JP4365561B2 - 表示装置の排気管封止切断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、本体内が排気されている表示装置、たとえばプラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶パネル(LCD)及び陰極線管(CRT)等を排気するために本体に設けられている排気管を封止し、かつ切断する封止切断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、表示装置、たとえばPDPの排気管の封止、切断は、ガスバーナ、抵抗加熱器、赤外線照射加熱器等を用いて、人手によって行われていた。この際、PDPへの熱影響を遮断するために、断熱板がPDPに設けられていた。これは、手作業によって排気管の封止、切断を行う際、ガスバーナ、抵抗加熱器、赤外線照射加熱器に断熱板を設けた場合、排気管の加熱位置を作業者が確認しにくいからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、断熱板をPDP側に一枚一枚取り付ける工程は、非常に面倒であり、作業効率が低下していた。
【0004】
本発明は、作業効率を向上させることができる封止切断装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明による封止切断装置は、表示装置、例えばPDP、LCDまたはCRT等の本体の背面から直線状に伸延している排気管を封止切断するためのもので、画像処理手段を有している。この画像処理手段は、排気管の長さ方向に沿う第1の軸と、第1の軸と直交する第2の軸と、第1及び第2の軸に直交する第3の軸とのうち、第1及び第2の軸によって規定される面から、前記本体の少なくとも一部及び前記排気管を撮像し、前記面内における前記排気管の加熱位置を決定する。加熱位置として、例えば排気管を溶融するために加熱する溶融位置と、実際に排気管を切断するために加熱する切断位置とを設けることもできる。画像処理手段は、上記のような撮像を行う撮像手段を有し、その撮像手段からの撮像信号を処理して、加熱位置を決定する。第3の軸方向に移動して、第3の軸方向での前記排気管の加熱位置を決定する光学検出手段が設けられている。光学検出手段としては、例えば発光手段と、この発光手段からの光を受光可能に配置された受光手段とを有し、これらを第3の軸に沿って移動させることができるものとすることができる。前記排気管を挟んで位置可能な間隔を第2の軸方向に沿っておいて、前記排気管切断用の2台のガスバーナが配置されている。2台のガスバーナは、第1の軸方向に所定の幅を持っている。前記2台のガスバーナを同時に第1乃至第3の軸方向それぞれに移動可能な1つの移動手段が設けられている。この移動手段は、前記画像処理手段及び前記光学検出手段によって決定された前記排気管の加熱位置において前記排気管を挟んだ位置に前記2台のガスバーナを移動させる。前記2台のガスバーナの前記表示装置側の面に前記2台のガスバーナに跨ってかつ間に前記排気管を挟み、前記2台のガスバーナを覆うように断熱手段が設けられている。
【0006】
この封止切断装置では、画像処理手段と光学検出手段とによって、加熱位置を決定し、この加熱位置において排気管の切断を自動的に行うように構成している。従って、手作業による切断が不要であるので、加熱手段側に断熱手段を設けた結果、加熱位置が見えにくくても別段問題は生じない。よって、いちいち表示装置に断熱手段を設ける必要が無く、作業効率が向上する。
【0007】
上記の封止切断装置において、ガスバーナでの切断後に、切断位置において第2または第3の方向に沿って移動する針状センサを設けることができる。針状センサは、前記排気管が非切断時に前記排気管に接触するものである。このように針状センサを設けると、排気管が切断されていると、針状センサは何にも接触せずに移動するが、排気管が切断されていないと、針状センサが排気管に接触する。従って、排気管が切断されているか否かを正確に自動的に判定することができる。従来、排気管の切断の確認は作業員が目視によって行っていたが、この目視での作業は面倒であり、作業効率の低下を招いていた。しかし、上記のような針状センサによって自動的に切断の確認を行えるようにすると、作業効率が大きく、向上する。
【0008】
または、先に述べた封止切断装置において、断熱手段は、本体側の面と反対側の面にも設けることができる。これら2つの断熱手段の間に消火検出手段が設けられている。消火検出手段としては、感温手段、例えば熱電対を使用することができる。例えば、ガスバーナの火が消えたことを警報するために、燃えずに放出されているガスを検出し、警報するガス警報機を設けることが考えられる。しかし、上述した封止切断装置では、バーナが頻繁に移動し、一箇所に停止していることが殆ど無い。そのため、ガス警報機を固定して配置しても、充分に火が消えた(消火)の検出、警報として機能しない。その点、バーナに消火検出手段を設けると、バーナが移動しても、消火を検出することができる。しかも、両側に設けた断熱手段の間に設けているので、風除けとして断熱手段が作用し、バーナの炎が揺らぐことを防止でき、炎が消えて消火することを防止することができる上に、炎の揺らぎによって消火検出手段が焼損することも防止でき、消火検出の信頼性及び安定性を増すことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の1実施形態の封止切断装置は、図1(a)、(b)に示すような表示装置、例えばPDP2の製造工程において、排気管2aを封止切断するものである。PDP2は、扁平な直方体状の本体2bを有している。この本体2bの背面に、これから垂直に排気管2aが伸延し、本体2b内部に連通している。この排気管2aの先端にシールヘッド4が設けられている。シールヘッド4は、本体2b内を排気するためのものである。このシールヘッド4には、駆動手段、例えば流体駆動手段、具体的にはエアーシリンダ6のロッド8が結合されており、シールヘッド4を本体2bと反対側に牽引可能である。
