JP4381586B2 - 電磁弁マニホールド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁弁マニホールドに関する。
【0002】
【従来の技術】
電磁弁によって流体の給排切換を行うことで多数の外部流体圧機器、例えば流体圧シリンダ等を駆動させる場合、各外部流体圧機器に対応して電磁弁を多数個集約させた電磁弁マニホールドが使用される。
【0003】
電磁弁マニホールドは、各電磁弁に共通の流体供給通路及び流体排出通路を有するマニホールドベースに前記各電磁弁を搭載して構成されるものや、電磁弁自体に前記流体供給通路や流体排出通路の一部を形成して各電磁弁を連設した状態において一連の流体供給通路及び流体排出通路を構成するようにしてマニホールドベースを省略したもの等が一般的である。なお、マニホールドベースを省略したタイプのものをマニホールド電磁弁と称する場合もあるが、この明細書では特に一方について言及する部分を除いて統一的に電磁弁マニホールドと称する。このような電磁弁マニホールドは高集積化及び省スペース化を達成することができる点で優れているため、工場の生産ライン等で多用されている。
【0004】
上記電磁弁マニホールドには、マニホールドベースの長手方向端部又は連設された電磁弁の連設方向端部に、子局が設置される場合がある。この子局は、各電磁弁の配線を集約し、外部に備えられた制御装置(親局)と接続する役目を担っている。
【0005】
ここで、電磁弁マニホールドの設置環境によっては、周囲から水や埃が浸入して各電磁弁が誤動作をしてしまうおそれがあるため、これらを防止すべく電磁弁マニホールドに防滴構造や防塵構造を採用したものがある。
【0006】
防滴構造を有する電磁弁マニホールドとしては、例えば実用新案登録第2554667号公報に記載されたものがある。ここに記載の電磁弁マニホールドでは、各電磁弁と子局とを配線するためのケーブルが配線ダクト内に配設されている。そして、ケーブルの一端である電磁弁との接続部位と、他端である子局との接続部位とのそれぞれにシール部を設けて、そのシール部の孔にケーブルを通すことで前記各接続部位での防滴を達成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実用新案登録第2554667号公報に記載された電磁弁マニホールドでは、各電磁弁とケーブルコネクタとの間のシールについては、シール部材とは別に、コネクタ支持板と係止板とが必要な構成となっていた。そのため、ケーブルコネクタの支持構成及びそのシール構成が複雑化し、その組み付け作業も面倒なものとなっていた。
【0008】
更に、各電磁弁と子局との間は、配線ダクト内でケーブルが延びる構成であるため、ケーブルが輻輳するとともに、子局に至る距離が各電磁弁毎に異なることから長さの異なる複数種のケーブルを容易しなければならないという不都合も生じていた。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、防滴構造を採用するに際して、各電磁弁から配線ダクト内へ配線を導く部分のシールを簡単な構成で実現できるとともにその組み付け作業も容易なものとすることができる電磁弁マニホールドを提供することを主要課題の一つとしている。また、上記課題と関連付けて、配線ダクト内の配線処理を合理的なものとすることができる電磁弁マニホールドを提供することを更なる課題の一つとしている。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
以下に、上記課題を解決し得る手段等について列挙する。なお、必要に応じてその作用、効果、具体的手段等についても付記する。
【0011】
手段1.複数の電磁弁が連設され、各電磁弁の配線が配線ダクトを通して所定箇所に集約されるように構成した電磁弁マニホールドにおいて、前記配線ダクトの電磁弁側には、電磁弁側の端子と接続するためのコネクタが挿入される接続用窓を形成し、コネクタには接続用窓の周縁に係合される開閉爪を設け、コネクタを接続用窓に挿入することにより開閉爪が接続用窓の周縁に係合されてコネクタが支持されることを特徴とする電磁弁マニホールド。
【0012】
