JP4381589B2 - 減衰装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば建築構造物等の2点間の相対変位に伴う運動エネルギーを、流体の熱エネルギーに変換して減衰させる減衰装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、地震や交通振動または風等による揺れや振動に伴う、建築構造物等の2つの部材間(2点間)を相対変位させる運動エネルギーを減衰させる装置として、この相対運動を回転体の回転運動に変換させ、さらに回転体に接している粘性流体の摩擦抵抗による発熱により、結果として上記変位に伴う運動エネルギーを粘性流体の熱エネルギーに変換させて減衰させる方法を採用しているものが存在する。
【0003】
このような減衰装置としては、例えば特開平10−184757号公報,特開平10−184786号公報に開示されているようなものがある。
【0004】
同公報の減衰装置は、2点間の一方に連結されるケーシングと、このケーシング内に収容された粘性流体と、このケーシング内に回転可能に収容された回転体と、この回転体と2点間の他方の間に介在されたねじナット機構(倍速機構)とを備えている。
【0005】
このねじナット機構は、上記2点間の他方に連結されたねじ軸と、上記回転体に接続されてこのねじ軸と螺合するナットにより構成されている。
【0006】
上記構成の減衰装置では、対象部間の相対変位に伴う運動エネルギーが生じた時に、ねじ軸がケーシングに対して軸方向に変位する。すると、このねじ軸とナットの間の螺合作用により、回転体が回転し、この回転体に接している粘性流体が摩擦抵抗等で発熱する。その結果、上記運動エネルギーが粘性流体の熱エネルギーに変換されて減衰する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記減衰装置では、上記粘性流体が外部へ漏れるのを防いで減衰性能を良好に維持するために、上記ケーシングと回転体との間に密封装置(シール部材)を介在させている。
【0008】
粘性流体は、運動エネルギーから変換された熱エネルギーにより加熱され熱膨張し、圧力も高まることから密封装置に過大な負担をかけ、適正値以上の漏れの発生や密封装置の寿命を縮めることになる。
【0009】
特に上記公報に記載された減衰装置のように、回転体をねじナット機構等により高速に回転運動させることで、熱エネルギーへの変換効率を大きくした構成の場合には、温度上昇及び圧力上昇も大きくなり、密封装置への影響もより大きくなる虞がある。
【0010】
本発明は、上記した従来技術の問題を解決するものであり、その目的とするところは、減衰装置に備えられた密封装置への粘性流体の圧力上昇に伴う影響を抑え、減衰装置の信頼性や耐久性を高めることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
相対変位する2点間の一方に連結される容器と、前記2点間の他方に連結され前記容器内に相対変位可能に収容される移動体と、前記容器と移動体との間の隙間に配置されて容器内に密閉空間を形成する密封装置と、前記密閉空間内に収容される流体とを備え、
容器に対する移動体の相対変位に伴う前記流体の抵抗等による発熱により、結果として上記2点間の相対変位に伴う運動エネルギーを熱エネルギーに変換して減衰させる減衰装置において、
前記密封装置は、前記隙間内を移動可能に保持されると共に、付勢手段により前記密閉空間側に付勢されており、前記密閉空間内に収容された流体の圧力に応じて移動し、前記密閉空間の容積を変更することを特徴とする減衰装置。
【0012】
このように、密封装置を隙間内を移動可能に保持することにより、流体の加熱等により圧力が上昇した際には、圧力を受けた密封装置が付勢手段による付勢力に抗して密閉空間の容積を拡大する方向に移動して流体の過大な圧力上昇を抑え、また流体の圧力が低下した際には密閉空間の容積を減少させる方向に移動して流体の圧力低下を抑える。
【0013】
また、相対変位する2点間の一方に連結される容器と、前記2点間の他方に連結され前記容器内に相対変位可能に収容される移動体と、前記容器と移動体との間の隙間に配置されて容器内に密閉空間を形成する密封装置と、前記密閉空間内に収容される流体とを備え、
容器に対する移動体の相対変位に伴う前記流体の抵抗等による発熱により、結果として上記2点間の相対変位に伴う運動エネルギーを熱エネルギーに変換して減衰させる減衰装置において、
前記密閉空間に接続し、該密閉空間との間で前記流体の流通を可能とする流体保持室を備えることを特徴とする。
【0014】
この構成によると、流体の温度変化に伴う体積変動が生じた際には密閉空間と流体保持室との間を流体が疎通することによって、流体の圧力変化を抑えることが可能となる。
【0015】
密閉空間と流体保持室との接続部位を密封装置の近傍に配置することにより、流体が粘性流体で圧力の伝達性が低い場合でも、密封装置近傍の流体の圧力を抑え、密封装置へ過大な圧力がかかることを抑制する。
【0016】