【0010】
排気管2aの根元部分の近傍には、加熱手段、例えばガスバーナ10が配置されている。このガスバーナ10は、排気管の長さ方向、即ち、第1の軸方向、この長さ方向に直交する方向、例えば本体2bの上下方向、即ち第2の軸方向、及びこれら2つの軸方向に直交する方向、例えば本体2bの横方向、即ち第3の軸方向に、移動手段、たとえば移動装置12によって移動可能に形成されている。以後、第1の軸方向をX軸方向、第2の軸方向をY軸方向、第3の軸方向をZ軸方向と称する。移動装置12は、例えば駆動源としてサーボモータやシリンダを使用するものである。
【0011】
ガスバーナ10は、図2(b)に示すように、2つ設けられており、排気管2aを挟んで配置可能にZ軸方向に所定の間隔をおいて配置されている。これらガスバーナ10の本体2b側の面と反対側の面とには、断熱手段、例えば断熱マイカ板14が設けられている。これら断熱マイカ板14は、同図(b)に示すように、排気管2aがその内部を通過するようにY軸及びZ軸方向の面が逆U字状に形成されている。
【0012】
排気管2aの根元部分は、図1(a)において点線で囲んで示すように、同図(b)に示す撮像手段、例えばビデオカメラ16によって撮像されており、その撮像結果を図示しないマイクロコンピュータやDSPによって映像処理することによって、加熱位置、例えば排気管2bの溶融を開始させる溶融位置及び排気管2bを切断する切断位置のX軸方向の位置、Y軸方向の位置が決定される。
【0013】
また、図2(b)に示すように排気管2aの根元付近には、Z軸方向に沿って移動可能に光学検出手段、例えば光検出器18が設けられている。光検出器18は、発光手段、例えば赤外線発光ダイオードのような発光素子18aと、受光手段、例えばホトダイオードまたはホトトランジスタのような受光素子18bを含み、これらは、Y軸方向の同一直線上に発光素子18aからの光を受光素子18bが受光するように配置されている。これら発光素子18aと受光素子18bのY軸方向の位置は、排気管2aを上下から挟むように選択されている。これら光検出器18をZ軸方向に移動させることによって、受光素子18bでの受光が排気管2aによって阻止されたとき、排気管2aのZ軸方向の位置、即ち加熱位置のZ軸方向の位置が決定される。
【0014】
これら溶融位置及び切断位置のX軸、Y軸及びZ軸方向の位置が決定されると、その決定された位置で加熱が行えるように、バーナ10の位置の移動が自動的に移動装置12によって行われる。
【0015】
このようにして溶融位置及び切断位置が決定されると、溶融位置にバーナ10が移動させられる。次に、エアーシリンダ6がロッド8を本体2bとは反対側に引っ張り、シールヘッド4によって排気管2aが本体2bと反対側に引っ張られる。この引っ張りは、封止及び切断作業中、継続される。この引っ張り状態において、溶融位置にあるガスバーナ10が点火され、排気管2aの加熱を開始する。排気管2aが溶融してくると、シールヘッド4による引張りによって排気管2aの一部が細く引き伸ばされる。この引き伸ばされた状態で、切断位置にガスバーナ10が移動し、切断位置を加熱し、排気管2aを切断する。このとき、排気管2aは封止され、かつ切断されている。この後、切断位置から溶融位置までガスバーナ10が移動し、排気管2aの切断部分の形状を整える。
【0016】
この封止切断装置では、ガスバーナ10の移動が自動的に行われ、手作業によって封止切断を行う必要が無い。そのため、手作業の際には、切断位置の確認がしにくいので、断熱材を本体2b側に設けていたのに対し、自動による封止切断では、切断位置を目視によって確認する必要が無く、断熱マイカ板14をバーナー10に取り付けることができる。従って、一々本体2bに断熱マイカ板14を取り付ける作業が不要になり、作業効率を向上させることができる。
【0017】
この封止切断装置では、上記のようにして封止切断を行った際に、確実に排気管2aの切断が行われたかを確認するために確認装置が設けられている。この確認装置は、図3(a)、(b)に示すようにY軸方向に伸びた針状のセンサ20を有し、これは、X軸方向及びZ軸方向に移動可能に設けられ、例えばエアーシリンダまたはサーボーモータのような駆動手段によってX軸方向及びZ軸方向に移動させられる。排気管2aにおいて切断位置のX軸方向の位置は、ガスバーナ10の位置制御によって確認できているので、そのX軸方向の位置に針状センサ20を移動させた後、Z軸方向に沿って排気管2aに向かって、排気管2aを横切ることが可能な距離まで移動させる。切断が完全に行われていると、この移動の間に、針状センサ20は全く何にも接触しない。しかし、切断が完全に行われていないと、この移動の間に針状センサ20は排気管2aに接触する。この針状センサ20の接触によって、例えばマイクロスイッチ等を作動させることによって、切断が完全に行われているか否かを自動的に検出することができる。従来、このような切断の確認は、作業員による目視によって行われていたので、自動的な確認によって作業効率が向上する。
