JP4361306B2 - 需要予測装置、生産計画システム、需要予測方法、生産計画方法およびプログラム - Google Patents

需要予測装置、生産計画システム、需要予測方法、生産計画方法およびプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、需要予測装置、生産計画システム、需要予測方法、生産計画方法およびプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
製造業等において生産計画や操業計画を立案する場合には、どのくらいの「量」を生産すればよいかという情報が重要である為、需要予測処理を行って将来の需要量を予測し、その結果を計画の作成に反映している。一般的な需要予測は、過去の実績データに基づいて、対象アイテムの将来的な特定時期(または特定日)における、受注・需要の「量」を予測する。例えば、受注生産品の生産による設備負荷の山谷を、見込み生産品で埋める生産計画の立案方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
一方、業種や製品の種類によっては、生産する「量」はほぼ確定しているが、受注を受けるタイミングが不確定であるケースも見受けられる。
例えば、マンションやビル建設に材料や部品を提供する企業の場合がそうである。マンションやビルは建設工事が完了するという時期は決まっているものの、建設工事に使う材料・部品は、建設工事の進み具合に応じて発注する時期が決まるという特徴がある。例として、浴槽は、マンションの建設計画(設計)が決まった時点で必要な「量」はほぼ特定されるが、天候などにより工事が遅延したりするため、必要となる時期(発注される時期)が不確定である。
【0004】
すなわち、浴槽を生産する企業は、浴槽を生産する「量」は分かっているが受注(または納品)する「時期」が未定である状態となる。更には、建設工事業者は、工事進捗に応じて材料や部品を使用する直前に、それらを材料生産者や仲介業者に発注する場合もあり、発注が来てから生産しても間に合わないこともある。上述したようなケースでは、材料生産者が需要予測を行う際に、入力条件となる受注(または納品)時期にある程度幅を持たせて予測を行うなどする。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−232344号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の需要予測では、入力条件である受注(または納品)時期に幅を持たせてしまうため予測精度が悪くなってしまうという問題が生じる。特に、受注生産においては、一般的に見込み生産と比べて生産量が少なく受注量の変動も大きいため、元々精度の高い需要予測が困難であるという事情もある。従ってある程度の在庫を持っておき、突然の受注に備えるなどしていたが、在庫の管理をしなければならないという負荷と、結局は在庫品が売れ残ってしまったりするなどのリスクを抱えていた。
【0007】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、受注する前に受注予定量は確定しているが、受注(または納品)する時期が不確定な製品に対して精度の高い需要予測を行うことを一つの目的とする。また、本発明は受注する前に受注予定量は確定しているが、受注(または納品)する時期が不確定な製品の需要予測を基に生産計画を生成することを他の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、取引先から受注する前に、受注予定量および取引先における完成予定日が確定しているが、受注を受ける時期または納品する時期が不確定である製品または製品グループの需要を予測する需要予測装置であって、各取引先の前記完成予定日に対する受注タイミングの傾向を示す受注傾向情報または各取引先の前記完成予定日に対する納品タイミングの傾向を示す納期傾向情報と前記完成予定日とに応じて、前記完成予定日の所定日数前となる受注予定日または納品予定日を算出する納品日算出手段と、前記受注予定量と前記製品または製品グループの単位時間当たりの生産量とを基に、前記納品日算出手段が算出した前記受注予定日または前記納品予定日に間に合うよう前記製品または製品グループを生産可能な生産開始日を推定する生産開始日推定手段とを具備することを特徴とする。
かかる構成とすることにより、受注する前に受注予定量は確定しているが、受注(または納品)する時期が不確定な製品に対して精度の高い需要予測を行うことができる。
【0009】
また、本発明は、取引先から受注する前に、受注予定量および取引先における完成予定日が確定しているが、受注を受ける時期または納品する時期が不確定である製品または製品グループの需要を予測する需要予測装置と、前記需要予測装置と通信可能な生産計画装置と、を含む生産計画システムであって、前記需要予測装置は、各取引先の前記完成予定日に対する受注タイミングの傾向を示す受注傾向情報または各取引先の前記完成予定日に対する納品タイミングの傾向を示す納期傾向情報と前記完成予定日とに応じて、前記完成予定日の所定日数前となる受注予定日または納品予定日を算出する納品日算出手段と、前記受注予定量と前記製品または製品グループの単位時間当たりの生産量とを基に、前記納品日算出手段が算出した前記受注予定日または前記納品予定日に間に合うよう前記製品または製品グループを生産可能な生産開始日を推定する生産開始日推定手段と
を具備し、前記生産計画装置は、前記生産開始日推定手段が推定した前記生産開始日よりも前に前記製品または製品グループの生産を開始する生産計画を生成する生産計画生成手段を具備することを特徴とする。
