JP4379863B2 - 電磁回転機器用キャン - Google Patents

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Description

本発明は、電磁回転機器の回転子の外側に設置された固定子の円筒状内周面に固着され、回転子側と固定子側との間の流体のシールを行う薄肉円筒状の電磁回転機器用キャンに関する。
アンモニアを作動流体とするアンモニアガスタービンにより回転子を直結駆動するように構成された発電機においては、前記アンモニアガスタービン側から一定圧力に加圧されたアンモニアが、発電機の回転子側を経て固定子側へ侵入するのを確実に防止するため、前記固定子の円筒状内周面に固着されて回転子側と固定子側との間のアンモニアシールを行う薄肉円筒状に形成されたキャンを装備している。
かかるキャンを装備した電磁回転機器(キャンドモータ)の1例として、特許文献1(特開平5−137288号公報)の技術がある。
かかる技術においては、固定子鉄心の軸方向両側に設けた補強筒と該固定子鉄心の内周の全周に亘り、強化素材樹脂により構成された筒状絶縁体を内張り積層して形成されたキャンによって、回転子側と固定子側との間の流体シールを行うように構成されている。
また、前記電磁回転機器において、固定子鉄心の内周に流体シール用のキャンを設けた技術として、特許文献2(特開平1−16362号公報)、特許文献3(特開平1−22384号公報)、特許文献4(特開平6−26491号公報)等がある。
特開平5−137288号公報 特開平1−16362号公報 特開平1−22384号公報 特開平6−26491号公報
前記特許文献1の技術においては、強化素材樹脂により構成された筒状絶縁体を固定子鉄心の内周及び固定子鉄心の軸方向両側に設けた補強筒の内周に内張り積層して形成されたキャンを装備している。
このため、かかる従来技術にあっては、絶縁体からなる前記キャンによって、固定子と回転子との間の回転磁界に誘導電力損失の発生をみることなく回転子側と固定子側との間の流体シールを行うことが可能となるが、強化素材樹脂により構成されたキャンでは、加圧されたアンモニア等の加圧腐蝕性流体の流体シールを確実に行うことは困難である。
このため、かかる従来技術にあっては、前記のように加圧腐蝕性流体の流体シールが確実に出来ないため、該腐蝕性流体が固定子側に侵入して該固定子側部材の腐蝕破損を引き起こすおそれがあるという問題点を有している。
また、前記のような、加圧腐蝕性流体の回転子側から固定子側への侵入を確実に防止するには、固定子の円筒状内周面に固着される円筒状のキャンを、筒状絶縁体の内周に高剛性の金属筒体を嵌装してなる2層の筒状体に構成することが考えられるが、該金属筒体においてはその内部の長手方向に渦電流が発生して、固定子と回転子との間の回転磁界に誘導電力が生じ、この誘導電力損失による発熱の発生をみるという問題点を有している。
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、アンモニア等の加圧腐蝕性流体の流体シールを確実に成し得る剛性を備えるとともに、固定子と回転子との間の回転磁界における誘導電力損失による発熱の発生を防止し得る電磁回転機器用キャンを提供することを目的とする。
本発明はかかる目的を達成するもので、ハウジングに固着された固定子(ステータ)の内側に回転子(ロータ)を回転自在に軸支し、該固定子と回転子との間の電磁誘導により、該固定子側に電力を発生しあるいは該回転子側に回転力を発生する電磁回転機器に装着されるキャンであって、前記固定子の円筒状内周面に固着されて回転子側と固定子側との間の加圧腐蝕性流体のシールを行う電磁回転機器用キャンにおいて、
前記キャンは、長手方向に一定間隔で形成された複数のリング状アルマイト層によって渦電流の発生区間を遮断する薄肉円筒状のアルミニウム筒であって、該アルミニウム筒の表面から所定深さアルマイト層が形成された部位においては該アルマイト層以外の部分でアルミニウム材が連結されている金属筒体と該金属筒体の外周に固着された絶縁体とにより構成され、該絶縁体の外周面を前記固定子の円筒状内周面に嵌着したことを特徴とする。
かかる発明において、前記金属筒体を次の形態に構成するのが好ましい。
