JP4381541B2 - 光情報記録方法、光情報記録再生方法および光情報記録再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、相変化型の光記録媒体にリング状の記録マークを記録する光情報記録方法、光の回折限界を越えた小さな開口から発生する近接場光を使用して記録マークを再生する光情報記録再生方法および光情報記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光情報記録の分野においては、記録密度を高めるために種々の記録方式が開発されている。たとえば、光磁気方式や相変化方式の光変調記録においては、円形あるいは長円形のマークを記録するための記録レーザパルスの波形制御がよく知られている。また、光磁気方式の磁界変調記録においては、情報に応じて磁界反転を行うと同時に、クロックに基づいてレーザをパルス照射することにより、高トラック密度が得られる矢羽形マークを記録することが行われている。このように、光情報記録の分野における記録マークの形状としては、円形と矢羽形とに大別されていた。
【0003】
一方、特開平6−111328号公報には、記録密度をさらに向上できるものとして、リング状のマークを記録する方式が提案されている。この方式は、光磁気方式の光変調記録において、重ね書き可能な記録媒体にリング状の記録マークをトラック方向に重ねて記録するものである。この方式では、線記録密度を高めることができるとともに、記録マークが幅広となるのでS/N比が良好となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記公報に記載の光磁気記録において、上記のリング状の記録マークは所定幅の磁壁が環状に形成されたものであるが、この磁壁の幅の2倍以下の径のリング状マークは記録することができない。したがって、上記光記録において、S/N比が良好な幅の広いマークは記録可能であるものの、トラック密度が磁壁の厚み、即ち記録マークの直径によって制限される結果、トラック密度を高めることができないという問題点を有している。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑み、記録情報として幅の広いマークを記録可能であるとともに、トラック密度を向上することができる光情報記録方法、光情報記録再生方法および光情報記録再生装置の提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の光情報記録方法は、照射される記録光量の強弱によって結晶状態とアモルファス状態とに相変化する記録層を備えた光記録媒体を使用し、前記記録層に記録光を照射してこの記録光の照射中心の周囲にリング状結晶の記録マークを形成させることにより、この記録マークを、トラック方向に記録するとともに、隣り合うトラックに記録されるもの同士が重なり合うように記録することを特徴としている。
【0007】
上記の構成によれば、光記録媒体の記録層に記録光を照射することにより、この記録光の照射中心の周囲が相変化し、リング状結晶からなる記録マークが形成される。そして、このリング状の記録情報としての記録マークは、トラック方向に記録するとともに、隣り合うトラックに記録されるもの同士が重なり合うように記録する。
【0008】
このようにして記録マークを記録することにより、トラック幅をリング状の記録マークの径よりも狭くすることができ、トラック密度を高めることができる。この結果、光記録媒体に対して高い記録密度での記録が可能となる。
【0009】
上記の光情報記録方法は、前記記録マークをその中心が前記トラックの幅方向の中心からトラックの幅方向の一方向側へずれるように記録する構成である。
【0010】
上記の構成によれば、隣り合うトラックに記録する記録マーク同士の重なり量を多くして、さらにトラック密度を高め、光記録媒体に対するさらに高い記録密度での記録も可能となる。
【0011】
本発明の光情報記録再生方法は、照射される記録光量の強弱によって反射率または透過率が変化する記録層と、照射される再生光量の強弱によって透過率が変化する再生層とを備えた光記録媒体を使用し、情報記録時に、前記記録層に記録光を照射してこの記録光の照射中心の周囲に反射率または透過率が変化したリング状の記録マークを形成させることにより、この記録マークを、トラック方向に記録するとともに、隣り合うトラックに記録されるもの同士が重なり合うように記録し、情報再生時に、前記再生層に再生光を照射してこの再生光の照射中心に透過率の高いアパーチャを発生させ、このアパーチャを介して前記記録マークを読み出すことを特徴としている。
