JP4377828B2 - マイクロ接点開閉器および無線通信機器 - Google Patents

マイクロ接点開閉器および無線通信機器 Download PDF

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Description

本発明は、マイクロ接点開閉器および無線通信機器に関し、半導体の微細加工技術を利用して極微細でメカニカルな機構を実現したマイクロマシン技術分野に属し、詳しくは、基板上に集積回路の一部として組み込み可能で、電気的な接点を開閉するためのマイクロ接点開閉器およびそれを用いた無線通信機器に関する。
従来、マイクロ接点開閉器としては、半導体の微細加工技術を応用するマイクロマシン技術を利用することによって超小型化されたマイクロスイッチがある。このマイクロスイッチは、図11A,図11Bに示すように、単結晶シリコンあるいはGaAsなどからなる基板200上に設けられた絶縁層(図示せず)の上に、固定接点204,205とマイクロ可動部209に設けられた可動接点211,201とを備え、マイクロ可動部209は支持部202に結合し、基板200上に支持されている。可動接点211,201および固定接点204,205は、所定の隙間を設けて対向しており、可動接点211,201が固定接点204,205に接離することにより、電気的な接点の開閉を行なう。
このようなマイクロスイッチのマイクロ可動部209の駆動には、例えば、図11A,図11Bに示すような、静電式アクチュエータ206,210を用いることができる。互いに対向する電極213,207が、それぞれマイクロ可動部209側と基板200側に設けられ、両電極213,207間および電極212,208間に電圧を印加しない場合には、静電引力が発生しないので、固定接点204,205と可動接点211,201は接触しない。一方、電極213,207間に電圧を印加する場合には、静電引力が発生してマイクロ可動部209のアームが動き、固定接点204,205と可動接点211,201が接触する。さらに、この状態から電極207に印加している電圧をオフにすると、変形しているマイクロ可動部209の復元力によって可動接点211,201が固定接点204,205から開離する。このように、静電式アクチュエータ206の電極213,207間および電極212,208間の電圧を制御することにより、容易に接点を接離させることができる。このようなマイクロスイッチは小型であるのみならず、消費電力が小さいという利点がある。
また、図11A,図11Bに示すように、支持部202をはさんで反対側にも同様の接点を備え、2つの接点を切り替えて開閉するマイクロスイッチの場合、マイクロ可動部209は支持部202にねじれ部203を介して結合し、マイクロ可動部209は支持位置で回転するように動作する。このようなねじれ部を支点に有する同様の構成のマイクロスイッチは、特開2003−117896号公報(特許文献1)、特表2003−522379号公報(特許文献2)、米国特許第6511894号(特許文献3)に開示されている。
図11A,図11Bに示す従来の2接点切り替え型のマイクロスイッチでは、例えば静電式アクチュエータ210によりマイクロ可動部209を駆動するとき、発生する静電引力が主としてねじれ部203のねじれによるバネの復元力とつりあってマイクロ可動部209が回転するように移動する。そのため、実用的にチップ上で実現可能な電圧範囲で接点を開閉させるにためは、ねじれ部203の弾性定数をあまり大きく設計できないという制約をうける。従って、可動接点を開離するときの反対側の接点を駆動し接点を開離することができるが、ねじれ部203への負荷を大きくできず、また、ねじれ部の復元力も小さくなるために、通算開閉回数が増加したときに、接点同士が接着してしまい、接点を開離できなくなるという問題があった。
特開2003−117896号公報 特表2003−522379号公報 米国特許第6511894号
そこで、本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決するために成されたものであって、通算開閉回数が増加しても、接点同士が接着して接点が開離できなくなるのを防止できると共に、基板上に集積回路の一部として組み込みできるマイクロ接点開閉器およびそれを用いた無線通信機器を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明のマイクロ接点開閉器は、
基板と、
前記基板上に配置され、中央部とその中央部から両側に延びる梁部とを有するマイクロ可動部と、
前記マイクロ可動部の前記梁部の前記基板に対向する側に形成された可動接点と、
前記基板上の前記可動接点に対向する位置に形成された固定接点と、
前記固定接点に対して前記可動接点を接触または開離させるように前記マイクロ可動部を駆動する駆動機構と、
少なくとも前記固定接点と前記可動接点と前記マイクロ可動部を前記基板上に封止する封止構造と
を備え、
前記マイクロ可動部は、前記基板側または前記封止構造側の少なくとも一方に前記中央部で傾動自在に支持され、
前記駆動機構は、前記マイクロ可動部の一方の梁部側とその梁部に対向する前記基板側に配置されると共に、前記マイクロ可動部の他方の梁部側とその梁部に対向する前記基板側に配置され、
前記マイクロ可動部が一方の梁部側に傾動するときに支点となる支持端部と前記マイクロ可動部が他方の梁部側に傾動するときに支点となる支持端部とを、前記マイクロ可動部の梁部が延びる方向に間隔をあけて、前記基板側または前記封止構造側の少なくとも一方に設けるか、または、前記マイクロ可動部に設けて、
前記駆動機構により前記マイクロ可動部を駆動することによって前記固定接点に前記可動接点を接触させるとき、前記マイクロ可動部の動きに合わせて、前記マイクロ可動部を支持する前記基板側または前記封止構造側の少なくとも一方の支点が変位するようにしたことを特徴とする。
このマイクロ接点開閉器によれば、基板上に集積回路の一部として組み込み可能で、通算開閉回数が増加したときに、接点同士が接着し、接点を開離できなくなるという問題が発生しにくくなり、長期使用が実現できる。さらに、マイクロ接点開閉器を封止構造により基板上に封止することによって、耐環境性が向上し、長期にわたって高い信頼性を得ることができる。なお、前記マイクロ可動部を支持する基板側または封止構造側の少なくとも一方とマイクロ可動部が別体でなく、支持部とマイクロ可動部が軟質金属などで連結されていてもよい。また、前記マイクロ可動部を駆動する駆動機構は、静電式アクチュエータ、圧電式アクチュエータ、熱式アクチュエータまたは磁気式アクチュエータのいずれかが用いられるのが望ましい。
また、従来のねじれ部で支持する構造に比べ、低電圧でマイクロ可動部を駆動することができる。
また、一実施形態のマイクロ接点開閉器は、前記マイクロ可動部を支持する前記基板または前記封止構造の少なくとも一方に対して、前記マイクロ可動部が前記基板表面に平行な方向に係合していることを特徴とする。
このマイクロ接点開閉器によれば、前記弾性変形部が基板表面に対する垂直方向に比べて平行な方向には変位しにくくなり、接点接触時にマイクロ可動部の駆動機構の駆動力を効率よく可動接点と固定接点の押し付けに使うことができ、動作電圧を低電圧化ができる。
また、一実施形態のマイクロ接点開閉器は、前記マイクロ可動部を支持する前記基板または前記封止構造の少なくとも一方の支点の位置と前記マイクロ可動部との間に隙間が設けられていることを特徴とする。
