JP4379124B2 - 電子機器用電源装置及び該電源装置を用いた電子機器 - Google Patents

電子機器用電源装置及び該電源装置を用いた電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、電子機器に接続された商用電源から該電子機器を駆動する直流電圧を生成する電源装置に関し、特に、電子機器の待機時等の消費電力を抑制可能な電子機器用の電源装置に関する。
従来、電子機器用の電源装置には、商用電源を一次側とし電子機器の駆動部等を二次側とする変圧器と、その変圧器の一次側に配置される交流生成用スイッチングトランジスタとを有する、スイッチング電源が一般的に用いられている。最近では、かかるスイッチング電源の一つとして、フライバック・コンバータ回路方式のものが、電源装置の構成部品が少ないという利点から、プリンタ等の電子機器用の電源装置に多く用いられている。
例えば、かかる電源装置をプリンタ等の電源部に安定化電源として用いる場合には、上記交流生成用スイッチングトランジスタのスイッチング動作を制御することにより、プリンタ駆動部等への供給電力を調節する。しかし、プリンタ等のコンピュータ周辺機器は、電源がオンでもその駆動部等は常に動作しているわけではないので、電源がオンで駆動部等が動作していない期間、すなわち待機時等は、なるべく消費電力を抑えるのが望ましい。
そこで、従来から採用されている待機時等の省電力化技術として、例えば、上記変圧器の二次側を周期的にオン・オフさせて、上記交流生成用スイッチングトランジスタのスイッチング動作時間を短くして直流出力電圧の電圧レベルを下げる方式を採用した電源装置がある(例えば、特許文献1参照)。
また、待機時等の消費電力を抑制可能な電子機器用電源装置として、電子機器の電源基板に一次側と二次側の電源回路が形成され、出力端子間に任意の順序で直列接続された第1のツェナーダイオード、抵抗素子、および第2のツェナーダイオードと、抵抗素子の両端電圧に応じて一次側電源回路の交流生成用スイッチングトランジスタのオン・オフを制御する制御回路と、電子機器の主制御基板からの短絡指示信号により第2のツェナーダイオードの両端間を短絡させる短絡回路とを二次側電源回路に備え、短絡回路が第2のツェナーダイオードの両端間を短絡した場合に制御回路により上記交流生成用スイッチングトランジスタのオン期間およびオン・オフ周期をともに短くする制御を行う電源装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−156977号公報 特開2002−119051号公報
上述した特許文献1等に記載の電源装置では、ある周期でオン・オフを繰り返すことから、可聴周波数の異音が発生するという問題がある。
また、例えば、特許文献2に記載の電源装置では、可聴周波数の異音が発生するという問題は解消することができるが、当該電源回路を実際に電子機器の基板上に実装した場合、電子機器の主電源スイッチ等がオン・オフされた場合に、主制御基板からの電源オン・オフ信号により該電源回路のオン・オフを制御する上に、電子機器が待機状態等に入った場合に、主制御基板からの上記短絡指示信号により第2のツェナーダイオードの両端間を短絡させる構成を採用せざるを得ないため、電源基板と主制御基板との間に、例えば、4本の信号線が必要となり、その分、電子機器の電装コストが増加してしまうという問題がある。
本発明の目的は、可聴周波数の異音を発生させることが無い上に、電装コストも比較的抑えることが可能な電子機器用電源装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の電子機器用電源装置は、直列接続された第1のツェナーダイオード及び第2のツェナーダイオードの一方を短絡させるのではなく、制御基板側にもう1つ第3のツェナーダイオードを設けて、このツェナーダイオードの作用により上記第2のツェナーダイオードの両端間を短絡させたのと同様に、出力電圧の電圧レベルを下げるようにした。
