JP4374956B2 - キャッシュメモリ制御装置およびキャッシュメモリ制御方法 - Google Patents

キャッシュメモリ制御装置およびキャッシュメモリ制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、プロセッサとメモリデバイスとの間で、データの転送を効率的に行うために設けられるキャッシュメモリの制御装置およびキャッシュメモリの制御方法に関する。
従来、プロセッサがメインメモリ等のメモリデバイス上のデータを読み出す処理を高速化するために、キャッシュメモリが用いられている。
キャッシュメモリは、プロセッサによって高速にデータを読み出すことが可能な記憶素子によって構成されている。そして、キャッシュメモリは、メモリデバイスに記憶されているデータ(以下、適宜「メモリデバイスデータ」と言う。)の一部を記憶しておき、プロセッサがメモリデバイスからデータの読み出しを行う場合に、そのデータがキャッシュメモリに記憶されているものであれば、キャッシュメモリから読み出すことによって、データを高速に読み出すことを可能としている。
ここで、キャッシュメモリの方式には種々のものがあるが、セット・アソシアティブ方式が一般的である。
セット・アソシアティブ方式とは、キャッシュメモリを複数の領域(ウェイ)に分割し、それぞれのウェイに、メモリデバイス上の異なるアドレスのデータを格納しておくことにより、ヒット率を向上させることができる方式である。
図12は、従来のセット・アソシアティブ方式のキャッシュメモリ100の構成を示す概略図である。
図12において、キャッシュメモリ100は、タグ・テーブル110と、データ・メモリ120と、ヒット検出部130と、マルチプレクサ(MUX)140とを含んで構成される。なお、キャッシュメモリ100においては、その記憶領域内に、複数N個の要素を記憶することが可能であり、これらの要素それぞれは“エントリ”と称される。また、キャッシュメモリ100は、2ウェイのセット・アソシアティブ方式であり、各エントリには、それぞれ2つのメモリデバイスデータ(ウェイAおよびウェイBのデータ)が格納されている。
タグ・テーブル110は、データ・メモリ120におけるウェイA,Bそれぞれのメモリデバイスデータが、メモリデバイス上のいずれのアドレスに記憶されているものであるかを示すアドレス情報を記憶している。タグ・テーブル110に記憶されているアドレス情報は、後述するヒット検出部130によって参照され、キャッシュがヒットしたか否かの判定に用いられる。
データ・メモリ120は、アクセス頻度の高いデータ等、所定のメモリデバイスデータを記憶している。また、データ・メモリ120には、ウェイA,Bそれぞれに対応するメモリデバイスデータを記憶することが可能である。
ヒット検出部130は、プロセッサからの読み出し命令に対し、キャッシュメモリ100に記憶されているメモリデバイスデータがヒットしたか否かを検出する。具体的には、タグ・テーブル110に記憶されたアドレス情報それぞれを参照し、プロセッサからの読み出し命令に示されたアドレスに対応するアドレス情報が検出されると、キャッシュがヒットしたものと判定する。そして、ヒット検出部130は、ヒットしたウェイを示す情報をMUX140に出力する。
MUX140は、ヒット検出部130から入力されたウェイを示す情報に基づいて、データ・メモリ120から出力されるいずれかのメモリデバイスデータを選択し、プロセッサへの出力データ(プロセッサによって読み出されたデータ)とする。
このようなセット・アソシアティブ方式においては、プロセッサからエントリ・アドレス(キャッシュメモリ内に記憶されているいずれかのエントリを選択するアドレス)が入力された場合、キャッシュメモリ100の複数のウェイそれぞれについて、タグ・テーブル110およびデータ・メモリ120にアクセスを行い、データがヒットしたか否かが検出される。
そのため、キャッシュメモリ100内の不要な部分に対するアクセスが増加することとなり、消費電力の増加、あるいは、処理効率の低下を招くと言う問題があった。
ここで、上述のようなキャッシュメモリ100を含め、従来のキャッシュメモリにおける問題を解決するために、種々の提案がなされている。
特開平11−39216号公報には、複数のウェイを有するセット・アソシアティブ方式のキャッシュメモリにおいて、データ・メモリの出力が確定するまでの遅延を低減するために、メモリデバイスをインターリーブしてアクセスする方法が開示されている。
また、同様の目的で、特開2002−328839号公報には、連想記憶によってウェイの予測を行う方法が開示されている。さらに、特開2000−112820号公報や特開2000−347934号公報には、キャッシュのヒットを先行的に予測する技術として、プロセッサが命令を読み出す場合、命令は連続したアドレスから読み出されることが多いという傾向を利用して、引き続く命令を予測する技術が開示されている。
特開平11−39216号公報 特開2002−328839号公報 特開2000−112820号 特開2000−347934号公報
しかしながら、上述の公報に記載された技術は、いずれも読み出されるデータに対するアクセスの遅延を低減するための技術であった。
即ち、上述の公報に記載された技術においては、キャッシュメモリ内の不要な部分に対するアクセスが増加することにより、消費電力の増加、あるいは、処理効率の低下を招くと言う問題を解決することが困難であった。
本発明の課題は、キャッシュメモリにおける消費電力を低減し、処理効率の向上を図ることである。
以上の課題を解決するため、本発明は、
プロセッサの読み出し対象となるデータを記憶しているメモリデバイス(例えば、発明を実施するための最良の形態中の外部メモリ)から、記憶されているデータの少なくとも一部を複数のウェイ(例えば、発明を実施するための最良の形態中のウェイA,B)含むキャッシュメモリにキャッシュしておき、キャッシュされたデータをプロセッサに供給可能なキャッシュメモリ制御装置であって、プロセッサが読み出している読み出し中データの後に読み出されると予想される予定データが、前記キャッシュメモリのいずれかのウェイにキャッシュされているか否かを判定するキャッシュ判定手段(例えば、図1のアクセス管理部10およびタグ・テーブル30)と、前記キャッシュ判定手段によって、前記予定データがいずれかのウェイにキャッシュされていると判定された場合に、前記複数のウェイのうち、該予定データが記憶されているウェイにアクセスし、該予定データを読み出して記憶する先読みキャッシュ手段(例えば、図1のアクセス管理部10および先読みキャッシュ部20)とを含み、前記先読みキャッシュ手段は、前記読み出し中データの後に前記予定データが読み出された場合に、記憶している予定データをプロセッサに出力することを特徴としている。
