JP4368042B2 - 高圧ガバナの分解組立治具および分解組立方法 - Google Patents

高圧ガバナの分解組立治具および分解組立方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧ガバナの分解組立治具および分解組立方法に関する。さらに詳細には、高圧ガバナの分解組立における作業効率の向上、および分解部品の取扱性の向上を図ることができる高圧ガバナの分解組立治具および分解組立方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
法定上、高圧ガバナは分解点検を一定期間ごとに行わなければならない。従って、ガバナ本体から高圧ガバナの構成物品である、ケージ、スリーブ、および底カバー等を取り外す必要がある。そして、これらの構成部品の取り外しは、次のようにして行われている。
【0003】
まず、スリーブからの取り外しは、ケージ脱着用治具を用いて行うようになっている。図13に示すように、ケージ脱着用治具141は、円盤部150と円筒部151とから構成されており、円筒部151の下端に円盤部150が接合されているものである。円盤部150の裏面は、外周部の厚みが薄くなっており、その薄くなった外周部に2つの凸部152が形成されている。この2つの凸部152はケージに形成されている2つの凹部に係合するようになっている。また、円筒部151の上端付近に、棒状のハンドルを貫通させるためのハンドル取付穴153が形成されている。
【0004】
そして、ケージを取り外すには、まず、ケージ脱着用治具141の凸部152とケージの凹部とが係合するように、ケージにケージ脱着用治具141を装着する。次いで、ケージ脱着用治具141のハンドル取付穴153に、棒状のハンドルを取り付ける。そして、ハンドルを4,5人で回すことにより、ケージをスリーブから取り外している。なお、上記した作業を逆の手順で行うことにより、ケージをスリーブに取り付けることができる。
【0005】
次に、底カバーの取り外しは、底カバーを作業者が支えながら固定ボルトを緩めることにより行われている。また、ガバナ本体から取り外された底カバーは、作業者の手によって置き場まで移動させている。なお、底カバーをガバナ本体に取り付ける場合も、底カバーを作業者が支えながら固定ボルトを締めることにより行われている。
【0006】
最後に、スリーブの取り外しは、スリーブ脱着用治具を用いて行うようになっている。図14に示すように、スリーブ脱着用治具183は、円盤部184とリング部185とから構成されており、円盤部184の中心にリング部185が接合されたものである。円盤部184の外周部には、スリーブ脱着用治具183をスリーブに装着した際に、円盤部184がスリーブをガバナ本体に取り付けるロッキングボルトを覆わないように、12個の切り欠き186が形成されている。
【0007】
そして、スリーブを取り外すには、まず、チェーンブロックのチェーンをスリーブの内側に通した状態で、チェーンブロックのフックをスリーブ脱着用治具183のリング部185に引っかける。次いで、チェーンを巻き上げて、スリーブ脱着用治具183の切り欠き186がノッキングボルトの位置に一致するように、スリーブ脱着用治具183をスリーブの下端(実際にはロッキングリング)に装着する。そして、ロッキングボルトを緩めることにより、スリーブ(ロッキングリングおよびOリングを含む)をガバナ本体から取り外している。なお、上記した作業を逆の手順で行うことにより、スリーブをガバナ本体に取り付けることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の分解組立治具および分解組立方法には、作業効率および分解あるいは組み立て部品の取扱性について次のような問題があった。すなわち第1に、ケージ脱着用治具141がケージから外れてしまうおそれがあった。これは、ケージの締め付けトルクが大きく、またケージとケージ脱着用治具141とがそれぞれに形成された小さな凹部と凸部とが係合しているにすぎないためである。第2に、底カバーを支えながら固定ボルトを外すのが作業上困難であった。底カバーは35Kg程度の重量があるためである。第3に、スリーブのロッキングボルトを取り外すと、スリーブとOリングとロッキングリングとがバラバラになってしまい、その取扱性が非常に悪かった。また、スリーブは下端で支持されているだけで上端部はフリーな状態である。このため、スリーブがぐらぐらと揺れてしまい、スリーブとロッキングリングとの間にOリングが噛み込んで、Oリングを損傷してしまうという問題もあった。
【0009】
そこで、本発明は上記した問題点の少なくとも1つを解決するためになされたものであり、分解組立時の作業効率の向上、および分解した部品の取扱性の向上を図ることができる高圧ガバナの分解組立治具および分解組立方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記問題点の少なくとも1つを解決するためになされた本発明に係る高圧ガバナの分解組立治具によれば、ガス圧を高圧から中圧に調整する高圧ガバナの分解組立作業に使用する高圧ガバナの分解組立治具において、高圧ガバナ本体に備わるケージの上面に形成された複数の凹部に一致する複数の凸部が設けられた円盤部と、円盤部の中央に固定されその上面にアタッチメント取付穴が形成された円筒部とを備えるケージ脱着治具と、円筒部の外周に位置し複数のバネを内蔵するリング形状のバネケースと、円筒部の外周であってバネケースの上面に位置するリング形状のスラストベアリングと、円筒部の端部が挿入される挿入穴がその中央に形成されるとともに、バネケースおよびスラストベアリングを介してケージ脱着治具をケージに押さえつける固定プレートと、アタッチメント取付穴に装着されるトルク倍力アタッチメントと、を有することを特徴とする。
