JP4368936B2 - 転写dna結合部位を含む環状ダンベルデコイオリゴデオキシヌクレオチド(cdodn) - Google Patents
転写dna結合部位を含む環状ダンベルデコイオリゴデオキシヌクレオチド(cdodn) Download PDFInfo
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Description
1988;2:957−974;Berkowitz LAら,Mol Cell Biol 1989;9:4272−4281;Tanaka Hら,Nucleic Acids Res 1994;22:3069−3074;Bielinska Aら,Science 1990;250:997−1000;Clusel Cら,Nucleic Acids Res 1993;21:3405−3411;Lim CSら,Nucleic Acids Res 1997;25:575−581;Hosoya
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さらに、NF−κB、c−myb、c−myc、cdc2、cdk2、E2F、およびCREに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはデコイオリゴヌクレオチドの投与は、悪液質を減少すること(Kawamura Iら,Gene Ther.1999;6:91−97)、実験的狭窄におけるインビトロの細胞増殖および内膜肥厚(Simons Mら,Nature 1992;359:67−73;Morishita Rら,J Clin Invest 1994;93:1458−1464;Morishita Rら,Proc Natl Acad Sci USA 1993;90:8474−8478;Morishita Rら,1995(前出); Morishita Rら,Nat Med 1997;3:894−899;Kaneda Y and Morishita R,Jpn J Clin Pathol 1997;45:99−105;Tomitaら,Am.J.Physiol.1998;275:F278−F284;Maeshima Yら,J.Clin.Invest.1998;101:2589−2597;Akimoto Mら,Exp Eye Res.1998;67:395−401;Mann MJら,Lancet,1999;354:1493−1498;Mann and Dzau 2000(前出);Kawauchi Mら,Circ.Res.2000;87:1063−1068;Mangi AA and Dzau VJ,Ann Med 2001;33:153−155;Ehsan Aら,J
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;McCarthy M,Lancet,2001;358:1703を参照のこと)、増殖性胆管炎の抑制(Yoshida Mら,J.Surg.Res.2002;102:95−101)および癌モデルにおいて腫瘍増殖を遅くし、アポトーシスを誘導すること(Park YGら,J.Biol.Chem.1999;274:1573−80;Cho−Chung YSら,Mol.Cell.Biochem.2000;212:29−34;Alper Oら,Mol.Cell.Biochem.2001;218:55−63)が、それぞれ示されている。
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血および再灌流後の心筋障害に関連し得る)の協調的トランス活性化において、中心的な役割を果たす。NFκBに特異的なデコイは、転写因子に結合し、心筋の炎症を仲介する遺伝子の活性を阻害するためにインビボで使用され、従って、心筋炎症に対する効果的な治療を提供する(Morishita R.ら,Nat Med 1997 Aug;3(8):894−9)。
本発明は、2つのループ構造および1つのステム構造を含む環状ダンベルオリゴデオキシヌクレオチド(CDODN)を提供し、このステム構造は、転写因子のDNA結合ドメインに結合し得るヌクレオチド配列を含む。本発明は、さらに、上記CDODNを含有する薬学的組成物を提供する。この薬学的組成物は、このような転写因子に関連する疾患または障害を処置および/または予防するために、使用され得る。本発明はまた、このような転写因子に関連する疾患および/または障害を処置または予防する方法を提供し、この方法は、治療有効量の2つのループ構造および1つのステム構造を備えたCDODNを被験体に投与する工程を包含し、ここで、このステム構造は、該転写因子のDNA結合ドメインに結合し得るヌクレオチド配列を含む。
、その構造的完全性を大いに保った。AP−1デコイODNのトランスフェクションは、血管平滑筋細胞の増殖および転移の両方を、強く阻害した。AP−1デコイODNはまた、PCNAおよびサイクリンAの、高濃度グルコース誘導性転写発現および血清誘導性転写発現も、阻害した。インビトロでのデータと一致して、センダイウイルス(HVJ)−リポソーム法を使用したAP−1デコイODNのインビボの投与は、ラット頚動脈のバルーン損傷後の新内膜形成を、ほぼ完全に阻害した。従来のPSODNと比較して、CDODNは、インビトロの平滑筋細胞の増殖阻害およびインビボの新内膜形成の阻害においてより効果的であった。PSODNと比較しておよそ半分の用量のCDODNが、インビトロおよびインビボの血管平滑筋細胞の増殖阻害において同様の結果を得るために、十分であった。その上、AP−1のCDODN結合の配列特異性は、予想外に、従来のPSODNよりも10倍以上高かった。
本発明は、以下を提供する:
1.2つのループ構造および1つのステム構造を備える環状ダンベルオリゴデオキシヌクレオチド(CDODN)であって、このステム構造が、転写因子のDNA結合ドメインに結合し得るヌクレオチド配列を含む、環状ダンベルオリゴデオキシヌクレオチド。
る。本発明の化合物または組成物の「有効量」、「治療有効量」または「薬理学的有効量」は、ED50および/またはLD50を用いて決定され得る。治療指数は、治療効果と毒性効果の間の用量比であり、ED50/LD50の比として表され得る。このような薬学的組成物が有する治療指数が大きいほど、より好ましい効果が得られ得る。ED50およびLD50の決定のために、細胞培養アッセイおよび動物実験が用いられ得、そこから得られたデータを用いて、ヒトへの用途のための用量範囲を外挿し得る。好ましくは、本発明は毒性効果がほとんどないか、または毒性効果がまったくない。このような用量は、投与の形態、被験体の感受性、投与経路などに依存して変化する。
r.,Madison,Wis.,USAにおけるTFASTAが挙げられるがこれらに限定されない)によって実行され得る。;CLUSTALプログラムは、HigginsおよびSharp(1988)Gene,73:237−244ならびにHigginsおよびSharp(1989)CABIOS 5:151−153;Corpetら(1988)Nucleic Acid Research 16,10881−90;Huangら(1992)Computer Applications in the Biosciences 8,155−65,ならびにPearsonら(1994)Methods in Molecular Biology 24,307−31によって十分に記載される。アラインメントはまた、しばしば、目視および手動の整列によって行われる。
the strategy of nucleic acid probe assay」,Elsevier,N.Y.に見出される。一般に、高度にストリンジェントなハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は、所定のイオン強度およびpHにて特定の配列に対する熱融点(Tm)より約5℃低くなるように選択される。Tmは、(所定のイオン強度およびpH下で)標的配列の50%が、完全に適合するプローブにハイブリダイズする温度である。非常にストリンジェントな条件は、特定のプローブに対するTmと同じになるように選択される。