このような構成により、プロセッサによって読み出されているデータの後に読み出されると考えられるデータを予め先読みキャッシュ手段に記憶しておき、プロセッサに出力することが可能になると共に、そのデータをキャッシュメモリから読み出す際に、不要なウェイにアクセスすることを防止することができる。即ち、キャッシュメモリ内の不要な部分に対するアクセスが増加することにより、消費電力の増加、あるいは、処理効率の低下を招くと言う問題を解決することができる。
また、前記キャッシュメモリは、前記複数のウェイについて、キャッシュしているデータのアドレスを格納しているアドレス記憶手段と、該アドレスそれぞれに対応するデータを記憶しているデータ記憶手段とを含み、前記キャッシュ判定手段は、前記アドレス記憶手段のいずれかのウェイに、前記予定データのアドレスが記憶されているか否かによって、該予定データがキャッシュされているか否かを判定し、前記先読みキャッシュ手段は、前記データ記憶手段の複数のウェイのうち、前記予定データのアドレスを記憶している前記アドレス記憶手段のウェイに対応するウェイにアクセスすることを特徴としている。
このような構成により、アドレス記憶手段にアクセスすることで、予定データがキャッシュにヒットするか否かを判定することができるため、キャッシュにヒットするか否かを判定する際にデータ記憶手段にアクセスすることによって発生する不要な消費電力を低減することが可能となる。また、データ記憶手段において、予定データが記憶されているウェイにのみアクセスすることができるため、さらに消費電力を低減することが可能となる。
また、前記予定データは、前記読み出し中データの直後に読み出されると予想されるデータ(例えば、読み出し中データのアドレスに引き続くアドレスのデータ等)であることを特徴としている。
したがって、読み出し中データの次に読み出されると予想されるデータのみについて、キャッシュされているか否かおよび先読みキャッシュ手段への記憶等の処理を行えばよいため、処理効率を向上させることができる。
また、プロセッサの読み出し対象となるデータは、複数のワードを含むブロックとして構成され、該ブロックを単位として、前記予定データがキャッシュされているか否かの判定あるいは前記予定データの読み出しを行うことを特徴としている。
このような構成により、複数のワードそれぞれについて、プロセッサが読み出し命令を行う必要がなく、一つの読み出し命令でブロック全体を読み出すことができるため、消費電力を低減することができると共に、処理効率を向上させることが可能となる。
また、前記キャッシュ判定手段は、前記読み出し中データを構成する複数のワードのうち、プロセッサが末尾のワードの読み出しを指示することに対応して、前記予定データがキャッシュされているか否かを判定することを特徴としている。
一般に、予定データは、読み出し中データのより後のワードがプロセッサに読み出されているタイミングで予想する方が、的中する確率が高くなるものである。
したがって、このような構成により、より高い確率でプロセッサに読み込まれるデータを予定データとして先読みすることが可能となる。
また、前記キャッシュ判定手段は、前記読み出し中データを構成する複数のワードのうち、プロセッサが末尾のワードに先行するワードの読み出しを指示することに対応して、前記予定データがキャッシュされているか否かを判定することを特徴としている。
このような構成により、より早いタイミングで予定データがキャッシュされているか否かを判定できるため、キャッシュされていない場合の処理(例えば、メモリデバイスから読み込む処理等)をより早く行うことができ、ウェイトサイクルの発生を防止することあるいは発生するウェイトサイクルを低減することが可能となる。
また、前記先読みキャッシュ手段は、前記キャッシュ判定手段によって、前記予定データがいずれかのウェイにキャッシュされていると判定された場合に、前記読み出し中データを構成する複数のワードのうち、プロセッサが末尾のワードの読み出しを指示することに対応して、該予定データが記憶されているウェイにアクセスし、該予定データを読み出すことを特徴としている。
このような構成により、より早いタイミングで予定データがキャッシュされているか否かを判定した場合にも、予定データが読み出される確率が高くなったタイミングで、実際に予定データを読み出すことができる。したがって、先読みキャッシュ手段に記憶された予定データがプロセッサに読み出されないこととなる割合を低減できるため、処理効率の低下を防止することができる。
また、前記キャッシュメモリにおける複数のウェイのうち、データの読み出しに関係しないウェイを低消費電力で動作させる低消費電力化手段をさらに含むことを特徴としている。
このような構成により、不要な部分の消費電力を低減することができ、キャッシュメモリ制御装置の消費電力をさらに低減することが可能となる。
また、前記低消費電力化手段は、データの読み出しに関係しないウェイに対し、クロック信号を供給しないように制御するクロックゲーティング機能を備えることを特徴としている。
このような構成により、不要な部分に対するクロック信号を供給することにより発生する不要な消費電力を低減することができる。
また、前記キャッシュメモリは、セット・アソシアティブ方式のキャッシュメモリであることを特徴としている。
このような構成により、セット・アソシアティブ方式のキャッシュメモリにおいて、エントリに含まれる各ウェイのアドレス記憶手段(タグ・テーブル)およびデータ記憶手段(データ・メモリ)に不必要にアクセスすることによって発生する消費電力を大幅に低減できると共に、処理効率を向上させることが可能となる。
また、前記先読みキャッシュ手段は、前記キャッシュ判定手段によって、前記キャッシュメモリのいずれのウェイにも前記予定データがキャッシュされていないと判定された場合、前記メモリデバイスにアクセスし、該予定データを読み出して記憶することを特徴としている。
このような構成により、予定データがキャッシュされていない場合に、メモリデバイスから予定データを読み出す処理をより早く行うことができるため、ウェイトサイクルの発生を防止することあるいは発生するウェイトサイクルを低減することが可能となる。
