JP4360671B2 - 解凍方法及び解凍装置並びに冷凍曲げ用の液体の循環システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば自動二輸車、雪上車、四輪自動車、船舶等のエンジンに用いられ、曲げ部を有する排気管の製造のため、液体を素材管に充填する充填工程、液体を凍らせる冷凍工程、液体が凍結した素材管を曲げる冷凍曲げ工程を経た曲げ完了の素材管について、素材管内の凍結した液体を除去するための解凍方法及び解凍装置に関し、あるいは、気体や液体、粉体等の固形物、さらには固形物が混じった気体や液体あるいは気液混合流体の搬送用管で曲げ部を有するものの製造のため、液体を素材管に充填する充填工程、液体を凍らせる冷凍工程、液体が凍結した素材管を曲げる冷凍曲げ工程を経た曲げ完了の素材管について、素材管内の凍結した液体を解凍除去するための解凍方法及び解凍装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、水槽内の水を温度が所定範囲に管埋し、この水槽内の水に真空パックされた解凍すべき食品を浸漬し、水槽内の水は流動し、ケージに代えて水槽内を通過するコンベアでも良いことの開示がある(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−170958号公報(第1頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような特許文献1に記載される解棟技術を利用して曲げ加工後の素材管内の凍結した液体を解凍し除去するとしても、素材管の外表両から加熱するので、時間が掛かる。しかも、特許文献1には、解凍後の液を除去することについての開示がない。
【0005】
この発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、短時間で解凍し、液体を除去できる解凍方法及び解凍装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0007】
請求項1に記載の発明は、
充填された液体が凍結した素材管を曲げる冷凍曲げ工程を経た曲げ完了の前記素材管に注液具を取り付け、
凍結状態の曲げ完了の前記素材管を下方側端を開放し、上方側端に前記注液具を取り付けた状態で、
前記注液具を介して前記曲げ完了の素材管を吊支し、
前記吊支した状態で前記曲げ完了の素材管を前記液体と同一組成の昇温した液体を貯留する解凍槽の浴液に浸漬し、
前記浸漬中さらに充填された前記液体と同一組成の昇温した液体を、前記注液具を介して前記曲げ完了の素材管内に加圧注入することにより
凍結した液体を前記素材管の外側と内側の両方から解凍し、
前記解凍した液体を前記曲げ完了の素材管の下方側端から前記解凍槽内に流出させることを特徴とする解凍方法である。
【0008】
この請求項1に記載の発明によれば、凍結状態の曲げ完了の素材管に注液具を介して昇温した液体を加圧注入し、曲げ完了の素材管の内部から外部へ解凍した液体を流出させることで、短時間で素材管内側から解凍することができる。また、注液具を介して曲げ完了の素材管を吊支し、吊支した状態で曲げ完了の素材管を解凍槽の浴液に浸漬し、浸漬中さらに昇温した液体を加圧注入することで、素材管の外側と内側の両方から解凍するので、短時間で解凍することができる。
【0011】
請求項に記載の発明は、解凍後の前記曲げ完了の素材管を保持し、遠心分離で液体をさらに除去することを特徴とする請求項に記載の解凍方法である。
【0012】
この請求項に記載の発明によれば、解凍後の曲げ完了の素材管を保持し、遠心分離で氷曲げ液をさらに除去することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、
充填された液体が凍結した素材管を曲げる冷凍曲げ工程を経た曲げ完了の素材管を、一方端を開栓し、この一方端を下方側にする状態で他方端を吊支する吊支装置と、
前記凍結状態の曲げ完了の素材管の他方端に取り付けた注液具と、
昇温した液体を前記注液具を介して加圧注入可能とする温液注入装置と、
前記液体と同一組成の昇温した液体を貯留する解凍槽と、
を備え、
前記吊支装置は、
凍結状態の前記曲げ完了の素材管を前記注液具を介して吊支した状態で、前記素材管を上下動可能とする駆動装置を有し、
前記曲げ完了の素材管全体を、あるいは前記曲げ完了の素材管を一方端から所定以上の長さ、前記解凍槽内に浸潰させ、
前記温液注入装置は、
前記曲げ完了の素材管を前記解凍槽内に浸漬中にさらに充填された前記液体と同一組成の昇温した液体を、前記注液具を介して前記曲げ完了の素材管内に加圧注入することにより、
凍結した液体を前記素材管の外側と内側の両方から解凍し、
前記解凍した液体を前記曲げ完了の素材管の下方側端から前記解凍槽内に流出させることを特徴とする解凍装置である。
【0014】
この請求項3に記載の発明によれば、凍結状態の曲げ完了の素材管に注液具を介して昇温した液体を加圧注入し、曲げ完了の素材管の内部から外部へ解凍した液体を流出させることで、短時間で素材管内側から解凍することができる。また、注液具を介して曲げ完了の素材管を吊支し、吊支した状態で曲げ完了の素材管を解凍槽の浴液に浸漬し、浸漬中さらに昇温した液体を加圧注入することで、素材管の外側と内側の両方から解凍するので、短時間で解凍することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の解凍方法及び解凍装置の一実施の形態を図面に基づいて詳細に説明するが、この発明は、この実施の形態に限定されない、また、この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明の用語の意義は、これに限定されない。
【0022】
この実施の形態では、解凍方法及び解凍装置並びに冷凍曲げ用の液体の循環システムが適用される多重管からなる素材管及びその製造方法について説明する。
<多重管からなる素材管>
