JP4377016B2 - 操縦スラストベクトルを有する閉鎖エレクトロンドリフトプラズマスラスタ - Google Patents

操縦スラストベクトルを有する閉鎖エレクトロンドリフトプラズマスラスタ Download PDF

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Description

【0001】
発明の分野
本発明は、操縦可能なスラストベクトルを有する閉鎖エレクロトンドリフトプラズマスラスタに関し、このスラスタは、陽極とイオン化可能ガス供給手段とに適合する少なくとも一つの主環状イオン化及び加速通路と、前記主環状通路に磁場を生成するための磁気回路と、イオン化可能ガス供給手段と協働する中空陰極とを具備している。
【0002】
従来の技術
イオンスラスタ又は閉鎖エレクトロンドリフトスラスタのスラストベクトルを操縦することによって、人工衛星の重心からスラストベクトルを偏倚させることによる姿勢制御操作を実施することを可能とし、又は、反対に、熱変形及び推進剤の消費によってもたらされるような人工衛星の重心の移動に追従するように、スラストベクトルを調整することによって不要トルクを打ち消すことを可能とする。
【0003】
この必要性は1970年から認識されていた。スラストベクトルを制御するための機構は、どちらかと言えば複雑であるために、静電式又は電磁式の制御によって機械式スラスト制御を置き換えるための多数の試みが成されている。
【0004】
射突式イオンスラスタによって、静電式偏向が最適にもたらされる。最も一般に使用される技術は、加速器格子の各穴を独立に制御可能な電位の四つの部分に細分することから成り、3°程度の偏向角度を実現することを可能とする。それにも係わらず、この種の技術を使用する産業的な具体化は、まだ成されていない。
【0005】
こうして、射突式イオンスラスタは、一般的に、機械的なスラスト操縦装置を使用する。
一例として、HS601HP人工衛星のHughesXIPS13と、実験用ARTEMIS人工衛星のRIT10及びUK10スラスタとが挙げられる。
【0006】
閉鎖エレクトロンドリフトスラスタによって、電磁式偏向が最適にもたらされる。プラズマスラスタにおける電界は、電磁ギャップにおける放射状磁場によって定められる。もし、放射状磁場の方位の変更が望まれるならば、電界も変化させられる。次いで、等電位面の変形が、スラストベクトルの角度を偏向させることを引き起こす。
【0007】
この解決方法は、例えば、文献US−A−5359258に開示されている。このような環境下において、外部磁極片は四つの部分に細分され、それぞれの部分が、同軸コイルを有する磁心に取り付けられている。このコイルへの送電差が、磁場の方位分布を変更するように働く。
【0008】
それにも係わらず、この傾向は、現用のスラスタに使用されていない。
文献EP0800196A1からも、円弧形状の四つの磁心に取り付けられた四つのコイルが放射状磁場の方位を変化させるように働くスラスト操縦装置が公知である。
【0009】
閉鎖エレクトロンドリフトスラスタのスラストベクトルを電磁式に制御するための種々の技術は、3°に匹敵する偏向角度を得ることを可能とするが、これらは、このようなスラスタの特定の物理的性質のために、一連の欠点を有している。特に、電界を局部的に増加することは、浸食領域の位置を変化させる。軸線方向に対称にしないと、外形磨耗が特定の側に顕著となる(人工衛星の重心が移動する方向が定まっているために)。ビームが向けられる基準方向を変更することが必要である限り、プラズマと磨耗した通路壁との間の境界面は、もはや、対称ではない。これは、前もって磨耗を抑えるようにされた側に際立つ磨耗を起こすが、特に、交換される磨耗限界を起こし、これは、操作の非常な妨げとなる可能性がある。
【0010】
寿命試験は電磁式制御装置を特定することが困難であることも気づくべきである。寿命がスラストベクトルの操縦方法に関する危険に及ぶと直ぐに、寿命試験中におけるスラストベクトルの操縦方法が実際の操作において遭遇するいくつかの不作為の規定より過酷であることを実際的に証明することが不可能となる。
【0011】
イオンビーム(スラストベクトル)が偏向される時のもう一つの欠点は、効率の大幅な低下に関連するものである。
軸線方向に対称なスラスタにおいて、横断電界及び磁場の作用下における環状通路でのエレクトロンのドリフト動作に対抗するものはない(これが、”閉鎖エレクトロンドリフト”スラスタの由来である)。
【0012】
もし、通路壁が磁極片に関して偏倚しているならば、エレクトロンと壁との間の衝突の増加のために、効率の低下が見られる。
もし、磁場が局部的に増加するならば、同じ作用が起こる。これは、非対称の磨耗によって悪化する。
【0013】
スラストベクトルを制御するための簡単な手段は、複数のスラスタの使用から構成可能であり、それぞれのスラスト力は個々に制御される。
【0014】
次いで、合成スラストベクトルの方向及び振幅を固定することが非常に容易であり、寿命はスラストの操縦方法から独立となる。不幸にも、このような方法は、少なくとも三つのスラスタ及び少なくとも三つの電力供給源が必要とされる時に高価となる欠点がもたらされる。
【0015】
本発明の目的及び要約
