JP4379698B2 - シート状製品を製造する方法およびシート状製品製造装置 - Google Patents

シート状製品を製造する方法およびシート状製品製造装置 Download PDF

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Description

この発明は、幅方向プロファイルを制御する操作端とプロファイルを測定する測定点との位置対応関係を自動的に同定することができるシート状製品を製造する方法およびシート状製品製造装置に関するものである。
図10に、紙などシート状の製品を製造する装置において、幅方向のプロファイルを制御する部分の構成を示す。以下、紙の製造装置について説明する。図10において、原料であるパルプは、スライスリップ41の隙間からワイヤパート42に吐出され、シート状にされる。スライスリップ41の隙間の幅は、スライスボルト43で調節される。シート状になったパルプは、ワイヤパート42上を矢印44の方向に運ばれる間に、水分が除去され、BMフレーム45でその厚さのプロファイルが測定される。
スライスボルト43の間隔は35〜100mmであるのに対して、BMフレーム45の測定間隔は約5mmであるので、1つのスライスボルトに対して複数の測定点が対応する。どの測定点がどのスライスボルトに対応するかは、幾何学的な関係だけでは決定することはできない。そのため、スタートアップ時にこれらの位置対応関係のチューニングを行う。
図11に位置対応関係のチューニングのフローを示す。最初に、操作端(スライスボルト43)にステップ状の操作量を与えて、この操作量に対応する幅方向プロファイルの変化を測定する、自動ステップ応答テストを行う。これには、例えば特開平09−316791号公報に開示された手法を利用することができる。
次に、このステップ応答テストの結果を解析して、各操作端に対応する測定点の位置を個別に決定する。この決定方法には、例えば特開平09−049185号公報に開示された手法を利用することができる。そして、この個別位置対応関係を滑らかに補間して、最終的に、全ての操作端の位置対応関係を確定する全体位置対応を決定する。これには、例えば特開平09−132892号公報に開示された手法を利用することができる。
自動ステップ応答テストの実施中は、操作端の操作本数や操作量が制限されるので、良好なプロファイルを維持することは難しく、品質管理上、自動ステップ応答テストを操業中に行うことは困難である。そのため、制御の立ち上げ時に、図11のフローに基づいて、操作端と測定点の位置対応関係を決定し、操業中はこの位置対応関係を固定的に用いるようにしている。
特開平09−316791号公報 特開平09−049185号公報 特開平09−132892号公報
しかしながら、このような操作端と測定点の位置対応関係の決定方法には、次のような課題があった。
自動ステップ応答のテストを実施しているときは、チューニング作業員が監視をしていなければならない。しかしながら、操作端の数は多いときには100〜200本にもなる。そのため、チューニング作業員に多大の負荷がかかるという課題があった。
また、銘柄が変わると位置対応関係も変化する。そのため、銘柄毎に個別に位置対応関係を保存しておき、銘柄が変更されると、この保存された位置対応関係を呼び出して、再設定することが行われていた。しかしながら、銘柄毎に自動ステップ応答テストを実施して、位置対応関係を同定しなければならず、チューニング作業に多大の工数が必要になるという課題もあった。
さらに、銘柄が同じでも坪量や抄速などの操業条件、あるいはその他の生産条件が変わると、位置対応関係が変化するが、そのような場合に対応することができず、制御性が悪化して、不良品を生産してしまうという課題もあった。
従って本発明の目的は、操業中に操作端と測定点の位置対応関係を自動的に決定し、再設定することができるシート状製品を製造する方法およびシート状製品製造装置を提供することにある。
このような課題を解決するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
