JP4361834B2 - チタン材 - Google Patents

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Description

本発明は、チタン材に関する技術分野に属し、特には、化学プラントや海水淡水化プラントなどの水素吸収による脆性破壊が問題となっている環境で熱交換器管や配管などとして使用されるチタン材に関する技術分野に属するものである。
チタン合金は海水などの塩化物環境をはじめ様々な環境において優れた耐食性を有することから、化学プラントや海水淡水化プラントなどでの需要が多くなっている。
しかし、チタンと水素との親和力が大きいことに起因して、使用環境によってはチタン合金は多量の水素を吸収する。例えば、海水淡水化プラントの熱交換器チューブにチタン合金を用いた場合には、チタン合金と接触する鋼材の防食のために電気防食(カソード防食)が施されるため、チタン合金の電極電位が水素発生電位以下となって、発生した水素がチタン合金に吸収される。その他、チタン合金が水素を吸収し易い環境としては、非酸化性の酸溶液環境、石油精製プラントなどの硫化水素雰囲気、発電プラントのタービンブレードなどの高温水蒸気雰囲気、化学プラントなどの高温水素ガス雰囲気などが挙げられる。
チタン合金が水素を吸収すると脆い水素化物が母材中に形成されるが、このような水素化物形成が多くなると、設計応力以下のわずかな外力が作用しただけでも破壊する。つまり、水素脆化割れが発生する。
このような水素吸収に伴う脆化の問題から、上記のような水素吸収が起こり得る環境では構造部材としてのチタン合金の使用は敬遠されている。
チタンの水素吸収に起因した脆化防止に関する従来技術としては、日本海水学会,第44巻,第3号(非特許文献1)や防食技術,第28巻,(1979)p.490(非特許文献2)に示されているようにチタン合金の大気酸化処理による水素吸収抑制法が知られている。大気酸化処理により形成された表面の酸化皮膜が水素の拡散障壁として作用し、環境から材料中への水素の侵入が抑制される。
また、特許第2824174 号公報(特許文献1)や特開平7-3364号公報(特許文献2)にあるように、炭化チタン、窒化チタンもしくは炭窒化チタンの被覆面積を1.0 %以下とする技術が公知である。チタンは圧延や焼鈍等の製造工程において炭化チタン、窒化チタンもしくは炭窒化チタンが不可避的に表面に形成される。特許第2824174 号公報に記載された技術は、チタンの水素吸収速度を増大させる炭窒化チタンの量を少なくして、水素吸収を抑制する技術である。なお、耐水素吸収性に優れたチタン合金が特開2003-129152 号公報(特許文献3)に開示されている。
日本海水学会,第44巻,第3号 防食技術,第28巻,(1979)p.490 特許第2824174号公報 特開平7−3364号公報 特開2003−129152号公報
大気酸化処理により水素の拡散障壁として作用する酸化皮膜を表面に形成させることで、チタンの水素吸収はある程度抑制できる。しかしながら、構造部材として実用する場合には、施工時などに他材との接触や衝突などを避けることは非常に困難であるため、形成した大気酸化皮膜の傷付きや剥離が生じる。このような傷付き・剥離部分では水素の侵入が容易となるため、実験室において理想的に作製した大気酸化皮膜を有するチタンに比較して、実用上の大気酸化処理の水素吸収抑制効果は小さいという問題があった。
また、炭窒化チタンの表面被覆量を少なくすることによっても、チタンの水素吸収はある程度抑制できる。しかしながら、チタン自体が水素の親和力が大きいため、水素吸収に悪影響をもたらす表面の炭窒化量を少なくしたとしても、その水素吸収抑制効果は不十分である。また、チタンは炭素や窒素との親和力も大きいことから、製造工程で形成された表面の炭窒化チタンを除去した後に、さらに炭窒化チタンが不可避的に形成されて水素吸収量を増大させる場合もある。