即ち、本発明の電子機器用電源装置は、電源基板と制御基板とを備える電子機器に用いられる電源装置であって、前記電源基板上には、商用電源に接続された一次側電源回路と、前記一次側電源回路に接続され交流電圧変換を行う変圧器と、前記変圧器で変換された交流電圧を直流電圧に変換する二次側電源回路とを備え、前記一次側電源回路は、前記変圧器の一次側に交流電圧を供給するか否かを切り替えるスイッチング素子と、該スイッチング素子のオン・オフを制御する一次側制御回路を有し、前記二次側電源回路は、直流電圧を出力する出力端子間に直列接続された第1のツェナーダイオード、第2のツェナーダイオード及び抵抗素子を有し、前記制御基板上には、低電圧制御信号用のスイッチング素子と主電源オン・オフ信号用のスイッチング素子を有する、電子機器用電源装置において、前記制御基板上、第3のツェナーダイオードを前記低電圧制御信号用のスイッチング素子と主電源オン・オフ信号用のスイッチング素子とに接続するように設けることで、前記制御基板側から前記電源基板側に前記主電源オン・オフ信号を伝送する信号線と前記低電圧制御信号を伝送する信号線とを兼用することを特徴とする。
かかる構成により、電源基板とメイン基板との間の電線をより少なくすることが可能になり、その分電装コストを抑えることができる。
また、前記一次側制御回路は、前記低電圧制御信号用のスイッチング素子がオンした場合には、前記一次側に交流電圧を供給するか否かを切り替えるスイッチング素子のオン期間およびオン・オフ周期をともに短くする制御を行う。更に、前記一次側制御回路は、前記一次側電源回路から可聴周波数の異音が発生しないように前記一次側に交流電圧を供給するか否かを切り替えるスイッチング素子のオン期間およびオン・オフ周期を制御する。かかる構成により、可聴周波数の異音は発生しなくなる。
ここで、前記第3のツェナーダイオードのツェナー電圧と、前記第1のツェナーダイオード又は第2のツェナーダイオードのいずれか一方のツェナー電圧を同じにするのが好適である。かかる構成により、例えば、第3のツェナーダイオードにそのツェナー電圧が第2のツェナーダイオードのツェナー電圧と同じものを用いれば、第2のツェナーダイオードの両端間を短絡させたのと同様に、出力電圧の電圧レベルを第1のツェナーダイオードのツェナー電圧まで下げることができる。
また、前記第3のツェナーダイオードのツェナー電圧と、前記第1のツェナーダイオード及び第2のツェナーダイオードのツェナー電圧を異ならせてもよい。かかる構成により、例えば、第3のツェナーダイオードにそのツェナー電圧が第2のツェナーダイオードのツェナー電圧と異なるものを用いれば、第2のツェナーダイオードの両端間を短絡させる場合と異なり、第1のツェナーダイオードのツェナー電圧とは異なる出力電圧の電圧レベルを得ることができる。
尚、本発明の電子機器用電源装置は、前記低電圧制御信号のスイッチング素子はバイポーラトランジスタにより構成され、該バイポーラトランジスタのコレクタには、前記第3のツェナーダイオードのアノードが接続され、該バイポーラトランジスタ及び第3のツェナーダイオードは、2本の電線を介して前記第1のツェナーダイオード及び第2のツェナーダイオードに並列接続されている。
また、前記一次側電源回路、前記変圧器および前記二次側電源回路は、フライバック・コンバータ回路で構成されることを特徴とする。かかる構成により、比較的少ない構成部品で本発明の電子機器用電源装置を構成できる。
そして、本発明の電子機器は、以上の電源装置を備えることを特徴とする。かかる電子機器によれば、電源基板とメイン基板との間の電線をより少なくすることが可能になり、その分電装コストを抑えることができるので、電子機器トータルのコストも節約できる。
まず、本発明の理解を容易にするために、図1を参照しながら、従来の電源装置における電源回路の構成について説明しておく。尚、図1に示した電源装置は、フライバック・コンバータ方式の回路構成を有し、短絡指示信号により第2のツェナーダイオードの両端間を短絡させる構成の電源回路である。
この従来の電源装置は、電源基板と制御基板とを備える電子機器に用いられる電源装置であり、図1に示すように、電源基板10に形成された第1の電源制御回路と、主制御(メイン)基板20に形成された第2の電源制御回路から構成される。
第1の電源制御回路は、商用電源に接続された一次側電源回路1と、一次側電源回路1に接続され交流電圧変換を行う変圧器T1と、変圧器T1で変換された交流電圧を直流電圧に変換する二次側電源回路2とを備えている。
