JP4361412B2 - 車両用シート - Google Patents
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Description
また、このサスペンション機構は、ばね部材のばね力を調整するばね力調整機構を備えている。このばね力調整機構は、フレームに取り付けられた操作ノブを回転することによってばね力を調整することができる。そして、これにより着座部の沈み込み量を調整することが可能となっている。
このように、ボトムプレートの立下り部に開口凹部を形成して、この開口凹部内を操作ダイヤルに連結される連結部材が通過するように構成すれば、操作ダイヤルを着座部の凹部内に配置することができる。これにより、操作ダイヤルを着座部の上表面に近い位置に配置することができるので、操作ダイヤルを掴み易く操作するのが容易となる。
このようにすることにより、別部材を使用することなく表皮材およびクッション材の端末処理を行うことができる。
図1から図9は本発明の一実施形態に係るものであり、図1は車両用シートの斜視図、図2は車両用シートの平面図、図3は操作ダイヤル付近の説明図、図4は表示部の説明図、図5は着座部の断面図、図6は着座部の開口凹部の説明図、図7はサスペンション機構およびスライド機構の説明図、図8および図9はサスペンション調整部の説明図である。
着座部10の後方部分の両脇には、合成樹脂製の支持部18が形成されている。支持部18の前側にはクッション材13を覆う表皮材11が延出しており、本例の車両用シート1の着座部10は、支持部18を含めて全体として略一定の幅を有して構成されている。支持部18は、着座部10を構成するボトムプレート14が一部延出して形成されており、表皮材11で覆われた着座部10の他の部位よりも隆起している。左右の支持部18には、合成樹脂製の中空円弧状の肘掛部50が配設されている。
この着座部10は、後述するスライド機構80およびサスペンション機構70上に固定されている。スライド機構は、着座部10を前後方向へスライド可能であって、所定ピッチごとに固定することができる。
さらに、サスペンションの調整状態を表示する表示部100が着座部10の右側側部に形成されている。また、スライド機構80のスライド調整用のスライドレバー81は、その先端が凹部10bに臨むように操作ダイヤル71付近に配設されている。
操作ダイヤル71は、図中、破線で示した仮想的な着座部10の外形線内、すなわち凹部10b内に収まるように、サスペンション機構70側から前方へ突出するように配設されている。この操作ダイヤル71は後述するように、回転させることによって乗員の体重に合わせて最適なサスペンション機能の調整を行うことができるものである。
このように表示部110が形成されているので、乗員が着座して操作ダイヤル71を操作するときに上側から指示針102および調整用目盛101cを視認することができ、調整の操作がし易くなっている。
このような構成により、本例の車両用シート1では、乗員は着座前後に即座に操作ダイヤル71を視認することが可能である。このとき、サスペンション機能の調整度合いを示す表示部110が着座部10の側部に配設されたので、調整度合いを目盛で確認しながら調整できる。このように、本例の車両用シート1では、サスペンション機能調整の操作性が向上されている。
また、操作ダイヤル71が側方ではなく前方に突出するように配設されたので、この車両用シート1が狭い車両フロア内に設置されたような場合であっても、操作ダイヤル71を掴んで操作するときに、車両用フロアの側壁等が邪魔になることがない。
さらに、凹部10bに操作ダイヤル71およびスライドレバー81が集中して配設されたので、よりシート調整の操作性が向上される。
ボトムプレート14の前側は下部に空間を形成するように凹部5が形成されており、凹部5の前側端部には下方へ立ち下がる立下り部5aが形成されている。立下り部5aの前面にもクッション材13および表皮材11が配設されている。
また、着座部10には、後述する溝12cの後方に沿ってランバーサポート部10aが連続して形成されている。ランバーサポート部10aは、背もたれ部30と連続するように着座部10の他の表面から隆起するように形成されており、着座部10と背もたれ部30との外観上の一体感が図られている。
溝12bは、着座部10の後方部分の左右方向の中央に奥行き方向に延びるように形成されている。そして、溝12bの前側端部,後側端部は、それぞれ溝12aの中央部,溝12cの中央部と連結している。溝12bは、後方側が低くなるように傾斜が設けられて形成されている。
溝12cは、着座部10の後方部分の後側に左右方向に延びるように形成されている。溝12cは、左右端部側が前方に湾曲するように形成され、中央部が低くなるように傾斜が設けられて形成されている。
このように排水部20が溝12bと溝12cが交わる部位に形成されているので、排水部20は、溝12のうち最も低い部位に位置する。
また、背もたれ部30に降り注いだ雨水は、背もたれ部30の前面を流れ落ちて、着座部10のランバーサポート部10aを経由して溝12cに流れ込み、排水部20から外部へ排出されるようになっている。
このように、本発明の車両用シート1では、車両用シート1に雨水等がかかったときに、雨水は溝12に流れ込んで、さらに排水部20から外部へ排出されるように構成されており、水が溜まって着座部10が汚れたり、内部に水がしみ込んだりすることがない。この溝12によって水を排水部20へ導き、効率よく水を排水することができる。
開口凹部10cは、ボトムプレート14の立下り部5aにU字形の開口を形成して構成されている。さらに、開口凹部10cの縁部から前方に延出する延出部14aと、延出部14aの端部から着座部10の側面に沿って開口凹部10cの外側に延出するU字形の押え部14bが形成されている。そして、表皮材11およびクッション材13の端部は、押え部14bとボトムプレート14本体との間に挟み込まれるようにして配設されている。