本発明はこのような事情に着目してなされたものであって、その目的は、上記従来技術では水素吸収が起こり得る環境においても、水素吸収が起こり難くて耐水素吸収性に優れ、ひいては水素脆化が起こり難くて耐水素脆化特性に優れたチタン材を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意研究を行なった結果、本発明を完成するに至った。本発明によれば上記目的を達成することができる。
このようにして完成され上記目的を達成することができた本発明は、チタン材に係わり、請求項1〜4記載のチタン材(第1〜4発明に係るチタン材)であり、それは次のような構成としたものである。
即ち、請求項1記載のチタン材は、純チタンまたはチタン合金の表面にチタン水素化物含有層を形成させたチタン材であって、前記チタン水素化物含有層の厚みが0.1 〜80μm であると共に、前記チタン水素化物含有層中のチタン水素化物の濃度が10〜50%であることを特徴とするチタン材である〔第1発明〕。
請求項2記載のチタン材は、純チタンまたはチタン合金の表面にチタン水素化物含有層を形成させたチタン材であって、前記チタン水素化物含有層の厚みが0.1 〜80μm であると共に、前記チタン水素化物含有層の硬さがビッカース硬度でHv250 〜500 であることを特徴とするチタン材である〔第2発明〕。
請求項3記載のチタン材は、前記チタン合金がAl:0.5 〜3.0 mass%を含有する請求項1又は2記載のチタン材である〔第3発明〕。
更に、請求項4記載のチタン材は、前記チタン合金がRu、Rh、Pd、Os、Ir、Ptの1種以上を合計で0.01〜0.2 mass%含有する請求項1〜3のいずれかに記載のチタン材である〔第4発明〕。
本発明に係るチタン材は、従来技術のものでは水素吸収が起こり得る環境においても、水素吸収が起こり難くて耐水素吸収性に優れ、ひいては水素脆化が起こり難くて耐水素脆化特性に優れている。このため、水素吸収による脆性破壊が問題となっている環境で用いられる熱交換器管や配管などの構成部材等として好適に用いることができ、その耐水素脆化特性の向上による耐久性の向上がはかれるようになるという効果を奏する。
本発明において、チタン水素化物含有層とは、チタン水素化物(チタンの水素化物)を含有する層のことである。このチタン水素化物としては、TiH あるいはTiH2などがある。チタン水素化物含有層(以下、水素化物層ともいう)は、チタン水素化物(以下、Ti-Hともいう)としてTiH のみを含有する場合も、TiH2のみを含有する場合も、TiH 及びTiH2を含有する場合もある。
チタン水素化物含有層の模式図を図1に示す。図1において、素地は純チタンまたはチタン合金の部分(チタン部)のことである。素地(チタン部)の表面に水素化物層(チタン水素化物含有層)が形成されている。図1(A) の場合には、素地の表面に水素化物層のみがあるが、図1(B) の場合には、更に水素化物層の上にチタン酸化皮膜が形成されている。本発明において、図1(A) のような場合が含まれるだけでなく、図1(B) のような場合も含まれる。即ち、純チタンまたはチタン合金(以下、チタンともいう)の表面にチタン水素化物含有層を形成させたチタン材は、チタン(純チタンまたはチタン合金)の表面にチタン水素化物含有層を形成させていればよく、このチタン水素化物含有層の上にチタン酸化皮膜が形成されているものが除外されるものではなく、それも含まれる。
本発明者らは、前述の目的を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、チタン(純チタンやチタン合金)に水素吸収処理を行った場合には、表面から散在的にチタン水素化物(TiH あるいはTiH2)が形成され、特定の水素化物形成状態に達した場合には、それ以上は水素吸収がほとんど起こらなくなることを見いだした。このような効果は、表層部分に形成された水素化物層(チタン水素化物含有層)が環境から侵入する水素の拡散障壁となり、水素吸収を抑制することが主要因である。このように水素化物層は水素拡散障壁作用を有する。
