JP4381301B2 - Peg化t20ポリペプチド - Google Patents

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Description

本発明は、PEG化T20ポリペプチド化合物、ならびに医薬組成物および処置の治療方法などにおける、このような化合物を使用および作成する関連方法に関する。
一部のウィルス、特にHIVは、宿主細胞に侵入して繁殖するためには、融合と呼ばれる複雑なプロセスを被る必要がある。融合の間、ウィルスの外膜は、宿主細胞の膜と融合する。HIVの場合、HIVウィルスの外膜は、繁殖の間に、CD4+T細胞の膜と融合する。
T20は、ウィルス/膜融合を阻害する抗ウィルス剤の新しいクラスの一員である。HIVの場合、これは、2つ有益な効果を与える。HIVの繁殖は、阻止されることと、CD4+T細胞の結果としての死は起こらないことである。
2つの大規模な、国際的に実施された第三相試験によるデータは、T−20による併用治療が、T−20を用いない併用治療を受けた患者と比較して、患者の少なくとも2倍のパーセントにおいてHIVを検知不能な血中レベルまで低下させ、24週には改善された免疫反応を与えたことを示す。加えて、T−20を与えられた患者は、24週間に渡ってウィルス不全または再発をあまり経験しなかった。
北米およびブラジルで実施された最初の第三相試験において、最適化されたバックグラウンド投薬計画のみを与えられた患者の16パーセントと比較して、最適化されたバックグラウンド投薬計画と併用されたT−20によって処置した患者の37パーセントは、24週にてHIVの検知不能な血中レベル(400コピー/mL未満)を有していた(p<0.0001)。T−20を用いた併用治療は更に、併用治療のみを与えられた7パーセントと比較して、HIVウィルス負荷を患者の20パーセントにおいて50コピー/mLまで低下させた(P=0.0002)。
研究の主要評価項目、研究における2群間のHIV低下の程度の平均差は、0.934 logl0コピー/mLであった(p<0.0001)。その併用投薬計画の一部としてT−20を与えられた患者は、対照群の患者の0.763 log10コピー/mLと比較して、1.697 log10コピー/mLのHIVレベルの低下を達成した。その上、T−20を与えられた患者の52パーセントは、T−20を与えられなかった29パーセントと比較して、HIVレベルにおいて1.0 log10以上の大きい低下を経験した(p<0.0001)。T−20群の患者は、対照群の32細胞/mm3と比較して、76細胞/mm3のCD4+細胞の平均上昇を経験した(p<0.0001)。
欧州およびオーストラリアで実施された第二の第三相臨床試験からの結果は、第一の研究による発見結果と一致していた。最適化されたバックグラウンド投薬計画と併用してT−20によって処置された患者の28パーセントは、最適化されたバックグラウンド投薬計画のみを与えられた14パーセントと比較して、24週にてHIVの検知不能な血中レベル(400コピー/mL未満)を有していた(p<0.0001)。T−20を用いた併用治療は更に、併用治療のみを与えられた5パーセントと比較して、HIVウィルス負荷を患者の12パーセントにおいて50コピー/mL未満まで低下させた(P=0.0099)。
24週における2群間のHIV低下の規模の平均差は、0. 78 log10コピー/mLであった(p<0.0001)。その併用投薬計画の一部としてT−20を与えられた患者は、対照群の患者の0.65 log10コピー/mLと比較して、1.43 log10コピー/mLのHIVレベルの平均低下を達成した。その上、T−20を与えられた患者の43パーセントは、T−20を与えられなかった21パーセントと比較して、HIVレベルにおいて1.0 log10以上の大きい低下を経験した(p<0.0001)。T−20群の患者は、対照群の38細胞/mm3と比較して、65細胞/mm3のCD4+細胞の平均上昇を経験した(p=0.023)。
開始時に各患者のために、最適化されたバックグラウンド投薬計画(適切な場合、新たに承認された薬または治験薬を2つまで含む、3〜5つの薬物からなる)を、処置履歴および抗レトロウィルス耐性試験に基づいて選択した。投薬計画の選択後、患者は、T−20と併用された投薬計画または投薬計画のみのどちらかを与えるために、2:1に無作為抻出した。T−20に無作為抻出された患者は、1日2回、1回の90mg皮下自己注射として投与されるT−20を与えられた。
最近承認された抗HIV薬に対するウィルス耐性は、今日、HIVの臨床管理での重大な問題である。現在承認されている薬物との併用抗レトロウィルス薬処置を始める多くの患者は、時間と共にこれらの薬剤の1つ以上への耐性を発現するであろう。しかしながら研究は、T20が、現在承認されている抗ウィルス薬のどのクラスに対する耐性によっても影響を受けないことを示唆している(2001年6月4〜8日に、アリゾナ州スコッツデールでの5th International Workshop on Drug Resistance and Treatment Strategiesで紹介されたデータ)。追加の実験は、T20のインビトロ活性が逆転写酵素インヒビターおよびプロテアーゼインヒビターへの耐性に関連する変異によって影響を受けないことを示している。
