JP4362856B2 - 放電灯点灯装置および照明装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、スイッチング装置を主として構成される電子式の点灯装置にて放電灯を点灯する放電灯点灯装置および照明装置に関する。
【従来の技術】
従来、この種装置として特開平8−236287号公報のものが提案されている。このものは、互いに直列的に接続された一対の電圧駆動形のスイッチング装置を交互にオンオフし、これらスイッチング装置にて得られたスイッチング出力で放電灯を高周波点灯しようとするものである。
【0002】
この従来技術においては、放電灯と直列に設けられた変流器に二次巻線を設け、二次巻線の出力電圧によって一対のスイッチング装置を交互にオンオフさせるようになっている。そして、二次巻線による電圧が電圧駆動形のスイッチング装置の制御極および主極間に過大な駆動電圧が印加しないよう一定化するために、それぞれのスイッチング装置に対して定電圧素子が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
放電灯たとえば熱陰極形のけい光ランプは、低温時、調光点灯時のようなランプ電流低減時には、発光が縞状になるストライエーションと称される現象を呈するという問題がある。上記特開平8−236287号公報のものは、このストライエーションの問題を解決するための構成を示していないし、結果的に解決できるものでもない。
【0004】
一方、ストライエーションの問題を解決するための手段として、ランプ電流の正負の波形、ランプ電流の正負の値を異ならせることが有効であることが知られている(たとえば、特公平2−11995号公報)。
【0005】
しかしながら、従来においては、ランプ電流の正負の波形、値を異ならせるために、多くの場合、格別な部品を要するため、装置全体が高価格化、大形化する要因になる。
【0006】
本発明は、格別な部品の追加をなくすか最少に抑えて、装置全体を高価格化、大形化することなくストライエーションの問題を解決可能な放電灯点灯装置および照明装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の放電灯点灯装置は、直流電源装置と;直流電源装置の出力端間に互いに直列的に設けられ、それぞれのゲート及びソースが互いに接続されて交互にオンオフするN形およびP形の相補形の電界効果トランジスタと;電界効果トランジスタのスイッチング出力に基づき交流電圧を放電灯に供給する負荷回路と;負荷回路に設けられ、負荷回路の交流成分の一部を帰還して各電界効果トランジスタをオンオフ制御する帰還巻線と;前記相補形の電界効果トランジスタのゲート・ソース間に互いに逆向きに直列接続されて設けられ、それぞれ電圧値が異なる一対の定電圧素子と;を具備しており、正負のランプ電流波形または正負のランプ電流値が異なる交流電圧を放電灯に供給し、放電灯のストライエーションを抑止することを特徴とする。
【0008】
本発明および以下の発明において、特に限定しない限り、各構成、用語等はつぎのように定義される。
【0009】
負荷回路は、放電灯に電力を供給して点灯するもので、必要に応じて放電灯を安定点灯するための限流インピーダンス素子、フィラメント予熱回路等を含むものである。このような負荷回路自体は各種のものが周知であり、また、当業者が適宜構成し得るものであるから、本発明においては、これらのものを適宜採用し得る。
【0010】
帰還巻線は、各スイッチング装置に対して共通であっても、格別に設けられたものであってもよい。
【0011】
定電圧素子は、代表的にはツェナーダイオードであるが、バリスタ等他の素子を用いることも可能である。定電圧素子の定電圧値は、スイッチング装置がオンできる程度に選定される。そして、各スイッチング装置に対応する定電圧素子の電圧値が異なる程度は、スイッチング装置の制御極・主極間に印加される駆動電圧が異なることによって、各スイッチング装置のオン期間が異なる程度を要する。たとえば、同種で同定格のスイッチング装置の場合、制御極・主極間に印加する電圧の比を1:1.1以上、好ましくは1:1.5以上とする。なお、定電圧素子にインピーダンス素子を付加してもよい。また、各スイッチング装置に対応して設けられとは、それぞれの駆動電圧を一定化できることを意味し、回路接続的に対応しているか否かは問わない。