このとき、水素化物層(チタン水素化物含有層)の厚さは、0.1 〜80μm であることが必要である。この理由は、水素化物層の厚さが0.1 μm を下回ると、水素化物層の拡散障壁作用が不十分であり、水素は材料内部へ容易に侵入し、チタンを脆化させるからである。また、水素化物層の厚さが80μm を越えると、成形加工時に表面にひび割れが生成して、加工性を害する。化学プラントや海水淡水化プラントなどのチューブ形状での使用を考慮すると、成形加工性が低下すると実用的ではない。かかる点から、水素化物層の厚さは0.1 〜50μm であることが望ましく、更には0.1 〜10μm であることが望ましい。
水素化物層(チタン水素化物含有層)の水素拡散障壁作用は、水素化物層中のチタン水素化物(Ti-H)中の水素拡散がチタンの場合よりも非常に遅いことに起因して得られるものである。水素化物層中の水素化物濃度が10%を下回ると、水素化物層の十分な水素拡散障壁作用が得られず、水素吸収特性の向上が認められない。また、チタン水素化物濃度が50%を越えると、表層部分が脆くなり、成形加工時の表面割れ発生が顕著になり、成形加工性が悪くなる。このような理由から、水素化物層の濃度は、10〜50%であることが必要である。好ましくは、20〜50%である。
また、本発明者らは、水素化物層(チタン水素化物含有層)の水素拡散障壁作用はその層の硬さにも大きく依存することを見出した。水素化物層の硬さは水素化物濃度とチタン水素化物の分散状態に依存するが、水素化物層の硬さが硬いほどチタン水素化物が緻密であり、拡散障壁作用が大きい。水素化物濃度が10%以上でチタン水素化物が分散している場合は、ビッカース硬度で250 以上となり、これ以上の硬度が得られれば、実環境を考慮して十分な耐水素吸収性を得ることができる。この硬度は、好ましくはビッカース硬度で300 以上である。しかし、水素化物層が硬すぎるとチタン材の加工性を害したり、加工時の異物が衝突した場合に水素化物層がひび割れて耐水素吸収性が低下するため好ましくない。このような観点から水素化物層の硬さの上限はビッカース硬度で500 であり、この硬さは大体水素化物濃度が50%でチタン水素化物が分散している場合に相当する。硬度は、好ましくはビッカース硬度で450 以下である。ここで、表面に形成された水素化物層は、その表面に更に自然酸化膜が形成されていてもよい。
そこで、本発明に係るチタン材は、前述の如く、チタン(純チタンまたはチタン合金)の表面にチタン水素化物含有層を形成させたチタン材であって、前記チタン水素化物含有層の厚みが0.1 〜80μm であると共に、前記チタン水素化物含有層中のチタン水素化物の濃度が10〜50%であることを特徴とするチタン材としている〔第1発明〕。更に、本発明に係るチタン材は、前述のように、チタン(純チタン又はチタン合金)の表面にチタン水素化物含有層を形成させたチタン材であって、前記チタン水素化物含有層の厚みが0.1 〜80μm であると共に、前記チタン水素化物含有層の硬さがビッカース硬度でHv250 〜500 であることを特徴とするチタン材としている〔第2発明〕。このチタン材は、前述のことからわかるように、従来技術では水素吸収が起こり得る環境においても、水素吸収が起こり難くて耐水素吸収性に優れ、ひいては水素脆化が起こり難くて耐水素脆化特性に優れている。また、成形加工性等の加工性を損なうものではなく、チタン(表面にチタン水素化物含有層を形成していない純チタンまたはチタン合金)と同等の加工性を有しており、加工性が良好である。また、加工時に異物が衝突した場合にも水素化物層のひび割れを起こさず、このひび割れによる耐水素吸収性の低下を起こさない。従って、良好な加工性を確保した状態で、耐水素吸収性に優れ耐水素脆化特性に優れたものとなっている。
ここで、表面に形成させたチタン水素化物含有層の同定には、X線回折分析(XRD) が奨励される。得られたXRD プロファイルにおいて、ICDDカードNo.65-0934(TiH2)などの標準物質との対比によって、水素化物の有無が確認できる。