このマイクロ接点開閉器によれば、マイクロ可動部を支持する基板または封止構造の少なくとも一方の支点の位置とマイクロ可動部との間に隙間を設けることによって、マイクロ可動部の駆動時にマイクロ可動部の変形を少なくし、マイクロ可動部自体を撓ませることなく低電圧で駆動することができ、さらに、接点を押し付けるときにも、マイクロ可動部自体を撓ませる量が少なくてすむために低電圧で駆動することができる。
また、一実施形態のマイクロ接点開閉器は、前記マイクロ可動部の動きに合わせて、前記マイクロ可動部を支持する前記基板側または前記封止構造側の少なくとも一方の支点が変位するように弾性変形する弾性変形部を、前記基板側,前記マイクロ可動部または前記封止構造側の少なくとも一方に設けたことを特徴とする。
このマイクロ接点開閉器によれば、接点接触動作のときにマイクロ可動部の動きに合わせて支持部の支点が変位するように弾性変形部が弾性変形することにより、マイクロ可動部を支持する箇所にかかる負荷を低減でき、長期使用が実現できる。
また、一実施形態のマイクロ接点開閉器は、前記封止構造は、複数のマイクロセルを用いて形成されていることを特徴とする。ここで、「マイクロセル」とは、壁で囲まれた所定の幅と高さを有する中空セルまたは非中空セルのことである。
このマイクロ接点開閉器によれば、封止構造が複数のマイクロセルを用いて形成されているので、撓みや応力の集中を分散し、薄膜で基板上への封止が可能となる。
また、一実施形態のマイクロ接点開閉器は、前記マイクロ可動部または前記封止構造の少なくとも一方が、高融点金属材料の窒化物を含むことを特徴とする。
このマイクロ接点開閉器によれば、シリコン基板上にCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor:コンプリメンタリ・メタル・オキサイド・セミコンダクタ)プロセスで作製したLSI(Large Scale Integrated circuit:大規模集積回路)上のみならず、ガラス基板や樹脂基板などにCu配線や低誘電率の有機絶縁膜などの耐熱性の低いプロセスを経た基板上にも封止構造の形成が可能になる。
また、一実施形態のマイクロ接点開閉器は、前記マイクロ可動部または前記封止構造の少なくとも一方が、前記高融点金属材料の窒化物の層と金属の層を含むの2つ以上の層で形成されていることを特徴とする。
このマイクロ接点開閉器によれば、マイクロ可動部および封止構造を、高融点金属材料の窒化物の層と金属の層を含む2つ以上の層で形成することによって、マイクロセルおよびマイクロ可動部の電位の制御性が向上し、マイクロセル構造の一部を配線や、貫通電極として用いることができ、配線スペースの削減やプロセスの簡略化,低コスト化が可能となる。
また、一実施形態のマイクロ接点開閉器は、半導体製造プロセスを用いて作成されていることが望ましい。
また、本発明の無線通信機器は、
送信部と、
受信部と、
前記送信部からの送信信号を電波として送信すると共に前記受信部への受信信号を電波として受信するためのアンテナと
を備え、
前記アンテナと前記送信部とを前記マイクロ接点開閉器を介して接続すると共に、前記アンテナと前記受信部とを前記マイクロ接点開閉器を介して接続することを特徴とする。
この無線通信機器によれば、送受切り替えのときに、マイクロ接点開閉器の接点が接着しにくく、接点の劣化が少ない信頼性の高い無線通信機器が得られる。
また、本発明の無線通信機器は、
送信部と、
受信部と、
前記送信部からの送信信号を電波として送信すると共に前記受信部への受信信号を電波として受信するための複数アンテナと
を備え、
前記複数のアンテナと前記受信部を前記マイクロ接点開閉器を介して夫々接続し、前記マイクロ接点開閉器のいずれか1つを閉じて前記複数のアンテナのうちの1つと前記受信部を接続することを特徴とする。
この無線通信機器によれば、受信状態に応じてアンテナを切り替えるときに、マイクロ接点開閉器の接点が接着しにくく、接点の劣化が少ない信頼性の高い無線通信機器が得られる。
以上より明らかなように、本発明のマイクロ接点開閉器によれば、通算開閉回数が増加しても、接点同士が接着して接点が開離できなくなるのを防止できると共に、基板上に集積回路の一部として組み込みが可能なマイクロ接点開閉器を実現することができる。
また、本発明の無線通信機器によれば、受信状態のよいアンテナを選択するためのアンテナの切り替えや、アンテナとの接続を受信部か送信部のいずれかに切り替えるために本発明のマイクロ接点開閉器を用いることで、アンテナ切り替えや送受信の切り替え時に接点が接着しにくく、接点の劣化が少ない信頼性の高い無線通信機器を実現することができる。
以下、本発明のマイクロ接点開閉器および無線通信機器を図示の実施の形態により詳細に説明する。
以下に本発明の好適な実施形態について添付の図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1Aは、本発明の第1の実施形態のマイクロ接点開閉器の構成を示す垂直断面図である。
この第1の実施形態のマイクロ接点開閉器は、図1Aに示すように、基板10と、この基板10上に形成された固定接点26a,26bと、固定接点26a,26bから離れた位置に形成されたそれぞれの可動接点27a,27bと、可動接点27aと固定接点26aおよび可動接点27bと固定接点26bを交互に接触または開離させることができるマイクロ可動部20と、基板10上に固定され、マイクロ可動部20の中央部分を傾動自在に支持する支持構造17と、マイクロ可動部20を夫々駆動する駆動機構25a,25bと、固定接点26a,26bと可動接点27a,27bとマイクロ可動部20などを封止する封止構造9を備えている。この第1の実施形態では、駆動機構25aに、上部電極24cと下部電極14aで構成された静電式アクチュエータを用い、駆動機構25bに、上部電極24dと下部電極14bで構成された静電式アクチュエータを用いている。前記マイクロ可動部20は、基板10と封止構造9により形成されたキャビティ29内に封止されている。
ここで、基板10にはシリコン基板が用いられているが、本発明のマイクロ接点開閉器は、基板材料に本質的に依存するものではなく、GaAs基板などの他の半導体基板、あるいは、アルミナなどのセラミック基板およびガラスエポキシ樹脂などの絶縁材料からなる基板が選択されてもよい。
また、この第1の実施形態では、基板10には固定接点26a,26bなどの導電性の電極や配線パターンが形成されているが、各電極や配線類が短絡しないように絶縁層11が形成されている。ここでは、シリコン基板を用いているが、基板に絶縁材料を用いる場合には絶縁層11を省くこともできる。
図2は図1AのII−II線から見た水平断面を示しており、図2に示すように、支持構造17を、マイクロ可動部20に形成された窓20a,20bに通している。前記支持構造17は、その支持構造17に対向する封止構造9の略中央に設けられた凸部9a(図1Aに示す)と接続されている。
ここで、この第1の実施形態のマイクロ接点開閉器の動作について、可動接点26aと固定接点27aの開閉を例に説明する。図1Aに示す初期状態では、下部電極24aおよび下部電極24bには電圧が印加されておらず、駆動機構25aおよび駆動機構25bは非駆動状態にある。この状態では、図1Aに示すように、マイクロ可動部20は、基板10上に形成された支持構造17の支持端部18a,18bで支えられ、基板10表面に対してほぼ平行に保たれ、両接点ともに接触していない状態にある。この支持端部18a,18bがマイクロ可動部20を支持するための2つの支点となる。ここで、基板10上に形成された支持構造17は、封止構造9を支える支柱としての役割も果たしている。
