JP4378138B2 - ガス吸蔵体、ガス吸蔵装置およびガス吸蔵方法 - Google Patents

ガス吸蔵体、ガス吸蔵装置およびガス吸蔵方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば水素ガスなどのガス吸蔵体、ガス吸蔵装置およびガス吸蔵方法に係り、特に自動車用燃料電池に好適なガス吸蔵体、ガス吸蔵装置およびガス吸蔵方法に関する。
近年、燃料電池を搭載した自動車の試験販売が始まっているが、燃料電池のコストの高さから自動車1台当たりの販売価格が高く、燃料電池搭載自動車の普及が進んでいない。このコスト高の主因は、水素の電極材料とその吸蔵体にあるとされている。
自動車用燃料電池の水素吸蔵方式には、水素ガスを圧縮する方式、液体水素を使用する方式、水素吸蔵合金を使用する方式などがある。
水素吸蔵体の技術に関しては、例えば下記の特許文献1ないし特許文献3などを挙げることができる。
特開平6−50498号公報 特開平7−149501号公報 特開平7−252577号公報
しかし従来の方式では、極低温(−253℃)にする設備が必要であったり、高圧(130気圧から700気圧)にする設備が必要であったりして、そのタンクも特殊構造のものとなる。また高圧のため爆発の危険性が高い。さらにタンクに設けられているネジの圧力耐久性やネジ山の磨耗によって水素ガスの漏洩があり、それによる爆発の危険性もある。
また水素吸蔵合金方式は吸蔵合金が高価であり、自動車価格に占める割合が高く、普及の障害となっている。水素吸蔵合金方式の場合、水素の吸蔵と放出の繰り返しによる合金表面の被毒(O2 による酸化、COによる不活性化、H2 Oによる吸収量の低下)があり、耐久性に乏しいという欠点がある。
水素吸蔵合金の比重と水素吸蔵量の一例を挙げれば次の表1の通りであり、水素吸蔵合金の比重が高いことから、車体重量に占める割合が大きく、また水素吸蔵量も必ずしも十分ではない。
表 1
合金組成 比 重 水素吸蔵量(リットル/kg)
La−Ni5 8.3 153
Mg2 −Ni 3.2 409
また電極に白金触媒などの高価な材料を使用する場合は、コストが高く、その資源量の稀少さなどから供給不安定要素が多いため普及の障害となっている。
本発明の目的は、このような従来技術の欠点を解消し、軽量でかつ安全で、安価なガス吸蔵体、ガス吸蔵装置およびガス吸蔵方法を提供することにある。
前記目的を達成するため本発明の第1の手段は、高粘度の石油由来タールまたは石炭由来タールにガスを吸蔵させることを特徴とするものである。
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、前記タールがコールタールピッチであることを特徴とするものである。
本発明の第3の手段は前記第1の手段または第2の手段において、前記タール中に粒子状の多孔質物質または繊維質物質を混在させたことを特徴とするものである。
本発明の第4の手段は前記第1の手段または第2の手段において、前記タール中に多孔質部材の少なくとも一部が浸漬されていることを特徴とするものである。
本発明の第5の手段は前記第1の手段または第2の手段において、前記ガスが水素ガスであることを特徴とするものである。
本発明の第6の手段は前記第5の手段において、そのガス吸蔵体が自動車用燃料電池にセットされることを特徴とするものである。
本発明の第7の手段は、ガス導入、放出用の開口部を有するタンク本体と、そのタンク本体内の収容物を加熱する加熱手段と、前記タンク本体内に収容された石油由来タールまたは石炭由来タールと、前記タンク本体内の温度を保持するための蓄熱材とを備え、前記加熱手段により前記タールを軟化点以上に加熱して高粘度のタールとするとともに、その加熱手段と前記蓄熱材によりタールの高粘度を保持して、その高粘度タールへのガスの吸蔵ならびに放出を行なうことを特徴とするものである。
本発明の第8の手段は、ガス導入、放出用の開口部を有するタンク本体と、そのタンク本体内の収容物を加熱する加熱手段と、前記タンク本体内に収容された石油由来タールまたは石炭由来タールと、前記タンク本体内に収容された粒子状の多孔質物質あるいは繊維状物質を備え、前記加熱手段により前記タールを軟化点以上に加熱して高粘度のタールとするとともに、その高粘度タール中に前記多孔質物質あるいは繊維状物質を混在させた状態で高粘度タールへのガスの吸蔵ならびに放出を行なうことを特徴とするものである。
本発明の第9の手段は、ガス導入、放出用の開口部を有するタンク本体と、そのタンク本体内の収容物を加熱する加熱手段と、前記タンク本体内に収容された石油由来タールまたは石炭由来タールと、前記タンク本体内に収容された多孔質部材を備え、前記加熱手段により前記タールを軟化点以上に加熱して高粘度のタールとするとともに、その高粘度タール中に前記多孔質部材の少なくとも一部を浸漬した状態で高粘度タールへのガスの吸蔵ならびに放出を行なうことを特徴とするものである。