チタン水素化物含有層中のチタン水素化物の濃度は、X線回折により求められるチタン水素化物のピーク強度比(%)であって、Tiのピーク強度〔I(Ti)〕とチタン水素化物のピーク強度〔I(Ti-H)〕の和(合計)に占めるチタン水素化物のピーク強度〔I(Ti-H)〕の割合(%)である。即ち、下記式(1) より求められるTi-H濃度(%)である。なお、I(Ti-H)は、チタン水素化物含有層中に2種類以上のチタン水素化物(TiH 、TiH2等)が含まれている場合には、各チタン水素化物のピーク強度の和(合計)である。例えば、TiH とTiH2とが含まれている場合には、I(Ti-H)は、TiH のピーク強度〔I(TiH) 〕とTiH2のピーク強度〔I(TiH2)〕の和(合計)、即ち、I(Ti-H)=I(TiH) +I(TiH2)である。
Ti-H濃度(%)=100×I(Ti-H)/〔I(Ti)+I(Ti-H)〕--------式(1)
また、チタン水素化物含有層のビッカース硬度は、ビッカース硬度計を用いて、表面層部分の断面を任意の複数個所(例えば5ヶ所)について測定し、それらの平均値を硬度とする。なお、測定に当たっては、適当な樹脂などに供試材を埋め込んで、断面を鏡面研磨してから測定することが好ましい。用いる硬度計は形成した水素化物層(チタン水素化物含有層)の厚みによってマイクロビッカース硬度計やナノインデンターなどを選ぶことが好ましい。供試材の表面を鏡面研磨した後で、水素化物層の形成処理を施した場合でも、水素化物層形成処理によって表面粗度はある程度粗くなるため、表面側から硬度を測定することは正確さの観点で好ましくない。
前記水素化物層の厚みに関し、これが0.1 〜50μm であることが望ましい。この厚みの場合、更に確実に(高水準に)良好な加工性を確保することができる。更には0.1 〜10μm であることが望ましく、この厚みの場合、より一層高水準に優れた加工性を確保することができる。
チタン(純チタンやチタン合金)にAlを添加することにより、水素拡散は遅くなるので、水素の侵入速度を抑制することができる。また、チタンへのAl添加は、大気中で自然に形成される酸化皮膜の結晶性を高くし、緻密化する作用を有している。表面酸化皮膜の結晶性と緻密性が高くなると、酸化皮膜の水素侵入に対する障壁作用が高くなり、これにより水素の吸収が更に抑制できる。このようなAl添加による水素吸収抑制は、Al添加量が0.5 mass%より少ない場合には、水素拡散低減効果が小さいので、水素吸収抑制効果は小さい。一方、Alはチタンの加工性を害する元素であり、添加量が3.0 mass%を越えると、加工性が低下し、例えば冷間圧延時に端部などの割れ発生が起こってしまう。このような理由から、Al添加量は0.5 〜3.0 mass%とすることが望ましい。
かかる点から、第3発明に係るチタン材は、前記第1発明、第2発明に係るチタン材においてチタン合金がAl:0.5 〜3.0 mass%を含有することに特定したものとしている。このチタン材は、前述のことからわかるように、加工性の低下を招くことなく、良好な加工性を確保した状態で、水素の吸収を更に抑制でき、より高水準で耐水素吸収性に優れ耐水素脆化特性に優れるものである。
実環境において材料の水素脆化は、材料の表面で起こる水素発生反応(腐食の電気化学反応)で生成した水素が材料内部へ侵入することにより、引き起こされる。チタンへのRu、Rh、Pd、Os、Ir、Pt(以下、白金族元素ともいう)の1種以上の添加は、水素発生反応の過電圧を大きくして水素発生反応速度を低下させる作用を有する。この結果、表面での水素発生量が減少して水素吸収量が抑制される。このような効果は白金族元素添加量が合計で0.01mass%以上において顕著に発揮される。また、白金属元素の添加は、高温、高濃度の非酸化性酸や塩化物環境における耐食性向上にも寄与するため、これらの環境で使用する場合には好適である。しかしながら、これらの白金属元素の添加量が合計で0.2 mass%を越えると、白金属元素の酸化物が表面に生成して酸洗性を阻害する。これは特にPdで顕著である。このような理由から、白金属元素の添加量は合計で0.01〜0.2 mass%とすることが望ましい。
かかる点から、第4発明に係るチタン材は、前記第1発明、第2発明、第3発明に係るチタン材においてRu、Rh、Pd、Os、Ir、Pt(白金属元素)の1種以上を合計で0.01〜0.2 mass%含有することに特定したものとしている。このチタン材は、前述のことからわかるように、酸洗性の低下を招くことなく、良好な酸洗性を確保した状態で、水素の吸収を更に抑制でき、より高水準で耐水素吸収性に優れ耐水素脆化特性に優れるものである。