一次側電源回路1は、変圧器T1の一次側に交流電圧を供給するか否かを切り替えるスイッチング素子としてのトランジスタQ1と、トランジスタQ1のオン・オフを制御する一次側制御回路1Aと、商用電源からの交流入力(AC入力)から不要な周波数成分を除去等するためのフィルタ回路1B及び交流を直流に変換するための整流・平滑回路1Cと、電源を起動するための起動抵抗としての抵抗素子R1とを有している。
尚、一次側制御回路1Aは、集積回路(Integrated Circuit、以下「IC」という)により構成されている。また、フィルタ回路1Bは、主にEMC対策上設けられるものであり、例えば、コモンモード・チョークコイル及びコンデンサ等による公知の回路により構成される。更に、整流・平滑回路1Cも、交流を所定レベルの直流に変換するための公知の回路により構成される。
二次側電源回路2は、変圧器T1の二次側に接続されたダイオードD2およびコンデンサC2と、出力端子間に直列接続されたツェナーダイオード(第1のツェナーダイオード)ZD1、ツェナーダイオード(第2のツェナーダイオード)ZD2及び抵抗素子R3と、抵抗素子R3の両端電圧によりオン・オフするフォトカップラ2Aを備えている。尚、図示しないが、第1の電源制御回路は、出力電圧に対してDC-DC変換を行うチョッパ回路(DC-DCコンバータ回路)を有していても良い。
第2の電源制御回路は、低電圧制御信号(短絡指示信号)のオン・オフを切り替えるためのスイッチングを行うトランジスタQ4と、主電源のオン・オフを切り替えるためのスイッチングを行うトランジスタQ5とを含んでいる。トランジスタQ4は、2本のケーブル22、23を介してツェナーダイオードZD2に並列接続されている。トランジスタQ5は、2本のケーブル21、23を介してツェナーダイオードZD1及びツェナーダイオードZD2に並列接続されている。
この図1に示した電源装置では、トランジスタQ5のベース端子に、主電源制御信号(主電源のオン・オフ信号)が入力される。即ち、電子機器の主電源スイッチがオフされると、トランジスタQ5のベース端子に入力される主電源制御信号(主電源のオン・オフ信号)がハイレベルになり、トランジスタQ5がオンすることにより、2本のケーブル21、23を介してツェナーダイオードZD1及びツェナーダイオードZD2の双方とも短絡状態となる。この結果、フォトカップラ2Aのダイオード2aの電圧に相当する電圧のみが第2の電源(制御)回路の出力端子から出力されることになる。従って、このダイオード2Aの電圧として、例えば、1Vのものを用いれば、出力端子から出力される電圧は、略1Vとなり、電子機器を、実質上、電源オフの状態とすることができる。
一方、電子機器の主電源スイッチがオンされると、トランジスタQ5のベース端子に入力される主電源制御信号(主電源のオン・オフ信号)がローレベルになり、トランジスタQ5がオフすることにより、ツェナーダイオードZD1及びツェナーダイオードZD2の電圧にフォトカップラ2Aのダイオード2aの電圧を加えた電圧に相当する電圧が第2の電源(制御)回路の出力端子から出力されることになる。従って、ツェナーダイオードZD1、ツェナーダイオードZD2のツェナー電圧として、例えば、それぞれ21V、20Vのものを用いれば、出力端子から出力される電圧は、略42Vとなり、電子機器は電源オンの状態となる。
しかしながら、図1に示した電源装置は、トランジスタQ5が2本のケーブル21、23を介してツェナーダイオードZD1及びツェナーダイオードZD2に並列接続される上に、更に、トランジスタQ4が2本のケーブル22、23を介してツェナーダイオードZD2に並列接続される構成を有している。ところで、ツェナーダイオードZD1及びツェナーダイオードZD2は、電源の出力を決める素子であることから、電源基板側に設けなければならない。このため、グラウンド線を含めて、ツェナーダイオードZD2に並列にトランジスタQ4を接続し、メイン基板側から主電源のオン・オフを制御し、更に、低電力モード(待機時等)の制御を行うためには、電源オン・オフ信号と低電圧制御信号を別個の線でメイン基板側から電源基板側に送る必要がある。この結果、上記グラウンド線と42V側の線を含めて、合計4本の電線(ケーブル)21、22、23及び24で入出力端子を接続する必要が生じてしまう。このため、その分電装コストが高くなり、電子機器トータルのコストにも影響してしまう。
