JP4372928B2 - 光源および画像読取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像読取用として好適な光源、画像読取装置および発光ダイオードに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、発光ダイオードを使用した画像読取用光源では特開平4−336444号公報にあるように複数の発光ダイオードを配置し、発光ダイオードの発光位置を制御することで対象物への入射角度を変える事が可能となるものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では対象物への入射角を変えることはできるものの、多数個の発光ダイオードが必要となり光源のサイズが大きくなる傾向があった。また、多数個の発光ダイオード間の輝度ばらつきのため、対象物に対して実質的に均一な照明とはならなかった。このような不均一性により、読取られた画像には明るさのむらが存在するために、その後の処理に対して不都合が生じる場合が多かった。しかもこうした光源を交換すると、輝度のむらのパターンが変わるため、読取られた画像の再現性が低くなり、再現性の高い画像を要求される用途においては不都合があった。
【0004】
本発明の第1の目的は、対象物に対する均一な照明光を得られるコンパクトなサイズの画像読取りに好適な光源を提供することにある。
【0005】
また、本発明の第2の目的は、交換しても高い再現性を得られる画像読取用の光源を提供することにある。
【0006】
また、本発明の第3の目的は、上記のような光源を用いた画像読取装置を提供することにある。
【0007】
また、本発明の第4の目的は、上記のような光源であり、かつ、発光色を変更可能としたものを用いて情報量の多い画像を得られる画像読取装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の第5の目的は、上記のような光源を構成するに好適な発光ダイオードを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によれば、対象物側コンデンサレンズ系と、光源側コンデンサレンズ系と、前記対象物側コンデンサレンズ系と前記光源側コンデンサレンズ系とを組合せたときの前側焦点面に配置された発光ダイオードで構成された点光源とを有し、前記対象物側コンデンサレンズ系の前側焦点面に前記点光源の像を結ぶように構成されていることを特徴とする画像読取用の光源が提供される。
【0018】
本発明において、「点光源」とは必ずしも理想的な点光源でなくとも良い。発光ダイオードの発光部位の光軸に直交する方向の広がりが十分小さければ良い。たとえば、複数の発光ダイオードチップから構成される、単一パッケージ状にモールディングされた発光ダイオードのような有限の大きさを有するものでも、複数のパッケージにモールドされた発光ダイオードを集中配置したものでも、実質的に点光源となっていればよい。発光ダイオードのモールド形状がレンズを構成しているような場合には、レンズの焦点を考慮した実質的な発光位置が点光源位置となる。発光部位の光軸に直交する方向の広がりは、対象物面上において、コンデンサレンズ系の有効開口面積の1/4以上の平行光照射面を構成できるような配置であれば良い。なお、「理想的な点光源」とは、無限に小さな大きさを有する光源を指す。
【0019】
また、「コンデンサレンズ系」とは、発散光を集光するために有限焦点距離を有するレンズ系を指す。これには、複数個のレンズが含まれても、単レンズでもかまわない。光源と対象物に最も近い位置にあるコンデンサレンズとの間で光源像を結ばない光学系や、たとえば、光学顕微鏡で使用されるケラー照明で使用されているような、光源と対象物に最も近い位置にあるコンデンサレンズ系との間で光源像を1回以上結ぶ光学系が含まれる。
【0020】
また、「前側焦点」とは、コンデンサレンズ系等からみて光源側の焦点を指す。
【0021】
また、「発光ダイオード」とは、物質のエネルギーギャップに対応した波長の非コヒーレント光を発光する発光素子を指す。電気回路素子としての特性がダイオードと同じである必要はない。
【0022】