本発明において、チタンの表面に水素化物層(チタン水素化物含有層)を形成させる方法としては、特には限定されるものではなく、種々の方法を用いることができ、例えば、チタンを陰極として硫酸などの非酸化性の酸溶液中で電解する電解処理による方法を挙げることができる。
このような電解処理による方法において、表層の水素化物層を形成するための電解処理時間(電解時間)が長くなると、水素が材料内部まで侵入して脆化するので、出来る限り短時間で行うことが好ましい。このような観点から、水素発生反応を促進して水素化物形成速度を高めることが望ましく、このためには電解処理溶液(電解液)中の水素イオン濃度はある程度高い(pHが低い)ことが必要であり、pH3以下であることが望ましく、更にはpH1以下であることが好ましい。この反対に、電解処理溶液の水素イオン濃度が低い(pHが高い)と、材料表面での水素発生反応が進みにくいので、水素化物層形成速度が遅くなり、このため必要なチタン水素化物の濃度および厚さの水素化物層を形成するのに長時間を要して、素地(チタン部)が脆化してしまう。
また、所定のチタン水素化物を短時間で形成するという観点から、電解処理溶液には水素吸収を促進する薬剤を添加することも好ましい。このような薬剤としては、チオ尿素やチオシアン酸アンモニウムなどのように、水素発生反応の過電圧を低下させて水素発生を促進させるもの、表面の水素原子被覆率を増大させるもの等があり、これらのいずれを用いてもよい。
更に、水素化物形成のための電解処理溶液の温度が低いと、反応速度が小さいので、所定の水素化物層を形成するのに長時間を要して、水素が材料(チタン)内部へ拡散し、これが素地のチタンの脆化の原因となる。一方、前記電解処理溶液の温度が高すぎると、水素の拡散速度が大きくなるので、短時間処理でも水素が内部へ侵入し、素地のチタンが脆化する。このような観点から、前記電解処理溶液温度は、0〜50℃であることが望ましく、特に0〜10℃であることが望ましい。
電解の方法としては、例えば、−1〜−100mA/cm2 の電流密度での定電流カソード電解や、−2〜−1V(飽和カロメル電極基準)の電位での定電位電解による方法を用いることができ、これらによりチタンの表面にチタン水素化物含有層を形成させることができる。
表層のチタン水素化物含有層の水素拡散障壁作用による水素吸収抑制が本発明の主な作用機構であるから、このチタン水素化物含有層を形成させる素地のチタンとしてチタン合金を用いる場合、そのチタン合金としては種々のものを用いることができ、その合金成分によらずある程度の効果は得られる。しかしながら、表面の自然酸化皮膜による水素侵入に対する障壁作用を高めるAlや水素発生反応を抑制する白金族元素(Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt)を添加したチタン合金では更に優れた耐水素吸収特性が得られる。これらの元素の添加量(含有量)を特定したチタン合金を用いる第3〜4発明に係るチタン材であれば、純チタンと同等の成形性や酸洗性が確保されており、実用的である。
なお、耐水素吸収性に優れたチタン合金が特開2003-129152 号公報に開示されているが、急激な水素吸収が起こる環境条件(例えば、1A/cm2を越える大電流密度でかつ100 ℃を越える高温)に対しては十分な耐水素吸収性が得られない場合がある。これに対し、本発明に係るチタン材は、上記のような急激な水素吸収が起こる環境条件においても安定した耐水素吸収性が得られるものである。
水素化物層(チタン水素化物含有層)は、大気酸化皮膜に比べて、硬度が高いので、傷が付きにくいし、本発明に係る水素化物層の厚み(0.1 〜80μm )であれば水素化物層の剥離も生じにくい。従って、本発明に係るチタン材は、大気酸化皮膜による水素吸収抑制の場合(非特許文献1や2)において問題となるような他材との接触や衝突による耐水素吸収特性の劣化は起こりにくい。
本発明の実施例および比較例を以下説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
