JP4381245B2 - 掃気管制弁装置を備えた内燃機関 - Google Patents

掃気管制弁装置を備えた内燃機関 Download PDF

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Description

本発明は、2サイクル大型ディーゼル機関に適用され、シリンダ内に掃気を供給する掃気孔がシリンダライナの下部に該シリンダライナの円周方向に沿って複数穿設された2サイクル内燃機関であって、掃気管制弁の掃気ポートと前記掃気孔とを連通したとき前記シリンダ内へ掃気を供給可能とし、前記掃気ポートと前記掃気孔との連通を遮断したとき前記シリンダ内への掃気の供給を停止するように構成された掃気管制弁装置を備えた内燃機関に関する。
2サイクル大型ディーゼル機関は、通常、ユニフロー掃気方式が採用されており、ピストンの下死点前に、シリンダライナの下部に周方向に沿って複数穿設された掃気孔を該ピストンの上縁によって開き、該掃気孔から掃気(空気)をシリンダ内に供給し、該シリンダ内の残留燃焼ガスを、シリンダカバーに設けられた排気弁を通して押し出すように構成されている。
かかるユニフロー掃気式2サイクル大型ディーゼル機関において、掃気孔の開口面積、排気弁の開口面積から算出される掃気孔及び排気弁の合成通路面積即ち有効換算面積を調整するため、掃気孔を開閉する掃気管制弁を設けたものが、特許文献1(特開平7−324626号公報)等により提案されている。
前記特許文献1の技術は、ユニフロー掃気式2サイクル大型ディーゼル機関において、掃気孔の上側に周方向にそって複数の副掃気孔を穿設するとともに、シリンダライナの外側に、該シリンダライナの外面に沿って軸方向に移動可能にされて、前記副掃気孔を開閉する掃気管制弁を設け、該掃気管制弁を軸方向に移動させることにより、燃焼室内への掃気通路開口面積を変化せしめるように構成されている。
特開平7−324626号公報
前記特許文献1に記載されたディーゼル機関においては、シリンダライナの外側に設けた掃気管制弁を軸方向に移動させることにより副掃気孔を開閉し、燃焼室内への掃気通路開口面積を変化せしめるように構成されており、副掃気孔の開口面積を変化させることにより掃気孔開口面積を変化させ、掃気孔及び排気弁の有効換算通路面積を調整している。
即ち、かかる従来技術にあっては、掃気管制弁を軸方向に移動(摺動)させて副掃気孔を開閉し掃気孔面積を変化するように構成されているため、掃気管制弁の軸方向摺動量が大きくなって該掃気管制弁の駆動に大きな駆動力を必要とし、該掃気管制弁自体も大型化する。
またかかる従来技術にあっては、掃気管制弁がシリンダライナの外側に設けられるとともに、該掃気管制弁駆動用のアクチュエータがシリンダライナの外側に装着されているため、該掃気管制弁の装着に大きなスペースを要する。
また、かかる従来技術にあっては、掃気孔の上側に周方向にそって複数穿設された副掃気孔を開閉する掃気管制弁をシリンダライナの外側に設け、該掃気管制弁をシリンダライナの外側において軸方向に移動させることにより掃気通路開口面積を変化せしめるように構成されているため、該掃気管制弁で副掃気孔を全閉し第1ピストンリングによって掃気孔を閉じても、ピストンリングのリング隙間からガスが通流することとなり、掃気通路を完全に閉塞することは実質的に不可能となる。
このため、かかる従来技術にあっては、掃気通路の開口面積変化を目標とする開口面積パターンに正確に制御するのは困難となるとともに、掃気通路を通しての作動ガスの吹き返しが発生して、ピストンリング、シリンダライナの耐久性が低下するとともに、シリンダ注油用の潤滑油消費率も増大し易い。
等の問題点を有している。
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、掃気孔を開閉制御する掃気管制弁を小さい駆動力で作動可能とするとともに、該掃気管制弁を小型化して小さな設置スペースで以って装備可能とし、掃気孔の開口面積変化を目標とする開口面積パターンに正確に制御可能とする掃気管制弁装置を備えた内燃機関を提供することを目的とする。