多くのポリペプチド治療剤と同様に、T20は、一般に注射により投与する。現在の治療プロトコルはしばしば、1日1回を超える注射を包含する。
したがって、改善された性能および薬物動態特性を有するT20ポリペプチドおよび医薬組成物を提供することは好都合である。T20のより少ない治療用量、より少ない投与頻度、および/または延長された作用期間を与えることは、特に好都合である。
本発明のこれらおよび他の目的は、以下で更に詳細に説明する。
本発明は、式I:
Figure 0004381301
(式中、
1は、キャッピング基であり、
mは、1〜17であり、
nは、10〜1,000であり、
pは、1〜3であり、そして
NHT20は、その末端α−アミノ基を通じて共有結合したT20ポリペプチドである)の化合物を提供する。
本発明の化合物の一実施態様において、R1はメトキシであり、mは1であり、nは100〜750であり、そしてpは3である。
医薬的に許容される賦形剤と混合して、R1、m、n、p、およびNHT20が先に定義されたとおりである式(I)の化合物を含む医薬組成物も提供される。
本発明の医薬組成物の一実施態様において、R1は、メトキシであり、mは、1であり、nは、100〜750であり、そしてpは、3である。
本発明は更に、医薬的に許容される賦形剤と混合して、R1、m、n、p、およびNHT20が先に定義されたとおりである式(I)の化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、HIV感染を抑制する方法も提供する。
HIV感染を抑制する方法の一実施態様において、R1は、メトキシであり、mは、1であり、nは、100〜750であり、そしてpは、3である。
本発明が「作成するための方法」に関する場合、「作成するためのプロセス」を意味する。
ポリエチレングリコールアルデヒド分子がT20ポリペプチドのN末端アミノ基に結合している、式(I)の化合物を生成するために、T20ポリペプチドを、式中、R1、m、n、およびpが先に定義されたとおりである、式:
Figure 0004381301
のポリエチレングリコールアルデヒドと反応させることを含む、PEG化T20ポリペプチドを作成する方法も更に提供する。
本発明が「化合物を含む、HIV感染を抑制する方法」に関する場合、「HIVの抑制のための薬剤の調製のための化合物の使用」を意味する。
本発明により、式:CH3−O−(CH2−CH2−O)n−CH2−CH2−O−CH2−CH2−CH2−NHT20(III)(式中、nは10〜1,000であり、そしてNHT20は、その末端α−アミノ基を通じて共有結合されたT20ポリペプチドである)の化合物も提供される。
本発明により、医薬的に許容される賦形剤と混合して、式(III)(式中、nは、10〜1,000であり、そしてNHT20は、その末端α−アミノ基を通じて共有結合されたT20ポリペプチドである)の化合物を含む医薬組成物も提供される。
医薬的に許容される賦形剤と混合して、式(III)(式中、nは10〜1,000であり、そしてNHT20は、その末端α−アミノ基を通じて共有結合されたT20ポリペプチドである)の化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、HIV感染を抑制する方法も提供される。
先に示したように、T20は「融合インヒビター」ポリペプチドである。T20は、36個のアミノ酸からなる。T20のポリペプチド配列は、
YTSLIHSLIEESQNQQEKNEQELLELDKWASLWNWF[配列番号:1]である。
N末端(またはアミノ末端)アミノ酸は、チロシン(Y)である。C末端(またはカルボキシ末端)アミノ酸は、フェニルアラニン(F)である。
全体を引用例として本明細書に取り込む、米国特許第5,464,933号の図1で述べられているように(配列番号:1)、T20ポリペプチド配列は、そのアミノおよびカルボキシ末端の一方または両方にて封鎖/誘導体化できる。米国特許第5,464,933号で述べられているように、チロシンのアミノ末端は、アシル基によって封鎖/誘導体化され、フェニルアラニンのカルボキシ末端は、アミノ基によって封鎖/誘導体化される(後者は、−COOH→−CONH2の変換を生じる)。
本明細書で使用されるように、「T20」は、アミノ基によりフェニルアラニンC末端にて場合により遮断された[配列番号:1]を意味することが理解されるものとする。言い換えれば、「T20」に言及する場合、フェニルアラニンC末端は、−COOHまたは−CONH2のどちらかである。
本発明は、以下の式:
Figure 0004381301
(式中、
1は、キャッピング基であり、
mは、1〜17であり、
nは、10〜1,000であり、
pは、1〜3であり、そして
NHT20は、その末端α−アミノ基を通じて共有結合したT20ポリペプチドである)のPEG化T20化合物を提供する。
