JP2003123302A - 光学ピックアップ及び光記録再生装置 - Google Patents

光学ピックアップ及び光記録再生装置

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JP2003123302A
JP2003123302A JP2001312853A JP2001312853A JP2003123302A JP 2003123302 A JP2003123302 A JP 2003123302A JP 2001312853 A JP2001312853 A JP 2001312853A JP 2001312853 A JP2001312853 A JP 2001312853A JP 2003123302 A JP2003123302 A JP 2003123302A
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lens
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light source
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Masataka Shinoda
昌孝 篠田
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録媒体に照射される集光スポットを縮小さ
せることができ、光記録媒体の高記録密度化・大容量化
に対応することができる光学ピックアップ及びこの光学
ピックアップを備えて高記録密度の光記録再生を行うこ
とができる光記録再生装置を提供する。 【解決手段】 少なくとも光源と、光源からの出射光を
収束させて光スポットを形成する集光レンズ13とを有
して成る光学ピックアップにおいて、光源により390
〜450nmの範囲内の波長の光が出射され、チタン酸
ストロンチウムから成る又はチタン酸ストロンチウムを
主成分とし、光源から出射される光に対する吸収係数が
2.0cm-1以下である光学レンズ11を含む1つ以上
の光学レンズ11,12から集光レンズ13を構成す
る。また、この光学ピックアップを備えて、記録媒体3
0に対して記録再生を行う光記録再生装置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外領域の光を出
射する光源と1つ以上のレンズから成る集光レンズとを
少なくとも備えた光学ピックアップ及びこの光学ピック
アップを備えて成る光記録再生装置(光磁気記録再生装
置を含む)に係わり、さらに詳しくは、光学レンズの屈
折率が大なる材料を用いて、光学レンズの開口数を大に
して、光記録媒体(光磁気記録媒体を含む)に記録再生
を行う、いわゆるニアフィールド光記録再生方式に好適
な光学ピックアップ及び光記録再生装置(光磁気記録再
生装置を含む)に係わる。
【0002】
【従来の技術】コンパクトディスク(CD)、ミニディ
スク(MD)、デジタルビデオディスク(DVD)に代
表される光記録媒体(光磁気記録媒体を含む)は、音楽
情報、映像情報、データ、プログラム等の格納媒体とし
て広く利用されている。しかしながら、音楽情報、映像
情報、データ、プログラム等における更なる高音質化、
高画質化、長時間化、大容量化の要求により、さらに大
容量の光記録媒体(光磁気記録媒体を含む)及びそれを
記録再生する光記録再生装置(光磁気記録再生装置を含
む)が望まれている。
【0003】そこで、上述した要求に対応するために、
光記録再生装置(光磁気記録再生装置を含む)において
は、光源例えば半導体レーザの短波長化や集光レンズの
開口数の増大化が図られることにより、集光レンズを介
して収束する光スポットの小径化が図られている。
【0004】例えば、半導体レーザに関しては、発振波
長が従来の赤色レーザの635nmから400nm帯に
短波長化されたGaN半導体レーザが実用化されつつあ
り、これにより光スポットの小径化が図られつつある。
【0005】また、例えば、ソリッドイマージョンレン
ズ(SIL)に代表される開口数の大なる光学レンズを
使用して例えば開口数1以上の集光レンズを実現すると
共に、この集光レンズの対物面を記録媒体に対して光源
の波長程度の距離まで近接させることにより記録再生を
行う、いわゆるニアフィールド光記録再生方式が検討さ
れている。このニアフィールド光記録再生方式では、記
録媒体と集光レンズとの距離を如何にして光学的なコン
タクト状態に維持するかが重要である。また、光源から
出射されて集光レンズに入射する光束の径が小さくなる
に従って、記録媒体と集光レンズとの距離も非常に小さ
くなるため、集光レンズは形状的に大きく制約されるこ
とになる。
【0006】ここで、上述した集光レンズを備えた光学
ピックアップの要部の概略構成図を図12に示す。図1
2に示すように、この光学ピックアップにおいては、記
録媒体(光記録媒体もしくは光磁気記録媒体)50があ
る対物側から順に、超半球状(半球形にさらに付加した
形状)の第1の光学レンズ51と第2の光学レンズ52
とを配置して成る集光レンズ53が設けられている。第
1の光学レンズ51及び第2の光学レンズ52は、いず
れも屈折率がn=2.0のガラスにより形成されてい
る。この集光レンズ53により、光束Lを収束させて記
録媒体50に照射することができる。また、集光レンズ
53の対物面即ち第1の光学レンズ51の記録媒体50
側の面が記録媒体50に近接しており、前述したニアフ
ィールド光記録再生方式の集光レンズ53となってい
る。
【0007】超半球状の第1の光学レンズ51は、光学
レンズの曲率半径をr、光学レンズの屈折率をn、光学