【0012】
なお、放電灯としては、熱陰極形のけい光ランプ、冷陰極形のけい光ランプ、希ガス放電灯等ストライエーションの現象を呈する可能性のあるものが本発明の対象となる。
【0013】
また、相補形の電界効果トランジスタのスイッチング周波数は特に限定されないが、可聴周波数以上であり、かつ、発光効率を高められるという点で、20KHz以上が好ましい。
【0014】
請求項1記載の発明は、帰還巻線の出力を相補形の電界効果トランジスタに駆動電圧として印加し、相補形の電界効果トランジスタを交互にオンオフする。定電圧素子は、各スイッチング装置に印加される駆動電圧を略一定値に抑える。そして、各定電圧素子の電圧値が異なることにより、各スイッチング装置のオン期間が異なるようになり、放電灯に正負の波形が異なるランプ電流を流すことが可能になる。
【0015】
すなわち、帰還巻線が変流器の場合、定電圧素子は変流器の負荷ともなるから、各定電圧素子の電圧値が異なることにより、変流器の相補形の電界効果トランジスタに対応した極性時の(負荷電圧値)×(負荷電流値)は異なることになる。変流器の飽和時間は、自己の(負荷電圧値)×(負荷電流値)に依存するから、相補形の電界効果トランジスタに応じて飽和時間が変化する。これにより、相補形の電界効果トランジスタのオン期間が異なるようになり、放電灯に正負で波形の異なる電流を流すことが可能になる。
【0016】
また、帰還巻線が変圧器の場合、相補形の電界効果トランジスタの駆動電圧(ゲート・ソース間電圧)が異なることによって、電界効果トランジスタの特性上各スイッチング装置のオン抵抗が異なり、ドレイン電流が異なる。このため、一対のスイッチング装置で同じ電流(実効値)を流すにはオン期間が異なることになる。もって、ランプ電流の正負の波形が異なるようになる。
【0017】
一対の定電圧素子は、相補形の電界効果トランジスタに過大な駆動電圧が印加しないように設けられる。
【0018】
一対の定電圧素子は、それぞれ電圧値が異なるが、相補形の電界効果トランジスタに印加される駆動電圧を一定化するように設けられる。
【0019】
共振回路は直列共振回路、並列共振回路のいずれでもよく、スイッチング装置の接続構成に応じて適宜構成可能である。
【0020】
相補形の電界効果トランジスタは、直流電源装置の出力端間に互いに直列的に設けられている。
【0021】
本発明において、直列的に設けられとは、直接直列接続されている場合および中間に他の部品を介して直列接続されている場合の両方を含むことを意味する。並列的も同様に定義される。
【0022】
相補形の電界効果トランジスタは、N形およびP形の相補形の電界効果トランジスタからなる。
【0023】
相補形の電界効果トランジスタは、帰還巻線の出力によってを交互にオンオフするように作用する。
【0024】
請求項2記載の照明装置は、照明器具本体と;請求項1記載の放電灯点灯装置と;放電灯点灯装置により点灯される放電灯と;を具備していることを特徴とする。
【0025】
請求項2の発明において、照明器具本体は屋内用、屋外用を問わないし、一般照明用の他、表示用、OA機器用等であってもよい。また、反射体や遮光体等の制光体を有していてもいなくてもよいし、電球形のものであってもよい。さらに、放電灯点灯装置は、照明器具本体に収納されていてもいなくてもよい。
【0026】
請求項2の発明は、請求項1の発明と同様な作用の照明装置となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の一実施形態を説明する。
【0028】
図1は本発明の一実施形態を示す回路図、図2は図1の実施形態の作用を示す電流波形図である。1は直流電源装置である。この直流電源装置1は、交流電源2に接続される電流フューズ、この電流フューズ3を介して交流電源3に接続される高周波カットフィルタ4を有する。また、高周波カットフィルタ4を介して交流電圧を入力される整流装置5、この整流装置5の出力端間に設けられた平滑コンデンサ6、限流用の抵抗7を有する。
【0029】