本明細書で使用されるように、R1「キャッピング基」は、好みに応じて他の化学部分と一般に非反応性または一般に反応性である、どの適切な化学基でもよい。上記の化合物では、ポリエチレングリコールはT20のα−アミノ基と共有結合する。R1キャッピング基は、二官能性、すなわち興味のある第二の化学部分への共有結合を許容または防止するように選択される。
一般に、キャッピング基が、他の化学部分と非反応性である場合、R1は、比較的不活性であり、したがって別の化学部分と共有結合しないであろう。適切な、一般に非反応性のR1キャッピング基は、水素、ヒドロキシル、低級アルキル、低級アルコキシ、低級シクロアルキル、低級アルケニル、低級シクロアルケニル、アリール、およびヘテロアリールを含む。
本明細書で使用されるように、「低級アルキル」という用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチルなどの1〜7個の、好ましくは1〜4個の炭素原子を含有する、置換または非置換の直鎖または分岐鎖アルキル基を意味する。
「低級アルコキシ」という用語は、酸素原子を介して結合された、前に定義した低級アルキル基を意味し、低級アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシなどである。
「低級シクロアルキル」という用語は、3〜7個の、好ましくは4〜6個の炭素原子を含有する置換または非置換のシクロアルキル基、すなわちシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロヘプチルを意味する。
本明細書で使用されるように、「低級アルケニル」という用語は、2〜7個の、好ましくは2〜5個の炭素原子を含有する置換または非置換の直鎖または分岐鎖アルケニル基、例えばエテニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニルなどを意味する。
「低級シクロアルケニル」という用語は、4〜7個の炭素原子を含有する置換または非置換のシクロアルケニル基、例えばシクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどを含む。
「アリール」という用語は、非置換であるか、あるいはハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、カルボン酸、カルボン酸エステル、ニトロ、アミノ、またはフェニルによって、特にハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、ニトロ、アミノ、およびフェニルによって場合により一置換または多置換される、フェニルまたはナフチル基を意味する。
「ヘテロアリール」という用語は、N、S、およびOから選択された1個以上のヘテロ原子を含有し、前に定義した「アリール」と同じ方法でベンズ融合および/または置換された、5または6員へテロ芳香族基を意味する。
好ましい一般に非反応性のR1キャッピング基は、メトキシ、ヒドロキシ、またはベンジルオキシを含む。特に好ましいR1キャッピング基は、メトキシである。R1がメトキシである場合、PEG化ポリペプチド化合物は本明細書では一部、「mPEG」化合物と呼ばれ、ここで「m」はメトキシを表す。
一般に、R1キャッピング基が、他の化学部分と反応性である場合、R1は、ペプチドおよび/またはタンパク質中のアミンおよび/またはスルフヒドリル基などの、一部の官能基と反応することが可能である官能基である。このような場合、反応するために強力な触媒または非常に非実際的な反応条件を必要とする基とは対照的に、R1は、他の分子上の求電子または求核基とただちに反応することができる官能基でもよい。R1が、比較的反応性である場合、ポリエチレングリコールアルデヒドは別の化学部分と共有結合できる。
適切な一般に反応性のR1キャッピング基の例は、ハロゲン、エポキシド、マレイミド、オルトピリジルジスルフィド、トシラート、イソシアナート、ヒドラジンヒドレート、シアヌル酸ハライド、N−スクシンイミジルオキシ、スルホ−N−スクシンイミジルオキシ、1−ベンゾトリアゾリルオキシ、1−イミダゾリルオキシ、p−ニトロフェニルオキシ、および
Figure 0004381301
を含む。
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味する。好ましい一般に反応性のR1キャッピング基は、
Figure 0004381301
である。このR1キャッピング基が存在する場合、本発明の化合物において、第一のm、n、および/またはpが、式中の第二のm、n、および/またはpと同じでも異なっていてもよいことが認識されるであろう。しかしながら両方のmが同じ値を持ち、両方のnが同じ値を持ち、そして両方のpが同じ値を持つことが好ましい。
本発明において、mは、1〜17である。好ましい実施態様において、mは、1〜14である。更に好ましくは、mは、1〜7であり、なお更に好ましくは、mは、1〜4である。最も好ましくは、mは、1である。
本発明において、nは、10〜1000である。本発明の好ましい実施態様において、nは、20〜1,000である。好ましくは、nは、50〜1,000であり、なお更に好ましくは、nは、75〜1,000である。最も好ましくは、nは、100〜750である。