また、本発明は、
プロセッサの読み出し対象となるデータを記憶しているメモリデバイスから、記憶されているデータの少なくとも一部を複数のウェイを含むキャッシュメモリにキャッシュしておき、キャッシュされたデータをプロセッサに供給するためのキャッシュメモリ制御方法であって、プロセッサが読み出している読み出し中データの後に読み出されると予想される予定データが、前記キャッシュメモリのいずれかのウェイにキャッシュされているか否かを判定するキャッシュ判定ステップと、前記キャッシュ判定ステップにおいて、前記予定データがいずれかのウェイにキャッシュされていると判定された場合に、前記複数のウェイのうち、該予定データが記憶されているウェイにアクセスし、該予定データを読み出して記憶する先読みキャッシュステップと、プロセッサによって、前記読み出し中データの後に前記予定データが読み出された場合に、前記先読みキャッシュステップにおいて記憶された予定データをプロセッサに出力する出力ステップとを含むことを特徴としている。
このように、本発明によれば、キャッシュメモリにおける消費電力を低減し、処理効率の向上を図ることが可能となる。
以下、図を参照して本発明に係るキャッシュメモリ制御装置の実施の形態を説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、本発明を適用したキャッシュメモリ制御装置1の構成を示す図である。
図1において、キャッシュメモリ制御装置1は、アクセス管理部10と、先読みキャッシュ部20と、タグ・テーブル30と、データ・メモリ40と、ヒット検出部50と、MUX60とを含んで構成される。
また、図2は、タグ・テーブル30およびデータ・メモリ40に記憶されるデータの構成を示す図であり、(a)はタグ・テーブル30内のデータの構成、(b)はデータ・メモリ40内のデータの構成を示している。
以下、図1に基づいて、キャッシュメモリ制御装置1の構成を説明し、適宜、図2を参照することとする。なお、ここでは、キャッシュメモリ制御装置1が、2ウェイ(ウェイA,B)のセット・アソシアティブ方式である場合を想定している。
アクセス管理部10は、キャッシュメモリ制御装置1全体を制御するものであり、後述する状態遷移図に従うように、キャッシュメモリ制御装置1を動作させる。
例えば、アクセス管理部10は、プロセッサから入力された読み出し命令に基づいて、読み出し命令に示されたアドレスのデータが先読みキャッシュ部20に記憶されている場合には、そのアドレスに対応するデータをプロセッサに対して出力させると共に、引き続き読み出されるデータを予想し、予想したデータを先読みキャッシュ部20のプロセッサ先読みバッファ22に記憶させる。
一方、読み出し命令に示されたアドレスのデータが先読みキャッシュ部20に記憶されていない場合、アクセス管理部10は、タグ・テーブル30を参照する。そして、そのアドレスがタグ・テーブル30に記憶されている場合、アクセス管理部10は、そのアドレスに対応するデータをデータ・メモリ40からプロセッサ先読みバッファ22に記憶させる。
また、読み出し命令に示されたアドレスがタグ・テーブル30に記憶されていない場合、アクセス管理部10は、外部メモリにアクセスし、そのアドレスのデータを先読みキャッシュ部20の外部メモリ先読みバッファ23に記憶させる。
先読みキャッシュ部20は、プロセッサから入力された読み出し命令を受け取り、読み出し命令に示されたアドレスをアクセス管理部10に出力する。また、先読みキャッシュ部20は、アクセス管理部10の指示に従って、プロセッサによって読み出されると予想されたデータを、データ・メモリ40あるいは外部メモリから予め読み出して記憶し、プロセッサから実際に読み出された場合に、そのデータをプロセッサに出力する。
具体的には、先読みキャッシュ部20は、アドレス制御部21と、プロセッサ先読みバッファ22と、外部メモリ先読みバッファ23とを含んで構成される。
アドレス制御部21は、プロセッサから入力された読み出し命令から、読み出し対象となっているデータのアドレスを取得し、アクセス管理部10に出力する。また、アドレス制御部21は、データ・メモリ40にキャッシュされているデータを読み出す際に、タグ・テーブル30およびデータ・メモリ40に読み出し対象のアドレスを出力したり、データ・メモリ40にキャッシュされていないデータを外部メモリから読み出す際に、読み出し対象のアドレスを外部メモリに出力したりする。
なお、アドレス制御部21は、アクセス管理部10からデータの読み出し(先読み)が指示され、そのデータのアドレスがタグ・テーブル30に記憶されている場合には、データ・メモリ40の各ウェイのうち、そのデータが記憶されているウェイにのみアドレスを出力する。
そのため、不要なウェイへのアクセス回数を低減することができ、消費電力を低減することができると共に、処理効率の向上を実現することができる。
プロセッサ先読みバッファ22は、データ・メモリ40から読み出されたデータを、MUX60を介して受け取り、プロセッサに出力するデータとして記憶する。
外部メモリ先読みバッファ23は、外部メモリから読み出されたデータを受け取り、プロセッサに出力するデータとして記憶する。また、外部メモリ先読みバッファ23に記憶されたデータは、キャッシュメモリ制御装置1において処理が行われないクロックタイミングにデータ・メモリ40に格納される。
タグ・テーブル30は、図2(a)に示すように、各エントリ(0番〜511番、ただし、エントリ数N=512の場合)について、データ・メモリ40に記憶されたデータがキャッシュヒットしたか否かを示すフラグと、データ・メモリ40に記憶されたデータが記憶されている外部メモリ上のアドレスとを記憶している。また、各エントリには、ウェイA,Bに対応するフラグおよびアドレスが記憶されている。タグ・テーブル30に記憶されているアドレスを参照することにより、データ・メモリ40のデータが、キャッシュにヒットしたか否かを判定することができる。
データ・メモリ40は、各エントリについて、所定のメモリデバイスデータを記憶している。なお、データ・メモリ40は、4ワードを1ブロックとして取り扱い、データ・メモリ40からデータを読み出す場合には、エントリに含まれるいずれかのウェイの4ワード(w0〜w4)を1まとまりとして読み出すことが可能である。ただし、1ブロックにおける一部のワード(例えば、ワードw1〜w3)を読み出すことも可能である。