【0012】
上記の構成によれば、情報記録時には、光記録媒体の記録層に記録光を照射することにより、この記録光の照射中心の周囲の反射率または透過率が変化し、リング状の記録マークが形成される。そして、このリング状の記録情報としての記録マークは、トラック方向に記録するとともに、隣り合うトラックに記録されるもの同士が重なり合うように記録する。
【0013】
このようにして記録マークを記録することにより、トラック幅をリング状の記録マークの径よりも狭くすることができ、トラック密度を高めることができる。この結果、光記録媒体に対して高い記録密度での記録が可能となる。
【0014】
一方、情報再生時には、再生層に再生光を照射することにより、この再生光の照射中心に透過率の高いアパーチャが発生する。そして、このアパーチャを介して記録マークを読み出す。
【0015】
このように、透過率の高いアパーチャを介して記録マークを読み出すことにより、S/N比の良好な再生を行うことができる。
【0016】
上記の光情報記録再生方法は、前記記録マークをその中心が前記トラックの幅方向の中心からトラックの幅方向の一方向側へずれるように記録する構成である。
【0017】
上記の構成によれば、隣り合うトラックに記録する記録マーク同士の重なり量を多くして、さらにトラック密度を高め、光記録媒体に対するさらに高い記録密度での記録も可能となる。
【0018】
本発明の光情報記録再生装置は、照射される記録光量の強弱によって反射率または透過率が変化する記録層、および照射される再生光量の強弱によって透過率が変化する再生層を備えた光記録媒体を使用し、前記光記録媒体に光を照射する光照射手段と、情報記録時に、前記記録層に記録光が照射されてこの記録光の照射中心の周囲に反射率または透過率が変化したリング状の記録マークが形成され、この記録マークが、トラック方向に並んで記録されるとともに、隣り合うトラックに記録されるもの同士が重なり合うように記録される一方、情報再生時に、前記再生層に再生光が照射されてこの再生光の照射中心に透過率の高いアパーチャが発生するように前記光照射手段を制御する制御手段と、前記アパーチャを介して前記光照射手段により読み出された信号を再生する再生手段とを備えていることを特徴としている。
【0019】
上記の構成によれば、情報記録時には、制御手段にて制御される光照射手段から光記録媒体の記録層に記録光を照射することにより、この記録光の照射中心の周囲の反射率または透過率が変化し、リング状の記録マークが形成される。そして、光照射手段は、このリング状の記録情報としての記録マークを、トラック方向に記録するとともに、隣り合うトラックに記録されるもの同士が重なり合うように記録する。
【0020】
このようにして記録マークを記録することにより、トラック幅をリング状の記録マークの径よりも狭くすることができ、トラック密度を高めることができる。この結果、光記録媒体に対して高い記録密度での記録が可能となる。
【0021】
一方、情報再生時には、制御手段にて制御される光照射手段から再生層に再生光を照射することにより、この再生光の照射中心に透過率の高いアパーチャが発生する。そして、光照射手段は、このアパーチャを介して記録マークを読み出す。
【0022】
このように、透過率の高いアパーチャを介して記録マークを読み出すことにより、S/N比の良好な再生を行うことができる。
【0023】
上記の光情報記録再生装置は、前記制御手段が、前記記録層における記録光の照射部分の温度がリング状の記録マークを形成可能な温度となるように、記録光強度、記録光照射時間、および光照射手段と光記録媒体との相対速度のうちの少なくとも一つを制御する構成としてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、制御手段が、記録層における記録光の照射部分の温度がリング状の記録マークを形成可能な温度となるように、記録光強度、記録光照射時間、および光照射手段と光記録媒体との相対速度のうちの少なくとも一つを制御するので、リング状の記録マークを安定して記録することができ、光の回折限界を超えた高密度記録再生を達成することができる。
【0025】
上記の光情報記録再生装置は、前記制御手段が、前記記録マークの中心が前記トラックの幅方向の中心からトラックの幅方向の一方向側へずれた状態で記録マークが記録されるように前記光照射手段を制御する構成である。
【0026】