本発明の第10の手段は前記第7の手段ないし第9の手段において、そのガス吸蔵装置を複数個集合した集合体をつくり、その集合体からガスの放出を行なうことを特徴とするものである。
本発明の第11の手段は前記第7の手段ないし第10の手段において、そのガス吸蔵装置が自動車用燃料電池にセットされることを特徴とするものである。
本発明の第12の手段は、ガス導入、放出用の開口部を有するタンク本体内に石油由来タールまたは石炭由来タールを収容する工程と、そのタンク本体内を真空引きしてタンク本体内のガスを吸引除去する工程と、タンク本体内のタールを加熱して高粘度のタールとする工程と、前記開口部からタンク本体内にガスを圧送して高粘度タールと接触させて高粘度タール中にガスを吸蔵する工程とを含むことを特徴とするものである。
本発明の第13の手段は、石油由来タールまたは石炭由来タールから空気(ガス)を抜く工程と、ガス導入、放出用の開口部を有するタンク本体内を真空引きしてタンク本体内のガスを吸引除去する工程と、そのタンク本体内に前記タールを収容する工程と、タンク本体内のタールを加熱して高粘度のタールとする工程と、前記開口部からタンク本体内にガスを圧送して高粘度タールと接触させて高粘度タール中にガスを吸蔵する工程を含むことを特徴とするものである。
本発明の第14の手段は前記第12の手段または第13の手段において、前記タールは加熱溶融と凝固の操作を数回繰り返したタールであることを特徴とするものである。
本発明の第15の手段は前記第12の手段または第13の手段において、前記ガスが水素ガス、前記タールがコールタールピッチであって、前記水素ガスの吸蔵工程時のガス圧が1MPa〜5MPaの範囲に保持されていることを特徴とするものである。
本発明の第16の手段は前記第12の手段または第13の手段において、前記タールに対するガスの吸蔵工程と、その後に吸蔵したガスをタールから放出する放出工程を繰り返して処理した後に、その処理タールに対してガスを吸蔵することを特徴とするものである。
本発明の第17の手段は前記第16の手段において、前記ガスの吸蔵工程時のガス圧が0.1MPa〜5MPaの範囲に保持されていることを特徴とするものである。
本発明の第18の手段は前記第12の手段または第13の手段において、前記タールに粒子状の多孔質物質あるいは繊維状物質を添加して、この混合物を加熱処理した後に、前記多孔質物質あるいは繊維状物質を混在した高粘度タールへのガスの吸蔵ならびに放出を行なうことを特徴とするものである。
本発明の第19の手段は前記第12の手段または第13の手段において、前記高粘度タールに多孔質部材の少なくとも一部を浸漬した状態で高粘度タールへのガスの吸蔵ならびに放出を行なうことを特徴とするものである。
本発明の第20の手段は前記第12の手段ないし第19の手段において、前記ガス吸蔵時のガスよりも低いガス圧でガスをタールから放出することを特徴とするものである。
本発明の第21の手段は前記第12の手段ないし第20の手段において、前記ガス吸蔵時の温度よりも低い温度でガスをタールから放出することを特徴とするものである。
本発明は前述のように、石油由来タールまたは石炭由来タールをガス吸蔵体として使用するものである。これらのタールは、従来の水素吸蔵合金に比べて軽く、しかも単位重量当りのガス吸蔵量が多い。また、ガスを放出する際、常温、常圧のように比較的低温、低圧でのガスの放出が可能であり、さらに水素吸蔵合金に比べて安い。このようなことから軽量で且つ安全で、安価なガス吸蔵体、ガス吸蔵装置およびガス吸蔵方法を提供することができる。
本発明は前述のように、石油由来タールまたは石炭由来タールを加熱して軟化することにより、軟化が比較的初期段階の粘性状態から軟化がある程度進んだ液状態まで間の性状を含む状態(本明細書ではこの状態を高粘度という)にすることができる。このように石油由来タールまたは石炭由来タールを高粘度にすることにより、水素や炭化水素(パラフィン系炭化水素、オレフィン系炭化水素、アセチレン系炭化水素)のガスを加圧して担持させることが容易になる。
狭義のコールタールは高温乾留のタールを指し、芳香族炭化水素が主成分で、他に脂肪族炭化水素、フェノールやクレゾールなどの酸、ピリジンなどの塩基、中性の複素環化合物などを含有している。本発明はこの狭義のコールタールに粗軽油を加えたものを石炭由来タールという。
コールタールは蒸留することにより、ベンゼン類を主成分とする軽油、ナフタレンやフェノール類を主成分とする中油、ナフタレンや吸収油を主成分とする重油、アントラセンやカルバゾールなどを主成分とするアントラセン油、ピレンやクリセンなどを主成分とするピッチに分留できる。本発明の実施形態は、このコールタールピッチを水素吸蔵体として用いる場合を説明する。