前記マイクロ可動部20は、基板10側にも封止構造9側にも固定されていないが、封止構造9にも支持端部19a,19bが形成されており、基板10が上下反転して設置された場合においてもマイクロ可動部20を封止構造9側で支持できるようになっている。
これにより、図1Bおよび図1Cに示すように、マイクロ可動部が基板の上下どちらの向きにあっても、下部電極24aに電圧を印加することによって、駆動機構25aによりマイクロ可動部20を駆動すると、上部電極24cが静電引力で引き付けられて、可動接点27aと固定接点26aを接触させることができる(可動接点27bと固定接点26bも同様)。
このとき、マイクロ可動部20は、基板10側の支持構造17と封止構造9側の凸部9aによって傾動自在に支持され、基板10側にも封止構造9側にも固定されていないために、図11A,図11Bに示す従来のねじれ部で支持する構造に比べ、低電圧でマイクロ可動部を駆動することができる。
また、接点を押し付けるときには、マイクロ可動部20自体を撓ませることによって、可動接点27a,27bが固定接点26a,26bに押し付けられるので、図11A,図11Bに示す従来のねじれ部に比べ大きな復元力を得やすい。そして、可動接点27a,27bと固定接点26a,26bが接触してからマイクロ可動部20を撓ませればよいため、マイクロ可動部20自体を撓ませる量は少なく、低駆動力で十分な接触圧力を得ることができる。この第1の実施形態では静電式アクチュエータを用いているが、下部電極24a,24bと上部電極24c,24dが十分接近した状態からマイクロ可動部20を撓ませるために低電圧で駆動可能となる。
また、接点を開離させるときは、反対側の接点を接触させるように、反対側の駆動機構を動作させることにより容易に駆動力を得ることができるが、マイクロ可動部20が固定されていないため、図11A,図11Bに示す従来のねじれ部を備えたものと比べて低電圧で駆動できる。
これにより、図11A,図11Bに示す従来技術よりも、接点開離のための復元力を弱めることなく低電圧で駆動することができ、接点が接着して開離できなくなることを抑制して、接点の開閉操作が長期の繰り返しできるマイクロ接点開閉器を実現することができる。
この第1の実施形態では、マイクロ可動部20は、基板10側および封止構造9のいずれにも固定されていないが、必ずしも非固定に限るものではない。図11A,図11Bに示すねじれ部でマイクロ可動部20と支持構造17に結合させても本発明を実施することできる。本発明のマイクロ接点開閉器では、接点開離に必要な復元力にマイクロ可動部20の反発力を利用するために、図11A,図11Bのねじれ部に比べ、変形部分の弾性係数を十分小さくすることができ、従来例よりも十分低電圧で駆動させることが可能となる。しかし、この第1の実施形態では、マイクロ可動部20がねじれ部で結合されておらず非固定のため、より低電圧で駆動することが可能となっている。
さらに、この第1の実施形態では、図1Bに示すように、接点を接触させるときに基板10側に接触する中間支点23a,23bがマイクロ可動部20に形成されている。これにより、接点を接触させるときに、中間支点23a,23bが基板10側に接触し、支持構造17の支持端部18a,18bに代わってマイクロ可動部20の支点となって接点が押し付けられるようになり、支持構造17の支持端部18a,18b付近に大きな負荷をかけずに強い押し付け力を得ることができる。
さらに、この第1の実施形態では、図1に示すように、マイクロ可動部20は、マイクロ可動部20に形成されたストッパー21a,21bによって、マイクロ可動部20が基板10表面に平行な平行に係合し、基板10側および封止構造9側のいずれの位置に支持される場合においても、支持位置が、基板10の水平方向にほとんど変位しないようになっている。これにより、基板が斜めや垂直方向に配置された場合においても、接点の開閉操作を行うことができる。
また、ストッパー21a,21bにより、固定接点26a,26bとマイクロ可動部20の支持位置との距離がほとんど変位しないように、基板10または封止構造に対してマイクロ可動部20が基板10表面に平行な方向に係合している。これにより、駆動機構25a,25bの駆動力を効率よく可動接点27a,27bと固定接点26a,26bの押し付けに使うことができる。
この第1の実施形態では、マイクロ可動部20が非固定であるために、マイクロ可動部20と支持構造17の支持端部18a,18bとの間に摺動が発生する場合がある。しかしながら、マイクロ可動部20の中間支点23a,23bを使って接点を押し付けるときに中間支点23a,23bから端部22a,22bまでの弾性構造が復元力となって働くこと、また、接点開離あるいは反対側への接点切り替え操作のときにマイクロ可動部20の支持位置が支持端部18aから支持端部18bが変更されることによっても、接点の接着が抑制される。
さらに、この第1の実施形態では、基板10側の支持端部18a,18bおよび封止構造9側の支持端部19a,19bとマイクロ可動部20との間に隙間が設けられ、マイクロ可動部20の駆動時にマイクロ可動部20の変形を少なくする。例えば、図1Bおよび図1Cに示すように、駆動機構25aを駆動して、可動接点27aと固定接点26aが接触させるときに、基板10側の支持端部18bおよび封止構造9側の支持端部19aは、マイクロ可動部20との間に隙間が形成されているため、マイクロ可動部20自体を撓ませることなく低電圧で駆動することができ、さらに、接点を押し付けるときにも、マイクロ可動部20自体を撓ませる量が少なくて済むために低電圧で駆動することが可能となる。
さらに、図1に示すマイクロ接点開閉器は、両側の接点を切り替える操作のみでなく、両側の駆動機構25a,25bを同時に駆動することで、両側の接点を同時に接触させることができる。従来の図11A,図11Bに示す接点開閉器で両側を同時に駆動するとねじれ部に大きな負荷がかかるために強い接点圧を得ることが難しいのに対して、本発明のマイクロ接点開閉器では、マイクロ可動部20自体を撓ませるため、弾性変形しにくい支持構造17を破損させることなく、両接点を同時に十分な接点圧力で接触させることができる。
さらに以上に述べた第1の実施形態では、マイクロ可動部20の駆動機構25a,25bに静電式アクチュエータを用いたが、これは駆動方法を特定するものではなく、特開2003−117896号公報(特許文献1)に記載されているような磁気式アクチュエータであってもよい。同様に、マイクロ可動部の駆動機構は、圧電式アクチュエータ、熱式アクチュエータによっても実現可能である。
さらに、この第1の実施形態では、図1Aおよび図2に示すように、封止構造9は、壁13で囲まれた複数のマイクロセル12および複数のマイクロセル14が、一層構造および多層構造で互いに隣接して基板10上に形成されている。このマイクロセル12,14は、所定の範囲内の幅および高さを有する直方体形状をしている。このようなマイクロセル12,14で構成された封止構造9の内部にマイクロ可動部20が組み込まれている。マイクロセル12は、内部の犠牲層がすべて壁で囲まれており、内部に犠牲層が残っている非中空セルで、マイクロセル14は、内部の犠牲層が貫通孔を通して除去された中空セルとなっている。
