輝度Nがしきい値V2より低いか否かを判断する。ステップ208で肯定されると、ステップ210で補正値G2を設定する。一方、ステップ208で否定されると、ステップ212で補正値G3を設定する。
上記ステップ204乃至ステップ212の処理によって、顔領域の輝度が高くなるほど感度が低くなるように補正する補正値が、顔領域の輝度に応じて設定される。
次にステップ214では、被写体画像の顔領域以外の領域に、感度調整不要を示す情報G0を設定する。
次にステップ216では、上記ステップ104のAWB調整処理によって調整された、ホワイトバランスを補正するための基準補正値を読込み、次のステップ218において、各領域毎の感度及びホワイトバランスの双方を調整するための調整値を算出した後に、本ルーチンを終了する。ステップ218の処理では、具体的には、ホワイトバランスを補正するための基準補正値と、設定された顔領域の補正値とを乗算することによって顔領域の調整値を算出する。また、写体画像の顔領域以外の領域については、感度調整不要を示す情報G0が設定されているので、ホワイトバランスを補正するための基準補正値を変更することなく被写体画像の顔領域以外の領域の調整値とする。
このように、上記ステップ200乃至ステップ218の処理が実行されることによって、被写体画像の中の人物の顔領域を抽出して輝度を算出し、算出した輝度に基づいて顔領域の感度を調整するための補正値を算出するとともに、ホワイトバランスを補正するための基準補正値を補正値に基づいて調整した調整値を算出することができる。このステップ200乃至ステップ218の処理、すなわちステップ106の調整値算出処理によって算出された、顔領域の感度及びホワイトバランスの双方を調整するための調整値が算出された後に、上述のように、ステップ110において撮影処理が実行されると、被写体画像の顔領域以外の領域のホワイトバランスを調整することが出来るとともに、顔領域の感度及びホワイトバランスを調整することができる。
以上説明したように、本実施の形態のデジタルカメラ10では、被写体画像の中の人物の顔領域の感度を調整するための補正値を求めることができる。また、更に、ホワイトバランスを調整するための基準補正値を、顔領域の補正値に基づいて調整して、顔領域の感度及びホワイトバランスを調整するための調整値を算出することができる。また、シャッタスイッチ32が全押し状態となったときに実行される撮影処理において、シャッタスイッチ32の半押し状態のときに算出した顔領域の調整値に基づいて、CCD50から入力された画像データの顔領域に対応する画像データを補正するとともに、被写体画像の顔領域以外の領域の調整値に基づいて、画像データの被写体画像の顔領域以外の領域に対応する画像データを補正することができるので、被写体画像の顔領域以外の領域のホワイトバランスを調整するとともに、顔領域のホワイトバランスの調整と感度の調整とを行うことができる。
従って、被写体画像に含まれる人物の顔領域の感度を適切に調整することができ、画質劣化を抑制することができる。
また、顔領域の輝度が高くなる程感度を低下させるように、顔領域の感度を調整しているので、例えば、ストロボ12の発光下における撮影処理が実行された場合であっても、顔領域の白飛びを防ぐことができる。
なお、本実施の形態では、3段階に感度を調整する例について説明したが4段階以上または連続的に感度を調整するようにしてもよい。また、顔領域の補正値を算出する式を用いて補正値を演算してもよい。
[第2の実施の形態]
上記実施の形態では、被写体画像から顔領域を抽出し、顔領域の補正値を算出して、画像データの顔領域に対応する画像データを補正することによって、顔領域の感度を調整する場合を説明したが、本実施の形態では、顔領域に含まれる眼鏡領域及び眼鏡領域以外の領域各々の補正値を算出して、各領域の感度を調整する場合を説明する。
なお、本実施の形態は、上記第1の実施の形態と略同様の構成のため、同一部分には同一符号を付与して詳細な説明を省略する。