上記の構成によれば、隣り合うトラックに記録する記録マーク同士の重なり量を多くして、さらにトラック密度を高め、光記録媒体に対するさらに高い記録密度での記録も可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態を図1ないし図8に基づいて以下に説明する。
本実施の形態において使用される光記録媒体としての光ディスクは、相変化型であり、図2に示す構造となっている。この構造は雑誌「エレクトロニクス」(オーム社発行)の1998年10月号の100〜102頁に開示されている。
【0028】
同図において、光ディスク1は、基板2上にマスク層3、保護層4、記録層5および保護層6がこの順序に積層されたものとなっている。記録層5には、後述のように、レーザビーム9から対物レンズ10を介して得られるレーザスポット9aを光ディスク1に照射することにより、記録マーク7が記録される。
【0029】
上記の記録層5は相変化材料であるGe2 Sb2 Te5 によって形成されている。マスク層3はアンチモン膜からなる。マスク層3の材料としては、照射されたレーザスポット9aの中心部分に相当する部分が不透明から透明に変化するものが適しており、実験の結果、上記アンチモン膜が最適であることが分かっている。したがって、マスク層3には、レーザスポット9aが照射された場合、スポット径よりも小さい径のアパーチャ8が発生し、このアパーチャ8を通じて記録層5に記録された記録マーク7を読み出すことが可能となる。
【0030】
上記保護層4の厚みは、レーザスポット9aからアパーチャ8において発生した近接場光(エバネッセント光)9bにより記録マーク7を読み出せる寸法に設定されている。この寸法は、実験の結果、近接場光9bの到達可能距離以内であることが分かっている。これにより、数十nm以下の記録マーク7の再生が可能となる。
【0031】
上記の光ディスク1に対して情報の記録再生動作を行う光情報記録再生装置は、図3に示す構成を備えている。即ち、この光情報記録再生装置11は、光学ピックアップ(光照射手段)12、レーザ駆動回路13、記録制御回路(制御手段)14および再生回路(再生手段)15を備えている。
【0032】
この光情報記録再生装置11において、記録制御回路14から出力された記録信号は、レーザ駆動回路13を経て、光学ピックアップ12が備える半導体レーザに送られ、レーザビーム9として出力される。光学ピックアップ12は前記対物レンズ10を備え、この対物レンズ10によりレーザビーム9を光ディスク1上にレーザスポット9aとして集光させる。これにより、情報の記録時においては、光ディスク1に記録マーク7が記録される。また、情報の再生時においては、光ディスク1にレーザビーム9が照射され、記録マーク7からの反射光が光学ピックアップ12が備えるフォトディテクタにより電気信号に変換される。この電気信号は再生回路15に送られ、所定の信号に再生される。
【0033】
上記の構成において、光ディスク1に対する情報の記録再生方法について説明する。
【0034】
先ず、図4により相変化光記録媒体に対するリング状結晶21を利用した記録マーク7の記録方法について説明する。相変化光記録媒体においては、従来の光変調記録における円形の記録マークの周囲にリング状結晶21が発生することが知られている。この現象は例えば特開平1−217735号公報にも開示されている。このリング状結晶21は粒径が大きく、ノイズの原因となるため、従来はこの結晶21が発生しないように記録媒体の開発がなされてきた。しかしながら、研究を重ねた結果、上記のリング状結晶21を利用して、即ちリング状結晶21を記録マーク7として記録すると、マーク長を数十nmまで短くすることができ、従来の光磁気記録方式に比べて高密度記録が可能であることがわかった。なお、図4に示す記録層5において、リング状結晶21以外の部分はアモルファス22である。
【0035】
次に、記録層5の記録マーク7の再生方法について説明する。記録層5の記録マーク7を再生する場合、リングを形成する結晶壁の幅であるマーク長(図4参照)は数十nmであるため、従来の再生方式では光の回折限界により再生は困難である。そこで、図2に示した、回折限界を超えて記録マーク7を再生可能な光記録媒体、即ち光ディスク1を使用する。光ディスク1を使用した場合、アパーチャ8において発生する近接場光9bを利用して数十nm以下のマーク長を有するリング状の記録マーク7を読み出すことができる。
【0036】