レンズの厚さをtとすると、t=r(1+1/n)の関
係がある。この場合、屈折率n=2.0であるためt=
1.5rとなる。また、第2の光学レンズ52の開口数
によって決定される第2の光学レンズ52と記録媒体5
0との距離をWDとすると、t=r(1+1/n)=
1.5r<WDの条件を満足する必要がある。
【0008】従って、第1の光学レンズ51と第2の光
学レンズ52との距離Dを、好適に且つ容易に確保する
ためには、第1の光学レンズ51において、その曲率半
径rをできる限り小さく形成する、もしくはその屈折率
nができる限り大きくなるように材料を選定する必要が
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1の
光学レンズ51の曲率半径rは、光学ピックアップの組
み立て精度の制約により1mm程度以下に小さくするこ
とができない。ニアフィールド光記録再生方式において
は、集光レンズ53が一般的に対物側から順に配置され
た第1の光学レンズ51と第2の光学レンズ52との2
枚の光学レンズの組み合わせにより開口数1以上を実現
しているが、開口数が大きくなるほどこれら第1の光学
レンズ51及び第2の光学レンズ52の組み立てに高精
度が求められ、かつ環境の変化に対してもこの高精度を
維持することが求められる。そして、あまりにも光学レ
ンズの曲率半径が小さいと、2枚の光学レンズ51,5
2から成る集光レンズ53の組み立て精度を高くするこ
とができなくなるため、第1の光学レンズ51の曲率半
径rを1mm程度以下に小さくすることはできない。
【0010】また、従来は、光学レンズの材料にガラス
を使用していたため、光学レンズの屈折率nは上述した
2.0程度が限界であった。従って、第1の光学レンズ
51の厚さtは1.5mm程度が限界であり、それ以上
小さくすることはできなかった。
【0011】一方、このニアフィールド光記録再生方式
において高記録密度化を実現するためには、従来の光記
録再生方式と同様に、光源の出射波長の短波長化や集光
レンズの開口数の増大により、記録媒体に照射される集
光スポットの大きさ・面積を縮小させる必要がある。こ
こで、集光スポットの面積は集光レンズの開口数の2乗
に半比例するので、ニアフィールド光記録再生方式にお
ける高密度化を実現するためには、集光レンズの開口数
を増大させることが有効である。
【0012】図12に示した第1の光学レンズ51が超
半球光学レンズである構成において、ニアフィールド集
光レンズ53の開口数NAは、NA=(第2の光学レン
ズ52の開口数)×(第1の光学レンズ51の屈折率
n)×(第1の光学レンズ51の屈折率n)で表され
る。前述したように、従来は第1及び第2の光学レンズ
51,52の材料にガラスを使用していたため、第1の
光学レンズ51の屈折率nは2.0程度が限界であっ
た。このため、例えば第2の光学レンズ52の開口数を
0.45とすると、ニアフィールド集光レンズ53の開
口数NAは、NA=0.45×2.0×2.0=1.8
となり、それ以上開口数NAを増大させることができな
かった。従って、ガラス材料を使用した従来のニアフィ
ールド集光レンズ53では、高記録密度化に限界があっ
た。
【0013】上述した問題の解決のために、本発明にお
いては、記録媒体に照射される集光スポットを縮小させ
ることができ、光記録媒体の高記録密度化・大容量化に
対応することができる光学ピックアップ及びこの光学ピ
ックアップを備えて高記録密度の光記録再生を行うこと
ができる光記録再生装置を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の光学ピックアッ
プは、少なくとも光源と、光源からの出射光を収束させ
て光スポットを形成する集光レンズとを有して成り、光
源により390〜450nmの範囲内の波長の光が出射
され、集光レンズがチタン酸ストロンチウムから成る又
はチタン酸ストロンチウムを主成分とし、光源から出射
される光に対する吸収係数が2.0cm-1以下である光
学レンズを含む1つ以上の光学レンズから構成されてい
るものである。
【0015】本発明の光記録再生装置は、少なくとも光
源と、光源からの出射光を収束させて光スポットを形成
する集光レンズとを有して成る光学ピックアップを備
え、記録媒体に対して記録再生を行うものであって、光
源により390〜450nmの範囲内の波長の光が出射
され、集光レンズがチタン酸ストロンチウムから成る又
はチタン酸ストロンチウムを主成分とし、光源から出射
される光に対する吸収係数が2.0cm-1以下である光
学レンズを含む1つ以上の光学レンズから構成されてい
るものである。
【0016】上述の本発明の光学ピックアップの構成に
よれば、光学レンズがチタン酸ストロンチウムから成る
又はチタン酸ストロンチウムを主成分とすることから、
光源から出射される390〜450nmの範囲内の波長
の光に対して、高い屈折率(2.6程度以上)及び高い
透過率を有する。これにより、光源から出射される光を
390〜450nmの範囲内の波長即ち従来の可視光領
域の光源よりも短い波長として集光スポットを縮小化さ
せると共に、光学レンズの屈折率が高いことにより集光
レンズの開口数を大きくして、さらに集光スポットを縮
小化させることができる。また、光学レンズの光源から
出射される光(390〜450nmの範囲内の波長)に
対する吸収係数が2.0cm-1以下であることから、光
の損失が少なくなり光記録再生の効率を高くすることが
できる。
【0017】上述の本発明の光記録再生装置の構成によ
れば、上述の本発明の光学ピックアップを備えて、記録
媒体に対して記録再生が行われる構成としたことによ
