JP4368143B2 - 信号処理装置及び信号処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号処理装置及び信号処理方法に関し、特に半導体製造装置の装置状態を検出する複数のセンサからの信号データを処理する信号処理装置及び信号処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスの製造プロセスにおいて、開発期間短縮、コスト削減などのため、製造を管理するMES(Manufacturing Execution System)、装置のオンライン自動化を行うCC(Cell Controller)システム、製造プロセス制御を行うAPC(Advanced Process Control)システム、歩留まりを管理するYMS(Yield Management System)、半導体製造装置の状態を管理するEES(Equipment Engineering System)など、コンピュータを使った様々なシステムが用いられてきている。
【0003】
FDC(Fault Detection and Classification)システムもこの1つである。
FDCシステムは、ウェーハ処理中に半導体製造装置の装置状態(圧力、温度、流量、電圧など)を検出する複数のセンサからリアルタイムの信号データを取得し、プロセス障害の検出などを行なう。
【0004】
しかし、このようなFDCシステムでは、リアルタイムに多数のセンサからのデータを取得するため、データ容量が非常に大きくなってしまう。そのため、FDCシステムで取得した信号データを前述したような他のシステムで利用する場合、ウェーハ単位またはプロセスレシピのステップなどの製造ステップごとに、信号データを最大値や最小値、平均値、標準偏差などのデータに要約化(以下サマリー化と呼ぶ)して渡す必要があった。
【0005】
しかし、この場合サマリー化する際のデータの信頼性に問題があった。
半導体製造装置による処理は、通常複数の製造ステップを用いて行われているが、製造ステップの切り替わり時にオーバーシュートが発生する場合がある。
【0006】
また、製造ステップの切り替わり時には、製造装置が処理状態を切り替えたり、上位のコンピュータにイベント情報を上げたりするため、製造装置のCPU(Central Processing Unit)の負荷が大きくなる。そのため、FDCシステムからのデータ要求に対し応答がない場合や、タイミング遅れが生じる場合があり、データの欠落やデータの取得間隔にずれが生じることがある。
【0007】
このように、製造ステップの切替時のデータは不安定なものとなる場合があり信頼性に欠けた。
従来、製造ステップの切り替わり直後のデータをフィルタリングするフィルタリング機能のあるものや、処理状態の切り替わり時に過渡変化があった場合には、そのときサンプリングされた信号を全て無効にして、過渡変化による解析データの乱れを防止するような技術があった(特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−254447号公報(段落番号〔0030〕〜〔0031〕)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の従来技術では、製造ステップ開始部分のみのフィルタリングしか行えない場合や、サンプル数や時間のいずれか一方でしかフィルタリングができない場合が多い。また、過渡状態にあると判断されたときにサンプリングされた全信号を単に無効にしてしまうものであった。つまり、装置状態を示す意味のあるデータを的確に選択して抽出することができなかった。このため、従来ではフィルタリング処理されたデータは、装置状態を必ずしも正確に表していないため、処理結果などとの相関が得られない場合が多いという問題があった。
【0010】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、装置状態を示す信号データを的確に抽出してサマリー化して半導体製造工程における各種システムで利用可能にする、信号処理装置及び信号処理方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、半導体製造装置の装置状態を検出する複数のセンサからの信号データを処理する信号処理装置において、図1に示すように、半導体製造装置20における各製造ステップの信号データを所定の時間間隔で取得するセンサ情報取得部11と、各製造ステップにおける信号データのうち、製造ステップの切り替わり直後の前記信号データと、次の製造ステップへの切り替わり直前の信号データの少なくとも一方をフィルタリングするフィルタリング部12と、フィルタリングした信号データをサマリー化するサマリー化部13と、を有することを特徴とする信号処理装置10が提供される。