シート状製品の幅方向プロファイルを制御する複数の操作端と、目標プロファイルおよび前記シート状製品の幅方向の測定プロファイルが入力され、前記複数の操作端を操作する操作量を出力する幅方向制御部とよりなるシート状製品製造装置用いるシート状製品を製造する方法であって、
前記幅方向制御部により出力される操作量を受け、前記複数の操作端を含むプロセスを模擬するプロセスモデルによりモデル演算を行うステップと、
このモデル演算出力と前記測定プロファイルとの偏差を受け、この偏差が最小となるような位置対応関係、前記プロセスモデルの干渉幅およびプロセスゲインの最適値を算出するステップと、
この位置対応関係、干渉幅およびプロセスゲインの最適値を前記プロセスモデルにおける位置対応関係、干渉幅およびプロセスゲインに設定するステップと、
前記位置対応関係の最適値を前記幅方向制御部における位置対応関係に設定するステップとを有し、
これらの設定を前記幅方向制御部における制御のタイミングと同じか、より長い周期で行うことを特徴とするシート状製品製造装置を用いるシート状製品を製造する方法である。幅方向制御中に位置対応関係を修正することができる。
請求項2の発明は、請求項1記載の発明において、前記プロセスモデルは、入力された操作量に対応する幅方向プロファイル応答として正規分布関数を用いたものである。経験的にプロファイル応答をよく近似している。
請求項3の発明は、請求項2記載の発明において、前記幅方向のプロファイル応答として、正規化分布関数にむだ時間および1次遅れ応答を付加するようにしたものである。より現実のプロセスをモデル化できる。
請求項4の発明は、請求項3記載の発明において、前記幅方向のプロファイル応答として、下記(3)式を用いたものである。より現実のプロセスをモデル化できる。
Figure 0004379698
ここで、Kはプロセスゲイン、nは操作量が入力されてからそのプロファイル応答が出力されるまでのサンプリング周期の数、Tはサンプリング周期、Lはむだ時間、Tは1次遅れの時定数、U(n)はnサンプリング周期前に入力された操作量である。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の発明において、前記最適値の算出は最急降下法によって前記位置対応関係の修正量を求めるようにしたものである。簡単かつ早く解を得ることができる。
請求項6の発明は、請求項5記載の発明において、前記最適値の算出は前記最急降下法によって求めた修正量をニューラルネットワークを用いた補間演算によって補間するようにしたものである。制御操作量のばらつきによって生じる、位置対応修正量の幅方向のばらつきを、滑らかに補間できる。
請求項7の発明は、請求項5記載の発明において、所定のリミット値を設け、前記修正量がこのリミット値を越えないように前記修正量を修正するようにしたものである。最適化の安定性を図ることができる。
請求項8の発明は、請求項6記載の発明において、所定のリミット値を設け、前記修正量がこのリミット値を越えないように前記修正量を修正するようにしたものである。最適化の安定性を図ることができる。
請求項9の発明は、シート状製品の幅方向プロファイルを制御する複数の操作端と、目標プロファイルおよび前記シート状製品の幅方向の測定プロファイルが入力され、前記複数の操作端を操作する操作量を出力する幅方向制御部と、前記操作量が入力され、プロセスを模擬するプロセスモデルと、このプロセスモデルの出力および前記測定プロファイルの偏差が入力される位置対応最適化部とを有し、この位置対応最適化部は前記プロセスモデルの出力と前記測定プロファイルの偏差が最小になるように前記複数の操作端と前記測定プロファイルを測定する複数の測定点との位置対応関係および前記プロセスモデルの干渉幅を最適化して、この位置対応関係および干渉幅を前記プロセスモデルに設定し、前記位置対応関係を前記幅方向制御部に設定するようにしたものである。操業中に位置対応関係を修正することができる。
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明において、前記プロセスモデルは、入力された操作量に対応する幅方向プロファイル応答として正規分布関数を用いたものである。経験的にプロファイル応答をよく近似している。
