JP4361689B2 - ゼオライトの製造 - Google Patents

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Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、ゼオライトLを形成するに足る水しか含んでいない反応混合物から結晶性のアルミノシリケート系ゼオライトLを製造する方法に関する。
【0002】
(背景)
結晶性ゼオライトLを製造する従来の方法は、典型的には、ゼオライトが結晶化される過剰の液体から分離しなければならない微細な結晶を生成させるものである。この液体は、次には、また、これを再使用のために処理しなければならないか、さもなければ捨てなければならないが、これは環境に潜在的に有害であると言う結果を伴う。粉末状のゼオライトを含む商業的に有用な触媒材料を製造するのには、普通、追加の結合工程と成形工程も必要になる。典型的には、結晶化されたままのゼオライト粉末は、これをバインダー材料と混合し、次いで押出成形法、アグロメレーション法、噴霧乾燥法等のような方法を用いて付形された粒子または凝集物に成形しなければならない。これらの結合工程および成形工程はゼオライト材料を必要とする触媒製造の複雑さを著しく増す。これらの追加工程は、また、そのように結合および成形されたYゼオライトの触媒性能にも悪影響を及ぼす。
【0003】
Dzierzanowski等に対して1963年6月18日に発行された米国特許第3,094,383号明細書には、アルミン酸ナトリウム、珪質材料および水の、H2O/Na2Oモル比が5〜25である混合物より成る反応物を形成することによる、凝集性の多結晶質凝結体の形をしたタイプAのゼオライトを製造する方法が開示される。その反応物は、それを外部水系液体相と接触しないように保持しながら、そして同時にその反応物を脱水させないようにしながら熟成せしめられる。この熟成工程は反応物を100°F(38℃)に、例えば18時間保持し、続いて200°F(93℃)で、例えば24時間加熱することを含んでいてもよい。
【0004】
タガート(Taggart)等に対して1964年1月28日に発行された米国特許第3,119,659号明細書には、カオリンタイプの反応性クレーとアルカリ金属水酸化物とを含有する未反応の予備成形体を用意し、この予備成形体を水性反応混合物中で、その成形体中にアルミノシリケート系ゼオライトの結晶が形成されるまで反応させることによる、予備成形体の形を取っているアルミノシリケート系ゼオライトの製造法が開示される。予備成形体と水性反応体混合物との凝結体はH2O/Na2Oモル比として少なくとも20と言う値を持つ。この方法でゼオライトLを製造することができると述べられている。
【0005】
ブレック(Breck)等に対して1965年11月9日に発行された米国特許第3,216,789号明細書には、ゼオライトLが開示される。このゼオライトLは、組成が酸化物のモル比として表して次の範囲に入る反応混合物から製造される:
【0006】
K2O/(K2O+Na2O) 約0.33〜約1
(K2O+Na2O)/SiO2 約0.35〜約0.5
SiO2/Al2O3 約10〜約28
H2O/(K2O+Na2O) 約15〜約41
【0007】
または
K2O/(K2O+Na2O) 約0.33〜約1
(K2O+Na2O)/SiO2 約0.4〜約0.5
SiO2/Al2O3 約10〜約28
H2O/(K2O+Na2O) 約15〜約41
【0008】
または
K2O/(K2O+Na2O) 約0.26〜約1
(K2O+Na2O)/SiO2 約0.34〜約0.5
SiO2/Al2O3 約10〜約28
H2O/(K2O+Na2O) 約15〜約51
【0009】
チー(Chi)等に対して1977年11月15日に発行された米国特許第4,058,586号明細書には、ゼオライト系アルミノシリケート、特に大きさが4〜10オングストロームである気孔によって特徴付けられる、ゼオライトAおよびXと称されるものの製造法が開示される。この製造法において、ゼオライトAおよびXから成るメタカオリンクレー混合物の圧縮物が200〜700°F(93〜371℃)の温度で結晶化せしめられる。結晶化はカ焼炉または他の乾燥装置中で行われる。形成された粒子は、普通、結晶化に必要とされる液体の全てを与えるが、但し結晶化の過程ではスチームを加えることができる。
【0010】
バーデュイジン(Verduijin)に対して1991年11月12日に発行された米国特許第5,064,630号明細書には、水、ケイ素源、アルカリ金属源およびアルミニウムまたはガリウム源を含んで成るアルカリ性の反応混合物を、少なくとも80℃の温度に、ゼオライトLを形成する十分に長い時間加熱する、非常に小さい結晶形をしているゼオライトLの製造が開示され、この場合その反応混合物の組成は、(酸化物として表して)次のモル比:
【0011】
M2O/SiO2 0.4〜0.5
H2O/M2O 15〜30
SiO2/Al2O3またはGa2O3 5〜11
【0012】
を有する。ここで、Mはカリウム、またはカリウムと1種若しくは2種以上のアルカリ金属との混合物である。
【0013】
