JP4377094B2 - 通信システム用ラインカード、ｐｏｔｓと非対称ｄｓラインサービスと対称ｄｓラインサービスをラインカードに基づいてサポートする方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ通信と音声通信を行う通信システムに関し、特にＰＯＴＳと非対称ＤＳＬをサポートするラインカードと方法およびＤＳＬをサポートする方法を提供する。
【０００２】
【従来の技術】
通信サービスのプロバイダは、顧客により安くより速くより頑強な高速データ通信を提供する必要性に迫られている。サービスプロバイダにとって面倒なことは、加入者が様々な高速データ通信サービスを使用することである。例えば、ＩＳＤＮサービス、デジタル加入者ライン（digital subscriber line，ＤＳＬ）サービス、ヨーロッパの周期的パルス測定（periodic pulse metering，ＰＰＭ）あるいはテレタックスのサービス等が、データを転送するのに通常現在使用されているものである。
【０００３】
さらに複雑なことには、これらのサービスの多くは様々な種類にさらに細分化されることである。例えば、高速データ通信のＤＳＬ群は、様々なサービスから成り立っており、これらは、通常ｘＤＳＬと称する。ここで、「ｘ」とは、ＤＳＬサービス群の１つを表す。現在のｘＤＳＬサービスは、非対称ＤＳＬ（Asymmetric DSL，ＡＤＳＬ）と、レート適用形ＤＳＬ（Rate adaptive DSL，ＲＡＤＳＬ）と、高速ビットレートＤＳＬ（High bit rate DSL，ＨＤＳＬ）と、超高速ＤＳＬ（Very high speed DSL，ＶＤＳＬ）と、対称ＤＳＬ（symmetric DSL，ＳＤＳＬ）と、ＨＤＳＬ２とＳＨＤＳＬを含む。
【０００４】
従来公知のようにＨＤＳＬは、２本のツイストケーブル対で動作し、一方ＨＤＳＬ２は、１本のツイストケーブル対で動作する。ｘＤＳＬサービスを提供することおよびこれらのサービスを提供するシステムの詳細は、米国特許第６，１４４，６５９号（発明の名称"Telecommunications Equipment Support of High Speed Data Services"、特許日２０００年１１月７日、発明者 NyeとPosthuma）と米国特許出願第０９／２５８，８７９号（発明の名称"Telecommunication Equipment Support of ISDN Communication Lines for High Speed Data Transmission"、出願日１９９９年２月２５日、発明者 Posthuma）を参照のこと。
【０００５】
さらにまた大部分の消費者が、データ通信用に通常の古いタイプの電話サービス（plain old telephone service，ＰＯＴＳ）ラインを用いている。そのためサービスプロバイダの通信システムは、様々な種類の通信サービスをサポートする必要がある。現在の所、通信システムは、例えば別々のサービスに対し別個の回路および装置を組み込んでいる。
【０００６】
特に現在のｘＤＳＬラインカードは、対称または非対称のアプリケーションのいずれかに向けられたものである。「対称」と「非対称」とは、通信の各方向に対する帯域幅を意味する。帯域幅が両方向に等しい場合には、サービスは「対称」であると称し、帯域幅が等しくない場合には、サービスは「非対称」であると称する。
【０００７】
対称のアプリケーション、例えばＨＤＳＬ２とＳＤＳＬのようなｘＤＳＬ技術をサポートするラインカードは、ＰＯＴＳと同時動作をサポートすることはない。ラインカードは、非対称ｘＤＳＬサービス（例えば、ＡＤＳＬまたはＡＤＳＬ Lite）とＰＯＴＳを同時に提供するものが知られている。ところが、これらのラインカードは、対称ｘＤＳＬサービスをサポートすることはない。そのため別々の回路パックあるいはラインカードが様々な対称サービスおよび非対称サービスとＰＯＴＳに対し通信システムでは必要とされている。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ＰＯＴＳと非対称デジタル加入者ラインサービスの動作を同時にサポートし、かつ対称と非対称のデジタル加入者ラインサービスをサポートするラインカードと方法を提供することである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
前記課題は本発明の、ＰＯＴＳと非対称デジタル加入者ラインサービスを同時にサポートしかつまた対称と非対称のデジタル加入者ラインサービスもサポートできるラインカードと方法により解決される。本発明のラインカードは、外部デバイスから受信したインストラクションに基づいて、あるいは所定のプログラムからのインストラクションに基づいて、あるいはラインカードの動作を監視することに基づいて適切なサービスをサポートするためのラインカードの動作を制御するコントローラを含む。
【００１０】
本発明の一態様によれば、本発明のラインカードは、対称通信サービスと非対称通信サービス、例えばｘＤＳＬサービスをサポートできる複数モード回路を有する。本発明のラインカードは、ＰＯＴＳサービスをサポートするＰＯＴＳインターフェースを含む。好ましくは、本発明のラインカードは、ＰＯＴＳサービスと非対称ｘＤＳＬサービスを同時にサポートする。本発明のラインカードは、対称と非対称のｘＤＳＬ通信サービスをサポートするｘＤＳＬインターフェースを含む。好ましくは、ｘＤＳＬインターフェースは、ＡＤＳＬ、ＡＤＳＬ lite、ＶＤＳＬ、ＨＤＳＬ、ＳＤＳＬ、ＨＤＳＬ２、ＳＨＤＳＬのいずれかをサポートすることができる。
【００１１】
本発明のラインカードは、サポートすべきサービスを自動的に決定する自動モード回路を含む。この自動モード回路は、サポート中のサービスに関するインストラクションを受領し、このインストラクションに基づいて複数モード回路を制御するコントローラを含む。インストラクションは、外部デバイスからまたは所定のプログラムからまたはラインカードの動作を監視することにより受領される。このインストラクションは、１つの通信セッションの間に受領される。
【００１２】
本発明の他の態様によれば、ラインカードは、ＰＯＴＳサービスと対称デジタル加入者ラインサービスと非対称デジタル加入者ラインサービスをサポートできる複数モード回路を具備する。好ましくは、複数モード回路は、複数のデジタル加入者ラインサービスのうちの少なくとも１つと同時にＰＯＴＳサービスをサポートできる。
【００１３】
本発明のさらに別の態様によれば、本発明の方法は、ＰＯＴＳと非対称デジタル加入者ラインサービスをサポートし、さらに対称と非対称のデジタル加入者ラインサービスをサポートする。本発明の方法は、請求項６に記載した特徴を有する。即ち、ＰＯＴＳと非対称デジタル加入者ラインサービスをサポートすべきかあるいはデジタル加入者ラインサービスをサポートすべきかを選択するステップと、ラインカードで通信信号を受領するステップと、ＰＯＴＳと非対称デジタル加入者ラインサービスがサポートされる場合には、通信信号中のＰＯＴＳ信号と非対称デジタル加入者ライン信号とを分離するステップと、ＰＯＴＳ信号と非対称デジタル加入者ライン信号とを処理するステップと、対称と非対称デジタル加入者ラインサービスがサポートされる場合には、通信信号中のデジタル加入者ライン信号を分離するステップと、前記デジタル加入者ライン信号を処理するステップとを有することを特徴とする。
【００１４】
【発明の実施の形態】
図１において、本発明による回路パックあるいはラインカードとしての通信システム１００のブロック図を示す。本発明は、対称ｘＤＳＬサービスと非対称ｘＤＳＬサービスとＰＯＴＳを１枚のラインカードからサポートを提供できるようにして、これにより通信システムのコストとスペースを削減するものである。特に、本発明の通信システム１００は、対称サービス（例えば、ＨＤＳＬ、ＨＤＳＬ２、ＳＨＤＳＬ、ＳＤＳＬ）と非対称サービス（例えば、ＡＤＳＬ、ＡＤＳＬ LiteとＰＯＴＳ）をサポートする。
【００１５】
本発明の通信システム１００は、点線１０４の右側に示した顧客構内装置（ＣＰＥ）１０２を有する。ＣＰＥ１０２は、加入者終端装置（ｘＴＵ−Ｒ）１１０に接続されたパソコン（ＰＣ）１０６とＰＯＴＳ電話機１０８とを有する。ｘＴＵ−Ｒ１１０は、加入者ライン１１２（例えば、ツイストワイヤ対またはループ）を介した出力用通信と入力用通信の間のインターフェースを提供する。同図に示したＣＰＥ１０２と本明細書の記載事項は単なる一実施例で、他のデバイスもＣＰＥ１０２の一部となり得る。例えば、本発明は、前掲の米国特許出願に開示されたシステム内で実行することができる。
