JP4374828B2 - 電池の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、巻回型の発電要素を備えた電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気自動車等に用いられる大型のリチウムイオン二次電池の構成例を図4に示す。このリチウムイオン二次電池は、長円筒形の発電要素1を4個密着して並べ並列接続したものである。各発電要素1は、図5に示すように、正極1aと負極1bをセパレータ1cを介して長円筒形に巻回したものである。正極1aは、電極基体となる帯状のアルミニウム箔1dの表面に正極活物質を担持させ、負極1bは、電極基体となる帯状の銅箔1eの表面に負極活物質を担持させている。ただし、これらの正極1aと負極1bは、それぞれ帯状の片方の側端部に活物質を塗布しない未塗工部を設けておき、この未塗工部でアルミニウム箔1dと銅箔1eが露出するようにしている。そして、これらの正極1aと負極1bは、発電要素1の巻回の際に、巻回軸に沿って互いに反対方向にずらすことにより、長円筒形の一方の端面には正極1aの側端部のアルミニウム箔1dのみがはみ出し、他方の端面には負極1bの側端部の銅箔1eのみがはみ出すようにしている。
【0003】
上記4個の発電要素1は、図4に示すように、長円筒形の平坦な側面同士が隣接するようにして並べられる。そして、これらの発電要素1の両端面部にそれぞれ配置された波板状の集電接続体2に、各発電要素1からはみ出した正極1aのアルミニウム箔や負極1bの銅箔を接続するようになっている。集電接続体2は、金属の平板を波板状の凹凸に成形し、これを2枚端部で合わせると共に、この合わせ部の上端に端子3を接続固定したものである。そして、正極端子3の側の集電接続体2は、波板状の各凹部に発電要素1の一方の端面からはみ出した正極1aのアルミニウム箔を挟み込んで超音波溶接により接続固定し、負極端子3の側の集電接続体2は、波板状の各凹部に発電要素1の他方の端面からはみ出した負極1bの銅箔を挿入して超音波溶接により接続固定している。
【0004】
上記4個の発電要素1は、図示しない金属製の電池容器に収納される。この際、正極端子3と負極端子3の上端部は、絶縁封止材を介してこの電池容器を貫通し外部に突出するようになっている。そして、この電池容器の内部に電解液が充填されることによりリチウムイオン二次電池となる。尚、電池容器と発電要素の外周部とが直接接触するのを防止するため、巻回された発電要素の外周部にはPPSテープ等の絶縁材が巻回されているとともに、集電接続体2と図示しない電池容器内面との間には絶縁板が配されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来は巻回された発電要素の外周に巻回された絶縁材の幅はセパレータの幅よりも小さかったため、発電要素を電池容器に収納する際、発電要素と電池容器とが接触してセパレータが破損したり発電要素が電池容器と接触して短絡を起こしたりするという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる事情に対処するためになされたものであり、発電要素を電池容器に収納する際にセパレータが破損したり発電要素が電池容器と接触して短絡を起こしたりすることのない、発電要素の巻回軸を水平方向にして電池容器に収納した電池の製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
電極基体に活物質を保持させた帯状の正負極板を、セパレータを介して、一端側に正極基体が突出し他端側に負極基体が突出するよう、長円筒状に巻回してなる発電要素を得る第1の工程と、複数の前記発電要素を、前記セパレータよりも幅の広い絶縁材(ただし、発電要素を吊り下げるための手段を除く)で、直接、個々に巻回するか、複数個づつ巻回するか、全部を一まとめにして巻回する第2の工程と、絶縁材が巻回された前記複数の発電要素を長円側面同士が隣り合うよう配置する第3の工程と、長円側面同士が隣り合うよう配置された前記複数の発電要素の一端側に突出した正極基体に正極集電接続体を接続し、他端側に突出した負極基体に負極集電接続体を接続して、前記複数の発電要素を並列接続する第4の工程と、並列接続された前記複数の発電要素を、各発電要素の巻回軸を水平方向にするとともに長円側面を垂直方向にして電池容器に収納する第5の工程とを備え、前記第1の工程から、順次、第5の工程までを行うことを特徴とする電池の製造方法。