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記幅方向のプロファイル応答として、正規化分布関数にむだ時間および1次遅れ応答を付加するようにしたものである。より現実のプロセスをモデル化できる。
請求項12記載の発明は、請求項11記載の発明において、前記幅方向のプロファイル応答として、下記(4)式を用いるようにしたものである。より現実のプロセスをモデル化できる。
Figure 0004379698
ここで、Kはプロセスゲイン、nは操作量が入力されてからそのプロファイル応答が出力されるまでのサンプリング周期の数、Tはサンプリング周期、Lはむだ時間、Tは1次遅れの時定数、U(n)はnサンプリング周期前に入力された操作量である。
請求項13記載の発明は、請求項9ないし請求項12のいずれかに記載の発明において、前記位置対応最適化部は最急降下法によって前記位置対応関係の修正量を求めるようにしたものである。簡単かつ早く解を得ることができる。
請求項14記載の発明は、請求項13記載の発明において、前記位置対応最適化部は前記最急降下法によって求めた修正量をニューラルネットワークを用いた補間演算によって補間するようにしたものである。制御操作量のばらつきによって生じる、位置対応修正量の幅方向のばらつきを、滑らかに補間できる。
請求項15記載の発明は、請求項13記載の発明において、所定のリミット値を設け、前記修正量がこのリミット値を越えないように前記修正量を修正するようにしたものである。最適化の安定性を図ることができる。
請求項16記載の発明は、請求項14記載の発明において、所定のリミット値を設け、前記修正量がこのリミット値を越えないように前記修正量を修正するようにしたものである。最適化の安定性を図ることができる。
このように、複数の操作端を含むプロセスを模擬するプロセスモデルによりモデル演算を行うとともに、このモデル演算出力と実際の測定プロファイルとの偏差が最小となるような位置対応関係、干渉幅およびプロセスゲインの最適値を算出して、この位置対応関係、干渉幅およびプロセスゲインの最適値を、前記プロセスモデルの各種定数および幅方向制御部における位置対応関係に設定するように構成すると、操業中に位置対応関係を逐次修正することができるので、操業条件が変わっても制御性が悪化することがなくなる。
また、操業中にステップ応答を行って位置対応関係を同定する必要がないので、プロファイルが変化したり、チューニング作業員に多大の負担をかけることがなくなるという効果もある。
さらに、銘柄毎に位置対応関係を測定して切り替える手間がなくなるという効果もある。
以下に、図に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は本発明に係るシート状製品製造装置の一実施例を示す構成図である。図1において、1は幅方向制御器であり、目標プロファイルSVと測定プロファイルPとの偏差が入力される。幅方向制御器1はこの偏差から最適な操作変更量Uを演算して出力する。2はシート状製品を生産するプロセスであり、操作変更量Uが入力される。プロセス2はシート状製品を生産すると共に、その幅方向の測定プロファイルPを出力する。
3は位置対応同定器であり、位置対応最適化部31およびモデル32で構成される。モデル32はプロセス2を模擬したものであり、操作変更量Uが入力され、プロファイル応答Yを出力する。このプロファイル応答Yとプロセス2が出力する測定プロファイルPの偏差は位置対応最適化部31に入力される。
位置対応最適化部31は入力されたプロファイル応答Yと測定プロファイルPとの偏差から位置対応関係、干渉幅、プロセスゲインの最適化演算を行い、モデル32を修正する。また、幅方向制御器1の位置対応関係を再設定する。
図2は位置対応同定器3の動作を示すフローチャートである。このフローは幅方向制御タイミング毎に実行される。最初にモデル32によってモデル演算を行う。次に、位置対応最適化部31によって位置対応関係、干渉幅およびプロセスゲインを最適化する。