り、記録媒体に対して効率よく高い記録密度で光記録再
生を行うことが可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、少なくとも光源と、光
源からの出射光を収束させて光スポットを形成する集光
レンズとを有して成る光学ピックアップであって、光源
により390〜450nmの範囲内の波長の光が出射さ
れ、集光レンズがチタン酸ストロンチウムから成る又は
チタン酸ストロンチウムを主成分とし、光源から出射さ
れる光に対する吸収係数が2.0cm-1以下である光学
レンズを含む1つ以上の光学レンズから構成されている
光学ピックアップである。
【0019】また本発明は、上記光学ピックアップにお
いて、光源をGaN半導体レーザで構成する。
【0020】また本発明は、上記光学ピックアップにお
いて、対物側から順に、チタン酸ストロンチウムから成
る又はチタン酸ストロンチウムを主成分とする光学レン
ズと、他の光学レンズとが光軸を合致させて配置されて
集光レンズを構成する。
【0021】本発明は、少なくとも光源と、光源からの
出射光を収束させて光スポットを形成する集光レンズと
を有して成る光学ピックアップを備え、記録媒体に対し
て記録再生を行う光記録再生装置であって、光源により
390〜450nmの範囲内の波長の光が出射され、集
光レンズがチタン酸ストロンチウムから成る又はチタン
酸ストロンチウムを主成分とし、光源から出射される光
に対する吸収係数が2.0cm-1以下である光学レンズ
を含む1つ以上の光学レンズから構成されている光記録
再生装置である。
【0022】また本発明は、上記光記録再生装置におい
て、光源をGaN半導体レーザで構成する。
【0023】また本発明は、上記光記録再生装置におい
て、対物側から順に、チタン酸ストロンチウムから成る
又はチタン酸ストロンチウムを主成分とする光学レンズ
と、他の光学レンズとが光軸を合致させて配置されて集
光レンズを構成する。
【0024】まず、本発明の具体的な実施の形態の説明
に先立ち、本発明の概要を説明する。本発明において
は、チタン酸ストロンチウムから成る又はチタン酸スト
ロンチウムを主成分とする光学レンズを用いる。即ち光
学レンズがチタン酸ストロンチウム以外の他の成分を含
んでいてもよい。以下、このチタン酸ストロンチウムか
ら成る又はチタン酸ストロンチウムを主成分とする光学
レンズを、チタン酸ストロンチウム製の光学レンズと称
する。チタン酸ストロンチウムは、一般的な化学式がS
rTiO3 である。本発明において、チタン酸ストロン
チウムはSr:Ti:Oのモル比(組成比)が1:1:
3であるものだけでなく、それ以外の組成であるものも
含む。
【0025】好ましくは、チタン酸ストロンチウム製光
学レンズをチタン酸ストロンチウム単結晶から構成す
る。これにより、多結晶材料のような粒界や、ガラス材
料のような脈理がないために、入射光の散乱や吸収を起
こさずにすむ利点を有する。また、主成分のチタン酸ス
トロンチウムに添加される他の成分としては、例えば、
屈折率増大もしくは透過率増大のためTa,Ca,Z
r,K,Ba等が挙げられる。これらの成分を添加して
も単結晶とすることができることから、光学レンズ材料
として好適である。
【0026】また、チタン酸ストロンチウム(SrTi
3 )は、その結晶構造が立方晶であることから、結晶
軸によらず屈折率が全方向で一定である光学的等方性を
有している。このため、チタン酸ストロンチウム製光学
レンズを作製する際に、結晶軸方向を気にせずに切断、
加工、研磨を行うことができる。従って、ガラス材料と
同程度なコストで加工することが可能である。
【0027】また、チタン酸ストロンチウム製光学レン
ズを構成する単結晶は、ベルヌーイ法等で作製すること
ができる。ベルヌーイ法は、工業用途として比較的大き
な単結晶が短時間で育成でき、量産性のある結晶育成方
法である。
【0028】また、本発明では、上述の光学レンズ即ち
チタン酸ストロンチウム製の光学レンズを含む1つ以上
の光学レンズから集光レンズを構成する。即ち次のA〜
Cのいずれかの構成の集光レンズを構成する。A.チタ
ン酸ストロンチウム製の光学レンズ1つから成る集光レ
ンズB.チタン酸ストロンチウム製の光学レンズを複数
組み合わせた集光レンズC.チタン酸ストロンチウム製
の光学レンズと他の材料の光学レンズを組み合わせた集
光レンズ尚、Cの構成においては、複数の光学レンズの
うち最も対物側即ち最も記録媒体側に、チタン酸ストロ
ンチウム製の光学レンズを配置する。
【0029】また、光源として、390〜450nmの
範囲内の波長の光を出射する光源を用いる。即ち、従来
の可視光領域の波長(例えば635nm)の光を出射す
る光源よりも、短い波長の光を出射する光源を用いる。
このような光源としては、例えばGaN半導体レーザが
挙げられる。そして、この光源と上述の集光レンズとを
少なくとも備えて光学ピックアップを構成する。
【0030】これにより、光源から出射される光を短波
長化して集光レンズによる集光スポットを小さくするこ
とができる。また、チタン酸ストロンチウムが390〜
450nmの範囲内の波長の光に対して2.6程度と高
い屈折率を有するため、集光レンズの開口数を大きくす
ることが可能になる。この集光レンズの開口数を大きく
することによっても、集光スポットを小さくすることが
できるため、光源の短波長化と合わせて、高記録密度化
に対応することが可能になる。
【0031】また、チタン酸ストロンチウム製の光学レ
ンズは、上述の390〜450nmの範囲内の波長の光
に対する光透過性(光透過率)が優れている。本発明に
おいては、さらにチタン酸ストロンチウム製の光学レン
