JP4377804B2 - 円偏波アレーアンテナおよびそれを用いた無線システム - Google Patents

円偏波アレーアンテナおよびそれを用いた無線システム Download PDF

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Description

本発明は、1つの給電回路から複数の円偏波の放射素子に給電される給電構造を具備する円偏波アレーアンテナおよびそれを用いた無線システムに関するものである。
近年、携帯電話に代表される無線通信の研究が盛んに進められている。無線を用いたデータ通信、移動体通信等が注目されているが、その中の一部で、データ通信の伝送速度は、光通信で代表されるFTTH(Fiber to The Home)の100Mbps以上の伝送速度を達成しているものもある。
これら無線情報通信に適したアンテナの偏波は円偏波と言われている。なぜなら円偏波は、導体で反射されると逆円偏波になり受信できなくなるからである。つまり、反射波の受信を抑制させ所望な電波だけを受信できる。また、GPSに代表される衛星移動通信においては、受信アンテナの偏波を一致させるためにアンテナを回転調整させる必要がなくなるという利点がある。
円偏波アンテナの例として、特許文献1に記載される円偏波アレーアンテナが知られている。この特許文献1に記載される円偏波アンテナにおいては、図9の概略断面図に示すように、両端が終端された導波管61を給電線として用いており、この導波管61の上面には、等間隔で複数の放射素子となる円柱状誘電体共振器62a〜62jが設けられている。導波管61の上面に設けられたスロット63a〜63jを通じてこの放射素子62a〜62jに給電される構造になっている。また、導波管61の終端66a,66bから放射素子62a,62jに対応するスロット63a,63jまでの距離同一距離になる位置にスロット63a,63jが形成されている。さらに、導波管61の中央部には、スロット64が形成されており、導波管61の下側に配置された他の導波管65とスロット64によって結合されており、導波管61には、このスロット6を通じて給電される。
特開2002−353727号公報
しかしながら、従来の円偏波アンテナにおける給電構造においては、軸比の面で、帯域が狭いという課題があった。これは、給電線となる給電回路の終端部における反射波が再度、放射素子より放射され、その偏波が所望する円偏波に対し逆偏波になることが一つの要因である。例えば、図9に示す円偏波アンテナでは、導波管61の終端部66a、66bにおいて反射波が生じ、それが放射素子62a〜62jにおいて放射され逆円偏波を生じさせる。放射素子62a〜62jの共振周波数においては放射素子62a〜62jでほとんどの信号が放射され終端部66a、66bに信号が伝播しないため、反射波は少ないが、共振周波数に対し信号の周波数がずれるに伴い反射波が多くなり放射素子62a〜62jにおいて逆円偏波を放射させ、結果的に、共振周波数からずれた時、軸比が顕著に悪化してしまうのである。
したがって、本発明は、上記のような従来の問題点を解決すべく案出されたものであり、給電回路から給電される放射素子が複数設けられた円偏波アレーアンテナにおいて、軸比を低減させ、帯域を広げることを目的とするものである。
本発明者は、上記の問題点に対して検討を重ねた結果、給電回路の両端の終端部で反射された反射信号が再度、放射素子へ結合され、放射素子から放射される逆円偏波を打ち消すように、給電回路の終端部に最も近い両端の2つの放射素子から放射される逆円偏波の位相に、位相差をもたせることでアレーアンテナの正面方向(アンテナ面の法線方向)において、良好な軸比特性が得られることを見出した。
本発明は、複数の放射素子を具備し、両端が終端された1つの給電回路から2つ以上の放射素子に給電される給電構造を具備する円偏波を放射するアレーアンテナであって、前記給電回路への給電部が2つの前記放射素子への給電部の間に位置し、前記給電回路の一方の終端部、その終端部から最も近い位置に設けられた前記放射素子への給電部との間の距離をA、前記給電回路の他方の終端部、その終端部から最も近い位置に設けられた前記放射素子への給電部との間の距離をB、とした時、距離Aと距離Bとが異なることを特徴とするものである。
特に、前記距離Aと前記距離Bとは、下記数1
(数1)
|A−B|=λ/4+λ・n/2