【0011】
この分解組立治具では、ケージ脱着治具がバネケースおよびスラストベアリングを介して固定プレートによってケージに対して押さえつけられる。そして、ケージ脱着治具にトルク倍力アタッチメントを装着しトルクレンチを用いて、ケージのガバナ本体からの脱着を行う。従って、分解組立作業時にケージ脱着治具がケージから外れにくく、しかも大きなトルクを与えることなくケージを高圧ガバナ本体から取り外したり、あるいは組み付けたりすることができる。よって、ケージの取り外しあるいは組み付けを作業者1人で行うことができる。すなわち、高圧ガバナの分解組立時における作業効率が大幅に向上するのである。
【0012】
ここで、ケージはガバナ本体(正確にはスリーブ)に対してねじ込み式に締め付けるようになっている。そのため、分解時にはケージは回転しながら上昇し、組み付け時にはケージは回転しながら下降する。このため、固定プレートによってケージ脱着治具をケージに対して単に押さえつけているだけでは次のような問題が生じる。すなわち、分解時にはケージが上昇するために、ケージ脱着治具を回転させることができずにケージを取り外すことができない。また、組み付け時にはケージが下降するため、固定プレートがケージ脱着治具をしっかりと押さえつけることができなくなり、ケージ脱着治具がケージから外れるおそれがあるのである。
【0013】
しかし、本分解組立治具には、複数のバネが内蔵されたバネケースが固定プレートとガバナ脱着治具との間に備わっている。従って、バネケースによりケージの上昇あるいは下降が吸収され、上記の問題が生じることはない。
【0014】
また、ケージ脱着治具をケージに対してより大きな力で押さえつけると、ケージ脱着治具がケージからより外れにくくなるが、ケージ脱着治具を回転させるトルクも増大する。これは、固定プレートが高圧ガバナ本体に固定されているため、ケージ脱着治具を回転させる際に生じる摩擦力が大きくなるからである。このように、ケージ脱着治具がケージから外れにくくなっても、ケージ脱着治具を回転させるために大きなトルクが必要になったのでは、作業効率が向上したとは言い難い。
【0015】
しかし、本分解組立治具には、固定プレートとバネケースとの間にスラストベアリングが備わっている。これにより、ケージ脱着治具をケージに対して押さえつけても、ケージ脱着治具を回転させる際に大きな摩擦力が生じない。このため、ケージ脱着治具をケージに押さえつけても、大きなトルクを与えることなくケージ脱着治具を回転させることができるのである。
【0016】
本発明に係る高圧ガバナの分解組立方法によれば、ガス圧を高圧から中圧に調整する高圧ガバナの分解組立方法において、円周縁下面に複数の凸部が設けられた円盤部と、円盤部の上面中央に固定されその上面にアタッチメント取付穴が形成された円筒部とを備えるケージ脱着治具を、円盤部に設けられた複数の凸部が高圧ガバナ本体に備わるケージの上端に形成された複数の凹部に一致するように、ケージに装着するケージ脱着治具装着工程と、複数のバネを内蔵するリング形状のバネケースを円筒部の外周に装着するバネケース装着工程と、リング形状のスラストベアリングをバネケースの上面に装着するベアリング装着工程と、円筒部の上端部が挿入される挿入穴がその中央に形成されるとともに、バネケースおよびスラストベアリングを介してケージ脱着治具をケージに押さえつける固定プレートを、円筒部の上端部を挿入穴に挿入し、高圧ガバナ本体に設けられたアクチュエータ取付用のネジ穴を利用して高圧ガバナ本体に装着する固定プレート装着工程と、アタッチメント取付穴にトルク倍力アタッチメントを装着するアタッチメント装着工程と、を含むことを特徴とする。
【0017】
この分解組立方法では、まず、ケージ脱着治具をケージに装着する。このとき、ケージ脱着治具の円盤部に設けられた複数の凸部を、高圧ガバナ本体に備わるケージの上面に形成された複数の凹部に一致させる。次いで、内部に複数のバネを内蔵するバネケース、さらにその上面にスラストベアリングを介して固定プレートを高圧ガバナ本体に取り付ける。固定プレートの高圧ガバナ本体への取付は、高圧ガバナ本体に設けられたアクチュエータ取付用のネジ穴を利用して行われる。そして、ケージ脱着治具に設けられたアタッチメント取付穴にトルク倍力アタッチメントを装着し、トルクレンチを用いてケージの取り外しあるいは取付を行う。
【0018】
ここで、固定プレートを高圧ガバナ本体に取り付ける際、固定プレートの中央に形成された挿入穴に、ケージ脱着治具における円筒部の上端部を挿入する。この挿入穴と円筒部とはほぼ等しい直径を有しているため、挿入穴が円筒部のガイドとなる。従って、トルク倍力アタッチメントにトルクレンチを装着し、ケージ脱着治具を回転させる際にその回転軸がぶれない。また、ケージ脱着治具は、バネケースおよびスラストベアリングを介して固定プレートにより、ケージに対してしっかりと押さえつけられている。さらに、トルク倍力アタッチメントを備えている。これらのことにより、分解組立作業時にケージ脱着治具がケージから外れにくく、しかも大きなトルクを与えることなくケージを取り外したり、あるいは組み付けたりすることができる。従って、ケージの取り外しあるいは組み付けを作業者1人で行うことができる。すなわち、高圧ガバナの分解組立時における作業効率が大幅に向上するのである。
【0019】
また、本発明に係る高圧ガバナの分解組立方法によれば、ガス圧を高圧から中圧に調整する高圧ガバナの分解組立方法において、ガバナ本体の下方に固定ボルトによって取り付けられる底カバーを、支持部が昇降可能であるとともにその支持部に落下防止爪を備える支持台車で、落下防止爪が固定ボルトを隠さないように保持する底カバー保持工程と、支持台車で底カバーを保持した状態で底カバーの固定ボルトの着脱を行う固定ボルト脱着工程と、固定ボルトの取り外しの後で、または取り付けに先立ち、支持部に底カバーが載った状態で支持部を昇降させることにより底カバーをガバナ本体に対して脱着する底カバー脱着工程と、を含むことを特徴とする。