ガンド結合、シグナル伝達など)が保持される限り、全長のコード配列によってか、または任意の部分のコード配列によってコードされ得る。この用語はまた、構造遺伝子のコード領域を含み、いずれかの端の約1kb以上の距離で、5’末端および3’末端の両方のコード領域に近接して配置される配列を含み、その結果、遺伝子が全長mRNAの長さに対応する。コード領域の5’に位置し、かつmRNA上に存在する配列は、5’非翻訳配列と称される。コード領域の3’に位置し、かつmRNA上に存在する配列は、3’非翻訳配列と称される。用語「遺伝子」は、遺伝子のcDNAおよびゲノムの形態の両方を包含する。遺伝子のゲノム形態またはクローンは、「イントロン」または「干渉領域」または「干渉配列」と呼ばれる非コード領域によって中断されるコード領域を含む。イントロンは、核RNA(hnRNA)に転写される遺伝子のセグメントであり、イントロンは、エンハンサーのような調節エレメントを含み得る。イントロンは、核または最初の転写物から除去されるかまたは「スプライスアウト」される。従って、イントロンは、メッセンジャーRNA(mRNA)転写物に存在しない。mRNAは、翻訳の間に機能して、新生(nascent)ポリペプチドのアミノ酸の配列または順序を特定する。
アデニル化シグナルは、コード領域の3’下流に配置される。
(酵素(例えば、ELISAならびに酵素ベースの組織化学的アッセイ)、蛍光、放射活性および発光システムが挙げられるがこれらに限定されない)で検出され得ることが企図される。本発明は、任意の特定の検出システムまたは標識に限定されることを意図しない。
活性化された遺伝子の増加した発現に関する疾患もしくは障害をいう。好ましくは、このような疾患または障害は、血管平滑筋細胞増殖または新内膜過形成であり得る。
本発明は、2つのループ構造および1つのステム構造を含む環状のダンベルオリゴデオキシヌクレオチド(CDODN)を提供し、ここで、このステム構造は、転写因子のDNA結合ドメインに結合し得るヌクレオチド配列を含む。本発明は、上記CDODNを含む薬学的組成物をさらに提供する。薬学的組成物は、このような転写因子に起因する疾患または障害を処置および/または予防するために使用され得る。本発明はまた、このような転写因子に起因する疾患または障害を処置および/または予防するための方法を提供し、この方法は、2つのループ構造および1つのステム構造を含むCDODNの治療有効量を被験体に投与する工程を包含する。このステム構造は、転写因子のDNA結合ドメインに結合し得るヌクレオチド配列を含む。本発明は、環状のダンベルデコイまたはデコイ組成物を提供し、それによって被験体に投与した後のデコイまたはデコイ組成物の有意に改善した安定性を提供することによって、従来のデコイまたはデコイ組成物と比較して、転写因子に関する疾患または障害を処置および/または予防するための改善された効果を達成した。
Med.1996:74:589−607を参照のこと)。これらの知見は、AP−1の活性化が新内膜形成をもたらす重要な段階であり得ることを示唆する。しかし、新内膜形成の要因におけるAP−1の役割の直接的な証明は、AP−1の特異的かつ潜在的な薬理学的インヒビターが存在しないことによって妨害されている。AP−1がVSMCの増殖および新内膜形成において重要な役割を果たすという仮説を検証するために、本発明者らは、新しいAP−1 ODNトランスフェクション方法を用いた。2本鎖のシスエレメントデコイODNのトランスフェクションは、同じ配列の内因性のシスエレメント由来の全てのトランス因子の除去をもたらし、その後、遺伝子発現を阻害した。従って、本発明は、まず、VSMCの増殖および新内膜形成におけるAP−1の関与を直接的に示す。本
発明において、発明者らは、VSMCの増殖および遊走を増強するための刺激物質として高血糖および血清を用いた。これらの刺激因子は、MAPK経路を介して多くの初期遺伝子、増殖因子および分裂促進因子を誘導する(Miano JMら、Arterioscler Thromb.1993:13:211−219:Bennett MRら、J
Clin Invest.1994:93:820−828;Briata Pら、Biochem Biophys Res Commun.1989:165:1123−1129;Inaba Tら、Diabetes 1996:45:507−512:Di Paolo Sら、Am J Pathol.1996;149:2095−2106;Schwartz SMら、Circ Res.1995:77:445−465;Lindner Vら、Circ Res.1991;68:106−113を参照のこと)。本発明はまた、高血糖および血清が、細胞周期がG1期からS期への進行に必要とされる細胞周期調節遺伝子、サイクリンAおよびPCNAの内因性の発現を刺激することを実証する。AP−1 ODNは、高血糖および血清によって誘導される、VSMCの増殖、遊走ならびにサイクリンA遺伝子およびPCNA遺伝子の発現を効率的に消滅させる。さらに、サイクリンAプロモーターの連続欠損または変異構築物を用いた本発明者らのデータは、AP−1タンパク質のような転写因子の結合に重大な意味を有するATF(活性化転写因子)部位が高血糖によるサイクリンA遺伝子の発現のアップレギュレーションを媒介することを示した。ルシフェラーゼレポーター構築物を有するが、ODNにはミスマッチでないAP−1デコイODNのトランスフェクションはまた、高血糖および血清により誘導されるサイクリンAのルシフェラーゼ発現を完全に消滅させる。これらの観察は、AP−1デコイを用いたトランスフェクションがVSMCの増殖および遊走を阻害したというインビトロでの結果と合わせて、VSMCの増殖およびVSMCの遊走の抑制が、AP−1デコイによる新内膜形成の阻害に関与したことを実証した。
らの改変されたODN、またはデコイとしてNF−κBおよびE2Fに対するこれらの改変されたODNは、実験的再狭窄において内膜肥厚を減少した(Simos Mら、J.Clin Invest 1994;93:1458〜1464、Morishita Rら、1993(上記)、Morishita Rら、1994(上記)、Morishita Rら、1997(上記)を参照のこと)。しかし、これらの改変されたODNは、RNaseHに対する非感受性、加水分解された改変されたヌクレオチドをゲノムDNAへと再利用される可能性、配列特異的結合効果の欠如、および免疫活性化などの問題を示す。最近の報告(Chu BCFら、Nucleic Acids Res.1992:20:5873〜5858;およびAbe Tら、FEBS Lett.1998;425:91〜96を参照のこと)に従って、CDODNは、血清の存在下のPSODN、エキソヌクレアーゼIIIおよびS1ヌクレアーゼよりも安定であった。AP−1についての結合部位を含むCDODNおよびPSODNの配列特異性を評価するために、本発明者らは、インビトロ競合アッセイを設定した。非標識CDODNおよび非標識PSODNを競合因子として使用した場合、CDODNおよびPSODNの両方が、標識プローブへのAP−1の結合を完全に阻害したが、CDODNの配列特異性は、PSODNの効果よりも約10倍大きかった。さらに、本発明者らは、VSMCにおける高濃度グルコースまたは血清によって誘導される、AP−1結合活性に対するCDODNおよびPSODNの阻害効果を評価した。CDODNおよびPSODNの両方は、AP−1結合活性を有意に減弱したが、CDODNの阻害効果は、より大きかった。これらの結果は、CDODNが、PSODNよりも高い親和性を、AP−1結合タンパク質に対して有することを示す。これらのインビトロデータに従って、CDODNは、脈管損傷後の新生内膜(neointima)形成を防止する際により有効であった。ダンベルデコイODNのさらなる可能な利点は、DNA複製の間でのゲノムDNA中への導入または加水分解された改変されたヌクレオチドの再利用の際の修復に起因する、変異能の欠如である。