本発明は、前述で特定した欠点を改善することと、コスト及び搭載全質量を過剰に増加させない装置によってスラストベクトルを操縦することを目的とし、この装置は、結果的に、完全な組の多数のスラスタを具備せず、一方、それにも係わらず、十分な大きさの偏向角度を有して制御不可能な非対称をもたらすことなく、容易な及び効果的なスラストベクトルの操縦における制御を実現することを可能とする。
【0016】
これらの目的は、操縦可能なスラストベクトルを有する閉鎖エレクトロンドリフトプラズマスラスタによって達成され、本スラスタは、陽極とイオン化可能ガス供給手段とに適合する少なくとも一つの主環状イオン化及び加速通路と、前記主環状通路に磁場を生成するための磁気回路と、イオン化可能ガス供給手段と協働する中空陰極とを具備し、本スラスタは、平行でなく前記主環状通路の出口から下流側で収束する軸線を有する複数の主環状イオン化及び加速通路を具備し、磁場を生成するための磁気回路が、下流側に位置して全ての環状通路に共通な第一外部磁極片と、下流側の第一外部磁極片から上流側に配置されて全ての環状通路に共通な第二磁極片と、主環状通路の数と同数で主環状通路の軸線回りに配置された第一コアに取り付けられた複数の内部磁極片と、複数の第一コア回りのそれぞれに配置された複数の第一コイルと、主環状通路の間に位置する空間に配置された第二コアに取り付けられた複数の第二コイルとを具備し、第二コイルの前記第二コアは、それらの上流側部分を介して強磁性バーによって相互接続され、それらの下流側部分を介して前記下流側の第一外部磁極片へ接続され、本スラスタは、主環状通路のそれぞれへのイオン化可能ガス供給流量を調整するための手段と、主環状通路におけるイオン放電及び加速電流を制御するための手段とを具備することを特徴とする。
【0017】
主環状イオン化及び加速通路の軸線は、スラスタの幾何学的軸線に収束し、スラスタの幾何学的な軸線に関して5°から20°の範囲内の角度を形成する。
【0018】
各主環状イオン化及び加速通路は、分離器を介して流量調整器へ接続された管によってイオン化可能ガスを供給するマニホルドと協働する陽極を具備している。
【0019】
中空陰極には、分離器を介してヘッド損失部材へ接続された管へ通じている。流量調整器及びヘッド損失部材は、電気制御弁によって制御される共通管へ通じている。
【0020】
本スラスタは、中空陰極と陽極との間で放電させるための電力供給回路を具備し、主環状通路の放電振動は、陰極と陽極との間に位置するフィルタによって減結合される。
【0021】
陽極の放電電流を制御するために、本スラスタは、電流検出器と流量調整器で作動する電流調整器とを有するサーボ制御ループを具備し、この電流調整器は、合計放電電流関連値と少なくとも一つの軸線回りに操縦するための少なくとも一つのスラストベクトル偏向関連値とを受け入れ、イオン放電及び加速電流は、複数の第一コイル及び複数の第二コイルが陰極と電力供給回路の負端子との間において直列に接続されている前記磁気回路によって定められた磁場分布によって制御される。
【0022】
流量調整器は、放電電流サーボ制御ループによって、又は他に、熱的、圧電的、又は磁気歪的に作動する電気制御微量測定弁によって制御される熱的毛管手段によって構成されて良い。
【0023】
電流検出器は、数百ボルトの電圧で陽極のそれぞれにおける電流を測定するために、電気的に絶縁されて良い。
各主環状通路における流量範囲は、公称流量の50%から120%の範囲である。
第二コイルの数は、4から10の範囲であって良い。
【0024】
種々可能な実施形態において、スラスタは、二つの主環状通路、又は、スラスタの軸線回りに三角形状に配置された三つの主環状通路、又は他に、スラスタの軸線回りに四角形状に配置された四つの主環状通路を具備している。
【0025】
特定の実施形態において、第二コイルの数は主環状通路の倍数であり、各通路に配分された第二コイルの各部分組のコイルは直列に接続され、第二コイルのそれぞれの部分組は、直列に接続されたコイルのインピーダンスを等しくして並列に接続される。
【0026】
もう一つの特定の実施形態において、第二コイルの数は、主環状イオン化及び加速通路の倍数であり、それぞれの通路に配分された第二コイルの部分組のそれぞれのコイルへは、電流微細調整器を介して電力供給される。
【0027】
特定の実施形態において、スラスタは、スラストベクトルを操縦するためのデジタルサーボ制御ループを具備し、合計スラスト関連値及びスラストベクトル偏向値はデジタル形式で与えられ、二つの関連値が矛盾する場合において、スラストベクトル関連値は合計スラスト関連値より優先される。
【0028】
有利に、スラスタは、ラジエータと、電気的及び流体的接続のためのハウジングとして機能する共通の基板を具備する。
一実施形態において、イオン化可能ガス供給量を調整するための手段は、二つの軸線回りの制御を提供するために、スラストベクトル偏向のための二つの関連値を受け取る。
【0029】
特定の実施形態において、スラスタは、イオン化可能ガス供給量を調整するための手段を使用して第一軸線回りの制御を提供することを可能とする二つの主環状イオン化及び加速通路を具備し、さらに、第二軸線回りにおけるスラスタの基板への機械的枢着手段を具備する。
