JP4367102B2 - 光学レンズ、集光レンズ、光学ピックアップ装置、及び光記録再生装置 - Google Patents

光学レンズ、集光レンズ、光学ピックアップ装置、及び光記録再生装置 Download PDF

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Description

本発明は、光学レンズ、複数の光学レンズから成る集光レンズ、光学ピックアップ装置、及びこの光学ピックアップを備えて成る光記録再生装置(光磁気記録再生装置を含む)に関し、より詳しくは、可視光波長領域において、光学レンズの屈折率が大なる材料を用いて、光学レンズの開口数を大にして、光記録媒体に記録及び/又は再生を行う、いわゆるニアフィールド光記録再生方式に好適なものに関する。
コンパクトディスク(CD)、ミニディスク(MD)、デジタルビデオディスク(DVD)に代表される光記録媒体は、音楽情報、映像情報、データ、プログラム等の格納媒体として広く利用されている(なお本明細書で光記録媒体と述べた場合には光磁気記録媒体も含む)。
しかしながら、音楽情報、映像情報、データ、プログラム等における更なる高音質化、高画質化、長時間化、大容量化の要求により、さらに大容量の光記録媒体(光磁気記録媒体を含む)及びそれを記録再生する光記録再生装置(光磁気記録再生装置を含む)が望まれている。
そこで、上述した要求に対応するために、光記録再生装置(光磁気記録再生装置を含む)においては、光源例えば半導体レーザの短波長化や集光レンズの開口数の増大化が図られることにより、集光レンズを介して収束する光スポットの小径化が図られている。
例えば、半導体レーザに関しては、発振波長が従来の赤色レーザの635nmから400nm帯に短波長化されたGaN半導体レーザが実用化されつつあり、これにより光スポットの小径化が図られつつある。
また、例えばそれ以上の短波長化については、ソニー株式会社製の266nmの単一波長の光を連続発振する遠紫外固体レーザUW−1010などが発売されており、更なる光スポットの小径化も図られつつある。また、それ以外にも、Nd:YAGレーザの2倍波レーザ(266nm帯)、ダイヤモンドレーザ(235nm帯)、GaNレーザの2倍波レーザ(202nm帯)などの研究、開発が進められている。
また、例えば、ソリッドイマージョンレンズ(SIL)に代表される開口数の大なる光学レンズを使用して例えば開口数1以上の集光レンズを実現すると共に、この集光レンズの対物面を記録媒体に対して光源の波長程度の距離まで近接させることにより記録再生を行う、いわゆるニアフィールド光記録再生方式が検討されている。非特許文献1は、このソリッドイマージョンレンズを使用したニアフィールド光記録再生方式についての文献である。
I. Ichimura et. al, "Near-Field Phase-Change Optical Recording of 1.36 Numerical Aperture," Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 39, 962-967(2000)
このニアフィールド光記録再生方式では、光記録媒体と集光レンズとの距離を如何にして光学的なコンタクト状態に維持するかが重要である。また、光源から出射されて集光レンズに入射する光束径が小になるとともに光記録媒体と集光レンズとの距離も非常に小さくなるため、集光レンズは形状的に大きく制約されることになる。
図1は、ニアフィールド光記録再生方式で記録を行う場合の光学系の概略構成の断面を示した図である。図1の構成については後述する実施の形態の中で詳細に説明するが、この図1に示すように、光記録媒体30が配置された対物側から順に、その屈折率がn=1.5のガラス(SiO)で構成された超半球光学レンズで構成される第1の光学レンズ11と、第2の光学レンズ12とを配置して、この光学レンズ11,12でニアフィールド集光レンズ13を構成する(超半球光学レンズの具体的な構成については後述する実施の形態の中で説明する)。この例では、例えば、開口数1.25(屈折率×sin(tan-1(屈折率)))=1.5×sin(tan-1(1.5))=1.25)のニアフィールド集光レンズを構成したとする。
