JP4379863B2 - 電磁回転機器用キャン - Google Patents
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Description
かかる技術においては、固定子鉄心の軸方向両側に設けた補強筒と該固定子鉄心の内周の全周に亘り、強化素材樹脂により構成された筒状絶縁体を内張り積層して形成されたキャンによって、回転子側と固定子側との間の流体シールを行うように構成されている。
このため、かかる従来技術にあっては、絶縁体からなる前記キャンによって、固定子と回転子との間の回転磁界に誘導電力損失の発生をみることなく回転子側と固定子側との間の流体シールを行うことが可能となるが、強化素材樹脂により構成されたキャンでは、加圧されたアンモニア等の加圧腐蝕性流体の流体シールを確実に行うことは困難である。
このため、かかる従来技術にあっては、前記のように加圧腐蝕性流体の流体シールが確実に出来ないため、該腐蝕性流体が固定子側に侵入して該固定子側部材の腐蝕破損を引き起こすおそれがあるという問題点を有している。
前記キャンは、長手方向に一定間隔で形成された複数のリング状アルマイト層によって渦電流の発生区間を遮断する薄肉円筒状のアルミニウム筒であって、該アルミニウム筒の表面から所定深さアルマイト層が形成された部位においては該アルマイト層以外の部分でアルミニウム材が連結されている金属筒体と該金属筒体の外周に固着された絶縁体とにより構成され、該絶縁体の外周面を前記固定子の円筒状内周面に嵌着したことを特徴とする。
即ち第1の形態は、金属筒体は、アルミニウム材の内周面または外周面の何れか一方から所定深さに亘り、リング状に形成されたアルマイト層が該金属筒体の長手方向に沿って複数個所定間隔で配設されてなる。
前記キャンは、長手方向に一定間隔で形成された複数のリング状アルマイト層によって渦電流の発生区間を遮断する薄肉円筒状のアルミニウム筒であって、該アルミニウム筒は、アルミニウム材の内周面から外周面間を貫いて金属筒体と同一厚さでリング状に形成されたアルマイト層を具えた金属筒体と該金属筒体の外周に固着された絶縁体とにより構成され、該絶縁体の外周面を前記固定子の円筒状内周面に嵌着したことを特徴とする。
前記キャンは、筒体の円周面に長手方向に直線状に形成したアルマイト層を円周方向に沿って複数個所定間隔で配設して渦電流の発生区間を遮断する薄肉円筒状のアルミニウム筒であって、該アルミニウム筒の表面から所定深さアルマイト層が形成された部位においては該アルマイト層以外の部分でアルミニウム材が連結されている金属筒体と該金属筒体の外周に固着された絶縁体とにより構成され、該絶縁体の外周面を前記固定子の円筒状内周面に嵌着したことを特徴とする。
しかしながら、該金属筒体においては、その内部の長手方向に渦電流が発生して、固定子と回転子との間の回転磁界に誘導電力が生じ、この誘導電力損失による発熱の発生をみるという課題が残る。
従ってかかる発明によれば、アンモニア等の加圧腐蝕性流体の流体シールを確実に成し得る剛性を備え、かつ前記渦電流による固定子と回転子との間の回転磁界における誘導電力の発生を抑制し、この誘導電力損失による発熱の発生を防止し得る電磁回転機器用キャン、特に発電機用キャンを提供できる。
これにより、アンモニア等の加圧腐蝕性流体の流体シールを確実に成し得る剛性を備え、かつ前記渦電流による固定子と回転子との間の回転磁界における誘導電力の発生を抑制し、該誘導電力損失による発熱の発生を防止し得る電磁回転機器用キャン、特に発電機用キャンを提供できる。
図7は前記キャンを軸方向に分割する場合の説明図、図8は軸方向分割数と動力伝達比の関係線図、図9は軸方向分割数と損失動力の関係線図である。
図10は前記キャンを備えた発電機の主要部断面図である。図11は本発明が適用されるアンモニアガスタービン発電機の軸方向断面図である。図12は本発明が適用されるアンモニアガスタービン発電機設備の全体構成を示す系統図である。
該アンモニアガスは、タービン・発電機300のアンモニアガスタービン(詳細は後述)に導入されて該アンモニアガスタービンを駆動した後、凝縮器22に送られる。
前記アンモニアガスタービンにより駆動される発電機の発生電力、及び前記蒸発器21にてアンモニア液との熱交換により冷却された温泉の冷熱は、工場、家庭等の冷熱、電力負荷23にて利用される。
即ち図11(B)に示されるように、該キャン01の両端部外周に刻設されたリング溝2a内にシールリング4が嵌入され、該シールリング4と前記タービンハウジング101の支持ブラケット部108の内周面108a、及び発電機ハウジング5の支持ブラケット部109の内周面109aとの間に流体密なシール部を形成している。
該キャン01の内周面と前記発電機ロータ12の外周面との間には、前記ステータ11と発電機ロータ12との間の電磁誘導空間が形成されている。
前記金属筒体1におけるアルマイト層3形成の第1実施例を示す図2において、該金属筒体1は、前記複数個のリング状アルマイト層3を、該アルミニウム筒2の内周面1aから所定深さt1にて構成される。
前記アルマイト層3は、マイクロ波をアルミニウム母材の表面に照射する、公知のマイクロ波照射法により形成するのが好適である。
尚、前記複数のリング状アルマイト層3を、該金属筒体1の外周面1bから所定深さt1に構成してもよい。
その他の構成は図1に示す第1実施例と同一であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
従ってかかる第1、第2実施例によれば、長手方向に連続したアルミニウム材2に一定間隔で形成されたリング状のアルマイト層3によって渦電流の発生区間を遮断するとともに、金属筒体1の表面から所定深さアルマイト層3が形成された部位においては該アルマイト層3以外の部分でアルミニウム材2が連結されているので、金属筒体1としての高い剛性を保持でき、これにより、高い剛性を保持しつつ誘導電力損失による発熱の発生を防止することができる。