本実施の形態では、上記ステップ106(図3参照)の調整値算出処理では、図5に示す処理ルーチンが実行されて、ステップ300へ進み、得られた画像データに基づいて被写体画像の中の人物の顔領域を抽出する顔領域抽出処理が実行される。
次にステップ302では、上記ステップ300で抽出した顔領域の中の眼鏡領域を抽出する。ステップ302の処理は、例えば、眼鏡領域を認識するための輪郭情報テンプレートをEEPROM80に記憶し、被写体画像から人物の顔領域の眼鏡領域の輪郭を抽出して抽出した輪郭と、該輪郭情報テンプレートとを比較することによって、眼鏡領域を抽出する。
次のステップ304では、上記ステップ302で抽出した眼鏡領域の輝度Mを算出する輝度算出処理が実行される。ステップ304の処理は、上記ステップ202の処理と略同様に、抽出した眼鏡領域に対応する画像データに基づいて算出する。
ここで、本実施の形態のデジタルカメラ10では、予めEEPROM80に、眼鏡領域の感度を調整するための輝度のしきい値V1g、及び輝度V1より高いしきい値V2g、が予め記憶されると共に、3種類の補正値A1g、A2g、及びA3g各々が記憶されている。なお、補正値A1gは、輝度がしきい値V1gより小さいときに補正値A2gより感度が高くなるように補正するための補正値である。また、補正値A2gは、輝度がしきい値V1gからV2gの範囲内にあるときに、補正値A3gより感度が高くなるように補正するための補正値である。また、補正値A3gは、輝度がしきい値V2gより大きいときに感度を補正するための補正値である。
次のステップ306では、上記ステップ304で算出した輝度Mが予め定めたしきい値V1gより低い値か否かを判別し、肯定されるとステップ308で眼鏡領域の補正値として補正値A1gを設定する。
一方、上記ステップ306で否定されると、ステップ310において、輝度Mがしきい値V2gより低いか否かを判断する。ステップ208で肯定されると、ステップ312で補正値A2gを設定する。上記ステップ310で否定されると、ステップ314で補正値A3gを設定する。
上記ステップ306乃至ステップ314の処理によって、眼鏡領域の輝度が高くなるほど感度が低くなるように補正する補正値が、眼鏡領域の輝度に応じて設定される。
次にステップ316では、上記ステップ304と略同様に、上記ステップ302で抽出した眼鏡領域以外の領域の輝度Oを算出する。ここで、本実施の形態のデジタルカメラ10では、更に、EEPROM80に、眼鏡領域以外の領域の感度を調整するための輝度のしきい値として、しきい値V1f、及びしきい値V1fより高いしきい値V2f、が予め記憶されると共に、3種類の補正値A1f、A2f、及びA3fが記憶されている。なお、補正値A1fは、補正値A2fより感度が高くなるように補正するための補正値であり、補正値A2fは、補正値A3fより感度が高くなるように補正するための補正値である。
次のステップ318では、上記ステップ316で算出した眼鏡領域以外の領域の輝度Oが予め定めたしきい値V1fより低い値か否かを判別し、肯定されるとステップ320で眼鏡領域以外の領域の補正値として補正値A1fを設定する。
一方、上記ステップ318で否定されると、ステップ322において、輝度Oがしきい値V2gより低いか否かを判断する。ステップ318で肯定されると、ステップ320で補正値A2fを設定する。上記ステップ322で否定されると、ステップ326で補正値A3fを設定する。
上記ステップ316乃至ステップ326の処理によって、眼鏡領域以外の領域の輝度が高くなるほど感度が低くなるように補正する補正値が、顔領域の眼鏡領域以外の領域の輝度に応じて設定される。
次のステップ327では、被写体画像の顔領域以外の領域に、感度調整不要を示す情報G0を設定する。