【００１６】
点線１１６の左側に示した中央局（ＣＯ）１１４は、ＣＰＥ１０２と公衆交換電話網（ＰＳＴＮ）１１８と非対称転送モード（ＡＴＭ）網１２０を相互接続する様々な終端装置を含む。別法として、ＡＴＭ網１２０はＩＰバックボーンでもよい。ＣＯ１１４は、ラインサポート回路１２２とＰＯＴＳインターフェース１２４とｘＤＳＬインターフェース１２６とを含む。ＰＯＴＳインターフェース１２４は、ＰＳＴＮ１１８とのインターフェースを提供し、ｘＤＳＬインターフェース１２６は、ＡＴＭ網１２０とのインターフェースを提供する。
【００１７】
ラインサポート回路１２２は、加入者ライン１１２との間でＰＯＴＳインターフェース１２４とｘＤＳＬインターフェース１２６をインターフェースする。そのため通信システム１００は、ＣＰＥ１０２とＰＳＴＮ１１８との間にＰＯＴＳサービスとＣＰＥ１０２とＡＴＭ網１２０との間にｘＤＳＬサービスの両方を提供する。通信システム１００は、また、ＣＰＥ１０２とＡＴＭ網１２０との間にｘＤＳＬサービスのみを提供することもできる。この場合ラインサポート回路１２２は、ＤＳＬ変換器を含む。
【００１８】
ＣＯ１１４とｘＴＵ−Ｒ１１０の詳細を図２に示す。ＣＰＥ１０２からの通信信号（対称サービスと非対称サービスとＰＯＴＳを含む）をラインサポート回路１２２が受信する。このラインサポート回路１２２は、受信した通信信号を信号スプリッタ２００に与え、そしてこの信号スプリッタ２００が、受信した通信を受信用ＰＯＴＳブランチと受信用ｘＤＳＬブランチに与える。受信用ＰＯＴＳブランチは、受信した通信信号からＰＯＴＳ信号（それがある場合に）を抽出し、それらをＰＳＴＮ１１８に与える。受信用ｘＤＳＬブランチは、受信した通信信号から所望のｘＤＳＬ信号（存在する場合には）を抽出し、それらをＡＴＭ網１２０に与える。受信用ＰＯＴＳとｘＤＳＬブランチの動作を以下詳述する。
【００１９】
受信用ＰＯＴＳブランチは、受信用ローパスフィルタ（ＬＰＦ）２０２と、受信用ＰＯＴＳ帯域制限フィルタ（ＢＬＦ）２０４と、受信用ＰＯＴＳＡ／Ｄコンバータ２０６と受信用ＰＯＴＳデジタル信号プロセッサ（ＤＳＰ）２０８から構成される。受信用ｘＤＳＬブランチは、受信用高帯域通過フィルタ（ＨＰＦ）２１０、受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２、受信用ｘＤＳＬＡ／Ｄコンバータ２１４、受信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２１６から構成される。
【００２０】
ラインサポート回路１２２と受信用ＰＯＴＳブランチとの構成要素と受信用ｘＤＳＬブランチの構成要素と信号スプリッタ２００とは、中央局（ＣＯ）コントローラ２１８により制御される。通信システム１００内の構成要素の基本的動作は、既知であるので、従来の構成要素および回路は、容易に理解可能なブロック表示で図面に示し、本発明に関連する詳細部のみを示す。
【００２１】
ＰＳＴＮ１１８から受信した通信信号を送信用ＰＯＴＳブランチで処理する。送信用ＰＯＴＳブランチは、送信用ＰＯＴＳデジタル信号プロセッサ２２０と、送信用ＰＯＴＳＤ／Ａコンバータ２２２と、送信用ＰＯＴＳ帯域制限フィルタ２２４とを含む。ＡＴＭ網１２０から受信した通信信号は、送信用ｘＤＳＬブランチで処理する。送信用ｘＤＳＬブランチは、送信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２２６と、送信用ｘＤＳＬＤ／Ａコンバータ２２８と、送信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２３０とから構成される。送信用ＰＯＴＳブランチと送信用ｘＤＳＬブランチにより処理された通信信号を加算器２３２が加算し、それがラインサポート回路１２２に与えられ加入者ライン１１２を介してＣＰＥ１０２に送信される。
【００２２】
本発明の通信システム１００は、対称サービスと非対称サービスとＰＯＴＳをサポートする。ＰＯＴＳインターフェース１２４は、送信用と受信用のＰＯＴＳブランチと信号スプリッタ２００とＣＯコントローラ２１８と加算器２３２とを含み、ＰＳＴＮ１１８とＣＰＥ１０２との間のＰＯＴＳサービスを提供する。ｘＤＳＬインターフェース１２６は、送信用と受信用のｘＤＳＬブランチと信号スプリッタ２００とＣＯコントローラ２１８と加算器２３２とを含み、ＡＴＭ網１２０とＣＰＥ１０２との間にｘＤＳＬサービスを提供する。
【００２３】
ＣＰＥ１０２において、ＰＯＴＳ通信信号を生成し、それを電話機１０８が受領する。ＰＯＴＳ信号は、スイッチ２３４を介して電話機１０８に与えられる。スイッチ２３４は、電話機１０８と加入者ライン１１２との間で選択的な通信を与える。パソコン（ＰＣ）１０６は、ｘＤＳＬ信号をそれぞれＣＰＥ送信用ブランチとＣＰＥ受信用ブランチを介して送受信する。ＣＰＥ送信用ブランチは、ＣＰＥｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２３６とＣＰＥｘＤＳＬＤ／Ａコンバータ２３８とＣＰＥｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２４０とからなる。
【００２４】
ＣＰＥ受信用ブランチは、ＣＰＥｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２４２と、ＣＰＥｘＤＳＬＡ／Ｄコンバータ２４４と、ＣＰＥｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２４６とからなる。ハイブリッドスイッチ２４８は、ＣＰＥ受信用ブランチと送信用ブランチを加入者ライン１１２に接続する。スイッチ２３４とＣＰＥ送信用ブランチと受信用ブランチとハイブリッドスイッチ２４８は、ＣＰＥコントローラ２５０により制御される。
【００２５】
本発明の通信システム１００の動作を図２を参照して以下説明する。本発明は、採用される通信信号フォーマットに基づいて様々な形態で動作可能である。例えば本発明は、ｘＤＳＬサービスまたはＰＯＴＳサービスと非対称ｘＤＳＬサービスをサポートする。本発明によりサポートされるサービスは、手動により切り換え可能であるかあるいは自動的におよびダイナミックに選択可能である。
【００２６】
本発明の一態様によれば、ｘＤＳＬサービスとＰＯＴＳサービスは、１枚のラインカードあるいは回路パックからサポートされる。これらのサービスは、ＰＯＴＳと組み合わせた、例えばＡＤＳＬ、ＡＤＳＬ liteまたはＶＤＳＬからなる。このような状況において、直流電流（direct current，ＤＣ）がラインサポート回路によりＣＯコントローラ２１８の制御の元で与えられてＰＯＴＳ通信をサポートする。
【００２７】
ＣＯコントローラ２１８は、送信用と受信用のＰＯＴＳブランチの構成要素をターンオンする。特に、信号スプリッタ２００は、信号スプリッタ２００が活性化されて加入者ライン１１２を介して受信した通信信号を２つの信号であるＰＯＴＳブランチ信号とｘＤＳＬブランチ信号に分離する。ＣＰＥ１０２においては、ＣＰＥコントローラ２５０は、スイッチ２３４を閉じて、電話機１０８を加入者ライン１１２に接続する。かくして、ＰＯＴＳ通信パスが電話機１０８とＰＳＴＮ１１８との間で確立される。
【００２８】
受信用ＰＯＴＳローパスフィルタ２０２は、ＰＯＴＳブランチ信号内の高周波成分（例えばｘＤＳＬ信号）を取り除く。これは、ＰＯＴＳブランチ信号内のＰＯＴＳ信号をこれにより分離する。このフィルタ処理されたＰＯＴＳブランチ信号を受信用ＰＯＴＳ帯域制限フィルタ２０４でさらにフィルタ処理する。受信用ＰＯＴＳローパスフィルタ２０２は、約４ｋＨｚのカットオフ周波数に設定される。しかし本発明においては、２個の受信用ＰＯＴＳローパスフィルタ２０２と受信用ＰＯＴＳ帯域制限フィルタ２０４は、公知の方法でチューニングされるが、その理由は、受信用ＰＯＴＳローパスフィルタ２０２と受信用ＰＯＴＳ帯域制限フィルタ２０４の特定のチューニングは、ＰＯＴＳブランチ信号からＰＯＴＳ信号を抽出するために適切なこと以外は重要ではないからである。
【００２９】
ＰＯＴＳ信号は、アナログ信号であるがそれをその後デジタルＰＯＴＳ信号に変換する。このデジタルＰＯＴＳ信号を受信用ＰＯＴＳデジタル信号プロセッサ２０８が処理してＰＳＴＮ１１８に送る。受信用ＰＯＴＳデジタル信号プロセッサ２０８は、デジタルＰＯＴＳ信号に基づいて様々な公知のデジタル信号処理技術、例えばエコーキャンセリング音声監視等を行う。この処理されたデジタル信号は、ＰＳＴＮ１１８を介してさらに送信される。