元素周期律表の6番目にある4b族元素の炭素は、原子の共有結合の半径が0.0722nmと4b族で一番小さく(例えばケイ素は炭素の約1.5倍の0.117nm)、価電子が4個もあるという特徴から、2重結合、3重結合をしてもまだ他の原子と結合できる余裕があり、軽量で小さな原子である。
また、電気陰性度(原子のもつ電子を引きつける能力の強さ。この値が大きいものほど電子を失い難く、取り込み易いので、マイナスイオンになり易い。逆にこの値が小さいほどプラスイオンになり易い。)は、2.5と中間の値である。つまり炭素は、電子を放すのも取り込むのも、同じ程度のエネルギーでよいという都合の良さがある。
炭素はこのような特徴から、元素周期律表の1番目にある水素とは特に結合し易くかつ分離し易い状態をつくり易いといえる。本発明は、この特性に注目し、最も効率良く水素を担持させることのできる物質として石油由来タールまたは石炭由来タールを選択した。
石油由来タールまたは石炭由来タールの主成分は炭素であり、前述のように炭素は価電子が4個もあるので、これに高効率で水素を結合させることができれば、有効な水素吸蔵体となる。
炭素の電気伝導性については金属やイオンのものとは大きく異なるが、前記タールは適度な電気抵抗を有しているので、加熱対象物質としては非常に都合が良い。つまりタール自体を加熱抵抗体として利用し、タールに通電することにより発熱軟化して、高粘度のタールとすることもできる。
前述した従来技術の水素充填容器の圧力は、気体または液体を充填するため、350気圧(34.5MPa)から700気圧(69MPa)もの圧力が必要であった。そのために爆発などの危険性があったり、特殊なタンク構造にする必要があった。
これに対して本発明では、タールに1気圧(0.1MPa)から10気圧(1MPa)程度の比較的低い加圧で、約300リットルから約3000リットルもの水素が吸蔵可能である。
次に本発明の具体的な実施形態について説明する。
(実施形態1)
本実施形態では、市販のコールタールピッチ(純度99.6wt%)を使用した。コールタールピッチは石炭から各種芳香族化合物などの有用物質を抽出した蒸留残留分であるが、炭素含有率は約85重量%〜92重量%と非常に高い。
アルミニウム製のタンクに固形分のコールタールピッチを投入し、そのタンク内を真空引きしてタンク内にある空気などのガスを吸引除去した後、ヒータで約100℃(373K)に加熱する。この加熱によりコールタールピッチは軟化、液状化して粘性を有する粘液状になる。このコールタールピッチの高粘度状態は、約60℃から100℃の温度範囲程度で保持される。
なお、コールタールピッチを200℃位まで加熱すると粘液状態が失われて固まってしまい、水素ガスは吸蔵されなくなるため、加熱温度はコールタールピッチが高粘度状態を保持できる温度にするようにコントロールされる。
この粘液状コールタールピッチに1MPa(10気圧)に加圧した水素ガスを送り込み、粘液状コールタールピッチ中に水素ガスを吸蔵させる。なお、水素ガスの純度が高い場合はそのままタンクに送り込めばよいが、水素ガス中に例えば窒素など他のガスが含まれている場合は、ガス浄化フィルターを通して、水素ガス以外のガスを除去して水素ガスの純度を高めると吸蔵効率が良い。
図1は粘液状コールタールピッチ(100℃)中への水素ガスの吸蔵量と吸蔵時のガス圧力との関係を示す特性図で、縦軸は水素ガスの吸蔵量、横軸は吸蔵時の圧力を表している。図中の〇印は活性化処理を施さない未活性のコールタールピッチを使用した場合の特性曲線、▲印は初期活性化処理を施したコールタールピッチを使用した場合の特性曲線、●印は十分活性化処理を施したコールタールピッチを使用した場合の特性曲線である。
前記活性化処理は、水素ガスを粘液状コールタールピッチに対して多数回(例えば10回〜1万回、好ましくは30回〜100回程度)出し入れを繰り返す処理のことをいう。また初期活性化処理は、水素ガスを粘液状コールタールピッチに対して数回(例えば1〜9回、好ましくは4回〜9回程度)出し入れを繰り返す処理のことをいう。未活性のコールタールピッチは、このような活性化処理を施さないものをいう。
図1から明らかなように、未活性処理(〇印)のものでも、吸蔵時の水素ガス圧力が0.1MPa(1気圧)で粘液状コールタールピッチ1kg当たり約4リットルの水素ガスを吸蔵することができ、水素ガス圧力を1MPaに高めると前述の0.1MPaの場合よりも7倍多い約28リットルの水素ガスを吸蔵することができる。なお、水素ガス圧力を5MPaに高めても、その割りには水素ガスの吸蔵量は余り増加せず、加圧エネルギーの無駄となる。従って未活性処理のコールタールピッチを使用する場合には、水素ガス圧力は1MPa〜5MPaの範囲が好ましい。