次のステップ328では、上記ステップ104のAWB調整処理によって調整された、ホワイトバランスを補正するための基準補正値を読込み、次のステップ330において、ステップ328で読込んだホワイトバランスを調整するための基準補正値と、上記ステップ306乃至ステップ314の処理によって設定した眼鏡領域の補正値とを乗算することによって、眼鏡領域の調整値を算出する。また、基準補正値と、顔領域の眼鏡領域以外の領域の補正値とを乗算することによって、顔領域の眼鏡領域以外の領域の調整値を算出する。被写体画像の顔領域以外の領域については、感度調整不要を示す情報G0が設定されているので、基準補正値を変更せずに調整値とする。
このように、上記ステップ300乃至ステップ330の処理が実行されて、被写体画像の人物の顔領域内の眼鏡領域、顔領域内の眼鏡領域以外の領域、及び被写体画像の顔領域以外の領域各々の調整値が算出された後に、シャッタスイッチ32が全押し状態となると、上記第1の実施例で説明したステップ110の処理と略同様に撮影処理が実行される。本実施の形態では、撮影処理が実行されると、算出した顔領域内の眼鏡領域、顔領域内の眼鏡領域以外の領域、及び被写体画像の顔領域以外の領域各々の調整値に基づいて、撮影によって得られた被写体画像の画像データの顔領域に含まれる眼鏡領域、顔領域内の眼鏡領域以外の領域、及び被写体画像の顔領域以外の領域各々に対応する画像データ各々を補正する。このため、被写体画像の顔領域以外のホワイトバランスを調整することができるとともに、顔領域内の眼鏡領域及び顔領域内の眼鏡領域以外の領域各々の感度及びホワイトバランスを調整することができる。
以上説明したように、第2の実施の形態のデジタルカメラ10では、被写体画像の中の人物の顔領域に含まれる眼鏡領域の感度を調整するための補正値、及び顔領域の眼鏡領域以外の領域の感度を調整するための補正値各々を求めることができる。従って、顔領域に含まれる眼鏡領域及び顔領域の眼鏡領域以外の領域各々の感度を調整するための補正値を、各眼鏡領域及び眼鏡領域以外の領域毎に求めることができる。また、更に、ホワイトバランスを調整するための基準補正値を、眼鏡領域及び眼鏡領域以外の領域各々の補正値に基づいて調整することによって、顔領域の眼鏡領域及び顔領域の眼鏡領域以外の領域各々の感度及びホワイトバランスの双方を調整するための調整値を算出することができる。
また、更に、撮影処理時に、顔領域内の眼鏡領域及び顔領域内の眼鏡領域以外の領域各々の調整値に基づいて、CCD50から入力された画像データの顔領域に含まれる眼鏡領域、及び顔領域の眼鏡領域以外の領域各々に対応する画像データを補正することができるので、顔領域内の眼鏡領域及び顔領域内の眼鏡領域以外の領域毎に、感度及びホワイトバランスを調整することができる。また、顔領域以外の領域に対応する画像データのホワイトバランスを調整することもできる。
従って、被写体画像に含まれる顔領域内の眼鏡領域、及び顔領域内の眼鏡領域以外の領域各々について、各領域の輝度に応じて感度を適切に調整することができる。
[第3の実施の形態]
上記実施の形態では、被写体画像から顔領域を抽出、または、顔領域の眼鏡領域及び顔領域の眼鏡領域以外の領域を抽出し、抽出した各領域各々の補正値を算出して、撮影によって得られた画像データの各領域に対応する画像データを補正することによって、各領域の感度を調整する場合を説明したが、本実施の形態では、被写体画像から抽出した顔領域を複数のエリアに分割して各エリア毎に補正値を算出して、顔領域の感度を分割したエリア毎に調整する場合を説明する。
なお、本実施の形態は、上記第1の実施の形態と略同様の構成のため、同一部分には同一符号を付与して詳細な説明を省略する。
本実施の形態では、上記第1の実施の形態で説明した調整値算出処理(図3、ステップ106参照。)において、図6に示す処理ルーチンが実行されて、ステップ400へ進み、上記ステップ200の処理と同様に、被写体画像の中の人物の顔領域を抽出する顔領域抽出処理が実行される。
次にステップ402では、上記ステップ400で抽出した顔領域を複数エリアに分割する分割処理を実行する。ステップ402の処理は、例えば、領域を分割するための分割数を予め定めておいて、抽出した領域が該分割数となるように分割するようにすればよい。また、その他の方法として、予め被写体画像を複数のエリアに分割し、抽出した顔領域に対応する予め分割したエリアを特定することによって、顔領域を複数エリアに分割するようにしてもよい。