即ち第1の形態は、金属筒体は、アルミニウム材の内周面または外周面の何れか一方から所定深さに亘り、リング状に形成されたアルマイト層が該金属筒体の長手方向に沿って複数個所定間隔で配設されてなる。
また第2の形態は、前記金属筒体は、アルミニウム材の内周面及び外周面の双方から所定深さに亘り、リング状に形成されたアルマイト層が該金属筒体の長手方向に沿って複数個所定間隔で配設されてなる。
又本発明は、ハウジングに固着された固定子(ステータ)の内側に回転子(ロータ)を回転自在に軸支し、該固定子と回転子との間の電磁誘導により、該固定子側に電力を発生しあるいは該回転子側に回転力を発生する電磁回転機器に装着されるキャンであって、前記固定子の円筒状内周面に固着されて回転子側と固定子側との間の加圧腐蝕性流体のシールを行う電磁回転機器用キャンにおいて、
前記キャンは、長手方向に一定間隔で形成された複数のリング状アルマイト層によって渦電流の発生区間を遮断する薄肉円筒状のアルミニウム筒であって、該アルミニウム筒は、アルミニウム材の内周面から外周面間を貫いて金属筒体と同一厚さでリング状に形成されたアルマイト層を具えた金属筒体と該金属筒体の外周に固着された絶縁体とにより構成され、該絶縁体の外周面を前記固定子の円筒状内周面に嵌着したことを特徴とする。
更に本発明は、ハウジングに固着された固定子(ステータ)の内側に回転子(ロータ)を回転自在に軸支し、該固定子と回転子との間の電磁誘導により、該固定子側に電力を発生しあるいは該回転子側に回転力を発生する電磁回転機器に装着されるキャンであって、前記固定子の円筒状内周面に固着されて回転子側と固定子側との間の加圧腐蝕性流体のシールを行う電磁回転機器用キャンにおいて、
前記キャンは、筒体の円周面に長手方向に直線状に形成したアルマイト層を円周方向に沿って複数個所定間隔で配設して渦電流の発生区間を遮断する薄肉円筒状のアルミニウム筒であって、該アルミニウム筒の表面から所定深さアルマイト層が形成された部位においては該アルマイト層以外の部分でアルミニウム材が連結されている金属筒体と該金属筒体の外周に固着された絶縁体とにより構成され、該絶縁体の外周面を前記固定子の円筒状内周面に嵌着したことを特徴とする。
しかして、一定圧力に加圧されたアンモニア等の腐蝕性流体の、回転子側から固定子側への侵入を確実に防止するには、固定子の円筒状内周面に固着される薄肉円筒状のキャンを、筒状絶縁体の内周に高剛性の金属筒体を嵌装してなる2層の筒状体に構成することにより達成できる。
しかしながら、該金属筒体においては、その内部の長手方向に渦電流が発生して、固定子と回転子との間の回転磁界に誘導電力が生じ、この誘導電力損失による発熱の発生をみるという課題が残る。
しかるにかかる発明においては、前記キャンを、筒状絶縁体の内周に固着される金属筒体を、アルミニウム材の一部にアルマイト層を形成した構造としたので、該アルミニウム材により前記のようなアンモニア等の加圧腐蝕性流体の流体シールを確実に成し得る剛性を保持するとともに、絶縁体であるアルマイト層の部分で渦電流の発生区間を遮断できて、前記金属筒体内における渦電流の発生を最小限に抑制することが可能となる。
従ってかかる発明によれば、アンモニア等の加圧腐蝕性流体の流体シールを確実に成し得る剛性を備え、かつ前記渦電流による固定子と回転子との間の回転磁界における誘導電力の発生を抑制し、この誘導電力損失による発熱の発生を防止し得る電磁回転機器用キャン、特に発電機用キャンを提供できる。
殊に、前記金属筒体を、アルミニウム材の内周面または外周面の何れか一方から所定深さに亘り、あるいはアルミニウム材の内周面及び外周面の双方から所定深さに亘り、リング状に形成されたアルマイト層を該金属筒体の長手方向に沿って複数個配設した構造とすれば、長手方向に連続したアルミニウム材に一定間隔で形成された複数のリング状アルマイト層によって渦電流の発生区間を遮断するとともに、アルミニウム材の表面から所定深さアルマイト層が形成された部位においては、該アルマイト層以外の部分でアルミニウム材が連結されているので、金属筒体としての高い剛性を保持でき、これにより、高い剛性を保持しつつ誘導電力損失による発熱の発生を防止することができる。