手段1によれば、電磁弁と配線ダクトとの間でコネクタ接続するに際して、配線ダクト側のコネクタは開閉爪を備えており、その開閉爪を接続用窓の周縁に係合させることによってコネクタが支持されるので、コネクタ支持のために何ら別の部品を用いる必要がなくなる。その結果、部品点数の低減、組み付け工数の低減といった効果が得られる。なお、手段1に係る発明は必ずしも防滴構造を採用したものに限られない。
【0013】
手段2.手段1において、前記配線ダクトと電磁弁との間には、接続用窓の外周位置に対応してシール部材が設けられ、そのシール部材によって配線ダクトと電磁弁との間の電気的接続部位がシールされることを特徴とする電磁弁マニホールド。
【0014】
手段2によれば、手段1のようにコネクタ支持された上でその周囲がシール部材に覆われることから、電磁弁の端子とコネクタとの接続部分に水滴が混入することがなくなる。
【0015】
手段3.手段2において、前記シール部材には、開閉爪が前記接続用窓の周縁との係合関係を解除する方向へ撓むのを防止するために、開閉爪の解除方向側に配設される突部を設けたことを特徴とする電磁弁マニホールド。
【0016】
手段3によれば、突部の存在により、開閉爪の係合状態が解除されることがなくなり、振動等によってコネクタが接続用窓から離脱してしまうおそれがない。また、取付作業性を向上させるために開閉爪を撓みやすくしておいても、前記突部の存在により確実にコネクタを支持することができる。
【0017】
手段4.手段3において、前記突部は前記シール部材に一体形成されていることを特徴とする電磁弁マニホールド。手段4によれば、突部をシール部材に一体形成したことから、部品点数の更なる低減を図ることができるとともに、組み付け工数も低減される。
【0018】
手段5.手段1乃至4のいずれかにおいて、前記コネクタは樹脂により形成されており、開閉爪はコネクタに一体に形成されていることを特徴とする電磁弁マニホールド。手段5によれば、部品点数の更なる低減を図ることができるとともに、組み付け工数も低減される。また、樹脂による成型であるため、開閉爪に対し弾力を容易にもたせることができる。
【0019】
手段6.手段1乃至5のいずれかにおいて、前記配線ダクトは各電磁弁に対応して複数設けられ、各配線ダクト内には中継端子盤が収納され、各配線ダクト同士を連設することにより中継端子盤同士が電気的に接続され、中継端子盤とそれに対応する電磁弁とは前記コネクタから延びるケーブルによって電気的に接続されることを特徴とする電磁弁マニホールド。
【0020】
手段6によれば、配線ダクト内では、中継端子盤同士の端子接続によって配線処理が行われることから、各電磁弁から電磁弁マニホールドの端部にまでケーブルを引き回す場合と比べて配線処理が容易になる。
【0021】
手段7.手段6において、前記中継端子盤には前記配線ダクトの連設方向の一方に雌コネクタ端子を備えるとともに他方に雄コネクタ端子を備え、配線ダクトの接続時には隣接する一方の中継端子盤の雄コネクタ端子と他方の中継端子盤の雌コネクタ端子とが接続されることによって電気的に接続され、更に配線ダクトには雌コネクタ端子を前記連設方向にガイドするガイド部を備えたことを特徴とする電磁弁マニホールド。
【0022】
手段7によれば、中継端子盤に備えた雄コネクタ端子と雌コネクタ端子とが隣接する中継端子盤の雌コネクタ端子或いは雄コネクタ端子に次々と接続されていくことで、電気的に接続される。この場合、配線ダクトにガイド部を備えていることで、中継端子盤同士の接続時に雌コネクタ端子がガイド部に案内されながら雄コネクタ端子に接続されるので接続が円滑に行われ、また接続後においてはその接続状態を安定したものとすることができる。なお、ガイド部としては例えば後述の実施の形態において説明する阻止部72が挙げられる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、一実施の形態について図1乃至図14を参照しつつ説明する。
【0024】
図1に電磁弁マニホールド1全体の斜視図、図2に電磁弁マニホールド1の一部(1個の電磁弁対応分)を一方向から見た分解斜視図、図3に図2と同一のものを他方向から見た分解斜視図、図4に電磁弁マニホールド1の一部(1個の電磁弁対応分)をそれぞれ示した。まず、これら図1乃至図4を中心に電磁弁マニホールド1の概略構成について説明する。
【0025】