本発明において、pは、1〜3である。好ましくは、pは、3である。
好ましい実施態様において、pは、3であり、R1は、メトキシであり、mは、1であり、そしてnは、100〜750である。あるいはpは、2であり、R1は、メトキシであり、mは、1であり、そしてnは、100〜750である。あるいはpは、1であり、R1は、メトキシであり、mは、1であり、そしてnは、100〜750である。
本発明は、R1が、メトキシであり、mが、1であり、nが、100〜750であり、pが、3であり、NHT20が、その末端α−アミノ基を通じて共有結合したT20ポリペプチドである、式(I)の実施態様を提供する。
先に示したように、本発明のPEG化T20化合物は、T20のα−アミノ基を、特定の構造を有するポリエチレングリコール誘導体に共有結合させる。これらのPEG化化合物は、所望のどの方法でも作成できるが、一般にT20に、個別に調製したポリエチレングリコール誘導体を反応させることによって調製する。
T20ポリペプチドは、どの適切な方法でも調製できる。例えば化合物は、Boc−アミノ酸を利用した固相法を包含する古典的なメリフィールド固相合成技法を使用して(Chem.Soc., 85, 2149, 1963)、手動または自動手法を使用して、Fmoc−アミノ酸を利用した固相方法を使用して(Sheppard, R.C.ら、J.Chem.Soc.Chem.Comm., 165〜166頁(1985))を使用して、ケンタッキー州ルイビルのAdvanced ChemtechによるAdvanced Chemtech model 200を使用して、マサチューセッツ州ベッドフォードのMilliporeより入手可能なMillipore 9050+を使用して、又は他の入手可能な機器を使用して合成できる。
T20は、本発明の化合物をコードしているcDNAを機能性ウィルス性または環状プラスミドcDNAベクター内に組み込むことによって生成される。ベクターまたはプラスミドは、選択した微生物を形質移入または形質転換するために使用できる。形質転換または形質移入微生物は、ベクターが持つDNA配列の発現に対して誘発性である条件下で培養可能であり、増殖培地からの所望のペプチドの分離が実施できる(例えば、まるで全体が引用されたように、その全体を引用例として本明細書に取り込む、米国特許第5,955,422号を参照)。
T20は、当技術分野において周知の標準組換えDNA技法によっても調製できる。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd edition, (Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, N.Y.)またはAusubelら、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, New York(1995)で概説されている手法のどちらも引用例として本明細書に取り込む。
T20を作成する詳細な方法は、米国特許第6,015,881号に述べられており、本明細書に取り込む。
開裂および脱保護の後、T20は、どの適切な手段によっても精製できる。例えば、イオン交換、ゲル濾過クロマトグラフィー、および/または逆相カラム/HPLCシステムを用いて、全長T20をその断片から精製することができる。N末端(例えばアシル基)および/またはC末端(例えばアミノ基)に結合した封鎖/保護基を備えたT20前駆物質が最初に調製される場合、これらの基の一方または両方を、既知の技法で除去することができる。
T20のアミノ酸配列は、標準アミノ酸分析はもちろんのこと、各アミノ酸の手動および自動エドマン分解および決定を用いても確認および同定できる。HPLC分析および質量分析法も、T20の生成を確認するために使用できる。
T20と反応できるポリエチレングリコールアルデヒド化合物は、どの所望の方法でも作成できる。しかしながら、ポリエチレングリコールは、全体を引用例として本明細書に取り込む、「Polyethylene Glycol Aldehydes」という題の、2002年6月24日に出願された米国特許出願第60/398,196号に述べた方法に従って作成できる。
一般に、式:
Figure 0004381301
(式中、R1、m、n、およびpは先に定義したとおりである)のポリエチレングリコールアルデヒドを用いて、T20をPEG化する。T20をPEG化するのに使用されるポリエチレングリコールアルデヒドは、どの適切な手段によっても調製できる。1つの好ましいポリエチレングリコールアルデヒドは、以下:
Figure 0004381301

のように調製される。
様々なサイズ(例えばn値を変える)のポリエチレングリコールアルデヒドは、上の一般反応スキームに従って調製できる。
本発明のPEG化T20化合物は、どの適切な手段によっても調製できる。しかしながら、本発明によって、式:R1−(CH2CH2O)n−CH2CH2−O−(CH2m−CO−NH−(CH2p−CH2−NHT20(I)(式中、ポリエチレングリコールアルデヒド分子は、T20ポリペプチドのN末端アミノ基に結合されている)の化合物を生成するために、T20ポリペプチド、NHT20を、式:
Figure 0004381301
(式中、R1、m、n、およびpは先に定義したとおりである)のポリエチレングリコールアルデヒドと反応させることを含む、T20ポリペプチドをPEG化するための方法が更に提供される。
PEG化T20は、T20およびPEG試薬を1:1〜1:100のモル比範囲で添加することによって調製される。T20は、先に論じたように、遊離α−アミノ基(いずれかのアシル基が除去される)および遊離カルボキシ基またはアミノ保護基のどちらかを有する。反応混合物は、室温または4℃、pH範囲5.5〜7.4のホウ酸、リン酸又はTris緩衝液に約0.5〜24時間入れる。PEG試薬のペプチド/タンパク質に対するモル比は、1:1〜100:1である。ペプチド/タンパク質の濃度は、1〜10mg/mlである。通例、緩衝液の濃度は、10〜500mMである。
PEG化T20は、PEG化T20の反応混合物を取って、それを平衡緩衝液(20mM Tris、pH7.5)で希釈することによって精製する。得られた混合物を次に、Q−セファロースカラムに加える。混合物をQAカラムに加えた後、それを平衡緩衝液で洗浄し、75M NaClで溶離、200mM NaClで溶離、1M NaClで溶離させ、および1M HOAC+1M NaClおよび0.5 NaOHによって再生する。
逆相HPLCを使用することによって、N末端、モノPEG化生成物を混合物中の他の副生成物からただちに分離および単離することが可能である。
本発明のPEG化T20ポリペプチドの好ましい実施態様において、pは、3であり、R1は、メチルであり、mは、1であり、そしてnは、100〜750である。pは、2であり、R1は、メトキシであり、mは、1であり、そしてnは、100〜750である。またはpは、1であり、R1は、メトキシであり、mは、1であり、そしてnは、100〜750である。
本発明は、式:
CH3−O−(CH2−CH2−O)n−CH2−CH2−O−CH2−CH2−CH2−NHT20(III)(式中、nは、10〜1,000であり、そしてNHT20は、その末端α−アミノ基を通じて共有結合されたT20ポリペプチドである)のPEG化T20ポリペプチドも提供する。一実施態様において、nは、約225、例えば227である。
このPEG化T20ポリペプチドは、いずれかの所望の方法で作成でき、好ましくは実施例3で述べる方法により作成される。
本発明の医薬組成物は、医薬的に許容される賦形剤と混合して、R1、m、n、p、およびNHT20が上で定義された、式(I)の化合物を含む。
PEG化T20ポリペプチド、またはその塩を含む本発明の医薬組成物は、いずれかの所望の方法、例えば従来の混合、カプセル化、溶解、粒状化、乳化、取り込み(entrapping)、または凍結乾燥プロセスによって製造できる。これらの医薬的調製物は、治療的に不活性な無機または有機賦形剤および担体を用いて調合できる。注射用の適切な賦形剤は、水、アルコール、ポリオール、グリセリン、植物油、リン脂質、および表面活性剤を含む。
医薬的調製物は、保存剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、着香剤、浸透圧を変化させるための塩、緩衝剤、コーティング剤、抗酸化剤も含有できる。それらは、追加の活性成分を含む、他の治療的に価値のある物質も含有できる。
非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、気管内、および硬膜外を含む)投与に適した調合物は、単位投薬形態で好都合に与えられるか、従来の医薬的技法によって調製できる。このような技法は、PEG化T20ポリペプチドおよび医薬的担体または賦形剤を結合させるステップを含む。一般に調合物は、PEG化T20ポリペプチドを液体担体を均一および密接に結合させることによって調製する。非経口の投与に適した調合物は、調合物を抗酸化剤、緩衝剤、静菌薬、および対象となるレシピエントの血液と等張性にする溶質を含有する、水性および非水性滅菌注射溶液、ならびに懸濁剤および増粘剤を含む水性および非水性滅菌懸濁物を含む。調合物は、単位用量または複数回用量容器、例えば密封アンプルおよびバイアルで与えられ、使用直前に滅菌液体担体、例えば注射用の水の添加のみを必要とする、フリーズドライ(凍結乾燥)条件で保管できる。
好ましい単位投薬調合物は、本明細書の上で引用したように、1日用量または単位、1日サブ用量、あるいは投与成分の適切な分割を含有する調合物である。
好ましくは、PEG化T20ポリペプチドは、単位投薬形態である。本明細書で使用されるように、「単位投薬形態」は、PEG化T20ポリペプチドが予め測定されたおよび/または予め包装された形態である単回用量に適した量を意味する。これは投与のためのPEG化T20ポリペプチドの好都合な調製を可能にし、患者による自己投与すら可能にする。単位投薬量は明らかに、送達されるPEG化T20ポリペプチドの量および投与頻度に依存する。