【００３０】
本発明は、ＰＯＴＳと同時に非対称ｘＤＳＬ（ＡＤＳＬ、ＡＤＳＬ lite、ＶＤＳＬ）をサポートする。信号スプリッタ２００は、受信した通信信号をｘＤＳＬブランチ信号に分離する。このｘＤＳＬブランチ信号は、受信用ｘＤＳＬ高帯域通過フィルタ２１０に与えられ、この受信用ｘＤＳＬ高帯域通過フィルタ２１０が低周波ＰＯＴＳ信号をブロックして高周波ｘＤＳＬ信号を通過させる。受信用ｘＤＳＬ高帯域通過フィルタ２１０は、例えば１６ｋＨｚのカットオフ周波数を有する。その後、ｘＤＳＬ信号は、受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２に与えられ、この受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２はＣＯコントローラ２１８により制御された周波数帯域を有する。
【００３１】
ＣＯコントローラ２１８は、サービス受け中のｘＤＳＬサービスの周波数に基づいて周波数帯域を調整する。例えば、ＣＰＥ１０２からＣＯ１１４へあるいは上流方向に向けてＡＤＳＬとＡＤＳＬライトは、約２６ｋＨｚから１３４ｋＨｚの範囲の信号を含む。ＶＤＳＬにおいては、９９７と９９８の帯域プランを含む数個のバンドプランが選択される。受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２の周波数範囲は、適切なサービス用に設定される。
【００３２】
所望のサービスのｘＤＳＬ信号は、受信用ｘＤＳＬＡ／Ｄコンバータ２１４と受信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２１６に与えられ、その後ＡＴＭ網１２０に送信される。ＣＯコントローラ２１８は、サポート中のｘＤＳＬサービス用に適切なコードを受信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２１６に与える、即ちダウンロードする。別法として、様々なｘＤＳＬサービスの複数のコードが、受信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２１６に常駐し、ＣＯコントローラ２１８が適切なコードを実行用に選択する。
【００３３】
本発明の一態様によれば、ラインカードは、ＰＯＴＳサービスと複数のｘＤＳＬサービスのうちの１つをサポートする。受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２の周波数範囲を調整することにより、様々な種類のｘＤＳＬサービスがサポートできる。ＣＯコントローラ２１８は、受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２の周波数範囲を制御して適切なサービスをサポートする。ＣＯコントローラ２１８は、特定のｘＤＳＬサービスあるいはそれらのサービスの組をサポートするようプログラムされる。
【００３４】
ＣＯコントローラ２１８は受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２の周波数範囲をダイナミックに調整するのが好ましい。ＣＯコントローラ２１８は、ＣＰＥ１０２から受領した通信信号中の受信情報をサンプリングして、どのｘＤＳＬサービスをサポートすべきかを決定し、かくして受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２の適切な周波数範囲を決定する。
【００３５】
例えば、ＣＯコントローラ２１８は、どのｘＤＳＬサービスを用いるべきかを示す国際通信連合（International Telecommunications Union）からのＧ．９９０シリーズの仕様書中に含まれるハンドシェーク情報にアクセスできる。その後、ＣＯコントローラ２１８は、ハンドシェーク情報内に含まれる情報に基づいて受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２の周波数範囲を設定する。どのｘＤＳＬサービスが特定されかに基づいてＣＯコントローラ２１８は、適切なコードを受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２にダウンロードして所望の周波数範囲を設定する。
【００３６】
下流方向（ＡＴＭ網１２０からＣＰＥ１０２に）に伝播するｘＤＳＬ信号に対しては、このｘＤＳＬ信号は、送信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２２６により処理される。そしてこの送信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２２６は、ＣＯコントローラ２１８により制御され、送信用ｘＤＳＬＤ／Ａコンバータ２２８によりアナログｘＤＳＬ信号に変換される。このアナログｘＤＳＬ信号は、送信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２３０（その周波数範囲はＣＯコントローラ２１８により制御される）によりフィルタ処理され、その後送信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２３０により送信されているＰＯＴＳ信号と組み合わされる。
【００３７】
その後、この組み合わされた信号は、ラインサポート回路１２２により加入者ライン１１２を介してＣＰＥ１０２に送信される。ＣＯコントローラ２１８は、受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２について記載したのと同様な方法で、送信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２３０の周波数範囲を制御する。さらにまた、ＣＯコントローラ２１８は受信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２１６で説明したのと同様に送信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２２６の動作をコードを介して制御する。
【００３８】
本発明の他の態様によれば、通信システム１００は複数のｘＤＳＬ対称サービスと非対称サービスのうちの１つをサポートする。通信システム１００は、例えばＳＤＳＬ、ＨＤＳＬ、ＨＤＳＬ２、ＳＨＤＳＬ、ＡＤＳＬ、ＡＤＳＬ lite、ＶＤＳＬをサポートするがこれに限定されるものではない。これらのサービスをサポートするに際し、ラインサポート回路１２２から供給されたＤＣは切断されるが、その理由はＰＯＴＳサービスは必要とされないからである。
【００３９】
全てのＰＯＴＳ構成要素、即ち受信用ＰＯＴＳデジタル信号プロセッサ２０８と送信用ＰＯＴＳＤＰＳ２２０、受信用ＰＯＴＳＡ／Ｄコンバータ２０６と送信用ＰＯＴＳＤ／Ａコンバータ２２２、受信用ＰＯＴＳ帯域制限フィルタ２０４と送信用ＰＯＴＳ帯域制限フィルタ２２４、受信用ＰＯＴＳローパスフィルタ２０２はターンオフされる。信号スプリッタ２００が切断されると、その結果受信した通信信号は分離されず、その代わり受信用ｘＤＳＬブランチに直接送信される。受信用ｘＤＳＬ高帯域通過フィルタ２１０がターンオフされ、その結果、受信信号中の全ての周波数が、受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２に与えられる。
【００４０】
ＣＯコントローラ２１８は、どのｘＤＳＬサービスがサポートされているかに基づいて受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２の周波数範囲を設定する。上記したように、ＣＯコントローラ２１８は、特定のｘＤＳＬサービスを選択するよう予めプログラムされるか、あるいは受信通信信号中に含まれる情報に基づいてダイナミックにｘＤＳＬサービスを選択することができる。その後、フィルタ処理されたｘＤＳＬ信号は、受信用ｘＤＳＬＡ／Ｄコンバータ２１４によりデジタルｘＤＳＬ信号に変換され、このデジタルｘＤＳＬ信号は、受信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２１６により処理される。
【００４１】