増強するために使用された(Tanaka Hら、Nucleic Acids Res
1994;22:3069〜3074;Bielinska Aら、1990(上記)を参照のこと)。ヌクレアーゼに対するODNの安定性は、化学的改変によって増強されたが、これらの改変されたODNは、ODNを改変するための外来物質の使用が原因である他の異なる問題を誘導し得る。最近、ダンベル型ODNが、化学的に改変された線状ODNと比較して、ヌクレアーゼ耐性および細胞中への取り込みを増強すると、報告されている(Chu BCら、Nucleic Acids Res 1992:20:5857〜5858;Abe Tら、FEBS Lett 1998;425:91〜96を参照のこと)。従って、本発明者らは、E2F結合部位のための新規な環状ダンベルデコイODNを設計した。本発明者らのCD−E2Fは、開放端を有さない単一のデコイ分子において、E2Fの2つの結合部位を含み、これにより、1つの標的プロモーター部位の多重標的化または1つより多くのプロモーター部位を標的化することが、可能である。予期されるように、このCD−E2Fは、ヌクレアーゼおよび血清の存在下で、PS−E2Fよりも安定であった。さらに、CD−E2Fの配列特異性は、インビトロ競合結合アッセイによって評価した場合、PS−E2Fの配列特異性よりもほぼ10倍大きかった。さらに、VSMCにおけるグルコース誘導性E2F結合活性および血清誘導性E2F結合活性に対するCD−E2Fの阻害効果もまた、PS−E2Fよりも大きかった。これらの結果は、CD−E2Fが、増強された安定性、およびE2F結合部位に対する優れた配列特異的阻害効果を有することを示す。
クレオチド(M−E2F)ではない)のトランスフェクションは、VSMC増殖、ならびに高濃度グルコースおよび血清により誘導されるPCNA遺伝子およびサイクリンA遺伝子の発現を効果的に減弱した。このことは、サイクリンAのプロモーター研究の結果と一致した。さらに、サイクリンAプロモーター連続欠失または変異構築物の使用から導かれる本発明者らのこの結果は、サイクリンA遺伝子発現のグルコース刺激性アップレギュレーションは、サイクリンAプロモーターにおけるE2F部位によって媒介されることを実証する。E2Fデコイ(M−E2Fではない)とルシフェラーゼレポーター構築物との同時トランスフェクションはまた、高濃度グルコースにより誘導されるサイクリンAプロモーター下のルシフェラーゼ発現を、完全に排除した。
る際の潜在的に強力な因子であり得る。
号1および2の5’末端から7番目〜13番目のヌクレオチドの配列、ならびに5’末端
から8番目〜15番目のヌクレオチドの配列)、GGGATTTC(NFκB)のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド、またはその相補配列を含むオリゴヌクレオチド、それらのムテイン、ならびに上記オリゴヌクレオチド配列のうちのいずれかを含む化合物が、言及され得る。これらのオリゴヌクレオチドは、DNAであってもRNAであってもよく、そしてまた、改変されたヌクレオチドおよび/または擬性ヌクレオチドを含み得る。さらに、それらのオリゴヌクレオチド、その改変体、またはそれらのうちのいずれかを含む化合物は、一本鎖であっても二本鎖であってもよく、そして直鎖状であっても環状であってもよい。改変体とは、転写因子が結合する染色体結合部位と特異的に拮抗する、上記の配列のうちの何らかの部分の変異(例えば、置換、付加、および/または欠失)を含む核酸配列である。より好ましいデコイとしては、上記のヌクレオチド配列のうちの1つまたは複数を各々が含む二本鎖オリゴヌクレオチド、ならびにそれらの改変体が挙げられる。本発明において使用され得るオリゴヌクレオチドとしては、生分解に対して感受性が低くなるように改変されたオリゴヌクレオチド(例えば、ホスホジエステル部分の酸素を硫黄で置き換える(S−オリゴ)際に利用可能なチオホスホジエステル結合を含むオリゴヌクレオチド、ならびにホスホジエステル部分を、電荷を保有しないメチルホスフェート基で置換する際に利用可能なオリゴヌクレオチドが挙げられる。
のサイズは、LUVについて200nm〜1000nmの範囲、MLVについて400nm〜3500nmの範囲、そしてSUVについて20nm〜50nmの範囲であり得るが、センダイウイルスを使用する膜融合リポソーム調製物の場合、例えば、直径200nm〜1000nmの小胞系を含むMLVが、好ましくは使用される。
って、自由に選択され得る。
(材料および方法)
(動物)
280g〜320gの体重である9週齢〜10週齢の雄Sprague−Dawleyラット(Hyochang,Taegu,Korea)を、使用した。すべての手順は、研究施設における動物研究に関する指針に従った。
ヒトVSMCを、Ahnら、2001(上記)に記載される通りに採集し、ラット大動脈平滑筋細胞を、成体雄Sprague−Dawleyラット(200〜250g)の胸大動脈から採集した。VSMCを、20%ウシ胎仔血清(Gibco BRL)を含むDulbecco改変Eagle培地(DMEM;Gibco BRL,Grand Island,NY,USA)中で培養した。VSMCの純度を、平滑筋特異的α−アクチンモノクローナル抗体(Sigma,St.Louis,MO,USA)を用いる陽性染色によって特徴付けた。
本発明において使用したダンベル型およびAP−1結合部位から誘導したホスホロチオエート二本鎖ODNおよびミスマッチODNの配列は、以下の通りである:
CDODN(コンセンサス配列に下線を付している)、5’−GGATCCATGACTCAGAAGACGACACACGTCTTCTGAGTCAT−3’(配列番号3);
ホスホロチオエート線状AP−1デコイODN(PSODN)、5’−AGCTTGTGACTCAGAAGCT−3’(配列番号4);ミスマッチAP−1デコイODN(MODN)、5’−GGATCCAAATCTCAGAAGACGACACACGTCTTCTGAGATTT−3’(配列番号5)。
って結合した。温度を80℃から25℃へと下げながら、ODNを2時間アニールさせた。1単位のT4 DNAリガーゼを添加し、16℃で24時間インキュベートして、共有結合したダンベルデコイODN分子(CDODN)を生成した。このCDODNは、2つのループと1つのステムとからなり、この1つのステムは、2つのAP−1コンセンサス配列を直列に含む(図1A)。
CDODNの安定性を試験するために、各々1μgの非連結ホスホジエステルODN、PSODN、およびCDODNを、ヒト血清、ウシ胎仔血清、仔ウシ胎仔血清、エキソヌクレアーゼIII、またはS1ヌクレアーゼとともにインキュベートした。すべての血清は、DNase活性を保存するために、熱不活化をせずに使用した。各血清を、ODNに100μlの反応容器中50%まで添加し、37℃で24時間インキュベートした。160単位/μgのエキソヌクレアーゼIII(Takara,Otsu,Japan)をODNに添加し、37℃で2時間インキュベートした。10単位/μg ODNのS1ヌクレアーゼをODNに添加し、25℃で30分間インキュベートした。その後、ODNをフェノールおよびクロロホルムで抽出し、15%変性ポリアクリルアミドゲル上で試験した。
VSMCを、96ウェル組織培養プレート上に播種した。30%コンフルエンスにて、VSMCを、規定した無血清培地中で24時間インキュベーションすることによって、休止状態にした。その後、100nmol/LデコイODNを含むリポフェクチンを、これらのウェルに添加した。これらの細胞を、37℃で5時間インキュベートした。2〜3日間後、細胞増殖の指標を、WST細胞計数キット(Wako,Osaka,Japan)の使用によって決定した。