電磁弁マニホールド1は、複数個(本実施の形態では8個)のマニホールドブロック2を備えている。これら各マニホールドブロック2は、一方向に並べられている。このように並べられマニホールドブロック2の配列方向の両端側には、それぞれエンドブロック3が配置されている。一方のエンドブロック3とそれに隣接するマニホールドブロック2との間には、給排ブロック4が配置されている。前記マニホールドブロック2の側部には、それぞれ配線ダクト5が一体的に取り付けられている。これらマニホールドブロック2及び配線ダクト5の上側には、それぞれ電磁弁6が搭載されている。一方のエンドブロック3、具体的には給排ブロック4から離れた側のエンドブロック3に隣接して、子局7が配置されている。
【0026】
電磁弁マニホールド1は、基本的に、マニホールドブロック2、エンドブロック3、給排ブロック4、配線ダクト5、電磁弁6及び子局7によって構成されている。また、図2乃至図4に示すように、それぞれ1個のマニホールドブロック2、配線ダクト5、電磁弁6及び子局7の組合せによって1個の電磁弁ユニットが構成されている。従って、電磁弁マニホールド1は複数の電磁弁ユニットの連設によって構成されているのであり、かかる電磁弁ユニットの連設数を適宜増減することができるのである。そして、これら各部品からなる電磁弁マニホールド1は、複数のマニホールドブロック2を一対のエンドブロック3間で図示しないタイロッドにより締結することによって、図1に示すような全体として矩形状のユニットとして構成されている。なお、マニホールドブロック2を電磁弁6の数に対応して複数設けるのではなく、単一部材とした長尺状に形成してもよい。また、マニホールドブロック2を省略した所謂マニホールド電磁弁として、前記電磁弁マニホールド1を構成してもよい。
【0027】
次いで、個々の構成について詳細に説明する。
【0028】
まず、マニホールドブロック2について説明する。図2〜図4に示すように、マニホールドブロック2には電磁弁ユニットの連設方向に延びる共通供給流路部11が形成されており、その両側には一対の共通排出流路部12,13が形成されている。これら各流路部11〜13は電磁弁ユニットの連設方向に沿って延びている。従って、複数の電磁弁ユニットを連設した状態では、隣接するマニホールドブロック2間で次々と共通供給流路部11同士が連結され、マニホールドブロック2群の内部に1本の共通供給流路が長手方向(連設方向)に延びるようにして形成されることとなる。また、同様にして一対の共通排出流路が形成されることとなる。これら共通供給流路及び共通排出流路は、その長手方向両端が前記エンドブロック3によって封止されている。
【0029】
これら共通供給流路及び共通排出流路は、前記給排ブロック4に形成された共通供給ポート14及び共通排出ポート15に連通されている。これら共通供給ポート14及び共通排出ポート15には図示しない外部流体配管が接続される。そして、外部流体配管を介して共通供給ポート14より流体が供給されている状態では、共通供給流路を介して各マニホールドブロック2の共通供給流路部11に流体が常時供給された状態にある。また、共通排出流路内の流体は共通排出ポート15を経由して外部流体配管より一括して排出される。ここでは、流体として、エアを用いることを意図しているが、エア以外の気体や、気体以外の油等の液体に適用してもよいことはいうまでもない。
【0030】
各マニホールドブロック2の上面には電磁弁6との間で流体の流通を行うための複数の流路が開口されており、側部には一対の個別ポート16,17が形成されている。これら個別ポート16,17には外部流体配管を介して流体圧シリンダ等の外部流体圧機器に接続され、個別ポート16,17より外部流体圧機器に流体が給排される。
【0031】
次いで、電磁弁6について説明する。図2〜図5に示すように、電磁弁6は、流路切換部21と電磁切換部22とを備えている。
【0032】
このうち、流路切換部21が前記マニホールドブロック2の直上に配置され、複数本(本実施の形態では2本)のネジによってマニホールドブロック2上に着脱自在に固定されている。流路切換部21は、内部に前後方向(電磁弁ユニットの連設方向と直交する方向)へ延びるスプールを備えている。スプールはパイロット圧により切換駆動される。前記各マニホールドブロック2の上面に開口された前記複数の流路における連通と遮断との切換は、前記スプールの切換駆動によって行われる。