ヒット検出部50は、アドレス制御部21からタグ・テーブル30に対し、読み出し命令に示されたアドレスが入力された場合に、データ・メモリ40に記憶されているメモリデバイスデータがヒットしたか否かを検出する。具体的には、タグ・テーブル30に記憶されたアドレスそれぞれを参照し、アドレス制御部21から入力されたアドレスが検出されると、キャッシュがヒットしたものと判定する。そして、ヒット検出部50は、ヒットしたウェイを示す情報をMUX60に出力する。
MUX60は、ヒット検出部50からヒットしたウェイを示す情報を受け取り、データ・メモリ40の各ウェイの記憶領域からメモリデバイスデータを受け取る。そして、MUX60は、ヒット検出部50から入力されたウェイに対応するメモリデバイスデータを選択し、プロセッサ先読みバッファ22に出力する。
次に、動作を説明する。
キャッシュメモリ制御装置1は、主としてアクセス管理部10の制御によって、所定の動作に対応する状態遷移を行う。
まず、キャッシュメモリ制御装置1の基本的な動作について説明する。
キャッシュメモリ制御装置1の基本的な動作においては、読み出し対象であるメモリデバイスデータの最後のワードのアドレスがプロセッサから出力されるタイミングで、タグ・テーブル30を参照し、引き続き読み出されると予想されるデータ(以下、「予定データ」と言う。)がキャッシュにヒットするか否かを検出(先読み)する。したがって、実際に読み出される可能性の高いデータについて、キャッシュを先読みすることができるため、先読みキャッシュ部20におけるデータのヒット率を向上させることができる。
図3は、キャッシュメモリ制御装置1の基本的な動作を示す状態遷移図である。
図3において、キャッシュメモリ制御装置1は、状態S1〜S4を遷移し、それぞれの状態間を遷移するための遷移条件C1〜C12が定められている。
状態S1(ST-PRC-NORMAL)においては、予定データが、プロセッサ先読みバッファ22に記憶されている場合(先読みキャッシュにヒットしている場合)に、そのデータをブロック単位でプロセッサに出力する。
また、状態S1においては、予定データが、プロセッサ先読みバッファ22に記憶されていない場合には、読み出し対象のアドレスに基づいて、タグ・テーブル30およびデータ・メモリ40にアクセスし、そのアドレスと一致するデータをデータ・メモリ40から読み込む状態(ST-PREREAD-ACTIVE)に移行する。
さらに、状態S1においては、外部メモリから読み込まれているデータのブロックのうち、末尾のワードの読み出しが完了するまでは、キャッシュのリード(データ・メモリ40の読み出し)を行わない。
状態S2(ST-PREREAD-ACTIVE)においては、予定データのアドレスに基づいて、タグ・テーブル30にのみアクセスし、タグ・テーブル30に記憶されたアドレスと一致(キャッシュにヒット)した場合、そのアドレスに対応するデータをデータ・メモリ40から読み出す。
状態S3(ST-CACHE-HIT-TEST)においては、タグ・テーブル30とデータ・メモリ40にアクセスし、予定データのアドレスがタグ・テーブル30のアドレスと一致するか否かを検出する。そして、状態S3においては、予定データのアドレスと一致したアドレスに対応するデータをデータ・メモリ40から読み出す。
状態S4(ST-EXMEM-ACCESS)においては、外部メモリを読み出すためのステートマシン“sm-exmem-access”(図4参照)を起動し、外部メモリを読み出す。状態S4から他の状態へ遷移するタイミングは、1ワードの読み込みが終了する時点であり、ステートマシン“sm-exmem-access”の動作の終了を待たない。即ち、他の状態においては、外部メモリの読み出しを待つためのウェイトサイクル(wait-cycle)が生ずる場合がある。
遷移条件C1(CND-PRA-START)は、状態S1において、読み込み対象であるデータの末尾のワード(16進数で表されたアドレスの末尾が“C”のワード)のアドレスが、プロセッサから入力されることを意味している。
遷移条件C2(CND-PRA-END)は、状態S2において、ウェイトサイクルが発生しなければ、次のサイクルで状態S1に戻ることを意味している。
遷移条件C3(CND-CHT-START)は、状態S1において、予定データが、先読みキャッシュにヒットしない場合(プロセッサ先読みバッファ22に記憶されている場合)を意味している。
遷移条件C4(CND-CHT-CNT)は、状態S3を継続するための条件である。即ち、先読みキャッシュ部20に予定データが記憶されていないため、タグ・テーブル30およびデータ・メモリ40にアクセスしてキャッシュヒットを確認し続けるための条件である。なお、分岐命令について、分岐先のアドレスがブロックの末尾であり、かつ状態S3である場合には、次のサイクルでブロックの先頭のワードにアクセスすることから、連続して先読みキャッシュにヒットしない場合に、先読みキャッシュのミスヒットと判定される。
遷移条件C5(CND-CHT-PRA)は、状態S3から状態S2へ遷移するための条件である。即ち、先読みキャッシュ部20に予定データが記憶されていないため、タグ・テーブル30およびデータ・メモリ40にアクセスしてキャッシュヒットを確認する状態から、タグ・テーブル30にのみアクセスし、キャッシュヒットを確認する状態へ遷移するための条件である。なお、分岐命令について、分岐先のアドレスがブロックの末尾から2番目(16進数で表されたアドレスの末尾が“8”のワード)であり、かつ状態S3である場合には、次のサイクルでブロックの末尾のデータにアクセスすることとなり、即ち、状態S2に遷移することとなるため、状態S1に戻ることなく、状態S2に直接遷移するものである。
遷移条件C6(CND-CHT-END)は、状態S3において、分岐先のアドレスがブロックの先頭および2番目(16進数で表されたアドレスの末尾が“0”あるいは“4”のワード)である場合に、先読みキャッシュにヒットしている状態であれば、状態S1に戻ることを意味している。
遷移条件C7(CND-EMA-START)は、状態S3において、キャッシュにヒットしない場合(データ・メモリ40に読み込み対象であるデータが記憶されていない場合)を意味している。
遷移条件C8(CND-PRA-EMA)は、状態S2において、キャッシュにヒットしない場合を意味している。