この場合において、スラスタの基板は、50°の最大角度を有して前記第二軸線回りに枢着されている。
【0030】
特定の態様において、スラスタの基板は、固定プラットフォームに取り付けられた少なくとも一つの可撓膜によって予め押圧されて基板へ直接的に固定された二つの球軸受において前記第二軸線回りに枢着され、可動部組立体の重心が回転軸線の近傍に位置され、回転角度は電気モータと角度固定を提供する減速歯車とによって制御される。
【0031】
本発明の他の特徴及び利点は、添付図面を参照して例として与えられた特定実施形態の以下の記述を読むことで明らかとなる。
【0032】
本発明の特定実施形態の詳細な記述
それぞれに複数の主環状イオン化及び加速通路が設けられた閉鎖エレクトロンドリフトプラズマスラスタのそれぞれの実施形態の以下の記述において、それぞれの主環状通路において同様な又はそれぞれの異なる通路に関連する部材は、同じ参照番号が与えられるが、単一スラスタにおいて第一、第二、第三、又は第四環状通路が参照されるかに依存して添字A、B、C、又はDが付けられる。
【0033】
図1から3は、並んで配置された二つの主環状通路124A及び124Bを有して本質的に矩形の外形を区画形成するプラズマスラスタを示している。二つの通路124A及び124Bの軸線241A及び241Bは、スラスタの幾何学的軸線752に関して所定角度242で傾斜されている。単一の中空陰極140は、二つの主通路124A及び124Bと協働する。
【0034】
図18に示す種類の単一の主環状通路を有する一般的なプラズマスラスタは、大体において、外部磁極片34と協働する四つの外部コイル31を有している。
【0035】
二つの主環状通路124A及び124Bを有する本発明のプラズマスラスタでは、二つの通路124A及び124Bの間の中間平面近傍に位置する一対の隣接外部コイル131を組み合わせることが可能である。その結果として、非常に開いたV形状(図1及び2参照)で共通外部磁極片134へ接続された六つの外部コイル131だけを使用することが可能となる。
【0036】
内部磁極片135A及び135Bは、主環状通路124A及び124Bの軸線241A及び241B回りに配置された第一コア138A及び138Bに取り付けられ、それにより、第一コアは存在する環状通路124A及び124Bと同数である。第一コア138A及び138B回りに配置された内部又は第一コイル133A及び133Bもまた、環状通路124A及び124Bの数と同数存在する(図3)。
【0037】
外部コイル131又は第二コイルは、二つの主環状通路124A及び124Bの間に位置する空間に配置された第二コア137に取り付けられている。このコイル131のコア137は、外部下流側磁極片134へ接続された下流側部分を有している。もう一つの外部磁極片311は、上流側に配置され、環状通路124A及び124B回りに配置された部分311A及び311Bを有しており、第一又は下流側外部磁極片134から上流側に配置されている(図3及び17)。
【0038】
通路124A及び124Bと磁気回路要素とが、好ましくは軽合金から形成されてラジエータとして機能する基板175へ固定されている。電気的及び流体的接続部は、基板に設けられた空洞内に収納されている。
【0039】
例として、磁気回路は、米国特許第5359258号に開示されたと同様に又は1998年の8月25日に出願された仏国特許出願第98/10674号に開示されたと同様に形成され、図3及び17に示されている。
【0040】
特に、図3、16、及び17を参照すると、絶縁壁122Aによって区画形成された124Aのような各環状通路が、その下流側端部において開口され、その上流側部分において切頭円錐状でその下流側部分において円筒状の部分を有している。環状陽極125Aは、下流側方向に開口する円錐部を形成する傾斜部分を有している。この陽極125Aは、プラズマとの接触面積を増大するために、陽極125Aの中実部分116Aに形成された細長穴117Aを有していても良い。イオン化可能ガスマニホルド127Aから到来するイオン化可能ガスを噴出するための穴部120Aは、陽極125Aの壁部を貫通して形成されている。このマニホルド127Aには、管126Aを介してイオン化可能ガスが供給される。陽極125Aは、セラミック材料から形成されて通路124Aを区画形成する部分122Aに関して、例えば、中実円形断面支柱114A及び少なくとも二つの支柱115Aによって支持可能であり、この部分は薄くて適応性のあるブレードを構成する分離器300Aは、管126Aと、陽極−陰極の放電のための電力供給の正極へ電気接続部145Aによって接続された陽極125Aとの間に介在している。
【0041】
内部磁極片135Aは、円錐形状の第二内部上流側磁極片351Aへ接続された複数の放射状アーム352Aによって、スラスタの上流側部分へそれ自身延長された中心軸磁気コア138Aによって延長されている。第二内部磁気コイル132Aは、第二内部磁極片351Aの外側上流側部分に設置可能である。内部コイル132Aからの磁場は、放射状アーム352Aと一直線に位置する放射状アーム136によって、及び、外部磁極片311Aによって、及び、内部磁極片351Aによって方向付けられる。小さな隙間361を、放射状アーム352Aと放射状アーム136との間に残すことができる。