【0033】
前記電磁切換部22は、前記流路切換部21の端部に取り付けられている。電磁切換部22は、前記スプールを駆動すべく、スプールの端部にパイロット圧を供給したりパイロット圧を排出するための電磁ソレノイド部23,24(図5参照)を有している。本実施の形態ではダブルソレノイドタイプのものについて説明するが、シングルソレノイドタイプのものであってもよく、それらが混載されて電磁弁マニホールド1を構成するようにしてもよい。
【0034】
図5及び図6に示すように、前記流路切換部21にはパイロット流路が形成された中継板25を介して電磁切換部22が取り付けられている。電磁切換部22の一対の電磁ソレノイド部23,24は、前記中継板25を介して取り付けられる支持部材26上に設けられている。より具体的には、支持部材26は、中継板25に取り付けられる取付板部27と、その中間位置から当該取付板部27に対し略直交するように略水平方向に延びる支持板部28とから構成されている。取付板部27の外周には周回する溝29が形成されており、その溝29には断面円形のOリングからなるシールリング30が嵌め込まれている。シールリング30は当然のことながら、所定の弾性を有しており、溝29に取り付けられた状態にあってもシールリング30は溝29から外部に突出された状態とされている。支持板部28の上下にはそれぞれ前記電磁ソレノイド部23,24が搭載されている。ここで、電磁ソレノイド部23,24は、ダブルソレノイドを構成するものであるが、個々に支持板部28に対してねじ止めされているので、一方の電磁ソレノイド部23が故障しても当該電磁ソレノイド部23のみを取り外して交換することができる。
【0035】
支持板部28の先端部には一対の基板支持突部31が設けられており、その基板支持突部31の長手方向中間位置には受部32が設けられている。前記電磁ソレノイド部23,24に電源を供給するための電気回路基板33には、その両側部において切欠34が形成されている。そして、前記基板支持突部31に電気回路基板33の切欠34が掛止められており、電気回路基板33の一方の面が前記受部32に当接されて、それ以上の電磁ソレノイド部23,24側への電気回路基板33の移動が阻止されている。
【0036】
これら電磁ソレノイド部23,24、支持部材26及び電気回路基板33は、まとめて防滴用のケース35に被覆されている。図7(a)に示すように、ケース35は一方の面を開放した直方体状をなしている。図7(b)に示すように、ケース35の開放端には、上下一対かつ左右一対の計4個の爪36が形成されている。また、ケース35の開放端からケース35内側面を水平に延びるように一対の突条37,38が相対向するように形成されている。一方の突条37は他方の突条38よりも幅狭に形成されている。
【0037】
一方、前記支持板部28の両側には一対の案内溝39,40が形成されている。一方の案内溝39は前記突条37の幅とほぼ同じ程度の溝幅とされ、他方の案内溝40は前記突条38の幅とほぼ同じ程度の溝幅とされている。従って、ケース35を、両突条37,38が支持板部28の案内溝39,40に嵌まり込むようにしてスライドさせることによって、ケース35が前記電磁ソレノイド部23,24等を覆うことができる。ケース35の爪36は中継板25に係合され、ケース35の脱落が防止されている。
【0038】
ここで、前記シールリング30がケース35の開放端寄りの内周面に当接された径シール構造となっている。従って、ケース35内部はシールリング30によって密閉されている。その結果、電磁ソレノイド部23,24及び電気回路基板33といった電気系機器がシールされて水滴等による故障や誤動作が防止される。また、シールリング30を径シール構造として採用したことから、シールリング30の弾性力によってケース35のぐらつきを抑えることができる。なお、ケース35の下面において反開放端側には、前記電気回路基板33とケース35外部との電気的接続のための図示しない窓が形成されている。
【0039】