ズの光源から出射される光(390〜450nmの範囲
内の波長の光)に対する吸収係数を2.0cm-1以下と
する。これにより、チタン酸ストロンチウム製の光学レ
ンズによる光の損失が少なくなり光記録再生の効率を高
くすることができる。吸収係数は小さいことが好まし
く、望ましくは吸収係数を0.1cm-1以下として光学
レンズによる損失がほとんどないようにする。吸収係数
を0.1cm-1とすると、5mmの厚さの光学レンズで
内部透過率を95%以上とすることができる。
【0032】ところで、単結晶チタン酸ストロンチウム
の390〜450nmの範囲内の波長の光に対する屈折
率はほぼ同じであるが、390〜450nmの範囲内の
波長の光に対する吸収係数は結晶により異なる。
【0033】従って、吸収係数が2.0cm-1以下とな
るように、チタン酸ストロンチウム製光学レンズの組成
や製造条件等を制御する必要がある。例えば酸素欠陥濃
度やチタン酸ストロンチウムのSr/Tiの組成比を制
御・最適化することにより、吸収係数を2.0cm-1
下と小さくすることができる。酸素欠陥濃度は、単結晶
の結晶育成後に酸素雰囲気中で熱処理する時間を変更す
ることによって調整することができる。Sr/Tiの組
成比を例えば1より小さくする(Tiリッチの組成とす
る)ことにより、吸収係数を小さく制御することができ
る。また、チタン酸ストロンチウムにTa,Ca,Z
r,K,Ba等の添加物を添加することによっても吸収
係数を制御することが可能である。
【0034】そして、チタン酸ストロンチウムは高い屈
折率を有することから、上述したように集光レンズの開
口数を大きく(例えば2.0以上)することができ、集
光レンズの小型化や薄型化が可能となる。これにより、
比較的低いコストで光学ピックアップ装置や光記録再生
装置等に搭載が可能である。
【0035】また、対物側から順に、チタン酸ストロン
チウム製の光学レンズと、他の光学レンズ(チタン酸ス
トロンチウム製の光学レンズ或いは他の材料の光学レン
ズ)とを、光軸を合致させて配置した構成とした場合、
即ちチタン酸ストロンチウム製の光学レンズを含む複数
の光学レンズにより集光レンズを構成した前述のB又は
Cの構成では、集光レンズに入射する光束の径を小とす
ることが可能となる。これは、対物側に配置したチタン
酸ストロンチウム製の光学レンズの屈折率が高いため、
同じ集光レンズの開口数(例えば2.0)を実現するた
めに必要な他の光学レンズの開口数を小さくすることが
可能になり、この他の光学レンズの曲率半径を小さくす
ることが可能になるからである。曲率半径が小さくなれ
ば、入射する光束の径を小としても、他の光学レンズか
ら記録媒体までの距離を充分確保して、複数の光学レン
ズから構成された集光レンズにおいて高い組み立て精度
を実現することができる。このように集光レンズに入射
する光束の径を小とすることが可能になるため、光記録
媒体のフォーカシング方向やトラッキング方向に制御駆
動される集光レンズの小型軽量化を図ることができると
共に、フォーカシングサーボやトラッキングサーボやシ
ーク時間等のサーボ特性の向上を図ることが可能とな
る。
【0036】従って、本発明により、光源の短波長化及
び記録媒体の高密度化・大容量化に対応する光学ピック
アップ及び光記録再生装置を提供することが可能とな
る。
【0037】尚、本発明の光学ピックアップは、再生の
みを行う再生専用、記録のみを行う記録専用、記録と再
生の両方を行うことができる記録再生用を含むものであ
る。また、本発明の光学ピックアップは、光磁気記録媒
体に対して光磁気記録再生を行うものも含み、光磁気記
録方式とニアフィールド光再生方式を組み合わせた構成
例えば光学ピックアップの一部に磁気コイル等を組み込
んだものを含むものである。また、本発明の光記録再生
装置は、再生のみを行う再生専用装置、記録のみを行う
記録専用装置、記録と再生の両方を行うことができる記
録再生用装置を含むものである。
【0038】そして、本発明を、例えば図12に示した
構成と同様に、対物側から順に配置された第1の光学レ
ンズと第2の光学レンズで構成された集光レンズが保持
された、いわゆるニアフィールド光記録再生方式を採用
する光学ピックアップ、及びこの光学ピックアップを具
備する光記録再生装置に適用することができる。以下、
この構成に本発明を適用した場合を、本発明に係る光学
ピックアップの具体的な実施の形態として説明する。
【0039】本発明の一実施の形態として光学ピックア
ップの要部の概略構成図を図1に示す。また、図1に示
す光学ピックアップを構成する光学系の構成の一形態を
図2に示す。
【0040】図1及び図2に示すように、図示しない光
源例えば半導体レーザと、光束Lを記録媒体(光記録媒
体又は光磁気記録媒体)30に集光する集光レンズ13
と、光源から出射された光束L1と記録媒体30で反射
した光束L2とを分離する第1のビームスプリッタ14
と、記録媒体30で反射した光束L2を2つの光束に分
離する第2のビームスプリッタ15を有して、光学ピッ
クアップが構成されている。
【0041】光源は、390〜450nmの範囲内の波
長の光を出射する構成とする。集光レンズ13は、記録
媒体30側から順に、第1の光学レンズ11及び第2の
光学レンズ12をそれぞれの光軸が一致するように配置
して成る。
【0042】また、記録媒体30が例えばディスク状媒
体である場合には、図示を省略するスピンドルモータに
記録媒体30が装着されることにより所定の回転数で回
転される。尚、実際には第1の光学レンズ11及び記録
媒体30は互いに接触してはいないが、これら光学レン
ズ11及び記録媒体30の間隔が光学レンズ11の厚さ