以上記載のごとく本発明によれば、アルミニウム材により加圧腐蝕性(アンモニア)流体の流体シールを確実に成し得る剛性を保持するとともに、絶縁体であるアルマイト層の部分で渦電流の発生区間を遮断できて、金属筒体内における渦電流の発生を最小限に抑制することが可能となる。
これにより、アンモニア等の加圧腐蝕性流体の流体シールを確実に成し得る剛性を備え、かつ前記渦電流による固定子と回転子との間の回転磁界における誘導電力の発生を抑制し、該誘導電力損失による発熱の発生を防止し得る電磁回転機器用キャン、特に発電機用キャンを提供できる。
殊に、前記金属筒体を、アルミニウム材の表面、つまり内周面または外周面の何れか一方から所定深さに亘り、あるいは前記内周面及び外周面の双方から所定深さに亘り、リング状に形成されたアルマイト層を長手方向に沿って複数個配設した構造とすれば、前記複数のリング状アルマイト層によって渦電流の発生区間を遮断するとともに、前記表面から所定深さアルマイト層が形成された部位においては該アルマイト層以外の部分でアルミニウム材が連結されているので、金属筒体としての高い剛性を保持しつつ誘導電力損失による発熱の発生を防止することができる。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施例に係るキャンにおける金属筒体の構成図である。図2は前記金属筒体の第1実施例を示す図1のA―A線断面図、図3は前記金属筒体の第2実施例を示す図1のA―A線断面図、図4は前記金属筒体の第3実施例を示す図1のA―A線断面図、図5は前記金属筒体の第4実施例を示す図1のA―A線断面図である。図6は前記金属筒体の第5実施例を示し、(A)は金属筒体の構成図、図6(B)は図6(A)におけるB−B線断面図である。
図7は前記キャンを軸方向に分割する場合の説明図、図8は軸方向分割数と動力伝達比の関係線図、図9は軸方向分割数と損失動力の関係線図である。
図10は前記キャンを備えた発電機の主要部断面図である。図11は本発明が適用されるアンモニアガスタービン発電機の軸方向断面図である。図12は本発明が適用されるアンモニアガスタービン発電機設備の全体構成を示す系統図である。
本発明が適用されるアンモニアガスタービン発電機設備の全体構成を示す図12において、21は蒸発器であり、温泉等の温水源24から供給される温水によりアンモニア液を加熱して蒸発させてアンモニアガスを生成する。
該アンモニアガスは、タービン・発電機300のアンモニアガスタービン(詳細は後述)に導入されて該アンモニアガスタービンを駆動した後、凝縮器22に送られる。
前記アンモニアガスタービンにより駆動される発電機の発生電力、及び前記蒸発器21にてアンモニア液との熱交換により冷却された温泉の冷熱は、工場、家庭等の冷熱、電力負荷23にて利用される。
前記凝縮器22においては、前記アンモニアガスタービンからのアンモニアガスを冷却水源25からの冷却水によって冷却して加圧されたアンモニア液とし、該アンモニア液を減圧して前記蒸発器21に送る。そして該蒸発器21において、前記のようなアンモニア液の蒸発作用がなされる。
次に、前記タービン・発電機300(アンモニアガスタービン発電機)の詳細を示す図11(A)において、100はアンモニアガスタービンで、ラジアルガスタービン(輻流ガスタービン)にて構成される。101は該アンモニアガスタービン100のタービンハウジング、102は該タービンハウジング101内に渦巻状に形成されたガス入口通路、105はガス出口通路、104は外周に複数枚のタービン翼103が固設されたタービンロータである。
200は発電機、5は該発電機200の発電機ハウジング、12は前記アンモニアガスタービン100のタービンロータ104に連動連結される発電機ロータ、11は前記発電機ハウジング5に固着されて前記発電機ロータ12との間に回転磁界を形成するステータである。106及び107は、前記タービンロータ104及び発電機ロータ12をタービンハウジング101及び発電機ハウジング5に夫々回転自在に支持する軸受である。
01はキャンで、図11(B)に示されるように、両端部外周を前記タービンハウジング101の支持ブラケット部108の内周面108a、及び発電機ハウジング5の支持ブラケット部109の内周面109aにそれぞれ流体密に支持されている。
