JP4379189B2 - ジルコニア−アルミナ系着色複合セラミック材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、産業用機械部品、事務・理化学用品、化学部品、生体用材料および医療用具などに好適なジルコニア−アルミナ系着色複合セラミック材料、およびその製造方法に関するものである。
強度と靭性の両方に優れるセラミック材料として、ジルコニア−アルミナ系複合セラミック材料が知られている。この複合セラミック材料には、たとえば、セリア(CeO2)を8〜12モル%及びチタニア(TiO2)を0.05〜4モル%含有する平均粒子径5μm以下の部分安定化ジルコニア(ZrO2)粒子でなる第1相と、平均粒子径2μm以下のアルミナ(Al2)粒子でなる第2相とを含むものが提案されている(特許文献1参照)。
また、安定化剤として10〜12モル%のセリアを含み、平均粒径が0.1〜1μmのジルコニア粒子でなる第1相と、平均粒径が0.1〜0.5μmのアルミナ粒子でなる第2相とで構成され、第2相の含有量が20〜60体積%であるという条件の下で、アルミナ粒子の一部がジルコニア粒子内に分散されるとともに、ジルコニア粒子の一部がアルミナ粒子内に分散されてなる相互ナノコンポジット構造を有するジルコニア−アルミナ系複合セラミック材料が提案されている(特許文献2参照)。
さらに、安定化剤としてのセリアと、着色元素としての周期律表6族並びに8〜10族に属する元素から選ばれ少なくとも1種とを含有し、主として正方晶ジルコニア粒子からなる第1相と、アルミナ粒子からなる第2相とを含む着色ジルコニア系複合セラミック焼結体が提案されている(特許文献3参照)。
特開平8−268755号公報(要約) 特開2004−51481号公報(要約) 特開2004−59374号公報(要約)
ところで、アルミナは結晶粒界を制御することで透光性を示すことが知られているが、焼結により得られる多結晶体は一般に白色であり、ジルコニアも同様に白色もしくは乳白色を呈する。したがって、それらの混合物であるジルコニア−アルミナ系複合セラミックス材料も一般に白色もしくは乳白色である。しかしながら、医療用品、理化学用品、化学部品等の用途にあっては色によって互いに区別することが望まれるものや汚れが目立たないような白以外の色が望まれるものも少なくない。また、アクセサリー等の装飾品、スポーツ・レジャー用品、事務用品等の用途においては着色のニーズも高まっている。したがって、ジルコニアーアルミナ系複合セラミック材料本来の優れた機械的性質を損なうことなく、白色とは異なる色に着色されたジルコニアーアルミナ系複合セラミック材料を提供できれば、上記した用途でのさらなる利用の拡大が期待される。
尚、上記した着色ジルコニア系複合セラミック焼結体は、着色元素として周期律表6族並びに8〜10族に属する元素から選ばれ少なくとも1種、例えば、クロム、鉄あるいはコバルトを添加することでジルコニアーアルミナ系複合セラミック材料の着色を目的としたものであるが、これらの着色元素を添加した場合には、成形性および焼結性が低下して機械的性質の劣化を招く恐れがある。また、クロムを添加する場合は、医療用セラミックスとしての安全性が問題視される恐れがあり、これらの点で依然として改善の余地があった。
そこで、本発明の目的は、優れた強度と靭性を有するとともに、鮮やかなピンク色に着色され、医療用セラミックスとしても安全性の高いジルコニア−アルミナ系複合セラミック材料の製造方法を提供することにある。
なわち、本発明の製造方法は、安定化剤としてのセリアと着色剤としての酸化エルビウムとを含有する主として正方晶ジルコニアからなる調合粉末を作製する工程と、前記調合粉末をアルミナ粉末と混合する工程と、得られた混合粉末を所望の形状に成形する工程と、得られた成形体を酸素含有雰囲気下で焼結する工程とを含み、上記調合粉末は、セリアが8〜12モル%、酸化エルビウムが0.01〜1モル%、残部がジルコニアでなり、比表面積が5〜20m −1 の正方晶ジルコニア粉末であり、上記アルミナ粉末は平均粒径が0.1〜0.3μmの範囲であることを特徴とする。