遷移条件C9(CND-PRA-CHT)は、状態S2において、先読みキャッシュにヒットしない場合を意味している。
遷移条件C10(CND-NORM-CNT)は、状態S1において、先読みキャッシュにヒットしている場合あるいは外部メモリにアクセスしている場合を意味している。
遷移条件C11(CND-PRA-CNT)は、状態S2において、先読み処理を継続する場合を意味している。
遷移条件C12(CND-EMA-END)は、状態S4において、外部メモリへのアクセスが終了した場合を意味している。
次に、外部メモリを読み出すためのステートマシン“sm-exmem-access”について説明する。
図4は、キャッシュメモリ制御装置1上に構築されるステートマシン“sm-exmem-access”の動作を示す状態遷移図である。
図4において、キャッシュメモリ制御装置1は、状態T1〜T6を遷移する。
状態T1(ST-WAIT)においては、外部メモリへのアクセスを停止している。状態T1においては、所定のタイミングで、状態T2に移行する。
状態T2(ST-EXMEM-READ-1W-S)においては、読み出し対象であるデータの第1番目のワードを外部メモリから読み出し、読み出す処理が終了すると、状態T3に移行する。
状態T3(ST-EXMEM-READ-1W-E-2W-S)においては、読み出し対象であるデータの第2番目のワードを外部メモリから読み出し、読み出す処理が終了すると、状態T4に移行する。
状態T4(ST-EXMEM-READ-2W-E-3W-S)においては、読み出し対象であるデータの第3番目のワードを外部メモリから読み出し、読み出す処理が終了すると、状態T5に移行する。
状態T5(ST-EXMEM-READ-3W-E-4W-S)においては、読み出し対象であるデータの第4番目のワードを外部メモリから読み出し、読み出す処理が終了すると、状態T6に移行する。
状態T6(ST-EXMEM-READ-4W-E)においては、読み出し対象であるデータの第4番目のワードを外部メモリから読み出す処理が終了することに対応して、状態T1に戻る。
図3および図4に示すように各状態を遷移する結果、キャッシュメモリ制御装置1は、プロセッサによって読み出されるデータに応じて、具体的に以下のような動作を行う。
まず、プロセッサによって読み出されるデータが、連続して先読みキャッシュにヒットする場合の例について説明する。
図5は、プロセッサによって読み出されるデータが、連続して先読みキャッシュにヒットする場合の動作例を示すタイミングチャートである。
図5においては、プロセッサによって、連続するアドレスのデータ(アドレス“A00〜A0C”、“A10〜A1C”および“A20〜A2C”のデータ)が読み出される場合を示している。なお、以下、アドレス“A00〜A0C”、“A10〜A1C”および“A20〜A2C”によって示されるデータをそれぞれ第1〜第3のデータと称する。
図5において、第1のデータにおける末尾のワードのアドレス(アドレス“A0C”)がプロセッサから入力されるタイミング(サイクル“4”)で、予定データである第2のデータのアドレスがタグ・テーブル30の各ウェイに入力される。
すると、次のクロックタイミング(サイクル “5”)において、タグ・テーブル30の各ウェイに記憶されたアドレスが出力されると共に、それらのアドレスと第2のデータのアドレスとが一致するか否かが判定され、ここでは一致していることから、キャッシュにヒットしたことが検出される(CACHE-HIT=1)。また、このとき、第2のデータのアドレスが、データ・メモリ40の第2のデータが記憶されている方のウェイ(ここでは、図5中に実線で示されているウェイAであるものとし、第2のデータが記憶されていないウェイBについては点線で示す。以下、同様である。)に入力される(WAYA-DATA-ADRS,WAYB-DATA-ADRS)。
そして、引き続くクロックタイミング(サイクル “6”)において、データ・メモリ40から、第2のデータを記憶しているウェイのデータ(WAYA-TAG-DATA,WAYB-TAG-DATA)が出力されると共に、ヒット検出部50から、いずれかのウェイを選択する情報(WAY-SELECT)が出力される。その結果、選択されたウェイのメモリデバイスデータ(データ“D10”)が、プロセッサに対して出力される(PBUS-RDDATA)。
即ち、サイクル “5”で行われたプロセッサからの読み出し命令に対し、キャッシュメモリ制御装置1は、対応するメモリデバイスデータをサイクル“6”で出力している。
また、キャッシュメモリ制御装置1においては、メモリデバイスデータをブロック単位で読み出すことができるため、データ“D10”を読み出すことにより、同じブロックの他のデータ(データ“D14”〜“D1C”)もまとめて読み出され、プロセッサ先読みバッファ22に記憶される。その結果、データ“D10”に引き続く3ワードは、それぞれを読み出すためにタグ・テーブル30およびデータ・メモリ40にアクセスすることなく、データ“D10”に連続して、プロセッサ先読みバッファ22からプロセッサに出力されることとなる。
なお、キャッシュメモリ制御装置1は、第2のデータをプロセッサに出力しながら、上述のような処理によって第3のデータを先読みし、同様にプロセッサに出力する。
次に、プロセッサによって読み出されるデータが、先読みキャッシュにヒットしない場合の例について説明する。
図6は、プロセッサによって読み出されるデータが、先読みキャッシュにヒットしない場合の動作例を示すタイミングチャートである。なお、図6におけるデータ名や信号名等は、図5における場合と同様である。
図6において、サイクル“6”までの動作は、図5に示すサイクル“6”までの動作とほぼ同様である。ただし、サイクル“5”で読み出される第2のデータの先頭ワードは分岐命令であり、その命令はサイクル“6”で実行される。
そして、サイクル“7”において、分岐先であるアドレス“A44”のデータは、プロセッサ先読みバッファ22に記憶されていないことから、先読みキャッシュにヒットしないことが検出される(PRC-HIT=0)。このとき、キャッシュメモリ制御装置1は、ノーウェイトでデータの供給を行うため、次のサイクルでアドレス“A44”に対応するメモリデバイスデータ“D44”を出力するべく、タグ・テーブル30およびデータ・メモリ40の各ウェイに、アドレス“A44”のワードを含むブロック(以下、「分岐先データ」と言う。)のアドレスを出力する。