前記流体保持室は、圧力に応答して流体保持室内で移動し該流体保持室における流体収容部の容積を変更する圧力応答手段を備えることも好適である。
【0017】
圧力応答手段としては例えばピストンやダイアフラムが用いられ、流体圧力が上昇すると変位して流体収容部の容積を拡大し、流体圧力の上昇を抑制する。
【0018】
この流体保持室は、前記容器の側壁部または移動体の内部に形成されていることも好適であり、減衰装置の構成を簡素化し、また外側の突出部がなくコンパクトな構成となる。圧力応答手段を備えることで流体保持室を大気側開放とすることが可能である。
【0019】
あるいは、流体保持室を密閉状態とする構成を採用する場合には、内部にガスを封入し、圧力応答手段を介して内部に保持される流体を所定の圧力で密閉空間側に加圧することも可能である。
【0020】
前記流体保持室は、流入する流体の圧力に応答して伸縮し、流体収容部の容積を変更するベローズであることも好適であり、より簡易な構成で作動安定性が高い。
【0021】
また、相対変位する2点間の一方に連結される容器と、前記2点間の他方に連結され前記容器内に相対変位可能に収容される移動体と、前記容器と移動体との間の隙間に配置されて容器内に密閉空間を形成する密封装置と、前記密閉空間内に収容される流体とを備え、
容器に対する移動体の相対変位に伴う前記流体の抵抗等による発熱により、結果として上記2点間の相対変位に伴う運動エネルギーを熱エネルギーに変換して減衰させる減衰装置において、
前記密閉空間を形成する壁面の一部に露出して前記流体により加わる圧力に応じて体積が変化する弾性体を備えたことを特徴とする。
【0022】
この弾性体は、例えば密閉空間を形成する壁面の一部に設けられた凹部に配置され、流体の圧力が上昇すると体積が縮小し、密閉空間の容積を拡大して流体圧力の上昇を抑制する。
【0023】
弾性体を密封装置の近傍に配置することにより、流体が粘性流体で圧力の伝達性が低い場合でも、密封装置近傍の流体の圧力を抑え、密封装置へ過大な圧力がかかることを抑制する。
【0024】
弾性体としては、例えばゴム状弾性体を材料とし、中実形状や中空形状や発泡体形状のいずれも採用することができる。
【0025】
本発明においては、前記流体は粘性流体であり、前記移動体は、前記容器内で回転可能に収容された回転体であり、前記回転体は、2点間の他方に連結されたねじ軸と該回転体に接続して該ねじ軸と螺合するナットとを有し、ねじ軸の往復動を回転体の回転運動に変換する回転機構を介して前記2点間の他方に連結されている。
【0026】
回転機構により、2点間の相対変位を回転体の回転運動に変換し、粘性流体による摩擦抵抗を大きくして熱エネルギーへの変換効率をより大きく設定することが可能となり、減衰効果を高めることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、本発明の第1の実施の形態について図を参照して説明する。図1は本発明を適用する減衰装置1の構成を概略的に説明する断面構成説明図である。尚、特徴的な部位に関してはその詳細を別の図を用いて説明する。
【0028】
この減衰装置1は、例えば、地震や交通振動または風等による揺れや振動に伴い相対変位する建築構造物等の2点間である取付部位P1,P2に、減衰装置を構成するねじ軸、容器が取付けられる。
【0029】
この建築構造物などの2点間に相対変位が生じた時には、ねじ軸が容器に対して軸方向に変位する。すると、ねじ軸とナットとの間の螺合作用により、回転体の回転運動に変換され、さらに、この回転体に接している粘性流体が摩擦抵抗等で発熱する。その結果、上記変位に伴うエネルギーが粘性流体の熱エネルギーに変換されて減衰する。
【0030】
減衰装置1の概略構成としては、取付部位P1,P2の往復動を回転運動に変換する回転機構2、容器としてのハウジング3とハウジング3内に収容される移動体としての円筒形状を呈する回転体4を有する減衰部5、回転機構2と減衰部5を連結する連結部6、取付部位P1,P2に減衰装置1を連結するための接続端部7,8が存在する。
【0031】
回転機構2は、円筒状のケース11と、ケース11の中に収容されるナットとしてのボールねじナット12と、ボールねじナット12に螺合するねじ軸13とを備えている。
【0032】
ねじ軸13の一端が接続端部8となり取付部位P2に連結固定され、他端は連結部6の内部で自由端となっている。
【0033】
ボールねじナット12には接続環14Aが固定されており、ねじ軸13に与えられた往復運動が変換された回転運動を、継手手段15及び回転体4側の接続環14Bを介して回転体4へと伝達可能としている。
【0034】
継手手段15は、ねじ軸13と回転体4の偏心を吸収しつつボールねじナット12の回転運動を回転体4へと伝達するためのものであり、周知技術による様々な方式、構成の継手を用いることが可能であるが、例えばオルダム継手を用いることで伝達される回転運動の伝達効率を高く維持することが可能で、かつ中間部材の中央にねじ軸13の通過する孔を設け、ねじ軸13との干渉を回避して全長を抑えることが可能である。
【0035】