かかる構成とすることにより、受注する前に受注予定量は確定しているが、受注(または納品)する時期が不確定な製品の需要予測を基に生産計画を生成することができる。
【0010】
また、本発明は、取引先から受注する前に、受注予定量および取引先における完成予定日が確定しているが、受注を受ける時期または納品する時期が不確定である製品または製品グループの需要を予測する需要予測装置と、前記需要予測装置と通信可能な生産計画装置と、を含む生産計画システムにおける生産計画方法であって、前記需要予測装置が、各取引先の前記完成予定日に対する受注タイミングの傾向を示す受注傾向情報または各取引先の前記完成予定日に対する納品タイミングの傾向を示す納期傾向情報と前記完成予定日とに応じて、前記完成予定日の所定日数前となる受注予定日または納品予定日を算出する納品日算出ステップと、前記需要予測装置が、前記受注予定量と前記製品または製品グループの単位時間当たりの生産量とを基に、前記納品日算出ステップで算出された前記受注予定日または前記納品予定日に間に合うよう前記製品または製品グループを生産可能な生産開始日を推定する生産開始日推定ステップと、前記生産計画装置が、前記生産開始日推定ステップで推定された前記生産開始日よりも前に前記製品または製品グループの生産を開始する生産計画を生成する生産計画生成ステップと、を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、取引先から受注する前に、受注予定量および取引先における完成予定日が確定しているが、受注を受ける時期または納品する時期が不確定である製品または製品グループの需要を予測する需要予測装置と、前記需要予測装置と通信可能な生産計画装置と、を含む生産計画システムにおける生産計画方法であって、前記需要予測装置が、各取引先の前記完成予定日に対する受注タイミングの傾向を示す受注傾向情報または各取引先の前記完成予定日に対する納品タイミングの傾向を示す納期傾向情報に応じて、前記完成予定日の所定日数前となる受注予定日または納品予定日を推定する納品日推定ステップと、前記需要予測装置が、前記受注予定量と前記製品または製品グループの単位時間当たりの生産量とを基に、前記納品日推定ステップで推定された前記受注予定日または前記納品予定日に間に合うよう前記製品または製品グループを生産可能な生産開始日を推定する生産開始日推定ステップと、前記生産計画装置が、前記生産開始日推定ステップで推定された前記生産開始日よりも前に前記製品または製品グループの生産を開始する生産計画を生成する生産計画生成ステップと、を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、取引先から受注する前に、受注予定量および取引先における完成予定日が確定しているが、受注を受ける時期または納品する時期が不確定である製品または製品グループの需要を予測するコンピュータを、各取引先の前記完成予定日に対する受注タイミングの傾向を示す受注傾向情報または各取引先の前記完成予定日に対する納品タイミングの傾向を示す納期傾向情報と前記完成予定日とに応じて、前記完成予定日の所定日数前となる受注予定日または納品予定日を算出する納品日算出手段と、前記受注予定量と前記製品または製品グループの単位時間当たりの生産量とを基に、前記納品日算出手段が算出した前記受注予定日または前記納品予定日に間に合うよう前記製品または製品グループを生産可能な生産開始日を推定する生産開始日推定手段として機能させることを特徴とするプログラムである
また、本発明は、取引先から受注する前に、受注予定量および取引先における完成予定日が確定しているが、受注を受ける時期または納品する時期が不確定である製品または製品グループの需要を予測する需要予測装置であって、各取引先の前記完成予定日に対する受注タイミングの傾向を示す受注傾向情報または各取引先の前記完成予定日に対する納品タイミングの傾向を示す納期傾向情報を用いて、前記完成予定日と受注傾向情報又は納期傾向情報との差分より受注予定日又は納品予定日を算出する納品日算出手段と、前記受注予定量と前記製品または製品グループの単位時間当たりの生産量とを基に、前記納品日算出手段が算出した前記受注予定日または前記納品予定日に間に合うよう前記製品または製品グループを生産可能な生産開始日を推定する生産開始日推定手段と、を具備することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
まず、本発明の一実施形態における需要予測装置を備える生産計画システムの全体構成について図を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態における需要予測装置を備える生産計画システムの全体構成を示す図である。図1において、符号1は、生産計画システムであり、所定の製品に対して所定の期間における需要予測情報を出力する需要予測装置2と、需要予測装置2が出力する需要予測情報や生産能力情報などの情報を基に、所定の製品における所定の期間の生産計画を生成する生産計画装置とを具備する。
【0022】
尚、本実施形態において需要予測する対象となる製品は、受注が来る前に受注量はほぼ確定しているが、受注(または納品)時期が不確定な製品である。本実施形態では、製品の具体例として、マンション用の浴槽について説明する。上述したように、マンション用の浴槽は、マンションの建設計画において検収日および需要量は決まっているが、マンションの建設進行具合に応じて発注日(=浴槽製造者にとっては受注日)が定まる製品である。
【0023】