次に、かかる問題点を解決するものとして、本発明の実施形態に係る電子機器用電源装置について、図2乃至図5を参照しながら説明する。本実施形態の電源装置も、図1に示した従来の電源装置と同様に、電源基板と制御基板とを備える電子機器に用いられる。本実施形態では、この電源装置を「電子機器」としての記録装置に適用した。そこで、まず、本実施形態に係る電源装置を含む「電子機器」としての記録装置の構成について説明する。図2は、本実施形態に係る電源装置を含むインクジェット式記録装置の主要部の構成を示すブロック図である。
同図に示されたインクジェット式記録装置は、ホストコンピュータ50と接続され、記録などの割り込みを受け付け、記録用の画像データを受信する記録コントローラ100と、記録コントローラ100から供給されるデータに従って画像を記録する記録エンジン200とを有する。記録エンジン200は、記録ヘッド202、図示しないキャリッジ機構及び紙送り機構、更に、キャリッジ機構に含まれるキャリッジ(CR)モータや紙送り機構に含まれる紙送り(PF)モータ並びにASF(Auto Sheet Feeder、自動給紙装置)モータ等の各種モータ類204等により構成される。
記録コントローラ100は、インクジェット式記録装置の、例えば、図示しない筐体底部に設けられた主制御基板(以下、メイン基板と呼ぶ)20上に形成されている。例えば、図示しない筐体底部には、このメイン基板20に隣接して電源基板10が設けられており、この電源基板10上には、本実施形態に係る電源装置を構成する電源回路の1次側電源回路と2次側電源回路の一部が形成されている。電源基板10上の電源回路からは、パワー系電圧として、例えば、42Vの電源電圧がメイン基板20上のパワー系部品[ヘッドドライバ(駆動回路)116やモータドライバ(駆動回路)120]に供給される。尚、電源基板10からは、記録ヘッド202や各種モータ類204を駆動するための、上記42Vの電圧の他にも、図示しないパラレルインターフェースを駆動するための5Vの電圧、CPU102や制御回路110等のロジック系或いは各種センサを駆動するための3.3V、1.5Vなどの電圧が供給される。
記録コントローラ100は、記録シーケンス用のプログラム等を実行するCPU102と、不揮発性メモリで構成され記録シーケンスプログラム等が格納されるROM106と、記録対象の画像データ等が格納されるSDRAM104と、上記CPU102、SDRAM104及びROM106に接続され、CPU102とSDRAM104のコントロールやバス108の管理を行うASIC(Application Specific Integrated Circuit)から構成される制御回路110とを有する。ROM106やSDRAM104には、省電力時にアクセスすべき制御プログラムや低電力モードから通常モードに復帰するための復帰プログラム或いはこれらに必要なデータ等が格納されており、CPU102は、省電力時には、これらにアクセスして制御を行う。
制御回路110は、ホストコンピュータ50、メカセンサ152及び操作パネル154等に接続されるインターフェース制御部112を含んでいる。制御回路110は、所定の画像処理などを行い、記録用の画像データに対応する記録駆動信号114をヘッドドライバ116を介して記録エンジン200の記録ヘッド202に供給する。また、制御回路110は、上述した各種モータ類204の駆動制御信号118をモータドライバ120を介して記録エンジン200の各種モータ類204に供給する。制御回路110のインターフェース制御部112は、図示しないIEEE1284ポート、シリアルポート及びUSBポート等を介してホストコンピュータ50に接続される。
記録エンジン200は、通常動作モードと低電力モードとを有する。低電力モードでは、記録ヘッド202や各種モータ類204を駆動するために供給される42Vの電圧が、例えば、20Vまで下げられ、電力消費を抑えた状態になる。低電力モードでも、ホストコンピュータ50からの記録割り込みやインクジェット式記録装置のメカセンサ152や操作パネル154上に形成された外部スイッチからの割り込みに対応できるように、記録コントローラ100の制御回路110内のインターフェース制御部112等が通常状態を維持する。これに対して、記録エンジン200は、低電力モードでは記録シーケンスを実行していなので、記録シーケンスの実行に必要なハードウエア資源を、できる限り電力消費が少ないモードに切り替えるために、供給電圧が上述した20Vまで下げられる。