図7に示すように、スライド機構80は、左右一対のシートトラック82からなり、車両フロア上に配設される。サスペンション機構70は、一対のシートトラック82上に組み付けられた状態で着座部10を載置して支持している。
シートトラック82は、車両フロアに固定されるロアレール82aと、ロアレール82aに摺動可能に組付けたアッパレール82bとを備えて構成される。また、アッパレール82bの上面には、ロック機構83を構成するロック部材83aが回動可能に取り付けられている。ロック部材83aは、通常時、スプリング83bによってアッパレール82bがロアレール82aに対して摺動するのを規制するロック位置に保持されている。
乗員がスライドレバー81の先端をスプリング83bの付勢力に抗して車両用シート1の中央側に移動させるとロック機構83のロック状態が解除され、車両用シート1は前後方向にスライド可能となる。
サスペンション本体部70aは、左右一対の前側リンク71a、左右一対の後側リンク71b、テンションスプリング72、前側ロッド72a、後側ロッド72b、着座部10を下側から支持する枠状のフレーム73等から構成されている。
アッパレール82bの前端部,後端部には、それぞれ上側に向けて突設する取付部84a,84bが配設されている。この取付部84aに前側リンク71aの後端部が回動可能に取り付けられ、取付部84bに後側リンク71bの後端部が回動可能に取り付けられている。
また、左右それぞれの前側リンク71a,後側リンク71bの中央部には、不図示の連結部材が回動可能に連結されており、前側リンク71aと後側リンク71bは、連結部材を介して連動するように構成されている。
伝達部材75の中央部には、伝達ロッド75aが固着されている。この伝達ロッド75aは、フレーム73の左右の側面73aに回動可能に取り付けられており、伝達ロッド75aの左側端部付近に配設された不図示のテンションスプリングを伸縮させるように機能する。伝達部材75の上側端部は、サスペンション調整部70bに回動可能に連結されている。
ねじシャフト76はフレーム73の前側面73bを貫通し、前側端が操作ダイヤル71に固着されている。ねじシャフト76とフレーム73との間には軸受76aが配設されている。また、ねじシャフト76の後端側にはクリップ部材76bが配設され、このクリップ部材76bをフレーム73の側面73aから延出するフランジ部に係合させて、ねじシャフト76の抜け止めを図っている。操作ダイヤル71を回動させると、ねじシャフト76は操作ダイヤル71と共に回動する。
アジャスタブラケット78の後方端部は、上述の伝達部材75の上側端部が回動可能に連結されている。
なお、本例のアジャスタブラケット78の係合凹部78aは、鉤状に形成されているが、係合突起77bとアジャスタブラケット78が回動可能に連結されればこれに限られない。
シャフトアジャスタ77が前方に移動するとき、係合突起77bに引っ張られてアジャスタブラケット78は前方に共に移動する。アジャスタブラケット78が前方へ移動するのに伴って、アジャスタブラケット78の後側端部に回動可能に連結された伝達部材75は、伝達ロッド75aを中心として反時計方向に回動する。このとき、アジャスタブラケット78は前方に移動すると共に、係合突起77bを中心として反時計方向に回動する。
このように、操作ダイヤル71を回動させたとき、シャフトアジャスタ77の係合突起77bと係合するアジャスタブラケット78が係合突起77bを中心として回動するので、ねじシャフト76はシャフトアジャスタ77から軸方向にのみ引張力を受ける。したがって、操作ダイヤル71を回動させても、操作ダイヤル71を回動させるための操作力はほとんどかわらず、略一定の操作力で操作ダイヤル71を回動させることができる。
Claims (4)
- 着座部と、該着座部を支持するサスペンション機構と、を備えた車両用シートであって、
前記着座部には、該着座部の上面に開口すると共に前記着座部の前端部の一部を切り欠くように凹部が形成され、
前記サスペンション機構は、サスペンション調整用の操作ダイヤルを備え、
該操作ダイヤルは、前記凹部に臨むように配設されると共に、前記着座部の仮想的な外形線内である前記凹部内に収まるように、前記サスペンション機構側から前記着座部の前方へ突出して配設されたことを特徴とする車両用シート。 - 前記着座部を前後方向にスライドさせるためのスライド機構をさらに備え、
該スライド機構は、スライド調整用のスライドレバーを備え、
該スライドレバーは前記凹部に臨むように配設され、
前記サスペンション機構は、サスペンション調整の状態を表示する表示部を備え、
該表示部は、前記着座部の側部に配設されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。 - 前記着座部は、ボトムプレート上にクッション材を配設して表皮材で覆ってなり、
前記ボトムプレートには、前端が下方へ立ち下がる立下り部が形成され、
前記操作ダイヤルは、前記ボトムプレートの立下り部に形成された開口凹部内を通過する連結部材を介して前記サスペンション機構の本体側に連結されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。 - 前記ボトムプレートには、前記開口凹部の縁部から前方に延出する延出部と、該延出部の端部から前記開口凹部の外側へ延出する押え部とが形成され、前記開口凹部において、前記表皮材および前記クッション材の端部は前記押え部と前記立下り部との間に挟持されたことを特徴とする請求項3に記載の車両用シート。
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