JP4361219B2 - フィルタカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルタカートリッジに関する。さらに詳しくは、浄化すべき原液と浄化液との間及びカートリッジの内部と外部との間のシール性及び生産性に優れるとともに、交換が簡易かつ確実で優れたメンテナンス性を有する、特に、化学工業、食品工業等の分野におけるプロセス機器や水道水の家庭用の浄水器等に好適に用いられるフィルタカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、化学工業、食品工業等の分野におけるプロセス機器や水道水の家庭用の浄水器において、原液をその内部に透過させて除菌、濾過等の浄化を行うフィルタとして、セラミックス製や中空糸製のフィルタエレメントをケースに収納したフィルタカートリッジが用いられている。
【0003】
図5に示すように、このようなフィルタカートリッジとしては、例えば、取り入れた浄化すべき原液301を、その内部を透過させることによって浄化し、浄化液302として取り出し得る円筒状のフィルタ本体303と、フィルタ本体303をその中に収納すべくフィルタ本体303を囲繞するようにして配設された、原液301を取り入れる原液取入れ口304及び浄化液302を取り出す浄化液取出し口305を備えるとともに原液取入れ口304及び浄化液取出し口305以外は密閉されたフィルタケース306と、フィルタ本体303がフィルタケース306中の所定位置に位置決めされて収納されるように、また、フィルタケース306の原液取入れ口304から取り入れられた原液301がフィルタ本体303の内部を透過した浄化液302に混入することなくフィルタケース306の浄化液取出し口305まで導かれるように、フィルタ本体の外縁部を含む領域及び対応するフィルタケースの内縁部を含む領域の間に介在させて配設した、フィルタ本体303の中心軸を含む面で切断した断面形状が二つのL字状の少なくとも一つのシール部材307とを備えてなるフィルタカートリッジ300が用いられ、フィルタ本体303のフィルタケース306内での径方向(中心軸に直交する方向)位置は、シール部材307の円筒部分で決定されるとともに、中心軸方向位置は、フィルタ本体303の端面と対応するフィルタケース306との間に介在するシール部材307の中央部が開口した円板状部分が相互の部材を押圧し面圧を付与することで、フィルタ本体303とフィルタケース306の間を液密に固定することで決定される。
【0004】
このフィルタカートリッジ300は、フィルタケース306が、原液取入れ口304を含むケース蓋体部306Aと浄化液取出し口305を含むケース本体部306Bとにそれぞれ別体に分割されてなるとともに、ケース蓋体部306Aの外周壁とケース本体部306Bの内周壁との間にはシールの確実性を高めるためO−リング308が配設され、さらにケース蓋体部306Aの外周壁とケース本体部306Bの内周壁とが、それぞれ対応する領域で螺合することによって取り外し可能に固定、一体化されて構成されている。
【0005】
また、フィルタ本体303及びシール部材307は中心軸方向にそれぞれ寸法公差を有しており、これらがフィルタケース306の中で好適に液密を確保するために、ケース蓋体部306A及びケース本体部306Bのそれぞれの端部間には長さがHの隙間309が形成されている。
【0006】
また、原液取入れ口304には原液取入れ流路310、また浄化液取出し口305には浄化液取出し流路311がそれぞれ形成され、原液取入れ流路310の外周壁及び原液取出し流路311の外周壁には、本発明のフィルタカートリッジを、例えば、浄水器本体に液密に接続するための、例えば、O−リング等を設置する溝312、313が形成されている。
【0007】
上述のフィルタカートリッジは、浄化すべき原液と浄化液との間のシール性に一定の効果を発揮するとともに、交換が簡易でメンテナンス性にも一定の効果を発揮する点で優れたものである。
【0008】
このようなフィルタカートリッジを浄水器に用いた例として、少なくとも活性炭を含む濾過層を有するフィルタカートリッジとケースに内臓されたセラミック膜フィルタとを備えたものが提案されている(特許第3124627号公報)。
【0009】