次に、モデル32に位置対応関係、干渉幅およびプロセスゲインを設定し、幅方向制御器1に位置対応関係を設定するのであるが、これらの設定は幅方向制御タイミングと同じか、それより長い周期で行う。そのために、カウンタnをインクリメントし、そのカウント値が所定の調整周期より小さいと、次の幅方向制御タイミングまで待って、モデル演算を繰り返す。
カウンタnのカウント値が所定の調整周期以上になると、位置対応最適化部31が最適化した位置対応関係をニューラルネットで補間演算し、この補間した位置対応関係をモデル32および幅方向制御器1に再設定する。また、干渉幅およびプロセスゲインをモデル32に再設定する。そして、カウンタnのカウント値を0にして、次の幅方向制御タイミングまで待つ。
次に、図2のフローチャートの個々の動作について詳細に説明する。なお、説明を簡単にするために目標プロファイルSV=0とし、測定プロファイルPが幅方向制御器1に入力される偏差に等しいとする。また、操作端の本数をM、幅方向のプロファイルの測定点をN点とする。
まず、モデル演算について説明する。j番目の操作端の位置対応関係をm(j)とする。このm(j)はプロファイル測定点を表し、実際には1からNまでの自然数を取るが、値域を実数まで拡大して、1≦m(j)≦Nまでの実数値を取るものとする。また、j番目の操作端に対応する幅方向制御器1の操作変更量Uに対するプロファイル応答のモデルを考えるが、記述を簡単にするために時間軸方向の応答遅れを無視して、1サンプル周期で完全なプロファイル応答が得られるものと仮定する。
j番目の操作端の操作変更量Uに対する1サンプル周期後のプロファイル応答を、下記(5)式に示す正規化分布関数S(i;m(j)、σ)で表す。ここで、正規分布関数のスケールは、操作端1ゾーン当たりのプロファイルの測定点数N/Mで正規化されている。
Figure 0004379698
図3にこの正規化分布関数S(i;m(j)、σ)を示す。なお、m(j)=50、σ=8,N=300、M=30とした。この正規化分布関数は経験的にプロファイル応答をよく近似している。分散σは幅方向の干渉幅の大きさを表していると言える。
前記(5)式の正規化分布関数S(i;m(j)、σ)を用いると、操作変更量U(j=1,・・・・,M)によるプロファイル応答Y(i)(i=1,・・・・,N)のモデルは、下記(6)式で表すことができる。
Figure 0004379698
ここで、Kはプロセスゲインである。
1サンプル周期でプロファイルが100%応答しないときは、次のようにモデルを拡張することができる。プロファイルの応答遅れは、基本的には操作端から測定点へのシートの輸送遅れと、短周期変動を減衰させるために測定部に設置するローパスフィルタによって決まる。ローパスフィルタは多くの場合1次フィルタが使用される。
従って、この時間遅れはむだ時間と1次遅れが組合わさった系でモデル化できる。このむだ時間と1次遅れの時定数は既知であるとしてよい。サンプリング周期をT、むだ時間をL、1次遅れの時定数をTとすると、現在のプロファイル応答は下記(7)式で表すことができる。
Figure 0004379698
この(7)式から、幅方向を含んだプロファイル応答Y(i)は下記(8)式で表される。
Figure 0004379698
nに対する総和は、例えばn×To>L+2Tとなる最小のnまで行えば十分である。
次に、位置対応関係、干渉幅およびプロセスゲインの最適化について説明する。なお、プロファイル応答Y(i)は、前記(6)式あるいは(8)式のいずれを用いてもよい。
実プロセス2のプロファイル応答をP(i)(i=1,・・・,N)とすると、実プロセス2とモデル32との誤差は下記(9)式の自乗偏差関数Jで表される。
Figure 0004379698
最適化を行うためには、このJを最小化する位置対応関係m(j)、干渉幅σ、プロセスゲインKを求めなければならない。
ここで、よく知られた最適化の手法である最急降下法のアルゴリズムを用いて最適値を求める。そのために、まず正規化分布関数S(i;m(j)、σ)の各変数に対する微分を下記(10)〜(12)式によって計算する。
Figure 0004379698
この(10)〜(12)式を用いて、自乗偏差関数Jの各変数に関する微分を下記(13)〜(15)式で計算する。