次のステップ404では、上記ステップ402で分割したエリアの内の1つのエリアの輝度Pを算出する輝度算出処理が実行される。
ここで、本実施の形態のデジタルカメラ10では、予めEEPROM80に、顔領域の感度を調整するための輝度のしきい値Vin1、及びしきい値Vin1より高いしきい値Vin2が予め記憶されると共に、2種類の補正値Gin1、及びGin2各々が予め記憶されている。なお、補正値Gin1は、輝度Pがしきい値Vin1より低いときに補正値Gin2より感度が高くなるように補正するための補正値である。また、補正値Gin2は、輝度Pがしきい値Vin1からVin2の範囲内にあるときに、感度を補正するための補正値である。
次のステップ406では、上記ステップ404で算出した輝度Pがしきい値Vin1より低い値か否かを判別し、肯定されるとステップ408で顔領域に含まれる上記ステップ404で算出したエリアに対応する補正値として補正値Gin1を設定する。
一方、上記ステップ406で否定されると、ステップ410において輝度Pがしきい値Vin2より低いか否かを判断する。ステップ410で肯定されると、ステップ412で補正値Gin2を設定する。ステップ410で否定されると、ステップ414で感度調整不要を示す情報G0を設定する。
次のステップ416では、上記ステップ404で分割した顔領域に含まれる複数エリアの全てのエリアについて、補正値を設定した場合には、ステップ418へ進み、未設定のエリアがある場合には、上記ステップ404へ戻る。
次のステップ416では、上記ステップ402の処理と略同様に、被写体画像の顔領域以外の領域を複数エリアに分割する分割処理を実行する。
次のステップ420では、上記ステップ418で分割した各エリアの内の1つのエリアの輝度Qを算出する輝度算出処理が実行される。
ここで、本実施の形態のデジタルカメラ10では、予めEEPROM80に更に被写体画像の顔領域以外の領域の感度を調整するための輝度のしきい値Vout1、及びしきい値Vout1より高いしきい値Vout2、が予め記憶されると共に、2種類の補正値Gout1、及びGout2が記憶されている。なお、補正値Gin1は、輝度Qがしきい値Vout1より低いときに補正値Gin2より感度が高くなるように補正するための補正値である。また、補正値Gin2は、輝度Qがしきい値Vout1より高くVout2より低いときに補正するための補正値である。
次のステップ422では、上記ステップ420で算出した輝度Qがしきい値Vout1より低い値か否かを判別し、肯定されるとステップ424で被写体画像の顔領域以外の領域に含まれる上記ステップ420で算出したエリアに対応する補正値として補正値Gout1を設定する。
一方、上記ステップ422で否定されると、ステップ426において、輝度Qがしきい値Vout2より低いか否かを判断する。ステップ426で肯定されると、ステップ428で補正値Gout2を設定する。ステップ426で否定されると、ステップ430で感度調整不要を示す情報G0を設定する。
次のステップ432では、上記ステップ418で分割した被写体画像の顔領域以外の領域に含まれる複数エリアの全てのエリアについて、補正値を設定した場合には、ステップ434へ進み、未設定のエリアがある場合には、上記ステップ420へ戻る。
次のステップ434では、上記ステップ104のAWB調整処理によって調整された、ホワイトバランスを補正するための基準補正値を読込み、次のステップ436において、顔領域のエリア各々、及び被写体画像の顔領域以外の領域のエリア各々の調整値を算出した後に、本ルーチンを終了する。具体的には、ステップ436の処理は、ホワイトバランスを調整するための基準補正値と、上記ステップ404乃至ステップ414の処理によって設定した顔領域を複数エリアに分割した各エリア各々に対応する補正値とを乗算することによって、顔領域の各エリアの感度及びホワイトバランスを調整するための調整値を算出する。同様に、上記ステップ420乃至ステップ430の処理によって設定した被写体画像の顔領域以外の領域を複数エリアに分割した各エリア各々に対応する補正値と、基準補正値とを乗算することによって、被写体画像の顔領域以外の各エリアの調整値を算出する。