本発明の電源装置の基本原理は、上記した記録ヘッド202や各種モータ類204を駆動するための42Vの電圧を供給し、低電力モード時には、これを20Vまで下げ得る電源としてだけでなく、他の供給電圧及びその低電圧を得る場合にも適用できるが、以下、本実施形態では、上記の記録ヘッド202や各種モータ類204を駆動するための42Vの電圧を供給し、低電力モード時には、これを略20Vまで下げる電源装置として説明する。
そこで、図3を参照しながら、本実施形態に係る電源装置における電源回路の構成について説明する。尚、図3に示した電源装置も、フライバック・コンバータ方式の回路構成を有している。この電源装置は、図3に示すように、電源基板10に形成された第1の電源制御回路と、主制御(メイン)基板20に形成された第2の電源制御回路から構成される。
第1の電源制御回路は、商用電源に接続された一次側電源回路1と、一次側電源回路1に接続され交流電圧変換を行う変圧器T1と、変圧器T1で変換された交流電圧を直流電圧に変換する二次側電源回路2とを備えている。一次側電源回路1は、変圧器T1の一次側に交流電圧を供給するか否かを切り替えるスイッチング素子としてのトランジスタQ1と、トランジスタQ1のオン・オフを制御する一次側制御回路1Aと、商用電源からの交流入力(AC入力)から不要な周波数成分を除去等するためのフィルタ回路及び交流を直流に変換するための整流・平滑回路1Bと、電源を起動するための起動抵抗としての抵抗素子R1とを有している。尚、一次側制御回路1Aは、ICにより構成されている。二次側電源回路2は、変圧器T1の二次側に接続されたダイオードD2およびコンデンサC2と、出力端子間に直列接続されたツェナーダイオード(第1のツェナーダイオード)ZD1、ツェナーダイオード(第2のツェナーダイオード)ZD2及び抵抗素子R3と、抵抗素子R3の両端電圧によりオン・オフするフォトカップラ2Aを備えている。尚、図示しないが、第1の電源制御回路は、出力電圧に対してDC-DC変換を行うチョッパ回路(DC-DCコンバータ回路)を有していても良い。
第2の電源制御回路は、低電圧制御信号(短絡指示信号)のオン・オフを切り替えるためのスイッチングを行うトランジスタQ4と、主電源のオン・オフを切り替えるためのスイッチングを行うトランジスタQ5とを含んでいる。トランジスタQ4のコレクタには、ツェナーダイオード(第3のツェナーダイオード)ZD3のアノードが接続されている。これにより、トランジスタQ4及びツェナーダイオード(第3のツェナーダイオード)ZD3は、2本のケーブル21、22を介してツェナーダイオードZD1及びZD2に並列接続されている。トランジスタQ5は、2本のケーブル21、22を介してツェナーダイオードZD1及びツェナーダイオードZD2に並列接続されている。
この図3に示した電源装置では、トランジスタQ5のベース端子に、主電源制御信号(主電源のオン・オフ信号)が入力される。即ち、例えば、ユーザが、図2に示したインクジェット式記録装置の操作パネル154上に設けられた図示しない電源スイッチを切断すると、インターフェース制御部112を介して、対応する信号が制御回路110からCPU102に送られ、CPU102は、上述した電源オン・オフ信号をハイレベルにする。
トランジスタQ5のベース端子に入力される電源オン・オフ信号がハイレベルになると、トランジスタQ5がオンすることにより、2本のケーブル21、22を介してツェナーダイオードZD1及びツェナーダイオードZD2の双方とも短絡状態となる。この結果、フォトカップラ2Aのダイオード2aの電圧に相当する電圧のみが第2の電源(制御)回路の出力端子から出力されることになる。このダイオード2Aの電圧としては、略1Vのものを用いており、この結果、出力端子から出力される電圧は、略1Vとなり、インクジェット式記録装置は、実質上、電源オフの状態となる。
一方、例えば、ユーザが、図2に示したインクジェット式記録装置の操作パネル154上に設けられた図示しない電源スイッチを入れると、インターフェース制御部112を介して、対応する信号が制御回路110からCPU102に送られ、CPU102は、上述した電源オン・オフ信号をローレベルにする。