少なくとも、内管1と外管2からなる2重の多重管3は、素材管であり、この多重管3の外管2と、その内管1の間に繊維状の充填材4が配置されている。充填材4には、管曲げ部において所定ピッチで切り込み5を入れ、切り込みを曲げ外側に設ける場合には、曲げたときに切り込み5が開いて外管2の曲げ外側の凹凸を小さくできる。また、切り込みを曲げ内側に設ける場合には、曲げたときに切り込み5が重なり合うことで曲げ内側の大きな膨れを防止できる。すなわち、外側にのみ外観性が要求される場合には、曲げ外側となる部位のみにおいて充填材4に所定ピッチで切り込み5を設け、内側にのみ外観性が要求される場合には、曲げ内側となる部位のみにおいて充填材4に所定ピッチで切り込み5を設けるようにしても良い。この実施の形態のように両側において外観性を要求される場合には、曲げ両側で充填材に所定ピッチで切り込みを設けるようにする。切り込み5の長さは曲げ両側でそれぞれ、内管1に充填材4を巻き付けた状態で円周角で10度から180度の所望の角度とする。曲げの片側だけに設ける場合では10度から180度、さらには180度以上の内の所望の角度とする。
【0023】
また、内管1の管曲げ部の下流側、上流側の少なくとの一方にパンチング孔1aを設ける一方、管曲げ部にはパンチング孔を配置しないようにし、管曲げ部の強度を低下することなく、パンチング孔1aから請求項に記載の液体である氷曲げ液を注入した後凍結して曲げることができる。
【0024】
内管1にパンチング孔1aを設けると、特に曲げ外側となる部分は曲げ時に大きな引張り力が作用するので、パンチング孔1aが引き伸ばされて歪み、パンチング孔1aから亀裂が入って内管1が切れてしまう。同様に曲げ内側となる部分には曲げ時に圧縮力が作用し、パンチング孔1aが一方方向に縮むように歪んで座屈し、しわが発生して内管1の内側方向に膨れて内管1内を気体通路とする場合の通路抵抗が増加したり、パンチング孔1aの縁から亀裂が入って切れてしまう。これらを防止するため、少なくとも内管1の曲げ外側となる部分にパンチング孔1aは設け無いようにする。さらには、内管1の曲げ内側となる部分もパンチング孔1aは設け無いようにする。なお、多重管3が排気管として使用される場合、内管1を通る排気ガスの圧力変動は排気騒音の原因となる。多重管3の曲げ部を除く部分に設けられるパンチング孔1aは、内管1と外管2の間に配置される充填材部分に排気圧力を導くことで圧力変動を緩和し、排気騒音を低減できるものである。内管1の曲げ内側となる部分にパンチング孔1aを設けても配置ピッチが大きい、あるいは孔径を小さくし曲げによる前記する悪影響が小さい場合には、内管1の曲げ内側あるいは/及び外側となる部分にパンチング孔1aを設けて排気騒音をより低減するようにしても良い。また、排気騒音低減用のパンング孔1aは、注水時の氷曲げ液の通路としても利用できる。
【0025】
このように、多重管3の管曲げ部の外管2と、その内管1の間に繊維状の充填材4を配置し、管曲げ部の構造が簡単で外観性に優れる。さらに、内管に内外に連通するパンチング孔を設けることなく搬送用管とて使用する場合には、流体の流動性に優れる。
【0026】
この多重管3は、前記したように排気管等に用いられ、管曲げ部の外管2と、その内管1の間に耐熱性の繊維状で多孔質の充填材4を配置するようにした。多重管3からなる素材管のみでなく製品の排気管も同様であり、内管1を排気通路とする排気管では、充填材4により消音性能が向上し、触媒ファィバーなら排気ガスの浄化性向上、熱放射防止性向上、熱遮断性向上、防音性向上等が可能である。
<多重管からなる素材管の製造方法>
多重管からなる素材管の製造方法は、グラスファィバーである繊維状の充填材4を所定長さに切断し、のり溶液に浸漬する。内管1の管曲げ部の下流側、上流側の少なくとも一方にパンチング孔1aを設け、この内管1の外周に、のり溶液に浸漬済みの繊維状の充填材4を2〜3周巻き付ける。
【0027】
繊維状の充填材4の巻付けは、内管1のフランジ状のフレア部1bを基準に正確に行なうことができ、この繊維状の充填材4に所定ピッチで切り込み5を入れ、炉で乾燥して、それを外管2内に挿入する。この挿入時、繊維状の充填材4がばらけないで、直管での挿入は簡単で生産性が向上する。
【0028】
そして、内管1のフランジ状のフレア部1bが、外管2のフランジ状のフレア部2bに入り込み、この位置でスポット溶接11を行なう。
【0029】
なお、切り込み5を巻き付け前例えばのり溶液浸漬前に実施するようにもできる。この場合、充填材4の端部からの切り込み5の位置、切り込み長さ、充填材4の端部の巻き付け位置を所定の値に管理する。
【0030】
内管1には、曲げ部の下流側、上流側の少なくとも一方にパンチング孔1aを設ける一方、曲げ部にはパンチング孔1aを配置しないようにしており、曲げ部で内管1が破損することがない。また、のり溶液中の、のり成分は凍結液に溶解し、のりが変質しないようにしている。
【0031】
このように、内管1外周に繊維状の充填材4を巻き付けた状態で外管2内に挿入して配置し、少なくとも、内管1と外管2からなる多重管3とし、この多重管3の管内に氷曲げ液を注入した後凍結し、氷曲げ液が凍結した状態で、充填材配置部で曲げ、低コストで、外観性に優れ、流体の流動性に優れる曲がり部を有する管を得ることが可能である。
[多重管からなる素材管の冷凍曲げ方法]
図3は多重管からなる素材管の冷凍曲げ方法を示す。この実施の形態の多重管からなる素材管の冷凍曲げ方法は、圧力注水工程A、密栓注水工程B、気泡抜き工程C、冷凍工程D、曲げ工程E、栓抜き工程F、解凍工程G、開栓工程H、脱水工程I及び検査工程Jを有し、多重管の各工程間の移動はオペレータが行なうが、移動装置で自動的に移動するようにしてもよい。
【0032】
圧力注水工程Aでは、少なくとも、内管1と外管2からなる多重管3であり、内管1と外管2の間に繊維状の充填材4を配置した直管(真直、略直)の素材管に氷曲げ液を圧力注水機100により注水する。この氷曲げ液の注水は、素材管を直立させて内管1の内部にシール101を入れ、シール101の上方を押捧102で押圧してシール101を所定位置とし、その後シール101を拡張させて内管1の内壁との間を水密にし、内管1の下方から圧力を掛ける。氷曲げ液は、パンチング孔1aから繊維状の充填材4を通り上方へ流れ、空気を押し出して充填材4に吸水させることができる。この圧力注水工程Aが充填材配置部への第1注入工程を構成する。
【0033】
密栓注水工程Bでは、密栓注水機200により多重管3の一端にカプラ側密栓13を設け、このカプラ側密栓13を取り付けた一端側を下側にして多重管3を直立させ、他端に開にした状態のクランプ側密栓14を嵌め合せ、カプラ側密栓13側から一定量の氷曲げ液を注水する。注水後、クランプ側密栓14を多重管3の一端にシールさせつつ、嵌合固着する閉状態とする。
【0034】
気泡抜き工程Cでは、泡抜き機300の直進フィーダ301にクランプ側密栓14を下にして多重管3を直立させて取り付け、カプラ側密栓13に真空引きカプラ302を接続し、直進フィーダ301により加振して多重管3の充填材配置部のエア抜きを行なう。