次に、マイクロセルサイズの所定の範囲について説明する。この第1の実施形態では、マイクロセルの壁の厚さは数ミクロンから数10ミクロンに設定される。好ましくは、壁の高さは、壁の強度を考慮して、ほぼ壁の厚さと等しくなるように設定してある。
従来、基板上にマイクロ可動部を封止する方法として、例えば、米国特許第6696645号および米国特許第5589082号に記載されている。特に低コストでコンパクトにマイクロ可動部を封止するためには、米国特許第6696645号に記載されているように基板を貼り合わせて封止する方法よりも米国特許第5589082号に記載されているように薄膜で封止するほうが好ましいが、封止したときの圧力差による撓みや、撓みによって発生する応力によって封止の信頼性が低下するため、封止膜の膜厚を薄くすることが難しい。
しかし、本発明のマイクロ接点開閉器では、マイクロセルの組み合わせによる封止構造になっているので、撓みや応力の集中を分散し、数ミクロン程度の薄膜で信頼性の高い封止が可能となる。マイクロセルは細かく分割できるほど封止膜の撓みを抑え、応力を軽減することができるが、ここでは、マイクロセルの幅は、好ましくは、壁の厚さの3〜5倍程度、10ミクロン以下で設計している。マイクロセルの長さについては、マイクロセルの幅を所定の範囲内に設定しておけば、数100ミクロンでも可能である。
また、マイクロセルの壁には、マイクロ接点開閉器の形成に通常のLSIプロセスよりも厚い膜を使用するが、基板上にマイクロセル構造で敷き詰めることで、不均一な応力の発生や応力の局所集中を防ぎ、封止の信頼性・耐久性を高めることができる。また、マイクロセルを敷き詰めた層は、基板上に段差をほとんど発生させないので、平坦性を維持しながら、マイクロ可動部と封止構造を形成できる。ここでは、平面形状が長方形のマイクロセルを用いているが、マイクロセルの平面形状はこれに限るものでなく、正六角形のような多角形であっても良い。マイクロセル12および14のように非中空セルと中空セルを組み合わせて配置することにより、応力の集中をより効果的に分散することができる。
さらに、最上層のマイクロセルの天井部15にはマイクロセル内部の犠牲膜を除去するための排出口が多数設けられており、従来例の封止構造のように周辺のみから除去されるのではなく、この第1の実施形態によれば、封止構造の上部から、しかも多数の排出口が確保されるため、封止構造の外へ犠牲膜を排出する効率が向上する。通常、MEMS(Micro Electro Mechanical System;微小電気機械システム)を利用したマイクロ可動部は、数10から数100ミクロンのサイズになるため、横方向に犠牲膜を除去しようとすると非常に効率が悪いが、基板に対して垂直方向のサイズはせいぜい10ミクロン程度なので、天井部に多数の排出口を確保すれば、貫通孔28を通して効率よく犠牲膜を排出することができる。
次に、図3(a)〜(d),図4(a)〜(c),図5(a),(b)および図6に従って、本発明のマイクロ接点開閉器の製造方法の一例について説明する。
まず、図3(a)に示すように、シリコン基板30に絶縁層としてシリコン窒化膜31を堆積する。
次に、図3(b)に示すように、この絶縁層31上にフォトリソグラフィー法とドライエッチングあるいはリフトオフ法によって導電性材料の配線パターン32を形成する。この第1の実施形態では、導電性材料に金合金を用いている。
次に、図3(c)に示すように、犠牲層としてシリコン酸化膜33を堆積し、マイクロ接点開閉器の支持構造と封止構造の1層目のマイクロセルを形成するためのパターンを形成する。
次に、図3(d)に示すように、窒化タングステン膜からなる導電層34を堆積し、マイクロ接点開閉器の支持構造と封止構造の1層目のマイクロセルのパターンを形成する。
次に、図4(a),(b)に示すように、同様に2層目の犠牲層35および導電層36を堆積し、マイクロ可動部と支持構造および封止構造の2層目のマイクロセルを形成する。
次に、図4(c)に示すように、3層目の犠牲層38および導電層39を形成する。ここでは、あらかじめ薄いシリコン酸化膜をマイクロ可動部上に堆積し、封止構造の支持端部40がマイクロ可動部と結合しないようにしておく必要がある。
次に、図5(a)に示すように、最上層となる4層目の犠牲層41と導電層42を形成する。
次に、図5(b)に示すように、排出孔43からマイクロ可動部44や支持構造46のまわりの犠牲膜を除去する。このとき、マイクロ可動部44は基板30側および封止構造側のいずれにも固定されていないが、基板側の支持端部45a,45bおよび封止構造側の支持端部47a,47b、並びにマイクロ可動部に形成されたストッパー48によって位置を拘束されるため、犠牲膜除去後においてもマイクロ可動部44は指定の位置に支持される。
最後に、図6に示すように、チタンと窒化チタンからなる封止膜51を堆積し、封止構造50によりマイクロ可動部44を封止するキャビティ49を形成され、本発明の基板上にマイクロ可動部44が封止されたマイクロ接点開閉器が形成される。
このように、本発明のマイクロ接点開閉器は、通常の半導体プロセス設備で十分製造可能であり、容易に低コストで形成することができる。
この第1の実施形態では、導電性材料に窒化タングステン膜からなる材料を用いている。もちろん本発明のマイクロ接点開閉器の導電性材料はこれに限るものではなく、ポリシリコン膜やSiGe膜などでも実施可能であるが、窒化タングステンは、反応性スパッタ法で室温程度の低温で形成することができる。例えば、スパッタ圧力2.3Pa、RFパワー300W、Arガス流量33.6sccm、N2ガス流量8.4sccm、基板温度25℃の条件で形成する。これにより、LPCVD(低圧化学気相成長)法を用いるシリコン膜や窒化シリコン膜のようにプロセス温度が高温でなく、シリコン基板上にCMOSプロセスで作製したLSI上のみならず、ガラス基板や樹脂基板などにCu配線や低誘電率の有機絶縁膜などの耐熱性の低いプロセスを経た基板上にもマイクロセルによる封止が可能になる。
さらに、図3(a)〜(d),図4(a)〜(c),図5(a),(b)および図6に示したように、マイクロセルと同時にマイクロ可動部を同じ窒化タングステンを用いて形成すれば、マイクロ可動部の形成とマイクロセルによる封止を平行して行い、シリコン基板上にCMOSプロセスで作製したLSI上のみならず、ガラス基板や樹脂基板などにCu配線や低誘電率の有機絶縁膜など耐熱性の低いプロセスを経た基板上にマイクロセルで封止したマイクロ可動部の形成が可能となる。
例えば、タングステン材料のみのように金属材料単体を用いた場合、成長方向に配向する結晶構造の影響や膜厚の増加に伴う粒成長を制御することが困難である。このため、堆積時に内部応力が蓄積したり、堆積中あるいは堆積後に膜はがれ等の破壊が起きたり、また、応力等の負荷がかかったときにクラッキングなど欠陥が発生し、変形や破壊が起きたりすることで、マイクロセルやマイクロ可動部の構造の信頼性や耐久性を確保することが困難となる。
また、シリコン膜の場合、堆積後に1000℃前後の高温で1時間程度アニールすれば内部残留応力を緩和することができるが、タングステンなどの金属薄膜の場合、高温処理による再結晶化で内部応力を緩和しようとすると、凝集やファセッティングなどの形状の変化を伴ってしまうことが多く、問題となる。