本発明はかかる目的を達成するもので、シリンダ内に掃気を供給する掃気孔がシリンダライナの下部に該シリンダライナの円周方向に沿って複数穿設された内燃機関において、前記シリンダライナの内側に形成された嵌合面に該シリンダライナの円周方向に移動可能に嵌合されて前記掃気孔を開閉し前記シリンダ内への掃気の供給、遮断を行う円環状の掃気管制弁と、前記シリンダライナの内部に設けられて作動流体の圧力により前記掃気管制弁をその円周方向に移動せしめる流体作動装置と、前記流体作動装置への作動流体の供給、遮断を司る電磁弁装置とを備え、前記円環状の掃気管制弁は前記掃気孔と同数の掃気ポートが円周方向に沿って形成されており、前記電磁弁装置によって前記流体作動装置に作動流体を供給あるいは遮断することにより、前記掃気管制弁をシリンダライナの円周方向に移動させて前記掃気ポートと前記シリンダライナの掃気孔とを連通したとき前記シリンダ内へ掃気を供給可能とし、前記掃気ポートと前記掃気孔との連通を遮断したとき前記シリンダ内への掃気の供給を停止するように構成されてなることを特徴とする。
かかる発明において、具体的には、前記流体作動装置は、前記シリンダライナの内部に前記掃気管制弁の外周面に臨んで形成されて前記作動流体が給排される流体室と、前記掃気管制弁の外周面から半径方向に突設されて前記流体室に流体密に嵌合された作動羽根とを備え、前記流体室に給排される作動流体を前記作動羽根に作用させることにより該作動羽根を介して前記掃気管制弁をその円周方向に移動せしめるように構成されてなる。
かかる発明によれば、円環状の掃気管制弁の外周面から半径方向に突設された作動羽根に、流体室に給排される作動流体を作用させることにより前記掃気管制弁をその円周方向に移動せしめるので、掃気管制弁を円周方向に移動させるのみの動作で掃気孔面積を自在に変化させることができる。
これにより、前記特許文献1のような従来技術に比べて掃気管制弁が小型コンパクトとなるとともに、該掃気管制弁を円周方向に移動せしめる形式であるので、該掃気管制弁の駆動動力が小さくて済み、前記従来技術に比べて掃気管制弁の設置スペースも大幅に減少できる。
従って、かかる発明によれば、従来技術に比べて小型コンパクトで駆動動力が低減された掃気管制弁装置で以って、掃気孔面積を自在に変化させることができる。
また、かかる発明において好ましくは、前記電磁弁装置を、前記流体作動装置からの作動流体の戻り通路に設置して、該電磁弁装置により前記流体作動装置における作動流体の戻り時期を制御するように構成されてなる。
このように構成すれば、作動流体の戻り通路に設置した電磁弁装置によって掃気管制弁の作動流体の戻りタイミングを制御するので、掃気管制弁の作動が安定するとともに、2方向弁が使用可能であるので、低価格の電磁弁装置を使用可能となる。
また、かかる発明において好ましくは、エンジン(内燃機関)の負荷を検出する負荷検出器と、エンジン回転数を検出する回転数検出器と、前記負荷検出器からのエンジン負荷の検出値及び前記回転数検出器からのエンジン回転数の検出値が入力されて該エンジン負荷の検出値及びエンジン回転数の検出値に基づき前記電磁弁装置を開閉制御する制御装置とを備える。
このように構成すれば、例えば、エンジン負荷の上昇に従い掃気管制弁による掃気孔の開時期を早めることにより燃料消費率を低下させ、あるいはNOx発生量を抑制する等の制御を、エンジン負荷及びエンジン回転数の検出値に基づき制御装置によって容易に行うことが可能となる。
また、かかる発明において好ましくは、前記流体室は前記作動羽根により作動流体が給排される2つの流体室に区画形成され、各流体室及び前記作動羽根に該作動羽根の移動終了直前に該作動羽根の移動による衝撃力を緩和する緩衝機構を設けてなる。
このように構成すれば、掃気管制弁の作動終了時に該掃気管制弁を緩やかに閉鎖させることができて、該該掃気管制弁の衝撃的閉鎖による耐久性の低下を防止できる。
また本発明は、シリンダ内に掃気を供給する掃気孔がシリンダライナの下部に該シリンダライナの円周方向に沿って複数穿設された内燃機関において、前記シリンダライナの内側に形成された嵌合面に該シリンダライナの円周方向に移動可能に嵌合されて前記掃気孔を開閉し前記シリンダ内への掃気の供給、遮断を行う円環状の掃気管制弁と、シリンダライナの壁内を貫通して形成されたリンク挿通孔と、前記シリンダライナの外側に設置された掃気管制弁駆動装置と、前記リンク挿通孔内を挿通されるとともに一端が前記掃気管制弁の外周の軸方向中間位置に連結され他端が前記掃気管制弁駆動装置に連結される掃気管制弁駆動リンクとを備え、前記掃気管制弁駆動装置の駆動力を前記掃気管制弁駆動リンクを介して前記掃気管制弁に伝達して該掃気管制弁をその円周方向に移動せしめるように構成されてなることを特徴とする。