次いで、配線ダクト5及びそれに関連する構成について説明する。図2〜図4に示すように、配線ダクト5は前記電磁弁6及びマニホールドブロック2に対応して1個ずつ設けられている。配線ダクト5は、略四角枠状をなしている。配線ダクト5のマニホールドブロック2側には左右一対の係止爪板45と、係止爪45間における下部に配置された突板46とが設けられている。一方、マニホールドブロック2には係止爪板45及び突板46が入り込み得る室47が形成されており、室47の両側には係止孔48が形成されている。従って、配線ダクト5の係止爪板45及び突板46をマニホールドブロック2の室47へ挿入することによって、室47の内面に係止爪板45及び突板46が当接されてマニホールドブロック2に対し配線ダクト5が安定した状態で支持され、また係止爪板45の爪部分が係止孔48に係止されることによってマニホールドブロック2からの配線ダクト5の抜け落ちが防止されている。
【0040】
図2及び図3に示すように、配線ダクト5の上面側には、接続用窓50が形成されている。接続用窓50には配線ダクト5の内側より上方へ向けてコネクタ51が挿入されている。コネクタ51には一対の開閉爪52が一体に設けられており、その開閉爪52が前記接続用窓50の周縁に係合されている。その係合関係によって、コネクタ51の下方への脱落が防止されている。
【0041】
このコネクタ51には、電磁弁6のマニホールドブロック2及び配線ダクト5上への搭載時に、前記電気回路基板33の接続ピン41が接続される。この接続ピン41とコネクタ51との接続部位のシールのため、電磁切換部22と配線ダクト5との間にはガスケット53が配設されている。図12に示すように、ガスケット53は接続用窓50の外周に沿った略四角形状をなしているため、電磁切換部22の下面と配線ダクト5の上面との間でガスケット53が押しつぶされてシール効果を維持する。また、ガスケット53の下方には四角柱形状の突起54が一体形成されている。この突起54は、図11に示すように、一対の開閉爪52間に入り込むことにより、開閉爪52が互いに内側に寄るような事態、即ち開閉爪52の係合状態が解除されるような事態を阻止する役目を担うものであり、これによりコネクタ51の抜け落ちを確実に防止している。しかも、このコネクタ51の抜け落ち効果が、本来はシール効果を狙ったガスケット53によって得られることから、部品点数の低減及び組み付け工数の低減を実現することができる。
【0042】
図2及び図3に示すように、コネクタ51はケーブル55を介してもう一方のコネクタ56と電気的に接続された状態にある。中継端子盤61は、長方形状の基板62と、その基板62上における長手方向一端側に配設されて前記コネクタ56と接続されたケーブル用コネクタ端子63と、その基板62上における長辺の一辺に沿って延びるように配設された雌コネクタ端子64と、その基板62上における長辺の他辺に沿って延びるように配設された雄コネクタ端子65とを備えている。雌コネクタ端子64と雄コネクタ端子65とは互いに反対向きに指向されている。
【0043】
図4及び図8〜図11に示すように、中継端子盤61は配線ダクト5内に収納されている。その収納の構造について説明すると、配線ダクト5内には、中継端子盤61が載置される載置部71が中継端子盤61のコーナ部分に対応して形成されている。その載置部71に向けては、中継端子盤61は配線ダクト5の一方の開口側からのみ挿入することができる構造となっている。即ち、配線ダクト5の他方の開口側には、中継端子盤61の通過を阻止する阻止部72が4隅に形成されており、配線ダクト5の他方の開口側、即ち図9の左側からの中継端子盤61の挿入はできない一方で図9の右側からの中継端子盤61の挿入は可能とされている。
【0044】
配線ダクト5の載置部71へ中継端子盤61を載置させた状態では、図8に示すように、電磁切換部22との接続部分であるコネクタ51の取付位置と、中継端子盤61に設けられたケーブル用コネクタ63の位置とは、基板62の長手方向にみて両端側に離れた位置となっている。そのため、配線ダクト5を小型化しつつも、コネクタ51とケーブル用コネクタ63とが相互に干渉することがない。即ち、もしコネクタ51とケーブル用コネクタ63とを同じ側に設けたとすれば、配線ダクト5の高さをかなり高くする必要が生じ、配線ダクト5が大型化してしまうが、そのような不都合は生じない。また、コネクタ51とケーブル用コネクタ63とが離れているため、これに合わせてケーブル55も比較的長めに形成されている。その結果、中継端子盤61を配線ダクト5に挿入する前にケーブル55の接続作業を行う場合に、ケーブル55の長さに余裕がある分だけその接続作業が容易なものとなる。