上記したように、本発明は、正方晶ジルコニア粒子中にセリアとエルビウムを含有させることにより、従来のジルコニア−アルミナ系複合セラミック材料の優れた強度と靭性を低下させることなく、ピンク色に着色された着色複合セラミック材料を提供するものであり、エルビウムの添加量を制御することにより薄いピンクから濃いピンクまで色調節を行える。したがって、白以外の色を有するジルコニア−アルミナ系複合セラミック材料の登場が待たれていた、医療用品、理化学用品、化学部品等の用途や装飾品、スポーツ・レジャー用品への用途だけでなくさらなる応用分野の開拓が期待される。
ルコニア−アルミナ系着色複合セラミック材料以下に詳細に説明する。
色複合セラミック材料は、安定化剤としてのセリアと着色元素としてのエルビウムを含有し、主として正方晶ジルコニア粒子からなる第1相と、アルミナ粒子からなる第2相とを含む。
安定化剤としてのセリアは、結晶学的に低温劣化を起こさないジルコニアを得る上で重要である。第1相のジルコニア粒子中のセリア含有量は特に限定されないが、例えば、8〜12モル%、特に10〜12モル%の範囲とすることが好ましい。セリアの含有量が8モル%未満であると、単斜晶ジルコニアの量が相対的に増加し、複合セラミック材料中にクラックが発生して強度劣化を招く恐れがある。また、セリアの含有量が12モル%を超えると、高温安定相である立方晶ジルコニアが出現し始め、正方晶ジルコニアの量が相対的に減少し、十分な強度・靭性が得られない恐れがある。例えば、第1相を90体積%もしくはそれ以上の正方晶ジルコニアと残りを単斜晶ジルコニアとで構成することが好ましい。尚、必要に応じて、第1相は、セリア以外に、マグネシア、カルシアあるいはイットリアのような他の安定化剤を含有してもよい。また、第1相は微量の不純物を含んでもよいが、不純物の含有量を第1相の全量に対して0.5モル%以下とすることが望ましい。
着色剤としてのエルビウムは、ジルコニア−アルミナ系複合セラミック材料に鮮やかなピンク色をもたらす。エルビウムの含有量は、酸化物換算で第1相の正方晶ジルコニア粒子に対して0.01〜1モル%、特に0.02〜0.5モル%であることが好ましい。含有量が0.1モル%に満たない場合は、十分且つ均一な着色が得られない恐れがある。一方、含有量が1モル%を超えると、機械的性質の低下を招く恐れがある。前記した範囲内においてエルビウムの含有量を調節すれば、ジルコニア−アルミナ系複合セラミック材料の色を薄いピンクと濃いピンクとの間において所望のピンク色にすることができる。
着色複合セラミック材料中のアルミナ含有量は特に限定されないが、0.5〜50体積%、特に30〜40体積%の範囲内とすることが好ましい。アルミナの含有量が0.5体積%に満たないと、複合セラミック材料の機械的強度および耐摩耗性を十分に改善できない恐れがある。一方、アルミナ相の含有量が50体積%を超えると、複合セラミック材料のマトリックス相がアルミナによって形成されるため靱性の低下を招く恐れがある。着色複合セラミック材料が30〜40体積%のアルミナを含有する場合は、機械的性質において信頼性の高い複合セラミック材料を提供することができる。
また着色複合セラミック材料は、第2相のアルミナ粒子の一部である数十ナノメートルサイズの極めて微細な粒子が第1相のジルコニア粒子内に分散した、いわゆる「ナノ複合化組織」を有することが好ましい。この場合、複合セラミック材料中に分散される全アルミナ粒子の数に対する、ジルコニア粒子内に分散されるアルミナ粒子の数の比が2数量%以上であることが特に好ましい。この比が2%以下であると、ナノ複合化組織の形成による強度および硬度の改善が十分に得られない。尚、この比の上限は特に限定されず、多ければ多いほど好ましい。