〔実施例1、比較例1〕
表1に示す溶液中で純チタン(JIS 1種)について、これを陰極として定電流陰極電解(以下、電解Iともいう)を行い、純チタン表層にTi-H(チタン水素化物)を形成させ、これにより、純チタンの表面に水素化物層(チタン水素化物含有層)を形成させた。
このとき、純チタンとしては、サイズは25×25×1mmで、表面を#400エメリー研磨紙による研磨仕上げとして、アセトンによる洗浄をしたものを用い、これを上記電解に供した。
上記電解後のもの(即ち、水素化物層を形成させたチタン材)について、水素化物層の厚さ及び水素化物層中のTi-H(チタン水素化物)の濃度を測定した。この結果を表1に示す。
このとき、水素化物層の厚さは、次のようにして求めた。即ち、前記水素化物層を形成させたチタン材について、二次イオン質量分析法(SIMS)により表面から内部へ水素濃度を分析して、水素濃度が最大値と内部(純チタン部)における水素濃度値(ベース値)との中間点に達したときの分析深さを水素化物層の厚さとした。このような分析深さと水素濃度との関係から水素化物層の厚さを求める方法について、その例を模式図で図3に示す。
また、水素化物層中のTi-H(チタン水素化物)の濃度は次のようにして求めた。即ち、前記水素化物層を形成させたチタン材について、表面のX線回折(XRD )を行って、Tiのピーク強度〔I(Ti)〕とTi-Hのピーク強度〔I(Ti-H)〕を求め、それらよりTi-H(チタン水素化物)のピーク強度比を求め、これをTi-H濃度とした。なお、この場合、Ti-H(チタン水素化物)としては、TiH とTiH2とが存在するので、Ti-Hのピーク強度〔I(Ti-H)〕=TiH のピーク強度〔I(TiH) 〕+TiH2のピーク強度〔I(TiH2)〕となる。つまり、求められたI(Ti)、I(TiH) 、I(TiH2)から下記式(2) によりTi-H濃度(%)を求めた。
Ti-H濃度(%)=100×I(Ti-H)/〔I(Ti)+I(Ti-H)〕
=100×〔I(TiH) +I(TiH2)〕/
〔I(Ti)+I(TiH) +I(TiH2)〕 --------- 式(2)
なお、上記X線回折では、X線の侵入深さ(分析深さ)が水素化物層の厚さと同じになるように適宜X線の入射角を変化させた。I(Ti)、I(TiH) 、I(TiH2)はそれぞれTi、TiH 、TiH2の主ピーク強度(主なピークの強度)である。
表1からわかるように、電解(電解I)時の電流密度を上昇させたり、チオ尿素やチオシアン酸アンモニウム等の水素発生反応に対する触媒(水素吸収を促進する薬剤)を電解液に添加することによって、本発明の実施例(本発明例)に係る水素化物層(チタン水素化物含有層)が得られている。
次に、前記電解I後のもの(水素化物層を形成させたチタン材)について、沸騰6%NaCl水溶液中でカソード防食を想定した定電流陰極電解(以下、電解IIともいう)試験を行い、耐水素吸収特性を調査した。このとき、電解IIの電流密度は−0.1mA/cm2 として、電解時間は720 時間とした。
前記電解I後(電解II前)のチタン材および上記電解II後のチタン材について水素量(水素濃度)を測定し、この電解II後の水素量から電解II前の水素量を引き算し、上記定電流陰極電解試験によって吸収された水素量を算出して求めた。そして、この水素量に基づき耐水素吸収特性を評価した。このとき、水素量(水素濃度)の測定は不活性ガス融解法で行った。不活性ガス融解法とは、不活性ガス(ここではArガス)中で供試材(ここではチタン材)を熔解し、これにより発生した水素ガス量を熱伝導度検出器によって測定して供試材中の水素濃度を求めるものである。耐水素吸収特性は、水素吸収量(上記吸収された水素量)が100ppm未満の場合を◎(○よりも優れる)、100ppm以上150ppm未満の場合を○(極良好)、150ppm以上200ppm未満の場合を△(良好)、200ppm以上の場合を×(不良)とし、この4段階で評価した。