上述した製品の需要予測を行うため、需要予測装置2は、以下に示す受注予定情報データベース23aおよび分析結果情報データベース23bを備えるデータベース23を具備する。受注予定情報データベース23aは、受注が来る前に確定している製品名(例えば、浴槽A)、受注量、製品を組み込んだ製品や構造物(例えば、マンション)の検収日(完成予定日)に関する情報である検収日情報などを格納する。
【0024】
また、分析結果情報データベース23bは、取引先(例えば、マンション建設者)別に、過去に取引した製品を特定する製品コードと、過去にその製品の検収日の何日前に受注する傾向(検収日に対する受注タイミングの傾向)があるかを示す統計情報である受注傾向情報と、過去にその製品の検収日の何日前に納品する傾向(検収日に対する納品タイミングの傾向)があるかを示す統計情報である納期傾向情報とを格納する。ここで、上述した統計情報とは、例えば平均や偏差などの統計量である。
【0025】
尚、上述した受注予定情報データベース23aや分析結果情報データベース23bにおいて、製品を特定する情報は“受注製品コード”や“受注予定製品コード”に限らず、製品名などでもよい。更に、上述した受注予定情報データベース23aや分析結果情報データベース23bにおいて、製品を特定せずに、製品を所定のカテゴリに分類して、カテゴリ別の受注傾向情報や納期傾向情報を格納してもよい。また、受注予定情報データベース23aおよび分析結果情報データベース23bについては、具体的な構成例を後述する。
【0026】
また、生産計画装置3は、生産計画を生成するために必要な情報を格納するため、製品別の需要実績や製造実績などの生産情報を格納する生産情報データベース33aおよび製品別の在庫情報を格納する在庫情報データベース33bを備えるデータベース33を具備する。尚、生産情報データベース33aの詳細については、後述する。
【0027】
また、4は、営業支援システムであり、営業者が取引先に関する情報を入力することで、取引先情報データベース4aを構築している。本実施形態においては、需要予測装置2が、受注予定情報や取引先との過去の取引情報を分析するために必要な分析用情報を、取引先情報データベース4aを参照して取得する機能を有する。これにより、取得された受注予定情報が上述した受注予定情報データベース23aに格納され、取得された分析用情報が分析された分析結果が、上述した分析結果情報データベース23bに格納される。
【0028】
ここで、取引先情報データベース4aの構成例について図を用いて説明する。図6は、図1に示した取引先情報データベース4aの構成例を示す図である。図6に示すように、取引先情報データベース4aは、“取引先情報”として、以下の情報を格納する。“取引先名”とは、取引先の名称である。“取引先コード”とは、取引先を特定する識別コードである。“受注実績情報”とは、“取引先コード”で特定される取引先からの過去の受注実績に関する情報であり、“受注製品コード”、“受注量”、“検収日”、“受注日”、“納品日”などを含む。また、この“受注実績情報”は、過去(所定期間でもよい)に“取引先コード”で特定される取引先との取引の回数に等しい数の“受注実績情報”が格納されている。また、取引先が複数存在する場合は、各取引先について上述した“受注実績情報”が格納される。
【0029】
また、“受注予定情報”とは、“取引先コード”で特定される取引先からの受注予定に関する情報であり、“受注予定製品コード”、“受注予定量”、“検収日”、“物件情報”などを含む。ここで、“検収日”とは、“受注予定製品コード”で特定される受注予定の製品が組み込まれる最終製品の検収日であり、例えば、製品がマンション用の浴槽であれば、最終製品はマンションであり、その検収日となる。また、“物件情報”とは、上述した最終製品に関する情報であり、上述した具体例においては、マンションに関する情報である。
【0030】
以上に示したように、本発明の生産計画システム1の備える需要予測装置2は、受注予定製品およびその受注予定量を少なくとも特定する“受注予定情報”および受注してきた取引先の過去における取引の分析結果である分析結果情報を基に、取引先からの受注予定日または取引先への納品予定日を推定する。これにより、生産計画装置3は、需要予測装置2が需要予測した製品については、その予測された受注日または納品日に間に合うように生産計画を生成する。これにより、受注が来る前に受注量はほぼ確定しているが、受注(または納品)時期が不確定な製品に対して精度の高い需要予測を行うことができ、更に、その需要予測を基に生産計画を生成することができる。
【0031】
尚、図1に示す、需要予測装置2および生産計画装置3のハードウェア構成は、一般的なコンピュータと同様の構成でありCPU(中央演算装置)およびメモリ等より構成される。また、図示していないが、需要予測装置2および生産計画装置3は、マウスやキーボードなどの入力装置および、CRT(CathodeRay Tube)や液晶ディスプレイなどの表示装置を具備する。また、営業支援システム4は、例えば、取引先情報データベース4aを管理するデータベースサーバと、営業支援環境を営業者の操作する端末へ提供する営業支援サーバとから構成される。尚、需要予測装置2と生産計画装置3間の通信および需要予測装置2と営業支援システム4間の通信は、インターネットなどの公衆網を介してもよく、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)や専用線や無線などを介してもよい。
【0032】
次に、図1に示した需要予測装置2の機能構成について詳細に説明する。
