JP4368469B2 - 落橋防止構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、橋梁における桁が橋脚から落下することを防止する落橋防止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の桁が橋脚から落下する構造としては、兵庫県南部地震以前では、桁間をケーブルで連結する構造が存在し、兵庫県南部地震以後は、ゴム等の緩衝材により地震力を緩和する構造が推奨されたことから、ゴム等による緩衝材を介してケーブルで連結する連結材を使用するようになった。
【0003】
図7を用いて構造を説明すると、1はブラケットであり、桁2にボルト等によって取り付けられる。3はケーブル、4は温度伸縮材、5はゴム製の緩衝材、6は支圧板、7はスプリング、8は係止ナットである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来技術によると、ケーブルに比べて緩衝材であるゴムの材料強度が大幅に低いために、ケーブルと同じ強度を負担するためには緩衝材には大きな受圧面積が必要となり、極めて大きな面積の緩衝材となって施工性に問題が生じることになる。
【0005】
また、1回目の地震波でゴムが永久変形を起こして塑性化し、2回目以降には有効でなくなることがあるという問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、橋桁に固定具によって取り付けられるブラケットにケーブルの端部を緩衝材およびスプリングを介して係止する落橋防止構造において、緩衝材を弾性材と天然繊維、合成繊維、金属繊維もしくはこれらを混合した繊維からなる織布や不織布からなる繊維材を交互に積層させた構造とし、この緩衝材を緩衝材ボックス内に納め、その緩衝材の周囲と緩衝材ボックスとの間に空間を形成し、緩衝材に中間プレートを介してスプリングの一端を当接させ、他端をケーブルに係止し、さらに、緩衝材ボックスと中間プレートとの間から緩衝材が押圧時に中間プレートの後方にはみ出すように中間プレートを緩衝材ボックス内に隙間を設けて装着したことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は要部断面図、図2は作動状態を示す要部断面図、図3は全体説明図であり、図において、9はブラケットであり、桁2にボルト等の固定具によって取り付けられる。なお、このブラケット9の形状は使用個所に応じて決められるものであり多くの形状がある。
【0008】
10はケーブル、11は温度伸縮材、12は緩衝材ボックスであり、その中に緩衝材13を納めると共にその緩衝材13の周囲と緩衝材ボックス12との間に空間14を形成し、緩衝材13の片面を緩衝材ボックス12の内側面に密着した状態で装着される。
この緩衝材13は、図3に示す如く、ゴムや合成樹脂等の弾性体15の中に天然繊維、合成繊維、金属繊維もしくはこれらの混合繊維等からなる織布もしくは不織布による繊維材16を積層埋設した構造であり、その積層状態は全体に均等間隔でも不均等でもよく、また、全体ではなく部分的に配置してもよいもので、使用個所や使用条件によって決定される。
【0009】
17は中間プレートであり、その片面が上記緩衝材13の他面に密着した状態で配置される。
18はコイルばねによるスプリングであり、その一端は上記中間プレート17の他面に当接しており、他端は支持板19に当接し、この支持板19と上記中間プレート17との間で弾性支持されている。
【0010】
20は上記支持板19をケーブル10に止めるナットであり、このナット20は必要に応じてケーブルクリップ21によって固定される。
このようにした構造を図4に示す如く、桁間に張設することにより、地震等によって桁が移動すると、ケーブル10が引っ張られて図2に示す如くコイルばね18が圧縮されてばね間の隙間がなくなる。それによって、支持板19が中間プレート17を押圧し、この押圧が進行することによって緩衝材13が圧縮されて弾性変形し、緩衝材ボックス12の空間14内にその変形による膨出部が入り込む。