このようにして求められた耐水素吸収特性を表1に示す。表1から明らかなように、本発明の実施例に係るチタン材、すなわち、本発明に係る水素化物層を形成させたチタン材(No.A1 〜No.A5 、No.6〜No.9、No.10 〜No.12 )は、沸騰6%NaCl水溶液中での定電流陰極電解(電解II)試験による水素吸収量が少なく、耐水素吸収特性は◎(○よりも優れる)または○(極良好)あるいは△(良好)であり、比較例に係るチタン材〔耐水素吸収特性:×(不良)〕に比較し、耐水素吸収性に優れている。
水素化物層の厚さは、図3に例示したような分析深さと水素濃度との関係から水素化物層の厚さを求める方法により求めた。なお、チタン材の切断面について硝ふっ酸などの適当なエッチング液を用いてエッチングを行い、この面を光学顕微鏡で観察することにより、水素化物層の厚さを測定することもできる。しかしながら、厳密には水素化物層と母材との界面は明瞭ではないので、上記光学顕微鏡観察による水素化物層厚さの測定方法では読み取り誤差が大きい。これに対して、図3に例示したような水素濃度プロファイルから水素化物層厚さを求める方法は、一義的に厚さを求めることができるので、好適である。ただし、水素化物層厚さが数十μm と比較的厚い場合、即ち、水素化物層と母材との界面が明瞭に見られるような低倍率で観察して水素化物層が確認できる場合には、光学顕微鏡観察による水素化物層厚さの測定方法で代用できる。
〔実施例2、比較例2〕
本発明は、特には、水素吸収による脆性破壊が問題となっている環境で用いられる熱交換器管や配管などに使用されるチタン材に関するものである。このような用途を考慮すると、実用上は水素化物層(チタン水素化物含有層)形成後の成形性や水素吸収時の耐脆化特性(耐水素脆化特性)などが重要となる。そこで、本実施例では耐水素吸収性に加えて、成形性や耐水素脆化特性などの評価も行った。
表2に示す化学成分のチタン合金および純チタンを供試材として用いた。供試材の表面は、#400エメリー研磨紙による研磨仕上とし、アセトンによる洗浄を行った。この洗浄の後、水素化物層(チタン水素化物含有層)の形成を行った。このとき、水素化物層の形成は、硫酸+チオシアン酸カリウム(pH1、温度5℃)を電解液として、電流密度−100 〜−1000mA/cm2で定電流電解することにより行った。なお、供試材の大きさは、評価試験毎に異なる。SIMS(二次イオン質量分析法)および XRD(X線回折)により求めた水素化物層の厚さおよびチタン水素化物(Ti-H)濃度は、表3に示すとおりである。これらの測定方法は、前述の実施例1、比較例1の場合と同様である。
上記水素化物層形成を行った供試材(チタン材)に関して、不活性ガス融解法で水素濃度の測定を行った。水素化物層形成後に測定した水素濃度(初期の水素濃度)は、表3に示す通りである。ただし、チタン(純チタンやチタン合金)は水素を吸収しやすい材料であり、通常は材料作製過程などで不可避的に侵入する固溶限(20ppm 程度)以下の水素がもとより含有されているが、水素化物の形成はない。
次に、成形性の評価として、図2に示す波形の金型を用いて、水素化物層形成後の供試材(100 ×100 ×1mm)についてプレス成形試験を行い、プレス成形による表面の割れ発生の有無を調べた。そして、プレス成形試験による表面のひび割れなしの場合を○(良好)、表面のひび割れありの場合を×(不良)とし、この2段階で成形性を評価した。この結果を表3に示す。
この結果を表3に示す。表3からわかるように、Ti-H濃度が50%を越えるもの(N0.16 )は、プレス成形性が×(不良)であって、プレス成形性に劣っており、実用に向かない結果となっている。これに対して、本発明の実施例(本発明例)に係るもの(チタン材)はいずれも、表層に本来脆いチタン水素化物が存在するが、成形性が○(良好)であり、成形性に問題がないことが明らかである。なお、比較例(N0.13 〜16)に係るものの中、N0.13 〜15の場合は成形性が○(良好)であるが、表面層(水素化物層)の硬さがHv250 未満であり、耐水素吸収特性は×(不良)である。N0.16 の場合は成形性が×(不良)であると共に、表面層(水素化物層)の硬さがHv250 未満であり、耐水素吸収特性は×(不良)である。