即ち図11(B)に示されるように、該キャン01の両端部外周に刻設されたリング溝2a内にシールリング4が嵌入され、該シールリング4と前記タービンハウジング101の支持ブラケット部108の内周面108a、及び発電機ハウジング5の支持ブラケット部109の内周面109aとの間に流体密なシール部を形成している。
前記キャン01は、図10に示されるように、前記ステータ11の円筒状内周面11aに固着され、両端部を前記のように(図11参照)シールリング4を介して流体密に支持された絶縁体10と、該絶縁体10の内周面に固着された金属筒体1により構成される。
該キャン01の内周面と前記発電機ロータ12の外周面との間には、前記ステータ11と発電機ロータ12との間の電磁誘導空間が形成されている。
本発明の実施例に係るキャンにおける金属筒体の構成図である図1において、該金属筒体1は薄肉円筒状に形成されたアルミニウム筒2の長手方向に沿って、一定間隔でリング状に形成された複数個(この例では4個)のアルマイト層3を備えている。
前記金属筒体1におけるアルマイト層3形成の第1実施例を示す図2において、該金属筒体1は、前記複数個のリング状アルマイト層3を、該アルミニウム筒2の内周面1aから所定深さtにて構成される。
前記アルマイト層3は、マイクロ波をアルミニウム母材の表面に照射する、公知のマイクロ波照射法により形成するのが好適である。
発明者らの実験によれば、該金属筒体1の厚さt=0・3mm程度に対して、アルマイト層3の厚さt=50μ程度が、該アルマイト層3の形成が容易にでき、かつ該アルマイト層3による後述するような渦電流の遮断作用をなし得、さらには脆性を有するアルマイト層3の形成による金属筒体1の剛性低下の影響も軽微であることが確認された。
尚、前記複数のリング状アルマイト層3を、該金属筒体1の外周面1bから所定深さtに構成してもよい。
前記金属筒体1におけるアルマイト層3形成の第2実施例を示す図3において、該金属筒体1は、前記複数個のリング状のアルマイト層3を、該アルミニウム筒2の内周面1a及び及び外周面1bの双方から、それぞれ所定深さt及びtにて構成される。
その他の構成は図1に示す第1実施例と同一であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
かかる第1、第2実施例によれば、前記金属筒体1は、アルミニウム筒2の内周面1aまたは外周面1bの何れか一方から所定深さtに亘り、あるいは該アルミニウム筒2の内周面1a及び外周面1bの双方から所定深さt及びtに亘り、リング状に形成されたアルマイト層3を、金属筒体1の長手方向に沿って複数個配設して構成されている。
従ってかかる第1、第2実施例によれば、長手方向に連続したアルミニウム材2に一定間隔で形成されたリング状のアルマイト層3によって渦電流の発生区間を遮断するとともに、金属筒体1の表面から所定深さアルマイト層3が形成された部位においては該アルマイト層3以外の部分でアルミニウム材2が連結されているので、金属筒体1としての高い剛性を保持でき、これにより、高い剛性を保持しつつ誘導電力損失による発熱の発生を防止することができる。
前記金属筒体1におけるアルマイト層3形成の第3実施例を示す図4において、前記金属筒体1は、アルミニウム材2の内周面1aから外周面1b間を貫いてリング状に形成されたアルマイト層3(金属筒体1と同一厚さt)を、該金属筒体1の長手方向に沿って複数個(この例では4個)所定間隔で配設している。
かかる実施例によれば、脆性を有するアルマイト層3の形成部でアルミニウム材2を完全に遮断しているので、金属筒体1の剛性は前記第1、第2実施例よりも低いが、アルマイト層3による渦電流の発生区間の遮断効果は前記第1、第2実施例よりも大きくなる。
その他の構成は図1に示す第1実施例と同一であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
前記金属筒体1におけるアルマイト層3形成の第4実施例を示す図5において、該金属筒体1は、アルミニウム材2の内周面1aまたは外周面1bの何れか一方から所定深さtのアルマイト層3を該金属筒体1の全長に亘り形成している。
その他の構成は図1に示す第1実施例と同一であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