この浄水器は、交換が簡易で、メンテナンス性に一定の効果を発揮するとともに、セラミック膜フィルタの目詰まりや圧力損失の上昇を抑えることができる点で優れたものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のフィルタカートリッジは、部品の組み立て時において部品に一定の寸法公差がないと組み立てが困難になる反面、部品間の寸法公差が大きすぎると浄化すべき原液と浄化液との間及びカートリッジの内部と外部との間のシール性が不十分になるという二律背反の性質を有している上に、その寸法が要求される仕様によって変化した場合、上述のシール性を確保するためには、組み立て時に各部品の寸法をその変化に追随させる(例えば、寸法の相違するフィルタカートリッジごとにまとめて一セットの部品を複数組み揃えることや、各部品の寸法公差(特に、中心軸方向の長さの寸法公差)をそれぞれ精密にコントロールして設定する等)必要があり、部品点数の増加を余儀なくされるとともに、極めて煩雑な作業が要求され、生産性が低下するという問題があった。
【0011】
また、フィルタ本体(フィルタエレメント)の洗浄や交換のため、各部品を取り外した場合、洗浄や交換終了後の再組み立て時に、分割されたフィルタケースにおける長さHの隙間が関係する部品の寸法公差のためにバラツキを生じ、フィルタカートリッジ自体の中心軸方向寸法が製品ごとで変化し、フィルタカートリッジの組み立て時に、所期の面圧を確保するため螺合するトルクを規定、管理する設備と熟練度とを必要とし、また、例えば、浄水器にフィルタカートリッジを組み込む場合にフィルタカートリッジが他部品に接触し組み立てできなくなり、さらに、接続個所で液漏れが発生する等の問題があった。
特に、フィルタ本体(フィルタエレメント)として、セラミックスフィルタを用いた場合には、それが高温で処理する焼物である性質上、極めて堅く切削等による寸法調整が極めて困難であるとともに、釉薬を用いる関係から寸法のバラツキの発生が不可避で、寸法の調整が極めて困難であること等から、前記問題が顕著であった。
【0012】
さらに、前述の浄水器も、上述のものと同様のフィルタカートリッジを用いているため、同様の問題を避けることはできなかった。
【0013】
本発明は、上述の問題に鑑みなされたもので、浄化すべき原液と浄化液との間及びカートリッジの内部と外部との間のシール性及び生産性に優れるとともに、交換が簡易かつ確実で優れたメンテナンス性を有する、特に、化学工業、食品工業等の関連分野におけるプロセス機器や水道水の家庭用の浄水器等に好適に用いられるフィルタカートリッジを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の課題を解決するべく鋭意研究した結果、フィルタカートリッジの組み立て時に各部品間に生じる寸法公差を許容し得る構成とすることにより、上記目的を達成することができることを知見し、本発明を完成させた。
【0015】
すなわち、本発明は、以下のフィルタカートリッジを提供するものである。
【0016】
[1] 取り入れた浄化すべき原液を、その内部を透過させることによって浄化し、浄化液として取り出し得る円筒状のフィルタ本体と、前記フィルタ本体をその中に収納すべく前記フィルタ本体を囲繞するようにして配設された、前記原液を取り入れる原液取入れ口及び前記浄化液を取り出す浄化液取出し口を備えるとともに前記原液取入れ口及び前記浄化液取出し口以外は密閉されたフィルタケースと、前記フィルタ本体が前記フィルタケース中の所定位置に位置決めされて収納されるように、また、前記フィルタケースの原液取入れ口から取り入れられた原液が前記フィルタ本体の内部を透過した浄化液に混入することなく前記フィルタケースの浄化液取出し口まで導かれるように、前記フィルタ本体の外縁部を含む領域及び対応する前記フィルタケースの内縁部を含む領域の間に介在させて配設した、前記フィルタ本体の中心軸を含む面で切断した断面形状が二つのL字状の少なくとも一つの第1のシール部材と、を備えてなるフィルタカートリッジであって、前記第1のシール部材が、その硬度(ショア硬度)が50〜80で、その外周壁の直径が端部に向かって漸減するように、前記中心軸方向に対して2〜10°のテーパが形成されてなるものであり、かつ前記フィルタケースが、前記第1のシール部材のテーパ形成部に対応するその内周壁の直径が端部に向かって漸減するように、前記中心軸方向に対して前記第1のシール部材のテーパー角度以上のテーパが形成されてなるものであり、前記フィルタケースが、そのテーパ形成部において当接する前記第1のシール部材のテーパ形成部を介して、前記フィルタ本体の外縁部を含む領域を押圧する状態で、前記フィルタ本体を収納してなり、前記第1のシール部材の中央部の開口した内径側には円筒状部が形成され、前記フィルタケースの内縁部を含む領域の端部に前記フィルタ本体に接触しないように形成されてなるとともに、前記フィルタケースが、前記内縁部を含む領域のうちの端部側で前記第1のシール部材に当接する領域に、円環状の突出部を形成されてなることを特徴とするフィルタカートリッジ。