第1の光学レンズ(超半球光学レンズ)11は、光学レンズの曲率半径をr、光学レンズの屈折率をn、光学レンズの厚さをtとすると、t=r(1+1/n)の関係があり、図1に示したように、第2の光学レンズの開口数によって決定される第2の光学レンズ12と光(もしくは光磁気)記録媒体との距離をWDとすると、t=r(1+1/n)=1.667r<WDの条件を満足する必要がある。従って、第1の光学レンズ11と第2の光学レンズ12との距離を好適に、且つ容易に実現するためには、できる限り曲率半径rを小さく、もしくは光学レンズ材料の屈折率nをできる限り大きくする必要がある。
しかしながら、光学レンズの曲率半径は、その光学ピックアップ装置の組み立て精度から1ミリ程度以下に小さくすることができない。すなわち、ニアフィールド光記録再生方式では、集光レンズは一般的に対物側から順に配置された第1の光学レンズと第2の光学レンズとの2枚の光学レンズの組み合わせにより、開口数1以上を実現しているが、これら第1の光学レンズと第2の光学レンズとの組み立て精度は開口数が大になるほど高精度が求められ、かつ環境の変化に対してもこの精度を維持することが求められるため、あまりにも光学レンズの曲率半径が小さいと、そのニアフィールド集光レンズの組み立て精度を実現できないためである。
また、従来、光学レンズの屈折率は、材質にガラス(SiO2)を使用した場合、1.5程度が限界であるため、それ以上、光学レンズの厚さを小さくすることはできなかった。
一方、このニアフィールド光記録再生方式における高密度化を実現するためには、従来の光記録方式と同様に、その光源の出射波長の短波長化や、集光レンズの開口数の増大により、その集光スポットを縮小させる必要がある。ここで集光スポットの面積は、集光レンズの開口数の2乗に半比例するので、ニアフィールド光記録再生方式における高密度化を実現するためには、集光レンズの開口数を増大させることが有効である。
例えば、図1に示すような、第1の光学レンズが超半球光学レンズの場合のニアフィールド集光レンズの開口数NAは、NA=(第1の光学レンズの屈折率)×(sin(tan-1(第1の光学レンズの屈折率)))で表される。従来、この第1及び第2の光学レンズの材料は、材質にガラス(SiO)を使用しているため、その可視光波長領域における屈折率は1.5程度が限界であり、例えば、超半球光学レンズの場合のニアフィールド集光レンズの開口数NAは、NA=1.5×sin(tan-1(1.5))=1.25となり、それ以上、開口数NAを増大させることができなかった。従って従来のガラス材質を使用したニアフィールド集光レンズでは、その高密度化に限界があった。
本発明の目的は、可視光波長領域において、高屈折率で且つ、低光吸収特性を有する光学レンズを提供するとともに、これを用いてニアフィールド光記録再生方式に好適な集光レンズを提供し、光記録媒体の高密度大容量化に対応する光学ピックアップ装置、および光記録再生装置を提供することである。
本発明の光学レンズは、立方晶構造のSiC単結晶からなる光学材料で構成したものである。
本発明の集光レンズは、光軸を合致させ、対物面から順に配置された第1の光学レンズと第2の光学レンズとで構成された集光レンズにおいて、少なくとも第1の光学レンズを構成する光学材料として、立方晶構造のSiC単結晶で構成したものである。
本発明の光学ピックアップ装置は、少なくとも、光源と、この光源からの出射光の光軸を合致させて対物面から順に配置された第1の光学レンズと第2の光学レンズとで構成され、光源からの出射光を収束させて光スポットを形成する集光レンズとを有して成る光学ピックアップ装置において、集光レンズの第1の光学レンズを構成する光学材料として、立方晶構造のSiC単結晶で構成したものである。
本発明の光記録再生装置は、少なくとも、光源と、この光源からの出射光の光軸を合致させて対物面から順に配置された第1の光学レンズと第2の光学レンズとで構成され、光源からの出射光を収束させて光スポットを形成する集光レンズとを有して成る光学ピックアップと、集光レンズを光記録媒体のフォーカシング方向及び/又はトラッキング方向に制御駆動する制御駆動手段とを有する光記録再生装置において、集光レンズの第1の光学レンズを構成する光学材料として、立方晶構造のSiC単結晶で構成したものである。
本発明によると、光学レンズを構成する光学材料として、立方晶構造のSiC単結晶を使用したことで、従来の材質がガラスである光学レンズでは限界であった屈折率を2.5以上の大とすることが可能となる。また、立方晶構造であるSiC単結晶とする光学レンズは、波長564nmより長波長の光に対する光透過性(光透過率)が優れており、光源からの光パワーに対する記録再生の光効率を高めることが可能となる。