【0012】
上記の構成に拠れば、センサ情報取得部11により、半導体製造装置20における各製造ステップの信号データを、複数のセンサ30−1、30−2、…、30−mから取得する。フィルタリング部12は、取得した各製造ステップの信号データのうち、製造ステップの切り替わり直後の信号データと、次の製造ステップへの切り替わり直前の信号データの少なくとも一方をフィルタリングする。さらに、サマリー化部13は、フィルタリングした信号データをサマリー化する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態の信号処理装置の原理を示す原理構成図である。
【0014】
信号処理装置10は、センサ情報取得部11と、フィルタリング部12と、サマリー化部13と、多変量解析部14と、から構成される。
センサ情報取得部11は、半導体製造装置20の装置状態(圧力、温度、流量、電圧など)を検出する複数のセンサ30−1、30−2、…、30−mから、各製造ステップの信号データを所定の時間間隔で取得する。
【0015】
フィルタリング部12は、取得した各製造ステップにおける信号データのうち、製造ステップの切り替わり直後の信号データと、次の製造ステップへの切り替わり直前の信号データの少なくとも一方をフィルタリングする。このとき、所定時間または所定のサンプル数で、フィルタリングする範囲を選択する。
【0016】
サマリー化部13は、フィルタリング部12でフィルタリングした信号データを、最大値、最小値、平均値、標準偏差などにサマリー化する。
多変量解析部14は、フィルタリングした複数のセンサ30−1、30−2、…、30−mの信号データに対し、多変量解析を行う。
【0017】
以下、信号処理装置10の動作を説明する。
センサ情報取得部11により、半導体製造装置20における各製造ステップにおける信号データを、複数のセンサ30−1、30−2、…、30−mから取得すると、フィルタリング部12は、取得した各製造ステップにおける信号データのうち、製造ステップの切り替わり直後の信号データと、次の製造ステップへの切り替わり直前の信号データの少なくとも一方をフィルタリングする。
【0018】
図2は、フィルタリングの第1の例である。
製造ステップの切り替わり(Step1からStep2への切り替わり)直後のサンプル数N個分と、次の製造ステップ(Step3)への切り替わり直前のサンプル数M個分をカットしたフィルタリングの例である。図のように、製造ステップ(Step2)のデータのうち、立ち上がりのN個と立ち下がりのM個を除いた部分が抽出される。なお、この場合、サンプリングタイムのズレにより抽出されるサンプル数は変動する。
【0019】
図3は、フィルタリングの第2の例である。
製造ステップの切り替わり(Step1からStep2への切り替わり)直後のサンプル数N個分をカットしたフィルタリングの例である。この場合、抽出するサンプル数を、M個分などと設定することでサマリーの算出に使用するサンプル数を一定にすることができる。
【0020】
図4は、フィルタリングの第3の例である。
製造ステップの切り替わり(Step1からStep2への切り替わり)直後のN秒間と、次の製造ステップ(Step3)への切り替わり直前のM秒間のデータをカットしたフィルタリングの例である。図のように、製造ステップ内のデータのうち、立ち上がりのN秒間分のデータと立ち下がりのM秒間分のデータを除いた部分が抽出される。このようなフィルタリングにより、カットするデータの範囲を固定することができる。なお、この場合サンプリングタイムのズレにより、抽出されるサンプル数が変動する。
【0021】
図5は、フィルタリングの第4の例である。
製造ステップの切り替わり(Step1からStep2への切り替わり)直後のN秒間のデータをカットしたフィルタリングの例である。この場合、抽出するデータ範囲を、M秒間分のデータなどと設定することで、サマリーの算出に使用するデータの範囲を固定することができる。
【0022】
なお、上記では図示を省略したが、次のステップへの切り替わり直前の部分のみをカットするフィルタリングを行うようにしてもよい。
このようなフィルタリングを、製造レシピやサンプリング状態の安定性に合わせて選択する。
【0023】
次に、フィルタリングした信号データを、サマリー化部13は、各センサ30−1、30−2、…、30−mについて、最大値、最小値、平均値、標準偏差などに製造ステップ単位でサマリー化する。
【0024】