【0035】
なお、繊維状の充填材4の部分にエアが残り易いので、圧力注水工程Aで気泡抜き工程Cを兼ねさせるようにしても良い。すなわち、内管1の下方からの氷曲げ液の注水の圧力を上げるようにするか、真空ポンプにより充填材4の上方の空間の圧力を下げるようにして、より確実に気泡抜きができるようにする。
【0036】
この密栓注水工程Bが非配置部への第2注入工程を構成し、圧力注水工程Aである充填材配置部への第1注入工程後、密栓注水工程Bである非配置部への第2注入工程を実施することで、氷曲げ液を効率的に注入することができる。
【0037】
冷凍工程Dでは、多重管3のカプラ側密栓13にエア抜きカプラ17を接続し、カプラ側密栓13をクランプして吊り下げ、多重管3を冷凍槽400に入れ、冷凍機401により多重管3の内部を凍結させる。この凍結時に凝固に伴う氷曲げ液の体積膨張により押し出されるエアは、エア抜きカプラ17から排気される。
【0038】
曲げ工程Eでは、多重管3からなる凍結した素材管を曲げ機500により曲げる。
【0039】
栓抜き工程Fでは、曲げ完了の多重管3のクランプ側密栓14を栓抜き18に掛け、この栓抜き18によってクランプ側密栓14を外す。
【0040】
解凍工程Gでは、多重管3のカプラ側密栓13に解凍機600の注湯プラグ51を取り付け、多重管3を解凍槽601の氷曲げ液と同じ種類の湯に入れ、注湯プラグ51から多重管3の内部に氷曲げ液と同じ種類の湯を通して解凍する。
【0041】
開栓工程Hでは、開栓機700でカプラ側密栓13を緩めて外す。
【0042】
脱水工程Iでは、脱液機800で多重管3を回転し、遠心分離で繊維状の充填材4に染み込んだ氷曲げ液を除去する。
【0043】
検査工程Jでは、検査装置900で多重管3の曲げ形状等を確認する。
[多重管の完成品]
図4は自動二輪車に用いた排気管を示す。自動二輪車の4気筒のエンジンに接続される排気管30は、それぞれジョントサイレンサ31で集合され、ジョントサイレンサ31にサイレンサ32が接続されている。
【0044】
この実施の形態における曲げ部を有する多重管3とは、ジョィントサイレンサ32として使用される。このジョイントサイレンサ31の管曲げ部には、パンチング孔1aがなく破損防止の構造であり、また管曲げ部には、充填材4に所定ピッチで切り込み5により外管曲げ変形(断面形状のひずみ)防止され、強度があり、かつ外観性に優れている。また、充填材4により消音性能が向上し、触媒ファィバーなら排気ガスの浄化性向上が可能である。充填材4の材質の選択により、さらに熱放射防止性向上、熱遮断性向上も可能である。
[多重管の製造装置]
図5は多重管の製造装置の配置を示す。この実施の形態の多重管の製造装置には、作業者が作業する作業エリア40の周囲に、完成台車42、パレテーナ43、リフト44、圧力注水機100、密栓注水機200、泡抜き機300、冷凍槽400、冷凍機401、曲げ機500、解凍機600、開栓機700、脱液機800、検査装置900、ハイドロユニット1000が配置されている。
【0045】
次の曲げ加工の対象となる所定個数の多重の直管3からなる素材管がパレテーナ43の上に置かれている。リフト44は、パレテーナ43を運搬するハンドリフトであり、オペレータは、パレテーナ43をリフトアップした後に、所望の位置までパレテーナ43を移動してリフトダウンして載置し、順次素材管を手で持って圧力注水機100側へ移動する。
【0046】
オペレータが素材管を圧力注水機100、密栓注水機200、泡抜き機300、冷凍槽400、曲げ機500、解凍機600、開栓機700、脱液機800、検査装置900と順に移動し、この検査装置900で曲げ完成品の曲げ状態の検査を行なう。完成台車42に検査済の曲げ完成品が順次収納され、完成台車42に所定数の曲げ完成品が収納されると、完成台車42を保管場所に移動する。
【0047】
図6は多重管の製造装置の全体概略制御ブロックを示す。この実施の形態の多重管の製造装置では、圧力注水機100、冷凍機401、解凍機600、脱液機800は、単体設備で専用の制御装置で制御されて作動する。
【0048】
密栓注水機200、泡抜き機300、冷凍槽400、曲げ機500、開栓機700、ハイドロユニット1000は、氷曲げ/ハイドロシステム制御装置1100で制御されて作動する。
【0049】
図7は氷曲げ/ハイドロシステムと液循環を示す。この実施の形態では、氷曲げ液を実線で示し、ハイドロ液を点線で示し、冷凍ブライン液を二点鎖線で示す。
【0050】
圧力注水機100では、オペレータによる押し釦の操作で起動する圧力注水シリンダ110の作動で氷曲げ液が貯留タンク111からポンプで多重管3の曲げ加工前の素材管の充填材4の部分に注入される。氷曲げ液は密栓注水機200で氷曲げ液タンク201から内管1内にも充填され、さらに泡抜き機300により泡抜きを終えた素材管は、オベレータにより冷凍糟400の搬入部に運搬される。オペレータによる押し釦の操作により冷凍槽400の浸漬槽内に浸漬される一方、冷凍を終えた素材管が冷凍槽400の搬出部に取り出されてくる。この冷凍を終えた素材管が曲げ機500にオペレータにより運搬され、オペレータによる押し釦の操作により曲げ加工が行われ、曲げ完了した多重管3がオペレータにより栓抜き台に運ばれてクランプ側密栓14が外され、さらに解凍槽601まで運ばれる。すなわち、氷曲げ液は密栓注水機200から解凍槽601まで多重管3の中に閉じ込められて、オペレータにより運搬される。
【0051】
解凍機600では、氷曲げ液は解凍されて多重管3から解凍槽601に流出する。ポンプ610の駆動で解凍槽601の氷曲げ液が、熱交換器611を通り、熱交換で冷却されて氷曲げ液タンク201へ送られる。この氷曲げ液タンク201から氷曲げ液注水シリンダ202を介して切替バルブ203を介して密栓注水機200へ送られる。
【0052】
解凍を終えた多重管3は、充填材4の部分に氷曲げ液が残っており、オペレータにより脱液機800に運ばれる。脱液機800で充填材4から分離された氷曲げ液は下部に溜まり、ポンプ801により解凍機600の解凍槽601に送られる。このようにして氷曲げ液は循環する。貯留タンクl11へは氷曲げ液がオペレータにより定期的に補充される。なお、貯留タンク1llを氷曲げ液タンク201に一体化することで廃止しても良い。
【0053】