そして、この光学レンズを用いれば、可視光波長領域において、開口数が2.0以上の集光レンズを容易に得ることが可能となる。そして、この集光レンズを用いて構成される光学ピックアップ装置および、光記録再生装置では集光レンズを構成する第2の光学レンズに入射する光束の径を小とすることが可能になり、光記録媒体のフォーカシング方向、もしくは、且つトラッキング方向に制御駆動される集光レンズの小型軽量化を図ることができるとともに、フォーカシングサーボやトラッキングサーボやシーク時間等のサーボ特性の向上を図ることが可能となる。
したがって、今後の光記録媒体の高密度化大容量化とともに実現される光源の波長635nm、650nm、780nm、830nmに対応する光学ピックアップ装置および、光記録再生装置の提供が可能となる。
本発明の光学レンズによると、可視光波長領域において、従来の材質がガラス、例えば、SiO2である光学レンズでは限界であった屈折率を2.5以上の大とすることが可能となる。
また本発明の集光レンズによると、対物側から順に第1の光学レンズと第2の光学レンズとで構成された集光レンズにおいて、少なくとも第1の光学レンズが立方晶構造であるSiC単結晶の材質で構成すれば、開口数2.0以上で、且つ小型軽量の集光レンズを容易に得ることが可能になる。
また本発明の光学ピックアップ装置によると、その光学ピックアップ装置が備える集光レンズの第1の光学レンズとして、立方晶構造であるSiC単結晶の材質で構成することで、開口数2.0以上で、且つ小型軽量の集光レンズを容易に得ることが可能になるので、これら材料で作製された集光レンズで集光された光スポット面積は開口数の2乗に反比例して縮小できるので、ガラス材料のそれに比べて、約3.5倍以上も高密度な光記録媒体の記録再生が可能となる光ピックアップ装置を実現できる。したがって、今後の光記録媒体の高密度化大容量化とともに実用化される光源の波長635nmから780nmに対応する光学ピックアップ装置の提供が可能となる。
また本発明の光記録再生装置によると、その光記録再生装置が備える光学ピックアップ内の集光レンズの第1の光学レンズを、立方晶構造であるSiC単結晶の材質で構成することで、第2の光学レンズに入射する光束の径を小とすることが可能となり、結果的に光記録媒体のフォーカシング方向や、トラッキング方向に制御駆動される集光レンズの小型軽量化を図ることができるとともにフォーカスサーボやトラッキングサーボやシーク時間等のサーボ特性の向上を図ることが可能となり、ニアフィールド記録再生方式を採用して光記録媒体の高密度化高容量化に対応することが可能となった。したがって、今後の光記録媒体の高密度化大容量化とともに実用化される光源の波長635nmから780nmに対応する光学ピックアップ装置を備えた光記録再生装置の提供が可能となる。
まず、本発明の具体的な実施の形態の説明に先立ち、本発明の概要を説明する。
本発明は、立方晶構造であるSiC単結晶(シリコンカーバイト単結晶)からなる光学材料を使用した光学レンズである。また、立方晶構造であるSiC単結晶からなる光学材料で構成した光学レンズを、少なくとも一部のレンズとして使用した集光レンズである。また、立方晶構造であるSiC単結晶からなる光学材料で構成した光学レンズを備えた集光レンズを、光学ピックアップ装置が備えるレンズとして使用したものである。さらに、この光学ピックアップ装置を備えた光記録再生装置としたものである。
なお、本明細書で光記録再生装置と述べた場合には、光記録媒体への記録と再生を行う記録再生装置だけでなく、光記録媒体への記録だけを行う記録装置や、光記録媒体からの再生だけを行う再生装置である場合も含むものとする。また、既に述べたように、ここでの光記録媒体には、光磁気記録媒体などの光学的に記録や再生を行う他の記録媒体も含むものとする。
また、光学材料として使用するSiC単結晶の結晶構造が立方晶であるということは、結晶軸によらず屈折率が全方向で一定である光学的等方性を有していることである。このため、SiC単結晶により光学レンズを作製する際には、結晶軸方向を気にせずに切断、加工、研磨を行うことができる。