1994年6月23日に公開されたWO 94/13584号明細書には、所望によっては付形することもできるように、その付形に足る水しか含んでいない反応混合物から結晶性のアルミノシリケート系ゼオライトを製造する方法が開示される。この方法では、反応混合物は結晶化条件で外部液体相の非存在下で加熱され、そのため過剰の液体は、その結晶化された材料から、結晶の乾燥前に除去する必要がない。
【0014】
1985年12月24日に公開された英国特許第2,160,517A号明細書は、Yゼオライト、オメガゼオライト、オフレタイト(offretite)、毛沸石、Lゼオライトおよびフェリエライトより成る群から選ばれる、Si/Al原子比の値が1.5〜100の範囲である予備成形された合成ゼオライトに関する。ここで、その予備成形ゼオライトは、Si/Al原子比が生成物の同原子比より小さく、その値が0.5〜90の範囲である予備成形アルミノシリカ系材料(aluminosilicic material)から、この材料を少なくとも1種の有機または無機塩基の存在下でシリカ含有製品により処理することによって得られる。
【0015】
(発明の概要)
本発明の一つの目的は、最小限度の結晶化用液体を使用して結晶性のゼオライトLを製造する方法を提供することである。
【0016】
本発明のさらなる目的は、水系廃液を最小限に抑えながら結晶性のゼオライトLを製造する方法を提供することである。
【0017】
本発明のさらにもう一つの目的は、バインダーの添加がない状態でゼオライトLを製造する方法を提供することである。
【0018】
本発明の目的は、また、ある形状物の形を取っている結晶性のゼオライトLを製造することである。本発明のさらなる目的は、いかなる後結晶形成工程も用いることなく、商業的に有用な形態をしているゼオライトLを製造する方法を提供することである。
【0019】
本発明のさらなる目的は、結晶サイズが小さいゼオライトLを製造する方法を提供することである。
【0020】
本発明のさらにもう一つの目的は、ゼオライトLを低原料コストで製造する方法を提供することである。
【0021】
かくして、本発明によれば、ゼオライトLを生成させるに足る量の、少なくとも1種の活性なシリカ源、少なくとも1種の活性なアルミナ源および水酸化物源、並びにゼオライトLを生成させるに足る水を含んで成る自立性の反応混合物を調製し、ここでその反応性混合物は0.20〜0.40のOH-/SiO2モル比を有し、そしてこの反応混合物を、約100〜約200℃の温度において、結晶化条件下で、外部液体相の添加がない状態において、ゼオライトLの結晶を形成させるに足る時間加熱することを含んで成る、結晶性ゼオライトLの製造方法が提供される。上記の反応混合物は押出成形可能で、かつある一定の形状を保持し得るものである。
【0022】
本発明は、また、ゼオライトLを生成させるに足る量の、少なくとも1種の活性なシリカ源、少なくとも1種の活性なアルミナ源および水酸化物源、並びに得られる反応混合物を付形するに足る水を含んで成るその反応混合物を調製し、ここでその反応性混合物は0.20〜0.40のOH-/SiO2モル比を有し;その反応混合物を成形してある一定形状のものとなし;そしてその反応混合物を、約100〜約200℃の温度において、結晶化条件下で、外部液体相の添加がない状態において、ゼオライトLの結晶を形成させるに足る時間加熱することを含んで成る、結晶性ゼオライトLの製造方法を提供する。上記の反応混合物は押出成形可能で、かつある一定の形状を保持し得るものである。
【0023】
本発明の方法の反応混合物を調製するに当たっては、反応混合物中に存在する、結晶化工程のために用意される水の量がゼオライトLを生成させるのに十分な量となっていることが重要である。かくして、反応混合物はそれ自体がゼオライトを結晶化させるのに必要な水を全て供給する。この水の量はゼオライトの従来の製造方法で必要とされる水の量よりも少ない。それはゼオライトLを生成させるのに必要とされる量よりも実質的に多くない量である。例えば、本発明で使用される水の量は、反応混合物の成分を溶解させるのに必要とされる量よりも少ないか、またはそれら成分を溶解させない場合は、反応混合物の成分を水に浸すのに必要とされる量よりも少ない。従って、本発明の方法による結晶化工程中には、その結晶化工程の終わりに、結晶化された材料から、例えばそれら結晶の乾燥前に濾過法または傾瀉法で除去しなければならない別の添加外部液体相は存在しない。このように添加外部液体相が存在しないことが、ゼオライトLの結晶が溶液から形成されるか、または固体の反応体が、ゼオライトLの結晶が生成するまで、水溶液中で加熱されるゼオライトLの製造方法から本発明を区別するものである。
【0024】
反応混合物を結晶化条件に付す前に成形してその反応混合物をある一定の形状物となすことは必要条件ではないが、多くの場合成形することが望ましいであろう。その場合、反応混合物中に存在する水の量は、その反応混合物を成形してある一定の形状物となすのには十分であるが、付形された反応混合物を崩壊させ、あるいは「溶融」させるには不十分な量である。即ち、反応混合物が一旦所望量の水を含有する所望形状物に付形されると、得られる形状物は自立性となっている。
【0025】