【0020】
この分解組立方法では、底カバーを支持台車の支持部で支持した状態で、底カバーをガバナ本体に固定する固定ボルトの取り外し、あるいは取り付けが行われる。つまり、底カバーをガバナ本体から取り外す際あるいは取り付ける際、作業者は底カバーを支える必要がない。また、底カバーを移動させる場合には、支持台車により簡単に移動させることができる。これらのことにより、作業者に対する負担が大幅に軽減され作業効率が向上するとともに、構成部品の取扱性の向上も図られる。
【0021】
さらに、本発明に係る高圧ガバナの分解組立治具によれば、ガス圧を高圧から中圧に調整する高圧ガバナの分解組立作業に使用する高圧ガバナの分解組立治具において、高圧ガバナに備わるスリーブの底面に装着されスリーブを支える受け金具と、受け金具の中心に取り付けられスリーブを吊り上げる吊りシャフトと、スリーブ上部でスリーブに対する吊りシャフトの相対的な揺動を防止するシャフト支えと、を有することを特徴とする。
【0022】
この分解組立治具では、スリーブの上端部と下端部とを吊りシャフトを介して受け金具とシャフト支えとによって固定する。すなわち、スリーブの下部では受け金具によって上部ではシャフト支えによって吊りシャフトを介して一体化されているのである。そして、吊りシャフトを吊り上げることにより、スリーブを吊り上げることができる。
【0023】
ここで、スリーブの下部には、Oリングを介してロッキングリングがロッキングボルトにより固定されている。このため、ロッキングボルトを取り外すと、スリーブとOリングとロッキングリングとがバラバラになってしまう。しかし、上記したように本分解組立治具を用いると、スリーブの上端部と下端部とを吊りシャフトを介して受け金具とシャフト支えとによって固定することができる。これにより、スリーブは下端部で受け金具によって上端部でシャフト支えによって吊りシャフトを介して一体化されるため、ロッキングボルトを取り外しても、スリーブとOリングとロッキングリングとがバラバラにならない。また、吊りシャフトとスリーブとの相対的な揺動が発生しないため、スリーブとロッキングリングとの間にOリングが噛み込むことが防止される。このように本分解組立治具を用いることにより、分解組立時の作業効率が向上するとともに分解した部品の取扱性も向上する。
【0024】
なお、シャフト支えは、二つ割れになっており、荷重がかかった場合にお辞儀をしない(割れ目の部分が折れ曲がらない)構成とするのが良い。これにより、シャフト支えの装着作業が非常に簡単になるとともに、スリーブと吊りシャフトとの相対的な揺動の発生を確実に防止することができるからである。
【0025】
さらにまた、本発明に係る高圧ガバナの分解組立方法によれば、ガス圧を高圧から中圧に調整する高圧ガバナの分解組立方法において、高圧ガバナに備わるスリーブを支える受け金具をスリーブの底面に設置する受け金具設置工程と、スリーブを吊り上げる吊りシャフトを受け金具に装着する吊りシャフト装着工程と、吊りシャフトのスリーブに対する相対的な揺動を防止するシャフト支えをスリーブ上部に装着するシャフト支え装着工程と、吊りシャフトを吊った状態でスリーブの底部を高圧ガバナ本体に固定するロッキングナットの脱着を行うロッキングナット脱着工程と、を含むことを特徴とする。
【0026】
この分解組立方法では、まず、スリーブの底面に受け金具を設置する。次いで、吊りシャフトを受け金具に取り付ける。この受け金具への吊りシャフトの装着は、例えば、受け金具の中心にネジ穴を形成し、吊りシャフトの端部にそのネジ穴に合うように予めネジを切っておき、それらを互いにねじ込むことにより行えば良い。なお、吊りシャフトを予め受け金具に取り付けた状態で、スリーブの底面に受け金具を設置することも可能である。
【0027】
次に、スリーブの上端部に、シャフト支えを装着する。シャフト支えの装着は、例えば、予め吊りシャフトにネジを切っておき、そのネジ部をシャフト支えで挟み込み、締め付けナットを用いてシャフト支えを上方から締め付ければ良い。これにより、スリーブの上端部と下端部とを吊りシャフトを介して受け金具とシャフト支えとによって固定することができる。
【0028】
従って、スリーブは下端部で受け金具によって上端部でシャフト支えによって吊りシャフトを介して一体化されるため、ロッキングボルトを取り外しても、スリーブとOリングとロッキングリングとがバラバラにならない。つまり、スリーブとOリングとロッキングリングとを一体化したままで、スリーブの脱着を行うことができる。また、スリーブと吊りシャフトとの相対的な揺動が発生しないので、Oリングがスリーブとロッキングリングとの間に噛み込むようなことがない。従って、高圧ガバナに対しスリーブを脱着する際に、Oリングを損傷することがない。すなわち、分解した部品あるいは組み付ける部品の取扱性が大幅に良くなり、作業効率も向上するのである。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の高圧ガバナの分解組立治具および分解組立方法を具体化した実施の形態について図面に基づいて詳細に説明する。本実施の形態は、ピエトロ・フィオレンティーニ社製の高圧ガバナの分解組立作業に本発明を適用したものである。
【0030】