【0042】
優れた絶縁材料の遮蔽形成シート130Aは環状通路124Aから上流側に配置され、優れた絶縁材料の遮蔽形成シート301Aが、通路124Aと内部コイル133Aとの間にも介在されている。遮蔽130A及び301Aは、コイル133A及び132Aと、基板175とへ向かう通路124Aによって放射された磁束の主部分を除去する。
【0043】
複数の通路124A及び124Bを有する本発明のプラズマスラスタの状況において、両通路124A及び124Bへの電力供給のために単一の陰極140を使用することができる。この陰極140は、ビームの両側に関して明らかに影響しないように位置させた雲状プラズマを生成し、さらに、通路124A及び124Bの軸線241A及び241Bが収束するために、これは、プラズマビームが横断することを意味し、それにより、ビームの間のインピーダンスが減少すると思われる。それにも係わらず、特に、もし通路の数が四つ以上であるならば必要とされる陰極を追加することが不可能でない。
【0044】
二つの通路124A及び124Bを有する図1から3のスラスタは、一つの軸線回りにスラストベクトルを操縦することを可能とする。
【0045】
図5から9に示した種類の三つの通路124Aから124Cを有するスラスタ形状は、二つの軸線回りのスラストベクトルを操縦することを可能とする。
【0046】
図5及び6の実施形態において、三角形状に配置された三つの主環状通路124A、124B、及び124Cの軸線241A、241B、及び241Cは、スラスタの軸線752上で収束する。各通路124Aから124Cは、ダイヤモンド形状の四つの外部コイル131によって取り囲まれている。これらコイル131のいくつかは、外部コイル131の全数が12となることに代えて七つに減少されるように、二つの隣接通路と協働する。
【0047】
外部コイル131のアンペア回数は、電力供給される磁極片の周囲長さの関数として調整される。アンペア回数は、四つの中央コイルにおいて同一であり、一方、通路124Aから124Cによって区画形成される三角形の頂点近傍に配置された三つの外部コイル131は、中央コイル131のアンペア回数の2/3だけである。
【0048】
三つの通路124A、124B、及び124Cを有するスラスタの他の主要素は、特に、軽合金から形成された共通の基板175と、共通の陰極140と、内部コイル133Aから133Cの磁気コア138Aから138Cと、多数の強磁性バー136によって相互接続された外部コイル131の磁気コア137とに関して、二つの通路124A及び124Bを有するスラスタのものと同様である。
【0049】
図8及び9は、外部コイル131の数及び配置においてだけ図5及び6の実施形態と異なる三つの主環状通路124A、124B、及び124Cを有するスラスタを示している。
【0050】
図8及び9の実施形態において、十の外部コイル131が存在している。これらは、各主環状通路124A、124B、及び124Cが不規則五角形を形成する五つのコイルによって取り囲まれるように分配されている。この不規則性は、約10°の通路の収束角度のためである。正五角形は、もし、通路の収束角度がより大きな約37°であるならば、得ることができる。外部コイル131のいくつかは、外部コイル131の全数が十五である代わりに十に減少されるように、通路124Aから124Cの二つ又は三つに同時に作用する。共通の磁極片134は磁場を平均化する。
【0051】
図8及び9の配置は、大きなスラスタにとって有利であり、一方、外部磁極片134を軽量化するように、外部コイル131を分割することが好ましい。外部磁極片134及び基板175は、六角形の頂点近傍に配置された六つの外部コイル131と、三つの通路124Aから124Cの間において星型に分配された四つの外部コイル131とを有する不規則六角形の形状である。
【0052】
図10及び11は、本質的に四角形状に配置されて九つの外部コイル131と協働する四つの主環状通路124A、124B、124C、及び124Dを有するスラスタを示している。各通路124Aから124Dは、四つの外部コイル131によって取り囲まれている。外部コイル131のいくつかは、複数の通路に関して機能する。本質的に四角形状の磁極片134及び基板175の角部近傍に配置されたコイル131だけが、単一の通路124Aから124Dだけに機能する。その結果として、外部コイル131の数は十六から九つに減少可能である。
【0053】
決定された偏向を得るために、軸線752に関する軸線241Aから241Dの角度を増加することが必要であり、この角度242は、二つの通路を有するスラスタに設けられた角度の二倍となる。
【0054】
図13から15を参照すると、図1から3のスラスタと本質的に同様な二つの通路124A及び124Bを有する本発明のスラスタを見ることができる。しかしながら、図13から15において、本スラスタは、単軸機械式操縦手段にも適合する。
【0055】
二つの主環状通路124A及び124Bと、それらと協働する六つの外部コイル131とは、5°から20°の範囲内とすることができる角度に渡り第一軸線回りのスラストベクトルの操縦における適応性のある容易な制御を提供する。単軸機械式操縦手段は、例えば、約50°の大きな角度783に渡りスラストベクトルの方向を操縦することを可能として、第二軸線回りのスラストベクトルの方向の制御を可能とする。