本発明は、とりわけ、ゼオライトLを形成するのに足る水しか含んでいない反応混合物からゼオライトLを結晶化させる方法の発見に基づく。さらに、上記の方法によって製造されるゼオライトLは非常に小さい結晶として造られる。前記の説明において議論したように、OH-/SiO2モル比は本出願人が特許請求するゼオライトLの製造方法において決定的に重要である。本出願人は、このモル比が反応混合物の物理的性質および達成される結晶化度の両者に影響を及ぼすことを発見した。反応混合物が所望とされる物理的性質を有し、例えば自立性で、かつ付形され得るものであり、同時に許容できる結晶化度を与えるように、臨界的なバランスが達成されなければならないのである。OH-/SiO2モル比が高すぎるようになると、反応混合物は望ましくない物理的性質を呈することも見いだされた。他方、OH-/SiO2モル比が小さすぎると、結晶化が不十分となる。
【0026】
(発明の詳しい説明)
反応混合物の調製
ゼオライトLが結晶化される反応混合物は、少なくとも1種の活性なシリカ源、少なくとも1種の活性なアルミナ源およびゼオライトLを生成させるのに十分な水を含んで成る。水のこの量はゼオライトLを製造する常用の方法で必要とされる量よりも相当に少ない。
【0027】
本発明の反応混合物で必要とされる水の量は、その混合物を十分にブレンドするのに必要とされるその量である。かくして、反応混合物は、水と活性なゼオライト源とを混合して、好ましくは重質ペーストのような稠度を有する均一なもの(mass)となすことにより調製される。活性ゼオライト源は、容易にブレンドされて均一なものとなすことができる形態をしており、例えば粉末、水和粒子または濃厚な水溶液であることができる。十分な水を加えて全ての粉末を混合および混練工程中に濡らすようにする。別法として、粉末を混練すると付形可能な均一で、概ね均質な混合物となすことができる十分な水が加えられる。活性なゼオライト源に加えられる水は、流体に似た混合物を形成するには不十分な量であるから、活性なゼオライト源は混練中に全て水に容易に溶ける必要はない。添加される水の量は混合装置に、また使用される活性ゼオライト源に依存する。この技術に精通した人であれば、過度の実験を行わなくても、活性なゼオライト源を適正に混合するのに必要とされる液体の量を容易に決めることができる。例えば、水和ゼオライト源では相対的により少ない水が必要になるだろうし、また乾燥したゼオライト源では相対的により多い水が必要になるだろう。反応混合物はそれが均一で、均質な外観を呈するまでブレンドおよび混練されることが好ましいけれども、その混合物の混練に当てられる時間の長さは、本発明では特に重要な訳ではない。
【0028】
ブレンドおよび混練後の反応混合物の含水量は、例えば乾燥によるか、または水の添加によるかによってさらに調整することが可能である。反応混合物を成形してある一定形状物となすことが望まれるとき、水の量を調整することは、その反応混合物を容易に付形できるようになし、かつその混合物が確実に自立性となるようになし、即ちその反応混合物中の過剰の水に因りその形状物が崩れたり、あるいは「溶融」したりすることがないようにする。
【0029】
典型的な酸化珪素(SiO2)源に、珪酸塩、シリカヒドロゲル、珪酸、コロイドシリカ、煙霧シリカ、テトラアルキルオルトシリケート、シリカ水酸化物、沈降シリカおよびクレーがある。典型的な酸化アルミニウム(Al2O3)源に、アルミン酸塩、アルミナ、およびAlCl3、Al2(SO4)3、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)のようなアルミニウム化合物、並びにカオリンクレーがある。本発明の一つの利点は、酸化珪素源および酸化アルミニウム源が全て非ゼオライト系であることができると言うことである。
【0030】
塩、特に塩化ナトリウムのようなアルカリ金属ハライドを反応混合物に加えることもできるし、あるいは反応混合物中で生成させることもできる。それらは、文献には、シリカが結晶格子中に吸蔵されるのを防ぎつつ、ゼオライトの結晶化を助長すると開示されている。
【0031】
反応混合物は1種または2種以上の活性な酸化カリウム源も含んでいる。結晶化プロセスに有害でない任意のカリウム化合物が本発明に適している。非限定例を挙げると、酸化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、蓚酸塩、クエン酸塩および酢酸塩がある。カリウムは、一般的には、アルカリ金属/アルミニウム比が少なくとも1/1、好ましくは1/1より大となるような量で用いられる。カリウムと1種または2種以上の他のアルカリ金属との混合物も用いることができる。
【0032】
反応混合物は次の成分を次に示される量で含んでいるのがよい(実際の出発物質が酸化物でないとしても、酸化物のモル比として表される):
【0033】
Figure 0004361689
【0034】
ここで留意すべきは、上記の反応混合物は、本発明のゼオライトを形成する鋳型物質(典型的には、「有機鋳型物質」と称される)として役立つ有機化合物を含まないと言うことである。事実、本発明で使用される反応混合物は有機鋳型物質を含まない。本明細書で用いられる「有機鋳型物質を含まない」なる用語は、反応混合物が本発明のゼオライトを形成することができる有機鋳型物質を全く含まないか、または極く少量しか含んでいないかのいずれかを意味する。反応混合物にゼオライトLの有機鋳型物質として役立て得る化合物が少量存在する場合、それはゼオライトLを形成させるための所要量よりも実質的に少ない量であるべきである。