そして、サイクル“8”において、タグ・テーブル30から、各ウェイに記憶されたアドレス(WAYA-TAG-DATA,WAYB-TAG-DATA)が出力されると共に、データ・メモリ40から、各ウェイのデータ(WAYA-TAG-DATA,WAYB-TAG-DATA)が出力される。このとき、タグ・テーブル30の各ウェイに記憶されたアドレスと、分岐先データのアドレスとが一致することから、キャッシュにヒットしたことが検出される(CACHE-HIT=1)。さらに、ヒット検出部50から、いずれかのウェイを選択する情報(WAY-SELECT)が出力される。その結果、選択されたウェイのメモリデバイスデータ(データ“D44”)がプロセッサに対して出力される(PBUS-RDDATA)。
即ち、サイクル“7”で行われたプロセッサからの分岐先の読み出し命令に対し、キャッシュメモリ制御装置1は、対応するメモリデバイスデータをサイクル“8”で出力している。
ここで、分岐先であるアドレス“A44”は、ブロックの第2番目のワードであることから、キャッシュメモリ制御装置1においては、そのブロックの第2番目から第4番目のワード(アドレス“A44〜”A4C“のワード)がまとめて読み出され、プロセッサ先読みバッファ22に記憶される。
この後、キャッシュメモリ制御装置1は、図5における処理と同様に、分岐先データをプロセッサに出力しながら、引き続くデータを先読みし、プロセッサに出力する。
次に、プロセッサによって読み出されるデータが、先読みキャッシュにもキャッシュにもヒットしない場合の例について説明する。
図7は、プロセッサによって読み出されるデータが、先読みキャッシュにもキャッシュにもヒットしない場合の動作例を示すタイミングチャートである。なお、図7におけるデータ名や信号名等は、図5における場合と同様である。
図7において、サイクル“7”までの動作は、図6に示すサイクル“7”までの動作と同様である。
そして、サイクル“8”において、タグ・テーブル30から、各ウェイに記憶されたアドレス(WAYA-TAG-DATA,WAYB-TAG-DATA)が出力されると共に、データ・メモリ40から、各ウェイのデータ(WAYA-TAG-DATA,WAYB-TAG-DATA)が出力される。このとき、タグ・テーブル30の各ウェイに記憶されたアドレスと、分岐先データのアドレスとが一致しないことから、キャッシュにヒットしないことが検出される(CACHE-HIT=0)。
すると、アドレス“A44”のデータが読み出せないことから、キャッシュメモリ制御装置1は、外部メモリからデータを読み出す。そのため、外部メモリからデータが取り込めるまでの3サイクル分、ウェイトサイクルが発生する。
なお、キャッシュメモリ制御装置1は、外部メモリから取り込んだ分岐先データを外部メモリ先読みバッファ23に順次記憶する。このとき、外部メモリからデータを取り込むためには、キャッシュの場合と異なり、1ワードにつき2サイクルを要している(データ“D44〜D48”)。そして、キャッシュメモリ制御装置1は、分岐先データを外部メモリ先読みバッファ23に記憶した後には、図5における処理と同様に、引き続くデータを先読みし、同様にプロセッサに出力する。また、外部メモリ先読みバッファ23に記憶された分岐先データは、データ・メモリ40へのアクセスが行われていないタイミングで、データ・メモリ40にキャッシュされる。さらに、外部メモリ先読みバッファ23に外部メモリから取り込んだデータが記憶されている状態で、そのデータに対する読み出し命令がプロセッサから入力された場合、外部メモリ先読みバッファ23に記憶されたデータが、プロセッサに出力される。
次に、プロセッサによって読み出されるデータが、連続するアドレスのデータであるにもかかわらず、先読みが行えない場合(キャッシュにヒットしない場合)の例について説明する。なお、このような場合には、予定データを外部メモリから取り込む必要がある。
図8は、プロセッサによって読み出されるデータが、連続するアドレスのデータであるにもかからず、キャッシュにヒットしない場合の動作例を示すタイミングチャートである。なお、図8におけるデータ名や信号名等は、図5における場合と同様である。
図8において、サイクル“4〜5”の動作は、図7に示すサイクル“6〜7”の動作とほぼ同様である。ただし、図8の場合、キャッシュにヒットしないことが検出されるサイクル“5”において、外部メモリへのアクセスを直ちに開始している。
そして、外部メモリへのアクセスを行ってから3サイクルの後(サイクル“8”)、外部メモリから予定データの各ワードが順次取り込まれる。
即ち、プロセッサから読み出し対象となるデータのアドレス(アドレス“A10”)が入力されるサイクル“5”に対し、3サイクル後に外部メモリのデータがプロセッサに出力されることとなる。
この結果、従来のように、プロセッサから読み出し対象となるデータのアドレスが入力されてから、キャッシュにヒットするか否かを検出する場合に比べ、1サイクル早いタイミングで外部メモリのデータを取り込むことが可能となる。つまり、従来の方法では、プロセッサから読み出し命令が入力されてから、プロセッサにデータが出力されるまで4サイクルを要していたが、図8においては、3サイクルに短縮されている。
なお、図3〜図8の説明においては、予定データがキャッシュにヒットするか否かを検出(先読み)するタイミングを、読み出し対象であるメモリデバイスデータの最後のワードのアドレスがプロセッサから出力されるタイミングであるものとして説明したが、読み出し対象であるメモリデバイスデータの先頭のワードのアドレスがプロセッサから入力されるタイミングで先読みを行うこととしても良い。この場合、先読みしたデータが実際にプロセッサから読み出される確率が低下するものの、キャッシュにヒットしない場合にウェイトサイクルのペナルティを軽減できる。
以下、読み出し対象であるメモリデバイスデータの先頭のワードのアドレスがプロセッサから入力されるタイミングで先読みを行う場合(以下、「先行先読み処理」と言う。)の動作について説明する。
図9は、先行先読み処理の動作を示す状態遷移図である。
図9において、キャッシュメモリ制御装置1は、状態P1〜P4および状態P5,6を遷移し、それぞれの状態間を遷移するための遷移条件G1〜G14が定められている。
なお、図9における状態P1〜P4および遷移条件G2〜G12は、図3における状態S1〜S4および遷移条件C2〜C12とそれぞれ同様であるため説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