図2は、図1に示した需要予測装置2の機能構成を示す図である。図2において、21は、制御部であり、需要予測装置2内の各処理部やデータの流れを制御する。22は、送受信処理部であり、生産計画装置3との種々のデータの送受信を行う。データベース23は、上述したように、受注予定情報データベース23aおよび分析結果情報データベース23bを備える。
【0033】
ここで、受注予定情報データベース23aおよび分析結果情報データベース23bの構成例について説明する。図3(a)および図3(b)は、図1、図2に示した受注予定情報データベース23aおよび分析結果情報データベース23bの構成例を示す図である。まず、受注予定情報データベース23aの構成例について説明する。図3(a)に示すように、受注予定情報データベース23aは、“受注予定情報”として以下に示す情報を“取引先コード”に関連付けて格納する。尚、上述したように、受注予定情報データベース23aが格納する“受注予定情報”は、取引先情報データベース4aより取得した情報であるので、取引先情報データベース4aにおいて説明した事項については説明を簡略化する。
【0034】
“受注予定製品情報”とは、受注予定の製品について“受注予定製品名”、“受注予定製品コード”、“共通製造情報”、“個別製造情報”などを含む情報である。ここで、“共通製造情報”とは、同じ製品コード(または同じカテゴリでもよい)において共通の製造工程を有する部分に関する情報である。“個別製造情報”とは、同じ製品コード(または同じカテゴリでもよい)において個別の製造工程を有する部分に関する情報である。この“個別製造情報”は、実際に受注がこないと定まらない情報でもある。具体例で示すと、浴槽の形状は“共通製造情報”であり、浴槽の色は“個別製造情報”である。この情報が分かっていると、次際に受注する前(取引先からの受注前)に、処理可能な製造工程が分かり、その分を生産計画に組み込むことができる。
【0035】
また、受注予定情報データベース23aは、“取引先コード”に関連付けて“受注予定量”、“検収日”、“物件情報”などの情報も格納する。尚、受注予定情報データベース23aは、1つの取引先に対して複数の受注予定情報を格納していてもよく、複数の取引先の受注予定情報を格納してもよい。
【0036】
次に、分析結果情報データベース23bの構成例について説明する。分析結果情報データベース23bは、後述する分析処理部24が分析した分析結果(“受注傾向情報”および“納期傾向情報”)を、取引先コードおよび製品コード別に格納する。具体的には、図3(b)に示すように、分析結果情報データベース23bは、取引先の属性情報である取引先属性情報として、“取引先名”、“取引先コード”に関連付けて“製品別属性情報”を格納する。
【0037】
ここで、“製品別属性情報”とは、“取引先コード”で特性される取引先が発注した製品であって、“製品コード”で特定される製品の“受注傾向情報”および“納期傾向情報”を含む情報である。この時、1つの取引先から複数の製品を受注している場合は、“製品コード”と“受注傾向情報”および“納期傾向情報”の組み合わせが複数格納される。また、複数の取引先からの製品を受注している場合は、複数の“取引先コード”に関連付けて“製品別属性情報”が格納される。尚、本実施形態においては、“受注傾向情報”および“納期傾向情報”を取引先および製品の属性としたが、この限りではなく、取引先のみの属性や、製品のみの属性や、地域のみの属性や、それらの組み合わせなどの属性としてもよい。
【0038】
次に、需要予測装置2のブロック図の説明に戻る。
24は、分析処理部であり、後述する取引先情報取得部27が営業支援システム4の取引先情報データベース4aより取得した分析用の取引先情報である分析用取引先情報を基に統計処理による分析を行い、各取引先の“受注傾向情報”および“納期傾向情報”を生成する。ここで、統計処理による分析の具体例を示すと、分析処理部24は、過去の取引先の取引における検収日に対して受注日が何日前であったかの平均や偏差を受注傾向情報とする。また、分析処理部24は、過去の取引先の取引における検収日に対して納品日が何日前であったかの平均や偏差を納期傾向情報とする。
【0039】
尚、分析処理部24が行う統計処理による分析は、上述した限りではなく、種々の統計処理により検収日に対して受注日が何日前となるかの傾向を示す受注傾向情報や検収日に対して納品日が何日前となるかの傾向を示す納期傾向情報を求めてもよい。また、分析処理部24の出力する受注傾向情報や納期傾向情報は、平均値のみとする幅のない情報であってもよく、上述したように平均値と偏差の組み合わせによる幅のある情報であってもよい。また、分析処理部24の機能を実現するソフトウェアとして例えば、DWH(データ・ウェア・ハウス)という、データ分析ソフトウェアを利用して好適である。また、分析処理部24が生成した“受注傾向情報”および“納期傾向情報”は、取引先別および製品別に分析結果情報データベース23bに格納される。
【0040】
25は、納品日推定処理部であり、受注予定情報データベース23aより参照する対象製品の“検収日”から、分析結果情報データベース23bより参照する対象製品の“受注傾向情報”または“納期傾向情報”に応じた所定日数前となる受注予定日または納品予定日を推定する。具体的には、まず、納品日推定処理部25は、受注予定情報データベース23aより“受注予定情報”を参照することで“取引先コード”および“受注予定製品コード”などを特定して、需要予測の対象となる製品およびその製品を発注した取引先を特定する。次に、納品日推定処理部25は、特定した製品および取引先に対応する“受注傾向情報”または“納期傾向情報”を分析結果情報データベース23bより参照する。次に、納品日推定処理部25は、受注予定情報データベース23aより特定した製品および取引先に対応する図7に示した検収日D1から分析結果情報データベース23bより参照した“納期傾向情報”(または“受注傾向情報”)に応じた所定日数L1前となる納品予定日(または受注予定日)D2を推定する。