VSMC遊走を、改変型Boydenチャンバ(Corning,NY,USA)を使用して評価した。コントロール培地中に懸濁したVSMC(2×105細胞/ウェル)を、上部チャンバに添加し、試験サンプルを、下部チャンバ中に配置した。37℃で24時間のインキュベーション後、細胞を固定し、そしてヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。そのフィルターの下部表面上の無作為に選択した4つの高倍率(×400)視野からの平均細胞数を、計数した。
核抽出物を、Ahn JDら(上記)に記載される通りに、VSMCから調製した。簡単に述べると、DNAプローブ(例えば、AP−1およびミスマッチデコイODN)を、プライマーとして標識した。タンパク質−DNA結合反応を、容量20μlにて室温で20分間実施した。この反応混合物は、6μgの核抽出物、100μg/mlのポリdI:dC、10mmol/l Tris/HCl(pH7.5)、50mmol/l NaCl、0.5mmol/lのEDTA、0.5mmol/l DTT、1mmol/l MgCl2、4%グリセロールおよび60,000cpmの32P標識プライマーDNAを含んだ。インキュベーション後、これらのサンプルを、0.5×Tris−ホウ酸−EDTA緩衝液中にある4%ネイティブポリアクリルアミドゲル上にローディングし、150Vにて2時間泳動した。そのゲルを乾燥し、オートラジオグラフィーによって可視化した。競合研究のために、実験条件は同一であった。但し、適切な競合ODNを、核抽出物の添加前に反応混合物に50倍モル過剰〜100倍モル過剰で添加した。
AP−1ルシフェラーゼ構築物pAP1(PMA)−TA−Lucを、Clontec
hから購入した。サイクリンAプロモータールシフェラーゼ構築物を、Masao Yoshizumi博士(University of Tokyo Hospital,Tokyo,Japan)により親切にも提供された(Yoshizumi Mら、J Biol Chem,1997;272:22259〜22264を参照のこと)。このルシフェラーゼ発現を分析するために、その細胞をPBSで2回洗浄し、200μlの1×Reporter溶解緩衝液(Promega,Madison,WI,USA)を用いて溶解した。50μlの各溶解物を、ルシフェラーゼ活性について試験した。
PCNAおよびサイクリンAの遺伝子発現を、ノーザンブロッティングによって測定した。ノーザンブロット分析のために、10μgの全RNAを、1%ホルムアルデヒド−アガロースゲルに適用し、ナイロン膜に移した。このナイロン膜を、65℃のExpress HybTM溶液中で、放射標識PCNA cDNAプローブまたはサイクリンA cDNAプローブ(Young−Chae Chang博士、Dankook University Medical School,Koreaによって寄贈された)を用いてハイブリダイズし、製造業者の指示に従って洗浄した。この膜をX線フィルムに露光し、そしてそのmRNA発現を、濃度測定分析を用いて定量した。
HVJ−AVEリポソームを、Ahn JDら、2001(上記)に記載される通りに調製した。簡単に述べると、コレステロール、ジオレオイル−ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、およびホスファチジルセリンを、モル比50:13.3:13.3:13.3:10で混合した。この脂質混合物を、クロロホルム除去によって、フラスコの側面に堆積させた。乾燥した脂質を、ODNを含む200μlの平衡塩溶液(BSS;137mmol/l NaCl,5.4mmol/l KCl、10mmol/l Tris−HCl、pH7.6)中で水和した。リポソームを、振盪および濾過によって調製した。精製HVJ(Z染色)を、使用直前に3分間のUV照射によって不活化した。このリポソーム懸濁物を、総容量2mlのBSS中にあるHVJとともに混合した。その混合物を4℃で5分間インキュベートし、その後、穏やかに振盪しながら37℃で30分間インキュベートした。遊離したHVJを、ショ糖密度勾配遠心分離によって、HVJ−リポソームから除去した。そのショ糖勾配の最上層を、使用のために収集した。
2 French Fogartyカテーテルを使用して、雄Sprague−Dawleyラット(280g〜320g)中に脈管損傷を誘導した。これらのラットを、ペントバルビタールで麻酔し、左総頸動脈を外科的に露出させた。外頸動脈を介して、この総頸動脈中にカテーテルを導入した。外頸動脈中に動脈切開を介してバルーンカテーテルを3回通過および膨張させることによって、この総頸動脈の脈管損傷を誘導した。損傷した部分を、一時的結紮によって一過的に分離させた。バルーン損傷後、CDODN、MODN、FITC標識PSODNのいずれかを含むHVJ−リポソームまたはHVJ−リポソーム単独を20μl、室温にて10分間管腔中でインキュベートした。10分間のインキュベーションの後、注入カニューレを取り出した。トランスフェクションの後、その総頸動脈への血流を、結紮糸の解放によって回復し、その後、その創傷を閉鎖した。有害な神経学的効果も脈管への効果も、この手順を行ったどの動物においても観察されなかった。
トランスフェクション後2週間目に、ラットを屠殺し、そして脈管を、4%パラホルムアルデヒドで灌流固定した。新生内膜のサイズを、サンプルの正体を知らない個人による形態計測によって、定量した。内膜面積および中膜面積を、デジタル処理システム(モデ
ルINTUOS 6×8、Wacom,Vancouver,WA,USA)において測定した。FITC標識AP−1デコイODNトランスフェクションの場合、脈管を、トランスフェクション後3日目に採集し、そして4%パラホルムアルデヒドで灌流固定した。切片を、蛍光顕微鏡によって試験した。免疫組織化学のために、切片を、ウサギ抗増殖細胞核抗原抗体(1:200希釈、SantaCruz Biotechnology,Santa Cruz,CA,USA)とともにインキュベートし、そして標準的様式で免疫組織化学のために処理した。
結果を、平均値±標準誤差平均として表す。その後のDuncan検定を用いる分散分析を使用して、多重比較における差の有意性を決定した。P<0.05を、統計学的に有意であると見なした。すべての実験は、少なくとも3回実行した。
(安定性が増強したダンベル型AP−1デコイの構築)
種々のデコイODNの安定性を調査するために、本発明者らは、まず、ヌクレアーゼに対する分子の安定性を試験した。CDODNは、エキソヌクレアーゼIIIに対して安定であったが、PSODNおよびアニールしたデコイODNの両方は、エキソヌクレアーゼIIIと2時間インキュベートした後に、完全に分解された(図1B)。本発明者らはさらに、S1ヌクレアーゼを使用して、CDODNの分子特徴を試験した。S1ヌクレアーゼは、DNA分子における一本鎖領域を消化する。ダンベルデコイ(72塩基)およびPSODN(38塩基)の両方のステム領域は、S1ヌクレアーゼから保護されることが見出されたが、アニール型デコイODNのステム領域は、保護されなかった(図1B)。
CDODNが、配列特異的様式で、デコイとして十分に強くAP−1と相互作用することを実証するために、インビトロ競合アッセイを行った。非標識化AP−1デコイODNの増加は、タンパク質によって形成された複合体に対応する遅延バンドの強度を減少させた(図2A)。1000倍モル過剰の非標識化PSODNは、競合物質として、標識化プローブへのAP−1結合に対してほぼ完全に競合した。CDODNを、競合物質としてPSODNの代わりに用いた場合、100倍モル過剰の非標識化CDODN競合物質は、標識化プローブへのAP−1結合に対して完全に競合した。次いで、本発明者らは、CDODNおよびPSODNを高濃度のグルコースおよび血清刺激条件下で細胞中にトランスフェクトして、CDODNがAP−1のDNA結合活性を特異的に阻害するか否かを調べた。予想通り、高濃度のグルコースでの処理により、低濃度のグルコースと比較して、AP−1結合活性が有意に増大した(図2B、p<0.001)。同様に、血清もまた、用量依存的にAP−1のDNA結合活性を増大させた(p<0.001)。PSODNおよびCDODNの両方のトランスフェクションは、高濃度のグルコースまたは血清によって誘導されたAP−1DNA結合活性を有意に低減した(p<0.01)が、CDODNは、AP−1結合活性のより高い阻害を示した(p<0.001)。