初期活性化処理したコールタールピッチ(▲印)の場合は、吸蔵時の水素ガス圧力が0.1MPa(1気圧)で粘液状コールタールピッチ1kg当たり約28リットルの水素ガスを吸蔵することができ、吸蔵時の水素ガス圧力を1MPaにすると水素ガスの吸蔵量は約300リットルとなり、同じ圧力で未活性処理(〇印)のものよりも約10倍以上の吸蔵量となる。なお、水素ガス圧力を5MPaに高めても、そのわりには水素ガスの吸蔵量は余り増加せず、加圧エネルギーの無駄となる。従って初期活性化処理したコールタールピッチを使用する場合には、水素ガス圧力は0.1MPa〜5MPaの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.3MPa〜1MPaの範囲である。
活性化処理したコールタールピッチ(●印)の場合は、吸蔵時の水素ガス圧力が0.1MPa(1気圧)で粘液状コールタールピッチ1kg当たり約1000リットルを越える水素ガスを吸蔵することができ、吸蔵時の水素ガス圧力を1MPaにすると水素ガスの吸蔵量は約3000リットルと急増し、同じ圧力で未活性処理(〇印)のものよりも100倍以上の吸蔵量となる。なお、水素ガス圧力を5MPaに高めても、そのわりには水素ガスの吸蔵量は余り増加せず、加圧エネルギーの無駄となる。従って活性化処理したコールタールピッチを使用する場合には、水素ガス圧力は0.1MPa〜5MPaの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.2MPa〜1MPaの範囲である。
前述の初期活性化処理あるいは活性化処理で、高粘度コールタールピッチに対する水素ガスの吸蔵と放出の繰り返すことにより、水素ガスに対する炭素の活性化が進み、吸蔵量が増えたものと推測される。
コールタールピッチは、水素吸蔵合金のように水素ガスの吸蔵・放出を繰り返すことにより被毒したり微粉化するような問題がないため、多数回繰り返して使用することが可能で、その性能が劣化せず一定以上の高性能が保持できるという優れた面を有している。
図2は、水素吸蔵カートリッジの断面図である。内側がアルミニウムやステンレス鋼などの金属からなり、外側がセラミック層などの断熱材(蓄熱材)からなるタンク本体1の内側底部にヒータ2が設置されている。タンク本体1の内側空間部にコールタールピッチが入れられ、ヒータ2で100℃前後に加熱されて軟化、液状化されて高粘度コールタールピッチ3となり、その状態が保持されている。
高粘度コールタールピッチ3内にはセラミックボールなどの蓄熱材4が多数個投入されている。この蓄熱材4は、水素吸蔵時におけるヒータ2の消費電力を軽減するとともに、燃料電池のスタート時に加温する場合の急速昇温効果と、その後の保温効果を高めるために用いられている。本実施形態ではタンク本体1内に複数段の多孔質体(例えば金網、パンチングメタル、セラミック板など)が設置され、その上に前記蓄熱材4が載置されている。
タンク本体1の内側で高粘度コールタールピッチ3の上方には、開口部5と連通した空間部6が設けられている。この空間部6は、必要時に即座に使用可能な水素ガスが満たされる空間であると同時に、高粘度コールタールピッチ3の熱膨脹によるタンク本体1の破壊防止のためである。
水素ガスを吸蔵する場合は、前記ヒータ2の加熱でコールタールピッチを高粘度に保持したまま、開口部5から1MPaに加圧された水素ガスを送気することにより、高粘度コールタールピッチ3に約300リットル/kgから約3000リットル/kgの割合で水素ガスを吸蔵することができる。ガス吸蔵時にコールタールピッチを攪拌して(攪拌手段図示せず)、水素ガスとの接触を増やすと吸蔵効率がさらに向上する。
吸蔵後、タンク本体1の開口部5付近に設置されているバルブを完全に締めることにより、タンク本体1内は水素ガス吸蔵時の圧力である1MPaが保持されている。
水素ガスの放出は、通常は常温、0.1MPa(1気圧)下で行なわれる。前述のようにタンク本体1内は1MPaに保たれ、一方、水素ガス供給先(例えば燃料電池)は0.1MPa(1気圧)であるから、両者間の圧力差(1MPa→0.1MPaの圧力変化)により水素ガスはタンク本体1より効率良く放出されて、水素ガス供給先(例えば燃料電池)に導入される。
なお、多量の水素ガスが必要なとき、あるいは寒冷地や冬季などのようにガス放出の効率を高める必要があるときには、例えば2次電池や回生ブレーキの電気エネルギーをハイブリッドで使用して温度を約100℃まで上げたり、あるいは(ならびに)圧力を約3MPa(30気圧)まで上げると良い。
なお、タンク本体1の容積が異なるもの(例えば大、中、小など)を複数種類準備しておき、その中から水素ガスの必要量に応じてタンク本体1を選択することも可能である。