【0018】
[2] 前記フィルタ本体の外縁部が、曲率半径0.5〜1.5mmのアール部を形成されてなるとともに、前記第1のシール部材の内縁部が曲率半径1.0〜2.5mmのアール部を形成されてなり、かつ前記第1のシール部材の内縁部の曲率半径が前記フィルタ本体の外縁部の曲率半径よりも大に設定されてなる前記[1]に記載のフィルタカートリッジ。
【0019】
[3] 前記フィルタ本体がセラミックスフィルタである前記[1]又は[2]に記載のフィルタカートリッジ。
【0020】
[4] 前記フィルタ本体が、その端部側から浄化液を取り出す構造を有するものである[1]〜[3]のいずれかに記載のフィルタカートリッジ。
【0021】
[5] 前記フィルタ本体が、その外周壁側から浄化液を取り出す構造を有するものであり、前記外周壁から取り出された浄化液を前記フィルタケースの浄化液取出し口まで導く流路が形成され、かつ、前記第1のシール部材の外縁部を含む領域及び前記フィルタケースの内縁部を含む領域の間に、前記フィルタ本体の端部と前記フィルタケースの浄化液取出し口との間の連通を遮断する第2のシール部材が配設されてなる[1]〜[3]のいずれかに記載のフィルタカートリッジ。
【0022】
[6] 前記フィルタケースが、前記原液取入れ口を含むケース蓋体部と前記浄化液取出し口を含むケース本体部とにそれぞれ別体に分割されてなるとともに、前記ケース蓋体部の外周壁と前記ケース本体部の内周壁とが、それぞれ対応する領域で螺合することによって取り外し可能に固定、一体化され、かつ、それぞれの対向する端部が緊密に当接している[1]〜[5]のいずれかに記載のフィルタカートリッジ。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0024】
図1に示すように、本発明のフィルタカートリッジは、取り入れた浄化すべき原液101を、その内部を透過させることによって浄化し、浄化液102として取り出し得る円筒状のフィルタ本体103と、フィルタ本体103をその中に収納すべくフィルタ本体103を囲繞するようにして配設された、原液101を取り入れる原液取入れ口104及び浄化液102を取り出す浄化液取出し口105を備えるとともに原液取入れ口104及び浄化液取出し口105以外は密閉されたフィルタケース106と、フィルタ本体103がフィルタケース106中の所定位置に位置決めされて収納されるように、また、フィルタケース106の原液取入れ口104から取り入れられた原液101がフィルタ本体103の内部を透過した浄化液102に混入することなくフィルタケース106の浄化液取出し口105まで導かれるように、フィルタ本体103の外縁部を含む領域及び対応するフィルタケース106の内縁部を含む領域の間に介在させて配設した、フィルタ本体103の中心軸を含む面で切断した断面形状が二つのL字状の少なくとも一つの第1のシール部材107とを備えてなるフィルタカートリッジ100である。
【0025】
また、図2(a)、(b)に示すように、本発明のフィルタカートリッジは、第1のシール部材107が、その硬度(ショア硬度)が50〜80で、その外周壁の直径が端部に向かって漸減するように、中心軸方向に対してテーパ(θ1=2〜10°)が形成されてなるものであり、かつフィルタケース106(図2においてフィルタケース106は成形上の便宜性からケース蓋体部106Aとケース本体部106Bとに分割されている)は、第1のシール部材107のテーパ形成部107aに対応するその内周壁の直径が端部に向かって漸減するように、中心軸方向に対して第1のシール部材107のテーパー角度以上のテーパ(θ2)が形成されてなるものであり、ケース蓋体部106Aが、そのテーパ形成部106aにおいて当接する第1のシール部材107のテーパ形成部107aを介して、フィルタ本体103の外縁部103aを含む領域を押圧する状態で、フィルタ本体103を収納してなることを特徴とする。