上記したようにＣＯコントローラ２１８は、適切なコードを受信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２１６にダウンロードするか、あるいはＣＯコントローラ２１８は、受信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２１６中にある適切なコードを活性化する。ＣＯコントローラ２１８とラインサポート回路１２２と信号スプリッタ２００と加算器２３２と受信用と送信用のＰＯＴＳとｘＤＳＬブランチが非対称通信サービスと対称通信サービスをサポートし、かつＰＯＴＳとｘＤＳＬサービスをサポートする複数モード回路を構成する。
【００４２】
本発明によれば、異なる対称サービスと非対称サービスとの間の切り換え、あるいは動作モードの切り換えは様々な方法により行うことができる。上記したようにＣＯコントローラ２１８は、ＣＰＥ１０２から受信した情報、あるいは順番に基づいて動作モードを切り換える。例えば、加入者は発呼して同時に第１のｘＤＳＬサービス、例えばＡＤＳＬを用いてネットサーフィングすることもできる。加入者は、ＰＯＴＳの呼びを終了し、第１のｘＤＳＬサービスから第２のｘＤＳＬサービス、例えばＳＨＤＳＬにインターネットの接続を切り換えるよう決定する。加入者またはＣＰＥ１０２は、その後動作モード中の変更を要求する再構成信号をＣＯ１１４に送る。
【００４３】
上記したように、この再構成信号（reconfigure signal）は、直接メッセージとして、あるいはＡＴＭまたは他の層のメッセージチャネル内で送信することができる。通信セッションの最中にこの再構成信号は、上記したハンドシェークフォーマットで送信することもできる。通信システム１００の動作モードを変更するインストラクションを与える方法の一例を示すが、これは単なる例示であり通信システム１００がその構成を変更するような指示を受領する限り本発明により様々な方法を用いることができる。再構成の要求に応答して、ＣＯコントローラ２１８は通信システム１００の適切な構成要素を調整する。
【００４４】
さらにまたＣＯコントローラ２１８は、通信システム１００の全ての構成要素を監視して、この構成要素の動作に基づいて動作モードを自動的に変更するようプログラムすることができる。例えば、ＣＯコントローラ２１８は、ある信号が始めに用意された帯域幅よりもより大きな帯域幅を必要とすることを検出する。その後、ＣＯコントローラ２１８は受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２と送信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２３０に対し、その周波数範囲を増加するよう指示する。かくして、ＣＯコントローラ２１８は、どの動作モードがサポートされているかを自動的に決定するあるいは所定の基準に基づいて動作モードを変更する自動モード回路を含む。
【００４５】
２本線から４本線への変換を行うある種のハイブリッドおよびキャンセリング技術と終端インピーダンスを設定するある種の形式は、ＣＯ１１４内で行われる。
【００４６】
本発明の一態様により、動作モードを変更する別の方法を図３に示す。保守センタ３００は計算デバイス、例えばパソコン３０２を有し、インストラクションをＣＯコントローラ２１８に与えてＡＴＭ網１２０を介して動作モードを変更する。別法としてあるいはそれに加えるものとして、遠端部３０４あるいはシステムがＣＯコントローラ２１８に対し動作モードを変更するよう指示を与える。保守センタ３００と遠端部３０４は、ネットワークの負荷とデバイスの能力とサービス契約とを含む様々なファクタに起因して動作モードを変えることもできる。保守センタ３００と遠端部３０４とＡＴＭ網１２０は、ＣＯコントローラ２１８に対し、動作モードあるいはサービスの変更が必要であることを指示することのできる外部デバイスである。
【００４７】
特許請求の範囲の発明の要件の後に括弧で記載した番号がある場合は、本発明の一実施例の対応関係を示すものであって、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明によるＰＯＴＳサービスとデジタル加入者ラインサービスをサポートするラインカードを採用した通信システムを表すブロック図
【図２】 図１の通信システムの詳細ブロック図
【図３】 外部装置を含む図１に示した通信システムのブロック図
【符号の説明】
１００ 通信システム
１０２ 顧客構内装置（ＣＰＥ）
１０６ パソコン
１０８ 電話機
１１０ 加入者終端装置（ｘＴＵ−Ｒ）
１１２ 加入者ライン
１１４ 中央局（ＣＯ）
１１８ 公衆交換電話網（ＰＳＴＮ）
１２０ 非対称転送モード（ＡＴＭ）網
１２２ ラインサポート回路
１２４ ＰＯＴＳインターフェース
１２６ ｘＤＳＬインターフェース
２００ 信号スプリッタ
２０２ 受信用ローパスフィルタ
２０４ 受信用ＰＯＴＳ帯域制限フィルタ
２０６ 受信用ＰＯＴＳＡ／Ｄコンバータ
２０８ 受信用ＰＯＴＳデジタル信号プロセッサ
２１０ 受信用高帯域通過フィルタ
２１２ 受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ
２１４ 受信用ｘＤＳＬＡ／Ｄコンバータ
２１６ 受信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ
２１８ 中央局コントローラ
２２０ 送信用ＰＯＴＳデジタル信号プロセッサ
２２２ 送信用ＰＯＴＳＤ／Ａコンバータ
２２４ 送信用ＰＯＴＳ帯域制限フィルタ
２２６ 送信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ
２２８ 送信用ｘＤＳＬＤ／Ａコンバータ
２３０ 送信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ
２３２ 加算器
２３４ スイッチ
２３６，２４６ ＣＰＥｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ
２３８ ＣＰＥｘＤＳＬＤ／Ａコンバータ
２４０，２４２ ＣＰＥｘＤＳＬ帯域制限フィルタ
２４４ ＣＰＥｘＤＳＬＡ／Ｄコンバータ
２４８ ハイブリッドスイッチ
２５０ ＣＰＥコントローラ
３００ 保守センタ
３０２ パソコン
３０４ 遠端部
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ通信と音声通信を行う通信システムに関し、特にＰＯＴＳと非対称ＤＳＬをサポートするラインカードと方法およびＤＳＬをサポートする方法を提供する。
【０００２】
【従来の技術】
通信サービスのプロバイダは、顧客により安くより速くより頑強な高速データ通信を提供する必要性に迫られている。サービスプロバイダにとって面倒なことは、加入者が様々な高速データ通信サービスを使用することである。例えば、ＩＳＤＮサービス、デジタル加入者ライン（digital subscriber line，ＤＳＬ）サービス、ヨーロッパの周期的パルス測定（periodic pulse metering，ＰＰＭ）あるいはテレタックスのサービス等が、データを転送するのに通常現在使用されているものである。
【０００３】
さらに複雑なことには、これらのサービスの多くは様々な種類にさらに細分化されることである。例えば、高速データ通信のＤＳＬ群は、様々なサービスから成り立っており、これらは、通常ｘＤＳＬと称する。ここで、「ｘ」とは、ＤＳＬサービス群の１つを表す。現在のｘＤＳＬサービスは、非対称ＤＳＬ（Asymmetric DSL，ＡＤＳＬ）と、レート適用形ＤＳＬ（Rate adaptive DSL，ＲＡＤＳＬ）と、高速ビットレートＤＳＬ（High bit rate DSL，ＨＤＳＬ）と、超高速ＤＳＬ（Very high speed DSL，ＶＤＳＬ）と、対称ＤＳＬ（symmetric DSL，ＳＤＳＬ）と、ＨＤＳＬ２とＳＨＤＳＬを含む。
【０００４】
従来公知のようにＨＤＳＬは、２本のツイストケーブル対で動作し、一方ＨＤＳＬ２は、１本のツイストケーブル対で動作する。ｘＤＳＬサービスを提供することおよびこれらのサービスを提供するシステムの詳細は、米国特許第６，１４４，６５９号（発明の名称"Telecommunications Equipment Support of High Speed Data Services"、特許日２０００年１１月７日、発明者 NyeとPosthuma）と米国特許出願第０９／２５８，８７９号（発明の名称"Telecommunication Equipment Support of ISDN Communication Lines for High Speed Data Transmission"、出願日１９９９年２月２５日、発明者 Posthuma）を参照のこと。