かかる実施例によれば、アルマイト層3を形成していない側はアルミニウム材2が金属筒体1の全長に亘って連続しているので、渦電流の発生区間の遮断効果は前記第1、第2実施例よりも小さいが、金属筒体1の剛性は前記第1、第2実施例よりも大きくなる。
また、図示を省略したが、図2ないし図5に示される金属筒体1全体にアルマイト層3を形成してもよい。この場合は、金属筒体1の剛性は前記各実施例よりも小さくなるが、渦電流の発生区間の遮断効果は前記各実施例よりも大きくなる。
前記金属筒体1におけるアルマイト層3形成の第5実施例を示す図6(A)、(B)において、該金属筒体1は、アルミニウム筒2の内周面1a(または外周面1bでもよい)から所定深さに亘り、該金属筒体1の長手方向に形成したアルマイト層3を、該金属筒体1の円周方向に沿って複数個所定間隔で配設して構成される。
その他の構成は図1に示す第1実施例と同一であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
以上の実施例によれば、前記キャン01を、筒状の絶縁体10の内周に固着される金属筒体1を、アルミニウム材2の一部または全部にアルマイト層3を形成した構造としたので、該アルミニウム材2によりアンモニア等の加圧腐蝕性流体の流体シールを確実に成し得る剛性を保持するとともに、絶縁体であるアルマイト層3の部分で渦電流の発生区間を遮断できて、金属筒体1内における渦電流の発生を最小限に抑制することが可能となる。
かかる実施例において、殊に図1ないし図4の実施例のように、前記金属筒体1を、アルミニウム筒2の内周面または外周面の何れか一方から所定深さに亘り、あるいはアルミニウム筒2の内周面及び外周面の双方から所定深さに亘り、リング状に形成されたアルマイト層3を該金属筒体1の長手方向に沿って複数個配設して、該金属筒体1を該アルマイト層3によって長手方向に実質的に分割した構造とすれば、長手方向に連続したアルミニウム筒2に一定間隔で形成された複数のリング状アルマイト層3によって渦電流の発生区間を遮断するとともに、アルミニウム筒2の表面から所定深さアルマイト層3が形成された部位においては、該アルマイト層3以外の部分でアルミニウム筒2が連結されているので、金属筒体1としての高い剛性を保持でき、これにより、高い剛性を保持しつつ誘導電力損失による発熱の発生を防止することが可能となる。
図8及び図9は、前記金属筒体1を、図7の模式図に示すように、長手方向(軸方向)にn分割した場合、及び円周方向に3分割しかつ長手方向(軸方向)にn分割した場合の、長手方向(軸方向)分割数nと損失動力比(動力損失)のシミュレーション計算結果を示している。
図7において、(A)はアルミニウム筒2における渦電流の発生状況を示し、矢印a→bは渦電流が流れる方向を示す。同図の(B)は非分割の金属筒体1、(C)はアルマイト層3によって長手方向(軸方向)に分割された金属筒体1を示す。尚、Dは金属筒体1の内径、Lは長さである。
図8は、金属筒体1の長手方向(軸方向)分割数nとキャン01における損失動力比(動力損失)(np/P 、np=長さLの金属筒体1をn分割したときの渦電流による分割体全体の動力、P=長さLの金属筒体1を分割しない場合の渦電流による全動力)を、L/D(Lは金属筒体1の全長、Dは金属筒体1の内径)をパラメータとして示す。
また、図9は、金属筒体1を円周方向にm分割(この例では3分割)し長手方向(軸方向)にn分割した場合の損失動力比(動力損失)(p/P 、p=長さLの金属筒体1をn分割したときの渦電流による分割体の動力、P=長さLの金属筒体1を分割しない場合の渦電流による全動力)を、前記L/Dをパラメータとして示す。
図8及び図9に示されるように、金属筒体1の長手方向(軸方向)分割数nを多くするほど渦電流による発生電力が小さくなって、損失動力比(動力損失)が少なくなる。この傾向は、L/Dが大きくなって細径長尺の形状になるほど顕著となる。
以上の実施例は、本発明を発電機用のキャンに適用したものであるが、本発明は、電動機における回転子側と固定子側との間の流体のシールを行うキャンにも適用できる。