この水素ガス吸蔵カートリッジ7は単品として使用することもできるし、また図3に示すように水素吸蔵カートリッジ7を複数個積層(集合)して1つの水素吸蔵ユニット8として使用することも可能である。図中の9は複数個の水素吸蔵カートリッジ7を連結するための結束バンドなどの連結部材、10は各水素吸蔵カートリッジ7の開口部5付近に設けられたバルブである。バルブ10の開度により水素ガスの吸蔵量あるいは放出量がコントロールされ、バルブ10の閉によって水素ガスの漏洩が防止できる。
図3では水素吸蔵カートリッジ7を複数個積層したが、積層しないで水素吸蔵カートリッジ7を複数個横並びに連結することもできる。図3では水素吸蔵カートリッジ7を連結するために結束バンドなどの連結部材9を別途設けたが、水素吸蔵カートリッジ7自体に連結部材を付設して、その連結部材を用いて水素吸蔵カートリッジ7どうしを互いに連結することも可能である。
図4は、さらにこの水素吸蔵ユニット8を複数個集合してブロック化した状態を示す図である。複数個の水素吸蔵ユニット8はブロック容器11に収容されて、水素吸蔵ブロック12を構成している。水素吸蔵ブロック12内での各水素吸蔵カートリッジ7は、図示していないが配管によって直列あるいは並列に接続されている。
水素吸蔵ユニット8や水素吸蔵ブロック12などの集合体は、一時的に多量の水素ガスを吸蔵したりあるいは放出する場合に対応可能であり、大規模な燃料電池システムに好適である。水素吸蔵カートリッジ7、水素吸蔵ユニット8あるいは水素吸蔵ブロック12が燃料電池にセットされ、放出した水素ガスを利用して発電が行なわれる。
カートリッジ7内で高粘度コールタールピッチ3の活性化処理(水素ガスの吸蔵と放出の繰り返し操作)を行うこともできるが、大きな容量を有するタンク内や他の場所で高粘度コールタールピッチ3の活性化処理を行い、処理済のコールタールピッチ3を所定量抜き出してカートリッジ7に収容することも可能である。
燃料電池としては、例えば白金などの貴金属を含む触媒を担持した炭素電極とフッ素系の高分子電解膜を用いた固体高分子型燃料電池、リン酸を電解質に用いたリン酸型燃料電池、Li−Na/K系炭酸塩を電解質に用いた溶融炭酸塩型燃料電池、ジルコニア系セラミックを電解質に用いた固体酸化物型燃料電池などがある。
本発明の水素吸蔵体と水素吸蔵合金の水素吸蔵量などを比較すれば下記の表2の通りである。
表 2
水素吸蔵体 比 重 水素吸蔵量 平衡解離圧(解離温度)
(リットル/kg) (気圧) (℃)
コールタールピッチ 1.2 3000 1 (25)
La−Ni5 合金 8.3 153 2.5 (80)
Mg2 −Ni合金 3.2 409 3.6(400)
この表2から明らかなように、コールタールピッチは水素吸蔵合金よりも比重が遙かに小さく(約3分の1以下)、一方、水素吸蔵量はLa−Ni5 合金に比べると約20倍、Mg2 −Ni合金に比べると約7.3倍であり、水素吸蔵合金に比べて軽くてしかも単位重量当たりの吸蔵量が多い。また、水素ガスを放出する際、水素吸蔵合金の場合には加圧、加熱が必要であるが、コールタールピッチの場合は常圧、常温での水素ガスの放出が可能である。
図2に示した水素吸蔵カートリッジ7を用いた場合、最初にカートリッジ7の空間部6(容積約20体積%〜30体積%)にすでに溜まっている水素ガスが常圧、常温で放出されて、燃料電池を即座に起動させる。その後は、燃料電池の熱などで水素吸蔵カートリッジ7が加温されて、コールタールピッチ中の水素ガスが効率よく放出される。
本発明の水素吸蔵体と水素を吸蔵した合金(LaNi5 H6 )、水素貯蔵タンク、ガスボンベなどとの水素含有率を比較すれば下記の表3の通りである。
表 3
水素吸蔵体 水素原子数 水素含有率
(個/cm3 ) (wt%)
コールタールピッチ 1.0×1022 27.8
LaNi5 H6 6.2×1023 0.40
150気圧ガスボンベ 0.18×1022 1.17
水素吸蔵合金は、水素原子数で比較できるようにガスボンベに比較して遙かに小さい体積で同程度の水素ガスが吸蔵可能であるが、水素含有率は極めて低い(0.40wt%)。水素吸蔵合金の場合、高圧で合金に押し込まれた水素は放出されるに従って変化する圧力に対してアンバランスな状態となることから、実質的には吸蔵された水素のうちの30%程度しか放出できないのが実態である。
コールタールピッチの水素原子数は正確に算出できないが1.0×1022(個/cm3 )程度であると推定され、一方、水素含有率は実験結果から10気圧以下で27.8(wt%)にすることができた。この水素含有率は、圧力や温度を調整することにより、さらに水素含有率を高めることができる。
次に自動車の走行性能について説明する。
自動車に搭載するタンク重量が1本当たり60kgがひとつの目安になるので、以下それに基づいて比較を行なう。ガソリン車の場合はガソリン1リットル当たり10kmの走行が可能であると仮定すると、ガソリン60リットルでの走行距離は600kmとなる。