また、フィルタリングした各センサ30−1、30−2、…、30−mの信号データを、多変量解析部14に入力して多変量解析を行うようにしてもよい。多変量解析を行うことにより、半導体製造装置20の異常をより総合的に検出することができる。多変量解析処理した結果は、サマリー化部13に入力されて、製造ステップ単位で同様にサマリー化される。
【0025】
このようにして、製造レシピや、サンプリング状態の安定性に合わせてフィルタリング方法を選択してフィルタリング処理を行い、サマリー化することで、信頼性が高く意味のあるデータをAPCシステム、YMS、EESなどの他のシステムに引き渡すことができる。これにより、プロセス変動の低減、歩留まりや装置稼働率の改善など、生産性を向上させることができる。
【0026】
次に、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
以下、半導体装置の製造を管理する製造システムにおいて、本発明の実施の形態の信号処理装置を適用した場合について説明する。
【0027】
図6は、製造システムの概略の構成図である。
図のように製造システムは、LAN(Local Area Network)上に配置されるMES100、C/C(Cell Controller)システム110、APCシステム120、YMS130、EES140などの複数のシステムにより構成されている。
【0028】
MES100は、製造管理システムであり、生産ラインで流れている各製品の工程、設備、条件、作業データをコンピュータで全て管理し、分析し、品質向上、歩留まり向上、作業ミス低減などのより効率的な生産を支援するシステムである。
【0029】
C/Cシステム110は、装置オンライン自動化システムである。
APCシステム120は、SEMATECHガイドラインで提言された先進的プロセス制御を行うシステムである。ウェーハ処理中に半導体製造装置500が良好な状態からずれていないか監視し、前のウェーハまたはロットの処理結果に基づいて次のウェーハまたはロットの処理条件を決める機能を有している。
【0030】
YMS130は歩留まり管理システムである。
EES140は、半導体製造装置500の状態を監視し、メンテナンス時期の予測などを行う。
【0031】
他にも図示していないが、デバイス特性のシミュレーションを行うTCAD(Technology Computer Aided Design)システムや、温度、気圧、ガス流量、供給電圧などの装置状態を管理するファシリティシステムなどを、同一LAN上に配置してもよい。
【0032】
図1で示した本発明の実施の形態の信号処理装置10は、FDCコントローラ200として機能し、ルータ301、302を介して接続されるFDCサーバ210と、各種データを収集するデータ収集装置400と共にFDCシステムを構成している。
【0033】
データ収集装置400は、外部センサ部600からの信号データを入力する入力ポート401と、LANに接続するためのLANポート402、半導体製造装置500と、C/Cシステムとの間で、SECS(SEMI(Semiconductor Equipment and Materials International) Equipment Communications Standard)通信プロトコルなどにより通信を行うためのCOMポート403、404を有している。COMポート403より半導体製造装置500の内部センサからの信号データを入力する。
【0034】
このようなFDCシステムは、半導体製造装置500の内部センサと共に、外部センサ部600からの信号データをリアルタイムに収集して多変量解析を行い、半導体製造装置500が良好な状態からずれていないかを監視する。
【0035】
半導体製造装置500には、ドライエッチング装置、ステッパ、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置、拡散炉、CMP(Chemical Mechanical Polishing)装置、洗浄装置などがあり、COMポート501によりC/Cシステム110でオンライン制御される。
【0036】
図7は、FDCコントローラのハードウェア構成例である。
FDCコントローラ200は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、ハードディスク204、グラフィック処理部205、入力I/F(Interface)206及び通信I/F207などによって構成され、これらはバス208を介して相互に接続されている。
【0037】
ここで、CPU201は、ハードディスク204に格納されているプログラムに応じて各部を制御する。また、上述してきた各種の計算を行う。