なお、図5に示すように、例えば上記リング状の記録マーク7と同じマーク長を有する円形の記録マーク31を読み出す場合は、アパーチャ8内に占める記録マーク31の面積が小さいため、上記記録マーク7に比べて信号強度が小さく、S/N比が低下する。また、記録マーク31は幅が狭いため、レーザビーム9の高精度(nmオーダー)のトラッキング制御を行わなければ、安定した読み出しは不可能である。これに対し、リング状の記録マーク7はマーク幅が広いため、トラッキングのずれの許容範囲が大きく、安定した再生信号を得ることが可能となる。
【0037】
ここで、上記の記録マーク7を光ディスク1のトラックに記録していった場合、トラック密度、即ち光ディスク1の径方向におけるトラックの間隔は記録マーク7のリング径によって制限され、光ディスク1全体として十分に高い記録密度を得ることができない。そこで、本実施の形態においては、図1に示すような記録方法によってトラック密度を高めている。
【0038】
即ち、図1において、先ず、トラックt1aに沿って記録マーク7を記録する。次に、トラックt2a、トラックt3a、…に沿って順次記録マーク7を記録する。このとき、記録マーク7は、隣り合うトラックに記録されるものの端部同士が重なり合うように記録する。これにより、上記端部同士が離れた状態で記録マーク7を記録する場合よりもトラック密度を高めることができる。この結果、高い線記録密度を維持した状態で光ディスク1の記録密度をさらに高めることができる。
【0039】
なお、図1に示した構成においては、記録マーク7の中心をアパーチャ8が走査するため、記録マーク7は、所定のトラックを走査するアパーチャ8とそのトラックの隣のトラックに記録された記録マーク7の端部とが重ならないように記録する必要がある。これは、上記重なりによる再生信号量の低下と、隣接トラックの記録マーク7からのクロストークの発生を防止するためである。
【0040】
光情報記録再生装置11において、リング状の記録マーク7をトラック方向に重なるように記録する際には、記録制御回路14が記録パワー、記録パルス長(記録光照射時間)や光ディスク1の線速度(光学ピックアップ12と光ディスク1との相対速度)を最適に制御する。
【0041】
また、再生時には、光学ピックアップ12から記録時よりも弱いレーザビーム9が光ディスク1に照射され、その反射光が光学ピックアップ12のフォトディテクタにより電気信号に変換される。このようにして読み出された電気信号は再生回路15により、情報として再生される。
【0042】
次に、光ディスク1に記録マークを記録する場合の温度と記録マークの形状との関係について説明する。
【0043】
記録層5におけるレーザビーム9の照射領域の温度が低い場合には、レーザスポット9aの中心(照射中心)である高温部に、図6(a)に示すように、円形の結晶からなる前記の記録マーク31が形成される。結晶の反射率あるいは透過率は、アモルファスの部位と異なるので、このような記録マーク31を再生すると、図6(a)の下部に示すように、再生信号波形hに、記録マーク31に応じて1個のパルスbが生じる。
【0044】
一方、記録層5におけるレーザビーム9の照射領域の温度が高い場合、レーザスポット9aの中心(照射中心)の高温部は、図6(b)に示すように、アモルファスとなる一方、その周囲にはリング状結晶21、即ち記録マーク7が形成される。この記録マーク7を再生すると、図6(b)の下部に示すように、再生波形hに、記録マーク7の前部および後部の結晶壁部に対応して2個のパルスd1・d2が発生する。
【0045】
記録時における記録層5の温度を制御するには、図3に示した記録制御回路14が、レーザ駆動回路13と光ディスク1の駆動系との少なくとも一方を制御して、レーザビーム9の記録パワー、記録パルス長または線速度の少なくとも1つを適度に調整すればよい。
【0046】
図7(a)〜図7(d)は、記録用のレーザビーム9のパワー(記録パワー;Pw)を変えながら、光ディスク1に記録マークを形成し、形成した記録マークから得られた再生波形をオシロスコープにて測定した結果を示す説明図である。
【0047】
すなわち、この測定は、レーザビーム9の記録パワーを12mWから15mWに上げながら、光ディスク1における記録層5に約2μmの径を有する記録マークを形成し、形成された記録マークを従来の光ピックアップにより再生することによって行った。
【0048】
これらの図より、記録パワーを上げるにつれて、再生波形のパルスが1つから2つに増え、記録マークがリング状に形成されていることがわかる。
【0049】
また、図8(a)〜図8(d)は、光ディスク1の線速度を変えながら、光ディスク1に記録マークを形成し、形成した記録マークから得られた再生波形をオシロスコープにて測定した結果を示す説明図である。