【0056】
単軸機械式操縦装置は、非常に簡単で、重量が非常に軽く、二軸機械式操縦装置より高い耐久性を有していることが注目される。特に、単軸装置によって、スラスタの重心751が操縦装置の回転軸線782上に設置することができ、それにより、任意の固定装置を省略することが可能となる。角度固定は、例えば、電気モータ177及び減速歯車179を具備する反転不可能回転制御機構によって直接的に得ることができる。機械的に操縦可能なスラスタの台175の回転軸線は、スラスタが動かされる間の動的な力に耐えることができる二つの斜め接触球軸受178によって実現可能である。二つの斜め接触軸受178の少なくとも一つは、弾性膜781に取り付けられ、熱勾配に関して一定で独立した予め与えられた押圧を保証することを可能とし、それにより、例えば、ヨーロッパ特許第0325073号に開示されているような障害を防止する。弾性膜781は、それ自身、固定基板176に取り付けられている。電気接続は可撓ケーブルによって提供され、イオン化可能ガスはホースによって提供される。
【0057】
単軸機械式操縦の二つの通路124A及び124Bを有するスラスタは、スラストベクトルが、一つの軸線回りの大きな角度を通して及び他の軸線回りの小さな角度を通して指向可能であることが必要とされる時に、特に役立つ。
【0058】
これは、地球静止移動軌道(GOT)と最終的な地球静止軌道(GEO)との間を移動するために、南北制御を得るために、及び、さらに、スラストベクトルが軌道面において及び軌道面を離れて操縦されることを必要とする使命のために(GTO−GEOの移動のための傾き修正又は所定の衛星使命のために)、プラズマスラスト力を使用する通信衛星にとって特に適する。
【0059】
一般的に、本発明により、スラストベクトルは、共通の磁気回路134に含まれて単一の中空陰極140と単一の供給ブロック190との両方へ接続されている複数の主イオン化及び加速環状通路124Aから124Dへスラスト流体を別けて供給することによって制御される(図4)。
【0060】
固定された放射状の磁場(共通の中空陰極140によって送られた電流によって決定されるような)のために、非収束方式(スパイク方式として知られている)で作動する閉鎖エレクトロンドリフトモータにとっては、所定の流量余裕と、こうして、所定の放電電流余裕とが存在する。スラスト力は、実質的に、公称作動位置回りの小さな範囲において、放電電流及び流量に比例するために、流量を変更することによって各通路124Aから124Dの個々のスラスト力を制御することは容易である。これは、例えば、放電電流サーボ制御ループによって制御される熱的毛管手段を具備する個々の流量調整器185Aから185Dによって容易に実現される。電気制御微量計測値(熱式、圧電式、又は、磁気歪式のアクチュエータを有する)を使用することも可能である。
【0061】
一般的な静止プラズマスラスタにおいて、電流センサは、電流戻し線に(接地電位に近い電位が陰極の電位からコイルの電圧降下を減算した値に等しいためにこの電位において)設置される。
【0062】
この場合において、各陽極の電流を測定することも必要である。陽極電位が300Vであるために、電気的絶縁された電流検出器193Aから193Dによってこの測定を実施することが好ましい。例えば、それぞれが一つの陽極の電流を送る二つの反対巻きのソレノイドの軸線上にホール効果センサを設置することによって二つのワイヤの間の電流差を測定することが可能である。
【0063】
図4は、三つの通路124Aから124C(及び、こうして、三つの陽極125Aから125C)を有するスラスタの電気回路を示している。各陽極125Aから125Cは、L−C回路(911Aから911C)によって構成されたフィルタを介して共通供給部へ接続されている。これは、各通路の間の振動周波数を減結合するように機能し、これらの周波数は、異なる流量のために僅かに異なる可能性がある。
【0064】
単一のスラスタへ供給する電力供給ブロックに比較して、唯一のさらなる複雑化は、さらなる流量制御調整器と絶縁された電流差検出器(92,921,922)を追加することである。
【0065】
図4の回路は、もちろん、図10及び11に示す実施形態のように、四つの通路124Aから124Dを有する実施形態へ適用可能である。このような状況において、必要とされる全ては、さらなる分岐部であり、その要素には添字Dが与えられる。
【0066】