また、「複数の色を同時発光可能な発光ダイオード」とは、少なくとも50nm以上離れた複数のピーク波長を有するか、50nm以上の発光スペクトル幅を有する発光ダイオードを指す。たとえば、640nmの発光ピーク波長を有する赤色発光ダイオードと、520nmの発光ピーク波長を有する緑色発光ダイオードと、460nmの発光ピーク波長を有する青色発光ダイオードとから構成される白色光発光ダイオードを用いることができる。また、440nmの発光ピーク波長を有する青色発光ダイオードと蛍光体とを組み合わせて白色を構成する白色光発光ダイオードなどを用いることもできる(日亜化学工業(株)製のNSPW500BSなど)。さらに、紫外線発光ダイオードと蛍光体を組み合わせて白色を構成する白色光発光ダイオードなどを用いることもできる。なお、白色光発光ダイオードのうち、構成される各色の発光ダイオードの出射光強度を変えることで、照射する光の色を任意に変えることが可能となるものもあり、こうした発光ダイオードは「発光色を変更可能な発光ダイオード」の一例である。
【0023】
また、「撮像手段」とは、光学顕微鏡などの光学系を利用し、対象物の画像を取り込みうる装置を指す。たとえば、CCDカメラを用いることができ、具体的にはソニー(株)製のXC−77(有効画素数768H×493V)や竹中システム機器(株)製のFC−1300(有効画素数1,300H×1,030V)がある。
【0024】
また、「所定の対象物面」とは、光源あるいは照射光学系の設計上、対象物を置くべき位置があらかじめ定まっているときには、その位置にあり光軸に直交する平面を指す。こうした位置が定まっていないときには、コンデンサレンズ系の最も対象物側にあるレンズの表面からコンデンサレンズ系の焦点距離の10倍だけ光軸方向に対象物側に離れた位置により定める。
【0025】
「平行光」とは、所定の対象物面においてコンデンサレンズ系の有効開口面積の1/4以上の面積を有する平行光照射面を有する光を指す。
【0026】
「コンデンサレンズ系の有効開口面積」とは、コンデンサレンズ系のうち対象物に最も近い位置にあるコンデンサレンズの前側焦点におかれた理想的な点光源からの光が、コンデンサレンズを通過する際に構成され、対象物面に達する光束が対象物面を照射する領域の面積を指す。この領域(「有効開口部」という)が円形の場合の直径を「コンデンサレンズの有効直径」という。
【0027】
「平行光照射面」とは、有限の大きさの光源から出射される対象物面に照射される光のうち、光エネルギーの90%以上の源となる光源の各部から発した光を共通して受光する対象物面上の領域を指す。
【0028】
なお、コンデンサレンズ系の途中(この場合、光源に最も近い位置にあるコンデンサレンズの直前から対象物に最も近い位置にあるコンデンサレンズの直後までの間)に調整可能な絞り類が設けられており、その調整により平行光照射面の面積とコンデンサレンズ系の有効開口面積との比率が変化しうる場合には、上記絞り類を開放したときの状況によりこの比率を定めるものとする。逆に、光源直後のこうした絞りによる調整が可能な場合や光源の発光部位の範囲が調整可能な場合には、実質的な発光部位の広がりの範囲が0でない範囲で最小となるときにより上記比率を定める。
【0029】
「点光源と対象物に最も近い位置にあるコンデンサレンズとの間で点光源の像を結ばない光学系」とは、たとえば、点光源と単一のコンデンサレンズにより構成されたような、点光源とコンデンサレンズとの間では光源像を結ばないような光学系を指す。
【0030】
「点光源と対象物に最も近い位置にあるコンデンサレンズとの間で点光源の像を1回以上結ぶ光学系」とは、たとえば、光学顕微鏡で使用されているケラー照明のような、点光源と対象物に最も近い位置にあるコンデンサレンズの間のレンズ系において、1回以上点光源像を結んでいるような光学系を指す。なお、この場合、上記「平行光照射面」の「有限の大きさの光源」は、最後に結像された光源の像におきかえられる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1を参照しながら説明する。図1は、単一コンデンサレンズを使用した場合の例を示したものである。101および110は発光ダイオード点光源、102はコンデンサレンズ、103はコンデンサレンズ前側焦点面、104はコンデンサレンズ主平面、105は対象物面、fsはコンデンサレンズの焦点距離、Psはコンデンサレンズ主平面から対象物までの距離、Dはコンデンサレンズの有効直径、dは平行光照射面107の幅、106は発光ダイオード照射角度を示す。コンデンサレンズ102の前側焦点面103の光軸上に存在する発光ダイオード101から出射された光は、光線109に示すように光軸に対して平行光となる。また、発光ダイオード101から距離hだけ光軸方向に直交する方向に離れた発光ダイオード110から出射された光は、光線108に示すように光軸に対してある角度をもつ平行光線となる。ここで、108と109の光が対象物面105上に重なる(すなわち共通に受光する)領域たる平行光照射面107の面積が、コンデンサレンズ系の有効開口面積(この例では有効開口部は直径Dの円形をしているので、πD2/4となる)の1/4以上となるようにh,fsおよびPsの配置を構成することで、コンデンサレンズ102は、発光ダイオード点光源101および110から出射された光を平行光として対象物面105に照射する。