【０００５】
さらにまた大部分の消費者が、データ通信用に通常の古いタイプの電話サービス（plain old telephone service，ＰＯＴＳ）ラインを用いている。そのためサービスプロバイダの通信システムは、様々な種類の通信サービスをサポートする必要がある。現在の所、通信システムは、例えば別々のサービスに対し別個の回路および装置を組み込んでいる。
【０００６】
特に現在のｘＤＳＬラインカードは、対称または非対称のアプリケーションのいずれかに向けられたものである。「対称」と「非対称」とは、通信の各方向に対する帯域幅を意味する。帯域幅が両方向に等しい場合には、サービスは「対称」であると称し、帯域幅が等しくない場合には、サービスは「非対称」であると称する。
【０００７】
対称のアプリケーション、例えばＨＤＳＬ２とＳＤＳＬのようなｘＤＳＬ技術をサポートするラインカードは、ＰＯＴＳと同時動作をサポートすることはない。ラインカードは、非対称ｘＤＳＬサービス（例えば、ＡＤＳＬまたはＡＤＳＬ Lite）とＰＯＴＳを同時に提供するものが知られている。ところが、これらのラインカードは、対称ｘＤＳＬサービスをサポートすることはない。そのため別々の回路パックあるいはラインカードが様々な対称サービスおよび非対称サービスとＰＯＴＳに対し通信システムでは必要とされている。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ＰＯＴＳと非対称デジタル加入者ラインサービスの動作を同時にサポートし、かつ対称と非対称のデジタル加入者ラインサービスをサポートするラインカードと方法を提供することである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
前記課題は本発明の、ＰＯＴＳと非対称デジタル加入者ラインサービスを同時にサポートしかつまた対称と非対称のデジタル加入者ラインサービスもサポートできるラインカードと方法により解決される。本発明のラインカードは、外部デバイスから受信したインストラクションに基づいて、あるいは所定のプログラムからのインストラクションに基づいて、あるいはラインカードの動作を監視することに基づいて適切なサービスをサポートするためのラインカードの動作を制御するコントローラを含む。
【００１０】
本発明の一態様によれば、本発明のラインカードは、対称通信サービスと非対称通信サービス、例えばｘＤＳＬサービスをサポートできる複数モード回路を有する。本発明のラインカードは、ＰＯＴＳサービスをサポートするＰＯＴＳインターフェースを含む。好ましくは、本発明のラインカードは、ＰＯＴＳサービスと非対称ｘＤＳＬサービスを同時にサポートする。本発明のラインカードは、対称と非対称のｘＤＳＬ通信サービスをサポートするｘＤＳＬインターフェースを含む。好ましくは、ｘＤＳＬインターフェースは、ＡＤＳＬ、ＡＤＳＬ lite、ＶＤＳＬ、ＨＤＳＬ、ＳＤＳＬ、ＨＤＳＬ２、ＳＨＤＳＬのいずれかをサポートすることができる。
【００１１】
本発明のラインカードは、サポートすべきサービスを自動的に決定する自動モード回路を含む。この自動モード回路は、サポート中のサービスに関するインストラクションを受領し、このインストラクションに基づいて複数モード回路を制御するコントローラを含む。インストラクションは、外部デバイスからまたは所定のプログラムからまたはラインカードの動作を監視することにより受領される。このインストラクションは、１つの通信セッションの間に受領される。
【００１２】
本発明の他の態様によれば、ラインカードは、ＰＯＴＳサービスと対称デジタル加入者ラインサービスと非対称デジタル加入者ラインサービスをサポートできる複数モード回路を具備する。好ましくは、複数モード回路は、複数のデジタル加入者ラインサービスのうちの少なくとも１つと同時にＰＯＴＳサービスをサポートできる。
【００１３】
本発明のさらに別の態様によれば、本発明の方法は、ＰＯＴＳと非対称デジタル加入者ラインサービスをサポートし、さらに対称と非対称のデジタル加入者ラインサービスをサポートする。本発明の方法は、請求項６に記載した特徴を有する。即ち、ＰＯＴＳと非対称デジタル加入者ラインサービスをサポートすべきかあるいはデジタル加入者ラインサービスをサポートすべきかを選択するステップと、ラインカードで通信信号を受領するステップと、ＰＯＴＳと非対称デジタル加入者ラインサービスがサポートされる場合には、通信信号中のＰＯＴＳ信号と非対称デジタル加入者ライン信号とを分離するステップと、ＰＯＴＳ信号と非対称デジタル加入者ライン信号とを処理するステップと、対称と非対称デジタル加入者ラインサービスがサポートされる場合には、通信信号中のデジタル加入者ライン信号を分離するステップと、前記デジタル加入者ライン信号を処理するステップとを有することを特徴とする。
【００１４】
【発明の実施の形態】
図１において、本発明による回路パックあるいはラインカードとしての通信システム１００のブロック図を示す。本発明は、対称ｘＤＳＬサービスと非対称ｘＤＳＬサービスとＰＯＴＳを１枚のラインカードからサポートを提供できるようにして、これにより通信システムのコストとスペースを削減するものである。特に、本発明の通信システム１００は、対称サービス（例えば、ＨＤＳＬ、ＨＤＳＬ２、ＳＨＤＳＬ、ＳＤＳＬ）と非対称サービス（例えば、ＡＤＳＬ、ＡＤＳＬ LiteとＰＯＴＳ）をサポートする。
【００１５】
本発明の通信システム１００は、点線１０４の右側に示した顧客構内装置（ＣＰＥ）１０２を有する。ＣＰＥ１０２は、加入者終端装置（ｘＴＵ−Ｒ）１１０に接続されたパソコン（ＰＣ）１０６とＰＯＴＳ電話機１０８とを有する。ｘＴＵ−Ｒ１１０は、加入者ライン１１２（例えば、ツイストワイヤ対またはループ）を介した出力用通信と入力用通信の間のインターフェースを提供する。同図に示したＣＰＥ１０２と本明細書の記載事項は単なる一実施例で、他のデバイスもＣＰＥ１０２の一部となり得る。例えば、本発明は、前掲の米国特許出願に開示されたシステム内で実行することができる。
【００１６】
点線１１６の左側に示した中央局（ＣＯ）１１４は、ＣＰＥ１０２と公衆交換電話網（ＰＳＴＮ）１１８と非対称転送モード（ＡＴＭ）網１２０を相互接続する様々な終端装置を含む。別法として、ＡＴＭ網１２０はＩＰバックボーンでもよい。ＣＯ１１４は、ラインサポート回路１２２とＰＯＴＳインターフェース１２４とｘＤＳＬインターフェース１２６とを含む。ＰＯＴＳインターフェース１２４は、ＰＳＴＮ１１８とのインターフェースを提供し、ｘＤＳＬインターフェース１２６は、ＡＴＭ網１２０とのインターフェースを提供する。
【００１７】
ラインサポート回路１２２は、加入者ライン１１２との間でＰＯＴＳインターフェース１２４とｘＤＳＬインターフェース１２６をインターフェースする。そのため通信システム１００は、ＣＰＥ１０２とＰＳＴＮ１１８との間にＰＯＴＳサービスとＣＰＥ１０２とＡＴＭ網１２０との間にｘＤＳＬサービスの両方を提供する。通信システム１００は、また、ＣＰＥ１０２とＡＴＭ網１２０との間にｘＤＳＬサービスのみを提供することもできる。この場合ラインサポート回路１２２は、ＤＳＬ変換器を含む。
【００１８】
ＣＯ１１４とｘＴＵ−Ｒ１１０の詳細を図２に示す。ＣＰＥ１０２からの通信信号（対称サービスと非対称サービスとＰＯＴＳを含む）をラインサポート回路１２２が受信する。このラインサポート回路１２２は、受信した通信信号を信号スプリッタ２００に与え、そしてこの信号スプリッタ２００が、受信した通信を受信用ＰＯＴＳブランチと受信用ｘＤＳＬブランチに与える。受信用ＰＯＴＳブランチは、受信した通信信号からＰＯＴＳ信号（それがある場合に）を抽出し、それらをＰＳＴＮ１１８に与える。受信用ｘＤＳＬブランチは、受信した通信信号から所望のｘＤＳＬ信号（存在する場合には）を抽出し、それらをＡＴＭ網１２０に与える。受信用ＰＯＴＳとｘＤＳＬブランチの動作を以下詳述する。
【００１９】