連結部6は、両端にフランジ部16a,16bを有するスリーブ16から構成されており、ねじ等の締結手段によりケース11とハウジング3を連結している。
【0036】
減衰部5は、接続端部7が封止端面3aに固定された円筒形状のハウジング3と、ハウジング3内に同軸的に収容される回転体4とを備えている。
【0037】
回転体4は、連結部6側に接続環14Bが嵌合固定されている。そして、両端部が縮径されたベアリング嵌合部4a,4bとなり、ハウジング3の内筒部に固定(スリーブを介する場合もある)されるベアリング17,18を介して回転自在に支持されている。
【0038】
ハウジング3の内周面と回転体4の外周面との間には環状隙間19が形成されており、その両端部の封止は、ベアリング17,18の内側に配置されている密封装置21,22により行なわれ、粘性流体20が収容される密閉空間となっており、流体としての粘性流体20が収容されている。
【0039】
粘性流体20としては、種々のものを採用することが可能であるが、長期間にわたり組成が変化せずに維持されるものが好ましく、また粘性流体として弾性を有する粘弾性体と弾性を有しない流体をも含むものである。
【0040】
粘性流体20の具体例としては、ポリイソブチレンやシリコンオイル等が挙げられる。尚、粘性流体20の充填はハウジング3に設けられたプラグ孔3bから行われ、充填後はプラグ23により封止される。
【0041】
この密封装置21,22の保持を行なう構成に関しては、図2を用いて詳細な説明を行なう。
【0042】
ここで、減衰装置1の基本的な作動について説明する。減衰装置1の接続端部7,8が連結される2点(取付部位P1,P2)が地震等で互いに接近したり遠ざかるように相対変位すると、ねじ軸13はハウジング3に対して軸方向に往復動する。
【0043】
ねじ軸13の往復動は、ねじ軸13に螺合するボールねじナット12の回転運動に変換され、ボールねじナット12の回転運動が接続環14Aと継手手段15及び接続環14Bを介して回転体4へと伝達され、回転体4を回転運動させる。
【0044】
尚、回転体4の回転速度(外周面の速度)は回転機構2により、ねじ軸13のハウジング3に対する相対変位速度に比べて大きく設定されている。
【0045】
そして、回転体4が回転すると、環状隙間19に収容されている粘性流体20の流動に伴う摩擦抵抗が発生し、その結果、回転体4の回転運動に伴う運動エネルギーが粘性流体20の熱エネルギーに変換され、2点間の相対変位に伴う運動エネルギーを減衰させて建築構造体を守ることが可能となる。
【0046】
図2は、密封装置21,22の保持を行なう構成の詳細を説明する図であり、図2(a),(b)は図1のD1部を拡大した図であり、図2(c)はオイルシール33単品の拡大図である。
【0047】
環状隙間19に収容されている粘性流体20は、回転体4の回転運動に伴い発生する摩擦抵抗等により温度上昇し体積膨張しようとする。環状隙間19は両端部を密封装置21,22により封止されていることから、従来技術のように環状隙間19の容積が一定の場合には粘性流体20の圧力も高まることから密封装置21,22に過大な負担をかけ、粘性流体の適正値以上の漏れの発生や密封装置21,22の寿命を縮めることになる。
【0048】
本実施の形態では、密封装置21,22の密封位置を粘性流体20の圧力に応じて移動させることにより環状隙間19の容積を変化(圧力の変化に応じて増減する)させ、粘性流体20の圧力上昇を抑制する構成を採用している。
【0049】
ハウジング3の連結部6側の端部の内周面は嵌合部3cとなり、保持スリーブ31が嵌め込まれている。嵌合部3cは環状隙間19の中央側の内周面3fよりも一段拡径されている。
【0050】
保持スリーブ31はハウジング3への挿入先端側が突き当て端部31aとなり、中央部の内周面3fと嵌合部3cとの間を接続する段差部3dに当接している。
【0051】
突き当て端部31aよりも後端側には、摺動面31bとベアリング嵌合部31cが形成されている。
【0052】
そして、保持スリーブ31の摺動面31bに、内側から軸方向外側(連結部6側)に向かい、オイルシール33を保持したオイルシール保持環32、圧力調整板34、付勢手段としてのスプリング35、スプリング受け板36、ベアリング17が配置されている。
【0053】
オイルシール33は断面U字状でオイルシール保持環32の内周面に当接する外側リップ33aと回転体4の外周面である摺動面4cに当接する内側リップ33bと、両リップを保持する嵌め合い部33cと、オイルシール33の嵌め合い強度とその形状を保持する補強環33dを備え、補強環33dは圧力調整板34に当接し支持されている。
【0054】
圧力調整板34は摺動面31bと摺動面4cの間で軸方向に移動可能に配置された環状部材であり、スプリング35により環状隙間19の容積を小さくする方向に付勢されている。
【0055】
スプリング受け板36はベアリング17と共に、保持スリーブ31に固定されている。
【0056】
37,38は当接面の隙間からの漏れを防止するOリングタイプのシール部材である。
【0057】