トランジスタQ5のベース端子に入力される電源オン・オフ信号がローレベルになると、トランジスタQ5がオフすることにより、ツェナーダイオードZD1及びツェナーダイオードZD2の電圧にフォトカップラ2Aのダイオード2aの電圧を加えた電圧に相当する電圧が第2の電源(制御)回路の出力端子から出力されることになる。ツェナーダイオードZD1、ツェナーダイオードZD2のツェナー電圧としては、それぞれ21V、20Vのものを用いており、この結果、出力端子から出力される電圧は、略42Vとなり、インクジェット式記録装置は電源オンの状態となる。
さて、図3に示した電源装置では、ツェナーダイオードZD3に並列にトランジスタQ4が接続されている。このトランジスタQ4のベース端子には、低電圧制御信号が入力される。インクジェット式記録装置の待機時等には、低電圧制御信号がハイレベルになり、トランジスタQ4がオンする。トランジスタQ4がオンすると、ツェナーダイオードZD3が、2本のケーブル21、22を介してツェナーダイオードZD1及びツェナーダイオードZD2の双方と接続されてループを形成する。
即ち、本実施形態では、2つのツェナーダイオードZD1及びツェナーダイオードZD2のうち1つを短絡させるのではなく、メイン基板20側に新たに第3のツェナーダイオードZD3を設けて、該第3のツェナーダイオードZD3を低電圧制御信号のスイッチング用のトランジスタQ4と電源オン・オフ信号の信号線とに接続することで、電源オン・オフ信号の信号線及び入出力端子が低電圧制御信号の信号線及び入出力端子を兼ねるようにした。
まず、記録エンジン200が記録動作を実行している等、通常動作時には、CPU102から電源装置に入力される低電圧制御信号はローレベルである。
トランジスタQ5のベース端子に入力される低電圧制御信号がローレベルであり、トランジスタQ4がオフしていると、上述したループはオープン状態となり、2つのツェナーダイオードZD1及びツェナーダイオードZD2のツェナー電圧(及びフォトカップラ2Aのダイオード2aの電圧)により、矢印Xの方向に電流が流れる結果、抵抗素子R3の両端には、それ程電圧がかからない。そして、上述したように、42Vの電圧が電源装置の出力端子から出力され続ける。これに対して、例えば、記録エンジン200が記録動作を終了し、記録ヘッド202のキャッピングとキャリッジのロックを行った後、記録用紙が無い状態が3分経過すると、対応する信号がメカセンサ152からインターフェース制御部112を介して制御回路110、更にCPU102に送られ、CPU102は、上述した低電圧制御信号をハイレベルにする。
低電圧制御信号がハイレベルに変わり、トランジスタQ4がオンすると、第3のツェナーダイオードZD3のツェナー電圧によって電源基板10側に20Vの電圧がかかり、一方、ツェナーダイオードZD1及びツェナーダイオードZD2からメイン基板20側に2つのツェナーダイオードZD1及びツェナーダイオードZD2のツェナー電圧の和により41Vの電圧がかかる。その結果、電流は、ツェナーダイオードZD1及びツェナーダイオードZD2から矢印Xの方向には流れず、メイン基板20の第3のツェナーダイオードZD3側(矢印Yの方向)に流れる。これにより、出力端子側に流れる電流は、第3のツェナーダイオードZD3によるものが支配的となる。即ち、2つのツェナーダイオードZD1及びツェナーダイオードZD2のツェナー電圧の和よりも第3のツェナーダイオードZD3のツェナー電圧の方が低いので、低い方の電圧で制御がかけられることになる。そして、この20Vの電圧が抵抗素子R3の両端にかかるため、抵抗素子R3の両端電圧が増大する。すなわち、トランジスタQ4がオンすると、ツェナーダイオードZD3の電圧が抵抗素子R3の両端に印加されることになる。このため、抵抗素子R3に流れる電流が増え、それに応じて、フォトカップラ2Aの出力側(トランジスタ側)に流れる電流も増える。フォトカップラ2Aの出力側に流れる電流が増えると、一次側制御回路1Aは、トランジスタQ1のオン時間とオン・オフ周期が短くなるような制御を行い、その結果、出力電圧が20Vまで低下する。
図4は、トランジスタQ1の通常動作時の電流波形と出力電圧波形を示す図であり、図4(a)は電流波形、図4(b)は出力電圧波形を示している。また、図5は、トランジスタQ1の待機時の電流波形と出力電圧波形を示す図であり、(a)は電流波形、(b)は出力電圧波形を示している。図5に示すように、待機時には、トランジスタQ1のオン時間が短くなり、オン・オフの周期は通常動作時よりも速くなる。このような制御により、待機時には出力電圧レベルが低下する。