本発明者らは、プロモーター領域にAP−1結合部位を含むレポーター遺伝子構築物を用いて、プロモーター活性に対するAP−1デコイODNの効果を研究した。高濃度グル
コースによるサイクリンAプロモーター活性のアップレギュレーションにおけるAP−1結合部位の役割を調べるために、一連の種々の長さのヒトサイクリンA5’フランキング配列を含むルシフェラーゼレポーター遺伝子プラスミドを、高濃度のグルコースで処理した平滑筋細胞中にトランスフェクトした。これらのプラスミド中の2つのプラスミド(pCA−266/+205mtおよびpCA−133/−205mt)のみが、有意に低下したルシフェラーゼ活性を示し(図3A、pCA−266/+205またはpCA−133/+205と比較して、p<0.001)、そしてこれらのレポーター遺伝子構築物は、サイクリンAプロモーター由来のAP−1タンパク質を担う、ATF部位を変異させる。これらのデータは、平滑筋細胞において、AP−1デコイODNが、高濃度のグルコースによって誘導されるサイクリンAのプロモーター活性をダウンレギュレートし得たことを示す。
高濃度グルコースおよび血清刺激性の初代培養ヒトVSMCおよびラットVSMCの増殖を、コントロールと比較した(図4Aおよび4B)。AP−1デコイODNのトランスフェクションにより、高濃度グルコースまたは血清によって刺激される細胞と比較して、細胞増殖の有意な阻害が引き起こされた(p<0.05)。注目すべきは、CDODNが、細胞増殖をほぼ完全に阻害することである(p<0.01)。同様に、VSMCの遊走は、高濃度グルコースおよび高濃度血清の両方によって、コントロールと比較して増大し(図4Cおよび4D、p<0.05)、そして、この高濃度グルコースおよび高濃度血清の両方によって刺激された遊走は、AP−1デコイODNでの処理によって有意に低減され(p<0.01)、一方、CDODNは、遊走に対して最も強力な阻害効果を示した(p<0.001)。
本発明者らは、蛍光(FITC)−標識化AP−1デコイODNを用いたHVJ−リポソーム法のラット頸動脈中へのトランスフェクション効率を試験した。HVJ−リポソーム法によるFITC−標識化ODNのトランスフェクションにより、強い蛍光を生じ(図5AおよびB)、動脈の全層において容易に検出された。従って、本発明者らは、ラット頸動脈中にAP−1デコイODNをトランスフェクトするために、HVJ−リポソーム法を選択した。
(インビボにおけるAP−1 DNA結合活性および遺伝子発現に対するAP−1デコイODNの効果)
AP−1デコイODNが、インビボにおけるAP−1 DNA結合活性を効果的にブロックしたことを確認するために、本発明者らは、損傷動脈由来の細胞を用いて、ゲル移動性シフトアッセイを行った。図7Aに示すように、AP−1 DNA結合活性は、損傷後30分で増大し、損傷後3時間で最大になった。この活性化は、CDODNでの処理によって阻害された。デコイODNでの前処理は、後処理よりもより効果的にAP−1活性を低減させた。
(材料および方法)
(動物)
体重280〜320gの9〜10週齢の雄性Sprague−Dawley(SD)ラットを用いた。全ての手順は、研究施設における動物研究に関する指針に従った。
ヒトVSMCを、心臓移植ドナーの胸大動脈から単離した。この組織の収集は、機関の倫理委員会によって承認された。ラットVSMCを、成体雄性SDラットの胸大動脈から回収した。VSMCを、20% FBS(Gibco BRL)を含むDMEM(Gibco BRL,Grand Island,NY,USA)中で培養した。VSMCの純度を、平滑筋特異的なα−アクチンモノクローナル抗体(Sigma,St.Louis,MI,USA)を用いるポジティブ染色によって特徴付けた。
本発明において使用される、E2F結合部位に対するダンベル型およびホスホロチオエート二重鎖ODNならびに変異型ODNの配列は、以下の通りである:CD−E2F(注記;コンセンサス配列に下線を付す)、5’−GGATCCGTTTCGCGCTATTGCAAAAGCAATAGCGCGAAAC−3’(配列番号6);ホスホロチオエートE2Fデコイ(PS−E2F)、5’−ATsTTAAGTTTCGCGCCCTTTCTCAsAs−3’(配列番号7);変異型E2Fデコイ(M−E2F)、5’−GGATCCGTTTCGATTTATTGCAAAAGCAATAAATCGAAAC−3’(配列番号8)。CD−E2Fは、ステムループ構造を形成すると予測された。ステムは、各オリゴの両端の相補的な配列によって形成される。ステムの5’末端は、BamHIの酵素部位として6塩基の一本鎖配列5’−GGATCC−3’を有する。2つのオリゴ分子を、両方の5’末端の相補的な6塩基の配列によって連結した。温度を80℃から25℃に低下させながら、ODNを2時間アニーリングさせた。1単位のT4 DNAリガーゼを添加し、そして16℃で24時間インキュベートして、共有結合したダンベル型デコイ分子を生成した。CD−E2Fは、2つのループおよび2つのE2Fコンセンサス配列を含む1つのステムからなる(図8A)。
CD−E2Fの安定性を試験するために、各々1μgのPS−E2F、非連結ホスホジエステルオリゴおよびCD−E2Fを、ヒト血清、FBS、エキソヌクレアーゼIIIまたはS1ヌクレアーゼのいずれかと共にインキュベートした。DNase活性を維持するために、全ての血清を熱不活化せずに使用した。各血清を100μlの反応容積中50%までオリゴに添加し、そして37℃で24時間インキュベートした。オリゴ1μg当たり160単位のエキソヌクレアーゼIII(Takara,Otsu,Japan)をオリゴに添加し、そして37℃で2時間インキュベートした。オリゴ1μg当たり10単位のS1ヌクレアーゼ(Takara)をオリゴに添加し、そして25℃で30分間インキュベートした。次いで、これらのオリゴをフェノールおよびクロロホルムで抽出し、そして15%変性ポリアクリルアミドゲルで試験した。
細胞に、新鮮な培養培地を供給し、その一日後に、デコイを添加し、そして各試験の前にOpti−MEM(Gibco BRL)で2回洗浄した。細胞を、LipofectinTM(モル比;DNA:脂質=1:3)(Gibco BRL)と合わせて、100nMのデコイODNでトランスフェクションした。デコイODN:Lipofectinの混合物を、製造業者の指示に従って細胞に滴下した。これらの細胞を37℃で5時間インキュベートした。次いで、新鮮な培地を10% FBSに交換した後、これらの細胞をCO2インキュベータ中でインキュベートした。
VSMCを、96ウェルの組織培養プレートに播種した。30%コンフルエンスで、VSMCを、規定された無血清培地中で24時間インキュベートすることによって静止状態にした。次いで、Lipofectin:デコイODN(100nMのODNを含む)をウェルに添加した。これらの細胞を37℃で5時間インキュベートした。2〜3日後、細胞増殖の指標を、WST細胞計数キット(Wako,Osaka,Japan)を使用して決定した。
核抽出物を、Ahn JDら、2001(前出)に記載されるようにVSMCから調製した。簡潔には、E2Fおよび変異型ODNに対するプローブのようなDNAプローブを、[γ−32P]ATPおよびT4ポリヌクレオチドキナーゼを使用して、プライマーと