このように、密封装置21(反対側の密封装置22も同様の構成としても良い)を実質的に環状隙間19内を移動可能に保持することにより、粘性流体20の加熱等により圧力が上昇した際には、図2(b)に示されるように、圧力を受けたオイルシール33がスプリング35による付勢力に抗して環状隙間19(密閉空間)の容積を拡大する方向(矢印A1方向)に移動し、粘性流体20の過大な圧力上昇を抑える。
【0058】
また粘性流体20の圧力が低下(元の圧力に戻る)した際には環状隙間19(密閉空間)の容積を減少させる方向(元の位置)に移動して粘性流体20の圧力低下を抑える。
【0059】
従って、減衰装置1に備えられた密封装置21,22への粘性流体20の圧力上昇に伴う影響を抑え、減衰装置1の信頼性や耐久性を高めることが可能となる。
【0060】
尚、この実施の形態では付勢手段としてスプリング35を用いたが、スプリング形状は、コイル状、板バネ状等適宜な形態を採用することができ、また、スプリング35の代用としてゴム状弾性体等の弾性体を採用することも可能である。
【0061】
図3は、第1の実施の形態の他の構成を説明する図である。図3(a)では密封装置40が通常の位置にある状態、図3(b)は密封装置40が粘性流体20の圧力を受けて矢印A2方向に移動した状態である。尚、図2と同様の構成には同じ符号が付されている。
【0062】
この構成では、密封装置40の一つの構成要素であるオイルシール41は、保持スリーブ31の摺動面31bと回転体4の摺動面4cとの間に当接するリップ41a,41bと、リップ41a,41bを結合して圧力調整板42に当接するリップ結合部41cとを備えた構成となっている。
【0063】
圧力調整板42は、摺動面31bと摺動面4cとの間で軸方向に摺動移動可能な円筒状のピストン部42aを備え、スプリング35により付勢されている。ピストン部42aの外周面には環状溝が形成され、Oリングタイプのシール部材43が嵌め込まれている。
【0064】
このような密封装置40とすることでも、環状隙間19(密閉空間)の容積を粘性流体20の圧力に応じて変化させ、減衰装置1に備えられた密封装置40への粘性流体20の圧力上昇に伴う影響を抑え、減衰装置1の信頼性や耐久性を高めることが可能となる。
【0065】
また、図3のC1−C1断面図である図4に示されるように、圧力調整板42の回り止めとして保持スリーブ31にキー溝31dを設け、また圧力調整板42にキー部42bを設け、両者を嵌合させることも良い。
【0066】
(実施の形態2)
図5は減衰装置1に適用される本発明の第2の実施の形態の特徴的な構成を説明する断面構成説明図である。図5において、図1と同様の構成に関しては同じ符号が付されている。
【0067】
この第2の実施の形態の密封装置50は、第1の実施の形態の密封装置21,40等と異なり、ハウジング3と回転体4の間の環状隙間19内を移動可能に保持されているものではなく、環状隙間19の両端部(図5に示されない反対側も同様の構成)で特定された位置に固定されている。
【0068】
ハウジング3の嵌合部3cに保持スリーブ51が嵌合固定され、外向フランジ52a付きのオイルシール52が固定環53の端面と保持スリーブ51の段差部51aの間に固定保持されている。固定環53の外側にはベアリング17が嵌合固定されている。
【0069】
また、ハウジング3の端部である嵌合部3cを構成する側壁部には、端面3eから粘性流体20の充填を行なうプラグ孔3bまで連通する連通孔54が設けられている。
【0070】
連通孔54内にはその内周面を密封摺動する圧力応答手段としてのピストン部材55がスプリング56により粘性流体20側に付勢されつつ配置されている。57はスプリング56を収めるプラグである。
【0071】
連通孔54にはプラグ孔3bから粘性流体20が流入しており、ピストン部材55までの間が流体保持室58(流体収容部)となっている。
【0072】
このように構成された流体保持室58を備えることにより、粘性流体20の温度変化に伴う体積変動が生じた際には環状隙間19と流体保持室58の間を粘性流体20が疎通することによって流体保持室58が粘性流体20のバッファとなり、粘性流体20の圧力変化を抑えることが可能となる。
【0073】
ピストン部材55は、粘性流体20の圧力に応じて連通孔54内を軸方向に移動(矢印方向)して、流体保持室58の容積を変更するもので、粘性流体20の圧力が上昇すると変位して流体保持室58の容積を拡大し圧力の上昇を抑制する。また、粘性流体20の圧力が低下(元の圧力に戻る)すると、流体保持室58の容積を縮小させる。
【0074】
従って、減衰装置1に備えられた密封装置50への粘性流体20の圧力上昇に伴う影響を抑え、減衰装置1の信頼性や耐久性を高めることが可能となる。
【0075】
ここで、流体保持室58は、ハウジング3の側壁部に形成されていることから、減衰装置1の構成を簡素化し、また外側の突出部がなくコンパクトな構成となる。
【0076】
尚、流体保持室58はハウジング3の側壁部に複数個備えること、あるいはハウジング3の外部に備えることも可能である。
【0077】