n:整数
λ:前記給電回路における信号波長
を満足することが望ましい。
また、前記給電回路が導波管構造体であることが望ましい。
さらに、前記導波管構造体からなる給電回路が誘電体基板内に設けられており、前記放射素子が前記誘電体基板表面に設けられていることが望ましい。
本発明の無線システムによれば、上記の円偏波アレーアンテナを具備することを特徴とするものである。
本発明の上記円偏波アレーアンテナによれば、給電回路の両端の終端部で反射された反射信号が再度、放射素子へ結合され、放射素子から放射される逆円偏波を打ち消すように、終端部に最も近い両端の2つの放射素子から放射される逆円偏波の位相に、位相差をもたせることで、アレーアンテナの正面方向(アンテナ面の法線方向)において、良好な軸比特性が得られる円偏波アレーアンテナを提供することができる。また、かかる円偏波アレーアンテナを無線システムに適用することによって、高速、大容量データ伝送に適した無線LANシステムまたは映像伝送システムを提供することができる。
図1は、この円偏波アレーアンテナの概略斜視図である。この図1において、1は放射素子となる円柱状誘電体共振器、2は両端が終端された導波管型給電回路、3は円柱状誘電体共振器放射素子1と導波管型給電回路2とを結合する結合孔、6は複数の導波管型の第1の給電回路2群に給電するための導波管型の第2の給電回路であり、7は第1の給電回路と第2の給電回路とを結合するためのスロットであり、8は第2の給電回路6の端部に作られたアンテナポートである。
この図1において、第2の給電回路で分岐を繰り返し、6つの第1の給電回路2へ給電するスロット7から、6つの給電回路2に給電される(図1では説明の便宜上、手前の3つの導波管型給電回路2は省略されている)。また、このスロット7は、いずれも給電回路2の中央部分に位置し、給電回路2へは中央部から左右に給電される。
一方、第1の給電回路2のそれぞれには、中央部から左右の給電回路2の終端部にかけて5個(左右で計10個)の円柱状誘電体共振器からなる放射素子1が設けられており、給電回路2より、結合孔3より放射素子1に給電され、放射素子1における円柱状誘電体共振器の開口部hから、直線偏波または円偏波が放射される。
図2は、図1の円偏波アレーアンテナにおける1つの第1の給電回路2と第2の給電回路との配置を示す概略斜視図である。図2によれば、導波管からなる第1の給電回路2の上には10個の放射素子1a〜1jが設けられている。また、このアレーアンテナにおいては、第1の給電回路2への給電を行う導波管からなる第2の給電回路6が、信号の伝送方向が互いに平行になるように、並行に重ね合わせて配置されている。
図3は、図2のアレーアンテナにおけるA−A断面図である。図3によれば、給電回路6の終端6aから距離Sの位置の導波管壁にスロットが設けられており、また、給電回路2における放射素子1a〜1jの各給電点3a〜3jの間の導波管壁にもスロットが設けられ、これら2つのスロットを一致させることによって給電用スロット7が設けられ、このスロット7を通じて、給電回路6から給電回路2に給電される。なお、給電回路6における距離Sは、λ/2(λ:信号波長)程度になるように設置されている。
図3の円偏波アレーアンテナによれば、給電回路6からの信号がスロット2を通じて給電回路2に給電され、給電された信号は、給電回路2内で方向9aと方向9bに電力分配される。逆に、給電回路2内で、放射素子1a〜1jを通じて導入された方向9a、方向9bからの信号をスロット7で電力合成し、給電回路6に信号伝送される。
本発明によれば、図3に示す給電回路2の終端部2aと終端部2aに最も近接する放射素子1aの給電部3a間の距離Aと、終端部2bと終端部2bに最も近接する放射素子1jの給電部3j間の距離Bとが、異なることが重要である。
本発明によれば、A≠Bとすることで、放射素子1a〜1jのアンテナ正面方向(アンテナ面の法線方向)において、逆円偏波の位相に位相差が生じ、互いに弱め合うことによって、逆円偏波による軸比の悪化を低減することができる。
特に、上記距離Aと距離Bとは、
(数1)
|A−B|=λ/4+λ・n/2
n:整数
λ:前記給電回路における信号波長
の関係を満足すると、放射素子1a〜1jのアンテナ正面方向(アンテナ面の法線方向)において、逆円偏波の位相に180°の位相差が生じ、完全に打ち消し合うことができることから、距離AとBの関係が上記数1を満たすことが最も望ましい。