【0035】
形状物の形成
本発明の1つの利点は、反応混合物はこれを結晶化工程の前に成形して所望の形状物となすことができると言うことであって、それにより、得られるゼオライトを含有する触媒材料を製造するのに必要とされるプロセス工程の数が少なくなる。形状を保持する成形可能物を与えるために、反応混合物の形成前に、乾燥するか、または液体をさらに加えるかのいずれかによって、反応混合物の液体含有量を変えることが必要であることもある。一般に、ほとんどの付形法で、水は一般に反応混合物に対して約20〜約60重量パーセント、好ましくは約30〜約50重量パーセントを占める。
【0036】
反応混合物はある形状物に、例えば粒子に成形される。このような形状物を造る方法はこの技術分野で周知であって、例えば押出成形法、噴霧乾燥法、造粒法、凝集法等がある。形状物が粒子の形態を取っているとき、それら粒子は最終の触媒に望まれる大きさと形状のものであるのが好ましく、例えば押出物、円筒体、球体、顆粒物、凝集物および小球体の形をしていることができる。これら粒子は、一般に、その断面直径が約1/64〜約1/2インチ、好ましくは約1/32〜約1/4インチである。即ち、それら粒子は1/64インチ、好ましくは1/32インチの篩の上に保持される大きさで、かつ1/2インチ、好ましくは1/4インチの篩を通過するものである。
【0037】
反応混合物から造られた形状物は、所望とされる形状を保持するのに十分な水を含んでいる。付形されたその反応混合物内で結晶化を開始しまたはその結晶化を維持するために、その反応混合物中に追加の水は必要とされない。実際には、結晶化に先立って付形反応混合物から過剰の水の一部を除去するのが好ましいだろう。湿った固体を乾燥する常用の方法が反応混合物の乾燥に用いることができるが、この方法として、例えば空気中で、または窒素若しくはヘリウムのような不活性ガス中で、約200℃以下の温度および減圧〜約5気圧の圧力において乾燥する方法を挙げることができる。
【0038】
天然産のクレー、例えばベントナイト、カオリン、モンモリロナイト、海泡石およびアタパルジャイトは必要とされないが、良好な破砕強さを持つ製品を提供するために、結晶化前にそれらクレーを反応混合物に含めてもよい。このようなクレーは採掘されたままの未処理状態で使用してもよいし、あるいは初めにカ焼処理、酸処理または化学的変性処理に付してもよい。微晶質のセルロースもそれら粒子の物理的性質を改善することが見いだされた。
【0039】
ゼオライトの結晶化
本発明の方法によれば、ゼオライトは反応混合物内か、その反応混合物から造られた形状物内のいずれかにおいて結晶化される。いずれにしても、ゼオライトが結晶化される反応混合物の組成は前記のモル組成範囲を有している。
【0040】
結晶化中の反応混合物の総揮発物含有量は、反応混合物の重量基準で約20〜約60重量%、好ましくは約30〜約60重量%の範囲にあるのが好ましい。ここで、総揮発物含有量は、水を含めて反応混合物中の総揮発性液体の尺度である。ゼオライトLを生成させるのに必要な量を超える追加の液体は、ゼオライトの結晶化には必要とされないと言うのが、本発明の方法の1つの特長である。
【0041】
ゼオライトの結晶化は、外部液体相の添加がない状態で、即ち反応混合物とは別個の液体相が存在しない状態で起こる。一般に、本発明の方法には、結晶化中にある液状の水が反応混合物と接触して存在しても有害ではなく、またある水は結晶化中に反応混合物の表面に存在することもあるし、あるいはある水は反応混合物から排除され、そして反応が進行するにつれて反応混合物の上またはその近辺に集まることがあると予想できる。しかし、本発明の1つの目的は、結晶化に続いて処理および/または廃棄しなければならない水の量を、最小限に抑えるそのようなやり方でゼオライトを結晶化させる方法を提供することである。そのために、本発明の方法は、ゼオライトLを形成するのに必要とされる十分な量の液体を超えて、追加の結晶化用の水を必要としないゼオライトの合成法となるのである。
【0042】
結晶化は、昇温下で、通常は、ゼオライトの結晶が形成されるまで反応混合物が自生圧(autogenous pressure)に付されているように、オートクレーブの中で行われる。熱水結晶化工程中の温度は、典型的には、約90〜約200℃、好ましくは約100〜約170℃に保持される。
【0043】
結晶化は反応混合物の脱水を防ぐ条件下で行われる。これは、反応混合物を結晶化中に少量の水蒸気またはスチームに曝露することにより達成することができる。
【0044】
結晶を形成する所用結晶化時間は、典型的には、約1時間〜約10日の範囲であるが、約3時間〜約4日であることがさらに多い。ある種特定の状況では、高結晶化度の結晶化された材料を製造するには、24時間未満の結晶化時間が必要とされる。本発明の方法では、結晶化工程に続いて採集される結晶化した材料は、典型的には、少なくとも約50重量パーセントの結晶を含んでいる。少なくとも約80重量パーセントの結晶、さらには少なくとも約90重量パーセントの結晶を含んでいる結晶化材料も本発明の方法を用いて製造することができる。