また、図5乃至図7に示す装置を使い例えば単管の曲げ加工を行うことができる。密栓注水機200で単管内にハイドロ液、例えば防錆材、防かび材を混入した常温の水がエア抜きされつつ単管の下端側に嵌合固着されるカプラ側密栓13から注水される。直立される単管の上端には、氷曲げ加工において使用されるクランプ側密栓14とは別種の密栓、すなわち単管上端に嵌合シール固着可能で、中央部にハイドロ液通路と、この通路を開閉できる弁を設けた密栓が嵌合固着され、注水された水がこの密栓から洩れ出てくると単管内のエア抜きがされたとして弁が閉じられる。注水が終わった単管はオペレータにより曲げ機500に運ばれ、カプラ側密栓14にハイドロユニット1000の連結管が接続され、単管内の水庄がハイドロユニット1000により制御されつつ曲げ加工が行われる。
【0054】
曲げ加工の終わった単管はオペレータにより開栓機700に運ばれて、一端のクランプ側密栓14、他端の別種の密栓が順次取外され、単管内のハイドロ液は開栓機700で単管外に流出し、開栓機700の下部からハイドロタンク1001に戻る。この戻しは高さの差により重力を利用するか、ポンプで行う。ハイドロタンク1001内のハイドロ液は密栓注水機200での注水工程時、ハイドロポンプ1002の駆動で行われ、このとき切替パルプ203で氷曲げ液からハイドロ液への切り替えが行われる。以上のように、ハイドロ液は循環する。
【0055】
また、冷凍ブライン液は、ポンプ402の駆動で冷凍槽400と冷凍機401との間を循環する。
【0056】
この実施の形態の多重管の製造装置は、図5乃至図7に示すように、曲げ機500に近接して、一方側に圧力注水機100、密栓注水機200、泡抜き機300、冷凍槽400、冷凍機401が配置され、他方側にハイドロユニット1000、解凍機600、開栓機700、脱液機800、検査装置900がコンパクトに配置されている。
【0057】
泡抜き機300を配置したことで、多重管3からなる素材管のエア抜きが確実にでき、曲げ時曲げ部外側にひけ、へこみ等による凹凸や、曲げ部内側に座屈による内側へのくびれ、あるいは外側への膨れによるしわ等が発生しない。
【0058】
また、密栓注水機200、曲げ機500、開栓機700のうち少なくとも一つを兼用すると設備費を低減できる。
【0059】
また、ハイドロユニット1000を曲げ機500の近傍に設け、単管からなる素材管の高圧曲げ時、素材管をハイドロユニット1000に連結し、素材管内を加圧した状態で曲げ機500を作動させる一方、素材管の冷凍曲げ時には、素材管をハイドロユニット1000で加圧することなく、兼用の曲げ機500を作動させるようにしており、設備費を低減できる。
【0060】
また、加圧曲げのためのハイドロ液の循環経路と、冷凍曲げのための氷曲げ液の循環経路を独立に形成し、加圧曲げのためのハイドロ液と冷凍曲げのための氷曲げ液を互いに異なる組成物としている。ハイドロ液は、水とし、氷曲げ液は、例えばプロピレングリコールを混入した水とし、氷曲げ液は凍結時に硬さが安定する。また曲げ荷重が加わると氷が細かく砕けて流動性が増すので、多重管3の曲げ部の曲げ内外箇所に凹凸を発生させないようにできる。また、凍結温度を低くして作業効率を向上させている。また、例えば、ハイドロ液と氷曲げ液とを、同一とすると管理が容易となる。
【0061】
また、圧力注水機100では、冷凍曲げのための氷曲げ液の循環経路から独立した貯留タンク111から多重管3の充填材4の部分に、氷曲げ液を注水可能とする。
【0062】
多重管3からなる素材管に密閉された状態で、素材管と一緒に運搬され、密栓注水機200、泡抜き機300、冷凍槽400、冷凍機401、曲げ機500、解凍機600に到り解凍機600において多重管3からなる素材管内から解凍槽601へ流出した後、解凍槽601から氷曲げ液タンク201に到る循環路から構成する。
【0063】
貯留タンク111から多重管3の素材管の充填材4への氷曲げ液の注水により、貯留タンク1llの氷曲げ液量が減少する。オペレータは定期的に新鮮な氷曲げ液を貯留タンク111に補充する。これにより結果として、循環路途中の大気開放部での蒸発消耗や、曲げ完成した多重管3に僅かに付着して搬出されてしまうことによる消耗に対して、氷曲げ液が追加供給される。
【0064】
一方、加圧曲げのためのハイドロ液の循環経路を、ハイドロタンク1001から単管からなる素材管の両端にそれぞれ密栓可能とする閉栓具を装着した状態でハイドロ液を注水可能とする。単管からなる素材管に密閉された状態で素材管と―緒に運搬され、曲げ機500、開栓機700に到り、開栓機700において素材管内から流出した後、ハイドロタンク1001に到る循環路から構成し、ハイドロ液の消耗が少ない。
【0065】
また、密栓注水機200を加圧曲げ用と氷結曲げと兼用とする場合、それぞれの注水口とハイドロタンク1001、及び氷曲げ液タンク201を切替バルブ203を介してそれぞれ連結し、これにより設備費を低減できる。
<圧力注水機100>
図8乃至図10は圧力注水機を示す。図8は圧力注水機の概略構成図、図9は氷曲げ液の圧力注水のタイムチャート、図10は氷曲げ液の注水状態を示す図である。
【0066】
この実施の形態の圧力注水機100は、図8に示すように、ワーク押えユニット120に多重管3が上下方向にセットされる。このワーク押えユニット120は、上下シリンダ121により上下動して多重管3の着脱が行なわれる。
【0067】
すなわち、ワーク押さユニット120は、上下シリンダ121のピストンロッド121a、シールシリンダ123、密栓具122、シール101等から構成される。ピストンとロッドからなるピストンロッド121a、シールシリンダ123のシリンダ筒123a、筒蓋123b、密栓具122、押棒102は連結一体化され、シールシリンダ123のピストンとロッドからなるピストンロッド123cは、筒蓋123b、密栓具122、押棒102及びシール101を貫通してプレート130と連結一体化される。
【0068】
上下シリンダ121のピストンを下降させることで、一体化されたピストンロッド121a、シリンダ筒123a、筒蓋123b、密栓具122、押棒102を下降させて、多重管3の内部にシール101を挿入するとともに、密栓具122で多重管3を下方に押さえ込む。密栓具122には切り欠きあるいは貫通孔が設けられて、多重管3の内部のエアが外部に抜けるようになっている。
【0069】
シールシリンダ123のピストンを上昇させてピストンロッド123cでプレート130を引っ張り上げ、プレート130がシール101を押し広げて多重管3の内管1に密着させる。