上記の例では、給電回路として内部が空洞で金属からなる導波管壁を有する空洞導波管の場合について説明したが、給電回路としてはこれに限られることなく、例えば、特開平6−53711号に記載されるような、平面導体と、側壁がビアホール導体群によって形成される誘電体導波管を給電回路として用いると、30GHz以上のミリ波帯域においても伝送損失が小さく、また誘電体導波管の場合には多層基板内に自由に形成することができる点で非常に有利である。
そこで、誘電体導波管を給電線として用いた本発明の円偏波アレーアンテナについて説明する。図4は、ここで用いられる誘電体導波管の基本構成を説明するための概略斜視図である。図4において誘電体層14の上下には、一対の導体層15、16が設けられている。また、誘電体層14には、信号伝送方向に信号波長の2分の1未満の繰り返し間隔cで、かつ信号伝送方向と直交する方向に所定の幅dで一対の導体層15、16間を電気的に接続するように2列の貫通導体群17が形成されている。また、誘電体基板14の内層には、貫通導体群17の各列を形成する貫通導体同士を電気的に接続し、導体層15、16と平行に補助導体層17が必要に応じて形成されている。かかる構成によって、これら一対の導体層15、16と貫通導体群17により誘電体導波管線路19が形成されている。なお、一対の導体層15、16と貫通導体群17とで囲まれた領域に対してさらに補助導体層18を形成することにより、誘電体導波管線路19の内部から見るとその側壁は貫通導体群17と補助導体層18とによって細かな格子状になり、様々な方向の電磁波が遮蔽される。導波管壁としての機能を高めることができる。
ここで、誘電体層14の厚みe、すなわち一対の導体層15、16間の間隔に対する制限は特にないが、シングルモードで用いる場合には間隔dに対して2分の1程度または2倍程度とすることがよく、図4の例では誘電体導波管線路19のH面に当たる部分が導体層15、16で、E面に当たる部分が貫通導体群17および補助導体層18でそれぞれ形成される。また、間隔dに対して厚みeを2倍程度とすれば、誘電体導波管線路19のE面に当たる部分が導体層15、16で、H面に当たる部分が貫通導体群17および補助導体層18でそれぞれ形成されることとなる。
また、間隔dが信号波長の2分の1未満の間隔に設定されることで貫通導体群17により電気的な壁が形成できる。間隔cは、電磁波のもれを防止するうえで信号波長の4分の1未満であることが望ましい。
図5、6(誘電体導波管仕様)は、図4の誘電体導波管を用いた円偏波アレーアンテナを示すもので、基本構造は図2と同じである。なお、図5においては、誘電体を図から省き、アレーアンテナの放射素子1a,1jと、導体層15や貫通導体17の配置のみを図示したものである。この図5から明らかなように、導波管の側壁が、垂直導体17を所定の間隔cをもって、一例に配列した構造によって擬似的な導波管壁を形成している。また、第1の誘電体導波管2と第2の誘電体導波管6とは、第2の誘電体導波管6の上側の導体層と第1の誘電体導波管2の下側の導体層を兼ねる導体層15,16に設けられたスロットによって結合されている。また、第1の誘電体導波管2の上側導体層15に形成されたスロット10a〜10jによって放射素子1a〜1jが第1の誘電体導波管2と結合され給電される。
本発明においては、かかる誘電体導波管を用いた円偏波アレーアンテナにおいても、上側誘電体導波管2の両終端から放射素子1a,1jとの結合を担うスロット10a、10jの中心までの距離A、Bが異なり、望ましくは、前記数1を満足するように形成することが必要である。
また、給電回路として前述したような導波管構造以外に、ストリップ線路、マイクロストリップ線路、コプレーナ線路などを用いることも可能である。
そこで、図7にマイクロストリップ線路をアンテナ給電線に用い、放射素子にパッチアンテナを用いた円偏波アレーアンテナを示す。