まず、高圧ガバナの概略構成について、図1を用いて説明する。高圧ガバナは、大別してアクチュエータ部1とガバナ本体2とから構成されている。アクチュエータ部1には、アクチュエータ11と、パイロット12と、プレパイロット13とが含まれる。このアクチュエータ部1により、圧力調整が行われるようになっている。アクチュエータ11内には、オリフィス14が設けられたアクチュエータダイヤフラム15が内蔵され、このダイヤフラム15によりアクチュエータ11内が上下に仕切られている。そして、アクチュエータ11内のダイヤフラム15の下側は配管によりパイロット12に連通している。このアクチュエータ11は、パイロット12から供給されるローディング圧と、高圧ガバナの下流側(低圧側)のガス圧力およびアクチュエータスプリング25の力の差により作動するようになっている。
【0031】
一方、ガバナ本体2には、ボディ21と、ボディ21のほぼ中央に位置するスリーブ30と、スリーブ30の上面に位置するケージ31と、ボディ21の底部に位置する底カバー32と、ボディ21外側に位置するサイレンサ22とが含まれる。スリーブ30の上方には、メインバルブ23が設けられている。このメインバルブ23には、メインシート24とアクチュエータスプリング25とが備わり、メインバルブ23はアクチュエータスプリング25により常に下方(メインシート24)に付勢されている。そして、メインバルブ23は、アクチュエータ11が作動することにより開閉するようになっている。
【0032】
上記の構成を有する高圧ガバナの動作について簡単に説明する。まず、アクチュエータ11内のダイヤフラム15を作動させるローディング圧が、プレパイロット13から供給されるガス圧力とパイロット12内に備わる設定バネによる力と高圧ガバナの下流側のガス圧力との差により作られ、パイロット12からダイヤフラム15の下側へ供給される。
【0033】
そして、下流側のガス圧力が設定値よりも低くなった場合、パイロット12内のバルブの上側に加わる力(下流側のガス圧力)がプレパイロット13から供給されるガス圧力より小さくなり、バルブのシート面が上方へ押し上げられ、ローディング圧が上昇する。このローディング圧は、ダイヤフラム15の下側に導かれ、ダイヤフラム15を上方へ押し上げるとともにメインバルブ23を開き必要なガス量を高圧ガバナの下流側へ供給する。このとき、ダイヤフラム15の上側のガスは、配管を通って高圧ガバナの下流側に流れる。
【0034】
高圧ガバナの下流側におけるガス需要量が満たされると、下流側のガス圧力が上昇する。上昇した下流側のガス圧力は、パイロット12内のパイロットバルブの上側とダイヤフラム15の上側にかかる。このときの圧力は、設定圧力よりも高いのでパイロット12内の設定バネの付勢力に勝り、パイロットバルブのシート面が下方へ動きバルブが閉じる。このため、ダイヤフラム15の下側に加わっているローディング圧が低下する。そうすると、ダイヤフラム15は、アクチュエータスプリング25とダイヤフラム15の上側に加わっている圧力の双方により下方に押され、メインバルブ23は閉じる方向に動き、下流側に送られるガス量が減少する。ローディング圧として使用されたガスは、オリフィス14を通って下流側に押し出される。
【0035】
このような高圧ガバナは、分解点検を一定期間ごとに行うことが必要とされている。このため、高圧ガバナを分解し、点検および清掃を行った後、再び組み立てる必要がある。そこで、高圧ガバナの分解方法について詳細に説明する。なお、組立方法については、分解手順を逆に行えばよいので説明は省略する。この組立においても、以下に述べると同様の効果が得られるのは言うまでもない。この高圧ガバナの分解は、まず、アクチュエータ部1を取り外す。そして、ガバナ本体2からケージ31、底カバー32、スリーブ30を順に取り外すことにより行っていく。
【0036】
まず、ケージ31を取り外す方法について詳細に説明する。ケージ31は、スリーブ30の上端にねじ込み式で締め付けられている。このケージ31を取り外すためには、図2に示す本実施の形態に係る第1治具を用いる。この第1治具は、ケージ脱着治具41と、バネケース42と、スラストベアリング43と、固定プレート44と、トルク倍力アタッチメント45とを含むものである。
【0037】
ケージ脱着治具41は、直接ケージ31に装着するものであり、図3に示すように、円盤部50と円筒部51とから構成されている。円筒部51は、円盤部50の中央に立設されている。円盤部50の下面(円筒部51が立設していない面)の外周は、他の部分よりも薄くなっている。つまり、円盤部50下面の外周に段部50aが形成されているのである。この段部50aには、2本のピン52が180度間隔で埋め込まれている。ケージ脱着治具41をケージ31上面に設置した場合に、この2本のピン52は、ケージ31上面に形成された凹部にはめ込まれるようになっている。また、円筒部51の外周であって、その高さの3分の1程度の位置にバネケース42を設置するバネケース受け53が設けられている。さらに円筒部51の上端部は閉塞されており、その中心にトルク倍力アタッチメント45を装着するための装着穴54が形成されている。
【0038】
バネケース42は、図4および図5に示すように、リング形状のものであり、上受け60と下受け62との間に8本の押バネ62を設置したものである。上受け60と下受け61とは、8本のボルト63により連結されている。このとき、上受け60と下受け61とは、一定の間隔dを保っている。これにより、バネケースに荷重がかかると、間隔dが縮まるようになっている。
【0039】
固定プレート44は、図6および図7に示すように、長方形のプレートの中央にケージ脱着治具41における円筒部51の端部を挿入するための挿入穴65を形成し、その挿入穴65に円筒状のガイド66を設けたものである。ガイド66の内径とケージ脱着治具41における円筒部51の外径とがほぼ等しい。これにより、ケージ脱着治具41を回転させるときにその回転軸がぶれないようにされている。また、固定プレート44には、高圧ガバナのボディ21に形成されているアクチュエータ11の取付用のネジ穴に一致するように、固定ボルト取付穴67がその四隅に形成されている。さらに、固定プレート44には、トルク倍力アタッチメント45に装着するユニバーサルアーム46を取り付けるためのアーム取付穴68が形成されている。