状態P5(ST-PREREAD-IDLE)は、タイミングを遅らせるためのアイドル状態である。即ち、ブロックの先頭のワードのアドレスがプロセッサから入力されるタイミングで先読みを行う場合、読み出し対象となるデータをプロセッサ先読みバッファ22に取り込むタイミングが早すぎてしまう“ずれ”を解消するために、一定サイクルのアイドル状態が挿入されるものである。
状態P6(ST-PREREAD-EXE)においては、データ・メモリ40からプロセッサ先読みバッファ22にデータが転送される。
遷移条件 G1(CND-PRA-F-START)は、状態P1において、読み込み対象であるデータの先頭のワード(16進数で表されたアドレスの末尾が“0”のワード)のアドレスが、プロセッサから入力されることを意味している。
遷移条件G13(CND-PRA-READ-START)は、状態P5において、読み込み対象であるデータの末尾のワード(16進数で表されたアドレスの末尾が“C”のワード)のアドレスが、プロセッサから入力されることを意味している。
遷移条件G14(CND-PRA-READ-END)は、データ・メモリ40からプロセッサ先読みバッファ22へのデータの転送が終了することを意味している。
図9に示すように各状態を遷移する結果、キャッシュメモリ制御装置1は、例えば、上述の図5〜図8に対応する動作を行う。なお、ここでは具体的な動作の説明を省略する。
以上のように、本実施の形態に係るキャッシュメモリ制御装置1は、読み出し対象であるデータがプロセッサから読み出されている際に、引き続いて読み出されると予想されるデータがキャッシュされているか否か(データ・メモリ40に記憶されているか否か)を検出する。そして、引き続いて読み出されると予想されるデータがキャッシュに記憶されている場合、そのデータを先読みキャッシュ部20に記憶し、引き続いて読み出されると予想されるデータがキャッシュに記憶されていない場合、そのデータを外部メモリから読み出し、先読みキャッシュ部20に記憶する。その後、引き続くサイクルでプロセッサから実際に読み出されたデータのアドレスが、先読みキャッシュ部20に記憶されたデータのアドレスと一致する場合、そのデータを先読みキャッシュ部20からプロセッサに出力する。なお、引き続くサイクルでプロセッサから実際に読み出されたデータのアドレスが、先読みキャッシュ部20に記憶されたデータのアドレスと一致しない場合には、その時点で外部メモリにアクセスする。
そのため、プロセッサから読み出し対象であるデータのアドレスが入力された場合に、タグ・テーブル30およびデータ・メモリ40の各ウェイに常にはアクセスする必要がなく、データ・メモリ40に読み出し対象であるデータが記憶されている場合にのみアクセスすれば足りる。
したがって、キャッシュメモリ制御装置1内の不要な部分に対するアクセスを防ぐことができ、消費電力の低減、および、処理効率の向上を実現することが可能となる。
また、キャッシュメモリ制御装置1は、読み出し対象であるデータの末尾のワードのアドレスが入力されているタイミングで、予定データの先読みを行う。
したがって、引き続くサイクルで読み出される確率の高いデータを先読みキャッシュ部20に記憶しておくことができるため、無駄なデータに対するアクセスを行う事態を低減でき、消費電力の低減を図ることができる。
一方、キャッシュメモリ制御装置1は、読み出し対象であるデータの先頭のワードのアドレスが入力されるタイミング等、末尾のワードのアドレスが入力されるタイミングより早く予定データの先読みを行うことも可能である。
この場合、より早いタイミングでキャッシュのヒットが検出されるため、キャッシュにヒットしない場合に、外部メモリから読み出し対象であるデータを読み込む処理をより早く行うことができ、ウェイトサイクルの発生を防止すること、あるいは、ウェイトサイクルの回数を低減することが可能となる。
なお、キャッシュメモリ制御装置1において、クロックゲーティング機能を備えることにより、さらに消費電力を低減することが可能である。
図10は、キャッシュメモリ制御装置1がクロックゲーティング機能を備える場合の構成を示す図である。
図10において、キャッシュメモリ制御装置1は、図1に示す構成に加え、消費電力制御部70を含んで構成される。
消費電力制御部70は、キャッシュメモリ制御装置1において動作を行わない部分に対し、クロック信号の供給を停止させる機能を備えている。
図11は、消費電力制御部70の構成を示す図である。
図11において、消費電力制御部70は、複数n個のメモリそれぞれに対応するクロックゲーティング素子(以下、「CG素子」と言う。)71−1〜71−nを含んで構成される。
これらのCG素子71−1〜71−nには、アクセス管理部10から、クロック信号の供給を行うか否かを切り替えるための消費電力モード信号SG1〜SGnがそれぞれ入力される。アクセス管理部10は、動作が不要であると判定されたメモリに対してはクロック信号の供給を停止させる消費電力モード信号を出力し、動作を行うと判定されたメモリに対してはクロック信号を供給する消費電力モード信号を出力する。
このような構成とすることにより、先読みキャッシュ部20に読み込むデータが記憶されているデータ・メモリ40のウェイに対してのみクロック信号を供給するといったことが可能となり、さらに消費電力の低減を図ることができる。
本発明を適用したキャッシュメモリ制御装置1の構成を示す図である。 タグ・テーブル30およびデータ・メモリ40に記憶されるデータの構成を示す図である。 キャッシュメモリ制御装置1の基本的な動作を示す状態遷移図である。 キャッシュメモリ制御装置1上に構築されるステートマシン“sm-exmem-access”の動作を示す状態遷移図である。 プロセッサによって読み出されるデータが、連続して先読みキャッシュにヒットする場合の動作例を示すタイミングチャートである。 プロセッサによって読み出されるデータが、先読みキャッシュにヒットしない場合の動作例を示すタイミングチャートである。 プロセッサによって読み出されるデータが、先読みキャッシュにもキャッシュにもヒットしない場合の動作例を示すタイミングチャートである。 プロセッサによって読み出されるデータが、連続するアドレスのデータであるにもかからず、キャッシュにヒットしない場合の動作例を示すタイミングチャートである。 先行先読み処理の動作を示す状態遷移図である。 キャッシュメモリ制御装置1がクロックゲーティング機能を備える場合の構成を示す図である。 消費電力制御部70の構成を示す図である。 従来のセット・アソシアティブ方式のキャッシュメモリ100の構成を示す概略図である。