【0045】
配線ダクト5の載置部71の前後左右の各部には、当該載置部71上に載置された中継端子盤61の前後左右への位置ずれを防止するための台座部73が形成されている。台座部73は中継端子盤61の周囲を包囲するような形状とされており、載置部71上の中継端子盤61が前後左右へ移動しようとしても台座部73に当接してその移動が阻止される。
【0046】
中継端子盤61を配線ダクト5内に載置した状態では、当該中継端子盤61は上方へ移動する余地のみが残されている。しかし、中継端子盤61の載置部71への載置状態において、中継端子盤61の上方空間を埋めるように押さえ部材74が差し込まれている。押さえ部材74は一対の係合爪75を有しており、配線ダクト5内に差し込まれる際に係合爪75が配線ダクト5に係合されて自身の抜け落ちが防止されている。従って、押さえ部材74の取付状態においては、中継端子盤61の上方への抜け落ちが阻止され、結果的に、中継端子盤61は載置部71上の所定位置に保持されることとなる。
【0047】
図9及び図10に示すように、中継端子盤61の雄コネクタ端子65の端子ピンは配線ダクト5の端面から突出しないような位置関係に設定されている。従って、中継端子盤61を取り付けた配線ダクト5の取扱の際に、端子ピンを保護することができる。
【0048】
配線ダクト5の両開口端側には、隣接する配線ダクト5と凹凸係合関係を構成する係合部81,82が形成されている。従って、隣接する配線ダクト5は係合部81,82同士の係合によって互いの位置ずれが防止されている。また、配線ダクト5の一方の開口端側には、環状の突条83が形成されており、他方の開口端側には前記突条83の外周よりも若干大きめの被シール面84が形成されている。突条83の外周にはリップパッキン85が嵌め込まれており、その内周リップが突条83の外周面に密着されている。リップパッキン85は本実施の形態ではYパッキンを採用したが、Vパッキンであってもよく、リップパッキンに代えてOリングであってもよい。
【0049】
そして、配線ダクト5同士を前記係合部81,82によって係合させた状態では、図10に示すように、リップパッキン85の外周リップが前記被シール面84に圧接されている。従って、互いに嵌め込まれた配線ダクト5間から浸入しようとする水滴等の異物は、リップパッキン85の存在によって配線ダクト5内部へ浸入することが阻止されている。このようにリップパッキン85を用いた径シール構造を採用したことで端面シール構造を採用するよりもシール許容値が大きくなる利点がある。即ち、隣接する配線ダクト5間の多少の芯ずれを吸収することができ、かかる芯ずれがあってもシール効果を維持することができる。
【0050】
また、配線ダクト5同士の係合関係を構成した際には、一方の配線ダクト5側の雌コネクタ端子64の端子孔に他方の配線ダクト5側の雄コネクタ端子65の端子ピンが差し込まれるような位置関係に設定されている。従って、配線ダクト5を次々と連結していけば、自動的に電気的配線処理も実行されることとなり、配線作業が容易になる。
【0051】
ここで、配線ダクト5同士を次々と連設していくと、図10に示すように、隣接する配線ダクト5の存在により、前記押さえ部材74の抜け落ちが防止されることとなる。即ち、中継端子盤61が配線ダクト5から自由に動くことがなくなり、確実に位置決めされる。
【0052】
また、配線ダクト5同士を次々と連設していくと、隣接する中継端子盤61の雌コネクタ端子64と雄コネクタ端子65とが接続されていくことになるが、阻止部72はその形状によって、雌コネクタ端子64の外周側を案内する役割を果たすこととなる。従って、雌コネクタ端子64と雄コネクタ端子65との接続が円滑に行われることは勿論のこと、接続状態を安定したものとすることができる利点がある。
【0053】