【0032】
なお、上記においては、発光ダイオード101、110をともに前側焦点面103上に配置した例を示したが、平行光照射面107の面積がコンデンサレンズ102の有効開口面積の1/4以上であれば、発光ダイオードの位置は前側焦点面上に厳密に位置させる必要はなく、その近傍に位置させてもよい。
【0033】
また、上記においては、各発光ダイオードを理想的な点光源として取り扱った。発光ダイオード点光源101の光エネルギーと110の光エネルギーが同程度であれば、両方の点光源から発した光を共通して受光する対象物面上の領域は、平行光照射面107の範囲となりその面積がコンデンサレンズの有効開口面積の1/4以上であれば、これらの発光ダイオードを合わせて点光源であるといえる。このような場合には、発光ダイオード101および110を総称して点光源と称してもよい。もちろん、発光ダイオードモールドパッケージの内部の発光部位の拡がりが無視できないときは、これを考慮し判断する。
【0034】
図2は、光源と対象物に最も近い位置にあるコンデンサレンズの間のレンズ系において、1回以上光源像を結んでいる光学系の例として、光学顕微鏡で広く使用されているケラー照明に本発明を適用した例を示す。201は集光用コンデンサレンズ(光源側コンデンサレンズ系)、202は集光用コンデンサレンズ主平面、203は視野絞り、204は対象物面での視野絞り結像、205は開口絞り、206はコンデンサレンズ(対象物側コンデンサレンズ系)、207はコンデンサレンズ主平面を示す。ケラー照明では、発光ダイオード点光源101の光を集光しコンデンサレンズ前側焦点面103に結像させるようにK1およびK2の距離を決定する。前述の単コンデンサレンズを使用した光学系との違いは、コンデンサレンズ前側焦点面からの出射光の方向が、集光用コンデンサレンズ202のため限られているということである。このため、発光ダイオード101から出射された光は、光線208にしめすように対象物面105では光軸に平行になり、発光ダイオード101から距離hだけ光軸に直交する方向に離れた発光ダイオード110から出射された光は、対象物面105で光線209に示すように、光軸に対してある角度をもつ平行光線となる。ケラー照明系では、視野絞り203が結像する位置の近傍に対象物面105をおくようにPkおよびK3を決定するため、対象物面105上では、平行光照射面210の幅dがコンデンサレンズ有効直径Dとほぼ同じになり、多くの場合に平行光照射面の面積がコンデンサレンズ系の有効開口面積の1/4を超えるという条件を満足させやすく、平行光が得やすい。
【0035】
また、集光用コンデンサレンズ201とコンデンサレンズ206とを合わせてコンデンサレンズ系を構成していると考えた場合、このコンデンサレンズ系の前側焦点面に発光ダイオード点光源101等を位置させると、対象物面105上で平行光が得やすくなる。これは、集光用コンデンサレンズの前側焦点面と、前記コンデンサレンズ系の前側焦点面とが一致しないときに有効な構成である。
【0036】
ここで、ケラー照明系の集光用コンデンサレンズ202としてオリンパス光学工業(株)製のU−CLW、明暗視野用落射投光管として同社製のU−RLA、ランプハウスとして同社製のBH2−ULSH80/50(図5に対応する部材)を用い、発光ダイオードとして日亜化学工業(株)製のNSPW500BS(照射角度2Θ−1/2=20°、輝度4cd)を用いた組合せが、好適な結果をもたらす。ただし、上記NSPW500BSは2端子で発光色変更可能でないので、後述するような複数色での画像読取りをする場合には、発光色変更可能なものに置き換えたほうがよい場合もある。
【0037】