かかる発明によれば、掃気管制弁の外周の軸方向中間位置に連結される掃気管制弁駆動リンクを、シリンダライナの壁内に貫通して設けられたリンク挿通孔内を通して掃気管制弁駆動装置に連結して、該掃気管制弁を円周方向に移動せしめるので、該掃気管制弁にこれの移動量を制御するための余分な高さが不要となる。
これにより、該掃気管制弁及びその駆動機構が小型化できるとともに、シリンダライナの外側にある掃気管制弁駆動装置によって掃気管制弁を制御するので、操作が簡単となる。
また、かかる発明において好ましくは、前記シリンダライナの嵌合面と摺接する前記円環状の掃気管制弁の外周面に臨んで、該掃気管制弁の外周面に作用する加圧流体が供給される流体圧ポットを設け、該流体圧ポットに供給される加圧流体の圧力により前記円環状の掃気管制弁をその中心方向に押圧するように構成されてなることを特徴とする。
このように構成すれば、シリンダライナの嵌合面と摺接する円環状の掃気管制弁の外周面に、流体圧ポットに導入された加圧流体の流体圧を作用させて掃気管制弁をその中心方向に押圧することにより、掃気管制弁とこれが摺接されるシリンダライナの嵌合面との間の摺動抵抗を低減でき、該掃気管制弁を小さい作動力で操作できる。
本発明によれば、円環状の掃気管制弁に作動流体を作用させることにより掃気管制弁をその円周方向に移動せしめるので、掃気管制弁を円周方向に移動させるのみで掃気孔面積を自在に変化させることができ、これにより、従来技術に比べて掃気管制弁が小型コンパクトとなるとともに、該掃気管制弁を円周方向に移動せしめる形式であるので、該掃気管制弁の駆動動力が小さくて済み、掃気管制弁の設置スペースも大幅に減少できる。
これにより、従来技術に比べて小型コンパクトで駆動動力が低減された掃気管制弁装置で以って、掃気孔面積を自在に変化させることができる。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は本発明の第1実施例に係る2サイクル大型ディーゼル機関におけるシリンダライナのシリンダ中心に直角な断面図を含む要部構成図(図3のA−A線に沿う要部断面図)、図2は前記第1実施例における掃気孔および掃気管制弁の掃気ポートを示すシリンダ中心に直角な断面図(図3のB−B線に沿う要部断面図)、図3はシリンダライナの掃気ポート部近傍のシリンダ中心に平行な断面図である。
図1〜図3において、100はシリンダライナ、103は該シリンダライナ100の内面をピストンリング104を介して往復摺動するピストンである。
図3において、101は掃気孔で、該シリンダライナ100の下方部位に円周方向等間隔に複数個穿孔されている。図2の例では、該掃気孔101は円周方向に傾斜した傾斜型の掃気孔であるが、傾斜型に限定されることはない。
1は耐摩耗性材料からなる円環状の掃気管制弁で、前記シリンダライナ100の内周に形成された嵌合面100aに該シリンダライナ100と相対回転可能に嵌合され、図3のように内周面100bが前記ピストンリング104の摺動面となっている。
前記掃気管制弁1には、図2のように、円周方向に沿って前記掃気孔101と同数の掃気ポート4が穿孔されている。該掃気ポート4は、図2のように、全閉時には前記シリンダライナ100の掃気孔101の間に位置し、全開時には前記掃気孔101と同一位相に位置して該掃気孔101と完全に連通するようになっている。
前記掃気管制弁1の外周には、作動羽根2が円周方向等間隔に4個(複数個であればよい)半径方向に突設され、各作動羽根2は前記シリンダライナ100の外周面1aとの嵌合面100aから半径方向に凹設された油室(流体室)3a、3b内に、外周面を流体密にして嵌合され、前記油室(流体室)3a、3b内に給排される作動油を前記作動羽根2に作用させることにより、該作動羽根2を介して前記掃気管制弁1をその円周方向に移動せしめるように構成されてなる。
図1において、5は前記掃気管制弁1を開閉制御する3方向の電磁開閉弁で、出口ポートには前記4個の作動羽根により区画形成された油室3a側に接続される作動油管6と、油室3b側に接続される作動油管7とが接続され、入口ポートには図示しない作動油ポンプからの作動油入口管13が接続され、排出ポートが図示しない作動油タンクへの戻り管14に接続されている。