【0070】
このようにワーク押えユニット120に多重管3がセットされた状態で、受け台125を介して供給パイプ140及び戻しパイプ131と内管1の下端部とを連通する。供給パイプ140には、注水切替弁133を介して圧力注水シリンダ110が接続され、戻しパイプ131には、貯留タンク111、戻しパイプ132、注水切替弁133を介して圧力注水シリンダ110が接続されている。注水切替弁133は、3方弁からなり吸入側と吐出側とに切り替えられる。
【0071】
戻しパイプ132には、開閉弁134が配置され、この開閉弁134は、注水時は閉とされ、注水終了後、開となり内管1内の氷曲げ液を貯留タンク111に戻すようにする。圧力注水シリンダ110は、エアシリンダ部115と圧力シリンダ部116を有し、両シリンダ部115、116の各シリンダ筒が基台110aにそれぞれ固定され、両シリンダ部115、116の各ピストンがロッドを介して連結―体化され、エアシリンダ部115に連動して圧力シリンダ部116が駆動する。
【0072】
この圧力注水機100は、図9に示すように、上下シリンダ121、すなわち内部のピストンが上昇し、シールシリンダ123、すなわち内部のピストンが戻り、圧力注水シリンダ110、すなわち内部のピストンが下降し、注水切替弁133が吐出側、開閉弁134が閉にある時に、オペレータが多重管3からなる素材管の完成品をセットし、起動釦(図示せず)を押す。
【0073】
上下シリンダ121、すなわち内部のピストンが下降し、圧力注水シリンダ110、すなわち内部のピストンが上昇し、注水切替弁133が吸入側、開閉弁134が開に切り替わり、多重管3からなる素材管をクランプし、圧力注水シリンダ110が貯留タンク111から氷曲げ液を戻しパイプ132、注水切替弁133を介して圧力シリンダ部116内に吸入する。
【0074】
そして、シールシリンダ123を作動し、多重管3の内部のパンチング孔1aより上方位置をシール101で栓をし、注水切替弁133が吐出側に、開閉弁134を閉にそれぞれ切り替えて、圧力注水シリンダ110を吐出に作動させると、氷曲げ液が注水切替弁133、供給パイプ140を介して多重管3の内部に下方から注入する。氷曲げ液を圧力注水することで、氷曲げ液がパンチング孔1aから繊維状の充填材4を通り上方へ流れ、空気を押し出して充填材4に吸水させることができる。
【0075】
タイマーを待ち、一定時間染み込ませると、シールシリンダ123、すなわち内部のピストンを戻し、開閉弁134を開に切り替える。タイマーを待ち、所定時間、多重管3の下方から氷曲げ液を抜く。
【0076】
そして、上下シリンダ121、すなわち内部のピストンが上昇し、多重管3からなる素材管のクランプを解除し、初期状態にする。
【0077】
この氷曲げ液の圧力注入は、図10に示すように、注入開始では(図10(a))、氷曲げ液がパンチング孔1aから繊維状の充填材4に入る。そして、多重管3の内部のパンチング孔1aより上方位置をシール101で栓をして堰き止められているために(図10(b))、氷曲げ液がエアを押し出して繊維状の充填材4に浸透する。
【0078】
この氷曲げ液がエアを押し出して繊維状の充填材4に浸透してオーバーフローすると(図10(c))、シール101を外し開閉弁134を開にして排水する(図10(d))。この状態でも、繊維状の充填材4に氷曲げ液が浸透している。
【0079】
この実施の形態の多重管3は、管曲げ部の外管2と、その内管1の間に繊維状の充填材4を配置しており、氷曲げ液の注入作業では、繊維状の充填材4の間に空気が残り、多重管3の下から注水するも、内管1の上端から繊維状の充填材4に周り込むと空気が抜けにくいが、繊維状の充填材4のみに注水し、次工程で中央部の注水を行う。
【0080】
繊維状の充填材4の下端は、外管2と内管1とをスポット溶接で閉栓しており、この内管1で閉栓した側で素材管を、図8に示すように、ワーク押えユニット120のパッキンを配置した受け台125で閉栓する。この受け台125に供給パイプ140及び戻しパイプ131が接続される。
【0081】
繊維状の充填材4部のみ注水すると、シール101を取り除き、素材管はオペレータにより隣接配置される密栓注水機200に運ばれる。この時素材管に衝撃を加えないように素材管を運ぶことで、氷曲げ液は充填材4の繊維状の隙間に保持されて流出しない。
<密栓注水機200>
図11乃至図13は密栓注水機を示す。図11は密栓注水機の概略構成図、図12は密栓構造を示す図、図13は密栓注水機の動作タイムチャートである。
【0082】
密栓注水機200は、横スライドユニット230、カプラ側密栓ユニット240、クランプ側密栓ユニット250、注水ユニット260を有する。横スライドユニット230は、横スライド231、ワーククランプ232とを有する。ワーククランプ232は、多重管3を保持し、また保持を解除する。ワーククランプ232は、多重管3を保持した状態で、横スライド231によって多重管3を投入側、中央、取出側に移動される。
【0083】
カプラ側密栓ユニット240は、カプラ側密栓クランプ241、カプラ側密栓上下シリンダ242、カプラ側密栓締め込み具243を有する。カプラ側密栓クランプ241は、載置台263に載置されるカプラ側密栓13を保持し、また保持を解除する。カプラ側密栓上下シリンダ242は、カプラ側密栓クランプ241を上下に移動し、多重管3の一端にカプラ側密栓13を取り付ける。
【0084】
カプラ側密栓締め込み具243は、ナット210に嵌合するナットランナー243aと、ナットランナー243aのギア243bに噛み合うピニオン243cを有し、ナットランナー243aを回転駆動するモータ243dとからなる。ナット210が締め付けられることで、カプラ側密栓13が多重管3に密着する。カプラ側密栓ユニット240には、カプラ側密栓締め込み具243と、カプラ側密栓13の先端に形成されるオス側カプラ部215に嵌合するメスカプラ264とを上下させる不図示の上下動装置が設けられる。
【0085】
クランプ側密栓ユニット250は、クランプ側密栓クランプ251、クランプ側密栓上下シリンダ252を有する。クランプ側密栓クランプ251は、クランプ側密栓14を保持し、また保持を解除する。クランプ側密栓上下シリンダ252は、クランプ側密栓クランプ251を上下に移動し、多重管3の他端にクランプ側密栓14を取り付ける。
【0086】