しかし、窒素と反応させた窒化タングステン膜の場合、N2分圧やスパッタ圧力などによって室温程度の低温で容易に膜組成や膜質を変えて堆積させることができる。例えば、スパッタ圧力1.5Paから3Pa程度まで変えることにより膜中の残留応力を引張応力から圧縮応力まで変化させることができる。このため、膜の堆積過程で、内部応力や組成の異なる層を、連続的、あるいは断続的に成長させることが可能になり、堆積中の内部応力ならびに堆積後の残留応力を殆どなくすことができる。また、成長方向に異なる組成や粒状態の膜を積層することが可能となるため、堆積時の応力による破壊をなくし、製造後に外部から応力等が加えられて欠陥が発生しても、欠陥が容易に膜を貫きにくくなり、クラッキングなどによる変形や破壊に対する耐性を高めることができる。
内部応力や組成を制御した窒化タングステンの好適な堆積膜は、例えば、最初にスパッタ圧力2.0Pa、RFパワー300W、Arガス流量33.6sccm、N2ガス流量8.4sccm、基板温度25℃で0.5μm堆積し、次いでスパッタ圧力を2.4Paに変えて1.2μm堆積し、最後にスパッタ圧力を2.0Paに戻して0.3μm堆積することによって得られる。
さらに好適には、下層のマイクロセルやマイクロ可動部に、内部にタングステン層を含んだ窒化タングステン層を用いることもできる。この内部にタングステン層を含んだ窒化タングステン層は、最初にスパッタ圧力2.3Pa、RFパワー300W、Arガス流量33.6sccm、N2ガス流量8.4sccm、基板温度25℃で窒化タングステン層を1.2μm堆積し、次いでN2ガス流量を0sccmにしてArガス流量を42sccmに変えて窒素を殆ど含有しないタングステン層を0.5μm堆積し、最後にArガス流量を33.6sccmおよびN2ガス流量を8.4sccmに戻し、スパッタ圧力を2.0Paにして窒化タングステン層を0.3μm堆積することによって形成する。これによって、残留応力を小さくして抑制ながら、かつ実効的な電気抵抗の低い膜を得ることができ、マイクロセルおよびマイクロ可動部の電位の制御性が向上し、マイクロセル構造の一部を配線や貫通電極として用いることができ、配線スペースの削減やプロセスの簡略化と低コスト化が可能となる。
ここではタングステンを窒素と反応させたが、この効果はこれに限るものではなく、炭素や酸素と反応させるによっても達成可能である。また、タングステンのみでなく、タンタル,モリブデン,チタン,ニッケル,アルミニウムなどの他の金属を適用しても同様の効果が期待できるが、高ヤング率が得られるタングステン,タンタル,モリブデン,チタンなどの高融点金属が好ましい。窒化タングステンの場合、押し込み式の薄膜試験装置で計測したところ、窒素の含有率を0%から60%程度まで増やすことによりヤング率は360GPaから250GPa程度まで変化するが、ポリシリコンやSiGe膜よりも高いヤング率が得られる。
本発明のマイクロ接点開閉器の基板側および封止構造側の支持端部並びにストッパーの構成は、前記第1の実施形態のマイクロ接点開閉器に限るものではない。
(第2の実施形態)
図7Aは本発明の第2の実施形態のマイクロ接点開閉器の構成を示す垂直断面図である。この第2の実施形態のマイクロ接点開閉器は、支持端部やストッパーの構成を除いて第1の実施形態のマイクロ接点開閉器と同様の構成をしている。ここでは、封止構造についてはマイクロ可動部の上層側のみ異なり、マイクロ可動部の周辺については第1の実施形態のマイクロ接点開閉器と同様のために省略している。
この第2の実施形態のマイクロ接点開閉器は、図7Aに示すように、基板60と、この基板60上に形成された固定接点とその固定接点から離れた位置に形成されたそれぞれの可動接点とからなる接点67a,67bと、接点67a,67bを交互に接触または開離させることができるマイクロ可動部63と、基板60上に固定され、マイクロ可動部63の中央下側に形成された支持部64と、マイクロ可動部20を夫々駆動する駆動機構66a,66bと、接点67a,67bとマイクロ可動部20などを封止する封止構造8を備えている。この第2の実施形態では、駆動機構66a,66bに、上部電極と下部電極で構成された静電式アクチュエータを用いている。前記マイクロ可動部63は、基板60と封止構造8により形成されたキャビティ内に封止されている。また、支持部64の両側に、封止構造8を支える4つの支柱61a,61b(図7Aでは2つのみを示す)を形成し、その4つの支柱61a,61bにストッパー65a,65b(図7Aでは2つのみを示す)を夫々形成している。
図7Dは図7AのVIID−VIID線から見た水平断面を示しており、図7Dに示すように、支柱61a〜61dを、マイクロ可動部63に形成された4つの窓63aに通している。前記支柱61a〜61dは、その支柱61a〜61dに対向する封止構造8に設けられた4つの凸部8a(図7Aでは2つのみを示す)と接続されている。ここで、基板10上に形成された支柱61a〜61dは、封止構造8を支える役割も果たしている。図7Aはこの図7DのVIIA−VIIA線から見た垂直断面を示している。
ここで、この第2の実施形態のマイクロ接点開閉器の動作について説明する。図7Aに示す初期状態では、駆動機構66a,66bの下部電極および下部電極には電圧が印加されておらず、駆動機構66a,66bは非駆動状態にある。この状態では、図7Aに示すように、マイクロ可動部63は、基板60上に形成された支持部64の支持端部68a,68bで支えられ、基板60表面に対してほぼ平行に保たれ、両接点67a,67bともに接触していない状態にある。この支持端部68a,68bがマイクロ可動部63を支持するための2つの支点となる。
前記マイクロ可動部63は、基板60側にも封止構造8側にも固定されていないが、封止構造8にも支持端部62a,62bが形成されており、基板60が上下反転して設置された場合においてもマイクロ可動部63を封止構造8側で支持できるようになっている。
これにより、図7Bおよび図7Cに示すように、マイクロ可動部が基板の上下どちらの向きにあっても、駆動機構66aの下部電極に電圧を印加することによってマイクロ可動部63を駆動すると、駆動機構66aの下部電極に上部電極が静電引力で引き付けられて、接点67aを接触させることができる(接点67bも同様)。
このとき、マイクロ可動部63は、基板60側にも封止構造8側にも固定されていないために、図11A,図11Bに示す従来のねじれ部で支持する構造に比べ、低電圧でマイクロ可動部を駆動することができる。
また、接点67a,67bを押し付けるときには、マイクロ可動部63自体を撓ませることによって、接点67a,67bの可動接点が固定接点に押し付けられるので、図11A,図11Bに示す従来のねじれ部に比べ大きな復元力を得やすい。そして、接点67a,67bが接触してからマイクロ可動部63を撓ませればよいため、マイクロ可動部63自体を撓ませる量は少なく、低駆動力で十分な接触圧力を得ることができる。この第2の実施形態では静電式アクチュエータを用いているが、駆動機構66a,66bの下部電極と上部電極が十分接近した状態からマイクロ可動部63を撓ませるために低電圧で駆動可能となる。
また、接点67a,67bを開離させるときは、反対側の接点を接触させるように、反対側の駆動機構66a,66bを動作させることにより容易に駆動力を得ることができるが、マイクロ可動部63が固定されていないため、図11A,図11Bに示す従来のねじれ部を備えたものと比べて低電圧で駆動できる。
この第2の実施形態のマイクロ接点開閉器において、図7Aに示すように、封止構造8側の支持端部62a,62bは、第1の実施形態のごとく封止構造8に形成されているが、基板60側の支持端部68a,68bは、マイクロ可動部63の支持部64に設けられている。このような支持形態においても第1の実施形態と同様の効果が得られる。