次に、本発明の一実施の形態を、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の立方晶構造であるSiC単結晶からなる光学材料を使用した光学レンズが組み込まれる光学ピックアップ装置の要部の概略構成を示した図である。また、図1に示す光学ピックアップ装置を構成する光学系の構成の一形態の例を図2に示す。
図1及び図2に示すように、図示しない光源例えば半導体レーザと、光束Lを記録媒体(光記録媒体又は光磁気記録媒体)30に集光する集光レンズ13と、光源から出射された光束L1と記録媒体30で反射した光束L2とを分離する第1のビームスプリッタ14と、記録媒体30で反射した光束L2を2つの光束に分離する第2のビームスプリッタ15を有して、光学ピックアップが構成されている。
光源は、本例の場合には564nmよりも長波長の光を出射する構成とする。564nmよりも長波長の光を使用するのは、SiC単結晶の透過率が0になる波長を使用するためである。
集光レンズ13は、記録媒体30側から順に、第1の光学レンズ11及び第2の光学レンズ12をそれぞれの光軸が一致するように配置して成る。第1の光学レンズ11については、本例の場合には、超半球光学レンズ又は半球光学レンズとして構成してある。これらのレンズ構造については後述する。
また、記録媒体30が例えばディスク状媒体である場合には、図示を省略するスピンドルモータに記録媒体30が装着されることにより所定の回転数で回転される。
なお、実際には第1の光学レンズ11及び記録媒体30は互いに接触してはいないが、これら光学レンズ11及び記録媒体30の間隔が光学レンズ11の厚さtと比較して充分に小さいため(例えば数万分の1程度)、図1及び図2においては接触しているように描かれている。以下の図においても同様である。
そして、本実施の形態の光学ピックアップにおいて、集光レンズ13のうち、少なくとも記録媒体30側の第1の光学レンズ11を、前述した立方晶構造であるSiC単結晶からなる光学材料を使用した光学レンズとする。なお、第2の光学レンズ12の材料は特に限定されず、フッ化物光学材料製レンズ、ガラス製レンズ、プラスチック製レンズ、その他の材料から成るレンズのいずれであってもよい。
次に、図1及び図2に示す光学ピックアップにおける、光の経路と各部品における作用等を説明する。
光源例えば半導体レーザから出射された往路光は、コリメータレンズ(図示せず)により平行光に変換される。そして図2に示すように、この往路光の光束L1は、第1のビームスプリッタ14を透過して、集光レンズ13を介して記録媒体30の情報記録面に集光される。情報記録面で反射された復路光は、再び集光レンズ13を透過して、第1のビームスプリッタ14で反射されて、光束L2となって第2のビームスプリッタ15に入射する。
第2のビームスプリッタ15で反射された復路光(光束L3)は、図示しないトラッキング用光検出器に集光され、トラッキングエラー信号が検出される。第2のビームスプリッタ15を通過した復路光(光束L4)は、図示しないフォーカシング用光検出器に集光され、フォーカスシングエラー信号および再生ピット信号等が検出される。
また、図1及び図2に示す光学ピックアップには、集光レンズ13をトラッキング方向やフォーカシング方向に制御駆動させる手段が設けられる。この手段としては、例えば一般的な光学ピックアップに用いられている2軸アクチュエータや、磁気ヘッド等に用いられているスライダ等が挙げられる。
これら集光レンズ13の制御駆動手段の形態を次に示す。図3は、図1及び図2に示した集光レンズ13の制御駆動手段として、2軸アクチュエータを採用した場合の概略構成例である。図3に示すように、集光レンズ13をトラッキング方向に制御駆動させる(トラッキング用)コイル17と、集光レンズ13をフォーカシング方向に制御駆動させる(フォーカシング用)コイル18とから成る2軸アクチュエータ16に、集光レンズ13(11,12)が固着されている。
この2軸アクチュエータ16は、さらに記録媒体30と第1の光学レンズ11との距離を制御することが可能な構成とされる。例えば戻り光量をモニタして距離情報をフィードバックすることにより、第1のレンズ11と記録媒体30の距離を一定に保ち、かつ第1のレンズ11と記録媒体30の衝突を避けることができる。
また、この2軸アクチュエータ16は、戻り光量をモニタして位置情報をフィードバックすることにより、トラッキング用コイル17の駆動によって集光レンズ13をトラッキング方向に移動させて、集光スポットを所望の記録トラックに移動させることが可能である。