かかる実施例によれば、脆性を有するアルマイト層3の形成部でアルミニウム材2を完全に遮断しているので、金属筒体1の剛性は前記第1、第2実施例よりも低いが、アルマイト層3による渦電流の発生区間の遮断効果は前記第1、第2実施例よりも大きくなる。
その他の構成は図1に示す第1実施例と同一であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
その他の構成は図1に示す第1実施例と同一であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
かかる実施例によれば、アルマイト層3を形成していない側はアルミニウム材2が金属筒体1の全長に亘って連続しているので、渦電流の発生区間の遮断効果は前記第1、第2実施例よりも小さいが、金属筒体1の剛性は前記第1、第2実施例よりも大きくなる。
また、図示を省略したが、図2ないし図5に示される金属筒体1全体にアルマイト層3を形成してもよい。この場合は、金属筒体1の剛性は前記各実施例よりも小さくなるが、渦電流の発生区間の遮断効果は前記各実施例よりも大きくなる。
その他の構成は図1に示す第1実施例と同一であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
図7において、(A)はアルミニウム筒2における渦電流の発生状況を示し、矢印a→bは渦電流が流れる方向を示す。同図の(B)は非分割の金属筒体1、(C)はアルマイト層3によって長手方向(軸方向)に分割された金属筒体1を示す。尚、Dは金属筒体1の内径、Lは長さである。
また、図9は、金属筒体1を円周方向にm分割(この例では3分割)し長手方向(軸方向)にn分割した場合の損失動力比(動力損失)(p/P 、p=長さLの金属筒体1をn分割したときの渦電流による分割体の動力、P=長さLの金属筒体1を分割しない場合の渦電流による全動力)を、前記L/Dをパラメータとして示す。
1 金属筒体
1a 内周面
1b 外周面
2 アルミニウム筒
3 アルマイト層
4 シールリング
10 絶縁体
11 ステータ
12 発電機ロータ
100 アンモニアガスタービン
103 タービン翼
104 タービンロータ
200 発電機
300 タービン・発電機
Claims (4)
- ハウジングに固着された固定子(ステータ)の内側に回転子(ロータ)を回転自在に軸支し、該固定子と回転子との間の電磁誘導により、該固定子側に電力を発生しあるいは該回転子側に回転力を発生する電磁回転機器に装着されるキャンであって、前記固定子の円筒状内周面に固着されて回転子側と固定子側との間の加圧腐蝕性流体のシールを行う電磁回転機器用キャンにおいて、
前記キャンは、長手方向に一定間隔で形成された複数のリング状アルマイト層によって渦電流の発生区間を遮断する薄肉円筒状のアルミニウム筒であって、該アルミニウム筒の表面から所定深さアルマイト層が形成された部位においては該アルマイト層以外の部分でアルミニウム材が連結されている金属筒体と該金属筒体の外周に固着された絶縁体とにより構成され、該絶縁体の外周面を前記固定子の円筒状内周面に嵌着したことを特徴とする電磁回転機器用キャン。 - ハウジングに固着された固定子(ステータ)の内側に回転子(ロータ)を回転自在に軸支し、該固定子と回転子との間の電磁誘導により、該固定子側に電力を発生しあるいは該回転子側に回転力を発生する電磁回転機器に装着されるキャンであって、前記固定子の円筒状内周面に固着されて回転子側と固定子側との間の加圧腐蝕性流体のシールを行う電磁回転機器用キャンにおいて、
前記キャンは、長手方向に一定間隔で形成された複数のリング状アルマイト層によって渦電流の発生区間を遮断する薄肉円筒状のアルミニウム筒であって、該アルミニウム筒は、アルミニウム材の内周面から外周面間を貫いて金属筒体と同一厚さでリング状に形成されたアルマイト層を具えた金属筒体と該金属筒体の外周に固着された絶縁体とにより構成され、該絶縁体の外周面を前記固定子の円筒状内周面に嵌着したことを特徴とする電磁回転機器用キャン。 - 前記アルミニウム筒は、アルミニウム材の内周面及び外周面の双方から所定深さに亘り、リング状に形成されたアルマイト層が該金属筒体の長手方向に沿って複数個所定間隔で配設されてなることを特徴とする請求項1記載の電磁回転機器用キャン。
- ハウジングに固着された固定子(ステータ)の内側に回転子(ロータ)を回転自在に軸支し、該固定子と回転子との間の電磁誘導により、該固定子側に電力を発生しあるいは該回転子側に回転力を発生する電磁回転機器に装着されるキャンであって、前記固定子の円筒状内周面に固着されて回転子側と固定子側との間の加圧腐蝕性流体のシールを行う電磁回転機器用キャンにおいて、
前記キャンは、筒体の円周面に長手方向に直線状に形成したアルマイト層を円周方向に沿って複数個所定間隔で配設して渦電流の発生区間を遮断する薄肉円筒状のアルミニウム筒であって、該アルミニウム筒の表面から所定深さアルマイト層が形成された部位においては該アルマイト層以外の部分でアルミニウム材が連結されている金属筒体と該金属筒体の外周に固着された絶縁体とにより構成され、該絶縁体の外周面を前記固定子の円筒状内周面に嵌着したことを特徴とする電磁回転機器用キャン。
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JP2003316095A JP4379863B2 (ja) | 2003-09-08 | 2003-09-08 | 電磁回転機器用キャン |
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