[水素吸蔵合金:LaNi5 H6 ]
水素吸蔵合金(LaNi5 H6 )の水素含有率は表3に示したように0.40(wt%)と僅かであるから、1本のタンクに
60(kg タンク重量)×0.40(wt%)=0.240kg
の水素が吸蔵されていることになる。水素ガス1kg当たりの走行距離を100kmと仮定すると、
0.240(kg)×100(km/kg)=24km
程度の走行距離となる。
[高圧水素タンク]
走行性能を上げるために水素ガス充填圧力はより高圧化する傾向にあり、2001年に発表されたホンダ車燃料電池自動車FCX−V4は、350気圧(34.5MPa)高圧水素タンクを2本(合計で156.6リットル)をシャーシーの下部に収納し、1回の充填走行距離は355kmであると公表されている。
[コールタールピッチ]
本発明の場合、余り高圧でないためタンクの素材をアルミニウムにすることが可能でタンク自体が軽量化できるため、タンク重量60kgの90wt%以上をコールタールピッチ充填重量とすることができる。本実施形態ではタンク自体の重量を6kgとして、残りの54kgをコールタールピッチとした。水素の密度は、0.09g/リットルである。
前述のようにコールタールピッチ1kgに対して3000リットルの水素を吸蔵することができるから、前述の54kgのコールタールピッチには、
54(kg)×3000(リットル)×0.09(g/リットル)=15(kg)
となり、タンク1本当たり約15kgの水素が吸蔵できる。水素ガス1kg当たりの走行距離を100kmと仮定すると、
15(kg)×100(km/Kg)=1500km
程度の走行距離となる。
1mol=22.4リットル/H2=2g/H2=0.09g/リットル
以上の結果から、本発明の水素吸蔵体を用いることにより、水素吸蔵合金の約60倍、高圧水素タンクの約5倍、前記ガソリン車の約2.5倍の走行性能を有している。
またコールタールピッチはプラトー特性に支配されないので、コールタールピッチに対する吸蔵と放出を繰り返す毎に水素吸蔵特性が向上するから、コールタールピッチ1kgに対する水素の吸蔵量を3000リットル以上にして、走行性能をさらに向上することが可能である。
(実施形態2)
市販のコールタールピッチ(純度99.6wt%)を用い、ヒータによってコールタールピッチの溶融と凝固の操作を数回(例えば2回〜8回程度)繰り返して、コールタールピッチの全体を均質化する。
30g〜40gの多孔質カーボン粉末を乳鉢で微粉砕し、篩分けにより粒度を揃える。この微粒子化した多孔質カーボンと前述のコールタールピッチを混合し(多孔質カーボンの混合率:20wt%〜50wt%)、アルミニウム箔に包み、真空加熱炉中で、10-1Pa〜10-2Pa、80℃(353K)、1.8ks(30分)間加熱処理した。この加熱処理により多孔質カーボンの微粒子は、コールタールピッチに付着して一体化し、活性化処理である水素の吸脱処理を多数回繰り返してもコールタールピッチに付着しており、このコールタールピッチ−多孔質カーボンの複合体は優れた水素吸蔵機能を有している。
第2実施形態では、水素吸蔵能力を可及的に高めるために微粒子状の多孔質カーボンを使用したが、数十μmから数mmの大きさの多孔質カーボンを用いることができる。また、多孔質カーボンの他にカーボンやセラミックなどの繊維状物質あるいは粒状物質などを用いることも可能である。このような多孔質物質あるいは繊維状物質をコールタールピッチに混合、分散することにより、コールタールピッチの内部あるいは表面において微小な隙間が形成・保持されて、ガス吸蔵能力やガス放出能力をさらに高めることができる。
活性化処理が必要な場合は、このコールタールピッチ−多孔質カーボン一体化処理した後、室温で3MPaの水素ガスを圧送し、100ks接触させ、水素ガスを吸収させる処理を繰り返す。
図5は、測定装置を兼ねたコールタールピッチ活性化処理装置の概略構成図である。この活性化処理装置は、ステンレス鋼(SUS316)製の反応容器21と、恒温水槽22と、水素ガス以外のガスを除去するガスフィルター23と、ガスシリンダー24と、歪ゲージ式圧力変換器(測定レンジ0MPa〜0.2MPaおよび0MPa〜10MPa)25と、水素ガスボンベ26と、圧力計27と、4ウエイ駆動バルブ28と、ベローズバルブ29と、各部材を連結する配管(外径0.6cm、内径0.4cm)30などを備え、図のような連結関係になっている。
図に示すように反応容器21は恒温水槽22内に浸漬されて、±0.5℃の精度で温度を一定に保持している。水素の吸蔵・放出を繰り返して行なうには(活性化処理)、電子式タイマー(図示せず)によって各ベローズバルブ29を駆動して、反応容器21内の水素圧を3MPa(吸蔵時)と0.1MPa(放出時)の間で交互に変化させた。各圧力における保持時間は、それぞれ1ksとした。この保持時間は、水素の吸蔵、放出ともに平衡量の98%を完了するのに充分である。