次に、図1及び図2に示した集光レンズ13の制御駆動手段として、スライダを採用した場合の概略構成図を図4に示す。
図4に示すように、トラッキング方向に制御駆動されるスライダ21に、集光レンズ13(11,12)が固着されている。このスライダ21は、弾性体例えば記録媒体30の面触れ方向にのみ弾性を有するジンバル22を介して、トラッキング方向に移動する可動光学部(図示せず)に支持される。この可動光学部は、リニアモータ等で構成された制御駆動手段によりトラッキング方向に制御駆動される。
そして、記録媒体30の回転に伴い発生する気体流が記録媒体30とスライダ21との間に流れ込むとともに、弾性体であるジンバル22の記録媒体30側への押圧力と釣り合う気体薄膜が形成され、スライダ21が記録媒体30に対して一定の距離、例えば50nmの距離を保ちつつ浮上するように構成される。
即ち、記録媒体30を所定の回転数で回転させて記録媒体30からの情報の再生時或いは記録媒体30への情報の記録時において、集光レンズ13を構成する第1の光学レンズ11と記録媒体30との距離がスライダ21によりほぼ一定距離に保たれた状態となる。
なお、光学ピックアップに、さらに必要に応じて、記録媒体30の面振れに対して、集光レンズ13を固着する2軸アクチュエータ16もしくはスライダ21が、追従した残りのフォーカスエラー成分および集光レンズ13(11,12)の組み立て工程時に発生した誤差成分を補正する手段として、2枚の光学レンズ11,12の間隔を変えることで補正を行うことができるリレーレンズを、第1のビームスプリッタ14と第2の光学レンズ12の間に挿入して構成してもよい。
また、図4に示したように第1の光学レンズ11及び第2の光学レンズ12がスライダ21に固着されている場合に、スライダ21が追従した残りのフォーカスエラー成分および集光レンズの組み立て工程時に発生した誤差成分を補正する手段として、集光レンズ13を構成する2つの光学レンズのうち、第1の光学レンズ11をスライダ21に固定する一方、第2の光学レンズ12を例えば圧電素子等により第1の光学レンズ11に対して例えば光軸方向に相対的に可動するように構成してもよい。
また、スピンドルモータが複数の光記録媒体を装着する手段を有する光記録再生装置(ハードディスクドライブ等の磁気記録再生装置に採用されているスタック型の記録媒体に類似した構造)の場合では、図5に示すように、スライダ21にさらに光軸をほぼ90度曲げるミラー23を設ける構成が好適である。このような構成とすることにより、光記録再生装置の各光記録媒体間の間隔を小とすることができるので、結果的に光記録再生装置の小型化、薄型化を図ることができる。
次に、第1の光学レンズ11の具体的な形状の例について、図6〜図7を参照して説明する。
図6は、第1の光学レンズ11として、半球状の光学レンズ11Aを採用した場合を示している。このとき、レンズの厚さは曲率半径rと一致する。
図7は、第1のレンズ11に、超半球状の光学レンズ11Bを採用した場合を示している。ここでの超半球状の光学レンズとは、半球形にさらに、球の上半分の一部をr/nの厚さだけ付加している。このとき、レンズの厚さはr(1+1/n)となる。
これら図6,図7の構成の場合には、記録媒体30と対向する対物面が平面となっており、対物面の反対側の面は凸球面となっている。また、周側面において2軸アクチュエータ16もしくはスライダ21と固着される。
図8は、図6に示した半球状の形状のレンズ11Aを更に、対物面を円錐状に加工した形状とした光学レンズ11Cを採用した場合を示している。
図9は、図7に示した超半球状形状のレンズ11Bを更に、対物面を円錐状に加工した形状の光学レンズ11Dを採用した場合を示している。
ニアフィールド光記録再生方式においては、記録媒体30と第1の光学レンズ11との距離が数十nm程度と非常に近接していることから、図8,図9に示すように対物面を円錐状に加工することにより、記録媒体30もしくは第1の光学レンズ11の傾きに対する許容度を拡大することができる。
また、ニアフィールド光記録再生方式において記録媒体30を光磁気記録媒体とする場合には、記録時かつ/又は再生時に磁界が必要になる。この場合には、例えば図10もしくは図11に示すように、第1の光学レンズ11の対物面の一部に磁気コイル25等の磁界印加手段を取り付けて構成してもよい。