【0041】
26は、生産開始日推定処理部であり、納品日推定処理部25が特定した製品および取引先に対応する“受注予定量”と、需要予測の対象となる製品の単位時間当たりの生産量を基に、納品日推定処理部25が推定した納品予定日(または受注予定日)に間に合うよう製品を生産可能な生産開始日を推定する。本実施形態においては、単位時間当たりの生産量とは、例えば製品のリードタイムと1日の生産可能数により求めることができる。
【0042】
具体的には、まず、生産開始日推定処理部26は、受注予定情報データベース23aより納品日推定処理部25が特定した製品および取引先に対応する“受注予定量”を参照する。次に、生産開始日推定処理部26は、需要予測の対象となる製品のリードタイムと1日の生産可能数に関する情報を生産計画装置3より送受信処理部22を介して受信する。次に、生産開始日推定処理部26は、参照した“受注予定量”と需要予測の対象となる製品のリードタイムと1日の生産可能数を基に図7に示すような最短製造日数L2を求め、D2−L2の計算により納品日推定処理部25が推定した納品予定日(または受注予定日)D2に間に合う生産開始日D3を推定する。
【0043】
27は、取引先情報取得部であり、営業支援システム4の備える取引先情報データベース4aより、受注予定情報データベース23aに格納する“受注予定情報”や、分析処理部24が分析に必要な取引先の情報(分析用取引先情報)などを取得する。尚、例えば、データベース23に、取引先情報取得部27が分析のために取得した取引先情報(分析用取引先情報)を更に格納してもよい。
【0044】
以上に示す構成により、需要予測装置2は、取引先の過去の“受注傾向情報”または“納期傾向情報”を分析して、この“受注傾向情報”または“納期傾向情報”に応じて納品予定日を推定し、受注予定量および製品のリードタイムや一日の生産可能数などを基に、推定した納品予定日に間に合う生産開始日を推定することができる。これにより、需要予測装置2は、受注が来る前に受注量はほぼ確定しているが、受注(または納品)時期が不確定な製品に対して精度の高い需要予測を行うことができる。
【0045】
次に、図1に示した生産計画装置3の機能構成について詳細に説明する。
図4は、図1に示した生産計画装置3の機能構成を示す図である。図4において、31は、制御部であり、生産計画装置3内の各処理部やデータの流れを制御する。32は、送受信処理部であり、需要予測装置2との種々のデータの送受信を行う。データベース33は、上述したように、生産情報データベース33aおよび在庫情報データベース33bを備える。在庫情報データベース33bは、製品コード別の在庫数を格納している。
【0046】
ここで、生産情報データベース33aの構成例について説明する。図5は、図1、図4に示した生産情報データベース33aの構成例を示す図である。図5に示すように、生産情報データベース33aは、生産に関する情報として以下の情報を格納する。“製品情報”とは、所定の生産ラインで生産する製品に関する情報であって、製品を特定する識別子である“製品コード”に関連付けて以下の情報を含む。“需要予測情報”とは、“製品コード”で特定される製品の現時点および過去の需要予測量に関する情報である。“需要実績情報”とは、“製品コード”で特定される製品の過去の需要実績(例えば月毎の出荷数)に関する情報である。
【0047】
“生産実績情報”とは、“製品コード”で特定される製品の過去の生産実績(例えば月毎の生産数)に関する情報である。“在庫情報”とは、“製品コード”で特定される製品の現時点および過去の在庫量に関する情報である。“製品工程情報”とは、“製品コード”で特定される製品の生産工程の種類やそれらの工程に要する所要時間等に関する情報である。“部品情報”とは、“製品コード”で特定される製品の組み立てに必要な部品に関する情報である。この“部品情報”には、上述した“共通製造情報”における共通の製造工程で利用される共通の部品の“部品情報”と、“個別製造情報”における個別の製造固定に利用される個別の部品の“部品情報”とがある。以上に示すように、生産情報データベース33aは、“製品情報”として、各製品の生産に関する情報を“製品コード”に関連付けて格納する。
【0048】
また、“生産ライン情報”とは、上述した“製品情報”を有する複数の製品を生産する生産ラインの“リードタイム情報”や“生産能力情報”を含む情報である。ここで、“生産能力情報”とは、生産設備の1日の稼働時間と単位時間当たりの生産数により定まる1日の生産可能数などを示す情報である。また、“生産計画情報”とは、生産計画装置3が過去に計画した生産計画に関する情報である。図5に示すように、“生産計画情報”は、例えば、“製品名”およびその製品を生産投入した日時および数量の情報などを含む。
【0049】
尚、本実施形態では製品別の情報を格納したが、生産工程がほぼ同じ等の理由で生産時には同じカテゴリとして扱う製品グループがある場合は、その製品グループ単位で上述した情報を格納して、その後の処理も製品グループ単位で行ってもよい。
【0050】
34は、生産情報検索部であり、需要予測装置2からの要求に応じて特定の製品の“製造ライン情報”を生産情報データベース33aより検索して、送受信処理部32を介して需要予測装置2へ送信する。35は、生産計画生成部であり、需要予測装置2が製品別に推定した生産開始日よりも前に生産を開始する生産計画を生成する。すなわち、生産計画生成部35は、受注が来る前に受注量はほぼ確定しているが、受注(または納品)時期が不確定な製品に対して精度よく設定された生産開始日を利用して製品の生産計画を生成することができる。