上記ステップ400乃至ステップ436の処理が実行された後に、更にシャッタスイッチ32が全押し状態となると、上記第1の実施例で説明したステップ110の処理と略同様に撮影処理が実行される。
本実施の形態の撮影処理では、顔領域の複数エリア各々、及び被写体画像の顔領域以外の領域の複数エリア各々の調整値に基づいて、撮影によって得られた画像データの顔領域の複数エリア各々、及び被写体画像の顔領域以外の領域の複数エリア各々に対応する画像データ各々を補正することによって、被写体画像の人物の顔領域内を複数エリアに分割したエリア各々、及び被写体画像の顔領域以外の領域を複数エリアに分割したエリア各々の感度及びホワイトバランスの調整を行う。
以上説明したように、第3の実施の形態のデジタルカメラ10では、被写体画像の中の人物の顔領域を複数のエリアに分割し、各エリア毎に対応する画像データの感度を調整するための補正値を求めることができる。また、被写体画像の顔領域以外の領域についても複数のエリアに分割し、各エリア毎に対応する画像データの感度を調整するための補正値を求めることができる。このため、第1の実施の形態及び第2の実施の形態に比べて、更に、詳細に顔領域の感度の補正値を定めることができる。
また、更に、ホワイトバランスを調整するための基準補正値を各エリアの補正値に基づいて調整することによって、顔領域及び被写体画像の顔領域以外の領域各々に含まれるエリア各々に対応する感度及びホワイトバランスの双方を調整するための調整値を算出することができる。
また、撮影処理において、被写体画像の人物の顔領域内を複数エリアに分割したエリア各々、及び被写体画像の顔領域以外の領域を複数エリアに分割したエリア各々の調整値に基づいて、撮影によって得られた画像データの、顔領域内を複数エリアに分割したエリア各々に対応する画像データ、及び被写体画像の顔領域以外の領域を複数エリアに分割したエリア各々に対応する画像データ各々を補正することができる。このため、顔領域内及び被写体画像の顔領域以外の領域各々の感度及びホワイトバランスを、各領域の分割されたエリア毎に詳細に調整することができる。
なお、本実施の形態では、被写体画像の顔領域及び被写体画像の顔領域以外の領域を複数エリアに分割して各エリア毎の補正値を算出する場合を説明したが、更に顔領域に含まれる眼鏡領域を抽出して、眼鏡領域を複数エリアに分割するとともに、顔領域内の眼鏡領域以外の領域を複数エリアに分割し、分割したエリア毎に補正値を算出するようにしてもよい。このようにすれば、更に詳細に被写体画像の人物の顔領域の感度を調整することができる。
[第4の実施の形態]
上記実施の形態では、顔領域、顔領域の眼鏡領域及び顔領域の眼鏡領域以外の領域、または顔領域を複数エリア分割した各エリアの輝度に基づいて各領域または各領域の各エリア毎の補正値を算出する場合を説明したが、本実施の形態では、被写体画像中の人物までの距離に基づいて、各領域の補正値を算出する場合を説明する。
なお、本実施の形態は、上記第1の実施の形態と略同様の構成のため、同一部分には同一符号を付与して詳細な説明を省略する。
本実施の形態では、上記第1の実施の形態で説明した調整値算出処理(図3、ステップ106参照。)において、図7に示す処理ルーチンが実行されて、ステップ500へ進み、上記ステップ200の処理と同様に被写体画像の中の人物の顔領域を抽出する顔領域抽出処理が実行される。
次のステップ502では、顔領域と被写体画像の顔領域以外の領域の面積比を算出する。次のステップ504では、検知センサ58Aによって検知されたズーム位置を読み取ることによって、ズーム倍率を読み取るズーム倍率読取処理が実行される。