図10は、半球形の光学レンズ11Eの対物面を、中心付近を残して段差を付与する加工を行い、その段差部に磁気コイル25を設けた場合を示している。
図11は、超半球形の光学レンズ11Fの対物面を、中心付近を残して段差を付与する加工を行い、その段差部に磁気コイル25を設けた場合を示している。これら図10,図11の例のように、磁気コイル25の高さを、段差部の厚さとほぼ等しくすることで、光学レンズ11を光磁気記録媒体の表面に近接させつつ、磁気コイルで良好に磁界印加を行うなうことができる。
次に、本発明の特徴である、立方晶構造であるSiC単結晶の光学材料を使用したレンズの、その特性などについて説明する。この光学材料は、単結晶であり、多結晶材料のような粒界や、ガラス材料のような脈理がないために、入射光の散乱や吸収を起こさずにすみ、光学レンズ材料として好適である。
また、立方晶構造であるSiC単結晶は、Siと同じ立方晶でかつ、Si系素材であるため、半導体デバイスの製造プロセスと高い親和性を持ち、光学レンズ作製のためのエッチングプロセスやポリッシングプロセスを容易に適用できる。
これら立方晶構造であるSiC単結晶とする光学レンズ材料は、波長564nmから1000nmの波長域で、従来のガラス材質に対して特に屈折率が高く、たとえば、赤色半導体レーザの発振波長である635nmから780nmに対して、屈折率2.5以上を有している。したがって、光源に赤色半導体レーザを使用し、その光学レンズ材料として立方晶構造であるSiC単結晶とした光学レンズは、光記録再生方式にとって、集光レンズの高開口数化に対して非常に有効な手段であり、光記録媒体の高密度化高容量化に寄与することができる。
また、SiC単結晶の結晶構造を、立方晶に選択することにより、その結晶軸によらず屈折率が一定である光学的等方性を有しており、たとえば第1の光学レンズを作製する際の工程として、真球状の光学レンズを作製する際に、その結晶軸方向を気にせずに切断、加工、研磨が可能な材料であり、ガラス材料と同程度なコストで加工が可能である。
また、立方晶構造であるSiC単結晶とする光学レンズ材料の製造法は、例えば、Si基板上に気相成長法によりヘテロエピタキシャル成長させることで作製できる。また、高い屈折率を有することから上述したように、光学レンズを小型化薄型化が可能となり、比較的低コストで光学ピックアップ装置や光記録再生装置等に搭載が可能である。
また、立方晶構造であるSiC単結晶とする光学レンズ材料は、その屈折率の増大する波長564nmから1000nmに対して、吸収係数を、たとえば欠陥濃度や、不純物濃度を制御・最適化することで、1cm-1以下に制御することが可能で、好適には0.1cm-1以下にすることで、第1の光学レンズ11の厚さが5ミリメートルのときでも、95%以上の透過率を有する光学レンズを実現できる。
次に、実施例1として立方晶構造であるSiC単結晶材料を、比較例1としてSiO材料を使用した光学レンズとの比較で考察する。
図12に立方晶構造であるSiC単結晶の試料(実施例1:図12A)と、ガラスであるSiOの試料(比較例1:図12B)について、波長564nmから1000nmまでの屈折率nと吸収係数kの波長依存性を比較して示す。なお、図12Aと図12Bでは、縦軸の屈折率の数値が異なる点に注意されたい。
実施例1による立方晶構造であるSiC単結晶材料は、波長564nmから1000nmまでのすべての波長範囲で、屈折率nが2.5以上に達する。一方、比較例1によるSiO材料は波長564nmから1000nmまでのすべての波長範囲で、屈折率nが1.5程度で、吸収係数kが0であった(図12Bでは吸収係数kは横軸と重なっているため見えない)。また、実施例1の立方晶構造であるSiC単結晶の吸収係数kは、波長600nmから長波長で、すべて0.1cm-1以下であり、比較例1によるSiO材料の場合と実質的に変わりがなく、光透過性(光透過率)が優れており、光源からの光パワーに対する記録再生の光効率を高めることが可能であることがわかる。
表1に赤色半導体レーザの発振波長650nmでの実施例1と比較例1の試料の屈折率と、第1の光学レンズ11に実施例1と比較例1の材料を使用して、図1のような形態の集光レンズを組み立てたときの集光レンズの開口数を示す。
Figure 0004367102