【0045】
ゼオライトLの結晶が形成されたら、その結晶を水洗し、次いで、例えば90〜150℃で8〜24時間乾燥することができる。乾燥工程は大気圧または減圧で行うことができる。
【0046】
種晶
本発明の方法により製造されるゼオライトは、非晶質の反応物(amorphous reagents)から成る反応混合物内で結晶化される。反応混合物には、結晶化工程に先立って結晶性物質(即ち、ゼオライトLの「種」晶)を加えてもよく、そして「種」晶を加えることによってゼオライトの結晶化性を向上させる方法は周知である。但し、種晶の添加は本発明の方法の必要条件ではない。実際、ゼオライトLは、結晶化工程の前に加えられる結晶は存在しないと言う状態で、反応混合物内で結晶化させることができると言うことが、本発明の方法の1つの重要な特長である。
【0047】
ゼオライトの説明
ゼオライトLおよびそのX−線回折図は米国特許第3,216,789号明細書に開示されている。この米国特許をここで参照することにより、その全体が本明細書に含まれるものとする。米国特許第3,216,789号明細書を参照することにより、そのX−線回折図に基づいてゼオライトLの同定を行おうとするものであることを理解されるべきである。本発明は、シリカ/アルミナのモル比に関わらずゼオライトLを製造することを包含する。従って、米国特許第3,216,789号明細書を参照することは、本発明をその特許明細書に開示されるシリカ/アルミナのモル比を有するゼオライトLの製造に限定するものであると解されるべきではない。それは、ゼオライトLの識別点を確認するX−線回折図で同定される結晶構造である。
【0048】
ゼオライトLは7.1Åの気孔を有する一次元の12員環で特徴付けられる。それは一般にカリウム形で得られるが、そうである必要はない。その(全カリウム形についての)X線回折を下記の表1に示す。表1において、dは2つの格子平面間の距離であり、またI/I0は任意に与えられる線の強度(I)の、最も強い線の強度(I0)に対するパーセントで表される比である。I/I0が10より大きい線が、考慮される唯一の線である。勿論、距離が、さらには相対強度が分析される生成物によって小さく変動することがある。そのような変動は構造の変化を示すものではなく、ある特定のカチオンの置換またはシリカ/アルミナ比の偏りに起因するものである。
【0049】
Figure 0004361689
【0050】
本発明により製造されるゼオライトLは、典型的には、約5〜約7、好ましくは約5.5〜約7.0のシリカ/アルミナモル比を有する。
【0051】
ゼオライトの微結晶サイズ
ゼオライトの結晶は、典型的には、直径が走査電子顕微鏡法で測定して10ミクロン未満である。ある種特定の触媒用途には小さい結晶が望ましいから、結晶化の条件は1.0ミクロン未満の直径を持つゼオライト結晶を生成させるように調整することができる。ゼオライトの結晶サイズは、例えばその付形された粒子を粉砕して個々の結晶を分離することによって求めることができる。次いで、分離された結晶の高分解能電子顕微鏡写真を作成することができ、その後に個々のゼオライト結晶の平均サイズを、長さに関する校正標準値を参照して決定することができる。次いで、平均結晶サイズは、次の:
【0052】
Figure 0004361689
【0053】
(式中、niは最小長さが間隔Li内に入っているゼオライト結晶の数である。)
を含めて、色々な周知の方法で計算することができる。本発明の目的には、平均結晶サイズは数平均として定義される。本発明の目的には、ゼオライトの結晶サイズは、ある製造業者が「ゼオライトの粒径」と称している用語とは区別されるものであることに気付くことが重要である。後者は、個々の結晶および多結晶質凝集物の両者を含めて、製造されたままのゼオライト粉末中の粒子全ての平均サイズのことである。
【0054】
ゼオライトの結晶は、典型的には、直径が走査電子顕微鏡法で測定して10ミクロン未満である。ある種特定の触媒用途には小さい結晶が望ましいから、結晶化の条件は、1.0ミクロン未満の直径を持つゼオライト結晶を生成させるように、例えば結晶化温度を低くすることによって、反応混合物中のアルミニウム含有量を大きくすることによって、および/または結晶化に先立って反応混合物若しくは付形粒子の含水量を低くすることによって調整することが可能である。
【0055】
ゼオライトの後処理
ゼオライトの結晶を含む結晶化された材料は、前記の本発明の方法で製造される。このゼオライトは合成されたままで使用することもできるし、あるいは熱処理(カ焼)することもできる。そのカリウムカチオンをイオン交換により一部除去し、そしてそれを水素、アンモニウム、または他のアルカリ金属カチオンを含めて任意、所望の金属イオンで置換することが望ましい。但し、重要な点は、アルカリ金属の全てが除去または置換されるとは限らないことである。アルカリ金属の全ての除去または置換は、ゼオライトLをばらばらにする可能性があるからである。同様に、ゼオライトLはスチーム処理されるべきではない。
【0056】