図1において、10は制御装置、11はエンジン(内燃機関)の負荷を検出する負荷検出器、12はエンジン回転数を検出する回転数検出器であり、前記制御装置10は、前記負荷検出器11からのエンジン負荷の検出値及び前記回転数検出器12からのエンジン回転数の検出値が入力されて該エンジン負荷の検出値及びエンジン回転数の検出値に基づき前記電磁開閉弁5を開閉制御するようになっている。
このように、前記制御装置10により、前記エンジン負荷の検出値及びエンジン回転数の検出値に基づき前記電磁開閉弁5を開閉制御すれば、例えば、エンジン負荷の上昇に従い掃気管制弁1による掃気孔101の開時期を早めることにより燃料消費率を低下させ、あるいはNOx発生量を抑制する等の制御を、エンジン負荷及びエンジン回転数の検出値に基づき制御装置10によって容易に行うことが可能となる。図1において、9は前記掃気管制弁1のストッパである。
かかる第1実施例において、前記掃気ポート4を全閉にする場合には、前記電磁開閉弁5を、作動油出口ポートが作動油管6に接続し排出ポートが作動油管7に接続するように切り換える。これにより、図1のように、油室3aに作動油管6を通って作動油が供給されるとともに、油室3b内の作動油が作動油管7を経て戻り管14に排出される。かかる動作により掃気管制弁1は、図2の矢印とは逆方向に回転せしめられ掃気ポート4は全閉となる。
一方、前記掃気ポート4を全開にする場合には、前記電磁開閉弁5を、作動油出口ポートが作動油管7に接続し、排出ポートが作動油管6に接続するように切り換える。これにより、図1とは反対に、油室3bに作動油管7通って作動油が供給されるとともに、油室3a内の作動油が作動油管6を経て戻り管14に排出される。かかる動作により、図2のように掃気ポート4は図2の位置から図1の矢印方向に移動し、掃気孔101と完全に連通して全開となる。
従って、かかる実施例によれば、円環状の掃気管制弁1の外周面から半径方向に突設された作動羽根2に、油室3a、3bに給排される作動油を作用させることにより前記掃気管制弁1をその円周方向に移動せしめるのみの動作で、掃気孔101の開口面積を自在に変化させることができる。
これにより、従来技術に比べて掃気管制弁1が小型コンパクトとなるとともに、該掃気管制弁1を円周方向に移動せしめる形式であるので、該掃気管制弁1の駆動動力が小さくて済み、前記従来技術に比べて掃気管制弁1の設置スペースも大幅に減少できる。
図4は本発明の第2実施例を示す図1対応図である。かかる第2実施例においては、前記第1実施例における電磁開閉弁5に代えて、2方向の電磁開閉弁51を前記掃気管制弁1作動用の油室3b側(あるいは油室3a側)の戻り通路となる作動油管6(あるいは作動油管7)に設け、前記油室3b(あるいは油室3a)からの作動油の戻り時期を開閉制御するように構成している。
かかる第2実施例によれば、掃気管制弁1の作動油の戻り通路に設置した電磁弁装置51によって掃気管制弁1の作動油の戻りタイミングを制御するので、該掃気管制弁1の作動が安定するとともに、電磁開閉弁51として2方向弁が使用可能であるので、低価格の電磁弁装置を使用可能となる。
その他の構成は図1〜3に示される第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
図5は本発明の第3実施例を示す掃気管制弁駆動用の作動油室近傍の拡大断面図である。かかる第3実施例においては、掃気管制弁1は、両側に緩衝部21a、21bが形成された段付きの作動羽根21を備えるとともに、シリンダライナ100における該作動羽根21によって区画形成される2つの油室3a、3bには、段付きストッパ部22a、22bとこれの内側のクッション室20が形成されている。
そして、かかる第3実施例によれば、前記作動油管6からの作動油圧により作動羽根21が掃気ポート4(図2参照)の閉方向に移動してから、移動終了直前に作動羽根21の緩衝部21bが油室3bの段付きストッパ部22bにかかり、クッション室20が密閉状態となって作動羽根21の閉方向への急激な移動を抑制する。これにより、前記作動羽根21の移動による衝撃力を緩和する緩衝効果が得られる。
これにより、掃気管制弁1の作動終了時に該掃気管制弁1を緩やかに閉鎖させることができて、該掃気管制弁1の衝撃的閉鎖による耐久性の低下を防止できる。