この第2の実施形態では、マイクロ可動部63の中央に支持端部68a,68bを備えた支持部64にマイクロ可動部63の加重を集中させることができ、第1の実施形態に比べてマイクロ可動部63の慣性モーメントを小さくすることができ、マイクロ可動部63の駆動性を高めることができる。これにより、より高速の接点開閉操作が可能となる。
(第3の実施形態)
図8Aは本発明の第3の実施形態のマイクロ接点開閉器の構成を示す垂直断面図である。ここでも、封止構造についてはマイクロ可動部の上層側のみ異なり、マイクロ可動部の周辺については第1の実施形態のマイクロ接点開閉器と同様のために省略している。
この第3の実施形態のマイクロ接点開閉器は、図8Aに示すように、基板70と、この基板70上に形成された固定接点とその固定接点から離れた位置に形成された可動接点とからなる接点80a,80bと、接点80a,80bを交互に接触または開離させることができるマイクロ可動部73と、基板70上に固定され、マイクロ可動部73の中央下側に形成された支持構造72と、マイクロ可動部73を夫々駆動する駆動機構78a,78bと、接点80a,80bとマイクロ可動部73などを封止する封止構造7を備えている。この第2の実施形態では、駆動機構78a,78bに、上部電極と下部電極で構成された静電式アクチュエータを用いている。前記マイクロ可動部73は、基板70と封止構造7により形成されたキャビティ内に封止されている。また、マイクロ可動部73にストッパー75a,75bを形成している。
前記支持構造72は、基板70に接合された底部72aの両端から斜め上方かつ外側に夫々延びさらに基板70表面に沿って外側に延びた後に斜め下方に屈曲して延びる弾性変形部76a,76bと、その弾性変形部76a,76bの下端から基板70表面に沿って外側に夫々延びる支持端部71a,71bとを有している。この支持端部71a,71bがマイクロ可動部73を支持するための2つの支点となる。
図8Eは図8AのVIIIE−VIIIE線から見た水平断面を示しており、図8Eに示すように、弾性変形部76a,76bを、マイクロ可動部73に形成された4つの窓73aに通している。図8Aはこの図8EのVIIIA−VIIIA線から見た垂直断面を示している。
ここで、この第2の実施形態のマイクロ接点開閉器の動作について説明する。図8Aに示す初期状態では、駆動機構78a,78bの下部電極および下部電極には電圧が印加されておらず、駆動機構78a,78bは非駆動状態にある。この状態では、図8Aに示すように、マイクロ可動部73は、基板70上に形成された支持部74の支持端部71a,71bで支えられ、基板70表面に対してほぼ平行に保たれ、両接点80a,80bともに接触していない状態にある。
前記マイクロ可動部73は、基板70側にも封止構造7側にも固定されていないが、封止構造7にも支持端部62a,62bが形成されており、基板70が上下反転して設置された場合においてもマイクロ可動部73を封止構造7側で支持できるようになっている。
これにより、図8Bおよび図8Cに示すように、マイクロ可動部73が基板70の上下どちらの向きにあっても、駆動機構78a,78bの下部電極に電圧を印加することによってマイクロ可動部73を駆動すると、駆動機構78a,78bの下部電極に上部電極が静電引力で引き付けられて、接点80a,80bを接触させることができる。
このとき、マイクロ可動部73は、基板70側にも封止構造8側にも固定されていないために、図11A,図11Bに示す従来のねじれ部で支持する構造に比べ、低電圧でマイクロ可動部を駆動することができる。
また、接点を押し付けるときには、マイクロ可動部73自体を撓ませることによって、接点80a,80bの可動接点が固定接点に押し付けられるので、図11A,図11Bに示す従来のねじれ部に比べ大きな復元力を得やすい。そして、接点80a,80bが接触してからマイクロ可動部73を撓ませればよいため、マイクロ可動部73自体を撓ませる量は少なく、低駆動力で十分な接触圧力を得ることができる。この第2の実施形態では静電式アクチュエータを用いているが、駆動機構78a,78bの下部電極と上部電極が十分接近した状態からマイクロ可動部73を撓ませるために低電圧で駆動可能となる。
また、接点を開離させるときは、反対側の接点を接触させるように、反対側の駆動機構66a,66を動作させることにより容易に駆動力を得ることができるが、マイクロ可動部73が固定されていないため、図11A,図11Bに示す従来のねじれ部を備えたものと比べて低電圧で駆動できる。
図8Aに示すように、マイクロ可動部73は基板70側の支持構造72や封止構造7のいずれにも固定されていないが、基板70側の支持構造72に形成された弾性変形部76a,76bと、マイクロ可動部73に形成された弾性変形部81a,81bによって、基板70側および封止構造7側のいずれの側においてもマイクロ可動部73を支持できるように構成されている。これにより、基板70が重力に対して反転するように動かされた場合や、外部から衝撃が加えられたときにおいても弾性変形部76a,76bと弾性変形部81a,81bが衝撃を吸収して、マイクロ可動部73に加わる衝撃を弱めることができる。
また、マイクロ可動部73に形成されたストッパー75a,75bおよび封止構造7に形成されたストッパー79a,79bにより基板70側および封止構造7側のいずれの位置に支持される場合においても、支持位置が、基板70の水平方向にほとんど変位しないようになっている。これにより、基板70が重力に対していずれの方向に保持されても、接点80a,80bの開閉操作を行うことができる。
また、ストッパー75a,75bにより、マイクロ可動部73の支持位置が接点80a,80bとマイクロ可動部73の支持位置との距離がほとんど変位しないようになっている。これにより、駆動機構78a,78bの駆動力を効率よく接点80a,80bの押し付けに使うことができる。
次に、この第3の実施形態のマイクロ接点開閉器の接点開閉操作について説明する。例えば、駆動機構78aによりマイクロ可動部73を駆動し、接点80aを接触させるとき、図8Cおよび図8Dに示すように、弾性変形部76a,76bは、マイクロ可動部73よりも弾性定数の低いため、マイクロ可動部73が支持される支持端部71aの位置が基板70側に近づくように、あるいは接点80aの可動接点と固定接点が近づくように変位する。一方の支持端部71b側は、支持端部71bとマイクロ可動部73の間に隙間が形成されているため、この隙間を利用してマイクロ可動部73は、支持端部71bから離れて基板70から遠ざかるように動くことができる。これによって、図11に示す従来のねじれ部で支持する構造や、さらには本発明の第1の実施形態のように支持端部が変位しない構造に比べ、低電圧で駆動でき、接点を押し付けるときの駆動力も、マイクロ可動部73の自体を撓ませる量が少ないために低電圧(低駆動力)で可能となる。
また、接点80aを開離させるときは、反対側の接点80bを接触させるように、反対側の駆動機構78bを動作させることにより容易に駆動力を得ることができるが、マイクロ可動部73が支持端部71a,71bに固定されていないため、図11に示す従来のねじれ部を備えたものと比べて低電圧で駆動できる。これにより、図8A〜図8Dに示すように、マイクロ可動部73の支持位置が変位可能なように構成することで、接点が接着して接点が開離できなくなることを抑制し、より長期の接点開閉操作が繰り返しできるようになる。
(第4の実施形態)