PEG化T20ポリペプチドは、投与の直前に医薬的に許容される賦形剤による再構成に適した、単位投薬量の凍結乾燥粉末形態で提供することもできる。
本発明の特定の医薬組成物は、医薬的に許容される賦形剤と混合して、R1が、メトキシであり、mが、1であり、nが、100〜750であり、そしてpが、3である、式(I)の化合物を含む。
本発明の別の医薬組成物は、医薬的に許容される賦形剤と混合して、nが、10〜1,000であり、そしてNHT20が、その末端α−アミノ基に共有結合したT20ポリペプチドである式(III)の化合物を含む医薬組成物である。一実施態様において、nは、約225、例えば227である。
更に、本発明は、医薬的に許容される賦形剤と混合して、R1、m、n、p、およびNHT20が先に定義したとおりである式(I)の化合物を含む医薬組成物を患者に投与することを含む、HIV感染を抑制する方法を提供する。
一般に、PEG化T20ポリペプチドは、(非PEG化)T20ポリペプチドが現在投与されている方法で投与される。しかしながら、PEG化T20ポリペプチドの改善された薬物動態特性を利用するために、変更を行うことができる。
HIVを抑制する本発明の方法において、医薬組成物は、いずれかの適切な方法および経路で投与できる。好ましい方法において、PEG化T20ポリペプチドは、注射用溶液または懸濁物の形態で投与される。好ましくは注射用溶液または懸濁物は、皮下注射によって、または静脈内に投与される。
別の好ましい方法において、PEG化T20ポリペプチドは、経皮送達デバイス、例えば経皮パッチを通じて投与される。
HIVを抑制する本発明の方法において、医薬組成物は、いずれかの適切な投薬量およびスケジュールで投与できる。本発明の医薬組成物は、所望の、いずれかの形態およびいずれかの経路で投与できる。一般に、しかしながら、本発明のPEG化T20ポリペプチドは、非経口的に、例えば注射溶液の形態で投与される。
治療的有効量の決定は、当技術分野の範囲内であり、本発明によるPEG化T20ポリペプチド治療的有効量または投薬量は、変化することがあり、特定の各症例における個別の要件に調整されるであろう。一般に、体重約70kgの成人男性への非経口投与の場合、約5mg〜約300mg、好ましくは約50mg〜約200mgの1日投薬量が適切であるが、指示される場合は上限を超えてもよい。投薬量は、単回用量として、分割用量で、または持続注入によって投与できる。毎日、更に好ましくは毎週の投与が利用できる。
本発明は、医薬的に許容される賦形剤と混合して、R1が、メトキシであり、mが、1であり、nが、100〜750であり、そしてpが、3である式(I)の化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、HIV感染を抑制する方法も提供する。
医薬的に許容される賦形剤と混合して、nが、10〜1,000であり、NHT20が、その末端α−アミノ基に共有結合されたT20ポリペプチドである式(III)の化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、HIV感染を抑制する方法も、本発明の範囲内で考慮される。一実施態様において、nは、約225、例えば227である。
以下の実施例は、本発明の化合物、組成物、および方法を更に説明するために提供される。これらの実施例は、例示のみであり、本発明の範囲を決して制限するものではない。
PEG10K−ブタノアルデヒドの調製
トルエン240ml中の分子量10,000のmPEG(30.0g、3mmol)を2時間還流し、それに続くトルエン120mlの除去によって共沸乾燥させた。得られた溶液は室温まで冷却し、次に無水tert−ブタノール20mlおよびトルエン20ml中のカリウムtert−ブトキシド(0.68g、6mmol)を、PEG溶液に添加した。得られた混合物をアルゴン雰囲気下、室温にて2時間攪拌した。tert−ブチルブロモアセタート(1.00mL、6.75mmol)を注射器で反応物に添加し、反応物をアルゴン雰囲気下、室温にて一晩攪拌した。次に反応溶液を回転蒸発により濃縮した。ジエチルエーテルへの添加により残留物を沈殿させた。沈殿したmPEG10Kt−ブチルカルボキシメチルエステル生成物を濾過して、真空中で乾燥させた。収量:28g。
Figure 0004381301
次に、mPEG10Kt−ブチルカルボキシメチルエステル(26.5g)を1N 水酸化ナトリウム350ml中に溶解させ、溶液を室温にて一晩攪拌した。6N 塩酸の添加により混合物のpHを2.5に調整して、混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥、濾過、濃縮させて、そしてジエチルエーテル中で沈殿させた。生成物mPEG10K−カルボキシメチル酸を濾過により収集して、真空中で乾燥させた。収量:24g。
Figure 0004381301