また、流体保持室58は、図6に示されるように流体保持室58を大気側開放とすることが可能である。この場合に、流体保持室58は流入される粘性流体20に対して十分な容量とすることで漏れに対処可能である。
【0078】
図6では、流体保持室58内のスプリング56は不要となり、また、保持スリーブ51の端部に開放孔3gが設けられている。
【0079】
あるいは、密閉された流体保持室58の構成を採用する場合には、内部にガスを封入して流体を所定の圧力で粘性流体20を加圧することも可能である。ガスの封入は、図5において、連通孔54のピストン部材55よりもスプリング56側の領域に封入する。また、ガスの封入に係らずスプリング56を備えていない構成とすることも可能である。
【0080】
尚、流体保持室58を密封装置50の近傍に配置することにより、粘性流体20の圧力の伝達性が低い場合でも、密封装置50近傍の粘性流体20の圧力を抑え、密封装置50へ過大な圧力がかかることを抑制する。
【0081】
図7は第2の実施の形態の他の構成を示す図であり、回転体4に粘性流体20の充填を行なうプラグ孔4dを設け、回転体4の端面4eから粘性流体20の充填を行なうプラグ孔4dまで連通する連通孔54が設けられている。
【0082】
連通孔54内部の構成は、図5の構成と同様であり、ピストン部材55、スプリング56、プラグ57、流体保持室58が備えられ、同様の作用・効果が得られる。
【0083】
(実施の形態3)
図8は減衰装置1に適用される本発明の第3の実施の形態の特徴的な構成を説明する減衰部5の断面構成説明図である。図8において、図1及び図5と同様の構成に関しては同じ符号が付されている。
【0084】
ハウジング3と回転体4の間の環状隙間19を封止する密封装置としては、図5に示された固定された密封装置50が備えられている。
【0085】
この実施の形態では、プラグ孔3bに対して内部を流体収容部とするベローズ61が流体保持室として接続されている。
【0086】
ベローズ61内部にはプラグ孔3bを介して粘性流体20が充填されており、粘性流体20の圧力に応じてベローズ61は伸縮し、流体収容部の容積を変化させる。
【0087】
ベローズ61は、粘性流体20の圧力に応じて軸方向に伸縮(矢印方向)するもので、粘性流体20の圧力が上昇すると伸びて容積を拡大して粘性流体20の圧力の上昇を抑制する。また、粘性流体20の圧力が低下(元の圧力に戻る)すると、容積を縮小(元に戻す)する。
【0088】
従って、減衰装置1に備えられた密封装置50への粘性流体20の圧力上昇に伴う影響を抑え、減衰装置1の信頼性や耐久性を高めることが可能となる。
【0089】
(実施の形態4)
図9(a)は減衰装置1に適用される本発明の第4の実施の形態の特徴的な構成を説明する減衰部5の断面構成説明図である。図9において、図1及び図5と同様の構成に関しては同じ符号が付されている。図9(b),(c)は図9(a)のD2部の拡大図である。
【0090】
ハウジング3と回転体4の間の環状隙間19を封止する密封装置としては、図5に示された固定された密封装置50が備えられている。
【0091】
この実施の形態では、回転体4の軸方向両端部で密封装置50の近傍の環状隙間19に面する外周面に凹部としての凹溝4f(2本)を設け、その中に粘性流体20により加わる圧力に応じて体積が変化する弾性体としてのゴムリング71を備えている。
【0092】
ゴムリング71により、粘性流体20の圧力が上昇すると図9(c)に示されるようにゴムリング71の体積が縮小し、密閉空間である環状隙間19の容積を拡大して圧力の上昇を抑制する。また、粘性流体20の圧力が元の圧力に戻るとゴムリング71の体積も元に戻る。
【0093】
尚、弾性体を密封装置50の近傍に配置することにより、粘性流体20が圧力の伝達性が低い場合でも密封装置50近傍の粘性流体20の圧力を抑え、密封装置50へ過大な圧力がかかることを抑制する。
【0094】
弾性体としては、例えばゴム状弾性体を材料とし、中実形状や発泡体形状、或いは、後述のように、中空形状とすることもできる。
【0095】
また、その配置位置は回転体4に限定されず、ハウジング3側に設けることも可能である。
【0096】
また、その形状もリング状に限定されるものではなく、円形や矩形等(移動しないように固定保持する必要がある)様々な形状を採用することが可能であり、円柱形状としてプラグ23の内側先端部に設ける構成を採用することが可能である。この場合に、プラグの大きさや設ける個数を適宜設定して圧力減少の程度を調整することも可能である。
【0097】
(実施の形態5)
図10は、本発明を適用する減衰装置91の要部の断面構成を説明する図である。この減衰装置91は、図1の減衰装置1と同様に建築構造物等の2点間である取付部位P1,P2に取り付けられる。
【0098】
減衰装置91は、取付部位P1,P2の往復動を回転運動に変換する回転機構92、容器としてのハウジング93とこのハウジング内に収容される移動体としての円筒形状を呈する回転体94を有する減衰部95、回転機構92と減衰部95を連結する連結部96、取付部位P1,P2に減衰装置91を連結するための接続部97,98を備えている。