次にステップ506では、デジタルカメラ10と被写体画像中の人物との距離dを算出する距離d算出処理が実行される。ステップ506の処理では、上記ステップ502で算出した顔領域と被写体画像の顔領域以外の領域との面積比と、上記ステップ504で読み取ったズーム倍率とに基づいて、デジタルカメラ10と被写体画像中の人物との距離dを算出する。距離dの算出は、例えば、予め顔の面積比及びズーム倍率と、デジタルカメラ10から被写体画像中の人物までの距離と、の関係を示すルックアップテーブルを予めEEPROM80に記憶し、該ルックアップテーブルに基づいて、距離dを算出するようにすればよい。また、距離dを算出するための演算式を用いても良い。
ここで、本実施の形態のデジタルカメラ10では、予めEEPROM80に、顔領域の感度を調整するための距離のしきい値として、しきい値d1と、しきい値d1より大きいしきい値d2が予め記憶されると共に、3種類の補正値A1、A2、及びA3が記憶されている。なお、補正値A3は、距離dがしきい値d1より小さいときに補正値A2より感度が高くなるように補正するための補正値である。また、補正値A2は、距離dがしきい値d1からd2の範囲内にあるときに補正値A1より感度が高くなるように補正するための補正値である。また補正値A3は、距離dがしきい値d2より大きいときに感度を補正するための補正値である。
次のステップ508では、上記ステップ506で算出した距離dがしきい値d1より小さい値か否かを判別し、肯定されるとステップ510で顔領域の補正値として補正値A1を設定する。
一方、上記ステップ508で否定されると、ステップ512において、距離dがしきい値d2より小さいか否かを判断する。ステップ512で肯定されると、ステップ514で、顔領域の補正値として補正値A2を設定する。
一方、ステップ512で否定されると、ステップ516で補正値A3を設定する。
次のステップ518では、上記ステップ104のAWB調整処理によって調整された、ホワイトバランスを補正するための基準補正値を読込み、次のステップ520において、顔領域の感度とホワイトバランスを調整するための調整値を算出した後に、本ルーチンを終了する。ステップ520の処理は、上記ステップ518で取得したホワイトバランスを調整するための基準補正値と、上記ステップ506乃至ステップ516の処理によって設定した顔領域の補正値とを乗算することによって、顔領域の感度及びホワイトバランスの双方を調整するための調整値を算出する。
上記ステップ500乃至ステップ520の処理が実行されて、顔領域の調整値が算出された後に、更にシャッタスイッチ32が全押し状態となると、上記第1の実施例で説明したステップ110の処理と略同様に撮影処理が実行される。
本実施の形態の撮影処理では、算出した顔領域の調整値に基づいて、CCD50から入力された画像データの顔領域に対応する画像データを補正することによって、被写体画像の人物の顔領域の感度及びホワイトバランスの双方を調整する。
以上説明したように、第4の実施の形態のデジタルカメラ10では、被写体画像中の人物の顔領域を抽出し、顔領域と被写体画像の顔領域以外の領域との面積比と、ズーム倍率と、からデジタルカメラ10と被写体画像中の人物との距離dを算出し、距離dに基づいて被写体画像の人物の顔領域に対応する画像データの感度を調整するための補正値を求める。このように、被写体画像に含まれる人物との距離に基づいて、被写体画像に含まれる人物の顔領域の感度を調整する補正値を求めることができるので、容易に顔領域の感度を調整する補正値を求めることができる。
なお、本実施の形態では、デジタルカメラ10と被写体画像中の人物との距離dは、顔領域と被写体画像の顔領域以外の領域との面積比、及び設定されたズーム倍率に基づいて算出する場合を説明したが、デジタルカメラ10に、デジタルカメラ10と被写体の人物との間の距離を検出するための測距センサを設けて、該測距センサによって検出された信号に基づいて、デジタルカメラ10と被写体画像の中の人物との距離を求めるようにしてもよい。