8、9は互いに直列的に接続された一対の電圧駆動形のスイッチング装置であり、本実施形態では電界効果トランジスタである。スイッチング装置8はN形であり、スイッチング装置9はP形であって、それぞれのソース同志が接続されている。また、各スイッチング装置8、9のゲートも互いに接続されている。スイッチング装置9のソース・ドレインには、コンデンサ10と抵抗11とがそれぞれ並列接続されている。
【0030】
12は負荷回路である。この負荷回路12は、スイッチング装置9に対して並列的に設けられており、帰還手段13としての変流器の入力巻線13a、限流用のインダクタ14、直流カットコンデンサ15、けい光ランプである放電灯16および放電灯16のフィラメント加熱用コンデンサ17を含んでいる。本実施形態の負荷回路12は、前記限流用のインダクタ14およびフィラメント加熱用コンデンサ17が直列共振するように定数設定されており、したがって、共振電圧を放電灯16に印加する。放電灯16の点灯前と点灯後とでは、放電灯16の抵抗成分の有無に応じて共振特性が変化する。放電灯16の点灯前の方が、共振の尖鋭度は大きくなるように設計されている。
【0031】
前記帰還手段13には1つの出力巻線13bが設けられており、この出力巻線13bの出力は前記各スイッチング装置8、9のゲート・ソース間に印加されるようになっている。
【0032】
また、各スイッチング装置8、9のゲート・ソース間に対しては、定電圧素子18、19および限流および電圧調整用の抵抗20の直列回路が並列に接続されている。ここで、定電圧素子18、19の電圧値は異なっている。たとえば、定電圧素子18の電圧値:定電圧素子19の電圧値を1:1.5としている。なお、抵抗20は場合によっては省略可能である。
【0033】
抵抗21、22は前記抵抗11とともに始動回路を構成するものである。なお、抵抗22は、出力巻線13aの両出力端間に各スイッチング装置8、9のゲート・ソースとともに直列的に設けられている。したがって、本実施形態においては、前記帰還手段13、抵抗20および抵抗22にて駆動回路を形成している。
【0034】
つぎに、本実施形態の作用を説明する。図示しないスイッチにより交流電源2が投入されると、直流電源装置1は、平滑コンデンサ6の両端に所定の直流電圧を発生する。平滑コンデンサ2の両端電圧が十分立上がる過程または十分立上がった後において、抵抗21、22、11、出力巻線13bの閉回路に直流電源装置1の出力電圧が印加される。これにより、実質抵抗22の両端電圧が各スイッチング装置8、9のゲート・ソース間に印加し、順方向となるN形のスイッチング装置8のスレッシュホールド電圧に達すると、スイッチング装置8がオンする。
【0035】
スイッチング装置8がオンすると、直流電源装置1からスイッチング装置8のドレイン・ソースを介して、負荷回路12に電流が流れる。そして、負荷回路12に流れる電流は、限流用のインダクタ14およびフィラメント加熱用のコンデンサ17により共振電流となる。また、負荷回路12に流れる電流により帰還手段13の出力巻線13bに出力を発生し、スイッチング装置8をオンバイアスし、スイッチング装置9を逆バイアスする。この期間において、スイッチング装置8のゲート・ソース間には略{(抵抗22の両端電圧)+(定電圧素子18の電圧値)+(定電圧素子19の順方向降下電圧)+(抵抗20の両端電圧)}が印加される。定電圧素子18の電圧値は定電圧素子19の電圧値より小さい。したがって、帰還手段13の(負荷電圧)×(負荷電流)に依存する飽和時間は相対的に長いから、スイッチング装置8のオン期間は後述するスイッチング装置9のオン期間より相対的に長くなる(第2図(a))。
【0036】
帰還手段13が飽和すると、出力巻線13aの出力は無くなり、ついで、逆向きの出力を発生する。したがって、スイッチング装置8がオフし、スイッチング装置9がオンする。スイッチング装置9がオンすると、負荷回路12にはスイッチング装置9を介して前回とは逆向きの共振電流が流れる。この期間において、スイッチング装置9のゲート・ソース間には略{(抵抗20の両端電圧)+(定電圧素子19の電圧値)+(定電圧素子18の順方向降下電圧)+(抵抗22の両端電圧)}が印加される。定電圧素子19の電圧値は定電圧素子18の電圧値より大きい。したがって、変流器13の(負荷電圧)×(負荷電流)に依存する飽和時間は相対的に短くなり、スイッチング装置9のオン期間を前記スイッチング装置8のオン期間より相対的に短くする(第2図(b))。