図9Aは本発明の第4の実施形態のマイクロ接点開閉器の構成を示す垂直断面図であり、図9Bは図9AのIXB−IXB線から見たマイクロ接点開閉器の構成を示す水平断面図である。ここで、マイクロ可動部の周辺については第1の実施形態のマイクロ接点開閉器と同様のために省略している。図9Aは、図9BのIXA−IXA線から見た垂直断面を示している。
この第4の実施形態のマイクロ接点開閉器は、図9A,図9Bに示すように、基板95と、この基板95上に形成された固定接点とその固定接点から離れた位置に形成された可動接点とからなる接点90a〜90dと、接点90a〜90dを接触または開離させる十字形状のマイクロ可動部96と、基板95上に固定され、マイクロ可動部96の中央下側に形成された十字形状の支持構造94と、マイクロ可動部96を夫々駆動する駆動機構91a〜91dと、接点90a〜90dとマイクロ可動部96などを封止する封止構造6を備えている。この第4の実施形態では、駆動機構91a〜91dに、上部電極と下部電極で構成された静電式アクチュエータを用いている。前記マイクロ可動部96は、基板95と封止構造6により形成されたキャビティ内に封止されている。
図9A,図9Bのように、本発明の第3の実施形態と同様に、支持構造94の弾性変形部92a〜92dおよびマイクロ可動部96の弾性変形部93a〜93dを配置することによって、4つの接点90a〜90dを切り替える接点開閉が可能となる。
さらに、この第4の実施形態では、4つの駆動機構91a〜91dを選択的に駆動させることで任意の位置の接点を複数個同時に接触させることもできる。
この第4の実施形態のマイクロ接点開閉器は、第3の実施形態のマイクロ接点開閉器と同様の効果を有する。
また、この第2の実施形態のマイクロ接点開閉器によれば、例えば、後述する第3の実施形態のように2つのアンテナと送信部と受信部とを備えた無線通信機器において、4つの接点を有するマイクロ接点開閉器を用いることによって、信号線等の配置の最適な回路構成を実現することができる。
(第5の実施形態)
図10は本発明の第5の実施形態のマイクロ接点開閉器を用いた無線通信機器の構成図を示している。
この第5の実施形態の無線通信機器では、図10に示すように、送信部143と、受信部144と、送信部143からの電波として送信すると共に受信部144への受信信号を電波として受信するためのアンテナ130a,130bと、2つのアンテナ130a,130bに一端が夫々接続され、他端同士が接続された2つのマイクロ接点開閉器140a,140bと、その2つのマイクロ接点開閉器140a,140bの他端に一端が夫々接続された2つのマイクロ接点開閉器142a,142bとを備えている。前記マイクロ接点開閉器140a,140bおよび142a,142bに本発明のマイクロ接点開閉器を用いている。
前記送信部143の出力をミキサ145の一端に接続し、ミキサ145の他端をアンプ148の入力に接続している。前記アンプ148の出力を帯域通過フィルタ146の入力に接続し、帯域通過フィルタ146の出力をパワーアンプ147の入力に接続している。前記パワーアンプ147の出力を一方のマイクロ接点開閉器142bの他端に接続している。また、他方のマイクロ接点開閉器142aの他端をローノイズアンプ131の入力に接続し、ローノイズアンプ131の出力を帯域通過フィルタ132の入力に接続している。前記帯域通過フィルタ132の出力をミキサ133の一端に接続し、ミキサ133の他端をアンプ135の入力に接続し、アンプ135の出力を受信部134の入力に接続している。前記ミキサ145,133にPLL(Phase-Locked Loop:位相同期ループ)発振回路134からの局部発振信号を供給する。
前記構成の無線通信機器は、送信時には、PLL発振回路134からの高周波の局部発振信号に基づいて、送信部143からの送信信号をPLL(Phase-Locked Loop:位相同期ループ)134で発生した高周波と変調し、ミキサ145でミキシングして特定の周波数に変換し、帯域通過フィルタ146でそれ以外の不要な周波数信号を除去し、パワーアンプ147で増幅後、送信側のマイクロ接点開閉器142bとアンテナ側のマイクロ接点開閉器140aまたは140bを経由してアンテナ130aまたは130bから送信信号が送信される。
一方、受信時には、マイクロ接点開閉器140aで接続された側のアンテナ130aまたはマイクロ接点開閉器140bで接続された側のアンテナ130bから入った信号が受信側のマイクロ接点開閉器142aを経由して、ローノイズアンプ131で増幅され、帯域通過フィルタ132に不要周波数信号を除去後、PLL発振回路134からの高周波の局部発振信号とその信号をミキサ133でミキシングし、受信周波数に変換された受信信号が受信部144に供給される。
このように、本発明のマイクロ接点開閉器を用いることにより、送受信切り替え時に、マイクロ接点開閉器の接点が接着しにくく、接点の劣化が少ない無線通信機器が得られる。
また、図10に示すように、受信状態に応じて受信に使用するアンテナ130a,130bを切り替えるために本発明のマイクロ接点開閉器140a,140bを用いることによって、受信状態に応じてアンテナを切り替えるときに、マイクロ接点開閉器の接点が接着しにくく、接点の劣化が少ない信頼性の高い無線通信機器が得られる。
さらに、図9に示す第4の実施形態のマイクロ接点開閉器を用いれば、図10に示す4つの接点をひとつのマイクロ接点開閉器で任意接点を複数選択して切り替えることができる。これにより、受信状態に応じてアンテナを切り替えるときに、マイクロ接点開閉器の接点が接着しにくく、接点の劣化が少ない信頼性の高い無線通信機器が得られる。
ここでは、図10に示すRF(無線周波数)送受信方式を用いているが、送受信方式はこれに限るものでなく、本発明のマイクロ接点開閉器は、アンテナと送信部の接続またはアンテナと受信部の接続を切り替える場合に効果が得られるもので、送受信の方式に依存するものではく、他の送受信の方式であっても同様の効果が得られることは明らかである。
また、アンテナがひとつの場合は、アンテナを切り替えるためのマイクロ接点開閉器140は不要であるし、マイクロ接点開閉器140がなくても、送受信を切り替えるマイクロ接点開閉器142a,142bの効果に変わりがないことは言うまでもない。
前記第1,第2の実施形態では、両端に2つの可動接点を有するかまたは四方に4つの可動接点を有するマイクロ接点開閉器について説明したが、可動接点が1つのマイクロ接点開閉器に本発明を適用してもよい。
図1Aは本発明の第1の実施形態のマイクロ接点開閉器の構成を示す垂直断面図である。 図1Bは前記マイクロ接点開閉器の駆動時の状態を示す垂直断面図である。 図1Cは前記マイクロ接点開閉器が上下反転して設置されたときの駆動時の状態を示す垂直断面図である。 図2は図1AのII−II線から見たマイクロ接点開閉器の水平断面図である。 図3は前記マイクロ接点開閉器の製造工程を示す断面図である。 図4は図3に続くマイクロ接点開閉器の製造工程を示す断面図である。 図5は図4に続くマイクロ接点開閉器の製造工程を示す断面図である。 図6は図5に続くマイクロ接点開閉器の製造工程を示す断面図である。 図7Aは本発明の第2の実施形態のマイクロ接点開閉器の構成を示す垂直断面図である。 図7Bは前記マイクロ接点開閉器の駆動時の状態を示す垂直断面図である。 図7Cは前記マイクロ接点開閉器が上下反転して設置されたときの駆動時の状態を示す垂直断面図である。 図7Dは図7AのVIID−VIID線から見たマイクロ接点開閉器の構成を示す水平断面図である。 図8Aは本発明の第3の実施形態のマイクロ接点開閉器の構成を示す垂直断面図である。 図8Bは前記マイクロ接点開閉器の垂直断面図である。 図8Cは前記マイクロ接点開閉器の駆動時の状態を示す垂直断面図である。 図8Dは前記マイクロ接点開閉器が上下反転して設置されたときの駆動時の状態を示す垂直断面図である。 図8Eは図8AのVIIIE−VIIIE線から見たマイクロ接点開閉器の構成を示す垂水平断面図である。 図9Aは本発明の第4の実施形態のマイクロ接点開閉器の構成を示す垂直断面図である。 図9Bは図9AのIXB−IXB線から見たマイクロ接点開閉器の構成を示す水平断面図である。 図10は第5の実施形態の無線通信機器の構成図である。 図11Aは従来のマイクロ接点開閉器の構成を示す断面図である。 図11Bは前記マイクロ接点開閉器の構成を示す平面図である。