ROM202は、CPU201が実行する基本的なプログラムやデータを格納している。
【0038】
RAM203は、CPU201が実行途中のプログラムや、演算途中のデータを一時的に格納する。
ハードディスク204は、CPU201が実行するOSや、フィルタリングやサマリー化、多変量解析を行うアプリケーションプログラムなどが格納される。
【0039】
グラフィック処理部205には、ディスプレイなどの表示装置205aが接続されており、CPU201からの描画命令に従って、表示装置205aの画面上に画像を表示させる。
【0040】
入力I/F206には、マウス206aやキーボード206bが接続されており、例えば、FDCコントローラ200のユーザにより入力された情報を受信し、バス208を介してCPU201に送信する。
【0041】
通信I/F207は、データ収集装置400を介して、各種センサ情報をリアルタイムで取得する。
上記のような、ハードウェア構成により本発明の実施の形態の処理が実現される。
【0042】
なお、図6で示した各システムは、サーバや、データベースサーバなどとして機能する複数のコンピュータから構成されている。
以下、図6のような製造システムにおいて、半導体製造装置500の内部センサと共に外部センサ部600からの信号データを取得して他のシステムに引き渡す際の、FDCシステムの動作を説明する。
【0043】
半導体製造装置500の装置状態は内部センサと外部センサ部600によって検出され、データ収集装置400を介して、所定の時間間隔(例えば1秒間隔)でFDCコントローラ200の通信I/F207に入力される。
【0044】
入力された各種センサの信号データは、FDCコントローラ200のCPU201の制御のもとハードディスク204より取り出され実行されるプログラムにより、以下のように信号処理される。
【0045】
まず、入力された各種センサの信号データに対し、製造ステップ単位で図2〜図5で示したようなフィルタリング処理を行う。
フィルタリング処理の際、FDCコントローラ200のユーザに、表示装置205aの画面に表示させて所望のフィルタリング範囲を設定可能なようにしてもよい。
【0046】
図8は、フィルタリング設定画面の例である。
図のように、フィルタリング設定画面700では、ある製造プロセスにおける製造ステップをStep Setting欄701で設定する。またRaw Data Count欄702には複数のウェーハ(例えば数ロット分)についてのステップ内の全サンプル数の合計が表示される。さらに、所定時間でフィルタリングするか、所定サンプリング数でフィルタリングするかをSecチェックボックス703a、Samplingチェックボックス703bのいずれかを選択することで指定する。さらに、Start_t欄704でステップ切り替わり直後のサンプル数(または時間範囲)、Main_t欄705で抽出するサンプル数(または時間範囲)、End_t欄706で次ステップの切り替わり直前のサンプル数(または時間範囲)を指定する。図では切り替わり直後の12サンプル、次ステップの切り替わり直前の5サンプルでフィルタリングするような指定を行っている。切り替わり直後と、次ステップの切り替わり直前の両方を指定する場合は、Main_t欄705は“0”となる。
【0047】
図9は、フィルタリングされる前の信号データの例である。
図では、同一工程の同一製造ステップでの複数のウェーハ(例えば数ロット分)について、センサからの信号データを重ね合わせてグラフ表示されている。
【0048】
ユーザは、このデータを見て、図8で示したような設定画面で、カットしたい部分と、それにあったフィルタリング方法を設定する。
図10は、フィルタリング後の信号データの例である。
【0049】
ユーザは、この図のようなフィルタリング結果を見て確認を行う。必要に応じて、図8の設定画面に戻り、フィルタリングの設定値を変更してフィルタリングをやり直す。なお、信号データのフィルタリングに際し、信号の波形に応じて、所定時間または所定サンプル数分のいずれかを対象として行うことによってサンプリング精度を向上できる。
【0050】
次に、FDCコントローラ200は、フィルタリングしたデータの最大値、最小値、平均値、標準偏差などを算出する。そして、製造ステップ単位で、センサごとにサマリー化したデータを作成する。
【0051】
また、フィルタリングした各種センサの信号データに対して多変量解析を行い、その結果をサマリー化してもよい。なお、多変量解析には、k−最近傍法、マハラノビス距離、PCA(主成分分析法)、ニューラルネットワークなどの手法がある。
【0052】