カプラ側密栓13は、図12に示すように、蓋体213を回動すると、ねじ部213aが多重管3の端部に螺着される。この蓋体213には、中空ボルト211が挿通され、この中空ボルト211に螺着されたナット210を回動すると、中空ボルト211により押圧板212を蓋体213側に引き寄せる。この押圧板212と蓋体213との間でシール214を押圧する。この押圧でシール214が外方へ広がり多重管3の内壁に圧着し、氷曲げ液を密封保持する。この中空ボルト211の先端に形成されるオス側カプラ部215にはバネで閉とされているチェック弁215aが設けられ、中空ボルト211内の通路21laを閉じている。オス側カプラ部215にメスカプラ264が嵌合される時、チェック弁215aがメスカプラ264により押し開けられ、通路211aとメスカプラ264内の不図示の通路とがつながり、メスカプラ264から連通211aを通って氷曲げ液が多重管3の内部に注入される。
【0087】
この蓋体213には、クランプして吊り下げるための係止溝213b,213bが形成されている。
【0088】
クランプ側密栓14は、蓋体220に挿通したロッド221に回動可能に軸支したカムレバー222を押し込むと、カムレバー222がカム作用によりロッド221を引き、このロッド221に設けた押圧板223を蓋体220側に引き寄せる。この押圧板223と蓋体220との間でシール224を押圧し、この押圧でシール224が外方へ広がり多重管3の内壁に圧着し、氷曲げ液を密封保持する。
【0089】
注水ユニット260は、注水シリンダ202、注水切替弁262を有し、さらに多重管3からなる素材管の一方端(カプラ側密栓13が接続される側)が載置可能とされる載置台263と、素材管をクランプするメスカプラ264と、不図示の上下動装置によりカプラ側密栓締め込み具243と一緒に素材管の下方から上昇し、オス側カプラ部215に嵌合するメスカプラ264が配設される給液パイプ265とを有する。
【0090】
注水シリンダ202は、内部のピストンが上昇して氷曲げ液を注水切替弁262を介して氷曲げタンク201から吸入し、下降して注水切替弁262を介して吐出し、カプラ側密栓13側から一定量の氷曲げ液を多重管3の内部に注水する。注水切替弁262は、注水シリンダ202と氷曲げ液タンク201とが連通する吸入側と、注水シリンダ202と給液パイプ265と連通する吐出側に切り替え可能である。
【0091】
なお、注水ユニット260には、圧力注水シリンダ110と同様注水シリンダ202を駆動するエアシリンダ261が設けられている。
【0092】
この密栓注水機200は、図13に示すように、オペレータが多重管3からなる素材管の完成品を不図示の支持台に、カプラ側密栓13を載置台263に、クランプ側密栓14をクランプ側密栓クランプ251にそれぞれセットし、起動釦(図示せず)を押す。ワーククランプ232が多重管3からなる素材管を保持し、横スライド231が作動して中央位置に移動する。
【0093】
カプラ側密栓クランプ241がカプラ側密栓13を保持し、クランプ側密栓クランプ251がクランプ側密栓14を保持し、カプラ側密栓上下シリンダ242でカプラ側密栓クランプ241を上昇させて、多重管3の下端にカプラ側密栓13を挿入嵌合し、さらにカプラ側密栓クランプ241を上昇させて、多重管3の上端をクランプ側密栓クランプ251に保持されるクランプ側密栓14に嵌合させる。不図示の上下動装置によリメスカプラ264を上昇させてオス側カプラ部215に嵌合させるとともに、カプラ側密栓締め込み具243を上昇させ、カプラ側密栓締め込み具243でナット210を締め付けて多重管3の下端にカプラ側密栓13を密着させる。
【0094】
注水切替弁262を吸入側にし、注水シリンダ202を上昇し、氷曲げ液を注水切替弁262を介して吸入する。この注水シリンダ202を下降して氷曲げ液を注水切替弁262を介して吐出し、カプラ側密栓13側から一定量の氷曲げ液を多重管3の内部に注水する。
【0095】
注水後クランプ側密栓上下シリンダ252を下降し、クランプ側密栓クランプ251を下方に移動し、カムレバー222を押し下げることで多重管3の上端にクランプ側密栓14を密着させる。
【0096】
そして、カプラ側密栓クランプ241がカプラ側密栓13の保持を解除して下降するようにし、クランプ側密栓クランプ251がクランプ側密栓14を保持しないようにして上昇させ、横スライド231を作動して中央位置から取出側へ移動し、ワーククランプ232の多重管3の保持を解除し、オペレータが多重管3からなる素材管の完成品を受け取り、横スライド231を投入側の初期位置にして終了する。
【0097】
この実施の形態の密栓注水機200では、氷曲げ液の注水はタッチパネルで設定した水量を水鉄砲のように注水シリンダ202で吸い込み、一定量吐出することで、多重管3内に氷曲げ液を充満させず、体積膨張分少なく注水している。注水シリンダ202によって所定量の氷曲げ液を注水することで、注水作業性が向上する。
【0098】
なお、上側のクランプ側密栓14と多重管3の内壁との間のスキマである大気開口からの氷曲げ液の流出を検知して、注水シリンダ202を停止させることで、所定量の水を注水させるようにしてもよい。
【0099】
また、この実施の形態のクランプ側密栓14は、多重管3の一端(注水時の加圧注水側)にカムレバー222でのカム作用によるワンタッチの開閉式であり、作業性が向上する。また、多重管3の他端側(注水時の真空引き側、冷凍時と解凍時の吊支側)にカプラ側密栓13を取り付け、エア配設の作業性が向上し、吊支具として兼用可能であり、解凍性が向上する。
<泡抜き機300>
図14は泡抜き機を示す。この実施の形態の泡抜き機300では、内管1と外管2の間に氷曲げ液が通過可能な繊維状の充填材4を配置した多重管3に、氷曲げ液を注水しても充填材4の部分でエアが抜けないことがあり、直進フィーダ301にクランプ側密栓14及びカプラ側密栓13がそれぞれ多重管3に密着した状態の多重管3をクランプ側密栓14を下側にし、カプラ側密栓13を上側にしてセットする。
【0100】
そして、カプラ側密栓13のオス側カプラ部215に嵌合によりチェック弁215aを開とするメスカプラからなる真空引きカプラ302を接続し、この真空引きカプラ302に吸引ポンプ303を接続し、多重管3の上方を吸引ポンプ303で減圧する。直進フィーダ301により加振して多重管3の充填材配置部のエア抜きを行なう。氷曲げ液を注入した多重管3を振動的に往復動(加振)させることで確実なエア抜き可能であり、曲げ時の多重管3の曲げ不良を防止することができる。
<冷凍槽400と冷凍機401>