【0008】
請求項1の発明によれば、電極基体に活物質を保持させた帯状の正負極板をパレータを介して巻回した発電要素がセパレータの幅よりも広い幅を有する絶縁材で巻回されているので、発電要素の巻回軸を水平方向にして前記電池容器に収納するに際し、セパレータが破損したり電池容器と接触して短絡したりするのを防ぐことができる。尚、個々の発電要素の周囲に絶縁材を巻回してもよいし、2個の発電要素を一まとめにして絶縁材を巻回してもよいし、全部の発電要素を一まとめにして絶縁材を巻回してもよい。
【0009】
上記製造方法においては、発電要素の端面から突出した電極基体に、端子に接続された金属製集電接続体の接続部を重ね合わせ、金属製挟持板の間に前記電極基体と接続部とを挟み込んで溶着又は圧着することができる。
【0010】
この場合には、発電要素の電極の電極基体に集電接続体の接続部を重ね合わせて、これを挟持板の間に挟みこんで溶着等を行なうので、電流は主に集電接続体の接続部を通ることになり、この接続部の断面積を大きくして十分な電流が流れるようにすることができると共に、挟持板には溶着や圧着に適した厚さの金属板を用いることができるようになる。このため、超音波溶接等に最適な薄い板厚の挟持板を用いて、電極基体を十分確実に集電接続体の接続部に溶着させて接続固定することができるようになり、これらの電極基体が破断するようなおそれもなくなる。また、逆に挟持板の板厚を十分に厚くすれば、この挟持板の外側から強い力で圧迫することにより、電極基体と集電接続体の接続部を確実に圧着させて接続固定することもできるようになる。さらに、電極基体は、集電接続体の接続部ごとに挟持板で挟み込んで行けばよいので、組み立て作業も容易となる。
【0011】
長円筒状に巻回された発電要素の場合、円筒形に巻回された場合にくらべて容積エネルギー密度の高い電池が提供される。また、電極基体の直線状に突出する部分に接続部や挟持板を容易に溶着や圧着できるようになる。
【0012】
さらに、複数の前記巻回体が、長円状の側面を隣り合わせて並列接続されていることにより、円筒形に巻回された場合にくらべて容積エネルギー密度が高いとともに、高容量の電池が提供される。また、電極基体の直線状に突出する部分に接続部や挟持板を容易に溶着や圧着できるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図1〜図3は本発明の一実施形態を示すものであって、図1はリチウムイオン二次電池の発電要素と端子との接続構造を示す組み立て斜視図、図2は挟持板の間に挟み込んだ集電接続体の接続部と発電要素の正極や負極の金属箔とを示す横断面図、図3はリチウムイオン二次電池の端子に、蓋板に取り付けた端子台を接続固定した状態を示す斜視図である。なお、図4〜図5に示した従来例と同様の機能を有する構成部材には同じ番号を付記する。
【0015】
本実施形態は、従来例と同様に、電気自動車等に用いられる大型のリチウムイオン二次電池について説明する。このリチウムイオン二次電池は、図1に示すように、長円筒形の発電要素1を4個密着して並べ並列接続したものである。各発電要素1は、従来例と同じ構成であり、長円筒形の一方の端面からは正極1aの側端部のアルミニウム箔がはみ出すと共に、他方の端面からは負極1bの側端部の銅箔がはみ出すようになっている。
【0016】
上記4個の発電要素1は、長円筒形の平坦な側面同士が接するようにして密着して並べられ、これらの発電要素1の両端面部にそれぞれ集電接続体2の接続部2aが配置される。集電接続体2は、発電要素1の一方の端面側に配置するものはアルミニウム合金板からなり、他方の端面側に配置するものは銅合金板からなる。また、これらの集電接続体2は、高率放電時の大きな電流も十分に流せるようにある程度板厚の厚い金属板が用いられる。これらの集電接続体2は、ほぼ二等辺三角形状の水平に配置された金属板であり、この三角形状の底辺部から下方に向けて8本の細長い接続部2aが突設されている。これらの接続部2aは、集電接続体2の金属板をプレス加工によって細長い金属板状に抜き加工したものであり、下方に向けて屈曲させると共に、90°のひねりを加えている。また、これらの接続部2aには、図2に示すように、金属板の一方の表面側に突出する複数の凸部2bが形成されている。
【0017】