多変量解析を行うことにより、多くのセンサ間の相関関係などを的確に診断することが可能になり、装置異常などを総合的に判断することができる。
次に、CPU201の制御のもと、APCシステム120など他のシステムに引き渡す。なお、全ての製造ステップについてのサマリー化したデータを引き渡すのではなく、プロセス状態の変化に関係した重要なステップについてのデータのみ引き渡すようにしてもよい。
【0053】
また、サマリー化したデータをFDCサーバ210のデータベースにキー情報とともに登録し、引き渡す際にもこのキー情報を付加する。
キー情報とは、品種、工程、装置、レシピ、ロット、ウェーハ、ステップ、ロット処理開始または終了時間など、データを管理、識別する上で必要な情報のことを意味している。
【0054】
MES100は半導体製造にかかわる様々なデータベースをもつため、これらキー情報を全て管理している。一方、FDCシステムのデータ収集装置400は、半導体製造装置500のみとデータのやりとりを行うため、半導体製造装置が管理している情報(装置、レシピ、ロット、ウェーハ、ステップ、ロット処理開始又は終了時間など)は収集することができるが、MES100でしか管理していない情報(品種、工程など)については直接収集することができない。FDCシステムのデータをAPCシステム120など他のシステムで利用するためには、FDCシステムはMES100のデータベースに直接リンクし、これら不足している情報を入手する必要がある。
【0055】
具体的なリンクの方法としては、FDCシステムが半導体製造装置から収集できるキー情報の項目を用いてMES100のデータベースを検索することにより、不足している情報を補うようにする。例えば、ロット処理開始時間を用いて、その時間にロット処理が開始されたロットの情報をMES100から検索する。MES100ではロット処理開始時間情報と共に、その他の各種キー情報も管理しているので、そこから品種、工程などのキー情報を抽出することができる。FDCシステムで収集したデータをFDCサーバ210のデータベースに登録する際にこれらのキー情報の項目を付加する。
【0056】
最後に、上記の信号処理をフローチャートでまとめる。
図11は、本発明の実施の形態の信号処理方法の処理の流れを説明するフローチャートである。
【0057】
S1:FDCコントローラ200は、データ収集装置400を介して各種センサからの信号データを取得する。
S2:取得した信号データに対し、各製造ステップにおける信号データのうち、製造ステップの切り替わり直後の信号データと、次の製造ステップへの切り替わり直前の信号データの少なくとも一方をフィルタリングする。
【0058】
S3:フィルタリングしたデータをサマリー化する。
S4:サマリー化したデータをAPCシステムなど他のシステムに引き渡す。
なお、この際、前述の各種キー情報を付加するようにする。
【0059】
このように、フィルタリングしてサマリー化した信頼性の高いデータを、APCシステム120に引き渡すことにより、Run−to−Runでのレシピ演算に利用でき、プロセス変動を低減することができる。また、YMS130と連携することにより、装置起因による歩留まり低下を早期に発見し、短期に原因を究明することができるため、歩留まりを向上することができる。さらに、EES140と連携することにより、PM(Preventive Maintenance)のスケジューリング、パーツ交換時期の予測に利用できるため、装置稼働率を向上することができる。このように、他のシステムと連携することにより半導体製造における生産性を向上させることができる。
【0060】
(付記1)半導体製造装置の装置状態を検出する複数のセンサからの信号データを処理する信号処理装置において、
前記半導体製造装置における各製造ステップの前記信号データを所定の時間間隔で取得するセンサ情報取得部と、
各前記製造ステップにおける前記信号データのうち、前記製造ステップの切り替わり直後の前記信号データと、次の前記製造ステップへの切り替わり直前の前記信号データの少なくとも一方をフィルタリングするフィルタリング部と、
前記フィルタリングした前記信号データを要約化する要約化部と、
を有することを特徴とする信号処理装置。
【0061】
(付記2)前記フィルタリング部は、所定時間または所定サンプル数分の前記信号データに対し、フィルタリングすることを特徴とする付記1記載の信号処理装置。
【0062】
(付記3)前記フィルタリングした複数の前記センサの前記信号データに対し、多変量解析を行う多変量解析部を有することを特徴とする付記1記載の信号処理装置。
【0063】