受信用ＰＯＴＳブランチは、受信用ローパスフィルタ（ＬＰＦ）２０２と、受信用ＰＯＴＳ帯域制限フィルタ（ＢＬＦ）２０４と、受信用ＰＯＴＳＡ／Ｄコンバータ２０６と受信用ＰＯＴＳデジタル信号プロセッサ（ＤＳＰ）２０８から構成される。受信用ｘＤＳＬブランチは、受信用高帯域通過フィルタ（ＨＰＦ）２１０、受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２、受信用ｘＤＳＬＡ／Ｄコンバータ２１４、受信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２１６から構成される。
【００２０】
ラインサポート回路１２２と受信用ＰＯＴＳブランチとの構成要素と受信用ｘＤＳＬブランチの構成要素と信号スプリッタ２００とは、中央局（ＣＯ）コントローラ２１８により制御される。通信システム１００内の構成要素の基本的動作は、既知であるので、従来の構成要素および回路は、容易に理解可能なブロック表示で図面に示し、本発明に関連する詳細部のみを示す。
【００２１】
ＰＳＴＮ１１８から受信した通信信号を送信用ＰＯＴＳブランチで処理する。送信用ＰＯＴＳブランチは、送信用ＰＯＴＳデジタル信号プロセッサ２２０と、送信用ＰＯＴＳＤ／Ａコンバータ２２２と、送信用ＰＯＴＳ帯域制限フィルタ２２４とを含む。ＡＴＭ網１２０から受信した通信信号は、送信用ｘＤＳＬブランチで処理する。送信用ｘＤＳＬブランチは、送信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２２６と、送信用ｘＤＳＬＤ／Ａコンバータ２２８と、送信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２３０とから構成される。送信用ＰＯＴＳブランチと送信用ｘＤＳＬブランチにより処理された通信信号を加算器２３２が加算し、それがラインサポート回路１２２に与えられ加入者ライン１１２を介してＣＰＥ１０２に送信される。
【００２２】
本発明の通信システム１００は、対称サービスと非対称サービスとＰＯＴＳをサポートする。ＰＯＴＳインターフェース１２４は、送信用と受信用のＰＯＴＳブランチと信号スプリッタ２００とＣＯコントローラ２１８と加算器２３２とを含み、ＰＳＴＮ１１８とＣＰＥ１０２との間のＰＯＴＳサービスを提供する。ｘＤＳＬインターフェース１２６は、送信用と受信用のｘＤＳＬブランチと信号スプリッタ２００とＣＯコントローラ２１８と加算器２３２とを含み、ＡＴＭ網１２０とＣＰＥ１０２との間にｘＤＳＬサービスを提供する。
【００２３】
ＣＰＥ１０２において、ＰＯＴＳ通信信号を生成し、それを電話機１０８が受領する。ＰＯＴＳ信号は、スイッチ２３４を介して電話機１０８に与えられる。スイッチ２３４は、電話機１０８と加入者ライン１１２との間で選択的な通信を与える。パソコン（ＰＣ）１０６は、ｘＤＳＬ信号をそれぞれＣＰＥ送信用ブランチとＣＰＥ受信用ブランチを介して送受信する。ＣＰＥ送信用ブランチは、ＣＰＥｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２３６とＣＰＥｘＤＳＬＤ／Ａコンバータ２３８とＣＰＥｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２４０とからなる。
【００２４】
ＣＰＥ受信用ブランチは、ＣＰＥｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２４２と、ＣＰＥｘＤＳＬＡ／Ｄコンバータ２４４と、ＣＰＥｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２４６とからなる。ハイブリッドスイッチ２４８は、ＣＰＥ受信用ブランチと送信用ブランチを加入者ライン１１２に接続する。スイッチ２３４とＣＰＥ送信用ブランチと受信用ブランチとハイブリッドスイッチ２４８は、ＣＰＥコントローラ２５０により制御される。
【００２５】
本発明の通信システム１００の動作を図２を参照して以下説明する。本発明は、採用される通信信号フォーマットに基づいて様々な形態で動作可能である。例えば本発明は、ｘＤＳＬサービスまたはＰＯＴＳサービスと非対称ｘＤＳＬサービスをサポートする。本発明によりサポートされるサービスは、手動により切り換え可能であるかあるいは自動的におよびダイナミックに選択可能である。
【００２６】
本発明の一態様によれば、ｘＤＳＬサービスとＰＯＴＳサービスは、１枚のラインカードあるいは回路パックからサポートされる。これらのサービスは、ＰＯＴＳと組み合わせた、例えばＡＤＳＬ、ＡＤＳＬ liteまたはＶＤＳＬからなる。このような状況において、直流電流（direct current，ＤＣ）がラインサポート回路によりＣＯコントローラ２１８の制御の元で与えられてＰＯＴＳ通信をサポートする。
【００２７】
ＣＯコントローラ２１８は、送信用と受信用のＰＯＴＳブランチの構成要素をターンオンする。特に、信号スプリッタ２００は、信号スプリッタ２００が活性化されて加入者ライン１１２を介して受信した通信信号を２つの信号であるＰＯＴＳブランチ信号とｘＤＳＬブランチ信号に分離する。ＣＰＥ１０２においては、ＣＰＥコントローラ２５０は、スイッチ２３４を閉じて、電話機１０８を加入者ライン１１２に接続する。かくして、ＰＯＴＳ通信パスが電話機１０８とＰＳＴＮ１１８との間で確立される。
【００２８】
受信用ＰＯＴＳローパスフィルタ２０２は、ＰＯＴＳブランチ信号内の高周波成分（例えばｘＤＳＬ信号）を取り除く。これは、ＰＯＴＳブランチ信号内のＰＯＴＳ信号をこれにより分離する。このフィルタ処理されたＰＯＴＳブランチ信号を受信用ＰＯＴＳ帯域制限フィルタ２０４でさらにフィルタ処理する。受信用ＰＯＴＳローパスフィルタ２０２は、約４ｋＨｚのカットオフ周波数に設定される。しかし本発明においては、２個の受信用ＰＯＴＳローパスフィルタ２０２と受信用ＰＯＴＳ帯域制限フィルタ２０４は、公知の方法でチューニングされるが、その理由は、受信用ＰＯＴＳローパスフィルタ２０２と受信用ＰＯＴＳ帯域制限フィルタ２０４の特定のチューニングは、ＰＯＴＳブランチ信号からＰＯＴＳ信号を抽出するために適切なこと以外は重要ではないからである。
【００２９】
ＰＯＴＳ信号は、アナログ信号であるがそれをその後デジタルＰＯＴＳ信号に変換する。このデジタルＰＯＴＳ信号を受信用ＰＯＴＳデジタル信号プロセッサ２０８が処理してＰＳＴＮ１１８に送る。受信用ＰＯＴＳデジタル信号プロセッサ２０８は、デジタルＰＯＴＳ信号に基づいて様々な公知のデジタル信号処理技術、例えばエコーキャンセリング音声監視等を行う。この処理されたデジタル信号は、ＰＳＴＮ１１８を介してさらに送信される。
【００３０】
本発明は、ＰＯＴＳと同時に非対称ｘＤＳＬ（ＡＤＳＬ、ＡＤＳＬ lite、ＶＤＳＬ）をサポートする。信号スプリッタ２００は、受信した通信信号をｘＤＳＬブランチ信号に分離する。このｘＤＳＬブランチ信号は、受信用ｘＤＳＬ高帯域通過フィルタ２１０に与えられ、この受信用ｘＤＳＬ高帯域通過フィルタ２１０が低周波ＰＯＴＳ信号をブロックして高周波ｘＤＳＬ信号を通過させる。受信用ｘＤＳＬ高帯域通過フィルタ２１０は、例えば１６ｋＨｚのカットオフ周波数を有する。その後、ｘＤＳＬ信号は、受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２に与えられ、この受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２はＣＯコントローラ２１８により制御された周波数帯域を有する。
【００３１】
ＣＯコントローラ２１８は、サービス受け中のｘＤＳＬサービスの周波数に基づいて周波数帯域を調整する。例えば、ＣＰＥ１０２からＣＯ１１４へあるいは上流方向に向けてＡＤＳＬとＡＤＳＬライトは、約２６ｋＨｚから１３４ｋＨｚの範囲の信号を含む。ＶＤＳＬにおいては、９９７と９９８の帯域プランを含む数個のバンドプランが選択される。受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２の周波数範囲は、適切なサービス用に設定される。
【００３２】
所望のサービスのｘＤＳＬ信号は、受信用ｘＤＳＬＡ／Ｄコンバータ２１４と受信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２１６に与えられ、その後ＡＴＭ網１２０に送信される。ＣＯコントローラ２１８は、サポート中のｘＤＳＬサービス用に適切なコードを受信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２１６に与える、即ちダウンロードする。別法として、様々なｘＤＳＬサービスの複数のコードが、受信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２１６に常駐し、ＣＯコントローラ２１８が適切なコードを実行用に選択する。