本実施形態では、トランジスタQ1のオン時間を短くすることにより、出力電圧を引き下げる制御を行う。本実施形態の場合、トランジスタQ1のオフ期間を長くするわけではないので、従来問題であった可聴周波数の異音は発生しない。
また、トランジスタQ4のオン・オフにより、待機状態と動作状態を容易に切り替えることができ、簡易な制御で電源回路の省電力化が図れる。このように、本実施形態では、待機時には、フォトカップラ2Aの出力側の電流を増やしてトランジスタQ1のオン時間を短くするような制御を行うことができる。したがって、従来に比べて、トランジスタQ1が完全にオフの期間を短くでき、可聴周波数の異音も発生しなくなる。
加えて、本実施形態では、メイン基板20側に新たに第3のツェナーダイオードZD3を設けて、該第3のツェナーダイオードZD3を低電圧制御信号のスイッチング用のトランジスタQ4と電源オン・オフ信号の信号線とに接続することで、電源オン・オフ信号の信号線及び入出力端子が低電圧制御信号の信号線及び入出力端子を兼ねることができる。従って、電源基板10とメイン基板20との間は、グラウンド線と42V側の線を含めて、合計3本の電線(ケーブル)21、22及び23で入出力端子を接続すれば済むようになる。このため、その分電装コストを抑えることができるので、電子機器トータルのコストも節約可能である。
また、本実施形態では、第3のツェナーダイオードにそのツェナー電圧が第2のツェナーダイオードのツェナー電圧と同じものを用いたので、第2のツェナーダイオードの両端間を短絡させたのと同様に、出力電圧の電圧レベルを第1のツェナーダイオードのツェナー電圧まで下げることができる。
一方、第3のツェナーダイオードにそのツェナー電圧が第2のツェナーダイオードのツェナー電圧と異なるものを用いてもよい。この場合には、第2のツェナーダイオードの両端間を短絡させる場合と異なり、第1のツェナーダイオードのツェナー電圧とは異なる出力電圧の電圧レベルを得ることができる。
以上に説明したように、本発明によれば、電子機器の待機時には、スイッチング素子のオン期間とオン・オフ周期を短くする制御を行うため、従来のように待機時にスイッチング素子のオフ期間を長くする場合と異なり、可聴周波数の異音が発生しなくなる。
また、メイン基板側に新たに第3のツェナーダイオードを設けて、該第3のツェナーダイオードを低電圧制御信号のスイッチング用のトランジスタと電源オン・オフ信号の信号線とに接続することで、電源オン・オフ信号の信号線及び入出力端子が低電圧制御信号の信号線及び入出力端子を兼ねることができる。この結果、電源基板とメイン基板との間の電線(ケーブル)をより少なくすることが可能になる。このため、その分電装コストを抑えることができるので、電子機器トータルのコストも節約できる。
尚、図3の電源装置において、トランジスタQ4が低電圧制御信号用のスイッチング素子に、トランジスタQ5が主電源オン・オフ信号用のスイッチング素子に、それぞれ対応する。
以上のように、本実施形態の電源装置では、可聴周波数の異音は発生しない上に、電装コストを抑えることができるので、電子機器トータルのコストも節約可能である。また、トランジスタQ4のオン・オフにより、待機状態と動作状態を容易に切り替えることができ、簡易な制御で電子機器の省電力化が図れる。
ところで、図3では、2つのツェナーダイオードZD1及びツェナーダイオードZD2を直列接続したが、ツェナーダイオードは2つに限られず、3以上(例えば、6Vのツェナーダイオードを7つ設ける等)設けても良い。また、図3のトランジスタQ4の代わりに、リレーやMOSFET等の他のスイッチ手段を用いてもよい。
尚、図3では、本発明の電源装置を、一次側制御回路1AにICを用いた他励式の電源回路により構成したが、例えば、リンギング・チョーク・コンバータ方式(RCC方式)を用いた自励式の電源回路により構成してもよい。
通常モードとして42Vの電源電圧を供給し、低電圧モードとして20Vの電源電圧を供給する例を説明したが、他の電源電圧を供給する場合にも適用することができる。また、本電源装置を用いた電子機器としてインクジェット式記録装置を例に説明したが、本発明は、電源基板と制御基板を備え、2以上のツェナーダイオードを電源基板側に設け、制御基板側から電源のオン・オフを制御し、更に、低電力モード(待機時等)の制御を行う構成の電子機器であれば、電話機、ファクシミリ等、他の電子機器であっても適用することが可能である。