(付記4)前記要約化部は、前記多変量解析の結果を、前記製造ステップごとに要約化することを特徴とする付記3記載の信号処理装置。
(付記5)要約化した前記信号データに製造工程に関する情報を含むデータ管理情報を付加し、半導体製造工程における各種システムに引き渡すことを特徴とする付記1記載の信号処理装置。
【0064】
(付記6)半導体製造装置の装置状態を検出する複数のセンサからの信号データを処理する信号処理方法において、
前記半導体製造装置における各製造ステップの前記信号データを所定の時間間隔で取得し、
各前記製造ステップにおける前記信号データのうち、前記製造ステップの切り替わり直後の前記信号データと、次の前記製造ステップへの切り替わり直前の前記信号データの少なくとも一方をフィルタリングし、
前記フィルタリングした前記信号データを要約化する、
ことを特徴とする信号処理方法。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、半導体製造装置の装置状態を検出する複数のセンサからの信号データを所定の時間間隔で取得して、製造ステップの切り替わり直後の信号データと、次の製造ステップへの切り替わり直前の信号データの少なくとも一方をフィルタリングしてサマリー化するので、装置状態を示す信号データを的確に抽出してサマリー化することができる。
【0066】
このようにして、サマリー化したデータに、製造工程に関する情報を含むデータを付加し、APCシステムなどの各種システムに引き渡すことにより、半導体製造における生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の信号処理装置の原理を示す原理構成図である。
【図2】フィルタリングの第1の例である。
【図3】フィルタリングの第2の例である。
【図4】フィルタリングの第3の例である。
【図5】フィルタリングの第4の例である。
【図6】製造システムの概略の構成図である。
【図7】FDCコントローラのハードウェア構成例である。
【図8】フィルタリング設定画面の例である。
【図9】フィルタリングされる前の信号データの例である。
【図10】フィルタリング後の信号データの例である。
【図11】本発明の実施の形態の信号処理方法の処理の流れを説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10 信号処理装置
11 センサ情報取得部
12 フィルタリング部
13 サマリー化部
14 多変量解析部
20 半導体製造装置
30−1、30−2、…、30−m センサ

Claims (5)

  1. 半導体製造装置の装置状態を検出する複数のセンサからの信号データを処理する信号処理装置において、
    前記半導体製造装置における各製造ステップの前記信号データを所定の時間間隔で取得するセンサ情報取得部と、
    各前記製造ステップにおける前記信号データのうち、前記製造ステップの切り替わり直後の前記信号データと、次の前記製造ステップへの切り替わり直前の前記信号データの少なくとも一方をフィルタリングするフィルタリング部と、
    前記フィルタリングした前記信号データを要約化する要約化部と、
    を有することを特徴とする信号処理装置。
  2. 前記フィルタリング部は、所定時間または所定サンプル数分の前記信号データに対し、フィルタリングすることを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
  3. 前記フィルタリングした複数の前記センサの前記信号データに対し、多変量解析を行う多変量解析部を有することを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
  4. 要約化した前記信号データに製造工程に関する情報を含むデータ管理情報を付加し、半導体製造工程における各種システムに引き渡すことを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
  5. 半導体製造装置の装置状態を検出する複数のセンサからの信号データを処理する信号処理方法において、
    前記半導体製造装置における各製造ステップの前記信号データを所定の時間間隔で取得し、
    各前記製造ステップにおける前記信号データのうち、前記製造ステップの切り替わり直後の前記信号データと、次の前記製造ステップへの切り替わり直前の前記信号データの少なくとも一方をフィルタリングし、
    前記フィルタリングした前記信号データを要約化する、
    ことを特徴とする信号処理方法。
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