尚、図示を省略したが、前記以外の構成は、前記第1実施例あるいは第2実施例と同様である。
図6は本発明の第4実施例を示すシリンダライナの掃気ポート部近傍のシリンダ中心に平行な断面図(図3対応図)である。
かかる第4実施例においては、前記円環状の掃気管制弁1における、前記シリンダライナ100の嵌合面100aと摺接する外周面1aに臨んで、該掃気管制弁1の外周面1aに作用する加圧油が供給される油圧ポット30を前記掃気孔101の上下にそれぞれ設け、該油圧ポット30に供給される加圧油の圧力により前記円環状の掃気管制弁1をその中心方向に押圧するように構成している。
31は前記シリンダライナ100の内部に穿孔された油通路、32は該油通路に接続される油管であり、該油管32はエンジンの制御油圧回路から制御油圧を導入することもでき、格別な油圧源を設けなくてもよい。
かかる第4実施例によれば、シリンダライナ100の嵌合面100aと摺接する円環状の掃気管制弁1の外周面に、油圧ポット30に導入された加圧油の油圧を作用させて該掃気管制弁1をその中心方向に押圧することにより、掃気管制弁1の外周面1aとこれが摺接されるシリンダライナ100の嵌合面100aとの間の摺動抵抗を低減でき、該掃気管制弁1を小さい作動力で操作できる。
その他の構成は図1〜3に示される第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
図7は本発明の第5実施例を示すシリンダライナの掃気ポート部近傍のシリンダ中心に平行な断面図(図3対応図)である。
かかる第5実施例においては、シリンダライナ100の壁内を貫通して形成されたリンク挿通孔108を設け、該リンク挿通孔108内に移動自在に挿通された管制弁駆動リンク34の一端部を前記掃気管制弁1の軸方向中間位置の外周面1aに固定するとともに、該管制弁駆動リンク34の他端部に、シリンダライナ100の外側に設置された掃気管制弁駆動装置33を連結している。
そして、かかる第5実施例において、前記掃気管制弁駆動装置33によって管制弁駆動リンク34を介して掃気管制弁1を前記第1〜第4実施例と同様にシリンダライナ100の円周方向に回動させて、図2のように、該掃気管制弁1の掃気ポート4とシリンダライナ100の掃気孔101とを連通あるいは遮断することにより、該掃気ポート4を全開から全閉まで通路面積を変化させることができる。
かかる第5実施例によれば、掃気管制弁1の外周面1aの軸方向中間位置に連結される管制弁駆動リンク34を、シリンダライナ100の壁内に貫通して設けられたリンク挿通孔108内を通して掃気管制弁駆動装置33に連結して、該掃気管制弁1を円周方向に移動せしめるので、該掃気管制弁1にこれの移動量を制御するための余分な高さが不要となる。
これにより、該掃気管制弁1及びその駆動機構が小型化できるとともに、シリンダライナ100の外側に設置された掃気管制弁駆動装置33によって掃気管制弁1を制御するので、操作が簡単となる。
その他の構成は図6に示される第4実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
本発明によれば、掃気孔を開閉制御する掃気管制弁を小さい駆動力で作動可能となるとともに、該掃気管制弁を小型化することができて小さな設置スペースで以って該掃気管制弁の装備が可能となり、掃気孔の開口面積変化を目標とする開口面積パターンに正確に制御することができる掃気管制弁装置を備えた内燃機関を提供できる。
図1は本発明の第1実施例に係る2サイクル大型ディーゼル機関におけるシリンダライナのシリンダ中心に直角な断面図を含む要部構成図(図3のA−A線に沿う要部断面図) 前記第1実施例における掃気孔および掃気管制弁の掃気ポートを示すシリンダ中心に直角な断面図(図3のB−B線に沿う要部断面図)である。 前記第1実施例におけるシリンダライナの掃気ポート部近傍のシリンダ中心に平行な断面図である。 本発明の第2実施例を示す図1対応図である。 本発明の第3実施例を示す掃気管制弁駆動用の作動油室近傍の拡大断面図である。 本発明の第4実施例を示す図3対応図である。 本発明の第5実施例を示す図3対応図である。
符号の説明
100 シリンダライナ
100a 嵌合面
101 掃気孔
103 ピストン
1 掃気管制弁
2 作動羽根