図7によれば、誘電体層20a、20bの積層体からなる誘電体基板20の表面に、導体線21aと誘電体層20a、20bによって挟まれた接地層21bによって、両端が終端されたマイクロストリップ線路21が給電回路として形成されている。そして、このマイクロストリップ線路21に沿って、複数のパッチアンテナ23a、23bが配置され、このパッチアンテナ23a、23bには、マイクロストリップ線路からそれぞれ2本の給電線24a、24b、25a、25bが設けられている。また、接地層21aの反対側にも導体線26が設けられ、この導体線26の先端部には貫通導体27が形成され、マイクロストリップ線路21の導体線21aと電気的に接続されている。かかる給電構造によれば、導体線26から貫通導体27を経由してマイクロストリップ線路21に給電され、給電された電力は、マイクロストリップ線路21の給電点から両側に伝送され、給電線24a、24bおよび給電線25a、25bからそれぞれパッチアンテナ23a,23bに送られる。そこで、直交する電界が位相差π/4で励振されて円偏波が放射される。
このような円偏波アレーアンテナにおいても、マイクロストリップ線路21からなる給電線路の終端21x,21yから各パッチアンテナ23a、23bの中心までの距離C,Dを変えることによって、パッチアンテナ23a、23bのアンテナ正面方向(アンテナ面の法線方向)において、逆円偏波の位相に位相差が生じ、互いに弱め合うことによって、逆円偏波による軸比の悪化を低減することができる。
このC、Dも望ましくは、
(数2)
|C−D|=λ/4+λ・n/2
n:整数
λ:前記給電回路における信号波長
の関係を満足すると、パッチアンテナ23a、23bのアンテナ正面方向(アンテナ面の法線方向)において、逆円偏波の位相に180°の位相差が生じ、完全に打ち消し合うことができることから、距離CとDの関係が上記数2を満たすことが最も望ましい。
次に、図8にマイクロストリップ線路をアンテナ給電線に用い、グランド部にスロットを切った円偏波アレーアンテナを示す。この図8の円偏波アレーアンテナにおいては、
誘電体層30a、30bの積層体からなる誘電体基板30の表面に形成された接地層31aと誘電体層30a、30bによって挟まれた導体層31bによって、両端が終端されたマイクロストリップ線路31が給電回路として形成されている。そして、このマイクロストリップ線路31の接地層31aには所定間隔をおいて、2つのスロット32a,32b、33a,33bからなる円偏波アンテナ32、33が設けられている。また、導体層31aの反対側には導体線34が設けられ、この導体線34の先端部には貫通導体35が形成され、マイクロストリップ線路31の導体線31bと電気的に接続されている。かかる給電構造によれば、導体線34から貫通導体35を経由してマイクロストリップ線路31に給電され、給電された電力は、マイクロストリップ線路31の給電点から両側に伝送され、スロット32a、32b、33a、33bに送られる。そこで、直交する電界が位相差π/4で励振されて円偏波が放射される。
このような円偏波アレーアンテナにおいても、マイクロストリップ線路31からなるマイクロストリップ線路31の終端31x,31yから各円偏波アンテナ32、33の中心までの距離E,Fを変えることによって、円偏波アンテナ32、33のアンテナ正面方向(アンテナ面の法線方向)において、逆円偏波の位相に位相差が生じ、互いに弱め合うことによって、逆円偏波による軸比の悪化を低減することができる。
このE,Fも望ましくは、
(数3)
|E−F|=λ/4+λ・n/2
n:整数
λ:前記給電回路における信号波長
の関係を満足すると、円偏波アンテナ32、33のアンテナ正面方向(アンテナ面の法線方向)において、逆円偏波の位相に180°の位相差が生じ、完全に打ち消し合うことができることから、距離E,Fの関係が上記数3を満たすことが最も望ましい。
上記マイクロストリップ線路を給電回路とする円偏波アレーアンテナは、30GHz帯域までの信号伝送に対しては特に問題ないが、30GHz以上では伝送損失が生じやすいのに対して、給電回路に導波管構造体を用いると、30GHz以上のミリ波帯域においても伝送損失小さくすることができる。
図4〜6に示した誘電体導波管を構成する誘電体層14や、図7,8のマイクロストリップ線路を給電回路とする円偏波アレーアンテナにおける誘電体層20a,20b、30a,30bとしては、誘電体として機能し高周波信号の伝送を妨げることのない特性を有するものであればとりわけ限定するものではないが、給電回路を形成する際の精度および製造の容易性の点からは、誘電体層はセラミックスから成ることが望ましい。