次にmPEG10K−カルボキシメチル酸(6g、0.6mmol)を無水ジクロロメタン (30mL)に溶解させ、4−アミノブチルアルデヒドジエチルアセタール(140ml、0.9mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(80mg、0.6mmol)、およびジクロロヘキシルカルボジイミド(160mg、0.78mmol)の添加が続いた。混合物をアルゴン雰囲気下、室温にて一晩攪拌した。反応混合物を濾過、濃縮し、そして、2−プロパノールおよびジエチルエーテル(1:1)の混合物によって沈殿させた。生成物mPEG10K−ブタノアセタールを真空中で一晩乾燥させた。収量:5.4g。
Figure 0004381301
次にmPEG10K−ブタノアセタール(2g、0.2mmol)を80%CF3COOH 20mlに溶解させ、溶液を室温にて一晩攪拌した。1N NaOH溶液の添加により、混合物のpHを6.0に調整し、塩化ナトリウム(10重量%)を添加して、次に1N NaOH溶液の添加により、溶液のpHを7.0に調整した。混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥、濾過、濃縮して、そしてジエチルエーテル中に沈殿させた。生成物mPEG10K−ブタノアルデヒドを濾過により収集し、真空中で乾燥させた。収量:1.7g。
Figure 0004381301
PEG10K−ブタノアルデヒドによるT20のPEG化
PEG 10kDaのブタノアルデヒド(実施例1より)を、緩衝液(50mM リン酸カリウム、pH6.5)3.0ml中のT20(純度93.7%)15mgに、T20 1モルあたり試薬5モルのモル比で添加した。T20ポリペプチドは、α−アミノ末端で脱アシル化したが、カルボキシル末端で−NH2により保護した。反応混合物に10%(体積/体積)の0.5M ナトリウムシアノボロヒドリド水溶液を添加し、室温にて4時間攪拌した。PEG化T20は、イオン交換クロマトグラフィー(QA)を使用して、反応混合物から精製した。20mM Tris、pH7.5中の、150mM〜1M NaClの上昇する塩濃度による線形勾配を用いて、PEG化T20および未修飾T20を分離した。
mPEG10k−プロピオンアルデヒドによるT20のPEG化
以下の構造を有する、PEG10kDaのプロピオンアルデヒドを使用した。
CH3−O−(CH2−CH2−O)227−CH2−CH2−O−CH2−CH2−CHO
mPEG10k−プロピオンアルデヒド150mgを、緩衝液(50mM リン酸カリウム、pH6.5)3.0ml中のT20(純度93.7%)15mgに、T20 1モルあたり試薬5モルのモル比で添加した。T1249ポリペプチドは、α−アミノ末端で脱アシル化したが、カルボキシル末端で−NH2により保護した。
反応混合物に10%(体積/体積)の0.5Mナトリウムシアノボロヒドリド水溶液を添加し、室温にて4時間攪拌した。PEG化T20は、イオン交換クロマトグラフィー(QA)を使用して反応混合物から精製した。PEG化T20の構造は以下:
CH3−O−(CH2−CH2−O)n−CH2−CH2−O−CH2−CH2−CH2−NHT20(III)
のとおりである。
20mM Tris、pH7.5中の150mM〜1M NaClの上昇する塩濃度による直線勾配を使用して、PEG化T20および非修飾T20を分離した。
PEG化T20のインヒビター濃度
通例、表現型感受性は、ウィルス増殖の50%または90%をそれぞれ抑制するために必要な薬物濃度の基準である、IC50またはIC90によって定量される。
PEG10K−プロピオンアルデヒドを備えたPEG化T20(実施例3)およびmPEG10K−ブタノアルデヒドを備えたPEG化T20(実施例2)のインヒビター濃度50およびインヒビター濃度90の結果は、下の表1に再現する。
Figure 0004381301

表1:インヒビター濃度50およびインヒビター濃度90の結果
IC50およびIC90の値は、実施例5に従って決定した。
cMAGI/MAGI抗ウィルスアッセイ
これらのアッセイは、インジケータ細胞株MAGI(ガラクトシダーゼインジケータの多核活性化)またはCCR5発現誘導体cMAGIを利用した、感染性ウィルス力価の低下について評価した。MAGI細胞株は、アンホトロピック・レトロウィルス・ベクターによってCD4およびHIV−1 LTR駆動b−galレポーターの遺伝子を導入することによって、親HeLa細胞から得た(Kimpton J, Emerman M, J Virol 66: 2232-9, 1992)。cMAGI細胞株は、アンホトロピック・レトロウィルス・ベクター、PA317を用いたCCR5遺伝子の導入によって、MAGI細胞株から得た(Chackerian B, Long EM, Luciw PA, Overbaugh J, J Virol 71: 3932-9, 1997)。cMAGI細胞細胞は、初代NSI(R5)アイソレートおよび実験室適合X4ウィルスの複製を助けるが、これに対してMAGI細胞は、X4ウィルスのみの複製を助ける。どちらの細胞株も、HIV−LTRによって駆動されるb−ガラクトシダーゼ・レポーター遺伝子の発現をトランス活性化するために、HIV−1 tatの能力を利用する。b−galリポーターは、核に局在するように修飾されており、X−gal基質によって、感染の2、3日以内の強力な核染色として検出できる。それゆえ染色核の数は、染色前に1回の感染のみがある場合、チャレンジ接種での感染性ビリオンの数と等しいとして解釈できる。