図15乃至図17に冷凍槽と冷凍機とを示す。図15は冷凍槽と冷凍機の概略構成図、図16は冷凍槽の平面図、図17は冷凍槽の側面図である。冷凍槽400は、冷却液を所定の液面で貯留し、冷凍機401は、冷却液を冷却する。液冷凍循環装置410は、ポンプ402を備え、このポンプ402の駆動で冷却液が冷凍槽400と冷凍機401との間を循環し、不凍液からなる冷却液を極く低温、例えば−20℃に維持する。
【0101】
冷凍槽400には、旋回式ワーク吊支装置420、ワーク搬送装置430、ワーク保持装置440が備えられている。ワーク保持装置440は、素材管を一時的に保管する。
【0102】
旋回式ワーク吊支装置420は、パイプ吊支具421を備え、冷凍槽400の上方で複数の素材管をパイプ吊支具421に吊支し、これらの素材管を冷凍槽400の冷却液に浸漬しつつ旋回移動させ、凍結効率、管別の凍結性のばらつき少ないようにしている。
【0103】
ワーク搬送装置430は、移動シリンダ431、上下シリンダ432、左右シリンダ433、クランプ434を備え、素材管をワーク保持装置440から旋回式ワーク吊支装置420に搬送して渡し、冷凍済み素材管を旋回式ワーク吊支装置420からワーク保持装置440に搬送移動する。
<曲げ機500>
図18及び図19は曲げ機を示し、図18は曲げ機の平面図、図19は曲げ部の側面図である。曲げ機500は、ワイパー型502、プレッシャー型503、ロール型504とクランプ型505を備えている。ワイパー型502とプレッシャー型503によって素材管3を挟み保持し、ロール型504とクランプ型505との間に素材管3を挟み、このロール型504とクランプ型505との一体回転で素材管3の中途部を曲げる。
<解凍機600>
図20は解凍機の側面図、図21は解凍機の平面図である。この実施の形態の解凍機600は、氷曲げ液と同―組成の昇温した液体を貯留する解凍槽601と、氷曲げ液が凍結した素材管2を曲げる冷凍曲げ工程を経た曲げ完了の素材管である多重管3を、一方端を開栓し、この一方端を下方側にする状態で吊支する吊支装置602と、曲げ完了の多重管3の他端に取り付けた注液具であるカプラ側密栓13と、昇温した液体をカプラ側密栓13を介して加圧注入可能とする温液注入装置603とを備えている。
【0104】
この温液注入装置603は、注液具であるカプラ側密栓13のオス側カプラ部215と脱着可能とされる脱着カプラ部であるメスカプラからなる注湯プラグ51と、この注湯プラグ51へ解凍槽601内の温液を加圧供給可能なポンプ装置52とを備えている。ポンプ装置52の駆動で循環パイプ53によって解凍槽601内の温液を分岐部53aに供給し、この分岐部53aからそれぞれの注湯プラグ51へ供給し、この注湯プラグ51から多重管3内に加圧供給し、多重管3の内部に湯を通して解凍し、解凍の作業性が向上する。多重管3の内部に供給する湯の温度は、例えば70度である。
【0105】
この実施の形態の吊支装置602は、外周部に注湯プラグ51が複数配設された回転式ワークハンガー650と、回転式ワークハンガー650を上下動可能とする駆動装置651を有し、コンパクトな装置になっている。注湯プラグ51が複数の吊支部620を兼ねており、この吊支部620となる注湯プラグ51のメスカプラによりオス側カプラ部215が嵌合することで多重管3を吊り下げる。駆動装置651によって回転式ワークハンガー650を介して曲げ完了の多重管3が上下動可能となっている。駆動装置651は、例えば上下動シリンダで構成され、曲げ完了の多重管3全体を、あるいは曲げ完了の多重管3を一方端から所定以上の長さ、解凍槽601内に浸潰させ、加圧注入を、曲げ完了の多重管3を解凍槽601内に浸漬する前且つ曲げ完了の多重管3が解凍槽601上方に位置するか、曲げ完了の多重管3を解凍槽601内に浸漬中に、曲げ完了の多重管3に昇温した液体を加圧注液する。この実施の形態では、多重管3を解凍槽601内に浸漬中に加圧注液するが、浸漬後に加圧注液してもよい。
【0106】
このように、吊支装置602は、曲げ完了の多重管3を上下動可能とする駆動装置651を有し、解凍槽601内に浸潰させ、曲げ完了の多重管3を解凍槽601内に浸漬中に、曲げ完了の多重管3に昇温した液を加圧注入することで、短時間で解凍することができる。
【0107】
また、吊支装置602は、吊支部移動装置630を備え、この吊支部移動装置630は駆動モータ631と、回転軸632を有する。駆動装置651により回転式ワークハンガー650が上方位置まで移動した後、駆動モータ631の駆動で回転軸632に接続された回転式ワークハンガー650が所定角度回転し、停止後駆動装置651により回転式ワークハンガー650が下方に位置に戻される。
【0108】
図20に示す吊支部を解凍槽601から外れ曲げ完了の多重管3を脱着するための着脱部位K1から解凍槽601の上方部を通り再び脱着部位K1への間欠的に循環移動する。即ち駆動モータ631は少なくとも、オペレータによる多重管の着脱作業の間及び駆動装置651による回転式ワークハンガー650の上下動の間は停止する。吊支部移動装置630は、解凍槽601の上方部において、吊支部620を下方位置として曲げ完了の多重管3を解凍槽601内に浸漬するようにしている。
【0109】
このように、氷曲げ液が凍結した多重管3を曲げる冷凍曲げ工程を経た曲げ完了の多重管3に注液具である注湯プラグ51を取り付け、曲げ完了の多重管3に充填した氷曲げ液と同―組成の昇温した液を貯留する解凍槽601に曲げ完了の多重管3を浸漬させ、多重管3に注湯プラグ51を介して昇温した液体を加圧注入し、多重管3の内部から外部へ解凍した氷曲げ液を流出させており、短時間で解凍することができる。
【0110】
また、曲げ完了の多重管3を下方側端を開放し、上方側端に注湯プラグ51を取り付けた状態で、注湯プラグ51を介して多重管3を吊支し、この吊支した状態で多重管3を解凍槽601の浴液に浸漬し、浸漬中昇温した液体を加圧注入することで、短時間で解凍することができ、しかも回転式ワークハンガー650を用いることで解凍の作業性が向上する。
【0111】
この実施の形態では、図21に示すように、オペレータOPのアクセス可能側で、曲げ完了の多重管3の着脱を行なっている。このアクセス位置では、多重管3は解凍槽601の液体より分離する。例えば、多重管3を液面より上に位置させるか、堰を設け、堰の外側に多重管3を取り出すことで、多重管3の液切りができる。
【0112】
回転式ワークハンガー650の吊支部620の数より多重管3の吊支数を1本減らすと、オペレータOPは多重管3を吊支部620に接続後、解凍が完了した多重管3を吊支部620から解離できるか、逆に解離後接続も可能で、作業性が向上する。