また、配線ダクト5上には電磁切換部22が搭載されることになるが、電磁切換部22の下部には略コ字状の凹部67が形成される一方、配線ダクト5の上部にはその凹部67に係合される略コ字状の凸部68が形成されている。従って、電磁弁6をマニホールドブロック2及び配線ダクト5からなるユニット上に搭載する際に、凹部67と凸部68との凹凸係合関係が構成される。その結果、ケース35は簡易な爪36によって係合されているだけであるが、そのケース35の抜けを凹部67及び凸部68の係合関係によって阻止することができる。しかも、ケース35の固定のためにねじを用いていないので、ケース35を含む電磁切換部22の小型化を図ることができる。
【0054】
中継端子盤61の基板62上には、図13に示すように雌コネクタ64側と雄コネクタ65側とで相対向する位置関係を有する端子同士が接続されるのではなく、1つずつ端子配列方向にずらして結線された回路87となっている。その結果、当該回路87が直列に接続されていくことで、各電磁弁6毎にアドレスを設定しなくとも、各電磁切換部22に対し子局7より電源のオンオフを行うことができる。なお、本実施の形態では、電磁弁マニホールド1にダブルソレノイドタイプの電磁弁6を16個まで連設することができるように、共通用端子1対と個別用端子16対が設定されている。
【0055】
また、マニホールド化される際、電磁弁6を搭載しないブロック、例えば給排ブロック4やその他のブロックが、電磁弁6間に或いは電磁弁6と子局7との間に配設される場合がある。この場合、そのような電磁弁6以外のブロックにも配線ダクト5と同一のものを用いることができる。この場合、図14に示すように雌コネクタ64側と雄コネクタ65側とで配列方向に相対向する位置関係を有する端子同士が結線された回路88を用いることで、配線ダクト5群の内側における配線処理を支障なく行うことができる。
【0056】
以上説明した実施の形態において、例えば、次のように構成の一部を適宜変更して実施することも可能である。勿論、以下において例示しない他の変更例も当然可能である。
【0057】
・上記実施の形態では、配線ダクト5間のシール部材として、リップパッキ85を用いた例を説明したが、凸型のパッキンや丸型のパッキン等の他の形状のものを用いてもよい。
【0058】
・リップパッキン85のリップ指向側となる突条83の外周に溝を形成しておいてもよい。かかる溝を形成しておけば、溝から容易に水等の流体が流れ落ちることとなり、電磁弁6の連設数を変更するような場合に配線ダクト5同士を離脱させても、中継端子盤61に水等が付着するおそれがない。また、リップパッキン85が突条83上から抜け落ちないように、リップパッキン85を溝に収納したりリップパッキン85の背後に抜け落ち防止用のパッキン受部を設けるようにしてもよい。
【0059】
・上記実施の形態では、配線ダクト5をマニホールドブロック2と別体に設けて、それらを係合させていたが、マニホールドブロック2に配線ダクト5を一体に形成してもよい。
【0060】
・中継端子盤61と電気回路基板33との電気的接続について、ケーブル55を省略し、端子同士のコネクタ接続を行うような構成としてもよい。
【0061】
・コネクタ51を接続用窓50の下方から挿入するものを例示したが、コネクタ51を接続用窓50の上方から挿入するような構成としてもよい。
【0062】
・中継端子盤61の基板62としてフレキシブル基板を用いて、一定の柔軟性をもたせてもよい。また、中継端子盤61を配線ダクト5内にねじ止め固定するようにして、押さえ部材74を省略してもよい。
【0063】
・ケース35内をシールするシールリング30としてOリングを用いた場合について説明したが、リップパッキンや断面丸形の異形ガスケット(溝29に合わせた形状のもの)を用いてもよい。
【0064】
・ケース35の抜け落ち防止のために凹部67と凸部68との凹凸係合関係を構成するようにしたが、凹凸の関係を上下逆にして実施してもよく、凹凸の位置を端部でなく中間部位に設けてもよい。
【0065】
・上記実施の形態では阻止部72によって雌コネクタ端子64のガイドを行っていたが、雄コネクタ端子65に雌コネクタ端子64をガイドするガイド部を設けて実施してもよい。
【0066】
・上記実施の形態では、電磁弁マニホールド1の端部に子局7を配した構成としたが、子局7以外の構成、例えば単なる電装ブロックとして構成したもの等としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態に係り、電磁弁マニホールド全体を示す斜視図。
【図2】電磁弁マニホールドを構成する1の電磁弁に対応するユニットを一方向から見た分解斜視図。