本発明の実施例に係るキャンにおける金属筒体の構成図である。 前記金属筒体の第1実施例を示す図1のA―A線断面図である。 前記金属筒体の第2実施例を示す図1のA―A線断面図である。 前記金属筒体の第3実施例を示す図1のA―A線断面図である。 前記金属筒体の第4実施例を示す図1のA―A線断面図である。 前記金属筒体の第5実施例を示し、(A)は金属筒体の構成図、(B)は(A)におけるB−B線断面図である。 前記キャンを軸方向に分割する場合の説明図である。 軸方向分割数と動力伝達比の関係線図である。 軸方向分割数と損失動力の関係線図である。 前記キャンを備えた発電機の主要部断面図である。 本発明が適用されるアンモニアガスタービン発電機の軸方向断面図である。 本発明が適用されるアンモニアガスタービン発電機設備の全体構成を示す系統図である。
01 キャン
1 金属筒体
1a 内周面
1b 外周面
2 アルミニウム筒
3 アルマイト層
4 シールリング
10 絶縁体
11 ステータ
12 発電機ロータ
100 アンモニアガスタービン
103 タービン翼
104 タービンロータ
200 発電機
300 タービン・発電機

Claims (4)

  1. ハウジングに固着された固定子(ステータ)の内側に回転子(ロータ)を回転自在に軸支し、該固定子と回転子との間の電磁誘導により、該固定子側に電力を発生しあるいは該回転子側に回転力を発生する電磁回転機器に装着されるキャンであって、前記固定子の円筒状内周面に固着されて回転子側と固定子側との間の加圧腐蝕性流体のシールを行う電磁回転機器用キャンにおいて、
    前記キャンは、長手方向に一定間隔で形成された複数のリング状アルマイト層によって渦電流の発生区間を遮断する薄肉円筒状のアルミニウム筒であって、該アルミニウム筒の表面から所定深さアルマイト層が形成された部位においては該アルマイト層以外の部分でアルミニウム材が連結されている金属筒体と該金属筒体の外周に固着された絶縁体とにより構成され、該絶縁体の外周面を前記固定子の円筒状内周面に嵌着したことを特徴とする電磁回転機器用キャン。
  2. ハウジングに固着された固定子(ステータ)の内側に回転子(ロータ)を回転自在に軸支し、該固定子と回転子との間の電磁誘導により、該固定子側に電力を発生しあるいは該回転子側に回転力を発生する電磁回転機器に装着されるキャンであって、前記固定子の円筒状内周面に固着されて回転子側と固定子側との間の加圧腐蝕性流体のシールを行う電磁回転機器用キャンにおいて、
    前記キャンは、長手方向に一定間隔で形成された複数のリング状アルマイト層によって渦電流の発生区間を遮断する薄肉円筒状のアルミニウム筒であって、該アルミニウム筒は、アルミニウム材の内周面から外周面間を貫いて金属筒体と同一厚さでリング状に形成されたアルマイト層を具えた金属筒体と該金属筒体の外周に固着された絶縁体とにより構成され、該絶縁体の外周面を前記固定子の円筒状内周面に嵌着したことを特徴とする電磁回転機器用キャン。
  3. 前記アルミニウム筒は、アルミニウム材の内周面及び外周面の双方から所定深さに亘り、リング状に形成されたアルマイト層が該金属筒体の長手方向に沿って複数個所定間隔で配設されてなることを特徴とする請求項1記載の電磁回転機器用キャン。
  4. ハウジングに固着された固定子(ステータ)の内側に回転子(ロータ)を回転自在に軸支し、該固定子と回転子との間の電磁誘導により、該固定子側に電力を発生しあるいは該回転子側に回転力を発生する電磁回転機器に装着されるキャンであって、前記固定子の円筒状内周面に固着されて回転子側と固定子側との間の加圧腐蝕性流体のシールを行う電磁回転機器用キャンにおいて、
    前記キャンは、筒体の円周面に長手方向に直線状に形成したアルマイト層を円周方向に沿って複数個所定間隔で配設して渦電流の発生区間を遮断する薄肉円筒状のアルミニウム筒であって、該アルミニウム筒の表面から所定深さアルマイト層が形成された部位においては該アルマイト層以外の部分でアルミニウム材が連結されている金属筒体と該金属筒体の外周に固着された絶縁体とにより構成され、該絶縁体の外周面を前記固定子の円筒状内周面に嵌着したことを特徴とする電磁回転機器用キャン。
JP2003316095A 2003-09-08 2003-09-08 電磁回転機器用キャン Expired - Lifetime JP4379863B2 (ja)

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