【００３３】
本発明の一態様によれば、ラインカードは、ＰＯＴＳサービスと複数のｘＤＳＬサービスのうちの１つをサポートする。受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２の周波数範囲を調整することにより、様々な種類のｘＤＳＬサービスがサポートできる。ＣＯコントローラ２１８は、受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２の周波数範囲を制御して適切なサービスをサポートする。ＣＯコントローラ２１８は、特定のｘＤＳＬサービスあるいはそれらのサービスの組をサポートするようプログラムされる。
【００３４】
ＣＯコントローラ２１８は受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２の周波数範囲をダイナミックに調整するのが好ましい。ＣＯコントローラ２１８は、ＣＰＥ１０２から受領した通信信号中の受信情報をサンプリングして、どのｘＤＳＬサービスをサポートすべきかを決定し、かくして受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２の適切な周波数範囲を決定する。
【００３５】
例えば、ＣＯコントローラ２１８は、どのｘＤＳＬサービスを用いるべきかを示す国際通信連合（International Telecommunications Union）からのＧ．９９０シリーズの仕様書中に含まれるハンドシェーク情報にアクセスできる。その後、ＣＯコントローラ２１８は、ハンドシェーク情報内に含まれる情報に基づいて受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２の周波数範囲を設定する。どのｘＤＳＬサービスが特定されかに基づいてＣＯコントローラ２１８は、適切なコードを受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２にダウンロードして所望の周波数範囲を設定する。
【００３６】
下流方向（ＡＴＭ網１２０からＣＰＥ１０２に）に伝播するｘＤＳＬ信号に対しては、このｘＤＳＬ信号は、送信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２２６により処理される。そしてこの送信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２２６は、ＣＯコントローラ２１８により制御され、送信用ｘＤＳＬＤ／Ａコンバータ２２８によりアナログｘＤＳＬ信号に変換される。このアナログｘＤＳＬ信号は、送信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２３０（その周波数範囲はＣＯコントローラ２１８により制御される）によりフィルタ処理され、その後送信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２３０により送信されているＰＯＴＳ信号と組み合わされる。
【００３７】
その後、この組み合わされた信号は、ラインサポート回路１２２により加入者ライン１１２を介してＣＰＥ１０２に送信される。ＣＯコントローラ２１８は、受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２について記載したのと同様な方法で、送信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２３０の周波数範囲を制御する。さらにまた、ＣＯコントローラ２１８は受信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２１６で説明したのと同様に送信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２２６の動作をコードを介して制御する。
【００３８】
本発明の他の態様によれば、通信システム１００は複数のｘＤＳＬ対称サービスと非対称サービスのうちの１つをサポートする。通信システム１００は、例えばＳＤＳＬ、ＨＤＳＬ、ＨＤＳＬ２、ＳＨＤＳＬ、ＡＤＳＬ、ＡＤＳＬ lite、ＶＤＳＬをサポートするがこれに限定されるものではない。これらのサービスをサポートするに際し、ラインサポート回路１２２から供給されたＤＣは切断されるが、その理由はＰＯＴＳサービスは必要とされないからである。
【００３９】
全てのＰＯＴＳ構成要素、即ち受信用ＰＯＴＳデジタル信号プロセッサ２０８と送信用ＰＯＴＳＤＰＳ２２０、受信用ＰＯＴＳＡ／Ｄコンバータ２０６と送信用ＰＯＴＳＤ／Ａコンバータ２２２、受信用ＰＯＴＳ帯域制限フィルタ２０４と送信用ＰＯＴＳ帯域制限フィルタ２２４、受信用ＰＯＴＳローパスフィルタ２０２はターンオフされる。信号スプリッタ２００が切断されると、その結果受信した通信信号は分離されず、その代わり受信用ｘＤＳＬブランチに直接送信される。受信用ｘＤＳＬ高帯域通過フィルタ２１０がターンオフされ、その結果、受信信号中の全ての周波数が、受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２に与えられる。
【００４０】
ＣＯコントローラ２１８は、どのｘＤＳＬサービスがサポートされているかに基づいて受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２の周波数範囲を設定する。上記したように、ＣＯコントローラ２１８は、特定のｘＤＳＬサービスを選択するよう予めプログラムされるか、あるいは受信通信信号中に含まれる情報に基づいてダイナミックにｘＤＳＬサービスを選択することができる。その後、フィルタ処理されたｘＤＳＬ信号は、受信用ｘＤＳＬＡ／Ｄコンバータ２１４によりデジタルｘＤＳＬ信号に変換され、このデジタルｘＤＳＬ信号は、受信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２１６により処理される。
【００４１】
上記したようにＣＯコントローラ２１８は、適切なコードを受信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２１６にダウンロードするか、あるいはＣＯコントローラ２１８は、受信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ２１６中にある適切なコードを活性化する。ＣＯコントローラ２１８とラインサポート回路１２２と信号スプリッタ２００と加算器２３２と受信用と送信用のＰＯＴＳとｘＤＳＬブランチが非対称通信サービスと対称通信サービスをサポートし、かつＰＯＴＳとｘＤＳＬサービスをサポートする複数モード回路を構成する。
【００４２】
本発明によれば、異なる対称サービスと非対称サービスとの間の切り換え、あるいは動作モードの切り換えは様々な方法により行うことができる。上記したようにＣＯコントローラ２１８は、ＣＰＥ１０２から受信した情報、あるいは順番に基づいて動作モードを切り換える。例えば、加入者は発呼して同時に第１のｘＤＳＬサービス、例えばＡＤＳＬを用いてネットサーフィングすることもできる。加入者は、ＰＯＴＳの呼びを終了し、第１のｘＤＳＬサービスから第２のｘＤＳＬサービス、例えばＳＨＤＳＬにインターネットの接続を切り換えるよう決定する。加入者またはＣＰＥ１０２は、その後動作モード中の変更を要求する再構成信号をＣＯ１１４に送る。
【００４３】
上記したように、この再構成信号（reconfigure signal）は、直接メッセージとして、あるいはＡＴＭまたは他の層のメッセージチャネル内で送信することができる。通信セッションの最中にこの再構成信号は、上記したハンドシェークフォーマットで送信することもできる。通信システム１００の動作モードを変更するインストラクションを与える方法の一例を示すが、これは単なる例示であり通信システム１００がその構成を変更するような指示を受領する限り本発明により様々な方法を用いることができる。再構成の要求に応答して、ＣＯコントローラ２１８は通信システム１００の適切な構成要素を調整する。
【００４４】