【0050】
すなわち、この測定は、線速度を7m/s(秒速7m)から4m/sへ次第に下げながら、記録層5に約2μmの径を有する記録マークを形成し、形成された記録マークを従来の光ピックアップにより再生することによって行われた。なお、記録層5におけるレーザビームの照射領域の温度は、線速度が低いほど高くなる。
【0051】
これらの図から、線速度を7m/sとして記録した場合には、再生波形のパルスは1個であるが、線速度を6m/s〜5m/sとして記録した場合には、再生波形のパルスは2個になり、記録マークがリング状に形成されたことがわかった。なお、線速度を4m/sとして記録した場合には、照射領域の温度が上昇しすぎて照射中心の膜が破壊され、リング状結晶を形成できないことが確認できた。
【0052】
上記のように、リング状の記録マーク7を形成するには、レーザビーム9の照射領域の温度を適切な温度に調節する。このため、光情報記録再生装置11では、記録層5におけるレーザビーム9の照射領域の温度が記録マーク7を形成可能な温度となるように、記録制御回路14が、レーザ駆動回路13と光ディスク1の駆動系との少なくとも一方を制御して、レーザビーム9の記録パワー、記録パルス長、線速度の少なくとも1つを調整するようになっている。
【0053】
なお、上記の説明では、約2μmの径を有する記録マークを用いて測定を行っているが、これらの記録マークは、従来の光ピックアップおよびオシロスコープによって再生信号を得るために、便宜上、特別に大きく形成したものである。
【0054】
〔実施の形態2〕
本発明の実施の他の形態を図9および図10に基づいて以下に説明する。なお、説明の便宜上、前記の図面に示した部材と同一の機能を有する部材には同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0055】
本実施の形態の光情報記録再生装置11では、図1に示した記録方法に対してさらにトラック密度を高めるため、図9に示すように、隣り合うトラック、例えばトラックt1bとトラックt2bに記録された記録マーク7の端部同士の重なり量を、図1に示した記録方法の場合よりも多くしている。
【0056】
即ち、図1に示した記録方法では、記録マーク7をその中心がトラックの幅方向(トラック方向に対する直交方向)の中心と一致するように記録する。これに対し、本実施の形態においては、記録マーク7をその中心がトラックの幅方向の中心からトラックの幅方向の一方向側へずれるように記録する。
【0057】
これにより、各トラックt1b、トラックt2b、トラックt3b、…間の間隔をさらに狭くしてトラック密度を高めることができ、この結果、光ディスク1に対し、さらに高い記録密度での記録が可能となる。
【0058】
なお、上記の記録方法では、アパーチャ8の走査位置を記録マーク7の中心から端部側へ近づけることになる。この場合、図10に示すように、アパーチャ8の走査経路上、即ち例えばトラックt1b上におけるトラック方向に隣り合う記録マーク7同士の間隔g2 は、アパーチャ8の走査位置が、記録マーク7の中心である場合の間隔g1 と比較して、記録マーク7の端部側へ近づくほど狭くなる。このため、トラック方向に隣り合う記録マーク7同士の分離が悪くなる場合がある。このときには、上記の間隔g2 を少なくとも上記の間隔g1 と同じになるまで広げればよい。
【0059】
この場合には、図1に示した記録方法と比較して、トラック密度が高くなる一方、トラック方向に隣り合う記録マーク7同士の間隔が広くなって線密度が低くなる。結局、トラック密度の上昇と線密度の低下とが同時に生じるため、前者が勝る場合に限り総合的な面密度が上がることになる。即ち、光ディスク1における総合的な面密度は、記録マーク7における結晶壁部の幅、記録マーク7の直径、楕円率およびアパーチャ径等の諸条件によって左右されることになる。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、本発明の光情報記録方法は、照射される記録光量の強弱によって結晶状態とアモルファス状態とに相変化する記録層を備えた光記録媒体を使用し、前記記録層に記録光を照射してこの記録光の照射中心の周囲にリング状結晶の記録マークを形成させることにより、この記録マークを、トラック方向に記録するとともに、隣り合うトラックに記録されるもの同士が重なり合うように記録する構成である。
【0061】
これにより、トラック幅をリング状の記録マークの径よりも狭くすることができ、トラック密度を高めることができる。この結果、光記録媒体に対して高い記録密度での記録が可能であるという効果を奏する。