表1から明らかなように、従来のSiO材料に比較して、立方晶構造であるSiC単結晶の屈折率と、これらの材料を使用して作製した集光レンズの開口数は、明らかにSiO材料よりも大きい。
従って、これら材料で作製された集光レンズで集光された光スポット面積は開口数の2乗に反比例して縮小できるので、例えば立方晶構造であるSiC単結晶はSiO2に比べて、約3.9倍も高密度な光記録媒体の記録再生が可能となる光ピックアップ装置を実現できる。
表2に、赤色半導体レーザの発振波長780nmでの、SiC単結晶の試料(実施例1)と、ガラスであるSiOの試料(比較例1)について、図1のような形態の集光レンズを組み立てたときの集光レンズの開口数を示す。
Figure 0004367102
表2から明らかなように、従来のSiO材料に比較して、立方晶構造であるSiC単結晶の屈折率と、これらの材料を使用して作製した集光レンズの開口数は、明らかにSiO材料よりも大きい。
従って、これら材料で作製された集光レンズで集光された光スポット面積は開口数の2乗に反比例して縮小できるので、例えば、光記録再生装置の光源の出射光の波長を、赤色半導体レーザの発振波長780nmの波長に設定すれば、例えば、立方晶構造であるSiC単結晶はSiOに比べて、3.8倍も高密度な光記録媒体の記録再生が可能となる光ピックアップ装置を実現できる。
以下に、立方晶構造であるSiC単結晶を使用した集光レンズの構成について、既に説明した集光レンズの概略断面図である図1を再度参照して説明する。例えば、図1において、光記録媒体30側から順に、何れも波長650nmに対して屈折率2.64の立方晶構造であるSiC単結晶で構成された第1の光学レンズ11と第2の光学レンズ12とを配置して、超半球ソリッドイマージョンレンズにより、集光レンズの開口数が2.47である集光レンズを構成し、この集光レンズを用いて、第1の光学レンズ11と光記録媒体30とを、たとえば40nmの距離に保ちつつニアフィールド記録再生を行うとする。
このとき、図1に示したように、第1の光学レンズ11の凸球面の曲率半径は、第2の光学レンズ12の開口数によって決定される、第2の光学レンズ12と光記録媒体30との距離をWDとし、第1の光学レンズ11の厚さをtとし、第1の光学レンズ11の凸球面の曲率半径をrとした場合、t=r(1+1/n)=1.405r<WDの条件を満たす必要がある。ところで、第1の光学レンズを従来の技術で参照した屈折率1.50のガラス材料の事例における第1の光学レンズとの形状を比較すると、表3に示すように、(1+1/n)の数値が、1.405と、1.667との比較からわかるように、屈折率2.64の立方晶構造であるSiC単結晶材料の事例では屈折率が大であることにより、第1の光学レンズ11の厚さを約19%小さくすることができた。したがって、比較的に、より半球レンズに近い厚さにおいて超半球ニアフィールド記録再生が実現できることがわかり、従って、図1に示したように第2の光学レンズ12と光記録媒体30との距離WDを十分に確保することができるとともに、第2の光学レンズ12に入射する光束の径を容易に小とすることもできた。
Figure 0004367102
また、光記録媒体のフォーカス方向および、且つトラッキング方向に制御駆動される集光レンズの重量が小となるとともに、フォーカスサーボやトラッキングサーボやシーク時間等のサーボ特性の向上を図ることができ、光学ピックアップ装置および光記録再生装置の小型化薄型化を図ることが可能となった。
なお本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。例えば、上述した実施の形態では、立方晶構造であるSiC単結晶の光学材料を、ニアフィールド記録再生方式用の集光レンズの内の記録媒体に近接した第1の光学レンズに適用したが、製作が可能であれば第2の光学レンズに適用しても良い。或いは、その他の光学レンズに適用しても良い。
また、上述した光学系に適用される光源の波長についても、上述した実施の形態で示した数値に限定されるものではない。例えば波長として、635nm、650nm、780nm、830nmなどが適用可能である。