tと比較して充分に小さいため(例えば数万分の1程
度)、図1及び図2においては接触しているように描か
れている。以下の図においても同様である。
【0043】そして、本実施の形態の光学ピックアップ
において、集光レンズ13のうち、少なくとも記録媒体
30側の第1の光学レンズ11を前述したチタン酸スト
ロンチウム製の光学レンズ(チタン酸ストロンチウムか
ら成る又はチタン酸ストロンチウムを主成分とする光学
レンズ)により構成する。尚、第2の光学レンズ12の
材料は特に限定されず、チタン酸ストロンチウム製レン
ズ、ガラス製レンズ、その他の材料から成るレンズのい
ずれであってもよい。
【0044】次に、図1及び図2に示す光学ピックアッ
プにおける、光の経路と各部品における作用等を説明す
る。光源例えば半導体レーザから出射された往路光は、
コリメータレンズ(図示せず)により平行光に変換され
る。そして、この往路光の光束L1は、第1のビームス
プリッタ14を透過して、集光レンズ13を介して記録
媒体30の情報記録面に集光される。情報記録面で反射
された復路光は、再び集光レンズ13を透過して、第1
のビームスプリッタ14で反射されて、光束L2となっ
て第2のビームスプリッタ15に入射する。第2のビー
ムスプリッタで反射された復路光(光束L3)は、図示
しないトラッキング用光検出器に集光され、トラッキン
グエラー信号が検出される。第2のビームスプリッタを
通過した復路光(光束L4)は、図示しないフォーカシ
ング用光検出器に集光され、フォーカスシングエラー信
号および再生ピット信号等が検出される。
【0045】また、図1及び図2に示す光学ピックアッ
プには、集光レンズ13をトラッキング方向やフォーカ
シング方向に制御駆動させる手段が設けられる。この手
段としては、例えば一般的な光学ピックアップに用いら
れている2軸アクチュエータや、磁気ヘッド等に用いら
れているスライダ等が挙げられる。これら集光レンズ1
3の制御駆動手段の形態を次に示す。
【0046】図1及び図2に示した集光レンズ13の制
御駆動手段として、2軸アクチュエータを採用した場合
の概略構成図を図3に示す。図3に示すように、集光レ
ンズ13をトラッキング方向に制御駆動させる(トラッ
キング用)コイル17と、集光レンズ13をフォーカシ
ング方向に制御駆動させる(フォーカシング用)コイル
18とから成る2軸アクチュエータ16に、集光レンズ
13(11,12)が固着されている。
【0047】この2軸アクチュエータ16は、さらに記
録媒体30と第1の光学レンズ11との距離を制御する
ことが可能な構成とされる。例えば戻り光量をモニタし
て距離情報をフィードバックすることにより、第1のレ
ンズ11と記録媒体30の距離を一定に保ち、かつ第1
のレンズ11と記録媒体30の衝突を避けることができ
る。また、この2軸アクチュエータ16は、戻り光量を
モニタして位置情報をフィードバックすることにより、
トラッキング用コイル17の駆動によって集光レンズ1
3をトラッキング方向に移動させて、集光スポットを所
望の記録トラックに移動させることが可能である。
【0048】次に、図1及び図2に示した集光レンズ1
3の制御駆動手段として、スライダを採用した場合の概
略構成図を図4に示す。図4に示すように、トラッキン
グ方向に制御駆動されるスライダ21に、集光レンズ1
3(11,12)が固着されている。このスライダ21
は、弾性体例えば記録媒体30の面触れ方向にのみ弾性
を有するジンバル22を介して、トラッキング方向に移
動する可動光学部(図示せず)に支持される。この可動
光学部は、リニアモータ等で構成された制御駆動手段に
よりトラッキング方向に制御駆動される。そして、記録
媒体30の回転に伴い発生する気体流が記録媒体30と
スライダ21との間に流れ込むとともに、弾性体である
ジンバル22の記録媒体30側への押圧力と釣り合う気
体薄膜が形成され、スライダ21が記録媒体30に対し
て一定の距離、たとえば50nmの距離を保ちつつ浮上
するように構成される。即ち、記録媒体30を所定の回
転数で回転させて記録媒体30からの情報の再生時或い
は記録媒体30への情報の記録時において、集光レンズ
13を構成する第1の光学レンズ11と記録媒体30と
の距離がスライダ21によりほぼ一定距離に保たれた状
態となる。
【0049】尚、光学ピックアップに、さらに必要に応
じて、記録媒体30の面振れに対して、集光レンズ13
を固着する2軸アクチュエータ16もしくはスライダ2
1が追従した残りのフォーカスエラー成分および集光レ
ンズ13(11,12)の組み立て工程時に発生した誤
差成分を補正する手段として、2枚の光学レンズ11,
12の間隔を変えることで補正を行うことができるリレ
ーレンズを、第1のビームスプリッタ14と第2の光学
レンズ12の間に挿入して構成してもよい。また、図4
に示したように第1の光学レンズ11及び第2の光学レ
ンズ12がスライダ21に固着されている場合に、スラ
イダ21が追従した残りのフォーカスエラー成分および
集光レンズの組み立て工程時に発生した誤差成分を補正
する手段として、集光レンズ13を構成する2つの光学
レンズのうち、第1の光学レンズ11をスライダ21に
固定する一方、第2の光学レンズ12を例えば圧電素子
等により第1の光学レンズ11に対して例えば光軸方向
に相対的に可動するように構成してもよい。
【0050】また、スピンドルモータが複数の光記録媒
体を装着する手段を有する光記録再生装置(ハードディ
スクドライブ等の磁気記録再生装置に採用されているス
タック型の記録媒体に類似した構造)の場合では、図5
に示すように、スライダ21にさらに光軸をほぼ90度
曲げるミラー23を設ける構成が好適である。このよう