【0026】
本発明のフィルタカートリッジの組み立て方法としては、まずフィルタ本体103の端部にシール部材107を嵌合した後、ケース本体部106Bに挿入し、さらに、ケース本体部106Bとケース蓋体部106Aとをそれぞれの対向する端面が当接するまでO−リング108を取り付けたケース蓋体部106Aをケース本体部106Bに螺合させ、全体を一体化する方法を挙げることができる。
【0027】
ここで、第1のシール部材107のショア硬度(Hs)が50未満であると、シール部材107に付加される面圧によりシール部材107が塑性変形し液漏れが発生したり変形によってはみ出たシール部材107が原液の流路を閉塞する問題が生じ、ショア硬度(Hs)が80を超えるとシール部材107が弾性変形しにくくなり所期の面圧が不足し液漏れが生じたり、また、面圧を確保するために対応して各部の強度を高くする必要が生じる。
【0028】
また、第1のシール部材107におけるテーパ(θ1)が2°未満であると、フィルタ本体103の組み立て時に、螺合する力が、シール部材107の中央部が開口した円板状部分に支配的に作用し、円板状部分に過度の面圧が作用することになってシール部材107が塑性変形しやすくなる。また、10°を超えると、フィルタ本体103の組み立て時に、螺合する力がシール部材107の円筒部分に支配的に作用し、円筒部分に過度の面圧が作用することになってシール部材107が塑性変形しやすくなる。
【0029】
シール部材107の中央部が開口した円板状部分の内径側には、円板状部分がフィルタ本体103の組み立て時に内径方向に過度に弾性変形しないように、ケース蓋体106A及びケース本体部106Bの内縁部106bを含む領域の端部にフィルタ本体103に接触しない寸法で円筒状部114を形成することにより、さらに安定なシール性を確保することができる。
【0030】
また、本発明のフィルタカートリッジは、フィルタケース106(ケース蓋体部106A)が、その内縁部106bを含む領域の端部側で、第1のシール部材107に当接する領域に、円環状の突出部106Cを形成されてなるものであることが好ましい。
【0031】
このように構成することによって、さらに十分な押圧力を確保してシール性をさらに向上させることができる。
【0032】
また、図3に示すように、本発明のフィルタカートリッジは、フィルタ本体の外縁部103aが、曲率半径(R1)0.5〜1.5mmのアール部を形成されてなるとともに、第1のシール部材の内縁部107bが曲率半径(R2)1.0〜2.5mmのアール部を形成されてなり、かつ第1のシール部材の内縁部107bの曲率半径(R2)が前記フィルタ本体の外縁部103aの曲率半径(R1)よりも大に設定されてなるものであることが好ましい。
【0033】
このように構成することで、序々にかつ確実に位置決めしつつ押圧力を発現して十分なシール性を確保することができる。
【0034】
ここで、本発明のフィルタカートリッジで用いられるフィルタ本体としては、例えば、中空糸製、セラミックス製(その形状としては交互に目封じしたハニカム形状のものやモノリス型形状のもの等がある)、繊維状や粒状の活性炭製等を挙げることができる。中でも、耐熱性や耐食性には優れるが寸法の調整が困難なセラミックスフィルタを好適に用いることができる。
【0035】
また、本発明のフィルタカートリッジで用いられるフィルタケース(材質)としては、例えば、成形性が容易で、かつ、使用後の回収リサイクルが容易な、PP、ABS、PVDF等の合成樹脂を挙げることができる。
【0036】
また、本発明のフィルタカートリッジで用いられるシール部材としては、例えば、食品用のシリコーンゴム、天然ゴム、EPゴム等を挙げることができる。
【0037】
なお、本発明に用いられる原液としては特に制限はなく、例えば、水道水、化学工業、食品工業等で用いられる各種液体等を挙げることができる。
【0038】
図1に示す本発明のフィルタカートリッジの実施の形態においては、フィルタ本体103が、その端部側から浄化液102を取り出す構造を有するものである。
【0039】