【0037】
以後、スイッチング装置8、9は異なるオン期間で交互にオンし、これに応じて負荷回路12は放電灯16に高周波電圧を供給する。放電灯16は、フィラメントを予熱された後、始動、点灯する。点灯状態において、スイッチング装置8、9が異なるオン期間で交互にオンすることにより、ランプ電流の正負の波形が異なる(第2図(c))から、放電灯16は低温時であってもストライエーションを呈することなく点灯する。
【0038】
また、本実施形態は、N形、P形のスイッチング装置を組合わせて用いることにより、帰還手段13の出力巻線13bを1個にできるので、装置全体の一層の小形化を図れる。
【0039】
そして、一般に、P形のスイッチング装置は、N形のスイッチング装置に比して電気特性が劣ることが知られている。本実施形態は、この点を考慮してスイッチング装置9にP形のスイチング装置を用いている。すなわち、相対的に駆動電圧が大きくなる方にP形を用いているから、スイッチング装置9におけるスイッチングロスを増大して発熱量が増大することを抑止できる。
【0040】
また、スイッチング装置の発熱量は、各スイッチング装置間で異なることがある。したがって、装置を配線板に実装する場合、相対的に発熱量の少ない部品を他の発熱部品に相対的に接近させて配設することが可能である。
【0041】
つぎに、本発明の第2の実施形態を説明する。
【0042】
図3は本発明の第2の実施形態を示す回路図である。図1の実施形態と同一または対応する部分には同じ符号を付して説明を省略する。本実施形態において、帰還手段30は、限流用および共振用のインダクタである。すなわち、帰還手段30は、入力巻線30aおよび出力巻線30bを有している。
【0043】
また、定電圧素子18、19および抵抗20の直列回路と並列にコンデンサ31、32の直列回路が接続されている。そして、前記出力巻線30bの一端がインダクタ33を介して、コンデンサ31、32の中間に接続されている。インダクタ33およびコンデンサ32は直列共振を行う関係に設定されており、これにより、帰還手段30の出力巻線30bの出力電圧の低減化を図っている。コンデンサ31は、高周波パス(直流カット)用である。
【0044】
本実施形態の作用を説明する。定電圧素子18、19の電圧値が異なることにより、スイッチング装置8の駆動電圧が相対的に小さく、スイッチング装置9の駆動電圧が相対的に大きい。したがって、オン抵抗の差が生じ、スイッチング装置8のドレイン電流は相対的に小さく、スイッチング装置9のドレイン電流は相対的に大きくなる。このため、負荷回路12内に流れる電流の実効値が正負で同じあると、スイッチング装置8のオン期間がスイッチング装置9のオン期間より長くなる。これにより、負荷回路12内に流れる電流すなわちランプ電流の波形は正負で異なるものになる。
【0045】
本実施形態は、帰還手段として変流器を用いるのではなく、限流用のインダクタを利用するから、部品数を減らして、一層小形、低価格化を図れる。また、本実施形態においても、オン抵抗が相対的に小さくなる方にP形のスイッチング装置を用いているから、図1の実施形態と同様の効果を得られる。
【0046】
つぎに、本発明の第3の実施形態を説明する。図4は本発明の第3の実施形態を示す回路図である。本実施形態における一対のスイッチング装置40、41は、N形の電界効果トランジスタで、直流電源装置1に対し出力トランス42の入力巻線42aを介して並列的に接続されていて、いわゆる定電流形のプッシュプルインバータを構成している。各スイッチング装置40、41のソースはそれぞれ共通接続されている。出力トランス42は負荷回路43の一部を構成する絶縁形でかつリーケージ形で、前記入力巻線42a、出力巻線42b、フィラメント巻線42c、42cおよび帰還手段42dとしての帰還巻線を有している。入力巻線42aには出力トランス42のインダクタンス成分と並列共振するタンクコンデンサ44が並列接続されている。また、出力巻線42b、フィラメント巻線42c、42cには、放電灯17が接続されている。
【0047】