【0011】
この弾性変形に際して、緩衝材13は許容圧縮応力は内部に積層埋設してある繊維材16に依存するもので、例えば120〜180Kg/cm2 で、破壊荷重はこれに積層数を掛けた値となる(図5参照)。これが従来の同じゴム単体の許容圧縮応力が40〜50Kg/cm2 と比較するとその違いは明確である。また、構造全体が弾性構造であるために衝撃荷重が作用しても全体で荷重を受けることとなり、大きな緩衝効果を発揮する。
【0012】
さらにつづいて力が作用すると、繊維材16の破壊が始まり、荷重は横ばいで変位のみが進行することと繊維材15の破壊エネルギーが加算されて大きなエネルギー吸収量が得られる。押圧がさらにすすむと、図2に示す如く、緩衝材13のゴムは変形し、空間14からさらに緩衝材ボックス12と中間プレート17との間からはみ出してくる。このときの緩衝材13の高い耐力と変形特性が衝撃エネルギーを吸収すると共に引張力をケーブルになめらかに伝達する。
【0013】
このように本落橋防止構造を組み込むと、桁の死荷重から求める設計荷重に対してこの破壊荷重を上側に設定することにより、緩衝材13は弾性範囲内の対応となり、地震波に対しても有効であり、万一の場合には破壊エネルギーの吸収量が大きく、最悪事態である桁の落下を防ぐことができる。
なお、上記説明は緩衝材ボックスがある構造で説明を行ったが、上記従来技術と同様に緩衝材ボックスのない単に挟持させた構造においても同様の作用が得られる。しかし、図6に示す如く、緩衝材ボックスがある場合とない場合とではその吸収できるエネルギーに差が生ずる。
【0014】
【発明の効果】
以上詳細に説明した本発明によると、橋桁に固定具によって取り付けられるブラケットにケーブルの端部を緩衝材およびスプリングを介して係止する落橋防止構造において、緩衝材を弾性体の中に繊維材を積層埋設した構造としたことにより、荷重が作用したときに、弾性体の弾性変形と塑性変形の間に積層埋設した繊維材の破壊が生じ、その破壊エネルギーが加算されて弾性体だけでは得られない大きなエネルギー吸収量が得られることになり、桁の落下を防ぐ構造とすることが可能となる効果を有する。
【0015】
また、繊維材の積層埋設数を選択することにより、所望の許容圧縮応力を設計値として得られるために、桁の破壊荷重に耐える設計値を得ることができる効果を有する。
さらに、緩衝材を緩衝材ボックス内に納め、その緩衝材の周囲と緩衝材ボックスとの間に空間を形成することにより、大きな緩衝効果を得ると共に緩衝材の高い耐力と変形特性が衝撃エネルギを吸収し、さらに引張力をケーブルになめらかに伝達する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態例を示す要部断面図
【図2】作動状態を示す要部断面図
【図3】緩衝材の説明図
【図4】全体説明図
【図5】許容圧縮応力を示すグラフ
【図6】緩衝材ボックスの有無による緩衝材の変位量を示すグラフ
【図7】従来例を示す説明図
【符号の説明】
9 ブラケット
10 ケーブル
11 温度伸縮材
12 緩衝材ボックス
13 緩衝材
14 空間
15 弾性体
16 繊維材
17 中間プレート
18 コイルばね
19 支持板
20 ナット
Claims (1)
- 橋桁に固定具によって取り付けられるブラケットにケーブルの端部を緩衝材およびスプリングを介して係止する落橋防止構造において、
緩衝材を弾性材と天然繊維、合成繊維、金属繊維もしくはこれらを混合した繊維からなる織布や不織布からなる繊維材を交互に積層させた構造とし、この緩衝材を緩衝材ボックス内に納め、その緩衝材の周囲と緩衝材ボックスとの間に空間を形成し、緩衝材に中間プレートを介してスプリングの一端を当接させ、他端をケーブルに係止し、さらに、緩衝材ボックスと中間プレートとの間から緩衝材が押圧時に中間プレートの後方にはみ出すように中間プレートを緩衝材ボックス内に隙間を設けて装着したことを特徴とする落橋防止構造。
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