一方、図4に示すように、本発明のフィルタカートリッジの他の実施の形態として、フィルタ本体203が、その外周壁側から浄化液202を取り出す構造を有するもので、外周壁から取り出された浄化液202をフィルタケース206の浄化液取出し口205まで導く流路F1、F2が形成され、かつ、第1のシール部材207の外縁部を含む領域及びフィルタケースの内縁部を含む領域の間に、フィルタ本体の端部とフィルタケースの浄化液取出し口205との間の連通を遮断する第2のシール部材214を配設してなるものであってもよい。他の構成は図1に示すフィルタカートリッジの場合と同様である。
【0040】
このように構成することによって、さらに十分なシール性を確保することができる。
【0041】
また、図1に示すように(図4に示す場合も同様である)、本発明においては、上述のように、フィルタケース106が、原液取入れ口104を含むケース蓋体部106Aと浄化液取出し口105を含むケース本体部106Bとにそれぞれ別体に分割されてなるとともに、ケース蓋体部106Aの外周壁とケース本体部106Bの内周壁とが、それぞれ対応する領域で螺合することによって取り外し可能に固定、一体化され、かつ、それぞれの対向する端部が緊密に当接していることが好ましいが、螺合する代わりに、分割されたフィルタケース106(106A、106B)の対向するそれぞれの端部を接着剤によって接着するか、又は超音波によって溶着してもよい。また、ケース蓋体部106Aの内周壁とケース本体部106Bの外周壁とを螺合させたものであってもよい。
【0042】
このように構成することによって、フィルタ本体及びシール部材が中心軸方向にそれぞれ有する寸法公差が好適に吸収されるため、殊更隙間を形成する必要がなく、フィルタケースの中で好適にシール性を確保することができ、フィルタケースの成形作業及び各部品の交換作業を簡易化することができる。
【0043】
また、図1に示すように(図4に示す場合も同様である)、本発明のフィルタカートリッジにおいては、ケース蓋体部106Aの外周壁とケース本体部106Bの内周壁との間にはシールの確実性を高めるためO−リング108が配設されていることが好ましい。
【0044】
また、原液取入れ口104には原液取入れ流路110、また浄化液取出し口105には浄化液取出し流路111がそれぞれ形成され、原液取入れ流路110の外周壁及び原液取出し流路111の外周壁には、フィルタカートリッジを、例えば、浄水器本体に液密に接続するための、O−リング等を設置する溝112、113が形成されていることが好ましい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によって、浄化すべき原液と浄化液との間及びカートリッジの内部と外部との間のシール性及び生産性に優れるとともに、交換が簡易かつ確実で優れたメンテナンス性を有する、特に、化学工業、食品工業等の分野におけるプロセス機器や水道水の家庭用の浄水器等に好適に用いられるフィルタカートリッジが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフィルタカートリッジの一の実施の形態を模式的に示す断面図である。
【図2】 本発明のフィルタカートリッジの一の実施の形態において、フィルタ本体、シール部材及びフィルタケースの組み立て関係の詳細を模式的に示す断面図である。
【図3】 本発明のフィルタカートリッジの一の実施の形態において、フィルタ本体及びシール部材の組み立て関係の詳細を模式的に示す断面図である。
【図4】 本発明のフィルタカートリッジの他の実施の形態を模式的に示す断面図である。
【図5】 従来のフィルタカートリッジの一例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
100…フィルタカートリッジ、101…原液、102…浄化液、103…フィルタ本体、103a…外縁部、104…原液取入れ口、105…浄化液取出し口、106…フィルタケース、106A…ケース蓋体部、106B…ケース本体部、106C…円環状の突出部、106a…テーパ形成部、106b…内縁部、107…シール部材、107a…テーパ形成部、107b…内縁部、108…O−リング、110…原液取入れ流路、111…浄化液取出し流路、112…溝、113…溝、114…円筒状部、200…フィルタカートリッジ、201…原液、202…浄化液、203…フィルタ本体、204…原液取入れ口、205…浄化液取出し口、206…フィルタケース、206A…ケース蓋体部、206B…ケース本体部、206C…円環状の突出部、207…第1のシール部材、208…O−リング、210…原液取入れ流路、211…浄化液取出し流路、212…溝、213…溝、214…第2のシール部材、300…フィルタカートリッジ、301…原液、302…浄化液、303…フィルタ本体、304…原液取入れ口、305…浄化液取出し口、306…フィルタケース、306A…ケース蓋体部、306B…ケース本体部、307…シール部材、308…O−リング、309…長さがHの隙間、310…原液取入れ流路、311…浄化液取出し流路、312…溝、313…溝、R1、R2…曲率半径、F1、F2…流路。