従来の電源装置の回路図 本実施形態に係る電源装置を含むインクジェット式記録装置の主要部の構成を示すブロック図 本実施形態に係る電源装置の回路図 トランジスタQ1の通常動作時の電流波形と出力電圧波形を示す図であり、(a)は電流波形、(b)は出力電圧波形を示す図。 トランジスタQ1の待機時の電流波形と出力電圧波形を示す図であり、(a)は電流波形、(b)は出力電圧波形を示す図。
符号の説明
1 一次側電源回路、 1A 一次側制御回路、 2 二次側電源回路、
2A フォトカップラ、 2a ダイオード、 T1 変圧器、
Q1,Q4,Q5 トランジスタ、 ZD1,ZD2,ZD3 ツェナーダイオード、
R1,R3 抵抗素子、 21,22,23,24 電線(ケーブル)

Claims (7)

  1. 電源基板と制御基板とを備える電子機器電源装置であって、
    前記電源基板は、商用電源に接続された一次側電源回路と、前記一次側電源回路に接続され交流電圧変換を行う変圧器と、前記変圧器で変換された交流電圧を直流電圧に変換する二次側電源回路とを備え、
    前記一次側電源回路は、前記変圧器の一次側に交流電圧を供給するか否かを切り替えるスイッチング素子と、該スイッチング素子のオン・オフを制御する一次側制御回路を有し、
    前記二次側電源回路は、出力端子間に直列接続された直流電圧を出力する第1のツェナーダイオード、第2のツェナーダイオード及び抵抗素子を有し、
    前記制御基板は、低電圧制御信号用のスイッチング素子と主電源オン・オフ信号用のスイッチング素子を有する、電子機器用電源装置において、
    前記制御基板上、第3のツェナーダイオードを前記低電圧制御信号用のスイッチング素子と主電源オン・オフ信号用のスイッチング素子とに接続するように設けることで、前記制御基板側から前記電源基板側に前記主電源オン・オフ信号を伝送する信号線と前記低電圧制御信号を伝送する信号線とを兼用し、
    前記低電圧制御信号用のスイッチング素子はバイポーラトランジスタにより構成され、該バイポーラトランジスタのコレクタには、前記第3のツェナーダイオードのアノードが接続され、該バイポーラトランジスタ及び第3のツェナーダイオードは、2本の電線を介して前記第1のツェナーダイオード及び第2のツェナーダイオードに並列接続されていることを特徴とする電子機器用電源装置。
  2. 前記一次側制御回路は、前記低電圧制御信号用のスイッチング素子がオンした場合には、前記一次側に交流電圧を供給するか否かを切り替えるスイッチング素子のオン期間およびオン・オフ周期をともに短くする制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の電子機器用電源装置。
  3. 前記一次側制御回路は、前記一次側電源回路から可聴周波数の異音が発生しないように前記一次側に交流電圧を供給するか否かを切り替えるスイッチング素子のオン期間およびオン・オフ周期を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器用電源装置。
  4. 前記第3のツェナーダイオードのツェナー電圧と、前記第1のツェナーダイオード又は第2のツェナーダイオードのいずれか一方のツェナー電圧を同じにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子機器用電源装置。
  5. 前記第3のツェナーダイオードのツェナー電圧と、前記第1のツェナーダイオード及び第2のツェナーダイオードのツェナー電圧を異ならせたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子機器用電源装置。
  6. 前記一次側電源回路、前記変圧器および前記二次側電源回路は、フライバック・コンバータ回路で構成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子機器用電源装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の電源装置を備えることを特徴とする電子機器。
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