さらにまたＣＯコントローラ２１８は、通信システム１００の全ての構成要素を監視して、この構成要素の動作に基づいて動作モードを自動的に変更するようプログラムすることができる。例えば、ＣＯコントローラ２１８は、ある信号が始めに用意された帯域幅よりもより大きな帯域幅を必要とすることを検出する。その後、ＣＯコントローラ２１８は受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２１２と送信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ２３０に対し、その周波数範囲を増加するよう指示する。かくして、ＣＯコントローラ２１８は、どの動作モードがサポートされているかを自動的に決定するあるいは所定の基準に基づいて動作モードを変更する自動モード回路を含む。
【００４５】
２本線から４本線への変換を行うある種のハイブリッドおよびキャンセリング技術と終端インピーダンスを設定するある種の形式は、ＣＯ１１４内で行われる。
【００４６】
本発明の一態様により、動作モードを変更する別の方法を図３に示す。保守センタ３００は計算デバイス、例えばパソコン３０２を有し、インストラクションをＣＯコントローラ２１８に与えてＡＴＭ網１２０を介して動作モードを変更する。別法としてあるいはそれに加えるものとして、遠端部３０４あるいはシステムがＣＯコントローラ２１８に対し動作モードを変更するよう指示を与える。保守センタ３００と遠端部３０４は、ネットワークの負荷とデバイスの能力とサービス契約とを含む様々なファクタに起因して動作モードを変えることもできる。保守センタ３００と遠端部３０４とＡＴＭ網１２０は、ＣＯコントローラ２１８に対し、動作モードあるいはサービスの変更が必要であることを指示することのできる外部デバイスである。
【００４７】
特許請求の範囲の発明の要件の後に括弧で記載した番号がある場合は、本発明の一実施例の対応関係を示すものであって、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明によるＰＯＴＳサービスとデジタル加入者ラインサービスをサポートするラインカードを採用した通信システムを表すブロック図
【図２】 図１の通信システムの詳細ブロック図
【図３】 外部装置を含む図１に示した通信システムのブロック図
【符号の説明】
１００ 通信システム
１０２ 顧客構内装置（ＣＰＥ）
１０６ パソコン
１０８ 電話機
１１０ 加入者終端装置（ｘＴＵ−Ｒ）
１１２ 加入者ライン
１１４ 中央局（ＣＯ）
１１８ 公衆交換電話網（ＰＳＴＮ）
１２０ 非対称転送モード（ＡＴＭ）網
１２２ ラインサポート回路
１２４ ＰＯＴＳインターフェース
１２６ ｘＤＳＬインターフェース
２００ 信号スプリッタ
２０２ 受信用ローパスフィルタ
２０４ 受信用ＰＯＴＳ帯域制限フィルタ
２０６ 受信用ＰＯＴＳＡ／Ｄコンバータ
２０８ 受信用ＰＯＴＳデジタル信号プロセッサ
２１０ 受信用高帯域通過フィルタ
２１２ 受信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ
２１４ 受信用ｘＤＳＬＡ／Ｄコンバータ
２１６ 受信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ
２１８ 中央局コントローラ
２２０ 送信用ＰＯＴＳデジタル信号プロセッサ
２２２ 送信用ＰＯＴＳＤ／Ａコンバータ
２２４ 送信用ＰＯＴＳ帯域制限フィルタ
２２６ 送信用ｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ
２２８ 送信用ｘＤＳＬＤ／Ａコンバータ
２３０ 送信用ｘＤＳＬ帯域制限フィルタ
２３２ 加算器
２３４ スイッチ
２３６，２４６ ＣＰＥｘＤＳＬデジタル信号プロセッサ
２３８ ＣＰＥｘＤＳＬＤ／Ａコンバータ
２４０，２４２ ＣＰＥｘＤＳＬ帯域制限フィルタ
２４４ ＣＰＥｘＤＳＬＡ／Ｄコンバータ
２４８ ハイブリッドスイッチ
２５０ ＣＰＥコントローラ
３００ 保守センタ
３０２ パソコン
３０４ 遠端部
Claims (9)
- 複数モード回路からなり、前記複数モード回路は、
ＰＯＴＳサービスをサポートするＰＯＴＳインターフェースと、
対称及び非対称ｘＤＳＬサービスをサポートするｘＤＳＬインターフェースと、
どの対称及び非対称サービスをサポートすべきかを実質的に自動的に決定する自動モード回路と
を含み、
前記複数モード回路は、ＰＯＴＳサービス及び非対称デジタル加入者ラインサービスをサポートするか否か、又は、デジタル加入者ラインサービスをサポートするか否かを選択し、
前記複数モード回路は通信信号を受信し、
前記複数モード回路は、ＰＯＴＳサービス及び非対称デジタル加入者ラインサービスがサポートされている場合には、前記通信信号中のＰＯＴＳ信号及び非対称デジタル加入者ライン信号を分離して処理し、
前記複数モード回路は、対称及び非対称デジタル加入者ラインサービスがサポートされている場合には、前記ｘＤＳＬインターフェースの具備するデジタル加入者ライン信号用の帯域制限フィルタの周波数範囲を、サポートすべきデジタル加入者ラインサービスの信号帯域に適合するように調整することにより、前記通信信号中のデジタル加入者ライン信号を分離して処理することを特徴とする通信システム用ラインカード。 - 前記複数モード回路は、
サポートされているサービスに関する指示を受信し、前記指示に基づいて前記複数モード回路を制御するコントローラを有し、
前記コントローラは、通信セッション中にサポートされているサービスを変更することができる
ことを特徴とする請求項１記載のラインカード。 - 前記ｘＤＳＬインターフェースは、非対称デジタル加入者ラインサービス、非対称デジタル加入者ライン・ライトサービス、超高速デジタル加入者ラインサービス、対称デジタル加入者ラインサービス、高速ビットレートデジタル加入者ラインサービス、単一ペア対称デジタル加入者ラインサービス、ＨＤＳＬ２及びＳＨＤＳＬのうちのいずれか１つをサポートできることを特徴とする請求項１記載のラインカード。
- 前記複数モード回路は、ＰＯＴＳサービスと非対称デジタル加入者ラインサービスとをサポートし、前記ｘＤＳＬインターフェースは、非対称デジタル加入者ラインサービス、非対称デジタル加入者ライン・ライトサービス及び超高速デジタル加入者ラインサービスのうちのいずれか１つをサポートできることを特徴とする請求項１記載のラインカード
- ラインカードに基づいてＰＯＴＳ、非対称デジタル加入者ラインサービス及び対称デジタル加入者ラインサービスをサポートする方法であって、
（Ａ） ＰＯＴＳサービス及び非対称デジタル加入者ラインサービスをサポートするか否か、または、デジタル加入者ラインサービスをサポートするか否かを自動的に選択するステップと、
（Ｂ） ラインカードで通信信号を受信するステップと、
（Ｃ） ＰＯＴＳサービス及び非対称デジタル加入者ラインサービスがサポートされる場合には、前記通信信号中のＰＯＴＳ信号と非対称デジタル加入者ライン信号とを分離するステップと、
（Ｄ） 前記ＰＯＴＳ信号と前記非対称デジタル加入者ライン信号とを処理するステップと、
（Ｅ） 対称及び非対称デジタル加入者ラインサービスがサポートされる場合には、デジタル加入者ライン信号用の帯域制限フィルタの周波数範囲を、サポートすべきデジタル加入者ラインサービスの信号帯域に適合するように調整することにより、前記通信信号中のデジタル加入者ライン信号を分離するステップと、
（Ｆ） 前記デジタル加入者ライン信号を処理するステップと
を有することを特徴とする方法。 - 前記（Ａ）ステップは、
（Ａ１） 外部デバイスから、どのＰＯＴＳサービス及び非対称デジタル加入者ラインサービスをサポートすべきか、または、どの対称デジタル加入者ラインサービス又は非対称デジタル加入者ラインサービスをサポートすべきか、についての指示を受信するステップ
を有することを特徴とする請求項５記載の方法。 - 前記（Ａ１）ステップは、
（Ａ２） ハンドシェーク信号中の前記指示を受信するステップを含む
ことを特徴とする請求項６記載の方法。 - 前記（Ａ１）ステップは、
（Ａ３） 通信セッション中にハンドシェーク信号中の前記指示を受信するステップを含む
ことを特徴とする請求項７記載の方法。 - 前記（Ａ）ステップは、
（Ａ４） ラインカードの動作を監視するステップと、
（Ａ５） 前記ラインカードの動作に基づいて、ＰＯＴＳサービス及び非対称デジタル加入者ラインサービスをサポートするか否かあるいは対称デジタル加入者ラインサービスをサポートするか否かを選択するステップと
からなることを特徴とする請求項５記載の方法。
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