な構成とすることにより、光記録再生装置の各光記録媒
体間の間隔を小とすることができるので、結果的に光記
録再生装置の小型化、薄型化を図ることができる。
【0051】次に、第1の光学レンズ11の形状につい
て説明する。第1の光学レンズ11の形状は、図1〜図
5に示した超半球状に限定されるものではなく、その他
の形状も採用することができる。以下、第1の光学レン
ズ11の形状を変更した形態を示す。
【0052】図6は、第1の光学レンズ11に、半球状
の光学レンズ11Aを採用した場合を示している。この
とき、レンズの厚さは曲率半径rと一致する。また、図
7は、第1のレンズ11に、図1と同様の超半球状の光
学レンズ11Bを採用した場合を示している。半球形に
さらに、球の上半分の一部をr/nの厚さだけ付加して
いる。このとき、レンズの厚さはr(1+1/n)とな
る。これらの場合には、記録媒体30と対向する対物面
が平面となっており、対物面の反対側の面は凸球面とな
っている。また、周側面において2軸アクチュエータ1
6もしくはスライダ21と固着される。
【0053】次に、図8は、図6に示した半球状から、
対物面を円錐状に加工した形状の光学レンズ11Cを採
用した場合を示している。また、図9は、図7に示した
超半球状から、対物面を円錐状に加工した形状の光学レ
ンズ11Dを採用した場合を示している。ニアフィール
ド光記録再生方式においては、記録媒体30と第1の光
学レンズ11との距離が数十nm程度と非常に近接して
いることから、このように対物面を円錐状に加工するこ
とにより、記録媒体30もしくは第1の光学レンズ11
の傾きに対する許容度を拡大することができる。
【0054】また、ニアフィールド光記録再生方式にお
いて記録媒体30を光磁気記録媒体とする場合には、記
録時かつ/又は再生時に磁界が必要になる。この場合に
は、図10もしくは図11に示すように、第1の光学レ
ンズ11の対物面の一部に磁気コイル25等の磁界印加
手段を取り付けて構成してもよい。図10は、半球形の
光学レンズ11Eの対物面を、中心付近を残すように加
工して磁気コイル25を設けた場合を示している。図1
1は、超半球形の光学レンズ11Fの対物面を、中心付
近を残すように加工して磁気コイル25を設けた場合を
示している。
【0055】続いて、実際にチタン酸ストロンチウムの
試料を作製して、各種特性を調べた。
【0056】(実施例1)実施例1として、ベルヌーイ
法で作製されたSrTiO3 (チタン酸ストロンチウ
ム)単結晶材料Aを、(100)面をz軸として、大き
さ10mm×10mm、厚さ2mmに加工し、さらに両
表面を高学研磨して試料を用意した。
【0057】(比較例1)比較例1として、株式会社オ
ハラ製の高屈折率ガラスS−LAH79材料を大きさ1
0mm×10mm、厚さ2mmに加工し、さらに両表面
を光学研磨して試料を用意した。
【0058】次に、これら実施例1と比較例1の各試料
の屈折率を、ジェー・エー・ウーラム・ジャパン株式会
社製分光エリプソメータVASEにて、波長380nm
から800nmまで測定した。これら実施例1と比較例
1の各試料の屈折率の波長依存性を、図13に比較して
示す。
【0059】図13より、比較例1のガラス材料では屈
折率が2.0から2.1程度であるのに対して、実施例
1のSrTiO3 材料では波長380nmから800n
mまでのすべての波長範囲でガラス材料の屈折率を大き
く超えており、その値も波長400nm付近で2.6以
上に達することがわかる。
【0060】さらに、実施例1と比較例1の各試料につ
いて、波長415nmにおける屈折率を測定した。ま
た、この屈折率の測定結果に基づき、第1の光学レンズ
に実施例1と比較例1の材料をそれぞれ使用して、この
第1の光学レンズと開口数0.45の第2の光学レンズ
とを組み合わせて、図1及び図12に示した形態の集光
レンズ13,53を組み立てたときの集光レンズの開口
数を計算した。これら屈折率の測定結果及び集光レンズ
の開口数の計算結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】表1から明らかなように、ガラス材料の中
では高い屈折率を有するS−LAH79に比較して、S
rTiO3 の屈折率と、この材料を使用して作製した集
光レンズの開口数は、明らかにガラス材料よりも大きい
ことがわかる。
【0063】そして、集光レンズで集光された光スポッ
トの面積は、集光レンズの開口数の2乗に反比例して縮
小することができる。従って、SrTiO3 はS−LA
H79に比べて、2.6倍も高密度な光記録媒体の記録
再生が可能となる光ピックアップ装置を実現できること
がわかる。
【0064】(実施例2)実施例2として、ベルヌーイ
法で作製されたSrTiO3 単結晶材料Aを、(10
0)面をz軸として、大きさ10mm×10mm、厚さ
2mmに加工して、両表面を光学研磨して試料を用意し
た。
【0065】(比較例2)比較例2として、結晶育成後
の酸素雰囲気中での熱処理時間をSrTiO3 単結晶材
料Aよりも短くすることにより吸収係数を大きくした、
同じくベルヌーイ法で作製されたSrTiO3 単結晶材
料Bを、(100)面をz軸として、大きさ10mm×
10mm、厚さ2mmに加工して、両表面を光学研磨し
て試料を用意した。
【0066】次に、これら実施例2と比較例2の試料の
屈折率及び吸収係数を、ジェー・エー・ウーラム・ジャ
パン株式会社製分光エリプソメータVASEにて、波長
380nmから800nmまで測定した。
【0067】まず、実施例2及び比較例2の屈折率の波
長依存性を比較して図14に示す。図14より、屈折率