【0040】
スラストベアリング43は、固定プレート44と回転するバネケース42(あるいはケージ脱着治具41)との間に生じる摩擦力を減少させるものである。また、トルク倍力アタッチメント45は、市販品であり締め付けトルクを10倍に拡大するためのアタッチメントである。これにより、ケージ31の脱着を行う際に大きなトルクをかける必要がないため、作業者1人でケージの脱着を行うことができるようになっている。
【0041】
上記の第1治具を用いて、ケージ31を取り外すには以下の手順で行う。まず、ケージ脱着治具41をケージ31の上面に設置する。このとき、ケージ脱着治具41における円盤部50の段部50aに埋め込まれた2本のピン52を、ケージ31に形成された凹部に合わせるようにしてケージ脱着治具41を設置する。次いで、ケージ脱着治具41のバネケース受け53にバネケース42、さらにその上にスラストベアリング43を設置する。なお、予めバネケース42およびスラストベアリング43をケージ脱着治具41に装着した後に、そのケージ脱着治具41をケージ31の上面に設置しても良い。そして、固定プレート44をアクチュエータ11の取付用ネジ穴を利用して、固定ボルトによりガバナ本体2のボディ21に固定する。このとき、固定プレート44の中央に設けられたガイド66内に、ケージ脱着治具41における円筒部51の上端部を挿入しておく。最後に、ユニバーサルアーム46を固定プレート44に形成されたアーム取付穴68に装着した後に、トルク倍力アタッチメント45をケージ脱着治具41に形成された装着穴54に装着する。これで第1治具の取付が完了し、図2に示す状態となる。
【0042】
そして、トルク倍力アタッチメント45にトルクレンチを装着して、ケージ脱着治具41を回転させることにより、ケージ31をスリーブ30から取り外す。ここで、ケージ31は、スリーブ30に対してかなり大きな締め付けトルクで締め付けられている。このため、従来は作業者4,5人でケージ脱着治具を回転させていた。しかし、本実施の形態に係る第1治具には、トルク倍力アタッチメント45が備わっている。このため、ケージ31をスリーブ30から取り外す場合には、実際の締め付けトルクの10分の1のトルクをかければ足りる。すなわち、作業者1人でもケージ31の取り外しを行うことができるのである。
【0043】
また、ケージ脱着治具41は、バネケース42およびスラストベアリング43を介して固定プレート44により、ケージ31に対してしっかりと押さえつけられている。さらに、ケージ脱着治具41における円筒部51の上端部が固定プレート44のガイド66にしっかりと支持されている。これらのことにより、ケージ31をスリーブ30から取り外す際に、ケージ脱着治具41がケージ31から外れることがなく、しかもケージ脱着治具41を回転させる際にその回転軸がぶれない。
【0044】
さらに、ケージ脱着治具41と固定プレート44との間にバネケース42を介在させている。このため、ケージ31が回転して上昇してもそのストロークがバネケース42の上受け60と下受け61との間に設けた間隔dで吸収される。従って、固定プレート44によって、ケージ脱着治具41をケージ31に対して押さえつけても、ケージ脱着治具41を回転させられなくなるようなことがない。また、ケージ脱着治具41と固定プレート44との間にスラストベアリング43も介在させている。このため、固定プレート44によって、ケージ脱着治具41をケージ31に対して押さえつけても、ケージ脱着治具41を回転させる際に大きな摩擦力が生じることがない。
【0045】
このように第1治具を用いてケージの取り外しを行うことにより、作業中にケージ脱着治具41がケージ31から外れることがなく、しかも大きなトルクを与えることなくケージ31をスリーブ30から取り外すことができる。従って、ケージ31の取り外しを作業者1人で効率よく行うことができる。すなわち、高圧ガバナの分解組立時における作業効率が大幅に向上するのである。
【0046】
次に、底カバー32を取り外す方法について詳細に説明する。底カバー32は、ガバナ本体2のボディ21に数本のボルトにより固定されている。この底カバー32は、約35kgの重量物である。そして、底カバー32は高圧ガバナの底部に取り付けられており、ボルトを緩める際に底カバー32を支えながら作業を行う必要があった。このため、底カバー32の取り外しの作業は困難なものであった。
【0047】
そこで、本実施の形態では、図8に示すような台車70を用いて底カバー32を取り外すようにした。この台車70は、台車本体71と支持部72と昇降部73とから構成されたものである。台車本体71は、一般的な手押し台車である。支持部72は、底カバー32を支持するものであって昇降部73の動作により上昇および下降するようになっている。図8中に実線で示す状態が支持部72を上昇させた状態であり、破線で示す状態が支持部72を下降させた状態である。なお、昇降部73は、油圧により支持部72を昇降させるものであり、支持部72を任意の高さに止めることができる。
【0048】
支持部72には、底カバー32よりも直径が小さい円柱状の支持体75と、底カバー32の落下を防止するための落下防止爪76とが備わっている。支持体75の上面には、底カバー32が支持体75上でずれないようにゴムマット77が敷かれている。落下防止爪76は、支持体75の上端外周面に取り付けられている。落下防止爪76は、L字形状のものであって支持体75に90度間隔で4本取り付けられている。この落下防止爪76を設けることにより、支持体75の上面から底カバー32がずれた場合でも支持体75からの底カバー32の落下を防止することができる。
【0049】