Figure 0004379698
この(13)〜(15)式を用いて、最急降下法による1ステップ先の各変数の修正量Δm(j)(j=1,・・・,M)、Δσ、ΔKは下記(16)〜(18)式で計算できる。ここで、各変数の修正ステップ幅をDm、Dσ、DKとおく。
Figure 0004379698
次に、位置対応関係のニューラルネット補間について説明する。前記(16)式で各位置対応関係m(j)(j=1,・・・、M)の修正量Δm(j)(j=1,・・・、M)を求めることができるが、この修正演算のみでは以下の問題が生じる。すなわち、制御操作が大きく行われた箇所、つまりプロファイルの偏差が大きい箇所ではモデルの修正量が大きくなるが、制御操作が少ない、つまりプロファイルの偏差が小さい箇所では、プロセスとモデルに大きなずれがあったとしても、モデルの修正量は小さくなる。
つまり、修正量はプロセスとモデルのずれの大きさだけでなく、制御操作の量によっても影響を受け、結果として位置対応関係の修正量にばらつきが生じてしまう。この問題を解決するために、ニューラルネットワークを用いたアルゴリズムを適用する。
ニューラルネットのアルゴリズムには、特開平09−132892号公報に示されるような、公知の手法を利用することができる。図4にニューラルネットワークを用いた補間のフローを示す。図4において、位置対応偏差H(Nj)に前記(16)式で求めたΔm(j)を代入して、ニューラルネットワークを用いた補間演算を実行する。そして、この補間演算によって得られた最尤位置対応偏差関数Y(i)を位置対応修正量Δm(j)として、m(j)に加算する。
モデル32の現在における位置対応関係をm(j)(j=1,・・・、M)とすると、修正後の位置対応関係は、
m(j)=m(j)+m(j)
になる。最尤位置対応偏差関数Y(i)は滑らかに変化する関数になっているので、位置対応関係m(j)も滑らかに変化する。
次に、モデル32に更新された位置対応関係m(j)、干渉幅σ、プロセスゲインKを設定し、更新された位置対応関係m(j)を整数化し、幅方向制御器1に設定する。これらの設定では急激な変更を避け、最適化の安定性を確保するために、変更量にリミット値を設け、変更量がこのリミット値を越えないようにする。
すなわち、位置対応修正量Δm(j)の前記リミット値を±mBandとして、Δm(j)が+mBandより大きいとΔm(j)を+mBandとし、−mBandより小さいと−mBandとする。そして、この位置対応修正量Δm(j)をm(j)に加算する。数式で表すと下記(19)〜(21)式になる。

Δm(j)>mBand→Δm(j)=mBand・・・・(19)
Δm(j)<−mBand→Δm(j)=−mBand・・(20)
m(j)→m(j)+Δm(j)(j=1,・・・,M)・・(21)

なお、幅方向制御器1に設定するときは、m(j)を整数化した後に設定する。
干渉幅の変更量Δσ、プロセスゲインの変更量ΔKについても同様にリミット値を設ける。干渉幅の変更量のリミット値を±σBandとして、変更量Δσが+σBandより大きいと変更量Δσを+σBandとし、−σBandより小さいと変更量Δσを−σBandとして干渉幅σに加算する。数式で表すと下記(22)〜(24)式になる。

Δσ>σBand→Δσ=σBand・・・・・・・・(22)
Δσ<−σBand→Δσ=−σBand・・・・・・(23)
σ→σ+Δσ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(24)
プロセスゲインについても同様にリミット値を±KBandとして、変更量ΔKが+KBandより大きいと+KBand、−KBandより小さいと−KBandとしてプロセスゲインKに加算する。数式で表すと下記(25)〜(27)式になる。

ΔK>KBand→ΔK=KBand・・・・・・・・(25)
ΔK<−KBand→ΔK=−KBand・・・・・・(26)
K→K+ΔK・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(27)