して標識した。末端標識後、32P標識したODNをNAP−5カラムを用いて精製した。タンパク質−DNA結合反応を、20μlの容量で室温にて20分間実施した。この反応混合物は、6μgの核抽出物、100μg/mlのポリdI:dC、10mmol/l
Tris/HCl(pH7.5)、50mmol/l NaCl、0.5mmol/l
EDTA、0.5mmol/l DTT、1mmol/l MgCl2、4%グリセロールおよび60,000cpm 32P標識プライマーDNAを含んだ。インキュベーション後、サンプルを、0.5×Tris−ホウ酸−EDTA緩衝液中で4%非変性ポリアクリルアミドゲルに充填し、そして150Vで2時間泳動した。ゲルを乾燥させ、そしてオートラジオグラフィーによって可視化した。競合実験について、実験条件は、適切な競合ODNを、反応混合物に対して50倍〜100倍モル過剰で添加し、その後各抽出物を添加したこと以外、同一であった。
PCNAおよびサイクリンAの遺伝子発現を、ノーザンブロットによって測定した。10μgの総RNAを、1%ホルムアルデヒド−アガロースゲルにアプライし、そしてナイロンメンブレンに移した。このナイロンメンブレンをExpress HybTM溶液中で65℃で2時間、放射性標識したPCNA cDNAプローブまたはサイクリンA cDNAプローブ(Dr Young−Chae Chang,Dankook University Medical School,Koreaにより贈与)とハイブリダイズさせ、そして製造業者の指示に従って洗浄した。このメンブレンを、24〜48時間X線に曝露し、そしてmRNA発現を、濃度測定分析によって定量した。充填の差異を、18s rRNA cDNAプローブを用いて正規化した。
HVJ−リポソームを、Ahn JDら、2001(前出)に記載されるように調製した。簡潔には、コレステロール、ジオレイル−ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、スフィンゴミエリンおよびホスファチジルセリンを、50:13.3:13.3:13.3:10のモル比で混合した。この脂質混合物を、クロロホルムの除去によってフラスコ側面に堆積させた。乾燥脂質を、ODNを含む、200μlの平衡塩溶液(BSS;137mmol/l NaCl、5.4mmol/l KCl、10mmol/l Tris−HCl、pH7.6)中に水和した。リポソームを、攪拌および濾過によって調整した。精製HVJ(Z株)を、使用直前に3分間のUV照射によって不活化した。リポソーム懸濁物を、総容量2mlのBSS中でHVJと混合した。この混合物を4℃で5分間インキュベートし、次いで、37℃で30分間穏やかに攪拌した。遊離のHVJを、スクロース密度勾配遠心分離によってHVJリポソームから除去した。スクロース勾配の上層を、使用するために収集した。
2つのFrench Fogartyカテーテルを使用して、雄性SDラットの血管損傷を誘導した。これらのラットを、ペントバルビタールで麻酔し、そして左総頚動脈を外科的に露出させた。カニューレを、外部総頚動脈を介して総頚動脈中に導入した。インビボの遺伝子移入を、挿入したバルーンカテーテルを3回膨脹させることによって、総頚動脈の血管損傷を誘導した後に、実施した。損傷したセグメントを、一時的結紮によって一過的に隔離した。バルーン損傷後、CDE2F、M−E2F、FITC−標識化PS−E2FまたはHVJ−リポソームのみのいずれかを含む、20μlのHVJ−リポソーム複合体を、室温にて管腔内で10分間インキュベートした。10分間のインキュベーション後、注入カニューレを除去した。トランスフェクション後、総頚動脈への血流を、結紮の解放によって回復させ、次いで、創傷を閉じた。有害な神経学的効果も血管の効果も、この手順を受けた全ての動物で観察されなかった。
E2Fルシフェラーゼ構築物は、Dr.Youngchae Jang(Dankook University,Chunan,Korea)の厚意により提供された。ルシフェラーゼ発現を分析するために、細胞をPBSで2回洗浄し、そして200μlの1×Reporter溶解緩衝液(Promega,Madison,WI,USA)で溶解させた。50μlの各溶解物を、ルシフェラーゼ活性について試験した。
トランスフェクションの2週間後、ラットを屠殺し、そして血管を4%パラホルムアルデヒドで灌流固定した。新内膜(neointima)サイズを、サンプルの正体について盲目の個体による形態測定によって定量した。内部領域および中間領域を、デジタル化システム(モデルINTUOS 6x8,Wacom,Vancouver,WA,USA)で測定した。FITC標識E2FデコイODNトランスフェクションの場合、血管を、トランスフェクション後の3日目に回収し、そして4%パラホルムアルデヒドで灌流固定した。切片を、蛍光顕微鏡によって試験した。免疫組織化学について、切片を、ウサギ抗増殖細胞核抗原抗体(1:200希釈、SantaCruz,Santa Cruz,CA,USA)と共にインキュベートし、そして標準的な様式で免疫組織化学のために処理した。
結果を、平均値±SEMとして示す。引き続くDuncan試験を用いた分散の分析を使用して、複数の比較における差異の有意差を決定した。P<0.05を、統計的に有意とみなした。全ての実験を少なくとも3回実施した。
(CD−E2Fの安定性)
新たに合成したCD−E2Fの安定性を調査するために、本発明者らは、ヌクレアーゼの存在下での分子の安定性を最初に試験した(図8B)。CD−E2Fは、予測どおり、エキソヌクレアーゼIIIに耐性であり、そしてゲル電気泳動において主要なバンドとして観察された。CD−E2Fと対照的に、PS−E2Fおよびアニールしたデコイの両方が、エキソヌクレアーゼIIIとの2時間のインキュベーション後に、完全に分解された。CD−E2Fのステムループ構造を確認するために、本発明者らは、S1ヌクレアーゼを使用して、CD−E2Fの分子特徴をさらに試験した。デコイを、DNA分子中の一本鎖領域を消化するS1ヌクレアーゼと共にインキュベートした。CD−E2F(74塩基)およびPS−E2F(50塩基)の両方のステム領域は、S1ヌクレアーゼから保護されるが、アニールした型のデコイのステム領域は保護されないことが見出された(図8B)。
CD−E2Fの配列特異性を試験するために、インビトロ競合アッセイを実施した。非標識E2Fデコイの増大は、E2Fタンパク質によって形成される複合体に対応する、遅
延したバンドの強度を減少させた(図9A)。競合物としての非標識PS−E2Fの1000倍モル過剰は、E2F結合において、標識プローブに対して完全に競合した。他方で、CD−E2FをPS−E2Fの代わりに競合物として使用した場合、100倍モル過剰の非標識CD−E2F競合物のみが、標識プローブに対するE2F結合について完全に競合するのに必要であった。次に、本発明者らは、デコイがE2FのDNA結合活性を特異的に阻害し得るか否かを調べるために、細胞にデコイをトランスフェクトした。予測されるように、高濃度のグルコースおよび血清を含む馴化培地における培養は、コントロール培地中での培養と比較して、E2F結合活性が有意に増大していた(図9B、p<0.01)。PS−E2FおよびCD−E2Fのトランスフェクションは、高濃度のグルコースおよび血清によって誘導されるE2F DNA結合活性を有意に減弱させた(p<0.01)。しかし、高濃度のグルコースおよび血清によって誘導されるE2F DNA結合活性の増大は、PS−E2Fと比較して、CD−E2Fによって強力に阻害された(p<0.05)。