本発明のゼオライトは、水素化/脱水素化の作用が望まれるそのような用途のために、水素化用成分、例えばタングステン、バナジウム、モリブデン、レニウム、ニッケル、コバルト、クロム、マンガン、またはパラジウムもしくは白金のような貴金属とよく混じり合わされた状態で使用することができる。典型的な置換用カチオンとして、金属カチオン、例えば希土類金属、第IA族、第IIA族および第VIII族の金属、さらにはそれらの混合物の金属カチオンを挙げることができる。これらの置換用金属カチオンの内で、希土類金属、Mn、Ba、Sr、Ca、Mg、Cs、Rb、Zn、Ga、Cd、Pt、Pd、Ni、Co、Ti、Al、Sn、FeおよびCoのような金属のカチオンが特に好ましい。
【0057】
水素、アンモニウムおよび金属の各成分は、交換により本発明のゼオライトに入ることができる。このゼオライトはこれを上記金属で含浸処理してもよいし、あるいは上記金属をこの技術分野で公知の標準的な方法を用いてそのゼオライトと物理的によく混ぜ合わせることもできる。これら金属は、また、所望とされる金属を、イオンとして、ゼオライトが製造される反応混合物中に存在させることによって、結晶格子の中に吸蔵させることもできる。
【0058】
典型的なイオン交換法は、本発明の合成ゼオライトを所望とされる置換用カチオン又はカチオン類の塩を含んでいる溶液と接触させることを含む。広範囲の塩が使用可能であるが、塩化物およびその他のハロゲン化物、硝酸塩ならびに硫酸塩が特に好ましい。米国特許第3,140,249号、同第3,140,251号および同第3,140,253号明細書を含めて広範囲の特許文献に代表的なイオン交換法が開示されている。イオン交換は、ゼオライトをカ焼処理する前後いずれかにおいて行うことができる。
【0059】
所望とされる置換用カチオンの塩溶液との接触に続いて、ゼオライトは、典型的には、水で洗浄され、そして65〜約315℃の範囲の温度で乾燥される。洗浄後、ゼオライトは、炭化水素の転化プロセスで特に有用な触媒活性のある生成物を生成させるために、空気中または不活性ガス中で、約200〜820℃の範囲の温度において1〜48時間の範囲またはそれ以上の時間カ焼処理することができる。
【0060】
合成形態のゼオライト中にカチオンが存在するにも関わらず、そのゼオライトの基本的結晶格子を作っている原子の空間配置は本質的に不変のままである。カチオン交換の、ゼオライトの格子構造に及ぼす影響はあっても小さい。
【0061】
本発明のゼオライトは、反応混合物が最終触媒に望まれる大きさと形状を持つ形状物に成形されているならば、さらに成形することなく触媒として使用することができる。別法として、ゼオライトは、有機転化プロセスで採用される温度、その他の条件に抵抗性のある他の材料と、噴霧乾燥法、押出成形法等のような方法を用いて複合させることができる。そのようなマトリックス材料に、活性なまたは不活性な材料および合成または天然産のゼオライト、さらにはクレー、シリカおよび金属酸化物のような無機材料がある。後者は天然に産出するものであってもよいし、あるいはシリカと金属酸化物との混合物を含めて、ゼラチン状沈殿物、ゾルまたはゲルの形を取っていているものであってもよい。活性な材料を合成ゼオライトと共に使用すると、即ち合成ゼオライトと組み合わせて使用すると、ある特定の有機転化プロセスでの転化率とその触媒の選択性が改善される傾向がある。不活性な材料は、所定のプロセスにおける転化量を、生成物が他の反応速度制御手段を使用せずとも、経済的に得ることができるように制御する希釈剤として役立て得るものが適当である。ゼオライト材料は、しばしば、天然産のクレー、例えばベントナイトおよびカオリンの中に組み込まれていた。これらの材料、即ちクレー、酸化物等々は触媒用のバインダーとして一部作用する。石油の精製では、触媒は乱暴な取り扱いに付されることが多いので、良好な破砕強さを有する触媒を提供することが望ましい。乱暴な取り扱いは、触媒をバラバラに砕き、加工の際に問題を引き起こす粉末にする傾向がある。
【0062】
本発明の合成ゼオライトと複合させることができる天然産のクレーとして、モンモリロナイト族とカオリン族のものが挙げられる。これらのモンモリロナイト族とカオリン族には、ディキシー(Dixie)クレー、マクナミー(Mcnamee)クレー、ジョージア(Georgia)クレーおよびフロリダ(Florida)クレーとして一般に知られているサブ−ベントナイト(sub-bentonite)類およびカオリン類、または主たる鉱物質成分がハロイサイト、カオリナイト、ジッカイト、ナクライトまたはアナウキサイトである他のクレーがある。海泡石およびアタパルジャイトのような繊維質のクレーも、支持体として使用することができる。このようなクレーは採鉱されたままの未処理状態で使用することもできるし、あるいは初めにカ焼処理、酸処理または化学的変性処理に付すこともできる。
【0063】
本発明の方法により製造されるゼオライトは、上記の材料の外に、シリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、シリカ−トリア、シリカ−ベリリア、シリカ−チタニア、チタニア−ジルコニア、さらにはシリカ−アルミナ−トリア、シリカ−アルミナ−ジルコニア、シリカ−アルミナ−マグネシアおよびシリカ−マグネシア−ジルコニアのような三成分系組成物のような多孔質のマトリックス材料およびマトリックス材料の混合物と複合させることもできる。マトリックスは共ゲル(cogel)の形態を取っていることもできる。