図5に本実施例のシミュレーション結果を示す。図5の表の各列は左から操作端の番号、モデル32が出力する位置対応関係、プロセス2の位置対応関係、プロセス2とモデル32の位置対応関係の差、位置対応最適化部31の出力である位置対応変更量である。なお、このシミュレーションでは操作端の本数を30本、プロファイルの測定点数を300点、制御回数を200回、調整回数を20回としてシミュレーションを実施した。なお、位置対応のステップ幅は200である。
図5からわかるように、ほとんどの操作端でプロセス2の位置対応とモデル32の位置対応の差は位置対応変更量に0.1以下の誤差で一致している。従って、モデル32の位置対応に位置対応変更量を加算した値をプロセス2の位置対応であるとして制御を行うことができることがわかる。
図6に干渉幅とプロセスゲインのシミュレーション結果を示す。プロセスの干渉幅とモデルの干渉幅との差が2であるのに対して干渉幅変更量は1.737であり、ほぼ一致している。また、プロセスゲインのプロセスとモデルの差が0.3であるのに対して、プロセスゲインの変更量は0.272であり、よく一致していることがわかる。
図7は同じシミュレーションで制御回数が20回毎に位置対応変更量をプロットしたものであり、横軸は操作端の番号である。▲印が位置対応関係のプロセス2とモデル32との差を表し、■印が制御回数200回における位置対応変更量を表す。両者は良く一致していることがわかる。
図8に、同じシミュレーションにおけるプロファイルの初期値と最終値を示す。横軸は測定点の番号であり、●は初期のプロファイル、線のみは最終のプロファイルである。制御周期毎に振幅0.2のランダムノイズが加算されているので、最終値はノイズを含んだものになっているが、初期値と最終値はほぼ一致していることがわかる。
図9はそのときの操作変更量を表したグラフである。横軸は操作端の番号である。1,4,7の操作端は操作変更量が小さくほとんど操作を行っていないが、位置対応関係の同定が正確に行われていることがわかる。
なお、これらの実施例では紙の製造装置について説明したが、プラスティックフィルムなど他のシート状の製品の製造装置にも適用することができる。また、図4に示したニューラルネットによる補間演算は必ずしも行う必要はない。
図1は本発明の一実施例を示す構成図である。 図2は本発明の一実施例を示すフローチャートである。 図3は正規分布関数の一例を示す特性図である。 図4は本発明の他の実施例を示すフローチャートである。 図5は本発明の一実施例の効果を示す特性表である。 図6は本発明の一実施例の効果を示す特性表である。 図7は本発明の一実施例の効果を示す特性図である。 図8は本発明の一実施例の効果を示す特性図である。 図9は本発明の一実施例の効果を示す特性図である。 図10は操作端と測定点の配置を示す構成図である。 図11は従来の位置対応関係の設定手法を示すフローチャートである。
符号の説明
1 幅方向制御器
2 プロセス
3 位置対応同定器
31 位置対応最適化部
32 モデル

Claims (16)

  1. シート状製品の幅方向プロファイルを制御する複数の操作端と、目標プロファイルおよび前記シート状製品の幅方向の測定プロファイルが入力され、前記複数の操作端を操作する操作量を出力する幅方向制御部とよりなるシート状製品製造装置用いるシート状製品を製造する方法であって、
    前記幅方向制御部により出力される操作量を受け、前記複数の操作端を含むプロセスを模擬するプロセスモデルによりモデル演算を行うステップと、
    このモデル演算出力と前記測定プロファイルとの偏差を受け、この偏差が最小となるような位置対応関係、前記プロセスモデルの干渉幅およびプロセスゲインの最適値を算出するステップと、
    この位置対応関係、干渉幅およびプロセスゲインの最適値を前記プロセスモデルにおける位置対応関係、干渉幅およびプロセスゲインに設定するステップと、
    前記位置対応関係の最適値を前記幅方向制御部における位置対応関係に設定するステップとを有し、
    これらの設定を前記幅方向制御部における制御のタイミングと同じか、より長い周期で行うことを特徴とするシート状製品製造装置を用いるシート状製品を製造する方法。