一般に、ケラー照明系においては、透過光学系や反射光学系でも金属や半導体など鏡面反射を中心とする反射形態をとる対象を扱う場合では、開口絞りを絞ることによって、対物レンズの焦点深度や像のコントラストを高めることができる一方、利用できる光が制限されるため像が暗くなる。これに対し、光源として発光ダイオード点光源を用いると、最後の光源像の大きさが小さくなる。このため、開口絞り205を小さく絞っても、多くの光が対象物面に到達するので、明るく、しかも焦点深度が深く高いコントラストを有する画像を得ることが容易となるのである。
【0038】
なお、図1や図2の構成で、発光ダイオード点光源として複数色、たとえば赤、緑、青色発光ダイオードから構成される白色光発光ダイオードを使用し、構成される各色の発光ダイオードの出射光強度を変えることで、対象物に照射する光の色を任意に変えることが可能となる。この場合、白色光発光ダイオードは一つのモールド形状の中に、各色の発光ダイオードチップが含まれていてもよい。また複数個の各色発光ダイオードから成る白色光源を使用してもよい。発光ダイオード表面に凸レンズ形状のモールドがあれば、レンズ形状により発光ダイオードの出射光が点光源により近似できるため好ましい。また、発光ダイオードチップ背面もしくは周辺に凹面鏡構造を配置し、効率よく前面に発光ダイオードの出射光を取り出すようにした構造であれば、更に好ましい。
【0039】
図3は、複数個の発光ダイオードを使用した画像読取装置の例を示す。301は3個の発光ダイオードでそれぞれの発光色は異なる。302はこれらそれぞれの明るさを制御する光源制御装置(制御手段)、303はコンデンサレンズ系、304は対象物、305は撮像光学系、306はCCDなどの画像読取素子やカメラなどの画像読取手段を示し、305と306とで撮像手段を構成している。なお、コンデンサレンズ系303の詳細な構成は図2に示したものと同等のケラー照明系である。また、対象物304は支持手段(図は省略)によりその位置が固定されている。この支持手段は、対象物の位置を固定したり安定させたりするための手段であり、具体的には、積載台や固定クリップなどを用いればよい。光源制御装置302で個々の発光ダイオードの出射光強度を制御し、対象物304に照射する光の色を変えそれぞれの色での画像を読取ることで、複数の色に対する透過光を画像読取手段306に取り込むことが可能になる。これにより、発光ダイオード301の発光色を適切に制御すればフルカラー画像を得ることもできる。本図は、対象物304の正面に撮像光学系305を配置した透過光学系を示すが、光の照射と撮像光学系が同じ方向である反射光学系でも効果に変わりはない。対象物に対して照射する光の色を変えることで、対象物の色情報を含んだ反射光を得ることが可能となり、画像読取装置としては情報量が多くなる利点がある。たとえば、赤色単色光を赤色を含む対象物に照射した場合、赤色部分以外からの反射光は少なく赤色部分を中心とする対象物の情報が得られる。したがって、たとえば赤、緑および青色単色光を順次対象物に照射してそれぞれの光に対する反射光を白黒画像読取手段で入力させれば、白色光を照射して得られる白黒画像読取装置の3倍の情報量が得られることになる。別の見方をすると、3色のカラー対応のセンサを用いた場合の3倍の空間分解能が得られるともいえる。たとえば、CCDカメラとして、1,000×1,000以上といった高解像度のカメラを使用したい場合、白黒のカメラとしては竹中システム機器(株)製のFC−1300(有効画素数1,300H×1,030V)などが利用できるが、カラー対応のカメラは現時点では入手し難いかきわめて高価である。これに対し、上記のような高解像度白黒画像読取手段と発光色を変更可能な発光ダイオード点光源とを組合せれば、かかる光解像度のカラー画像を容易に得ることができる。
【0040】
また、画像読取装置では、光源を交換した場合に交換前と同程度の対象物の明るさか、少なくとも同程度の均一さの明るさが得られることが重要となる。本発明の光源では、少数の局在した発光ダイオードを用いた点光源を使用しているため、光源交換前後での明るさやその均一さの再現性が点光源を構成しない多数の発光ダイオードを使用している場合に比較して良くなる。
【0041】
上記のようなケラー照明系を形成するに際し、反射光学系の場合などは、対象物に最も近いレンズ(あるいはレンズ群)が画像読取装置の対物レンズと兼用されることがある。この場合の光源装置としては、点光源と光源側コンデンサレンズ系(光源から出た光を、光源像をいったん結像させるまでの光学系)と対物レンズ(コンデンサレンズ)の前側焦点面またはその近傍に点光源の像が結像され、こうして結像された像が本発明における「点光源」となるよう構成されたものを用いるのがよい。
【0042】