上記集電接続体2は、4個の発電要素1の両端部の上方にそれぞれ配置され、接続部2aがこれらの発電要素1の端面部に配置されるようにする。即ち、発電要素1の正極1aのアルミニウム箔がはみ出す側の端面部には、アルミニウム合金板からなる集電接続体2が配置され、負極1bの銅箔がはみ出す側の端面部には、銅合金板からなる集電接続体2が配置される。また、接続部2aは、各発電要素1の端面に2本ずつ配置される。ここで、各発電要素1の端面には、正極1aのアルミニウム箔か負極1bの銅箔が巻回された状態で長円筒形にはみ出しているので、これらの金属箔が直線状に束となった部分は、巻回軸を中心にして左右に分かれている。そして、各発電要素1ごとに配置された2本の接続部2aは、これら左右に分かれた金属箔の束の外側にそれぞれ配置される。また、これら2本の接続部2aは、図2に示すように、凸部2bの突出する側の面が内側、つまり金属箔の束側を向くように、互いに逆方向に90°のひねりが加えられている。
【0018】
このようにして集電接続体2の接続部2aが配置されると、挟持板4によって、各接続部2aと共に、正極1aや負極1bの金属箔の束を挟み込む。挟持板4は、短冊状の金属板を長手方向に沿って二つ折りにしたものであり、正極1a側の接続部2aの場合にはアルミニウム合金板が用いられ、負極1b側の接続部2aの場合には銅合金板が用いられる。そして、これらの挟持板4の両側から超音波溶接を行なうことにより、それぞれの挟持板4の間に挟み込んだ集電接続体2の接続部2aと正極1aや負極1bの金属箔の束とを溶着させる。この際、挟持板4は、接続部2aと金属箔の束とを溶着して接続固定するためだけに用いられるので、最適な超音波溶接が可能となるようなある程度薄い金属板を用いることができる。また、接続部2aには、正極1aや負極1bの金属箔の束と重なり合う面に凸部2bが形成されているので、これらの金属箔の束が凸部2bで集中的に超音波のエネルギーを受けて確実に溶着するようになる。
【0019】
発電要素1の両端部の上方に配置された正負の集電接続体2のほぼ二等辺三角形状の部分は、図3に示すように、絶縁封止材5を介して矩形の封口板6の下面の両側に取り付けられる。封口板6は、ステンレス鋼版からなり、上面の両側には、正負の端子3が別の絶縁封止材7を介して配置される。これらの端子3は、下端部が封口板6を貫通してそれぞれの集電接続体2のほぼ二等辺三角形状の頂点部付近にかしめによって接続固定される。また、これらの端子3の上端部は、絶縁封止材7上に配置された端子ボルト9を係止する端子台8にかしめによって接続固定される。これらの端子3は、アルミニウム合金板からなる集電接続体2にはアルミニウム合金製のものが用いられ、銅合金板からなる集電接続体2には銅合金製のものが用いられる。しかし、端子台8や端子ボルト9は、電解液に触れることがないので、これらアルミニウム合金や銅合金等よりも強度が高い鋼や鉄の合金等が用いられる。絶縁封止材5,7は、封口板6の上下に配置されて、集電接続体2や端子3、端子台8、端子ボルト9と封口板6との間を絶縁封止する樹脂成形板である。
【0020】
上記4個の発電要素1は、図示しないステンレス鋼板製の筐体の電池容器に収納され、封口板6がこの電池容器の上端開口部に嵌め込まれ溶接によって固着される。そして、この電池容器の内部に非水電解液が充填されることによりリチウムイオン二次電池となる。
【0021】
図6は巻回された発電要素がセパレータの幅よりも広い幅の絶縁材で巻回された状態を示す図であり、(A)は巻回された4つの発電要素1が各々、セパレータよりも幅の広い絶縁材(この実施形態ではポリフェニレンサルファイド製のシート)1fで巻回された例を示す図であり、(B)は巻回された4つの発電要素1が2つづつセパレータよりも幅の広い絶縁材1fで巻回された例を示す図であり、(C)は巻回された4つの発電要素1が4ついっぺんにセパレータよりも幅の広い絶縁材1fで巻回された例を示す図である。これらの巻回された発電要素1は、アルミニウム箔1dと銅箔1eのみが露出するよう、セパレータよりも幅が広い絶縁材1fで巻回されている。上記構成のリチウムイオン二次電池によれば、電極基体に活物質を保持させた帯状の正負極板をパレータを介して巻回した発電要素がセパレータの幅よりも広い幅を有する絶縁材で巻回されているので、発電要素の巻回軸を水平方向にして前記電池容器に収納するに際し、セパレータが破損したり電池容器と接触して短絡したりするのを防ぐことができる。
【0022】