上記の構成を有する台車70を、支持部72を下降させた状態(図8中の破線参照)で底カバー32の下方に移動させて、車輪に車輪止めを設置する。このとき台車70を、支持部72を上昇させたときに底カバー32を支持でき、落下防止爪76で底カバー32の固定ボルトを隠さないような位置に設置する。そして、昇降部73を作動させ支持部72を上昇させて、底カバー32を支持する(図8中の実線参照)。この状態で、底カバー32をボディ21に固定している固定ボルトを緩める。このとき、作業者は底カバー32を支える必要がないため、非常に簡単に固定ボルトを緩め取り外すことができる。そして、固定ボルトの取り外しが完了したら、昇降部73を作動させ支持部72を下降させる。その後、車輪止めを外し、台車70を移動させて保管場所に収納する。つまり、作業者が取り外した底カバー32を抱えて移動させる必要が一切ないのである。従って、作業者の負担が非常に軽減され、また底カバー32を地面に落下させることもない。
【0050】
このように、底カバー32を取り外す際に台車70を用いることにより、作業者自身が底カバー32を支持する必要がない。このため、作業者は底カバー32を取り外す際に、底カバー32を支えながら固定ボルトを緩める必要はなく、単に固定ボルトを緩めて外すだけで良い。さらに、底カバー32をボディ21から取り外した後、底カバー32は台車70に載っているため、簡単に移動させることができ、底カバー32を地面に落下させることもない。これらのことにより、作業者の負担が軽減され作業効率が向上するのである。
【0051】
最後に、スリーブ30を取り外す方法について詳細に説明する。スリーブ30は、図9に示すように、その底部がガバナ本体2のボディ21に対してロッキングリング80を介して12本のロッキングボルト81により固定されている。ロッキングリング80とスリーブ30との間には、その接触面からのガス漏れを防止するためにOリング82が設けられている。スリーブ30を取り外すためには、本実施の形態に係る第2治具を用いる。この第2治具は、受け金具83と、吊りシャフト90と、シャフト支え95と、締め付けナット89とを含むものである。そして、受け金具83とシャフト支え95とを、吊りシャフト90によって連結することにより、スリーブ30を上下で保持できるようになっている。
【0052】
受け金具83は、図10に示すように、円盤形状のものであり中央に吊りシャフト90を取り付けるためのシャフト取付穴84が形成されている。また、受け金具83の外周には、ほぼ60度間隔で6個の突出部85が形成されている。それぞれの突出部85には、1つずつの貫通ネジ穴86が切られている。この貫通ネジ穴86は、受け金具83をロッキングリング80に装着した際に、ロッキングボルト81のネジ穴と一致するように同心円上に形成されている。これにより、ロッキングリング80に受け金具83を取り付けられるようになっている。
【0053】
シャフト支え95は、図11および図12に示すように、半円形状の部材95aと95bとを組み合わせたものである。部材95a,95bのそれぞれには、アイボルト96が1本ずつ取り付けられている。また、部材95a,95bには、これらを組み合わせて円盤形状にしたときに、その中心を吊りシャフト90が通るための穴97が形成されるように、半円形状の切り欠き97a,97bが設けられている。このシャフト支え95を構成する部材95a,95bは、軸98を中心に回動可能になっている。すなわち、シャフト支え95は、二つ割れの構成となっているのである。そして、部材95aには係合爪99aが形成され、部材95bには係合穴99bが形成されている。これにより、吊りシャフト90を切り欠き97a,97bの部分で挟み込むようにして、部材95a,95bを一体化させたときに、シャフト支え95に荷重がかかっても部材95aと95bとの境界線で折れ曲がる(お辞儀をする)ようなことがない。従って、シャフト支え95を二つ割れの構成にしても、スリーブ30の上端に取り付け締め付けナット89で上方から押さえつけたときに、シャフト支え95が折れ曲がる(お辞儀をする)ようなことがないのである。
【0054】
吊りシャフト90は、シャフト支え95と受け金具83とをスリーブ30の上下端で固定してスリーブ30を吊り上げるための直径40mm程度の棒である。この吊りシャフト90の一端には、受け金具83に形成されたシャフト取付穴84にねじ込み固定できるようにネジが切ってある。他端には、吊りシャフト90をチェーンブロック等により吊り上げるための吊り具88が取り付けられている。また、吊りシャフト90の下端から半分より少し上の高さ位置(スリーブ30に第2治具を取り付けたときに締め付けナット89によりシャフト支え95を押さえつけられれば良い)まで、締め付けナット89を装着するためのネジが切られている。
【0055】
上記した構成を有する第2治具を用いて、スリーブ30を取り外すには以下の手順で行う。まず、スリーブ30およびロッキングリング80をボディ21に固定している12本のロッキングボルト81のうち6本を1本とばしで取り外す。6本のロッキングボルト81を取り外したところに、受け金具83の突出部85に形成された貫通ネジ穴86とロッキングリング80のネジ穴とを重ね合わせる。そして、ボルトを用いてロッキングリング80に対して受け金具83を固定する。
【0056】
次いで、締め付けナット89を予め取り付けた吊りシャフト90を受け金具83のシャフト取付穴84に取り付ける。このとき、締め付けナット89は、吊りシャフト90のネジ部のほぼ上端に位置するようにしておく。なお、先に吊りシャフト90を受け金具83に取り付け、吊りシャフト90が取り付けられた受け金具83を、ロッキングリング80に固定する手順をとっても良い。そして、吊りシャフト90の吊り具88にチェーンブロックをかける。
【0057】