後述する焼結過程においてジルコニア粒子内に微細なアルミナ粒子を効率よく分散させるためには、さらにチタニアを添加することが好ましい。チタニアは、第1相のジルコニア粒子の粒成長を適度に促進して、ジルコニア粒子はその内部に微細なアルミナ粒子を取り込みやすくなる。また、応力誘起相転移を起こす臨界応力を高めることができる。チタニアの添加量は特に限定されないが、上記目的を達成する観点から、ジルコニア全量に関して0.02〜4モル%、特に0.05〜1モル%の範囲内とすることが好ましい。0.02モル%未満であると、第1相の粒成長を促進する効果を十分に得られない恐れがある。一方、チタニアの添加量が4モル%を超えると、第1相の異常粒成長が起こりやすく、結果的に複合セラミック材料の強度および耐摩耗性が低下するおそれがある。
合セラミック材料中にナノ複合化組織を形成する場合は、以下のメカニズムに基づいて機械的性質が改善されると考えられている。すなわち、正方晶ジルコニア粒子内に取り込まれたアルミナ粒子は、ジルコニア結晶粒子内に熱膨張差に起因する局所的な残留応力場を形成する。この残留応力場の影響により、ジルコニア結晶粒子内には転位が発生しやすくなる。転位は互いにパイルアップされ、ジルコニア粒子内にはサブグレインバンダリーが形成される。このサブグレインバンダリーによってジルコニア粒子は仮想的に細分化され、高強度化に有効に寄与する。この結果、セリア系ジルコニア(Ce-TZP)の欠点であった低強度および低硬度をイットリア系ジルコニア(Y−TZP)に匹敵するレベルまで改善し、且つY-TZPの3倍以上の高い靭性値を兼ね備えた強靭な複合セラミックス材料の実現が可能になる。
次に、本発明のジルコニア−アルミナ系着色複合セラミック材料の製造方法について詳細に説明する。
本発明の製造方法は、安定化剤としてのセリアと着色剤としての酸化エルビウムとを含有する主として正方晶ジルコニアからなる調合粉末を作製する工程と、前記調合粉末をアルミナ粉末と混合する工程と、得られた混合粉末を所望の形状に成形する工程と、得られた圧粉体を酸素含有雰囲気下で焼結する工程とを必須とする。
本発明の製造方法においては、着色元素であるエルビウムの添加によりジルコニア−アルミナ複合セラミック材料をピンク色に均一に着色するため、上記した調合粉末の作製が非常に重要であり、例えば、エルビウムの配合量が正方晶ジルコニア粉末に対して酸化物換算で0.01〜1モル%となるようにエルビウムを正方晶ジルコニア粉末と混合し、得られた混合物を酸素含有雰囲気下、600℃〜1300℃の温度範囲で仮焼して調合粉末を作製することが好ましい。この場合は、ジルコニア粒子内に着色元素であるエルビウムを固溶させることができるので、エルビウムの添加量が少ない場合であっても、ジルコニア−アルミナ複合セラミック材料をピンク色に均一に着色するのに効果的である。
また、エルビウムを含有する希土類塩、有機希土類錯体、および希土類アルコキシドから選択される酸化エルビウムの前駆体を有機溶媒に溶解してエルビウム含有溶液を調製し、このエルビウム含有溶液にセリアを含有する正方晶ジルコニア粉末を混合し、得られた混合物から有機溶媒を除去することにより調合粉末を作製することも好ましい。さらに、セリアを含有する正方晶ジルコニア粉末と酸化エルビウム(Er2O)粉末を混合することにより調合粉末を作製してもよい。
本発明調合粉末は、セリアが8〜12モル%と、酸化エルビウムが0.01〜1モル%と、残部がジルコニアでなる組成を有し、比表面積が5〜20m−1の正方晶ジルコニア粉末を使用するものである。また、必要に応じて、エルビウムとセリアに加えて上記した他の安定化剤やチタニアをジルコニアに固溶させた正方晶ジルコニア粉末を調合粉末として用いてもよい。
アルミナ粉末は市販のものを用いることができる。微細なアルミナ粒子をジルコニア粒子内に効率よく分散させるために、平均粒径が0.1〜0.3μmのアルミナ粒子を用い
得られた調合粉末とアルミナ粉末を所定の配合比で配合した後、例えば、ボールミル等を用いて均一に混合する。配合比としては、例えば、得られた着色複合セラミック材料中のアルミナ含有量が0.5〜50体積%、特に30〜40体積%の範囲内とすることが好ましい。