誘電体層としては、比誘電率εrが4〜100程度であり、例えばアルミナセラミックスや窒化アルミニウムセラミックス、ガラスセラミックスなどの低温焼成セラミックス等がある。特に、ガラスセラミックスなどの低温焼成セラミックスが好適に用いられる。これらによる誘電体基板は、例えばセラミックス原料粉末に適当な有機溶剤、溶媒を添加混合して泥漿状になすとともに、これを従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等を採用してシート状となすことによって複数枚のセラミックグリーンシートを得て、これを積層し、焼成することによって製作される。
また、貫通導体群17、貫通導体27,35は、通常のビアホール導体やスルーホール導体により形成すればよく、例えばセラミックグリーンシートに打ち抜き加工を施して作製した貫通孔に導体層と同様の導体ペーストを埋め込み、しかる後、誘電体層と同時に焼成して形成する。なお、貫通導体は直径50〜300μmが適当である。
本発明の、導波線路から給電される放射素子が複数設けられた円偏波アレーアンテナは、広帯域な軸比特性を有する点で優れていることから、とりわけ無線システムに好適に使用することができる。具体的な無線システムとして、例えば、無線LANシステムにおいて、1.5Mbps以上の高速、大容量のデータ伝送が可能になる。
また、映像伝送システムにおいては、ハイビジョン放送などの大容量映像データを、非圧縮で伝送できることから、圧縮に伴う映像データの劣化を防止し、また圧縮するための部品を削減できることから、システムの低コスト化が実現できる。
本発明の円偏波アレーアンテナについて、軸比特性を評価するためにHFSS法によるシミュレーションをおこなった。シミュレーションに用いたモデルを図は、
給電回路として誘電体導波管を用いた図5,6のものを用いた。ただし、放射素子は、誘電体導波管2上に2個を搭載した2×1のもの(すなわち、1aおよび1jのみを搭載)を用いた。
導波管構造体を高周波信号の伝送方向が平行になるように重ねて配置したタイプのものであり、導波管を図4に示した誘電体導波管で形成した形状である。
誘電体導波管を形成する誘電体層14の比誘電率εrは4.9とした。誘電体導波管からなる給電回路の寸法は以下のとおりとした。
・第2の給電回路を構成する誘電体導波管6の幅d=1.64mm、
・第1の給電回路を構成する誘電体導波管2の幅d=1.89mm、
・誘電体導波管2,6の厚みe=0.6mm、
・垂直導体17のビア径r=0.2mm、ビア間隔c=0.60mm、
なお、誘電体導波管の終端面と側面の寸法はビア中心で示してある。このときの管内波長λは2.64mmで、中心周波数は61.5GHz程度とした。円偏波アンテナの放射素子1a、1jの寸法は以下のとおりである。
・結合窓10a,10jの大きさ=1.12×1.06mm、
・開口hの径=1.47mm、
・素子を形成する共振器の厚み=0.6mm、
・素子を形成する共振器の直径=1.61mm、
放射素子1a,1jの給電部10a,10jの中心部と終端部2a,2bの距離A,Bを種々変化させた。その結果、終端部で反射された反射信号によって放射素子からアンテナ正面方向(アンテナ面の法線方向)に放射される逆円偏波の位相が0°となるときの距離A、Bは1.32mmであった。表1に位相と距離の関係を示す。
放射素子1aの逆円偏波の位相と放射素子1jの逆円偏波の位相の位相差は0°〜180°までとしシミュレーションを行った。また、距離|A−B|をλを用いて表した。なお、位相差とは、アンテナ正面方向(アンテナ面の法線方向)における放射素子1aと放射素子1jの逆円偏波の位相差である。
ここで中心周波数61.5GHzのとき、軸比が4.00dB以下において、本発明の円偏波アレーアンテナ特性を満足するとし、また、中心周波数61.5GHzに対して±2.0GHzのとき、軸比が10.00dB以下において、本発明の円偏波アレーアンテナ特性を満足するとする。表2にシミュレーション結果を示す。
Figure 0004377804
この表2の結果から、放射素子1aと放射素子1jの位相差が45°で、距離AとBの差がλ/16(0.17mm)のとき、軸比が4.00dB以下を満たし、また、放射素子1aと放射素子1jの位相差が180°で、距離AとBの差がλ/4(6.6mm)のとき、最も軸比を低減できる。
よって、距離AとBの関係は、軸比が4.00dB以下になる、λ/4≧|A−B|≧λ/16が望ましいことがわかる。さらに、距離AとBの関係が、軸比4.00dB以下になり最も低減できることから、|A−B|=λ/4が最も望ましい。