【0051】
また、生産計画生成部35は、例えば、適正在庫数よりも少ない在庫数の製品を優先的に生産する生産計画を生成する。更に、生産計画生成部35は、予測制度の高い製品を優先的に生産する生産計画を生成する。また、生産計画生成部35が、生産計画の生成時に考慮する条件は上述した限りではなく、種々の生産制約に従って生産計画を生成して好適である。更に、生産計画生成部35は、コスト削減や生産設備の稼働率の向上などを目的とする目的関数などを利用して、所望の目的を達成する生産計画を生成してもよい。また、生産計画生成部35は、汎用的な製品における見込み生産と需要予測装置2が推定した生産開始日に応じた製品の生産とを組み合わせた生産計画を生成してもよい。
【0052】
36は、データベース更新処理部であり、生産情報データベース33aおよび在庫情報データベース33bを適時、最新情報に更新する処理を行う。尚、データベース更新処理部36は、最新情報を外部との通信により取得してもよいし、記録媒体などを介して取得してもよい。
【0053】
以上の構成により、生産計画装置3は、受注が来る前に受注量はほぼ確定しているが、受注(または納品)時期が不確定な製品に対して需要予測装置2が出力する精度の高い需要予測を基に、生産計画生成部35は、過剰な在庫や納品日に生産が間に合わない事態などが生じないような生産計画を生成することができる。すなわち、本実施形態における生産計画システム1は、受注が来る前に受注量はほぼ確定しているが、受注(または納品)時期が不確定な製品に対して精度の高い需要予測を行い、その需要予測を基に生産計画を生成することができる。
【0054】
また、図2に示した需要予測装置2の各処理部および図4に示した生産計画装置3の各処理部は、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、各処理部はメモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、各処理部の機能を実現する為のプログラムをメモリに読み込んで実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
また、上記メモリは、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリや、CD−ROM等の読み出しのみが可能な記録媒体、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせによるコンピュータ読み取り、書き込み可能な記録媒体より構成されるものとする。
【0055】
次に、上述した需要予測装置2を備える生産計画システム1の処理動作について説明する。
図8は、図1に示した需要予測装置2を備える生産計画システム1の処理動作を示すフロー図である。まず、ステップS1の処理の前の任意のタイミングで、取引先情報取得部27が、営業支援システム4の取引先情報データベース4aから“受注予定情報”および分析用取引先情報を取得する。これにより、受注予定情報データベース23aは最新の状態に更新される。
【0056】
次に、ステップS1において、分析処理部24は、取引先情報取得部27が取引先情報データベース4aより取得した分析用取引先情報を基に統計処理による分析を行い、各取引先の“受注傾向情報”および“納期傾向情報”を生成する。これにより、分析処理部24が生成した“受注傾向情報”および“納期傾向情報”は、取引先別および製品別に分析結果情報データベース23bに格納される。
【0057】
次に、ステップS2において、納品日推定処理部25は、受注予定情報データベース23aより参照する対象製品の“検収日”から、分析結果情報データベース23bより参照する対象製品の“納期傾向情報”に応じて図7に示すような所定日数L1前となる納品予定日D2を推定する。
【0058】
次に、ステップS3において、生産開始日推定処理部26は、納品日推定処理部25が特定した製品および取引先に対応する“受注予定量”と、需要予測の対象となる製品のリードタイムと1日の生産能力(1日の生産可能数)を基に、納品日推定処理部25が推定した納品予定日D2に間に合うよう製品を生産可能な生産開始日D3を推定する。
【0059】
次に、ステップS4において、生産計画生成部35は、需要予測装置2が製品別に推定した生産開始日よりも前に生産を開始する生産計画を生成する。
以上に示したように、生産計画システム1は、営業支援システム4より取引先に関する情報を取得することで、取引先の検収日を起点として何日前に受注日や納品日が設定される傾向にあるかを分析して、この分析結果に応じて受注予定日や納品予定日を推定するので、受注予定日や納品予定日の推定制度が良くなる。すなわち、この受注予定日や納品予定日を基に推定する生産開始日の精度も良くなり、この生産開始日を基に生成する生産計画の精度も良いものとなる。
【0060】
また、本発明の実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体又はかかるプログラムを伝送する伝送媒体も本発明の実施形態として適用することができる。また、上記のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等のプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。上記のプログラム、記録媒体、伝送媒体およびプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。