また、上記構成のリチウムイオン二次電池によれば、各発電要素1の正極1aや負極1bと端子3との間の充放電電流は、もっぱら厚い金属板で構成される集電接続体2の接続部2aを通して流れるので、十分に大きな充放電電流を流すことができるようになる。しかも、各発電要素1の正極1aや負極1bの金属箔の束は、ある程度薄い金属板からなる挟持板4を介して接続部2aに超音波溶接されるので、溶着が確実に行なわれ金属箔が剥がれ易くなるようなことがなくなる。また、この超音波溶接によるエネルギーを接続部2aの凸部2bに集中させることができるので、金属箔の束をさらに確実強固に接続部2aに溶着することができるようになる。さらに、各接続部2aは、発電要素1の端面からはみ出した正極1aや負極1bの金属箔の束の側部に配置され、これらの接続部2aと金属箔の束を順に挟持板4の間に挟み込んで行けばよいので、従来のように、これらの金属箔の束を集電接続体2の波板状の各凹部に挿入する作業に比べて、容易に組み立て作業を行なうことができるようになる。
【0023】
また、上記リチウムイオン二次電池によれば、アルミニウム合金製や銅合金製の端子3が鋼や鉄の合金等からなる端子台8に接続固定され、外部回路との接続はこの端子台8に係止された端子ボルト9を介して行なうので、強度の弱いアルミニウム合金製や銅合金製の端子3に直接ねじ止めして接続を行なう必要がなくなり、このねじ止めの締め付けによって端子3が破損したり、この端子3が振動や衝撃を受けて変形するようなおそれもなくなる。
【0024】
なお、上記実施形態では、超音波溶接によって挟持板4の間に接続部2aと正極1aや負極1bの金属箔とを溶着する場合について説明したが、スポット溶接等の他の溶接により溶着を行なうこともできる。また、このような溶接に代えて、挟持板4の外側から強い力で圧迫することにより、接続部2aと正極1aや負極1bの金属箔とを圧着することもできる。この場合、挟持板4は、溶接の場合とは異なり、ある程度板厚の厚い金属板を用いて、この間に接続部2aと金属箔とを確実に圧着保持できるようにする必要がある。さらに、上記実施形態では、接続部2aに凸部2bを形成する場合について説明したが、同様の凸部を挟持板4に形成することもできる。もっとも、このような凸部2bを全く形成しない場合にも、金属箔を確実に溶着又は圧着することはできる。
【0025】
また、上記実施形態では、接続部2aの片側にだけ正極1aや負極1bの金属箔を配置する場合について説明したが、両側に金属箔を配置して、これを挟持板4の間に挟み込むようにすることもできる。さらに、上記実施形態では、各発電要素1の片方の端面に2本の接続部2aを配置したが、この接続部2aの配置本数も限定されない。例えば、各発電要素1の片方の端面に1本ずつの接続部2aを配置してもよいし、この1本の接続部2aに隣接する2個の発電要素1の端面からはみ出した金属箔を共通して溶着又は圧着することもできる。
【0026】
上記実施形態では、リチウムイオン二次電池について説明したが、電池の種類は問わない。ちなみに、本発明にかかるリチウムイオン電池の基本構成としては下記のようにすることができる。
【0027】
まず、正極活物質には二硫化チタンをはじめとしてリチウムコバルト複合酸化物、スピネル型リチウムマンガン酸化物、五酸化バナジウムおよび三酸化モリブデンなどの種々のものが利用可能であるが、なかでも、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO2 )およびスピネル型リチウムマンガン酸化物 (Lix Mn2 O4 ) は、4V(Li/Li+ ) 以上のきわめて貴な電位で充放電を行うため、正極として用いることで高い放電電圧を有する電池が実現できる。尚、正極は、集電体として10〜30μm厚のアルミニウム箔が公的であり、前記集体の両面に活物質層が塗着されるのが一般的であり、活物質層は、厚みが50〜150μm(片面当り)、密度が1.8〜3.0g/cc、多孔度が25〜45%のものが寿命性能及び充放電特性上好ましい。
【0028】
負極としては、金属リチウムをはじめとしてリチウムの吸蔵・放出が可能なLi−Al合金や炭素材料など種々のものが適用可能であるが、なかでも炭素材料は、安全性が高くかつサイクル寿命の長い電池が得られるという利点がある。この場合、集電体としては10〜20μ厚の銅箔が好適であり、活物質層は、厚みが45〜125μm(片面当り)、密度が1.15〜2.5g/cc、多孔度が25〜45%のものが寿命性能及び充放電特性上好ましい。