本発明者らは、プロモーター活性に対するE2Fデコイの効果を調査するために、レポーター遺伝子構築物を使用した。この構築物は、プロモーター領域中にE2F結合部位を含む。高濃度のグルコースによるサイクリンAプロモーター活性のアップレギュレーションに対するE2F結合部位の役割を調査するために、本発明者らは、種々の長さのヒトサイクリンAの5’隣接配列を含む、一連のルシフェラーゼレポーター遺伝子プラスミドを、高濃度のグルコースで処理した平滑筋細胞中にトランスフェクトした。これらのプラスミド中で、2つのプラスミド(pCA−133/+205およびpCA−133/−2)だけが、有意に減少したルシフェラーゼ活性を示し(図10A)、そしてpCA−133/−2構築物(本発明者らが、サイクリンAプロモーターから2つのE2F結合部位を欠失させた)の活性は、最低だった。これらのデータは、E2F部位が、VSMCにおける高濃度のグルコースによるサイクリンAプロモーター活性のアップレギュレーションを媒介することを示す。次に、本発明者らは、レポーター遺伝子プラスミドpCA−266/+205および[E2F]X4−Luc(これは、プロモーター領域中に4つのE2F結合部位を含む)のプロモーター活性に対するE2Fデコイの阻害効果を調査した。予想されるように、E2Fデコイの共トランスフェクションは、高濃度のグルコースおよび血清によってアップレギュレートされたルシフェラーゼ遺伝子発現を顕著に減弱させた(図10BおよびC、p<0.01)。また、CD−E2Fは、PS−E2Fよりも有効であり(p<0.05)そしてM−E2Fは、ルシフェラーゼ活性の増大を無効にした。
本発明者らは、内因性の細胞周期調節遺伝子の発現に対するE2Fデコイの効果を評価した。図11に示されるように、高濃度のグルコースおよび血清は、ヒトVSMCおよびラットASMCの両方において、サイクリンA遺伝子およびPCNA遺伝子の発現を刺激した(p<0.01)。M−E2FではなくE2Fデコイのトランスフェクションは、PCNAおよびサイクリンAの遺伝子発現の減弱を生じた(p<0.01)。18S rRNA発現は、E2Fデコイのトランスフェクションによって影響されなかった。これらの遺伝子の発現に対するCD−E2Fの阻害効果は、これらの刺激条件下で、PS−E2Fよりも強力であった(p<0.05)。
バルーン損傷に対する血管の共通の特徴は、VSMCの増殖であるので、E2Fデコイを、平滑筋細胞の増殖を阻害するその能力について試験した。高濃度のグルコースおよび血清での処理は、WST細胞計数キットによって評価されるように、コントロールと比較して、培養初代ヒトVSMCおよびラットVSMCの増殖を刺激した(図12AおよびB)。E2Fデコイのトランスフェクションは、高濃度のグルコースまたは血清で刺激され
た細胞と比較して、細胞増殖の有意な阻害を生じた(p<0.01)。CD−E2Fは、ほぼ完全に細胞増殖を阻害した(PS−E2Fと比較してp<0.05)。
本発明者らは、HVJ−リポソーム法を使用して、ラット頚動脈へのE2Fデコイのトランスフェクションの効率を試験した。HVJ−リポソーム法を使用する、FITC標識E2Fデコイのトランスフェクションは、動脈の全ての層において容易に検出される強い蛍光を生じた(図13B)。従って、本発明者らは、実験の残りについて、ラット頚動脈へE2Fデコイをトランスフェクションするために、HVJ−リポソーム法を使用した。
(ダンベル型デコイODNの構築)
本発明において使用された、NFκB結合部位に対するダンベル型およびホスホロチオエート二本鎖ODNの配列ならびに変異型ODNは、以下の通りである:CD−NF(注記:コンセンサス配列に下線を付す)、5’−GGATCCGGGGATTTCTATTGCAAAAGCAATAGCGCGAAAC−3’(配列番号15);ホスホロチオエートNFκBデコイ(PS−NF)、5’−ATsTTAAGGGGATTTCCCTTTCTCAsAs−3’(配列番号16):変異型E2Fデコイ(M−NF)、5’−GGATCCGGGGATATTTATTGCAAAAGCAATAAATCGAAAC−3’(配列番号17)。CD−NFは、ステムループ構造を形成することが予測された。ステムは、各オリゴの両端における相補的配列によって形成される。ステムの5’末端は、BamHIの酵素部位として6塩基の一本鎖配列5’−GGATCC−3’を有する。2つのオリゴ分子を、両方の5’末端で、相補的な6塩基の配列によって連結した。温度を80℃から25℃に低下させながら、ODNを2時間アニーリングさせた。1単位のT4 DNAリガーゼを添加し、そして16℃で24時間インキュベートして、共有結合したダンベル型デコイ分子を生成した。CD−NFは、2つのループおよび2つのNFκBコンセンサス配列を含む1つのステムからなる。
DNA合成機で、NF−κBデコイオリゴヌクレオチドおよびスクランブルデコイオリゴヌクレオチド(NF−κBデコイオリゴヌクレオチドと同じ塩基組成であるがランダム化された配列を有するオリゴヌクレオチド)(これらのヌクレオチド配列は、以下に示される)を、それぞれ、S−オリゴヌクレオチドから合成した。これらのヌクレオチドを8
0℃で30分間加熱し、次いで2時間かけて室温まで冷却させて、二本鎖DNAを提供した。
CCTTGAAGGGATTTCCCTCC(配列番号9)
GGAACTTCCCTAAAGGGAGG(配列番号18)
スクランブルデコイオリゴヌクレオチド
TTGCCGTACCTGACTTAGCC(配列番号19)
AACGGCATGGACTGAATCGG(配列番号20)。
CD−NFの安定性を試験するために、各々1μgのPS−NF、非連結ホスホジエステルオリゴおよびCD−NFを、ヒト血清、FBS、エキソヌクレアーゼIIIまたはS1ヌクレアーゼのいずれかと共にインキュベートした。DNase活性を維持するために、全ての血清を熱不活化せずに使用した。各血清を100μlの反応容積中50%までオリゴに添加し、そして37℃で24時間インキュベートした。オリゴ1μg当たり160単位のエキソヌクレアーゼIII(Takara,Otsu,Japan)をオリゴに添加し、そして37℃で2時間インキュベートした。オリゴ1μg当たり10単位のS1ヌクレアーゼ(Takara)をオリゴに添加し、そして25℃で30分間インキュベートした。次いで、これらのオリゴをフェノールおよびクロロホルムで抽出し、そして15%変性ポリアクリルアミドゲルで試験した。
細胞に、新鮮な培養培地を供給し、その一日後に、デコイを添加し、そして各実験の前にOpti−MEM(Gibco BRL)で2回洗浄した。細胞を、LipofectinTM(モル比;DNA:脂質=1:3)(Gibco BRL)と合わせて、5μMのデコイODNでトランスフェクションした。デコイODN:Lipofectinの混合物を、製造業者の指示に従って細胞に滴下した。これらの細胞を37℃で5時間インキュベートした。次いで、10% FBSを含む新鮮な培地に交換した後、これらの細胞をCO2インキュベータ中でインキュベートした。
HVJ−リポソームを、Ahn JDら、2001(前出)に記載されるように調製した。簡潔には、コレステロール、ジオレイル−ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、スフィンゴミエリンおよびホスファチジルセリンを、50:13.3:13.3:13.3:10のモル比で混合した。この脂質混合物を、クロロホルムの除去によってフラスコの側面に堆積させた。乾燥脂質を、ODNを含む、200μlの平衡塩溶液(BSS;137mmol/l NaCl、5.4mmol/l KCl、10mmol/l Tris−HCl、pH7.6)中に水和した。リポソームを、攪拌および濾過によって調整した。精製HVJ(Z株)を、使用直前に3分間のUV照射によって不活化した。リポソーム懸濁物を、総容量2mlのBSS中でHVJと混合した。この混合物を4℃で5分間インキュベートし、次いで、37℃で30分間穏やかに攪拌した。遊離のHVJを、スクロース密度勾配遠心分離によってHVJリポソームから除去した。スクロース勾配の上層を、使用するために収集した。
1:4.8:2の重量比(合計10mg)で提供されたホスファチジルセリン、ホスファチジルコリンおよびコレステロールを、テトラヒドロフラン中に溶解させた。ロータリーエバポレータを使用して、テトラヒドロフランを脂質溶液から除去して、この脂質をフラスコ壁に接着したフィルムの形態にした。これに、実施例1において調製したNF−κ