粘液状コールタールピッチにより水素ガスの吸収速度の測定は、粘液状コールタールピッチを含む測定系を真空排気して酸素や不活性ガスなどを排気してから、所定圧力の水素ガスを測定系に満たして供給バルブを閉じ、その後の測定系内の圧力変化を測定し、それに基づいて水素ガスの吸収量と吸収速度を求めた。
水素ガス吸収の平衡特性は、測定系への水素ガス導入を小刻みに段階的に行ない、それぞれ系の圧力が定常になるのを待って、水素ガス吸収量を決定し、積算吸収量と平衡圧の関係をプロットして等温線を得た。水素ガス放出の平衡特性は、水素ガスを測定系から放出しながら、前記吸収とは逆方向に同様の操作を行なって求めた。
試料(粘液状コールタールピッチ)のBET表面積は、水素を吸蔵した粘液状コールタールピッチが入っている反応容器を100℃に加熱して、真空排気を3ks行なって水素ガスを完全に放出させる。次に反応容器を液体窒素温度に冷却して窒素ガスを導入し、前述の水素ガス吸収の平衡特性を測定する操作と同様の操作によって、窒素ガスの吸着量と平衡圧の関係を求め、BET解析によって試料(粘液状コールタールピッチ)のBET表面積の値を決定した。
(実施形態3)
図6は、水素吸蔵カートリッジの変形例を示す断面図である。同図に示すようにタンク本体1の内側底部にヒータ2が設置され、ヒータ2の上部に垂直方向に伸びて空間部6側に向けて開放したセラミックなどからなる板状あるいは管状などの多孔質部材31が設置され、その多孔質部材31の内側空間部に粘液状コールタールピッチ3が装填されている。
この例では板状あるいは管状の多孔質部材31を示したが、多孔質部材31の形状はどのようなものでもよく、要は多孔質部材31の少なくとも一部が粘液状コールタールピッチ3に浸漬しておればよい。タンク本体1の内面を板状多孔質部材31で内張りしても構わない。
このように多孔質部材31を粘液状コールタールピッチ3に浸漬することにより、粘液状コールタールピッチ3から水素ガスを放出する効率を高めることができる。この多孔質部材31がセラミックから構成されておれば、多孔質部材31は蓄熱材としても機能することができる。
前記実施形態ではコールタールピッチを使用した場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ピッチ以外のコールタール成分をガス吸蔵体として使用することも可能である。
前記実施形態では水素ガスの吸蔵体について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パラフィン系、オレフィン系、アセチレン系などの炭化水素ガスの吸蔵体としても適用可能である。
本発明の実施形態に係る高粘度コールタールピッチ中への水素ガスの吸蔵量と吸蔵時の圧力との関係を示す特性図である。 本発明の実施形態に係る水素吸蔵カートリッジの断面図である。 その水素吸蔵カートリッジを集合した水素吸蔵ユニットの側面図である。 その水素吸蔵ユニットを集合した水素吸蔵ブロックの一部を断面にした側面図である。 本発明の実施形態に係るコールタールピッチ活性化処理装置の概略構成図である。 本発明の水素吸蔵カートリッジ変形例を示す断面図である。
符号の説明
1 タンク本体
2 ヒータ
3 高粘度コールタールピッチ
4 蓄熱材
5 開口部
6 空間部
7 水素吸蔵カートリッジ
8 水素吸蔵ユニット
9 連結部材
10 バルブ
11 ブロック容器
12 水素吸蔵ブロック
21 反応容器
22 恒温水槽
23 ガスフィルター
24 ガスシリンダー
25 圧力変換器
26 水素ガスボンベ
27 圧力計
28 4フェイ駆動バルブ
29 ベローズバルブ
30 配管
31 多孔質部材

Claims (21)

  1. 高粘度の石油由来タールまたは石炭由来タールにガスを吸蔵させることを特徴とするガス吸蔵体。
  2. 請求項1記載のガス吸蔵体において、前記タールがコールタールピッチであることを特徴とするガス吸蔵体。
  3. 請求項1または請求項2記載のガス吸蔵体において、前記タール中に粒子状の多孔質物質または繊維質物質を混在させたことを特徴とするガス吸蔵体。
  4. 請求項1または請求項2記載のガス吸蔵体において、前記タール中に多孔質部材の少なくとも一部が浸漬されていることを特徴とするガス吸蔵体。
  5. 請求項1または請求項2記載のガス吸蔵体において、前記ガスが水素ガスであることを特徴とするガス吸蔵体。
  6. 請求項5項記載のガス吸蔵体において、そのガス吸蔵体が自動車用燃料電池にセットされることを特徴とするガス吸蔵体。