【0029】
また、電解液としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、7−ブチロラクトン、スルホランなどの高誘電率溶媒に1,2−ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの低粘度溶媒を混合したものに、溶質としての過塩素酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、六フッ化燐酸リチウムなどが添加されたものである。これら液系のものではなく、全固体式の電解質やゲル状電解質あるいはこれらと液系電解質との併用といったものもある。
【0030】
電極は、例えば活物質と結着剤と溶剤とを混合して調製したスラリーを金属箔上に塗布して製造できる。結着剤として、ポリフッ化ビニリデンおよびポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂が耐酸化還元性、耐電解液性の点で優れているが、なかでも有機溶剤に可溶なポリフッ化ビニリデンは容易にスラリーを調製できるため現在最も広く用いられている。その量としては、正極の場合は2〜6重量%、負極の場合には6〜10重量%とするのが好ましい。セパレータとしては、厚さ20〜60μmの多孔性の樹脂フィルムが好適であるが、ポリマー電解質膜を用いることもできる。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の電池の製造方法によれば、電極基体に活物質を保持させた帯状の正負極板をパレータを介して巻回した発電要素がセパレータの幅よりも広い幅を有する絶縁材で巻回されているので、発電要素の巻回軸を水平方向にして前記電池容器に収納するに際し、セパレータが破損したり電池容器と接触して短絡したりするのを防ぐことができる。また、発電要素の電極と端子との間の電流は、主に集電接続体の接続部を通ることになるので、溶着や圧着に最適な薄い板厚の挟持板を用いて、電極基体を十分確実に集電接続体の接続部に接続固定することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであって、リチウムイオン二次電池の発電要素と端子との接続構造を示す組み立て斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態を示すものであって、挟持板の間に挟み込んだ集電接続体の接続部と発電要素の正極や負極の金属箔とを示す横断面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示すものであって、リチウムイオン二次電池の端子に、蓋板に取り付けた端子台を接続固定した状態を示す斜視図である。
【図4】従来例を示すものであって、リチウムイオン二次電池の発電要素と端子との接続構造を示す分解斜視図である。
【図5】従来例を示すものであって、発電要素の構造を示す組み立て斜視図である。
【図6】巻回された発電要素がセパレータよりも幅の広い絶縁材で巻回された例を示す図である。
【符号の説明】
1 発電要素
1d アルミニウム箔
1e 銅箔
1f 絶縁材
2 集電接続体
2a 接続部
2b 凸部
3 端子
Claims (1)
- 電極基体に活物質を保持させた帯状の正負極板を、セパレータを介して、一端側に正極基体が突出し他端側に負極基体が突出するよう、長円筒状に巻回してなる発電要素を得る第1の工程と、
複数の前記発電要素を、前記セパレータよりも幅の広い絶縁材(ただし、発電要素を吊り下げるための手段を除く)で、直接、個々に巻回するか、複数個づつ巻回するか、全部を一まとめにして巻回する第2の工程と、
絶縁材が巻回された前記複数の発電要素を長円側面同士が隣り合うよう配置する第3の工程と、
長円側面同士が隣り合うよう配置された前記複数の発電要素の一端側に突出した正極基体に正極集電接続体を接続し、他端側に突出した負極基体に負極集電接続体を接続して、前記複数の発電要素を並列接続する第4の工程と、
並列接続された前記複数の発電要素を、各発電要素の巻回軸を水平方向にするとともに長円側面を垂直方向にして電池容器に収納する第5の工程とを備え、
前記第1の工程から、順次、第5の工程までを行うことを特徴とする電池の製造方法。
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