【0062】
上記の光情報記録方法は、前記記録マークをその中心が前記トラックの幅方向の中心からトラックの幅方向の一方向側へずれるように記録する構成である。
【0063】
これにより、隣り合うトラックに記録する記録マーク同士の重なり量を多くして、さらにトラック密度を高め、光記録媒体に対するさらに高い記録密度での記録も可能であるという効果を奏する。
【0064】
本発明の光情報記録再生方法は、照射される記録光量の強弱によって反射率または透過率が変化する記録層と、照射される再生光量の強弱によって透過率が変化する再生層とを備えた光記録媒体を使用し、情報記録時に、前記記録層に記録光を照射してこの記録光の照射中心の周囲に反射率または透過率が変化したリング状の記録マークを形成させることにより、この記録マークを、トラック方向に記録するとともに、隣り合うトラックに記録されるもの同士が重なり合うように記録し、情報再生時に、前記再生層に再生光を照射してこの再生光の照射中心に透過率の高いアパーチャを発生させ、このアパーチャを介して前記記録マークを読み出す構成である。
【0065】
これにより、トラック幅をリング状の記録マークの径よりも狭くすることができ、トラック密度を高めることができる。この結果、光記録媒体に対して高い記録密度での記録が可能となる。また、透過率の高いアパーチャを介して記録マークを読み出すので、S/N比の良好な再生を行うことができるという効果を奏する。
【0066】
上記の光情報記録再生方法は、前記記録マークをその中心が前記トラックの幅方向の中心からトラックの幅方向の一方向側へずれるように記録する構成である。
【0067】
これにより、さらにトラック密度を高め、光記録媒体に対するさらに高い記録密度での記録も可能となるという効果を奏する。
【0068】
本発明の光情報記録再生装置は、照射される記録光量の強弱によって反射率または透過率が変化する記録層、および照射される再生光量の強弱によって透過率が変化する再生層を備えた光記録媒体を使用し、前記光記録媒体に光を照射する光照射手段と、情報記録時に、前記記録層に記録光が照射されてこの記録光の照射中心の周囲に反射率または透過率が変化したリング状の記録マークが形成され、この記録マークが、トラック方向に並んで記録されるとともに、隣り合うトラックに記録されるもの同士が重なり合うように記録される一方、情報再生時に、前記再生層に再生光が照射されてこの再生光の照射中心に透過率の高いアパーチャが発生するように前記光照射手段を制御する制御手段と、前記アパーチャを介して前記光照射手段により読み出された信号を再生する再生手段とを備えている構成である。
【0069】
これにより、トラック幅をリング状の記録マークの径よりも狭くすることができ、トラック密度を高めることができる。この結果、光記録媒体に対して高い記録密度での記録が可能となる。また、透過率の高いアパーチャを介して記録マークを読み出すので、S/N比の良好な再生を行うことができるという効果を奏する。
【0070】
上記の光情報記録再生装置は、前記制御手段が、前記記録層における記録光の照射部分の温度がリング状の記録マークを形成可能な温度となるように、記録光強度、記録光照射時間、および光照射手段と光記録媒体との相対速度のうちの少なくとも一つを制御する構成である。
【0071】
これにより、リング状の記録マークを安定して記録することができ、光の回折限界を超えた高密度記録再生を達成することができるという効果を奏する。
【0072】
上記の光情報記録再生装置は、前記制御手段が、前記記録マークの中心が前記トラックの幅方向の中心からトラックの幅方向の一方向側へずれた状態で記録マークが記録されるように前記光照射手段を制御する構成である。
【0073】
これにより、さらにトラック密度を高め、光記録媒体に対するさらに高い記録密度での記録も可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態における記録マークの記録方法を示す説明図である。
【図2】図1に示した記録方法により記録マークが記録される光ディスクの構成を示す説明図である。
【図3】図1に示した記録方法を実施する光情報記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示した記録方法の前提となる、相変化光記録媒体に対するリング状結晶を利用した記録マークの記録方法を示す説明図である。
【図5】図4に示した相変化光記録媒体に対する円形の記録マークの記録方法を示す説明図である。