本発明の一実施の形態の光学ピックアップの要部の一例を示した構成図である。 図1の光学ピックアップの光学系の一例を示す構成図である。 図1及び図2の集光レンズの制御駆動手段として2軸アクチュエータを採用した構成図である。 図1及び図2の集光レンズの制御駆動手段としてスライダを採用した構成図である。 スライダにミラーを設けた場合の構成図である。 第1の光学レンズの形状の例を示す説明図である。 第1の光学レンズの形状の例を示す説明図である。 第1の光学レンズの形状の例を示す説明図である。 第1の光学レンズの形状の例を示す説明図である。 第1の光学レンズの形状の例を示す説明図である。 第1の光学レンズの形状の例を示す説明図である。 レンズに使用した材料の屈折率と吸収係数の波長依存性を示す特性図であり、図12Aは一実施の形態による材料(SiC)の特性図で、図12Bは従来の材料(SiO)の特性図である。
符号の説明
11…第1の光学レンズ、11A…半球状の光学レンズ、11B…超半球状の光学レンズ、11C…対物面が円錐状の半球状の光学レンズ、11D…対物面が円錐状の超半球状の光学レンズ、12…第2の光学レンズ、13…集光レンズ、14…第1のビームスプリッタ、15…第2のビームスプリッタ、16…2軸アクチュエータ、21…スライダ、22…ジンバル、23…ミラー、25…磁気コイル、30…記録媒体(光記録媒体又は光磁気記録媒体)

Claims (13)

  1. 立方晶構造のSiC単結晶からなる光学材料で構成したことを特徴とする
    光学レンズ。
  2. 請求項1記載の光学レンズにおいて、
    対物面が平面であり、前記対物面の反対面が凸球面であることを特徴とする
    光学レンズ。
  3. 光軸を合致させ、対物面から順に配置された第1の光学レンズと第2の光学レンズとで構成された集光レンズにおいて、
    少なくとも前記第1の光学レンズを構成する光学材料として、立方晶構造のSiC単結晶で構成したことを特徴とする
    集光レンズ。
  4. 少なくとも、光源と、該光源からの出射光の光軸を合致させて対物面から順に配置された第1の光学レンズと第2の光学レンズとで構成され、前記光源からの出射光を収束させて光スポットを形成する集光レンズとを有して成る光学ピックアップ装置において、
    前記集光レンズの第1の光学レンズを構成する光学材料として、立方晶構造のSiC単結晶で構成したことを特徴とする
    光学ピックアップ装置。
  5. 請求項4記載の光学ピックアップ装置において、
    前記第1の光学レンズの対物面は平面であり、前記対物面の反対面が凸球面であることを特徴とする
    光学ピックアップ装置。
  6. 請求項4記載の光学ピックアップ装置において、
    前記光源の出射光の波長は、564nmよりも長波長であることを特徴とする
    光学ピックアップ装置。
  7. 請求項4記載の光学ピックアップ装置において、
    前記光源は、半導体レーザで構成されることを特徴とする
    光学ピックアップ装置。
  8. 少なくとも、光源と、該光源からの出射光の光軸を合致させて対物面から順に配置された第1の光学レンズと第2の光学レンズとで構成され、前記光源からの出射光を収束させて光スポットを形成する集光レンズとを有して成る光学ピックアップと、前記集光レンズを光記録媒体のフォーカシング方向及び/又はトラッキング方向に制御駆動する制御駆動手段とを有する光記録再生装置において、
    上記集光レンズの第1の光学レンズを構成する光学材料として、立方晶構造のSiC単結晶で構成したことを特徴とする
    光記録再生装置。
  9. 請求項8記載の光記録再生装置において、
    前記第1の光学レンズの対物面は平面であり、前記対物面の反対面が凸球面であることを特徴とする
    光記録再生装置。
  10. 請求項8記載の光記録再生装置において、
    前記光源の出射光の波長は、564nmよりも長波長であることを特徴とする
    光記録再生装置。
  11. 請求項8記載の光記録再生装置において、
    前記光源は、半導体レーザで構成されることを特徴とする
    光記録再生装置。
  12. 請求項8記載の光記録再生装置において、
    前記光源の出射光の光束が、前記光記録媒体の主面とほぼ平行な光軸を有することを特徴とする
    光記録再生装置。
  13. 請求項8記載の光記録再生装置において、
    複数の光記録媒体を装着する装着手段を有し、装着される複数の光記録媒体の間隔が、前記出射光の光束よりも大であることを特徴とする
    光記録再生装置。
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