図4は、発光ダイオードを点灯させる場合の回路例を示す。401は発光ダイオード、402は電流制御用の抵抗を示す。発光ダイオードの輝度は、本回路に印加する直流電圧を変化することで可能となる。4端子を備えた白色発光ダイオードのように複数の発光色を備えているときには、その数だけ同様の回路を設けるのでもよいし、発光色を固定するなら直流電圧の源は共通にしてもよい。たとえば、発光ダイオードとして上記のNSPW500BS(2端子の発光色変更可能でないもの)を用いるときは、順方向電圧約3.6V、順方向電流30mA程度なので、DC12Vで駆動するときには、電流制御用抵抗402として280Ω程度のものを利用すればよく、この抵抗値以上の範囲で抵抗値を変更できるよう回路を構成しておくか電圧を12V以下で変化できるようにしておけば輝度を可変にできる。一般の単色の発光ダイオードを複数個用いて、個別に点灯させる場合には、順方向電圧が1.7V程度となるので、抵抗値や電圧値などを上記にならって適宜に設定すればよい。
【0043】
図5は、光学顕微鏡で使用されているランプハウスに本発明の画像読取用の光源を適用する場合の例を示す。505はランプハウス本体、501は光源に電源を供給するための電線、502は光源が取り付けられている部品の固定ネジ、503は光源位置を移動させるためのネジ、504は光源からの光の出射方向を示す。本発明の画像読取用光源は、光源取り付け用部品に固定されその位置は、光源位置移動用ネジ503と502により調整可能である。このようなランプハウスの例として、上記のオリンパス光学工業(株)製のBH2−ULSH80/50などがある。
【0044】
図6は、図5の光源の取り付け状態を示す。601は発光ダイオードパッケージを示す。なお、発光ダイオードパッケージ601には、図4に記載したような、素子と電流制御用抵抗回路が一体的に形成されている。白色発光ダイオードとする場合には、発光色を変化させる必要がないときには、各チップに対して所望の電流が流れているような抵抗回路を形成しておけば、端子数を2個とすることができるし、発光色を変化させるようにするときは、さらに発光色制御を可能とする追加の端子を設けることになる(たとえば、共通のアース電極、赤色チップへの電圧印加用端子、青色チップへの電圧印加用端子、緑色チップへの電圧印加用端子の4個の端子の組の例が考えられるが、他の形態もあり得る)。このように一体的に形成された発光ダイオードパッケージでは、点光源位置が安定し機械的強度も強く、本発明の画像読取用光源の点光源として好適である。また、発光ダイオードパッケージ内にAC電圧をDC電圧に変換するような回路を一体的に形成しておけば、AC電圧しか印加できないような回路にも適用が可能となる。もちろん、発光ダイオード自身がダイオード特性を有する場合には、AC電源に接続しても電流制御用抵抗を使用すれば発光が可能となり、このような場合にはAC電源の周波数に依存した点滅光が得られるが、目視用としては十分である。
【0045】
なお、図6に示した発光ダイオードパッケージ601の形状にかえて、図7に示すような発光ダイオードパッケージ602を用いることもできる。
【0046】
図8は、発光ダイオードに印加される電圧が発光ダイオードの逆耐圧電圧を超える交流(AC)電圧であった場合や、逆耐圧電圧を超える直流(DC)電圧を逆方向に印加した場合であっても、発光ダイオードが破損しにくい回路の例である。図8において、701はツェナーダイオードを、401は発光ダイオードを、402は電流制御用の抵抗をそれぞれ示す。発光ダイオード401の直流逆耐圧電圧が5Vであったとすると、701にはツェナー電圧4Vのツェナーダイオードを使用すれば、発光ダイオード401には最大4V以上の逆電圧が印加されず、発光ダイオードが破損する可能性を低くすることができる。このとき、図8の回路例において、たとえば、12Vの逆方向電圧が印加されれば、8Vが電流制御用の抵抗402に印加されることになる。発光ダイオードに対して順方向の電圧が印加された場合には、図4の場合と同様に考えることができる。
【0047】
図9は、DC電圧を印加した場合には、電極のプラスとマイナスの極性がどちらであっても正常に発光し、AC電圧を印加した場合には、極性がプラスとマイナスのいずれのときも発光するような構成とした例である。図9において、401は発光ダイオードを、402は電流制御用の抵抗をそれぞれ示す。このような構成では、印加される電圧の極性がプラスとマイナスのいずれの場合でも、発光ダイオード401のいずれかが発光するため、DC電圧を印加した場合には、電極のプラスとマイナスがどちらであっても正常に発光し、AC電圧を印加した場合には、極性がプラスとマイナスのいずれのときも発光する。本構成では、電流はどちらの場合でも必ず流れるため、発光ダイオードの逆耐圧電圧を超える電圧が印加される可能性が少なくなり、発光ダイオードの破損の可能性を少なくすることができる。