  7. ガス導入、放出用の開口部を有するタンク本体と、そのタンク本体内の収容物を加熱する加熱手段と、前記タンク本体内に収容された石油由来タールまたは石炭由来タールと、前記タンク本体内の温度を保持するための蓄熱材とを備え、前記加熱手段により前記タールを軟化点以上に加熱して高粘度のタールとするとともに、その加熱手段と前記蓄熱材によりタールの高粘度を保持して、その高粘度タールへのガスの吸蔵ならびに放出を行なうことを特徴とするガス吸蔵装置。
  8. ガス導入、放出用の開口部を有するタンク本体と、そのタンク本体内の収容物を加熱する加熱手段と、前記タンク本体内に収容された石油由来タールまたは石炭由来タールと、前記タンク本体内に収容された粒子状の多孔質物質あるいは繊維状物質を備え、前記加熱手段により前記タールを軟化点以上に加熱して高粘度のタールとするとともに、その高粘度タール中に前記多孔質物質あるいは繊維状物質を混在させた状態で高粘度タールへのガスの吸蔵ならびに放出を行なうことを特徴とするガス吸蔵装置。
  9. ガス導入、放出用の開口部を有するタンク本体と、そのタンク本体内の収容物を加熱する加熱手段と、前記タンク本体内に収容された石油由来タールまたは石炭由来タールと、前記タンク本体内に収容された多孔質部材を備え、前記加熱手段により前記タールを軟化点以上に加熱して高粘度のタールとするとともに、その高粘度タール中に前記多孔質部材の少なくとも一部を浸漬した状態で高粘度タールへのガスの吸蔵ならびに放出を行なうことを特徴とするガス吸蔵装置。
  10. 請求項7ないし請求項9のいずれか1項記載のガス吸蔵装置において、そのガス吸蔵装置を複数個集合した集合体をつくり、その集合体からガスの放出を行なうことを特徴とするガス吸蔵装置。
  11. 請求項7ないし請求項10のいずれか1項記載のガス吸蔵装置において、そのガス吸蔵装置が自動車用燃料電池にセットされることを特徴とするガス吸蔵装置。
  12. ガス導入、放出用の開口部を有するタンク本体内に石油由来タールまたは石炭由来タールを収容する工程と、
    そのタンク本体内を真空引きしてタンク本体内のガスを吸引除去する工程と、 タンク本体内のタールを加熱して高粘度のタールとする工程と、 前記開口部からタンク本体内にガスを圧送して高粘度タールと接触させて高粘度タール中にガスを吸蔵する工程とを含むことを特徴とするガス吸蔵方法。
  13. 石油由来タールまたは石炭由来タールから空を抜く工程と、
    ガス導入、放出用の開口部を有するタンク本体内を真空引きしてタンク本体内のガスを吸引除去する工程と、
    そのタンク本体内に前記タールを収容する工程と、
    タンク本体内のタールを加熱して高粘度のタールとする工程と、
    前記開口部からタンク本体内にガスを圧送して高粘度タールと接触させて高粘度タール中にガスを吸蔵する工程とを含むことを特徴とするガス吸蔵方法。
  14. 請求項12または請求項13記載のガス吸蔵方法において、前記タールは加熱溶融と凝固の操作を数回繰り返したタールであることを特徴とするガス吸蔵方法。
  15. 請求項12または請求項13記載のガス吸蔵方法において、前記ガスが水素ガス、前記タールがコールタールピッチであって、
    前記水素ガスの吸蔵工程時のガス圧が0.1MPa〜5MPaの範囲に保持されていることを特徴とするガス吸蔵方法。
  16. 請求項12または請求項13記載のガス吸蔵方法において、前記タールに対するガスの吸蔵工程と、その後に吸蔵したガスをタールから放出する放出工程を繰り返して処理した後に、その処理タールに対してガスを吸蔵することを特徴とするガス吸蔵方法。
  17. 請求項16記載のガス吸蔵方法において、前記ガスの吸蔵工程時のガス圧が0.1MPa〜5MPaの範囲に保持されていることを特徴とするガス吸蔵方法。
  18. 請求項12または請求項13記載のガス吸蔵方法において、前記タールに粒子状の多孔質物質あるいは繊維状物質を添加して、この混合物を加熱処理した後に、前記多孔質物質あるいは繊維状物質を混在した高粘度タールへのガスの吸蔵ならびに放出を行なうことを特徴とするガス吸蔵方法。
  19. 請求項12または請求項13記載のガス吸蔵方法において、前記高粘度タールに多孔質部材の少なくとも一部を浸漬した状態で高粘度タールへのガスの吸蔵ならびに放出を行なうことを特徴とするガス吸蔵方法。
  20. 請求項12ないし請求項19のいずれか1項記載のガス吸蔵方法において、前記ガス吸蔵時のガスよりも低いガス圧でガスをタールから放出することを特徴とするガス吸蔵方法。
  21. 請求項12ないし請求項20のいずれか1項記載のガス吸蔵方法において、前記ガス吸蔵時の温度よりも低い温度でガスをタールから放出することを特徴とするガス吸蔵方法。

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