【0099】
回転機構92は、円筒状のケース101と、このケース101の中に収容されるボールねじナット102と、ボールねじナット102に螺合するねじ軸103とを有している。
【0100】
ねじ軸103の一端が継手99及び接続部98を介して取付部位P2に連結固定され、他端は連結部96の内部で自由端となっている。ボールねじナット102には、図1と同様に接続環、継手手段(いずれも図示せず)、及び回転体94側の接続環104Bを介して回転体94が接続されている。回転体94は、外周面が段付状に形成され、その大径部の両端部がベアリング107,108を介してハウジング93に回転自在に支持されている。
【0101】
ハウジング93の内周面と回転体94の外周面との間には、図10のE部の拡大図である図11(A)にも示すように、粘性流体20が収容された環状隙間109が形成されており、その両端部の封止は、ベアリング97,98の内側に配置されたオイルシール110,111によって行われている。これらのオイルシール110,111は、ハウジング93とその蓋部112との間に取り付けられたオイルシール保持環113の内周面に保持されている。
【0102】
また、回転体94の軸方向端部で、オイルシール110,111の近傍の環状隙間109に面する外周面に、凹部としての凹溝94f(各端部にそれぞれ1個)が設けられ、その中に粘性流体20より加わる圧力に応じて体積が変化する弾性体としての中空形状のゴムリング114が嵌め込まれている。
【0103】
このゴムリング114により、粘流体20の圧力が熱膨張によって上昇した場合でも、図11(B)に示すように、ゴムリング114の体積が収縮し、密閉空間である環状隙間109の容積が拡大して、粘性流体20の圧力上昇が抑制される。なお、粘性流体20の圧力が元に戻ると、ゴムリング114の体積も戻る。
【0104】
ここで、ゴムリング114の有無により、環状隙間109内の粘性流体20の圧力がどの程度相違するかを比較してみる。
【0105】
いま、装着前のゴムリング114内の圧力をP0(P0=1(atm))、体積をVpとし、装着後のゴムリング114内の圧力をP、体積を(Vp−△V)(△Vは体積変化量)とすると、ゴムリング114内の気体を理想気体と仮定して、数式1の関係が得られる。
【0106】
【数1】
P0×Vp=P×(Vp−△P)=C
但し、P0:装着前のゴムリング112内の圧力(P0=1)
Vp:装着前のゴムリング112内の体積
P :装着後のゴムリング112内の圧力
△V:装着前後のゴムリング112内の体積変化量
C :定数(一定)
【0107】
また、ゴムリング114がない場合の環状隙間109内の粘性流体20の圧力P’と、体積Vとの関係は数式2のようになる。
【0108】
【数2】
P’=12.5((△V/V)×100)2+57.5((△V/V)×100)+1
但し、P’:ゴムリング114がない場合の粘性流体20の圧力
V:ゴムリング114がない場合の粘性流体20の体積
【0109】
ここで、数式1から△Vを求め、この△Vを数式2に代入することによって、ゴムリング114がない場合に、粘性流体20がゴムリング114がある場合と同一量△Vだけ熱膨張するような温度となったときに、粘性流体20に発生する圧力P’を求めることができる。
【0110】
いま、ゴムリング114がある場合に、P=2.5(atm)、Vp=2000(mm3)と仮定し、これらの数値を数式1に代入することにより、△V=Vp−Vp/P=2000−(2000/2.5)=1200(mm3)が得られる。
【0111】
また、ゴムリング114がない場合に、V=41000(mm3)と仮定し、これと上述の△V=1200(mm3)を数式2に代入すると、
P’=12.5×(1200/41000)2+57.5×(1200/41000)+1=276.37(atm)
が得られる。
【0112】
すなわち、ゴムリング114がない場合には、粘性流体20の圧力が276(atm)の高圧になるような場合でも、ゴムリング114を設けることによって、粘性流体20の圧力を2.5(atm)程度に抑えることができる。
【0113】
このように、中空形状のゴムリング114を設けることによって、粘性流体20が温度上昇した場合でも、オイルシール110,111に過大な負担をかけることがないので、例えば耐圧能力が150(atm)程度のオイルシール110,111を使用した場合でも、粘性流体20の漏れの発生や、オイルシール110,111の寿命を縮めるようなことを防止できる。
【0114】
また、本実施の形態では、図10に示すように、接続部97,98が回転自在になっている。下側の接続部97は、減衰装置91に直接取り付けられているが、上側の接続部98は、継手99を介して減衰装置91のねじ軸103に取り付けられている。継手99は、ボルトによってねじ軸103に固定されている。
【0115】
次に、上側の接続部98に付いて説明するが、下側の接続部97も同一の構成である。接続部98は、図10のF−F断面図である図12に示すように、取付部位P2にボルトで取り付けられた第1ブラケット115と、継手99にボルトで取り付けられた第2ブラケット116と、第1ブラケット115及び第2ブラケット116を回転自在に連結する回転軸117とを備えている。