  2. 前記プロセスモデルは、入力された操作量に対応する幅方向プロファイル応答として正規分布関数を用いたことを特徴とする請求項1記載のシート状製品を製造する方法。
  3. 前記幅方向のプロファイル応答として、正規化分布関数にむだ時間および1次遅れ応答を付加するようにしたことを特徴とする請求項2記載のシート状製品を製造する方法。
  4. 前記幅方向のプロファイル応答として、下記(1)式を用いたことを特徴とする請求項3記載のシート状製品を製造する方法。
    Figure 0004379698
    ここで、Kはプロセスゲイン、nは操作量が入力されてからそのプロファイル応答が出力されるまでのサンプリング周期の数、Tはサンプリング周期、Lはむだ時間、Tは1次遅れの時定数、U(n)はnサンプリング周期前に入力された操作量である。
  5. 前記最適値の算出は最急降下法によって前記位置対応関係の修正量を求めるようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のシート状製品を製造する方法。
  6. 前記最適値の算出は前記最急降下法によって求めた修正量をニューラルネットワークを用いた補間演算によって補間するようにしたことを特徴とする請求項5記載のシート状製品を製造する方法。
  7. 所定のリミット値を設け、前記修正量がこのリミット値を越えないように前記修正量を修正するようにしたことを特徴とする請求項5記載のシート状製品を製造する方法。
  8. 所定のリミット値を設け、前記修正量がこのリミット値を越えないように前記修正量を修正するようにしたことを特徴とする請求項6記載のシート状製品を製造する方法。
  9. シート状製品の幅方向プロファイルを制御する複数の操作端と、目標プロファイルおよび前記シート状製品の幅方向の測定プロファイルが入力され、前記複数の操作端を操作する操作量を出力する幅方向制御部と、前記操作量が入力され、プロセスを模擬するプロセスモデルと、このプロセスモデルの出力および前記測定プロファイルの偏差が入力される位置対応最適化部とを有し、この位置対応最適化部は前記プロセスモデルの出力と前記測定プロファイルの偏差が最小になるように前記複数の操作端と前記測定プロファイルを測定する複数の測定点との位置対応関係および前記プロセスモデルの干渉幅を最適化して、この位置対応関係および干渉幅を前記プロセスモデルに設定し、前記位置対応関係を前記幅方向制御部に設定するようにしたことを特徴とするシート状製品製造装置。
  10. 前記プロセスモデルは、入力された操作量に対応する幅方向プロファイル応答として正規分布関数を用いたことを特徴とする請求項9記載のシート状製品製造装置。
  11. 前記幅方向のプロファイル応答として、正規化分布関数にむだ時間および1次遅れ応答を付加するようにしたことを特徴とする請求項10記載のシート状製品製造装置。
  12. 前記幅方向のプロファイル応答として、下記(2)式を用いたことを特徴とする請求項11記載のシート状製品製造装置。
    Figure 0004379698
    ここで、Kはプロセスゲイン、nは操作量が入力されてからそのプロファイル応答が出力されるまでのサンプリング周期の数、Tはサンプリング周期、Lはむだ時間、Tは1次遅れの時定数、U(n)はnサンプリング周期前に入力された操作量である。
  13. 前記位置対応最適化部は最急降下法によって前記位置対応関係の修正量を求めるようにしたことを特徴とする請求項9ないし請求項12のいずれかに記載のシート状製品製造装置。
  14. 前記位置対応最適化部は前記最急降下法によって求めた修正量をニューラルネットワークを用いた補間演算によって補間するようにしたことを特徴とする請求項13記載のシート状製品製造装置。
  15. 所定のリミット値を設け、前記修正量がこのリミット値を越えないように前記修正量を修正するようにしたことを特徴とする請求項13記載のシート状製品製造装置。
  16. 所定のリミット値を設け、前記修正量がこのリミット値を越えないように前記修正量を修正するようにしたことを特徴とする請求項14記載のシート状製品製造装置。
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