帰還手段42dの一対の出力端は各スイッチング装置40、41のゲートに接続されている。また、帰還手段42dの両出力端間には、電圧値が異なる定電圧素子45、46の直列回路が接続されている。したがって、スイッチング装置40のゲート・ソース間には主として定電圧素子45にて決定される駆動電圧が印加され、スイッチング装置41のゲート・ソース間には主として定電圧素子46にて決定される駆動電圧が印加される。
【0048】
47は、定電流用のインダクタで、インバータへの入力電流を電流保持機能によりフラット化するものである。48、49は始動回路を構成する抵抗である。
【0049】
つぎに、本実施形態の作用を説明する。図示しないスイッチにより電源が投入されると、始動回路によりいずれか一方のスイッチング装置40、41が特性の差によりオンする。今、スイッチング装置40がオンしたとすると、直流電源装置1から入力巻線42aの上半部、スイッチング装置40、インダクタ47、直流電源装置1の経路で電流が流れる。これにより、帰還手段42dに電圧が発生し、スイッチング装置40をオンバイアスするからスイッチング装置40はオンを継続する。そして、並列共振電圧の極性が反転する時点で帰還手段42dの電圧極性も反転するから、スイッチング装置40はオフし、スイッチング装置41がオンする。これにより、今度は直流電源装置1から入力巻線42aの下半部、スイッチング装置41、インダクタ47、直流電源装置1の経路で電流が流れる。そして、逆極性の共振電圧が発生し、この共振電圧の極性が反転する時点で再度スイッチング装置40がオンし、スイッチング装置41がオフする。
【0050】
以後、上記動作を繰り返すが、定電圧素子45、46の電圧値が異なるので、各スイッチング装置40、41の駆動電圧も異なる。したがって、第2の実施形態(図3)で説明したように、ドレイン電流に差が生じ同じ共振エネルギを流入するために要する時間が異なる。このため、オン期間が異なり、放電灯17のランプ電流の正負の波形が異なる。
【0051】
また、本実施形態においては、各構成の定数設定によっては、オン期間は略同等ないしは差が小さいが、ドレイン電流の差により共振エネルギに差が生じ、その結果、ランプ電流の正負の値を異ならせることもできる。この場合も放電灯17のストライエーション抑止には有効である。
【0052】
本発明の第4の実施形態を説明する。図5は本発明の第4の実施形態を示す部分回路図である。図5の省略部分はこれまで説明してきた実施形態のものを使用できるし、他の構成も適宜使用できる。本実施形態は、第1の実施形態と同様に帰還手段50として変流器を用いるものである。スイッチング装置51、52はそれぞれN形の電界効果トランジスタであって、互いに直列的に接続されている。また、前記帰還手段50は、入力巻線50aおよび出力巻線50b、50cを有し、入力巻線50aを負荷回路53に介挿し、出力巻線50b、50cを対応するスイッチング装置51、52のゲート・ソースに接続している。
【0053】
一方の出力巻線50cの出力端間に一対の定電圧素子54、55の直列回路を接続している。各定電圧素子54、55の電圧値はそれぞれ異なる値のものが選ばれている。
【0054】
本実施形態の作用は、これまでの説明から容易に理解されるので説明を省略する。なお、一対の定電圧素子は、各出力巻線それぞれに対応して設けてもよい。この場合、対応するスイッチング装置にとって逆バイアスとなる極性の電圧に作用する定電圧素子を、ダイオード、抵抗等の素子に変更してもよい。
【0055】
また、本実施形態のように、同形のスイッチング装置(たとえばN形)を用いる場合、駆動電圧が相対的に大きく設定される方のスイッチング装置は、相対的に電力損失が小さく発熱量が少ない。したがって、装置を配線板に実装する場合、相対的に発熱量の少ない部品を他の発熱部品に相対的に接近させて配設することが可能である。
【0056】
本発明の第5の実施形態を説明する。図6は本発明の第5の実施形態を示す回路図である。本実施形態においても、これまでに説明した実施形態と同一または対応する部分には同じ符号を付して説明を省略する。本実施形態における直流電源装置1‘の限流用の抵抗7’は交流側に設けられている。また、本実施形態のスイッチング装置61、62はそれぞれN形の電界効果トランジスタであり、負荷回路63は図1の実施形態と同様な可飽和形の変流器からなる帰還手段64を有している。そして、帰還手段64は共通の入力巻線64aに対して一対の出力巻線64b、64cを設けている。