【図6】図6(a)は、図2に示した光ディスクにおいて、レーザビームによる記録温度が低い場合に形成される記録マークとその再生信号とを示す説明図、図6(b)は同光ディスクにおいて、レーザビームによる記録温度が高い場合に形成される記録マークとその再生信号とを示す説明図である。
【図7】図7(a)は、図2に示した光ディスクに形成された記録マークの再生波形をオシロスコープにて測定した結果を示す図面代用写真であって、記録マークを形成する際の記録パワーを12mWとした場合、図7(b)は記録パワーを13mWとした場合、図7(c)は記録パワーを14mWとした場合、図7(d)は記録パワーを15mWとした場合を示すものである。
【図8】図8(a)は、図2に示した光ディスクに形成された記録マークの再生波形をオシロスコープにて測定した結果を示す図面代用写真であって、記録マークを形成する際の線速度を7m/sとした場合、図8(b)は線速度を6m/sとした場合、図8(c)は線速度を5m/sとした場合、図8(d)は線速度を4m/sとした場合を示すものである。
【図9】本発明の実施の他の形態における記録マークの記録方法を示す説明図である。
【図10】図1と図9に示した記録方法におけるトラック方向に隣り合う記録マーク同士の間隔の説明図である。
【符号の説明】
1 光ディスク(光記録媒体)
5 記録層
7 記録マーク
8 アパーチャ
9 レーザビーム
9a レーザスポット
9b 近接場光
10 対物レンズ
11 光情報記録再生装置
12 光学ピックアップ(光照射手段)
13 レーザ駆動回路
14 記録制御回路(制御手段)
15 再生回路(再生手段)
21 リング状結晶
22 アモルファス
t1a〜t3a トラック
t1b〜t3b トラック
Claims (4)
- 照射される記録光量の強弱によって結晶状態とアモルファス状態とに相変化する記録層を備えた光記録媒体を使用し、
前記記録層に記録光を照射してこの記録光の照射中心の周囲にリング状結晶の記録マークを形成させることにより、この記録マークを、トラック方向に記録するとともに、隣り合うトラックに記録されるもの同士が重なり合うように記録し、かつ、前記記録マークの中心が前記トラックの幅方向の中心からトラックの幅方向の一方向側へずれるように記録することを特徴とする光情報記録方法。 - 照射される記録光量の強弱によって反射率または透過率が変化する記録層と、照射される再生光量の強弱によって透過率が変化する再生層とを備えた光記録媒体を使用し、
情報記録時に、前記記録層に記録光を照射してこの記録光の照射中心の周囲に反射率または透過率が変化したリング状の記録マークを形成させることにより、この記録マークを、トラック方向に記録するとともに、隣り合うトラックに記録されるもの同士が重なり合うように記録し、かつ、前記記録マークの中心が前記トラックの幅方向の中心からトラックの幅方向の一方向側へずれるように記録し、
情報再生時に、前記再生層に再生光を照射してこの再生光の照射中心に透過率の高いアパーチャを発生させ、このアパーチャを介して前記記録マークを読み出すことを特徴とする光情報記録再生方法。 - 照射される記録光量の強弱によって反射率または透過率が変化する記録層、および照射される再生光量の強弱によって透過率が変化する再生層を備えた光記録媒体を使用し、
前記光記録媒体に光を照射する光照射手段と、
情報記録時に、前記記録層に記録光が照射されてこの記録光の照射中心の周囲に反射率または透過率が変化したリング状の記録マークが形成され、この記録マークが、トラック方向に並んで記録されるとともに、隣り合うトラックに記録されるもの同士が重なり合うように記録される一方、情報再生時に、前記再生層に再生光が照射されてこの再生光の照射中心に透過率の高いアパーチャが発生するように前記光照射手段を制御する制御手段と、
前記アパーチャを介して前記光照射手段により読み出された信号を再生する再生手段とを備えており、
前記制御手段は、前記記録マークの中心が前記トラックの幅方向の中心からトラックの幅方向の一方向側へずれた状態で記録マークが記録されるように前記光照射手段を制御するものであることを特徴とする光情報記録再生装置。 - 前記制御手段は、前記記録層における記録光の照射部分の温度がリング状の記録マークを形成可能な温度となるように、記録光強度、記録光照射時間、および光照射手段と光記録媒体との相対速度のうちの少なくとも一つを制御するものであることを特徴とする請求項3に記載の光情報記録再生装置。
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