【0116】
第1ブラケット115は、取付部位P2に固定される底板部118と、その中央部から下側に突出する突出部119とを有している。突出部119には、貫通孔120が設けられている。
【0117】
また、第2ブラケット116は、継手98に固定される底板部121と、この底板部121の上側に第1ブラケット115の突出部119の厚みより僅かに広い間隔を開けて突出形成された一対の挟持部122,122を有している。これらの挟持部122,122には、互いに整合する貫通孔123,123が設けられている。回転軸117は、その片端部に鍔部124が設けられ、他端部に止め板125が取り付けられている。
【0118】
そして、第1ブラケット115の突出部119が第2ブラケット116の挟持部122,122の間に挟まれ、突出部119の貫通孔120と、挟持部122,122の貫通孔123,123に回転軸115が挿入されている。これによって、第1ブラケット115と第1ブラケット116、すなわち、取付部位P2と減衰装置91とが回転自在になっている。
【0119】
このように、取付部位P1,P2と減衰装置91を、回転自在な接続部97,98を介して接続することにより、取付部位P1,P2が横方向に相対変位したときに、減衰装置91に無理な力がかかるのを防止できる。
【0120】
(実施の形態6)
図13は、本発明を適用する減衰装置81の要部の断面構成を説明する図である。この減衰装置81も、減衰装置1と同様の回転機構82、連結部83、減衰部84を備えた構成となっている。
【0121】
減衰部84は、円盤部85aを備えた回転体85と回転体85を収容するハウジング86を備え、ハウジング86内側と回転体85外側との間の隙間を密封装置87,88により密閉空間とし、粘性流体20が収容されている。
【0122】
ハウジング86は、円盤部85aを境として軸方向に分割された構成であり、連結部83側の第1ハウジング86aと、封止カバー91側の第2ハウジング86b、連結環86cを備えている。
【0123】
回転体85は、ベアリング89,90によりハウジング86に対して回動自在に支持されている。
【0124】
このような構成の減衰装置81に対しても、図2に示された密封装置の移動機構や、図5に示された流体保持室の構成、図8のベローズ、図9及び図11の弾性体を備えることが可能であり、上記された第1〜第5の実施の形態と同様に、減衰装置81に備えられた密封装置87,88への粘性流体20の圧力上昇に伴う影響を抑え、減衰装置81の信頼性や耐久性を高めることが可能となる。
【0125】
尚、移動体は回転体でなく、ハウジングに対して直線移動するものであってもよい。この場合、移動体としてピストンを設け、このピストンでハウジングの内部空間を2室に仕切り、これら室間を連通する通路又はピストンとハウジングとの隙間を設け、2室には粘性流体を満たす。
【0126】
このような構成の減衰装置では、ピストンがハウジングに対して直線移動する過程で、流体が一方の室から他方の室へと上記通路又は隙間を介して移動し、この通路又は隙間を通過する際の流動抵抗で発熱し、これにより、対象部間の相対変位に伴う運動エネルギーを減衰させる。
【0127】
そして、本発明の特徴となる構成は、粘性流体を保持する上記2室あるいは隙間を封止する密封装置等に適用することが可能である。
【0128】
【発明の効果】
上記のように説明された本発明にあっては、減衰装置に備えられた密封装置への流体の圧力上昇に伴う影響を抑え、減衰装置の信頼性や耐久性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係わる減衰装置の概略構成を示す断面構成説明図。
【図2】減衰装置の要部の拡大断面図(実施の形態1)。
【図3】減衰装置の要部の拡大断面図(実施の形態1のその他の構成)。
【図4】圧力調整板の回り止め機構を説明する図。
【図5】減衰装置の要部の拡大断面図(実施の形態2)。
【図6】減衰装置の要部の拡大断面図(実施の形態2のその他の構成)。
【図7】減衰装置の要部の拡大断面図(実施の形態2のその他の構成)。
【図8】減衰装置の要部の断面図(実施の形態3)。
【図9】減衰装置の要部の断面図及び拡大断面図である(実施の形態4)。
【図10】減衰装置の要部の断面図(実施の形態5)。
【図11】減衰装置の要部の拡大図(実施の形態5)。
【図12】減衰装置の接続部の断面図(実施の形態5)。
【図13】実施の形態に係る減衰装置のその他の構成を説明する要部の断面図(実施の形態6)。
【符号の説明】
1 減衰装置
2 回転機構
3 ハウジング
3a 封止端面
3b プラグ孔
3c 嵌合部
3d 段差部
3e 端面
3f 内周面
3g 開放孔
4 回転体
4a,4b ベアリング嵌合部
4c 摺動面
4d プラグ孔
4e 端面
4f 凹溝
5 減衰部
6 連結部
7,8 接続端部
11 ケース
12 ボールねじナット
13 ねじ軸