【0057】
各出力巻線64b、64cの両端は、スイッチング装置61、62のゲート・ソースに接続され、各出力巻線64b、64cの両端間にはそれぞれ定電圧素子65、66、67、68が接続されている。定電圧素子65と67との定電圧の値は、1:1.1以上に設定されている。定電圧素子66と68との定電圧の値は等しくても異なっていてもよいが、種類を増加させない点で等しい方が好ましい。
【0058】
抵抗69、コンデンサ70、71、トリガ素子72は始動回路を構成し、抵抗73およびコンデンサ74はスナバ回路を形成している。また、ダイオード75および抵抗76はコンデンサ70の放電用の抵抗である。
【0059】
本実施形態においても、スイッチング装置61、62のゲート・ソース間電圧が異なるから、放電灯16のランプ電流の正負波形を異ならせ、ストライエーションを防止できる。
【0060】
本発明の照明装置の一実施形態を説明する。図7は本発明の照明装置の一実施形態を示す一部断面正面図である。本実施形態は、いわゆる電球形けい光ランプに適用したものである。80は照明器具本体であり、口金部81、ベース部82およびカバー83を有する。84は放電灯で、鞍形に折曲形成されており、それぞれフィラメント84aを有する端部を仕切り板85に設けられた筒部85aに接着剤86等により保持されている。
【0061】
87は放電灯点灯装置で、配線基板88に電子部品89を装着して構成されており、前記仕切り板85に支持されている。90は放電灯84の折曲側先端部91を仕切り板85に耐衝撃性を持たせて保持するためのシリコーン等の保持部材である。
【0062】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、相補形の電界効果トランジスタの駆動電圧を一定化するために相補形の電界効果トランジスタのゲート・ソース間に互いに直列接続されて設けられた一対の定電圧素子の電圧値を異ならせることにより、放電灯のランプ電流の正負の波形を異ならせるか、正負の電流値を異ならせるか、または、両方を異ならせることができ、これによって放電灯のストライエーションの問題を解消または低減できる。しかも、電界効果トランジスタに普通用いられている駆動電圧一定化用の定電圧素子を利用するので、装置を小形、安価に提供できる。
【0063】
請求項2記載の発明は、請求項1の発明と同様な効果を奏する照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す回路図
【図2】本発明の一実施形態の作用を示す電流波形図
【図3】本発明の第2の実施形態を示す回路図
【図4】本発明の第3の実施形態を示す回路図
【図5】本発明の第4の実施形態を示す回路図
【図6】本発明の第5の実施形態を示す回路図
【図7】本発明の照明装置の一実施形態を示す一部断面正面図
【符号の説明】
1…直流電源装置、8、9…スイッチング装置、12…負荷回路、13…帰還手段、16…放電灯、18、19…定電圧素子。
Claims (2)
- 直流電源装置と;
直流電源装置の出力端間に互いに直列的に設けられ、それぞれのゲート及びソースが互いに接続されて交互にオンオフするN形およびP形の相補形の電界効果トランジスタと;
電界効果トランジスタのスイッチング出力に基づき交流電圧を放電灯に供給する負荷回路と;
負荷回路に設けられ、負荷回路の交流成分の一部を帰還して各電界効果トランジスタをオンオフ制御する帰還巻線と;
前記相補形の電界効果トランジスタのゲート・ソース間に互いに逆向きに直列接続されて設けられ、それぞれ電圧値が異なる一対の定電圧素子と;
を具備しており、正負のランプ電流波形または正負のランプ電流値が異なる交流電圧を放電灯に供給し、放電灯のストライエーションを抑止することを特徴とする放電灯点灯装置。 - 照明器具本体と;
請求項1記載の放電灯点灯装置と;
放電灯点灯装置により点灯される放電灯と;
を具備していることを特徴とする照明装置。
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