【0048】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の画像読取用光源によれば、対象物に対する均一で交換に際しての光量の均一さの再現性の高い照明光を得ることができる。また、複数の色から構成され発光色を変更可能な発光ダイオードを用いれば発光色を変化させ、複数の色に対する反射光を得ることで複数の色情報を含んだ画像読取装置を得ることができる。
【0049】
また、白色光発光ダイオードを光源に使用する場合には、目視用途としても好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】点光源と対象物に最も近い位置にあるコンデンサレンズとの間で点光源の像を結ばない光学系を示す概略断面図である。
【図2】点光源と対象物に最も近い位置にあるコンデンサレンズとの間で1回点光源の像を結ぶ光学系を示す概略断面図である。
【図3】複数個の発光ダイオードを使用した画像読取装置を示す概略断面図である。
【図4】発光ダイオードの点灯回路例を示す概略回路図である。
【図5】光学顕微鏡で使用されているランプハウスに本発明の画像読取用の光源を適用する場合の概略斜視図である。
【図6】図5における光源の取り付け状態を示す概略斜視図である。
【図7】図6における別の発光ダイオードパッケージの形状を示す概略斜視図である。
【図8】発光ダイオードが破損しにくい点灯回路例を示す概略回路図である。
【図9】電源の種類を問わず点灯する点灯回路例を示す概略回路図である。
【符号の説明】
101:発光ダイオード点光源
102:コンデンサレンズ
103:コンデンサレンズ前側焦点面
104:コンデンサレンズ主平面
105:対象物面
106:発光ダイオード照射角度
107:平行光照射面
108:光線
109:光線
110:発光ダイオード点光源
D:コンデンサレンズの有効直径
d:平行光照射面107の幅
h:発光ダイオード間の距離
fs:コンデンサレンズの焦点距離
Ps:コンデンサレンズ主平面から対象物までの距離
201:集光用コンデンサレンズ(光源側コンデンサレンズ系)
202:集光用コンデンサレンズ主平面
203:視野絞り
204:対象物面での視野絞り結像
205:開口絞り
206:コンデンサレンズ(対象物側コンデンサレンズ系)
207:コンデンサレンズ主平面
208:光線
209:光線
210:平行光照射面
fk:コンデンサレンズの焦点距離
Pk:コンデンサレンズ主平面から対象物までの距離
K1:集光用コンデンサレンズ主平面と発光ダイオードとの距離
K2:集光用コンデンサレンズ主平面とコンデンサレンズ前側焦点面位置との距離
K3:コンデンサレンズ主平面と視野絞り位置との距離
301:発光ダイオード
302:光源制御装置
303:コンデンサレンズ系
304:対象物
305:撮像光学系
306:画像読取手段
401:発光ダイオード
402:抵抗
501:光源に電源を供給するための電線
502:部品の固定ネジ
503:光源位置を移動させるためのネジ
504:光源からの光の出射方向
505:ランプハウス本体
601:発光ダイオードパッケージ
602:発光ダイオードパッケージ
701:ツェナーダイオード
Claims (1)
- 対象物側コンデンサレンズ系と、光源側コンデンサレンズ系と、前記対象物側コンデンサレンズ系と前記光源側コンデンサレンズ系とを組合せたときの前側焦点面に配置された発光ダイオードで構成された点光源とを有し、前記対象物側コンデンサレンズ系の前側焦点面に前記点光源の像を結ぶように構成されていることを特徴とする画像読取用の光源。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36295599A JP4372928B2 (ja) | 1998-12-24 | 1999-12-21 | 光源および画像読取装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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