14A,14B 接続環
15 継手手段
16 スリーブ
16a,16b フランジ部
17,18 ベアリング
19 環状隙間
20 粘性流体
21,22 密封装置
23 プラグ
31 保持スリーブ
31a 突き当て端部
31b 摺動面
31c ベアリング嵌合部
31d キー溝
32 オイルシール保持環
33 オイルシール
33a 外側リップ
33b 内側リップ
33c 嵌め合い部
33d 補強環
34 圧力調整板
35 スプリング
36 スプリング受け板
37,38 シール部材
40 密封装置
41 オイルシール
42 圧力調整板
42b キー溝
50 密封装置
51 保持スリーブ
52 オイルシール
53 固定環
54 連通孔
55 ピストン部材
56 スプリング
57 プラグ
58 流体保持室
61 ベローズ
71 ゴムリング
81 減衰装置
82 回転機構
83 連結部
84 減衰部
91 減衰装置
92 回転機構
93 ハウジング
94 回転体
95 減衰部
97,98 接続部
114 ゴムリング(中空形状)

Claims (6)

  1. 相対変位する2点間の一方に連結される容器と、
    前記2点間の他方に連結され前記容器内で回転可能に収容される回転体であって、前記2点間の他方に連結されたねじ軸と前記回転体に接続して該ねじ軸と螺合するナットとを有し、ねじ軸の往復動を回転体の回転運動に変換する回転機構を介して前記2点間の他方に連結されている回転体と、
    前記容器と前記回転体との間の隙間であって、前記容器の内筒部に固定されて前記回転体を回転自在に支持するベアリングの内側に配置されて該容器内に密閉空間を形成する密封装置と、
    前記密閉空間内に収容される粘性流体と、
    を備え、
    前記容器に対する前記回転体の回転に伴う前記粘性流体の流動によって発生する摩擦抵抗による発熱により、結果として上記2点間の相対変位に伴う運動エネルギーを熱エネルギーに変換して減衰させる減衰装置において、
    前記密封装置は、前記隙間内を移動可能に保持されると共に、付勢手段により前記密閉空間側に付勢されており、前記密閉空間内に収容された流体の圧力に応じて移動し、前記密閉空間の容積を変更することを特徴とする減衰装置。
  2. 相対変位する2点間の一方に連結される容器と、
    前記2点間の他方に連結され前記容器内で回転可能に収容される回転体であって、前記2点間の他方に連結されたねじ軸と前記回転体に接続して該ねじ軸と螺合するナットとを有し、ねじ軸の往復動を回転体の回転運動に変換する回転機構を介して前記2点間の他方に連結されている回転体と、
    前記容器と前記回転体との間の隙間であって、前記容器の内筒部に固定されて前記回転体を回転自在に支持するベアリングの内側に配置されて該容器内に密閉空間を形成する密封装置と、
    前記密閉空間内に収容される粘性流体と、
    を備え、
    前記容器に対する前記回転体の回転に伴う前記粘性流体の流動によって発生する摩擦抵抗による発熱により、結果として上記2点間の相対変位に伴う運動エネルギーを熱エネルギーに変換して減衰させる減衰装置において、
    前記密閉空間に接続し、該密閉空間との間で前記粘性流体の流通を可能とする流体保持室と、
    圧力に応答して前記流体保持室内で移動し該流体保持室における流体収容部の容積を変更する圧力応答手段と、
    を備えることを特徴とする減衰装置。
  3. 前記密閉空間は、前記容器の内周面と前記回転体の外周面との間で形成された環状隙間により構成されており、
    前記流体保持室と前記環状隙間が孔により繋がっていることを特徴とする請求項2に記載の減衰装置。
  4. 前記流体保持室は、流入する流体の圧力に応答して伸縮し、流体収容部の容積を変更するベローズであることを特徴とする請求項2または3に記載の減衰装置。
  5. 相対変位する2点間の一方に連結される容器と、
    前記2点間の他方に連結され前記容器内で回転可能に収容される回転体であって、前記2点間の他方に連結されたねじ軸と前記回転体に接続して該ねじ軸と螺合するナットとを有し、ねじ軸の往復動を回転体の回転運動に変換する回転機構を介して前記2点間の他方に連結されている回転体と、
    前記容器と前記回転体との間の隙間であって、前記容器の内筒部に固定されて前記回転体を回転自在に支持するベアリングの内側に配置されて該容器内に密閉空間を形成する密封装置と、
    前記密閉空間内に収容される粘性流体と、
    を備え、
    前記容器に対する前記回転体の回転に伴う前記粘性流体の流動によって発生する摩擦抵抗による発熱により、結果として上記2点間の相対変位に伴う運動エネルギーを熱エネルギーに変換して減衰させる減衰装置において、
    前記密閉空間を形成する壁面の一部に露出して前記粘性流体により加わる圧力に応じて体積が変化する弾性体を備えたことを特徴とする減衰装置。
  6. 前記弾性体は中空形状であることを特徴とする請求項5に記載の減衰装置。
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