感染および細胞−細胞融合のインヒビター、例えばT20またはT1249(Wild C, Greenwell T, Matthews T, AIDS Res Hum Retrovirus 9: 1051-3, 1993)を、1回の感染を確実に示す計測値を可能にするために、感染24時間後に添加した。感染細胞は、CCD撮影機を用いて数え、初代および実験室適合アイソレートの両方が、ウィルス投入と撮影機によって描出された感染細胞数との直線関係を示した。MAGIおよびcMAGIアッセイにおいて、感染力価の50%低下(Vn/V0=0.5)は重大であり、抗ウィルス活性を評価するための一次カットオフ値を提供する。感染力価の90%低下(Vn/V0)を、抗ウィルス活性の評価での追加のカットオフ値として使用する。
各試験化合物の希釈物は、48ウェルマイクロタイタープレートの約1500〜2000感染細胞/ウェルを与えるように調整されたウィルス接種に対して2回試験した。試験化合物をcMAGIまたはMAGI細胞に添加し、ウィルス接種が続き、24時間後に感染および細胞−細胞融合のインヒビター(Wild C, Greenwell T, Matthews T, AIDS Res Hum Retrovirus 9: 1051-3, 1993)を添加して、第2回の感染および細胞−細胞ウィルス蔓延を防止した。細胞を更に2日間培養し、固定して、X−gal基質によって染色し、感染細胞を検知した。各対照および試験化合物希釈物の感染細胞の数は、CCD撮影機によって決定した。IC50は、感染性ウィルス力価の50%低下を生じる試験化合物の希釈度として定義される。IC90は、感染力価の90%低下を生じる希釈度として定義される。
それゆえ本発明を説明したが、同じ方法が多くの方法で変更できることが明らかになるであろう。このような変更は、本発明の精神および範囲からの逸脱とは見なされず、このような改変すべては、以下の請求項の範囲内に含まれるものとする。

Claims (11)

  1. 式(I)
    Figure 0004381301
    (式中
    1は、低級アルコキシであり、
    mは、1であり、
    nは、10〜1,000であり、
    pは、3であり、そして
    NHT20は、その末端α−アミノ基を通じて共有結合したT20ポリペプチドである)の化合物。
  2. 1が、メトキシであり、そしてnが、100〜750である、請求項1記載の化合物。

  3. Figure 0004381301
    (式中
    1は、低級アルコキシであり、
    mは、1であり、
    nは、10〜1,000であり、
    pは、3であり、そして
    NHT20は、その末端α−アミノ基を通じて共有結合したT20ポリペプチドである)の化合物を、医薬的に許容される賦形剤と混合して含む、医薬組成物。
  4. 1が、メトキシであり、そしてnが、100〜750である、請求項3記載の医薬組成物。
  5. 凍結乾燥粉末の形態である、請求項3記載の医薬組成物。
  6. 注射用溶液または懸濁物の形態である、請求項3記載の医薬組成物。
  7. HIV感染抑制用の医薬の調製のための、式I:
    Figure 0004381301
    (式中
    1は、低級アルコキシであり、
    mは、1であり、
    nは、10〜1,000であり、
    pは、3であり、そして
    NHT20は、その末端α−アミノ基を通じて共有結合したT20ポリペプチドである)の化合物を、医薬的に許容される賦形剤と混合して含む医薬組成物の使用。
  8. 医薬組成物が、1日あたり50mg〜200mgの量で投与される、請求項7記載の使用。
  9. 医薬組成物が、単回用量で週あたり300mg〜1500mgの量で投与される、請求項7記載の使用。
  10. HIV感染抑制用の医薬の調製のための、式I:
    Figure 0004381301
    (式中
    1は、メトキシであり、
    mは、1であり、
    nは、100〜750であり、
    pは、3であり、そして
    NHT20は、その末端α−アミノ基を通じて共有結合したT20ポリペプチドである)の化合物を、医薬的に許容される賦形剤と混合して含む医薬組成物の使用。
  11. 式:R1−(CH2CH2O)n−CH2CH2−O−(CH2m−CO−NH−(CH2p−CH2−NHT20(I)(式中、ポリエチレングリコールアルデヒド分子は、T20ポリペプチドのN末端アミノ基に結合されている)の化合物を生産する方法であって、T20ポリペプチドを式:
    Figure 0004381301
    (式中
    1は、低級アルコキシであり、
    mは、1であり、
    nは、10〜1,000であり、
    pは、3である)
    のポリエチレングリコールアルデヒドと反応させ、ポリエチレングリコール分子をT20ポリペプチドに結合させることを含む、方法
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