次に、水素化物層形成後の供試材(チタン材)について、沸騰 0.5%HCl 水溶液を用いて塩酸浸漬試験を行い、耐水素脆化特性、耐水素吸収性および耐食性を評価した。この詳細を以下説明する。
耐水素脆化特性に関しては、塩酸浸漬試験前後のJIS6号試験片(JIS Z2201 、厚さ1mm)について引張試験を行って伸びを求め、塩酸浸漬で吸収した水素による伸びの低下(脆化)を評価した。この評価は、塩酸浸漬試験による伸びの低下が5%未満の場合を○(極良好)、5%以上10%未満の場合を△(良好)、10%以上の場合を×(不良)とし、この3段階で評価した。
耐水素吸収性の評価に関しては、塩酸浸漬試験による水素吸収量を評価した。この評価は、水素吸収量が100ppm未満の場合を◎(○よりも優れる)、100ppm以上150ppm未満の場合を○(極良好)、150ppm以上200ppm未満の場合を△(良好)、200ppm以上の場合を×(不良)とし、この4段階で評価した。
耐食性に関しては、塩酸浸漬試験前後の重量変化から算出される腐食速度(肉厚減少速度)を評価した。この評価は、腐食速度が0.1mm/year未満の場合を○(極良好)、0.1 mm/year 以上0.5mm/year未満の場合を△(良好)、0.5mm/year以上の場合を×(不良)とし、この3段階で評価した。
上記耐水素脆化特性、耐水素吸収性および耐食性の評価試験の結果を表3に示す。表3からわかるように、水素化物層の厚さが0.1 μm を下回るもの(No.14)は、耐水素吸収特性が×(不良)であって耐水素吸収特性が不十分であり、塩酸浸漬で吸収した水素により脆化して伸びが大幅に低下した。これに対して、本発明の実施例(本発明例)に係るもの(チタン材)は、耐水素吸収特性が◎(○よりも優れる)または○(極良好)あるいは△(良好)であると共に、耐水素脆化特性が○(極良好)または△(良好)であって、耐水素吸収性および耐水素脆化特性に優れており、水素を吸収しやすい環境においても好適に用いることができることがわかる。
また、本発明例に係るチタン材は、耐食性が○(極良好)または△(良好)であって耐食性に優れている。この中でも、表2と表3からわかるように、白金属元素を添加した場合(No.24 〜31)は、耐食性が更に優れており、塩酸のような非酸化性の酸環境でも耐久性が特に優れていることがわかる。
本発明に係るチタン材は、従来技術のものでは水素吸収が起こり得る環境においても、水素吸収が起こり難くて耐水素吸収性に優れ、ひいては水素脆化が起こり難くて耐水素脆化特性に優れているので、水素吸収による脆性破壊が問題となっている環境で用いられる熱交換器管や配管などの構成部材等として好適に用いることができ、その耐水素脆化特性の向上による耐久性の向上がはかれる。
チタン水素化物含有層の概要を示す模式図であって、図1(A) は素地の表面に水素化物層のみが形成されている場合を示し、図1(B) は素地の表面に形成された水素化物層の上に更にチタン酸化皮膜が形成されている場合を示す模式図である。 実施例に係るチタン材のプレス成形試験の状況を示す模式図である。 分析深さと水素濃度との関係から水素化物層厚さを求める方法についての例を示す模式図である。

Claims (4)

  1. 純チタンまたはチタン合金の表面にチタン水素化物含有層を形成させたチタン材であって、前記チタン水素化物含有層の厚みが0.1 〜80μm であると共に、前記チタン水素化物含有層中のチタン水素化物の濃度が10〜50%であることを特徴とするチタン材。
  2. 純チタンまたはチタン合金の表面にチタン水素化物含有層を形成させたチタン材であって、前記チタン水素化物含有層の厚みが0.1 〜80μm であると共に、前記チタン水素化物含有層の硬さがビッカース硬度でHv250 〜500 であることを特徴とするチタン材。
  3. 前記チタン合金がAl:0.5 〜3.0 mass%を含有する請求項1又は2記載のチタン材。
  4. 前記チタン合金がRu、Rh、Pd、Os、Ir、Ptの1種以上を合計で0.01〜0.2 mass%含有する請求項1〜3のいずれかに記載のチタン材。
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