得られた混合粉末を所定の形状に成形した後、成形体を酸素含有雰囲気下、例えば、1400〜1500℃の焼結温度で焼結する。必要に応じて、焼結後に、酸素含有雰囲気下、焼結温度と1000℃の間の温度範囲でアニール処理を実施することが好ましい。このアニール処理によれば、着色複合セラミック材料の透光性の改善を図れるので、装飾品等への用途において奥行きのある光沢を付加して商品価値を高めるのに有効である。
本発明を好ましい実施例に基づいて以下に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(実施例1〜3および比較例1)
着色成分として、Er(NO3)3からなる硝酸塩を、10モル%のセリアを含有する正方晶ジルコニア(TZP)粉末に対して酸化物換算(Er2O)で表1に示す割合で添加した後、エタノール溶媒中、24時間湿式ボールミル混合し、得られた混合粉末を乾燥し、上記着色成分をジルコニアに固溶させるために、大気中、800℃、1時間の条件下で仮焼処理して調合粉末を得た。次いで、調合粉末にアルミナ粉末を30体積%添加し、水溶媒中24時間湿式ボールミルにて混合、乾燥して焼結用粉末とした。この焼結用粉末を直径φ68mmの金型を用い、7MPaの条件下で一軸加圧成形した。さらに176MPaの条件下でCIP成形してタブレット状の成形体を得た。この成形体を大気中、1450℃で2時間焼結して各実施例のジルコニア−アルミナ系着色複合セラミックス材料を得た。
得られた複合セラミック材料は、エルビウムの添加量に応じて薄いピンク〜濃いピンク色を有し、相対密度99%以上の緻密な焼結体であった。焼結体中のジルコニアの結晶相は単斜晶が1体積%以下でほぼ正方晶でなることをX線回折により確認した。また、エルビウムイオンのジルコニアへの固溶によって生じる格子定数の変化をX線回折より確認した。
また、得られた複合セラミック材料からダイヤモンドカッタにより3mmx4mmx40mmの角柱試験片を切り出し、機械的性質評価用サンプルとした。尚、試料の稜線は、0.1mmの面取りを行い、側面は約600〜800番のダイヤモンド砥石にて研削した。曲げ試験時の引っ張り面については、最終ダイヤモンドペーストにて鏡面仕上げした。これらの試料を用いて、下部スパン30mm、クロスヘッドスピード0.5mm/minの条件下で3点曲げ試験を行い、強度を求めた。また、試料鏡面に荷重490N(10kg)、保持時間15秒の条件下、ビッカース圧子を打痕し、IF法によって破壊靱性値を測定した。破壊靭性値(KIC)は、ビッカース圧子を押し込むことによって生じたクラックの長さと圧痕の大きさを測定し、下記に示すpalmqvist型のクラックに対応したNiiharaの式を用いて算出した。結果を表1に示す。
KIC = 0.018・Hv・a1/2・(1/a)1/2・(Hv/E)-2/5
尚、比較例1として、エルビウムを添加しないことを除いては上記実施例と同様にして着色していない白色のジルコニア−アルミナ系複合セラミック材料を作製し、機械的性質を評価した。結果を表1に示す。各実施例の着色複合セラミック材料の機械的性質は、比較例1のエルビウム添加なしの複合セラミック材料と遜色ない結果となった。これより、着色元素のエルビウムを第1相であるジルコニアに固溶させた場合において、ジルコニア−アルミナ系複合セラミック材料の優れた機械的性質(高強度、高靭性)を維持しつつ、ピンクの色調を付加できることを確認した。
また、これらの複合セラミック材料の微細組織を走査型電子顕微鏡および透過型電子顕微鏡により観察した結果、いずれにおいても、第2相のアルミナ粒子のうち、数十〜数百ナノメーターサイズの極めて微細なアルミナ粒子の一部が、第1相のジルコニア結晶粒子内に分散した所謂「ナノ複合化組織」を呈していることが確認された。尚。複合セラミック材料の微細組織への着色元素の添加による影響は認められなかった。