符号の説明
1 キャッシュメモリ制御装置,10 アクセス管理部,20 先読みキャッシュ部,21 アドレス制御部,22 プロセッサ先読みバッファ,23 外部メモリ先読みバッファ,30,110 タグ・テーブル,40,120 データ・メモリ,50,130 ヒット検出部,60 MUX,70 消費電力制御部,71 CG素子,100 キャッシュメモリ

Claims (12)

  1. プロセッサの読み出し対象となるデータを記憶しているメモリデバイスから、記憶されているデータの少なくとも一部を複数のウェイを含むキャッシュメモリにキャッシュしておき、キャッシュされたデータをプロセッサに供給可能なキャッシュメモリ制御装置であって、
    プロセッサが読み出している読み出し中データの後に読み出されると予想される予定データが、前記キャッシュメモリのいずれかのウェイにキャッシュされているか否かを判定するキャッシュ判定手段と、
    前記キャッシュ判定手段によって、前記予定データがいずれかのウェイにキャッシュされていると判定された場合に、前記複数のウェイのうち、該予定データが記憶されているウェイにアクセスし、該予定データを読み出して記憶する先読みキャッシュ手段と、
    を含み、
    前記先読みキャッシュ手段は、前記読み出し中データの後に前記予定データが読み出された場合に、記憶している予定データをプロセッサに出力することを特徴とするキャッシュメモリ制御装置。
  2. 前記キャッシュメモリは、前記複数のウェイについて、キャッシュしているデータのアドレスを格納しているアドレス記憶手段と、該アドレスそれぞれに対応するデータを記憶しているデータ記憶手段とを含み、
    前記キャッシュ判定手段は、前記アドレス記憶手段のいずれかのウェイに、前記予定データのアドレスが記憶されているか否かによって、該予定データがキャッシュされているか否かを判定し、
    前記先読みキャッシュ手段は、前記データ記憶手段の複数のウェイのうち、前記予定データのアドレスを記憶している前記アドレス記憶手段のウェイに対応するウェイにアクセスすることを特徴とする請求項1記載のキャッシュメモリ制御装置。
  3. 前記予定データは、前記読み出し中データの直後に読み出されると予想されるデータであることを特徴とする請求項1または2記載のキャッシュメモリ制御装置。
  4. プロセッサの読み出し対象となるデータは、複数のワードを含むブロックとして構成され、該ブロックを単位として、前記予定データがキャッシュされているか否かの判定あるいは前記予定データの読み出しを行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のキャッシュメモリ制御装置。
  5. 前記キャッシュ判定手段は、前記読み出し中データを構成する複数のワードのうち、プロセッサが末尾のワードの読み出しを指示することに対応して、前記予定データがキャッシュされているか否かを判定することを特徴とする請求項4記載のキャッシュメモリ制御装置。
  6. 前記キャッシュ判定手段は、前記読み出し中データを構成する複数のワードのうち、プロセッサが末尾のワードに先行するワードの読み出しを指示することに対応して、前記予定データがキャッシュされているか否かを判定することを特徴とする請求項4記載のキャッシュメモリ制御装置。
  7. 前記先読みキャッシュ手段は、前記キャッシュ判定手段によって、前記予定データがいずれかのウェイにキャッシュされていると判定された場合に、前記読み出し中データを構成する複数のワードのうち、プロセッサが末尾のワードの読み出しを指示することに対応して、該予定データが記憶されているウェイにアクセスし、該予定データを読み出すことを特徴とする請求項6記載のキャッシュメモリ制御装置。
  8. 前記キャッシュメモリにおける複数のウェイのうち、データの読み出しに関係しないウェイを低消費電力で動作させる低消費電力化手段をさらに含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のキャッシュメモリ制御装置。
  9. 前記低消費電力化手段は、データの読み出しに関係しないウェイに対し、クロック信号を供給しないように制御するクロックゲーティング機能を備えることを特徴とする請求項8記載のキャッシュメモリ制御装置。
  10. 前記キャッシュメモリは、セット・アソシアティブ方式のキャッシュメモリであることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のキャッシュメモリ制御装置。
  11. 前記先読みキャッシュ手段は、前記キャッシュ判定手段によって、前記キャッシュメモリのいずれのウェイにも前記予定データがキャッシュされていないと判定された場合、前記メモリデバイスにアクセスし、該予定データを読み出して記憶することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のキャッシュメモリ制御装置。
  12. プロセッサの読み出し対象となるデータを記憶しているメモリデバイスから、記憶されているデータの少なくとも一部を複数のウェイを含むキャッシュメモリにキャッシュしておき、キャッシュされたデータをプロセッサに供給するためのキャッシュメモリ制御方法であって、
    プロセッサが読み出している読み出し中データの後に読み出されると予想される予定データが、前記キャッシュメモリのいずれかのウェイにキャッシュされているか否かを判定するキャッシュ判定ステップと、
    前記キャッシュ判定ステップにおいて、前記予定データがいずれかのウェイにキャッシュされていると判定された場合に、前記複数のウェイのうち、該予定データが記憶されているウェイにアクセスし、該予定データを読み出して記憶する先読みキャッシュステップと、
    プロセッサによって、前記読み出し中データの後に前記予定データが読み出された場合に、前記先読みキャッシュステップにおいて記憶された予定データをプロセッサに出力する出力ステップと、
    を含むことを特徴とするキャッシュメモリ制御方法。
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