【0061】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0062】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現する為のものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0063】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。また、本実施形態では、マンション工事に使用する材料を例に挙げたが、もちろんこれに限られるものではなく、道路工事や公園などの公共設備建設など、検収/完成予定日が決まっているような業態に用いられる建具や材料を対象としても良い。
以上説明したように、上述した実施形態によれば需要予測装置は、各取引先の完成予定日に対する受注タイミングの傾向を示す受注傾向情報または各取引先の完成予定日に対する納品タイミングの傾向を示す納期傾向情報に応じて、完成予定日の所定日数前となる受注予定日または納品予定日を推定して、受注予定量と製品または製品グループの単位時間当たりの生産量とを基に、推定した受注予定日または納品予定日に間に合うよう製品または製品グループを生産可能な生産開始日を推定して、その生産開始日よりも前に製品または製品グループの生産を開始する生産計画を生成するので、受注する前に受注予定量は確定しているが、受注(または納品)する時期が不確定な製品に対して精度の高い需要予測を行うことができる。この精度のよい需要予測を用いて、精度のよい生産計画を生成することができる。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、受注する前に受注予定量は確定しているが、受注(または納品)する時期が不確定な製品に対して精度の高い需要予測を行うことができる。また、本発明によれば、受注する前に受注予定量は確定しているが、受注(または納品)する時期が不確定な製品の需要予測を基に生産計画を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における需要予測装置を備える生産計画システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1に示した需要予測装置2の機能構成を示す図である。
【図3】図1、図2に示した受注予定情報データベース23aおよび分析結果情報データベース23bの構成例を示す図である。
【図4】図1に示した生産計画装置3の機能構成を示す図である。
【図5】図1、図4に示した生産情報データベース33aの構成例を示す図である。
【図6】図1に示した取引先情報データベース4aの構成例を示す図である。
【図7】本実施形態における検収日D1、納品予定日D2、生産開始日D3の関係を示す図である。
【図8】図1に示した需要予測装置2を備える生産計画システム1の処理動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 生産計画システム
2 需要予測装置
3 生産計画装置
4 営業支援システム
4a 取引先情報データベース
21 制御部
22 送受信処理部
23 データベース
23a 受注予定情報データベース
23b 分析結果情報データベース
24 分析処理部
25 納品日推定処理部
26 生産開始日推定処理部
27 取引先情報取得部
31 制御部
32 送受信処理部
33 データベース
33a 生産情報データベース
33b 在庫情報データベース
34 生産情報検索部
35 生産計画生成部
36 データベース更新処理部

Claims (11)

  1. 取引先から受注する前に、受注予定量および取引先における完成予定日が確定しているが、受注を受ける時期または納品する時期が不確定である製品または製品グループの需要を予測する需要予測装置であって、
    各取引先の前記完成予定日に対する受注タイミングの傾向を示す受注傾向情報または各取引先の前記完成予定日に対する納品タイミングの傾向を示す納期傾向情報と前記完成予定日とに応じて、前記完成予定日の所定日数前となる受注予定日または納品予定日を算出する納品日算出手段と、
    前記受注予定量と前記製品または製品グループの単位時間当たりの生産量とを基に、前記納品日算出手段が算出した前記受注予定日または前記納品予定日に間に合うよう前記製品または製品グループを生産可能な生産開始日を推定する生産開始日推定手段と
    を具備することを特徴とする需要予測装置。
  2. 各取引先において過去の前記製品または製品グループ別に前記完成予定日に対する受注タイミングまたは納品タイミングを統計的に分析することにより前記受注傾向情報または前記納期傾向情報を生成する分析手段を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の需要予測装置。
  3. 前記取引先における前記完成予定日は、前記製品または製品グループを利用した製品または構造物の完成予定日であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の需要予測装置。
  4. 取引先から受注する前に、受注予定量および取引先における完成予定日が確定しているが、受注を受ける時期または納品する時期が不確定である製品または製品グループの需要を予測する需要予測装置と、前記需要予測装置と通信可能な生産計画装置と、を含む生産計画システムであって、
    前記需要予測装置は、