【0064】
本発明のゼオライトは、また、合成および天然のフォージャサイト(例えば、XおよびY)および毛沸石のような他のゼオライトと複合させることもできる。それらはZMS、SSZ、KU、FUおよびNUシリーズのゼオライトのような、純粋に合成由来のゼオライトとも複合させることができる。ゼオライト類の組み合わせも、多孔質の無機マトリックス中に複合させることができる。
【0065】
本発明の方法で製造されるゼオライトは、炭化水素の転化反応において有用である。炭化水素の転化反応は、炭素含有化合物を別の炭素含有化合物に変える化学的な接触プロセスである。炭化水素の転化反応の例に、ベンゼンを生成させるC6パラフィン類の芳香族化、およびオクタン価を高めるC6〜C9炭化水素の改質反応がある。本発明のゼオライトは、バーナード(Bernard)等に対して1978年8月1日に発行された米国特許第4,104,320号およびブス(Buss)等に対して1987年1月6日に発行された米国特許第4,634,518号明細書に開示される改質触媒を製造するのに使用することができる。これら両特許をここで参照することによって、その全体が本明細書に含まれるものとする。
【0066】
実施例1
150グラムのシリカ[ハイ−シル(Hi-Sil)233、PPG社製の水和シリカ]をベーカー−パーキンス(Baker-Perkins)ミキサーに入れた。このミキサーに40グラムのNaAlO2を加え、そしてそれら2成分を約10分間混合した。次いで、そのミキサーに75グラムの50%KOH水溶液をゆっくり加え、そして混合を約3時間続けた。次に、脱イオン水(180グラム)をそのミキサーにゆっくり加えてペースト状の混合物を形成した。この混合物に熱(約60〜66℃)を加えることにより僅かに乾燥させてそれを押出可能となした。
【0067】
この混合物を1/12インチのダイを通して押し出し、その押出物を4つの部分(A、B、CおよびD)に分けた。部分AおよびBは揮発物を50%含有し、また部分CおよびDはこれらを揮発物が43%になるまで風乾した。これら押出物のモル組成は次のとおりであった:
【0068】
SiO2/Al2O3 =10
(Na2O+K2O)/SiO2=0.25
K2O/(Na2O+K2O) =0.59
OH-/SiO2 =0.29
【0069】
H2O/SiO2の比は、部分AおよびBで5.0、部分CおよびDで3.8であった。
【0070】
部分A、B、CおよびDを、各々、ふたに穴を1個有する自体1クォートのテフロン(Teflon)製びんに入れ、各びんをオートクレーブの中に封入した。オートクレーブには、(特に、大きなオートクレーブ中で小さい試料を)加熱した場合に試料が乾燥するのを防ぐために、びんの外側に12ccの水を入れた。結晶化の終わりに、びんの外側には依然として約12ccの水が存在し、従ってこの水の消費は無視できるものであった。次に、部分AおよびCが入っているびんを110℃で4日間加熱し、また部分BおよびDが入っているびんを150℃で4日間加熱した。
【0071】
得られた押出物を脱イオン水で洗浄し、濾過し、120℃の真空オーブン中で一晩乾燥した。これらの押出物をX−線回折法で分析すると、他の結晶性相を含まないゼオライトLを含有していることが確認された。参照としての100%ゼオライトLと比較したときのパーセント結晶化度を表2に示す。
【0072】
Figure 0004361689
【0073】
実施例2
150グラムのハイ−シル233をベーカー−パーキンスミキサーに入れた。このミキサーに30グラムのNaAlO2および7グラムのNaNO3を加え、得られた混合物を約10分間混合した。これに75グラムの50%KOH水溶液をゆっくり加え、その混合物を約3時間混合した。次に、100グラムの脱イオン水をゆっくり加えてその混合物をペーストにした。この混合物を次に約66℃で加熱することにより乾燥してその混合物を押出可能の形態に戻した。この混合物を1/12インチのダイを通して押し出した。この押出物の一部分を揮発物46%まで風乾した。この押出物のモル組成は次のとおりであった:
【0074】
SiO2/Al2O3 =13
(Na2O+K2O)/SiO2=0.24
K2O/(Na2O+K2O) =0.61
OH-/SiO2 =0.29
H2O/SiO2 =4.2
【0075】
上記押出物をステンレス鋼製オートクレーブ中の1クォートのテフロン製びんに入れ、そして150℃および自生圧において4日間加熱した。この押出物をKOH水溶液を用いてpH12に調整された水で洗浄し、濾過し、そして120℃の真空オーブン中で一晩乾燥した。最後に、この押出物を空気中で593℃において6時間カ焼した。この押出物をX−線回折分析法で分析すると、ゼオライトLを唯一のゼオライト相として含んでいることが見いだされた。

Claims (26)

  1. 結晶性ゼオライトLを製造する方法であって、次の:
    (A)ゼオライトLを生成させるに足る量の、少なくとも1種の活性なシリカ源、少なくとも1種の活性なアルミナ源および水酸化物源、並びにゼオライトLを生成させるに足る水を含んで成る自立性の反応混合物を調製し、ここで該反応混合物は0.2〜0.4のOH-/SiO2モル比を有し;そして
    (B)該反応混合物を、90〜200℃の温度で、結晶化条件下において、外部液体相の添加がない状態で、ゼオライトLの結晶を形成させるに足る時間加熱する
    工程を含んで成る、上記の方法。
  2. 反応混合物が結晶化中の水/シリカモル比として6以下の値を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 結晶化中の反応混合物が水/シリカモル比として2〜5の値を有する、請求項2に記載の方法。
  4. 反応混合物が次のモル組成範囲:
    SiO2/Al2O3 =5〜20
    (Na2O+K2O)/SiO2=0.15〜0.45
    K2O/(Na2O+K2O) =0.3〜1.0
    OH-/SiO2 =0.2〜0.4
    H2O/SiO2 =2〜6
    を有する、請求項1に記載の方法。
  5. 反応混合物が次のモル組成範囲:
    SiO2/Al2O3 =5〜15
    (Na2O+K2O)/SiO2=0.20〜0.40
    K2O/(Na2O+K2O) =0.4〜1.0
    OH-/SiO2 =0.25〜0.4
    H2O/SiO2 =3〜5
    を有する、請求項4に記載の方法。
  6. シリカ/アルミナモル比の値が5〜10である、請求項1に記載の方法。
  7. シリカ/アルミナモル比の値が5.5〜7である、請求項6に記載の方法。
  8. 反応混合物が少なくとも1種の活性な第VIII族金属源をさらに含んでいる、請求項1に記載の方法。
  9. 第VIII族金属が白金、パラジウムおよび両者の組み合わせから選ばれる、請求項8に記載の方法。
  10. ゼオライトL生成物中のシリカ/アルミナモル比の値が5〜7である、請求項1に記載の方法。
  11. ゼオライトL生成物中のシリカ/アルミナモル比の値が5.5〜7.0である、請求項1に記載の方法。
  12. 反応混合物が押出成形可能で、かつある一定の形状を保持し得るものである、請求項1に記載の方法。
  13. 結晶性ゼオライトLを製造する方法であって、次の:
    (A)ゼオライトLを生成させるに足る量の、少なくとも1種の活性なシリカ源、少なくとも1種の活性なアルミナ源および水酸化物源、並びに得られる反応混合物を付形するに足る水を含んで成る自立性の反応混合物を調製し、ここで該反応混合物は0.2〜0.4のOH-/SiO2モル比を有し;
    (B)該反応混合物を成形してある一定の形状物となし;そして
    (C)該反応混合物を、90〜200℃の温度で、結晶化条件下において、外部液体相の添加がない状態で、ゼオライトLの結晶を形成させるに足る時間加熱する
    工程を含んで成る、上記の方法。
  14. 反応混合物が結晶化中の水/シリカモル比として6以下の値を有する、請求項13に記載の方法。
  15. 結晶化中の反応混合物が水/シリカモル比として2〜5の値を有する、請求項14に記載の方法。
  16. 反応混合物が次のモル組成範囲:
    SiO2/Al2O3 =5〜20
    (Na2O+K2O)/SiO2=0.15〜0.45
    K2O/(Na2O+K2O) =0.3〜1.0
    OH-/SiO2 =0.2〜0.4
    H2O/SiO2 =2〜6
    を有する、請求項13に記載の方法。
  17. 反応混合物が次のモル組成範囲:
    SiO2/Al2O3 =5〜15
    (Na2O+K2O)/SiO2=0.20〜0.40
    K2O/(Na2O+K2O) =0.4〜1.0
    OH-/SiO2 =0.25〜0.4
    H2O/SiO2 =3〜5
    を有する、請求項16に記載の方法。
  18. シリカ/アルミナモル比の値が5〜10である、請求項13に記載の方法。
  19. シリカ/アルミナモル比の値が5.5〜7である、請求項18に記載の方法。
  20. 反応混合物が少なくとも1種の活性な第VIII族金属源をさらに含んでいる、請求項13に記載の方法。
  21. 第VIII族金属が白金、パラジウムおよび両者の組み合わせから選ばれる、請求項20に記載の方法。
  22. 付形された結晶性ゼオライトが0.40mm〜12.7mm(1/64〜1/2インチ)の断面直径を有する球状または円筒状粒子である、請求項13に記載の方法。
  23. 付形された結晶性ゼオライトが0.80mm〜6.4mm(1/32〜1/4インチ)の断面直径を有する球状または円筒状粒子である、請求項22に記載の方法。
  24. ゼオライトL生成物中のシリカ/アルミナモル比の値が5〜7である、請求項13に記載の方法。
  25. ゼオライトL生成物中のシリカ/アルミナモル比の値が5.5〜7.0である、請求項13に記載の方法。
  26. 反応混合物が押出成形可能で、かつある一定の形状を保持し得るものである、請求項13に記載の方法。
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