通路124Aから124Dに対応する各分岐部において、一室が、陽極125Aから125Dと、ホース118Aから118Dによってイオン化可能ガスが供給されるマニホルド127Aから127Dと、分離器(300Aから300D)と、電気制御弁187によって制御される共通の供給ホース部分126へ接続された流量調整器(185Aから185D)とを具備する。共通のホース126は、さらに、ヘッド損失部材186及び分離器300によって中空陰極140へ通じている。放電は、電力供給回路191によって中空陰極140と陽極125Aから125Dとの間で実現される。各通路における放電振動は、各陽極125Aから125Dと陰極140との間に設置されたフィルタ911Aから911Dによって減結合される。各陽極の放電電流は、電流検出器193Aから193D、好ましくは、電気的絶縁検出器と、単軸制御にとってのスラストベクトル偏向のための一つの関連値922又は二軸制御にとってのスラストベクトル偏向のための二つの関連値922と合計放電電流のための関連値921とを受け入れる調整器192とを有するサーボ制御ループによって制御される。イオン放出及び加速電流は、全ての通路に共通な外部下流側磁極片134と、全ての通路に共通な外部上流側磁極片311と、コア137に取り付けられた外部コイル131と、コイル133Aから133Dに適合したコア138Aから138Dに取り付けられた内部磁極片135Aから135Dとによって決定されるような磁場の分布によって制御される。全ての磁極片の端部は、通路124Aから124Dの軸線241Aから241D回りの同軸トーラス形状の外形を有する。内部コイル133Aから133D及び外部コイル131は、陰極と、電力供給回路191の負端子との間に直列に接続され、一方、それぞれのコアは強磁性バー136によって上流側で接続されている。調整回路は、各通路124Aから124Dにおいて、一般的に公称流量の50%から120%に渡る流量範囲を確定することを可能とする。
【0067】
調整回路の種々の実施形態の変更は可能である。
こうして、特定の変更において、外部コイル131の数は、主環状通路124Aから124Dの数の倍数であり、各通路124Aから124Dへ割り当てられたコイル部分組立体131のそれぞれのコイルは直列に接続され、一方、それぞれのコイル部分組立体131は並列に接続され、直列に接続されたコイルのインピーダンスは等しい。
【0068】
もう一つの変更において、外部コイル131の数は、環状通路124Aから124Dの数の倍数であり、それぞれの通路に割り当てられたコイルの部分組のそれぞれのコイルは、電流微細調整器によって電力供給される。
【0069】
さらにもう一つの変更において、スラストベクトルの操縦をサーボ制御するために、デジタルループが設けられ、合計スラスト関連値及びスラストベクトル偏向関連値は、デジタル形式で与えられ、スラストベクトル偏向関連値は、二つの関連値が矛盾する場合において、合計スラスト関連値に対して優先される。
【0070】
本発明の多重通路スラスタは、3°の旋回を可能とする基板上に取り付けられた単一のスラスタとスラスト力を制御するための同じ能力を提供可能であることが判る。
【0071】
例えば、一つの星座の衛星の一つへ提供される単一のスラスタの場合において、スラスタと衛星の重心との間の距離は、約1メータ(m)である。偏向角度θでスラスト力Fによって生じるトルクは、C=F・sinθに等しく、すなわち、θ=3°ではC=0.0523Fである。
【0072】
140mmだけ離間した二つの通路を有し、各ビームが100mmの直径を有し、公称単位スラスト力F1=F/2である本発明のスラスタでは、もし、個々の通路の軸線が10°の半分の角度αだけ逸れているならば、各通路において個々のスラスト力を変化させることによって実現可能なトルク変化は、
C=(0.07+sin10°)(ΔF1 −ΔF2
C=0.21136(ΔF1 −ΔF2 )である。
変化における絶対値を等しくするために、ΔF1 =0.215Fで与えられる制御関係が満足される。
スラスト力における変化は、こうして、約20%であり、制御は容易である。
【0073】
質量150kgの通信衛星のような衛星に搭載されたイオン化可能ガスの追加質量によって、従来技術の実施形態は、さらなる搭載質量が12kgより重いような二つの操縦板を有することが理解される。単一の操縦板及び複数の通路を有する本発明のスラスタでは、キセノンのようなイオン化可能ガスの追加質量にとって、二つの操縦板を有する従来技術の装置によって必要とされる追加質量より少ない約2kgであることが必要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】二つの主環状通路を有する本発明のプラズマスラスタの第一実施形態を示す概略側面図である。
【図2】図1のプラズマスラスタを示す下流側から見た端面図である。
【図3】図1及び2に示すプラズマスラスタの実施形態における特定断面の斜視図である。
【図4】三つの主環状通路を有する本発明のプラズマスラスタの第二実施形態のための電気及び流体ブロック図である。
【図5】三角形状に配置された三つの主環状通路と七つの外部コイルとを有する本発明のプラズマスラスタの実施形態を示す概略側面図である。
【図6】図5のプラズマスラスタを示す下流側から見た端面図である。
【図7】図5及び図6のスラスタの通路がどのようにして傾斜させられたかを示す図である。
【図8】二つの外部コイルを備えて三角配置された三つの主環状通路を有する本発明のプラズマスラスタのもう一つの実施形態を示す概略側面図である。
【図9】図8のプラズマスラスタを示す下流側から見た端面図である。
【図10】四角配置の四つの主環状通路と九つの外部コイルとを有する本発明のプラズマスラスタの実施形態を示す概略側面図である。
【図11】図10のプラズマスラスタを示す下流側から見た端面図である。
【図12】図10及び図11のスラスタの通路の傾斜を示す図である。