【0018】
また、この封止切断装置には、図2(a)、(b)に示すように、消火検出手段、例えば感温素子、具体的には、熱電対22が取り付けられている。この熱電対22は、2つのバーナ10のうち一方に接して、2つの断熱マイカ板14の間に位置するように、配置されている。例えばガスバーナ10が非点火上における温度と点火状態における温度とを予めこの熱電対22によって測定しておいて、これら温度に基づいて、炎が消えて、ガスバーナー10が消火していると目される温度を決定し、ガスバーナ10の点火中に、この温度よりも熱電対22によって測定された温度が低下したと、熱電対22によって測定された温度が入力される制御手段(図示せず)が判断したとき、ガスバーナ10が消火していると判断し、警報装置を作動させるか、あるいはガスバーナ10へのガスの供給を自動的に停止する。これによって、ガス漏れ等による事故を未然に防ぐことができるし、作業員が常に炎が消えていないか確認する手間も不要になる。しかも、この熱電対22が取り付けられているガスバーナ10は2つの断熱マイカ板14によって囲われており、これら断熱マイカ板14が風除けとしても機能し、バーナ10の炎が風によって消えることを防止している。
【0019】
上記の実施の形態では、加熱手段として、バーナ10を使用したが、これに代えて、例えば図4(a)に示すように、抵抗加熱器10aを使用したり、同図(b)に示すように赤外線ランプ10bからの光を赤外線導入ロッド10cを介して排気管2aに照射する赤外線照射加熱器10dを使用することもできる。この場合、バーナ10のように炎が生じないので、断熱マイカ板14は本体2側のみに設ける。また、上記の実施の形態では、針状センサ20をY軸方向に沿って配置し、Z軸方向に移動させたが、逆にZ軸方向に沿って配置し、Y軸方向に移動させることも可能である。上記の実施の形態では、表示装置として、プラズマディスプレイパネルを使用したが、これに限ったものではなく、例えばLCDやCRTを使用することもできる。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、加熱手段を自動的に制御するように構成しているので、断熱手段を加熱手段側に設けることができ、断熱手段を一々表示装置に設ける必要がなく、作業効率を向上させることができる。さらに、針状のセンサを設けて、切断が確実に行われているか否かを自動的に検出することができるので、切断完了を目視で確認する必要がなく、更に作業効率を向上させることができる。また、消火検出手段がバーナからなる加熱手段に設けられているので、バーナの炎が消えているか否かを自動的に検出することができる上に、この消火検出手段が設けられているバーナには、その両側に断熱手段が設けられているので、断熱手段が風除けとして機能し、炎が消えるのを極力防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態のよる封止切断装置の正面図及び側面図である。
【図2】図1の封止切断装置のバーナが排気管を加熱している状態の部分正面図及び側面図である。
【図3】図示の封止切断装置による切断後の封止切断装置の正面図及び側面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態の部分省略正面図である。
【符号の説明】
2 表示装置
2a 排気管
2b 本体
10 バーナ(加熱手段)
14 断熱マイカ板(断熱手段)
16 撮像装置(映像処理手段)
18 光学検出器(光学検出手段)

Claims (3)

  1. 表示装置の本体の背面から直線状に伸延している排気管の方向に沿う第1の軸と、第1の軸と直交する第2の軸と、第1及び第2の軸に直交する第3の軸とのうち、第1及び第2の軸によって規定される面から、前記本体の少なくとも一部及び前記排気管を撮像し、前記面内における前記排気管の加熱位置を決定する画像処理手段と、
    第3の軸方向に移動して、第3の軸方向での前記排気管の加熱位置を決定する光学検出手段と、
    前記排気管を挟んで位置可能な間隔を第2の軸方向に沿っておいて配置され、第1の軸方向に所定の幅を持つ前記排気管切断用の2台のガスバーナと、
    前記2台のガスバーナを同時に第1乃至第3の軸方向それぞれに移動可能であって、前記画像処理手段及び前記光学検出手段によって決定された前記排気管の加熱位置において前記排気管を挟んだ位置に前記2台のガスバーナを移動させる1つの移動手段と、
    前記2台のガスバーナの前記表示装置側の面に前記2台のガスバーナに跨ってかつ間に前記排気管を挟み、前記2台のガスバーナを覆うように設けられた断熱手段とを、
    具備する表示装置の排気管封止切断装置。
  2. 請求項1記載の表示装置の排気管封止切断装置において、前記ガスバーナによる前記排気管の切断後に、前記加熱位置において第2または第3の軸の方向に沿って移動する針状センサが設けられ、前記針状センサは、前記排気管が非切断時に前記排気管に接触する表示装置の排気管封止切断装置。
  3. 請求項1記載の表示装置の排気管封止切断装置において、前記断熱手段は、前記本体側の面と反対側の面にも設けられており、これら2つの断熱手段の間に消火検出手段が設けられている表示装置の排気管封止切断装置。
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