の波長依存性は、波長380nmから800nmまでの
すべての波長範囲で、実施例2及び比較例2がほぼ一致
しており、その値は波長400nm付近で2.6以上に
達した。
【0068】次に、実施例2と比較例2の吸収係数の波
長依存性を比較して図15に示す。図15より、実施例
2と比較例2の吸収係数は、波長500nm以下で大き
く異なり、比較例2では波長500nm以下で大きく増
大することがわかる。これは、比較例2の結晶育成後の
酸素雰囲気中での熱処理時間が短かったためであり、結
晶中の酸素欠陥サイトが完全に酸素と結合できなかった
ために、結晶中に多数の酸素欠陥サイトが存在し、その
結果として、それら酸素欠陥サイトが波長500nm以
下の紫外線域での光を多く吸収し、吸収係数の増大を招
いてしまったためと考えられる。
【0069】次に、実施例2及び比較例2の試料をそれ
ぞれ超半球状の第1の光学レンズ11に用いて、この超
半球状の第1の光学レンズ11の厚さを2mmとし、共
に第2の光学レンズ12にガラス材料の光学レンズを使
用して、図1のような形態の集光レンズ13を組み立て
たときの集光レンズ13の波長415nmにおける内部
透過率を求めた。これら実施例2及び比較例2につい
て、波長415nmにおける吸収係数と、集光レンズ1
3の波長415nmにおける内部透過率を比較して、そ
れぞれ表2に示す。
【0070】
【表2】
【0071】表2から明らかなように、実施例2と比較
例2を比較すると、屈折率の波長依存性は同じであって
も、吸収係数の波長依存性が大きく異なるため、集光レ
ンズとして組み立てたときの内部透過率が全く違ってし
まうことがわかる。実施例2のSrTiO3 単結晶A
は、吸収係数が小さいために、集光レンズとして組み立
てたときの内部透過率を100%とすることができた。
一方、比較例2のSrTiO3 単結晶Bは、吸収係数が
大きいために、集光レンズとして組み立てたときの内部
透過率を全く得ることができなかった。
【0072】以上のことから、光源から出射される光の
波長例えばGaN半導体レーザの発振波長390nmか
ら450nmの波長に対して、吸収係数を2cm-1
下、好適には0.1cm-1以下となるように制御された
結晶材料を使用したチタン酸ストロンチウム製光学レン
ズにより、ガラス材料から成る光学レンズに比べて、
2.6倍も高密度な光記録媒体の記録再生が可能となる
光ピックアップ及び光記録再生装置を実現することがで
きる。
【0073】次に、図1に示した光学ピックアップの構
成において、集光レンズ13の2つのレンズ即ち第1の
光学レンズ11及び第2の光学レンズ12を共に波長4
15nmに対して屈折率2.61のチタン酸ストロンチ
ウム単結晶により形成し、第1の光学レンズ11と記録
媒体30との距離を例えば40nmに保ちつつニアフィ
ールド記録再生を行う場合を考える。尚、第1の光学レ
ンズ11は、超半球状のソリッドイマージョンレンズ
(SIL)により形成するものとする。このとき、第2
の光学レンズ12の開口数を0.45とすると、集光レ
ンズ13の開口数NAは3.066となる。そして、第
2の光学レンズ12と記録媒体30との距離をWDと
し、第1の光学レンズ11の厚さをtとし、第1の光学
レンズ11の凸球面の曲率半径をrとした場合、t=r
(1+1/n)=1.3831r<WDの条件を満たす
必要がある。この条件は、第1の光学レンズをガラス材
料とした場合(1.5r<WD)より条件が緩和されて
おり、第2の光学レンズ12と記録媒体30との距離W
Dを余裕をもって確保することができる。
【0074】ところで、図1及び図12に示したニアフ
ィールド光記録再生方式の光学ピックアップの構成にお
いて、超半球状の第1の光学レンズ11,51にそれぞ
れ前述した実施例1のSrTiO3 単結晶と比較例1の
S−LAH79(ガラス)とを用いた場合を比較する。
そして、実施例1及び比較例1について、波長415n
mにおける屈折率と、第1の光学レンズ11,51の厚
さt=r(1+1/n)に係わる要素(1+1/n)の
数値とを比較して、表3に示す。
【0075】
【表3】
【0076】表3に示すように、(1+1/n)の数値
が、実施例1の場合は1.3825となり、比較例1の
場合は1.4851となる。この比較からわかるよう
に、実施例1のSrTiO3 単結晶では屈折率(2.6
146)が大であることにより、第1の光学レンズ11
の厚さtを比較例1のガラス材料に対して7%程度小さ
くすることができる。即ち、より半球レンズに近い厚さ
において超半球状レンズによるニアフィールド記録再生
が実現できることがわかる。
【0077】従って、図1に示したように、第2の光学
レンズ12と記録媒体30との距離WDを十分に確保す
ることができると共に、第2の光学レンズ12に入射す
る光束Lの径を容易に小とすることもできる。これによ
り、第1の光学レンズ11を薄くすることができ、第1
の光学レンズ11及び第2の光学レンズ12の径を小さ
くすることができるため、これら第1及び第2の光学レ
ンズ11,12を軽量化して、第1及び第2の光学レン
ズ11,12から成る集光レンズ13を軽量化すること
ができる。従って、記録媒体30のフォーカス方向やト
ラッキング方向に制御駆動される集光レンズ13の重量
が小となるために、フォーカスサーボやトラッキングサ
ーボやシーク時間等のサーボ特性の向上を図ることがで
き、光学ピックアップおよび光記録再生装置の小型化薄
型化を図ることが可能となる。
【0078】本発明は、上述の実施の形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他
様々な構成が取り得る。
【0079】