【図13】本発明のプラズマスラスタのさらにもう一つの実施形態を示す概略側面図であり、本実施形態は、二つの主環状通路と六つの外部コイルとを有し、機械的な指向軸線に適合している。
【図14】図13のプラズマスラスタを示す下流側から見た端面図である。
【図15】機械的な指向軸線の詳細実施を示す図14の矢印Fから見た側面図である。
【図16】本発明のスラスタの主環状通路のそれぞれに組み込み可能な陽極を示す軸線方向断面の斜視図である。
【図17】本発明のスラスタの主環状通路の一つの可能な実施形態を示す軸線方向半断面図である。
【図18】単一の主環状通路と機械的な指向手段とを具備する従来のプラズマスラスタを示す側面図である。

Claims (24)

  1. 操縦可能なスラストベクトルを有する閉鎖エレクトロンドリフトプラズマスラスタであって、前記スラスタは、陽極及びイオン化可能ガス供給手段に適合する少なくとも一つのイオン化及び加速の主環状通路と、前記主環状通路に磁場を形成するための磁気回路と、前記イオン化可能ガス供給手段と協働する中空陰極(140)とを具備し、前記スラスタは、非平行で前記主環状通路(124Aから124D)の出口から下流側において集合する軸線(241Aから241D)を有する複数のイオン化及び加速の主環状通路(124Aから124D)を具備し、磁場を形成するための前記磁気回路は、全ての前記主環状通路の下流側で共通の第一外部磁極片(134)と、全ての前記主環状通路に共通で下流側の前記第一外部磁極片(134)から上流側に配置された第二外部磁極片(311)と、前記主環状通路(124Aから124D)の前記軸線(241Aから241D)回りに配置された第一コア(138Aから138D)に取り付けられて前記主環状通路(124Aから124D)の数と等しい複数の内部磁極片(135Aから135D)と、複数の前記第一コア(138Aから138D)回りのそれぞれに配置された複数の第一コイル(133Aから133D)と、前記主環状通路の間に位置する空間に配置された第二コア(137)に取り付けられた複数の第二コイル(131)とを具備し、前記第二コイル(131)の前記第二コア(137)は、強磁性バー(136)によって上流部分を介して相互接続され、下流側の前記第一外部磁極片(134)へ下流部分を介して接続され、前記スラスタは、前記主環状通路(124Aから124D)のそれぞれへのイオン化可能ガス流量を調整するための調整手段(192)と、前記主環状通路(124Aから124D)においてイオン放出及び加速電流を制御するための制御手段(191)とを具備することを特徴とする閉鎖エレクトロンドリフトプラズマスラスタ。
  2. イオン化及び加速の前記主環状通路(124Aから124D)の前記軸線(241Aから241D)は、前記スラスタの幾何学的軸線(752)に集束することを特徴とする請求項1に記載のプラズマスラスタ。
  3. イオン化及び加速の前記主環状通路(124Aから124D)の前記軸線(241Aから241D)は、前記スラスタの幾何学的軸線(752)と5°から20°の範囲内に位置する角度を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマスラスタ。
  4. イオン化及び加速の前記主環状通路(124Aから124D)のそれぞれは、分離器(300Aから300D)を介して流量調整器(185Aから185D)へ接続された管(118Aから118D)によって前記イオン化可能ガスが供給されるマニホルド(127Aから127D)と協働する陽極(125Aから125D)を具備することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプラズマスラスタ。
  5. 前記中空陰極(140)は、分離器(300)を介してヘッド損失部材(186)へ接続された管へ通じていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプラズマスラスタ。
  6. 前記流量調整器(185Aから185D)及び前記ヘッド損失部材(186)は、電気制御弁(187)によって制御される共通管(126)へ通じていることを特徴とする請求項4又は5に記載のプラズマスラスタ。
  7. 前記中空陰極(140)と前記陽極(125Aから125D)との間で放電させるための電力供給回路(191)を具備し、前記主環状通路(124Aから124D)の放電振動は、前記中空陰極(140)と前記陽極(125Aから125D)との間に位置するフィルタ(911Aから911D)によって減結合されることを特徴とする請求項4又は5に記載のプラズマスラスタ。
  8. 前記陽極(125Aから125D)の放電電流を制御するために、電流検出器(193Aから193D)と、前記流量調整器(185Aから185D)上で作動する電流調整器(192)とを有するサーボ制御ループを具備し、前記電流調整器は、合計放電電流関連値(921)と少なくとも一つの軸線回りの操縦のための少なくとも一つのスラストベクトル偏向関連値(922)とを受け入れ、前記イオン放出及び加速電流は、前記磁気回路によって決定される磁場分布によって制御され、前記磁気回路において、複数の前記第一コイル(133Aから133D)と複数の前記第二コイル(131)とは、前記中空陰極(140)と前記電力供給回路(191)の負端子との間に直列に接続されていることを特徴とする請求項7に記載のプラズマスラスタ。