次に、スリーブ30の上端部にシャフト支え95を装着する。このシャフト支え95の装着は、シャフト支え95を開いた状態(図12参照)でスリーブ30の上方に持っていき、切り欠き97a,97bの部分で吊りシャフト90を挟み込むようにして、係合爪99aを係合穴99bに差し込んでシャフト支え95を閉じる(図11の状態)ことにより行う。このとき、シャフト支え95は、スリーブ30の上端と締め付けナット89との間に位置している。そして、シャフト支え95を閉じた状態のまま、スリーブ30の上端に設置する。シャフト支え95をスリーブ30に設置したら締め付けナット89を回転させ、シャフト支え95を押さえ込むように締め付けナット89を締め込む。これで、図9の状態となる。
【0058】
この状態では、吊りシャフト90にテンションがかかり、スリーブ30は上端ではシャフト支え95により、下端では受け金具83によりしっかりと保持される。従って、スリーブ30を吊りシャフト90により吊り上げたときに、吊りシャフト88とスリーブ30との相対的な揺動が発生しないのである。
【0059】
そして、この状態のままでチェーンブロックで吊りシャフト90を若干吊り上げる。ただし、実際には高圧ガバナの構成上、スリーブ30は上方へは移動しない。この状態で、残りのロッキングナット81を緩め取り外す。これで、すべてのロッキングナット81が取り外され、スリーブ30はフリー状態となる。そして、スリーブ30を吊った状態で下方に降ろしていきボディ21から取り外す。その後、第2治具をスリーブ30から取り外すことにより、スリーブ30とロッキングリング80とが分離される。これで、Oリング82の損傷の有無を確認することができる。
【0060】
このように、スリーブ30とロッキングリング80とを、受け金具83、シャフト支え95、吊りシャフト90、および締め付けナット89によって、一体化させている。このため、ロッキングボルト81をすべて取り外しても、スリーブ30とロッキングリング80とがバラバラになることがない。従って、分解部品の取扱性が向上するため、作業効率が向上する。また、スリーブ30とロッキングリング80とが一体化された状態でスリーブ30の取り外し作業が行われるので、作業中にOリング82をスリーブ30とロッキングリング80とに噛み込ませて損傷させるようなことが防止される。
【0061】
また、スリーブ30を組み付ける際にも、スリーブ30とロッキングリング80とが一体化された状態でスリーブ30の組み付け作業が行われる。従って、Oリングがスリーブ30とロッキングリング80との間に噛み込んでしまうことがない。
【0062】
以上、詳細に説明したように本実施の形態に係る分解組立治具を用いた高圧ガバナの分解方法によれば、ケージ31を取り外す際、バネケース42およびスラストベアリング43を介して固定プレート44によって、ケージ脱着治具41がケージ31に対して押さえつけられている。また、ケージ脱着治具41における円筒部51の上端部が固定プレート44のガイド66にしっかりと支持されている。これらのことにより、ケージ31をスリーブ30から取り外す際に、ケージ脱着治具41がケージ31から外れることがなく、しかもケージ脱着治具41を回転させる際にその回転軸がぶれない。さらに、本実施の形態に係る第1治具には、トルク倍力アタッチメント45が備わっている。このため、ケージ31をスリーブ30から取り外す場合には、実際の締め付けトルクの10分の1のトルクをかければ足りるため、作業者1人でケージ31の取り外しを行うことができる。
【0063】
また、ケージ脱着治具41と固定プレート44との間にバネケース42を介在させているため、ケージ31が回転して上昇してもそのストロークがバネケース42の上受け60と下受け61との間に設けた間隔dで吸収される。従って、固定プレート44によって、ケージ脱着治具41をケージ31に対して押さえつけても、ケージ脱着治具41を回転させられなくなるようなことがない。さらに、ケージ脱着治具41と固定プレート44との間にスラストベアリング43も介在させている。このため、固定プレート44によって、ケージ脱着治具41をケージ31に対して押さえつけても、ケージ脱着治具41を回転させる際に大きな摩擦力が生じることがない。
【0064】
このように、作業中にケージ脱着治具41がケージ31から外れることがなく、しかも大きなトルクを与えることなくケージ31をスリーブ30から取り外すことができる。従って、ケージ31の取り外しを作業者1人で効率よく行うことができ、作業効率が大幅に向上する。
【0065】
また、底カバー32を取り外す際に台車70を用いることにより、作業者自身が底カバー32を支持する必要がない。このため、作業者は底カバー32を取り外す際に、底カバー32を支えながら固定ボルトを緩める必要はなく、単に固定ボルトを緩めて外すだけで良い。さらに、底カバー32をボディ21から取り外した後、底カバー32は台車70に載っているため、簡単に移動させることができ、落下による損傷等も防止することができる。
【0066】
さらに、スリーブ30を取り外す際、スリーブ30とロッキングリング80とを、受け金具83、シャフト支え95、吊りシャフト90、および締め付けナット89によって、一体化させている。このため、ロッキングボルト81をすべて取り外しても、スリーブ30とロッキングリング80とがバラバラになることがない。従って、分解部品の取扱性が向上するため、作業効率が向上する。また、スリーブ30とロッキングリング80とが一体化された状態でスリーブ30の取り外し作業が行われるので、作業中にOリング82をスリーブ30とロッキングリング80とに噛み込ませて損傷させるようなことが防止される。さらに、スリーブ30を組み付ける際にも、スリーブ30とロッキングリング80とが一体化された状態でスリーブ30の組み付け作業が行われる。従って、Oリングがスリーブ30とロッキングリング80との間に噛み込んでしまうことがない。