(実施例4)
実施例2で作製した複合セラミック材料の一つを大気中、1340℃で3時間熱処理し、その焼結温度から1000℃まで0.5℃/minの速度で降温する常圧アニール処理を実施した。アニール処理後、実施例1〜3と同様の手法で機械的性質を評価した。結果を表1に示す。
また、上記アニール処理を施した試料を厚さ0.2mmまで薄片化し、可視光による透過度を目視にて観察した。エルビウムの添加量が同じでアニール処理を行わなかった実施例2の複合セラミック材料に比べ、実施例4の複合セラミック材料においてはアニール処理による透光性の改善が認められた。これは、複合セラミック材料の粒界界面での整合性が向上し、粒界での光散乱が抑制された結果と考えられる。さらに、上記アニール処理よって約10%の強度向上を確認できた。これは、アニール処理により複合セラミック材料の粒界結晶性が高められ、粒界強度が改善された結果と考えられる。尚、このアニール処理による粒成長は認められなかった。
Figure 0004379189
上記実施例からもわかるように、本発明により製造されるジルコニア−アルミナ複合セラミック材料は、エルビウムを着色元素として用いることによって鮮やかなピンク色を有し、その添加量を調節することにより薄いピンク色と濃いピンク色との間において所望のピンク色を得ることができる。したがって、本発明により製造されるジルコニア−アルミナ系着色複合セラミック材料は、耐薬品性や耐熱性に加えて高い強度と靭性が要求される用途でだけでなく、色によって互いから区別することが必要とされるような医療用品、理化学用品、化学部品等、あるいは着色による付加価値が重視されるような装飾品、スポーツ・レジャー用品、事務用品等の幅広い用途への利用が期待できる。

Claims (5)

  1. 安定化剤としてのセリアと着色剤としての酸化エルビウムとを含有する主として正方晶ジルコニアからなる調合粉末を作製する工程と、前記調合粉末をアルミナ粉末と混合する工程と、得られた混合粉末を所望の形状に成形する工程と、得られた成形体を酸素含有雰囲気下で焼結する工程とを含み、
    上記調合粉末は、セリアが8〜12モル%、酸化エルビウムが0.01〜1モル%、残部がジルコニアでなり、比表面積が5〜20m −1 の正方晶ジルコニア粉末であり、上記アルミナ粉末は平均粒径が0.1〜0.3μmの範囲であることを特徴とするジルコニア−アルミナ系着色複合セラミック材料の製造方法。
  2. 上記調合粉末は、エルビウムを含有する希土類塩、有機希土類錯体、および希土類アルコキシドから選択される酸化エルビウムの前駆体を有機溶媒に溶解してエルビウム含有溶液を調製し、前記エルビウム含有溶液にセリアを含有する正方晶ジルコニア粉末を混合し、得られた混合物から有機溶媒を除去して作製されることを特徴とする請求項に記載のジルコニア−アルミナ系着色複合セラミック材料の製造方法。
  3. 上記調合粉末は、エルビウムの含有量が正方晶ジルコニア粉末に対して酸化物換算で0.01〜1モル%となるようにエルビウムを正方晶ジルコニア粉末と混合し、得られた混合物を酸素含有雰囲気下、600℃〜1300℃の温度範囲で仮焼して作製されることを特徴とする請求項に記載のジルコニア−アルミナ系着色複合セラミック材料の製造方法。
  4. 上記調合粉末は、セリアを含有する正方晶ジルコニア粉末と酸化エルビウム粉末を混合することにより作製されることを特徴とする請求項に記載のジルコニア−アルミナ系着色複合セラミック材料の製造方法。
  5. 上記焼結後に、酸素含有雰囲気下、焼結温度と1000℃の間の温度範囲でアニール処理をさらに実施することを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載のジルコニア−アルミナ系着色複合セラミック材料の製造方法。
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