  9. 前記流量調整器(185Aから185D)は、放電電流サーボ制御ループによって制御される熱的毛管手段によって構成されることを特徴とする請求項8に記載のプラズマスラスタ。
  10. 前記流量調整器(185Aから185D)は、熱式、圧電式、又は、磁気歪式に作動される電気制御微量測定弁によって構成されていることを特徴とする請求項8に記載のプラズマスラスタ。
  11. 前記電流検出器(193Aから193D)は、数百ボルトの電位で前記陽極(125Aから125D)のそれぞれにおいて電流を測定するために電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項8に記載のプラズマスラスタ。
  12. 各前記主環状通路(125Aから125D)における流量範囲は、公称流量の50%から120%の範囲であることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のプラズマスラスタ。
  13. 前記第二コイル(131)の数は、4から10の範囲内であることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載のプラズマスラスタ。
  14. ラジエータとして、及び、電気的及び流体的接続のためのハウジングとして機能する共通基板(175)を具備することを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載のプラズマスラスタ。
  15. イオン化及び加速の二つの前記主環状通路(124A,125B)を具備することを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載のプラズマスラスタ。
  16. イオン化及び加速の二つの前記主環状通路(124A,125B)を具備し、前記イオン化可能ガスの供給量を調整するための前記調整手段(192)を使用して第一軸線回りの制御を提供することを可能とし、さらに、第二軸線回りにおける前記スラスタの前記基板(175)への機械的枢着手段を具備することを特徴とする請求項14又は15に記載のプラズマスラスタ。
  17. 前記スラスタの前記基板(175)は、50°の最大角度(783)で前記第二軸線(782)回りに枢着されていることを特徴とする請求項16に記載のプラズマスラスタ。
  18. 前記スラスタの前記基板(175)は、固定プラットフォーム(176)に取り付けられた少なくとも一つの可撓膜(781)によって予め押圧されて前記基板(175)に直接的に固定された二つの球軸受(178)上で前記第二軸線(782)回りに枢着され、可動部組立体の重心(751)は、回動軸線(782)の近傍に位置し、回動角度(783)は、電気モータ(177)及び角度固定を提供する減速ギヤ(179)によって制御されることを特徴とする請求項16又は17に記載のプラズマスラスタ。
  19. 前記スラスタの軸線(752)回りに三角形状に配置された三つのイオン化及び加速の前記主環状通路(124Aから124C)を具備することを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載のプラズマスラスタ。
  20. 前記スラスタの軸線(752)回りに四角形状に配置された四つのイオン化及び加速の前記主環状通路(124Aから124D)を具備することを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載のプラズマスラスタ。
  21. 前記第二コイル(131)の数は、イオン化及び加速の前記主環状通路(124Aから124D)の数の倍数であり、各前記主環状通路(124Aから124D)に割り当てられた前記第二コイルの各部分組のコイルは直列に接続され、前記第二コイル(131)の各部分組は並列に接続され、直列に接続されたコイルのインピーダンスが等しくされていることを特徴とする請求項1から20のいずれかに記載のプラズマスラスタ。
  22. 前記第二コイル(131)の数は、イオン化及び加速の前記主環状通路(124Aから124D)の数の倍数であり、各前記主環状通路(124Aから124D)に割り当てられた前記第二コイルの各部分組のコイルは電流微細調整器を介して電力供給されることを特徴とする請求項1から20のいずれかに記載のプラズマスラスタ。
  23. スラストベクトルを操縦するためのデジタルサーボ制御ループを具備し、合計スラスト関連値とスラストベクトル偏向関連値とが、デジタル形式で与えられ、前記スラストベクトル偏向関連値は、二つの前記関連値が矛盾する場合において、合計スラスト関連値より優先されることを特徴とする請求項1から20のいずれかに記載のプラズマスラスタ。
  24. 前記イオン化可能ガスの供給量を調整するための前記調整手段(192)は、二つの軸線回りの制御を提供するために、スラストベクトル偏向のための二つの関連値を受け入れることを特徴とする請求項1から15、19、及び20のいずれかに記載のプラズマスラスタ。
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