Bデコイオリゴヌクレオチド(0.7mg)を含む約200mlの生理食塩水(BSS;139mM NaCl、5.4mM KCl、10mM Tris−HCl、pH7.6)を添加し、そしてこの混合物を通常の条件下で攪拌し、超音波処理して、NF−κBデコイオリゴヌクレオチドを含むリポソーム懸濁物を提供した。このリポソーム小胞の懸濁物(0.5ml、脂質含量10mg)を、使用の3分前に、UV照射(110erg/mm2/秒)に曝露した精製センダイウイルス(Z株10000血球凝集単位)と混合し、そしてこの混合物を、BSSで4mlにした。この混合物を4℃で5分間維持し、次いで、37℃で30分間の穏やかな攪拌に供した。リポソームに結合しなかったセンダイウイルスをスクロース密度勾配遠心によって除去した後、最上層を分離し、そしてその濃度をBSSで調節して、捕捉された場合に8μMのNF−κBデコイオリゴヌクレオチドを含むリポソーム調製物を提供した。リポソーム調製物を、NF−κBデコイオリゴヌクレオチドの代わりに、実施例1のスクランブルデコイオリゴヌクレオチドを使用して同様に生成した。
((1)方法)
9〜10週齢のSDラットをペントバルビタールナトリウムで麻酔した後、カニューレを、気道に隣接する左頚動脈中に挿入し、そして心臓の大動脈弁の近傍(冠状動脈の口の近く)に留置した。さらに、気管にカニューレ挿入し、そして動物を、気管カニューレを人工呼吸器に接続することによって、支持的呼吸においた。その後、左肋間切開を行い、ラット心臓の左下行前動脈を結紮して、虚血状態を生じた。30分後、結紮縫合を切断して、再灌流を開始した。その直後、1.5ml/ラットの、上記のように調製した、リポソームに捕捉されたCD−NF、PS−NF、M−NF、NF−κBデコイヌクレオチドまたはスクランブルデコイヌクレオチドを、冠状動脈の口の近くに留置されたカニューレを介して、投与した。胸部を閉じた後、気管もまた縫合し、そして動物を生存させた。24時間後、このラットを再麻酔し、そして心臓を摘出し、そして生理食塩水で洗浄した。ラット心臓の心室を、6枚の切片にスライスし、これを、塩化テトラゾリウム(TTC)で染色した。6枚の切片をそれぞれ撮影し、そして画像分析に供した。梗塞領域を、以下の式によって計算した。
梗塞率(%)=6枚の切片の梗塞面積の合計/6枚の切片の合計×100
統計的分析を、多重比較(ANOVA)によって行った。
未処置コントロール群、M−NFおよびスクランブルデコイ処置群において、心筋梗塞は、ほぼ等しい程度で見出された。CD−NF、PS−NFおよびNF−κBデコイヌクレオチドを与えられた群において、梗塞は、未処置コントロール群、M−NFおよびスクランブルデコイ処置群から、有意な程度まで抑制される。これらのポジティブ群において、CD−NFを与えられた群は、正常なデコイまたはPS−NFよりも、有意により高い抑制を示す。
((1)方法)
7週齢のC57BL/6株の雌性マウスに、1×104のマウス小網細胞肉腫M5076細胞を静脈内投与し、そして24時間後、各々0.2ml(6nmole)の、リポソームに捕捉された、上記と同じ様式で調製された、上記で調製したCD−NF、PS−NF、M−NF、NF−κBデコイヌクレオチドまたはスクランブルデコイヌクレオチドを静脈内投与した。コントロール群は、同じ様式で0.2mlの生理食塩水を受けた。M5076の静脈内注射後14日目に、動物を剖検し、そして肝臓表面上の腫瘍小節の数を、
立体顕微鏡下で計数した。各群は、10匹のマウスからなった。統計的分析のために、Kruskal−Wallis試験およびDunnett多重比較を使用した。
CD−NF、PS−NFおよびNF−κBデコイ処置した群は、M−NFで処置した群またはコントロール群よりも腫瘍サイズの抑制における有意な効果を示した。これらのポジティブ群の中で、CD−NFを受けた群は、正常デコイまたはPS−NFよりも、腫瘍サイズにおける有意に大きい抑制を示す。
((1)方法)
7週齢の雄性BALB/cマウスを使用して、マウス結腸癌系統Colon 26の2mm立方の腫瘍塊を、皮下移植した。移植後7日目に開始して、0.2ml(6nmole)のリポソームに捕捉された、上記のように調製したCD−NF、PS−NF、M−NF、NF−κBデコイヌクレオチドまたはスクランブルデコイヌクレオチドを、この腫瘍塊に投与し、そして体重および腫瘍重量を連続的に決定した。動物を13日目に剖検し、そして精巣上体脂肪および腓腹筋を単離し、そして計量した。さらに、残りの器官および腫瘍を全て除いた死体の湿重量を決定した。腫瘍重量を、以下の式によって、各腫瘍塊の大きい方の直径および小さい方の直径から計算した。
腫瘍重量(mg)=大きい方の直径×小さい方の直径2/2
各群は、10匹のマウスからなった。統計的分析を、一方向のレイアウトのANOVAおよびDunnett多重比較によって行った。
腫瘍保有群において、腫瘍の増殖は、体重、精巣上体脂肪重量、腓腹筋重量および死体湿重量の有意な増加を生じた。CD−NF、PS−NFおよびNF−κBデコイ群において、改善が得られる。この改善は、PS−NF群またはNF−κB群よりも、CD−NF群において有意に高い。しかし、M−NF群およびスクランブルデコイ群においては改善は見出されない。M−NF群またはスクランブルデコイ群においては、腫瘍重量に対する明確な効果は存在しない。
Claims (11)
- 2つのループ構造および1つのステム構造を備える環状ダンベルオリゴデオキシヌクレオチド(CDODN)であって、該ステム構造が、転写因子のDNA結合ドメインに結合し得るヌクレオチド配列を含む、CDODNであって、該転写因子がE2Fであり、該ヌクレオチド配列がTTTCGCGCである、CDODN。
- 酵素的連結によって共有結合する2つの相同なステムループ構造を有する、請求項1に記載のCDODN。
- いかなる化学改変されたヌクレオチドも含まない、請求項1または2に記載のCDODN。
- 前記ステム構造が、2つ以上の転写因子のDNA結合ドメインに結合し得るヌクレオチド配列をさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載のCDODN。
- 前記相同なステムループ構造のそれぞれの配列が、配列番号6の配列である、請求項2に記載のCDODN。
- 被験体において、転写因子に関連する疾患または障害を処置または予防するための薬学的組成物であって、該薬学的組成物は、治療有効量の2つのループ構造および1つの該転写因子のDNA結合ドメインに結合し得るヌクレオチド配列を含むステム構造を備えたCDODN、ならびに薬学的受容可能キャリアを含有する、薬学的組成物であって、該転写因子がE2Fであり、該ヌクレオチド配列がTTTCGCGCである、薬学的組成物。
- 前記薬学的受容可能キャリアが、HVJ−リポソーム組成物である、請求項6に記載の薬学的組成物。
- 前記CDODNが酵素的連結によって共有結合する2つの相同なステムループ構造を有し、該相同なステムループ構造のそれぞれの配列が、配列番号6の配列である、請求項6に記載の薬学的組成物。
- 被験体において転写因子に関連する疾患または障害を処置または予防するための医薬品の製造における、治療有効量の2つのループ構造および1つのステム構造を備えたCDODNの使用であって、ここで、該ステム構造は、該転写因子のDNA結合ドメインに結合し得るヌクレオチド配列を含む、使用であって、該転写因子がE2Fであり、該ヌクレオチド配列がTTTCGCGCである、使用。
- 前記医薬品が、HVJ−リポソーム組成物の形態である、請求項9に記載の使用。
- 前記CDODNが酵素的連結によって共有結合する2つの相同なステムループ構造を有し、該相同なステムループ構造のそれぞれの配列が、配列番号6の配列である、請求項9に記載の使用。
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