6,7,8,9…封止構造
10…基板
11…絶縁層
12…マイクロセル
13…壁
14…マイクロセル
15…天井部
16…封止膜
17…支持構造
18a,18b…支持端部
19a,19b…支持端部
20…マイクロ可動部
20a…窓
21a,21b…ストッパー
22a,22b…端部
23a,23b…中間支点
24a,24b…下部電極
25a,25b…駆動機構
26a,26b…固定接点
27a,27b…可動接点
28…貫通穴
29…キャビティ
30…シリコン基板
31…シリコン窒化膜
32…配線パターン
33…シリコン酸化膜
34…導電層
35…犠牲層
36…導電層
38…犠牲層
39…導電層
40…支持端部
41…犠牲層
42…導電層
43…排出孔
44…マイクロ可動部
45a,45b…支持端部
46…支持構造
47a,47b…支持端部
48…ストッパー
49…キャビティ
50…封止構造
51…封止膜
60…基板
61a〜61d…支柱
62a,62b…支持端部
63…マイクロ可動部
64…支持部
65a,65b…ストッパー
66a,66b…駆動機構
67a,67b…接点
68a,68b…支持端部
70…基板
71a,71b…支持端部
72…支持構造
73…マイクロ可動部
73a…窓
74…中間支持部
75a,75b…ストッパー
76a,76b…弾性変形部
78a,78b…駆動機構
79a,79b…ストッパー
80a,80b…接点
81a,81b…弾性変形部
90a〜90d…接点
91a〜91d…駆動機構
92a〜92d…弾性変形部
93a〜93d…弾性変形部
94…支持構造
95…基板
96…マイクロ可動部
130a,130b…アンテナ
131…ローノイズアンプ
132…帯域通過フィルタ
133…ミキサ
134…PLL発振回路
135…アンプ
140a,140b…マイクロ接点開閉器
142a,142b…マイクロ接点開閉器
143…送信部
144…受信部
145…ミキサ
146…帯域通過フィルタ
147…パワーアンプ
148…アンプ

Claims (10)

  1. 基板と、
    前記基板上に配置され、中央部とその中央部から両側に延びる梁部とを有するマイクロ可動部と、
    前記マイクロ可動部の前記梁部の前記基板に対向する側に形成された可動接点と、
    前記基板上の前記可動接点に対向する位置に形成された固定接点と、
    前記固定接点に対して前記可動接点を接触または開離させるように前記マイクロ可動部を駆動する駆動機構と、
    少なくとも前記固定接点と前記可動接点と前記マイクロ可動部を前記基板上に封止する封止構造と
    を備え、
    前記マイクロ可動部は、前記基板側または前記封止構造側の少なくとも一方に前記中央部で傾動自在に支持され、
    前記駆動機構は、前記マイクロ可動部の一方の梁部側とその梁部に対向する前記基板側に配置されると共に、前記マイクロ可動部の他方の梁部側とその梁部に対向する前記基板側に配置され、
    前記マイクロ可動部が一方の梁部側に傾動するときに支点となる支持端部と前記マイクロ可動部が他方の梁部側に傾動するときに支点となる支持端部とを、前記マイクロ可動部の梁部が延びる方向に間隔をあけて、前記基板側または前記封止構造側の少なくとも一方に設けるか、または、前記マイクロ可動部に設けて、
    前記駆動機構により前記マイクロ可動部を駆動することによって前記固定接点に前記可動接点を接触させるとき、前記マイクロ可動部の動きに合わせて、前記マイクロ可動部を支持する前記基板側または前記封止構造側の少なくとも一方の支点が変位するようにしたことを特徴とするマイクロ接点開閉器。
  2. 請求項1に記載のマイクロ接点開閉器において、
    前記マイクロ可動部を支持する前記基板または前記封止構造の少なくとも一方に対して、前記マイクロ可動部が前記基板表面に平行な方向に係合していることを特徴とするマイクロ接点開閉器。
  3. 請求項1または2に記載のマイクロ接点開閉器において、
    前記マイクロ可動部を支持する前記基板または前記封止構造の少なくとも一方の支点の位置と前記マイクロ可動部との間に隙間が設けられていることを特徴とするマイクロ接点開閉器。
  4. 請求項1乃至のいずれか1つに記載のマイクロ接点開閉器において、
    前記マイクロ可動部の動きに合わせて、前記マイクロ可動部を支持する前記基板側または前記封止構造側の少なくとも一方の支点が変位するように弾性変形する弾性変形部を、前記基板側,前記マイクロ可動部または前記封止構造側の少なくとも一方に設けたことを特徴とするマイクロ接点開閉器。
  5. 請求項1乃至のいずれか1つに記載のマイクロ接点開閉器において、
    前記封止構造は、複数のマイクロセルを用いて形成されていることを特徴とするマイクロ接点開閉器。
  6. 請求項1乃至のいずれか1つに記載のマイクロ接点開閉器において、
    前記マイクロ可動部または前記封止構造の少なくとも一方が、高融点金属材料の窒化物を含むことを特徴とするマイクロ接点開閉器。
  7. 請求項に記載のマイクロ接点開閉器において、
    前記マイクロ可動部または前記封止構造の少なくとも一方が、前記高融点金属材料の窒化物の層と金属の層を含むの2つ以上の層で形成されていることを特徴とするマイクロ接点開閉器。
  8. 請求項1乃至のいずれか1つに記載のマイクロ接点開閉器において、
    半導体製造プロセスを用いて作成されていることを特徴とするマイクロ接点開閉器。
  9. 請求項1乃至のいずれか1つに記載のマイクロ接点開閉器と、
    送信部と、
    受信部と、
    前記送信部からの送信信号を電波として送信すると共に前記受信部への受信信号を電波として受信するためのアンテナと
    を備え、
    前記アンテナと前記送信部とを前記マイクロ接点開閉器を介して接続すると共に、前記アンテナと前記受信部とを前記マイクロ接点開閉器を介して接続することを特徴とする無線通信機器。
  10. 請求項1乃至のいずれか1つに記載のマイクロ接点開閉器と、
    送信部と、
    受信部と、
    前記送信部からの送信信号を電波として送信すると共に前記受信部への受信信号を電波として受信するための複数アンテナと
    を備え、
    前記複数のアンテナと前記受信部を前記マイクロ接点開閉器を介して夫々接続し、前記マイクロ接点開閉器のいずれか1つを閉じて前記複数のアンテナのうちの1つと前記受信部を接続することを特徴とする無線通信機器。
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