【発明の効果】上述の本発明によれば、集光レンズの開
口数を大きくすることができ、且つ小型軽量の集光レン
ズを容易に得ることが可能になる。従って、従来のガラ
ス材料により形成した集光レンズを用いた場合と比較し
て、大幅に記録密度を向上することができ、高記録密度
・大容量の記録媒体の記録再生が可能となる光ピックア
ップ及び光記録再生装置を実現することができる。
【0080】また、チタン酸ストロンチウムから成る又
はチタン酸ストロンチウムを主成分とする光学レンズと
他の光学レンズを対物側から順に光軸を合致させて配置
して集光レンズを構成したときには、集光レンズに入射
する光束の径を小とすることが可能となる。これによ
り、記録媒体のフォーカシング方向やトラッキング方向
に制御駆動される集光レンズの小型軽量化を図ることが
できると共に、フォーカスサーボやトラッキングサーボ
やシーク時間等のサーボ特性の向上を図ることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の光学ピックアップの要
部の概略構成図である。
【図2】図1の光学ピックアップの光学系の一形態を示
す図である。
【図3】図1及び図2の集光レンズの制御駆動手段とし
て2軸アクチュエータを採用した概略構成図である。
【図4】図1及び図2の集光レンズの制御駆動手段とし
てスライダを採用した概略構成図である。
【図5】スライダにミラーを設けた場合の概略構成図で
ある。
【図6】第1の光学レンズの形状の一形態を示す図であ
る。
【図7】第1の光学レンズの形状の一形態を示す図であ
る。
【図8】第1の光学レンズの形状の一形態を示す図であ
る。
【図9】第1の光学レンズの形状の一形態を示す図であ
る。
【図10】第1の光学レンズの形状の一形態を示す図で
ある。
【図11】第1の光学レンズの形状の一形態を示す図で
ある。
【図12】ニアフィールド光記録方式の集光レンズを備
えた光学ピックアップの要部の概略構成図である。
【図13】実施例1及び比較例1の屈折率の波長依存性
を比較した図である。
【図14】実施例2及び比較例2の屈折率の波長依存性
を比較した図である。
【図15】実施例2及び比較例2の吸収係数の波長依存
性を比較した図である。
【符号の説明】
11 第1の光学レンズ、12 第2の光学レンズ、1
3 集光レンズ、162軸アクチュエータ、21 スラ
イダ、22 ジンバル、23 ミラー、25磁気コイ
ル、30 記録媒体(光記録媒体又は光磁気記録媒体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/125 G11B 7/125 A 11/105 566 11/105 566C Fターム(参考) 2H087 KA13 LA01 NA00 PA02 PA17 PB02 QA02 QA05 QA11 QA21 QA33 QA41 UA00 UA02 4G077 AA02 AB04 BC42 HA01 5D075 AA03 CD06 CD17 5D119 AA22 BA01 FA05 JA34 JA43 5D789 AA22 BA01 CA21 CA22 CA23 FA05 JA34 JA43

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも光源と、該光源からの出射光
    を収束させて光スポットを形成する集光レンズとを有し
    て成る光学ピックアップであって、 上記光源により、390〜450nmの範囲内の波長の
    光が出射され、 上記集光レンズが、チタン酸ストロンチウムから成る又
    はチタン酸ストロンチウムを主成分とし、上記光源から
    出射される光に対する吸収係数が2.0cm-1以下であ
    る光学レンズを含む1つ以上の光学レンズから構成され
    ていることを特徴とする光学ピックアップ。
  2. 【請求項2】 上記光源がGaN半導体レーザで構成さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の光学ピック
    アップ。
  3. 【請求項3】 対物側から順に、チタン酸ストロンチウ
    ムから成る又はチタン酸ストロンチウムを主成分とする
    上記光学レンズと、他の光学レンズとが光軸を合致させ
    て配置されて上記集光レンズが構成されていることを特
    徴とする請求項1に記載の光学ピックアップ。
  4. 【請求項4】 少なくとも光源と、該光源からの出射光
    を収束させて光スポットを形成する集光レンズとを有し
    て成る光学ピックアップを備え、 記録媒体に対して記録再生を行う光記録再生装置であっ
    て、 上記光源により、390〜450nmの範囲内の波長の
    光が出射され、 上記集光レンズが、チタン酸ストロンチウムから成る又
    はチタン酸ストロンチウムを主成分とし、上記光源から
    出射される光に対する吸収係数が2.0cm-1以下であ
    る光学レンズを含む1つ以上の光学レンズから構成され
    ていることを特徴とする光記録再生装置。
  5. 【請求項5】 上記光源がGaN半導体レーザで構成さ
    れていることを特徴とする請求項4に記載の光記録再生
    装置。
  6. 【請求項6】 対物側から順に、チタン酸ストロンチウ
    ムから成る又はチタン酸ストロンチウムを主成分とする
    上記光学レンズと、他の光学レンズとが光軸を合致させ
    て配置されて上記集光レンズが構成されていることを特
    徴とする請求項4に記載の光記録再生装置。
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