【図3】図2と同一のものを他方向から見た分解斜視図。
【図4】電磁弁マニホールドを構成する1の電磁弁に対応するユニットの分解斜視図。
【図5】電磁弁における防滴用のケースを取り外した状態を示す斜視図。
【図6】電磁弁の構成部品である中継板、支持部材及びシールリングの分解斜視図。
【図7】(a)はケースの斜視図、(b)は同じくケースの正面図。
【図8】配線ダクトの正面図。
【図9】図8におけるA−A線断面図。
【図10】隣接する配線ダクト同士の接続状態を示す断面図。
【図11】図8におけるB−B線断面図。
【図12】(a)はガスケットの平面図、(b)は同じくガスケットの正面図。
【図13】各電磁弁に対応して設けられる中継端子盤の基板に設けられた回路を示す端子結線図。
【図14】電磁弁が搭載されていない部分に対応して設けられる中継端子盤の基板に設けられた回路を示す端子結線図。
【符号の説明】
1…電磁弁マニホールド、2…マニホールドブロック、3…エンドブロック、4…給排ブロック、5…配線ダクト、6…電磁弁、7…子局、11…共通供給流路部、12…共通排出流路部、13…共通排出流路部、14…共通供給ポート、15…共通排出ポート、16…個別ポート、17…個別ポート、21…流路切換部、22…電磁切換部、23,24…電磁ソレノイド部、25…中継板、26…支持部材、27…取付板部、28…支持板部、29…溝、30…シールリング、31…基板支持突部、32…受部、33…電気回路基板、34…切欠、35…ケース、36…爪、37,38…突条、39,40…案内溝、41…接続ピン、45…係止爪板、46…突板、47…室、48…係止孔、50…接続用窓、51…コネクタ、52…開閉爪、53…ガスケット、54…突起、55…ケーブル、56…コネクタ、61…中継端子盤、62…基板、63…ケーブル用コネクタ、64…雌コネクタ端子、65…雄コネクタ端子、67…凹部、68…凸部、71…載置部、72…阻止部、73…台座部、74…押さえ部材、75…係合爪、81…係合部、82…係合部、83…突条、84…被シール面、85…リップパッキン、87…回路、88…回路。
Claims (5)
- 複数の電磁弁が連設され、各電磁弁の配線が配線ダクトを通して所定箇所に集約されるように構成した電磁弁マニホールドにおいて、
前記配線ダクトの電磁弁側には、電磁弁側の端子と接続するためのコネクタが挿入される接続用窓を形成し、コネクタには接続用窓の周縁に係合される開閉爪を設け、コネクタを接続用窓に挿入することにより開閉爪が接続用窓の周縁に係合されてコネクタが支持され、
前記配線ダクトと電磁弁との間には、接続用窓の外周位置に対応してシール部材が設けられ、そのシール部材によって配線ダクトと電磁弁との間の電気的接続部位がシールされ、
前記シール部材には、開閉爪が前記接続用窓の周縁との係合関係を解除する方向へ撓むのを防止するために、開閉爪の解除方向側に配設される突部を設けたことを特徴とする電磁弁マニホールド。 - 前記突部は前記シール部材に一体形成されていることを特徴とする請求項1記載の電磁弁マニホールド。
- 前記コネクタは樹脂により形成されており、開閉爪はコネクタに一体に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁弁マニホールド。
- 前記配線ダクトは各電磁弁に対応して複数設けられ、各配線ダクト内には中継端子盤が収納され、各配線ダクト同士を連設することにより中継端子盤同士が電気的に接続され、中継端子盤とそれに対応する電磁弁とは前記コネクタから延びるケーブルによって電気的に接続されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電磁弁マニホールド。
- 前記中継端子盤には前記配線ダクトの連設方向の一方に雌コネクタ端子を備えるとともに他方に雄コネクタ端子を備え、配線ダクトの接続時には隣接する一方の中継端子盤の雄コネクタ端子と他方の中継端子盤の雌コネクタ端子とが接続されることによって電気的に接続され、更に配線ダクトには雌コネクタ端子を前記連設方向にガイドするガイド部を備えたことを特徴とする請求項4記載の電磁弁マニホールド。
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