【0067】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
【0068】
【発明の効果】
以上、説明した通り本発明によれば、分解組立時の作業効率の向上、および分解した部品の取扱性の向上を図ることができる高圧ガバナの分解組立治具および分解組立方法が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 高圧ガバナの全体構成を示す概略構成図である。
【図2】 第1治具の概略構成を示す断面図である。
【図3】 ケージ脱着治具の断面図である。
【図4】 バネケースの平面図である。
【図5】 バネケースの断面図である。
【図6】 固定プレートの平面図である。
【図7】 固定プレートの断面図である。
【図8】 台車の構成を示す概略構成図である。
【図9】 第2治具の概略構成を示す断面図である。
【図10】 受け金具の平面図である。
【図11】 シャフト支えの平面図(閉じた状態)である。
【図12】 シャフト支えの平面図(開いた状態)である。
【図13】 従来のケージ脱着治具の断面図である。
【図14】 従来のスリーブ脱着治具の斜視図である。
【符号の説明】
21 ボディ
30 スリーブ
31 ケージ
41 ケージ脱着治具
42 バネケース
43 スラストベアリング
44 固定プレート
45 トルク倍力アタッチメント
46 ユニバーサルアーム
50 円盤部
51 円筒部
52 ピン(凸部)
54 装着穴(アタッチメント取付穴)
65 挿入穴

Claims (5)

  1. ガス圧を高圧から中圧に調整する高圧ガバナの分解組立作業に使用する高圧ガバナの分解組立治具において、
    高圧ガバナ本体に備わるケージの上面に形成された複数の凹部に一致する複数の凸部が設けられた円盤部と、前記円盤部の中央に固定されその上面にアタッチメント取付穴が形成された円筒部とを備えるケージ脱着治具と、
    前記円筒部の外周に位置し複数のバネを内蔵するリング形状のバネケースと、
    前記円筒部の外周であって前記バネケースの上面に位置するリング形状のスラストベアリングと、
    前記円筒部の端部が挿入される挿入穴がその中央に形成されるとともに、前記バネケースおよび前記スラストベアリングを介して前記ケージ脱着治具をケージに押さえつける固定プレートと、
    前記アタッチメント取付穴に装着されるトルク倍力アタッチメントと、
    を有することを特徴とする高圧ガバナの分解組立治具
  2. ガス圧を高圧から中圧に調整する高圧ガバナの分解組立方法において、
    円周縁下面に複数の凸部が設けられた円盤部と、前記円盤部の上面中央に固定されその上端にアタッチメント取付穴が形成された円筒部とを備えるケージ脱着治具を、前記円盤部に設けられた複数の凸部が高圧ガバナ本体に備わるケージの上面に形成された複数の凹部に一致するように、ケージに装着するケージ脱着治具装着工程と、
    複数のバネを内蔵するリング形状のバネケースを前記円筒部の外周に装着するバネケース装着工程と、
    リング形状のスラストベアリングを前記バネケースの上面に装着するベアリング装着工程と、
    前記円筒部の上端部が挿入される挿入穴がその中央に形成されるとともに、前記バネケースおよび前記スラストベアリングを介して前記ケージ脱着治具をケージに押さえつける固定プレートを、前記円筒部の上端部を前記挿入穴に挿入し、高圧ガバナ本体に設けられたアクチュエータ取付用のネジ穴を利用して高圧ガバナ本体に装着する固定プレート装着工程と、
    前記アタッチメント取付穴にトルク倍力アタッチメントを装着するアタッチメント装着工程と、
    を含むことを特徴とする高圧ガバナの分解組立方法。
  3. ガス圧を高圧から中圧に調整する高圧ガバナの分解組立方法において、
    ガバナ本体の下方に固定ボルトによって取り付けられる底カバーを、支持部が昇降可能であるとともにその支持部に落下防止爪を備える支持台車で、前記落下防止爪が固定ボルトを隠さないように保持する底カバー保持工程と、
    前記支持台車で前記底カバーを保持した状態で前記底カバーの固定ボルトの着脱を行う固定ボルト脱着工程と、
    前記固定ボルトの取り外しの後で、または取り付けに先立ち、前記支持部に前記底カバーが載った状態で前記支持部を昇降させることにより前記底カバーを前記ガバナ本体に対して脱着する底カバー脱着工程と、
    を含むことを特徴とする高圧ガバナの分解組立方法。
  4. ガス圧を高圧から中圧に調整する高圧ガバナの分解組立作業に使用する高圧ガバナの分解組立治具において、
    高圧ガバナに備わるスリーブの底面に装着されスリーブを支える受け金具と、
    前記受け金具の中心に取り付けられスリーブを吊り上げる吊りシャフトと、
    スリーブ上部でスリーブに対する前記吊りシャフトの相対的な揺動を防止するシャフト支えと、
    を有することを特徴とする高圧ガバナの分解組立治具
  5. ガス圧を高圧から中圧に調整する高圧ガバナの分解組立方法において、
    高圧ガバナに備わるスリーブを支える受け金具をスリーブの底面に設置する受け金具設置工程と、
    スリーブを吊り上げる吊りシャフトを前記受け金具に装着する吊りシャフト装着工程と、
    前記吊りシャフトのスリーブに対する相対的な揺動を防止するシャフト支えをスリーブ上部に装着するシャフト支え装着工程と、
    前記吊りシャフトを吊った状態で、スリーブの底部を高圧ガバナ本体に固定するロッキングナットの脱着を行うロッキングナット脱着工程と、
    を含むことを特徴とする高圧ガバナの分解組立方法。
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