Claims (6)
- 取り入れた浄化すべき原液を、その内部を透過させることによって浄化し、浄化液として取り出し得る円筒状のフィルタ本体と、
前記フィルタ本体をその中に収納すべく前記フィルタ本体を囲繞するようにして配設された、前記原液を取り入れる原液取入れ口及び前記浄化液を取り出す浄化液取出し口を備えるとともに前記原液取入れ口及び前記浄化液取出し口以外は密閉されたフィルタケースと、
前記フィルタ本体が前記フィルタケース中の所定位置に位置決めされて収納されるように、また、前記フィルタケースの原液取入れ口から取り入れられた原液が前記フィルタ本体の内部を透過した浄化液に混入することなく前記フィルタケースの浄化液取出し口まで導かれるように、前記フィルタ本体の外縁部を含む領域及び対応する前記フィルタケースの内縁部を含む領域の間に介在させて配設した、前記フィルタ本体の中心軸を含む面で切断した断面形状が二つのL字状の少なくとも一つの第1のシール部材と、
を備えてなるフィルタカートリッジであって、
前記第1のシール部材が、その硬度(ショア硬度)が50〜80で、その外周壁の直径が端部に向かって漸減するように、前記中心軸方向に対して2〜10°のテーパが形成されてなるものであり、かつ前記フィルタケースが、前記第1のシール部材のテーパ形成部に対応するその内周壁の直径が端部に向かって漸減するように、前記中心軸方向に対して前記第1のシール部材のテーパー角度以上のテーパが形成されてなるものであり、前記フィルタケースが、そのテーパ形成部において当接する前記第1のシール部材のテーパ形成部を介して、前記フィルタ本体の外縁部を含む領域を押圧する状態で、前記フィルタ本体を収納してなり、
前記第1のシール部材の中央部の開口した内径側には円筒状部が形成され、前記フィルタケースの内縁部を含む領域の端部に前記フィルタ本体に接触しないように形成されてなるとともに、
前記フィルタケースが、前記内縁部を含む領域のうちの端部側で前記第1のシール部材に当接する領域に、円環状の突出部を形成されてなることを特徴とするフィルタカートリッジ。 - 前記フィルタ本体の外縁部が、曲率半径0.5〜1.5mmのアール部を形成されてなるとともに、前記第1のシール部材の内縁部が曲率半径1.0〜2.5mmのアール部を形成されてなり、かつ前記第1のシール部材の内縁部の曲率半径が前記フィルタ本体の外縁部の曲率半径よりも大に設定されてなる請求項1に記載のフィルタカートリッジ。
- 前記フィルタ本体がセラミックスフィルタである請求項1又は2に記載のフィルタカートリッジ。
- 前記フィルタ本体が、その端部側から浄化液を取り出す構造を有するものである請求項1〜3のいずれかに記載のフィルタカートリッジ。
- 前記フィルタ本体が、その外周壁側から浄化液を取り出す構造を有するものであり、前記外周壁から取り出された浄化液を前記フィルタケースの浄化液取出し口まで導く流路が形成され、かつ、前記第1のシール部材の外縁部を含む領域及び前記フィルタケースの内縁部を含む領域の間に、前記フィルタ本体の端部と前記フィルタケースの浄化液取出し口との間の連通を遮断する第2のシール部材が配設されてなる請求項1〜3のいずれかに記載のフィルタカートリッジ。
- 前記フィルタケースが、前記原液取入れ口を含むケース蓋体部と前記浄化液取出し口を含むケース本体部とにそれぞれ別体に分割されてなるとともに、前記ケース蓋体部の外周壁と前記ケース本体部の内周壁とが、それぞれ対応する領域で螺合することによって取り外し可能に固定、一体化され、かつ、それぞれの対向する端部が緊密に当接している請求項1〜5のいずれかに記載のフィルタカートリッジ。
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