また、表3に周波数61.5GHzを中心に±2.0GHzでの軸比に対する周波数特性のシミュレーション結果を示す。
Figure 0004377804
この表3の結果から、放射素子1aと放射素子1fの位相差が135°で、距離AとBの差がλ/5.33(0.49mm)のとき、中心周波数61.5GHzで軸比が4.00dB以下を満たし、61.5GHzを中心に±2.0GHzの範囲で軸比が10.00dB以下を満たしている。
また、放射素子1aと放射素子1jの位相差が170°で、距離AとBの差がλ/4.24(0.62mm)のとき、周波数61.5GHzを中心に±2.0GHzの範囲で軸比が4.00dB以下を満たしている。
またさらに、放射素子1aと放射素子1jの位相差が180°で、距離AとBの差がλ/4(0.66mm)のとき、周波数61.5GHzを中心に±2.0GHzの範囲で軸比が4.00dB以下を満たし、軸比が最も低減している。
よって、距離AとBの関係は、4.0GHzの帯域で軸比が10.00dB以下になる、λ/4>|A−B|>λ/5.33が望ましい。さらに、距離AとBの関係が、4.0GHzの帯域で軸比が4.00dB以下になる、λ/4>|A−B|>λ/4.24がより望ましい。またさらに、距離AとBの関係が、4.0GHzの帯域で軸比が4.00dB以下になり最も低減できることから、|A−B|=λ/4が最も望ましい。
上記距離Aは1.32mmとなっているが、距離AとBの差が重要であり、距離Aの値が変わっても同様な傾向が見られた。
また、図7、図8のマイクロストリップ線路を給電回路として用いた円偏波アレーアンテナにおいても、上記と同様な試験を行った結果、同様な結果を得た。
本発明の円偏波アレーアンテナの一例の全体を示す概略斜視図をである。 図1の円偏波アレーアンテナにおける給電回路から給電構造を説明するための概略斜視図である。 図2のA−A断面図である。 本発明で用いられる誘電体導波管の基本構造を説明するための概略斜視図である。 図4の誘電体導波管を用いた円偏波アレーアンテナを示す概略斜視図である。 図5のB−B断面図である。 マイクロストッリプ線路を給電回路として用いた円偏波アンテナの一例を説明するための(a)概略斜視図と、(b)概略平面図である。 マイクロストッリプ線路を給電回路として用いた円偏波アンテナの他の例を説明するための(a)概略斜視図と、(b)概略平面図である。 従来の円偏波アレーアンテナの給電構造を説明するための概略断面図である。
符号の説明
1、1a〜1j 放射素子、
2 導波管型給電線、
2a,2b 終端
3 結合孔、
6 第2の給電回路
7 スロット
8 アンテナポート
10 終端部

Claims (5)

  1. 複数の放射素子を具備し、両端が終端された1つの給電回路から2つ以上の放射素子に給電される給電構造を具備する円偏波を放射するアレーアンテナであって、
    前記給電回路への給電部が2つの前記放射素子への給電部の間に位置し、
    前記給電回路の一方の終端部、その終端部から最も近い位置に設けられた前記放射素子への給電部との間の距離をA、
    前記給電回路の他方の終端部、その終端部から最も近い位置に設けられた前記放射素子への給電部との間の距離をB
    とした時、距離Aと距離Bとが異なることを特徴とする円偏波アレーアンテナ。
  2. 前記距離Aと前記距離Bとが下記数1
    (数1)
    |A−B|=λ/4+λ・n/2
    n:整数
    λ:前記給電回路における信号波長
    を満足することを特徴とする請求項1記載の円偏波アレーアンテナ。
  3. 前記給電回路が導波管構造体であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の円偏波アレーアンテナ。
  4. 前記導波管構造体からなる給電回路が誘電体基板内に設けられており、前記放射素子が前記誘電体基板表面に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか記載の円偏波アレーアンテナ。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の円偏波アレーアンテナを具備することを特徴とする無線システム。
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