    各取引先の前記完成予定日に対する受注タイミングの傾向を示す受注傾向情報または各取引先の前記完成予定日に対する納品タイミングの傾向を示す納期傾向情報と前記完成予定日とに応じて、前記完成予定日の所定日数前となる受注予定日または納品予定日を算出する納品日算出手段と、
    前記受注予定量と前記製品または製品グループの単位時間当たりの生産量とを基に、前記納品日算出手段が算出した前記受注予定日または前記納品予定日に間に合うよう前記製品または製品グループを生産可能な生産開始日を推定する生産開始日推定手段と
    を具備し、
    前記生産計画装置は、
    前記生産開始日推定手段が推定した前記生産開始日よりも前に前記製品または製品グループの生産を開始する生産計画を生成する生産計画生成手段
    を具備することを特徴とする生産計画システム。
  5. 前記需要予測装置は、各取引先において過去の前記製品または製品グループ別に前記完成予定日に対する受注タイミングまたは納品タイミングを統計的に分析することにより前記受注傾向情報または前記納期傾向情報を生成する分析手段を更に具備することを特徴とする請求項4に記載の生産計画システム。
  6. 前記取引先における前記完成予定日は、前記製品または製品グループを利用した製品または構造物の完成予定日であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の生産計画システム。
  7. 前記生産計画生成手段は、見込み生産と前記生産開始日に応じた前記製品または製品グループの生産とを組み合わせた生産計画を生成することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の生産計画システム。
  8. 取引先から受注する前に、受注予定量および取引先における完成予定日が確定しているが、受注を受ける時期または納品する時期が不確定である製品または製品グループの需要を予測する需要予測装置における需要予測方法であって、
    各取引先の前記完成予定日に対する受注タイミングの傾向を示す受注傾向情報または各取引先の前記完成予定日に対する納品タイミングの傾向を示す納期傾向情報と前記完成予定日とに応じて、前記完成予定日の所定日数前となる受注予定日または納品予定日を算出する納品日算出ステップと、
    前記受注予定量と前記製品または製品グループの単位時間当たりの生産量とを基に、前記納品日算出ステップにおいて算出された前記受注予定日または前記納品予定日に間に合うよう前記製品または製品グループを生産可能な生産開始日を推定する生産開始日推定ステップと
    を有することを特徴とする需要予測方法。
  9. 取引先から受注する前に、受注予定量および取引先における完成予定日が確定しているが、受注を受ける時期または納品する時期が不確定である製品または製品グループの需要を予測する需要予測装置と、前記需要予測装置と通信可能な生産計画装置と、を含む生産計画システムにおける生産計画方法であって、
    前記需要予測装置が、各取引先の前記完成予定日に対する受注タイミングの傾向を示す受注傾向情報または各取引先の前記完成予定日に対する納品タイミングの傾向を示す納期傾向情報と前記完成予定日とに応じて、前記完成予定日の所定日数前となる受注予定日または納品予定日を算出する納品日算出ステップと、
    前記需要予測装置が、前記受注予定量と前記製品または製品グループの単位時間当たりの生産量とを基に、前記納品日算出ステップで算出された前記受注予定日または前記納品予定日に間に合うよう前記製品または製品グループを生産可能な生産開始日を推定する生産開始日推定ステップと、
    前記生産計画装置が、前記生産開始日推定ステップで推定された前記生産開始日よりも前に前記製品または製品グループの生産を開始する生産計画を生成する生産計画生成ステップと、
    を有することを特徴とする生産計画方法。
  10. 取引先から受注する前に、受注予定量および取引先における完成予定日が確定しているが、受注を受ける時期または納品する時期が不確定である製品または製品グループの需要を予測するコンピュータを、
    各取引先の前記完成予定日に対する受注タイミングの傾向を示す受注傾向情報または各取引先の前記完成予定日に対する納品タイミングの傾向を示す納期傾向情報と前記完成予定日とに応じて、前記完成予定日の所定日数前となる受注予定日または納品予定日を算出する納品日算出手段と、
    前記受注予定量と前記製品または製品グループの単位時間当たりの生産量とを基に、前記納品日算出手段が算出した前記受注予定日または前記納品予定日に間に合うよう前記製品または製品グループを生産可能な生産開始日を推定する生産開始日推定手段と
    して機能させることを特徴とするプログラム。
  11. 取引先から受注する前に、受注予定量および取引先における完成予定日が確定しているが、受注を受ける時期または納品する時期が不確定である製品または製品グループの需要を予測する需要予測装置であって、
    各取引先の前記完成予定日に対する受注タイミングの傾向を示す受注傾向情報または各取引先の前記完成予定日に対する納品タイミングの傾向を示す納期傾向情報を用いて、前記完成予定日と受注傾向情報又は納期傾向情報との差分より受注予定日又は納品予定日を算出する納品日算出手段と、
    前記受注予定量と前記製品または製品グループの単位時間当たりの生産量とを基に、前記納品日算出手段が算出した前記受注予定日または前記納品予定日に間に合うよう前記製品または製品グループを生産可能な生産開始日を推定する生産開始日推定手段と、
    を具備することを特徴とする需要予測装置。
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