3a、3b 油室(流体室)
4 掃気ポート
5、51 電磁開閉弁
6、7 作動油管
10 制御装置
11 負荷検出器
12 回転数検出器
20 クッション室
21 作動羽根
21a、21b 緩衝部
30 油圧ポット
31 油通路
33 掃気管制弁駆動装置
34 管制弁駆動リンク

Claims (7)

  1. シリンダ内に掃気を供給する掃気孔がシリンダライナの下部に該シリンダライナの円周方向に沿って複数穿設された内燃機関において、前記シリンダライナの内側に形成された嵌合面に該シリンダライナの円周方向に移動可能に嵌合されて前記掃気孔を開閉し前記シリンダ内への掃気の供給、遮断を行う円環状の掃気管制弁と、前記シリンダライナの内部に設けられて作動流体の圧力により前記掃気管制弁をその円周方向に移動せしめる流体作動装置と、前記流体作動装置への作動流体の供給、遮断を司る電磁弁装置とを備え、前記円環状の掃気管制弁は前記掃気孔と同数の掃気ポートが円周方向に沿って形成されており、前記電磁弁装置によって前記流体作動装置に作動流体を供給あるいは遮断することにより、前記掃気管制弁をシリンダライナの円周方向に移動させて前記掃気ポートと前記シリンダライナの掃気孔とを連通したとき前記シリンダ内へ掃気を供給可能とし、前記掃気ポートと前記掃気孔との連通を遮断したとき前記シリンダ内への掃気の供給を停止するように構成されてなることを特徴とする掃気管制弁装置を備えた内燃機関。
  2. 前記流体作動装置は、前記シリンダライナの内部に前記掃気管制弁の外周面に臨んで形成されて前記作動流体が給排される流体室と、前記掃気管制弁の外周面から半径方向に突設されて前記流体室に流体密に嵌合された作動羽根とを備え、前記流体室に給排される作動流体を前記作動羽根に作用させることにより該作動羽根を介して前記掃気管制弁をその円周方向に移動せしめるように構成されてなることを特徴とする請求項1記載の掃気管制弁装置を備えた内燃機関。
  3. 前記電磁弁装置を、前記流体作動装置からの作動流体の戻り通路に設置して、該電磁弁装置により前記流体作動装置における作動流体の戻り時期を制御するように構成されてなることを特徴とする請求項1記載の掃気管制弁装置を備えた内燃機関。
  4. エンジン(内燃機関)の負荷を検出する負荷検出器と、エンジン回転数を検出する回転数検出器と、前記負荷検出器からのエンジン負荷の検出値及び前記回転数検出器からのエンジン回転数の検出値が入力されて該エンジン負荷の検出値及びエンジン回転数の検出値に基づき前記電磁弁装置を開閉制御する制御装置とを備えたことを特徴とする請求項1記載の掃気管制弁装置を備えた内燃機関。
  5. 前記流体室は前記作動羽根により作動流体が給排される2つの流体室に区画形成され、各流体室及び前記作動羽根に該作動羽根の移動終了直前に該作動羽根の移動による衝撃力を緩和する緩衝機構を設けてなることを特徴とする請求項2記載の掃気管制弁装置を備えた内燃機関。
  6. シリンダ内に掃気を供給する掃気孔がシリンダライナの下部に該シリンダライナの円周方向に沿って複数穿設された内燃機関において、前記シリンダライナの内側に形成された嵌合面に該シリンダライナの円周方向に移動可能に嵌合されて前記掃気孔を開閉し前記シリンダ内への掃気の供給、遮断を行う円環状の掃気管制弁と、シリンダライナの壁内を貫通して形成されたリンク挿通孔と、前記シリンダライナの外側に設置された掃気管制弁駆動装置と、前記リンク挿通孔内を挿通されるとともに一端が前記掃気管制弁の外周の軸方向中間位置に連結され他端が前記掃気管制弁駆動装置に連結される掃気管制弁駆動リンクとを備え、前記掃気管制弁駆動装置の駆動力を前記掃気管制弁駆動リンクを介して前記掃気管制弁に伝達して該掃気管制弁をその円周方向に移動せしめるように構成されてなることを特徴とする掃気管制弁装置を備えた内燃機関。
  7. 前記シリンダライナの嵌合面と摺接する前記円環状の掃気管制弁の外周面に臨んで、該掃気管制弁の外周面に作用する加圧流体が供給される流体圧ポットを設け、該流体圧ポットに供給される加圧流体の圧力により前記円環状の掃気管制弁をその中心方向に押圧するように構成されてなることを特徴とする請求項1または6のいずれかの項に記載の掃気管制弁装置を備えた内燃機関。
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