【0113】
回転式ワークハンガー650の吊支部620の数と多重管3の吊支数を同数とすると、オベレータOPは解凍が完了した多重管3を吊支部620から解離した後に、曲げ完了の多重管3を吊支部620に接続し、多くの多重管3の解凍が可能となる。この実施の形態では、回転式ワークハンガー650の吊支部620の数と多重管3の吊支数を同数とし、この動作終了後、オベレータOPは起動釦SW20を押し、1ピッチ分回転式ワークハンガー650を回転させる。
【0114】
回転式ワークハンガー650の多重管3ヘの湯の供給は、多重管3が解凍槽601の上あるいは浸漬開始後から開始し、解凍槽601から多重管3が取り出される前に停止し、作業性の向上を図ると共に、湯の液回路は、ポンプ装置52から循環パイプ53、分岐部53aを介して注湯プラグ51ヘ分岐し、分岐路53bの途中に開閉弁V1が設けられている。
【0115】
この開閉弁V1は、制御装置670によって制御される。制御装置670には、解凍時間タイマ671が備えられ、起動釦SW20の入力信号で駆動モータ631を駆動して回転式ワークハンガー650を回転し、多重管3が解凍槽601の湯中に浸潰し、且つポンプ装置52が機能する時間を管埋する。
【0116】
この実施の形態では、回転式ワークハンガー650に多重管3が4個吊支され、4個×ピッチタイム>設定解凍時間となっている。
【0117】
解凍槽601には、ヒータ672が設けられ、温度センサS20でフイードバック制御されて、湯の温度を70度Cに制御することで、解凍のサイクルタイムが安定し、作業性が向上する。この実施の形態では、解凍槽601の液温が70度Cに制御され、循環経路Wの途中に冷却器として熱交換器611を配置し、この熱交換器611により70度Cから40度Cにしている。
【0118】
解凍槽601には、液位センサS21が設けられ、この液位センサS21からの水位情報が制御装置670に送られ、所定の液位以上になると、ポンプ610を駆動して湯を送出す。曲げ機500から多重管3を移動し、解凍槽601で解凍による液の供給が行なわれ、この供給に対応した液量の増加にあわせて液位は上昇し、液位情報がポンプ610を起動するトリガーとなっている。解凍槽601の液面が所定高さになる時、温液を熱交換器611を介して氷曲げ液タンク201に戻すようにしている。また、例えば、解凍槽601の堰から溢れる温水を熱交換器611を介して氷曲げ液タンク201に戻すようにしてもよく、解凍槽601の液位を一定にすることで解凍時間のばらつきを軽減し、解凍のサイクルタイムの安定化を図り、作業性が向上する。
【0119】
なお、注湯プラグ51の不図示のメスカプラにチェック弁を内蔵させ、このチェック弁は、メスカプラをオス側カプラ部215との接触時、オス側カプラ部215のチェック弁を開とするとともに、自身が開となるようなもので構成している。このため、脱着部位K1も含め回転式ワークハンガー650を解凍槽601の上方で旋回させるようにしてもよい。これにより、開閉弁V1を省略することができる。ポンプ装置52から注湯プラグ51には常に液圧が作用するようになり、注湯プラグ51の不図示のメスカプラにオス側カプラ部215を接続している吊支状態では、多重管3内に液圧が作用する。駆動装置651を駆動し回転式ワークハンガー650を上昇させ、全ての多重管3を液面上方に位置させる時、解凍が終了した多重管3例えば脱着部位K1にある多重管3の下端からは、氷曲げ液が流出し続けるが、この氷曲げ液は冷凍槽601に戻る。この脱着部位K1にある解凍済みの多重管3を外すと、注湯プラグ51の不図示のメスカプラのチェック弁とオス側カプラ部215のチエック弁とはともに閉となり、オペレータOPは容易に多重管3から垂れる氷曲げ液の液切りができ、開栓機700へ移動できる。また、オペレータOPは次の解凍前の多重管3を容易に注湯プラグ51に吊支することもできる。
<開栓機700>
図21は開栓機を示す。この実施の形態の開栓機700は、クランプ701、開栓部702、上下シリンダ703を備えている。クランプ701で多重管3を保持し、上下シリンダ703により開栓部702をカプラ側密栓13の位置に移動し、開栓部702でカプラ側密栓13のナットを緩めて外す。
<脱液機800>
図22及び図23は脱液機を示し、図22は脱液機の平面図、図23は脱液機の側面図である。この実施の形態の脱液機800は、ワーク回転台821、ワーク回転モータ802を備えている。クランプ装置803はワーク回転台821上に設けられ、一対の支持具803aと押え具803bとを有している。
【0120】
起動釦804を押すと、押え具803bは止め位置に移動して多重管3を押え、ワーク回転モータ802が駆動してワーク回転台821を回転して遠心力で脱水する。所定時間経過後脱水が完了すると、押え具803bは自動的に外し位置に移動し、多重管3が取り出し可能になる。
【0121】
このワーク回転台821の回転時間は、回転時間設定タイマ805で設定され、回転設定ボリューム806で回転速度が設定される。
【0122】
また、脱液機800には、遠心力で脱水された水が排水パイプ810により排出タンク811に導かれ、排出タンク811に所定量溜り、水位センサ812が水位を検知すると、排水ポンプ813が作動して解凍槽601へ排水される。
【0123】
この脱液機800には、ワーク回転台821の上方前方部に開閉扉830が配置され、起動釦804を押すと自動的閉じ、脱水が完了すると自動的に開くようになっている。ワーク回転台821は、多重管3がクランプされた状態で、且つ多重管3が乾操状態で、回転バランスが取れる重量配置分とされる。
【0124】
また、多重管3をクランプした状態で、多重管3を上面視でワーク回転台821の外緑内となるようにしている。また、多重管3は、内管1と外管2の両端部における接続部において、内管1と外管2の間から外方への開口を設けた多重管3であり、遠心分離により効果的に脱水することができる。
【0125】
このように脱液機800は、解凍後の曲げ完了の多重管3を保持し、遠心分離により氷曲げ液をさらに除去する。
[氷曲げ液循環]
この実施の形態の氷曲げ液の循環システムは、図7に示すように、多重管3の両端にそれぞれ密栓可能とする閉栓具を装着した状態で氷曲げ液を注入する密栓注水機200から、氷曲げ液が多重管3に密閉された状態で多重管3と一緒に運搬され、多重管3の氷曲げ液を冷凍する冷凍装置の冷凍槽400と、氷曲げ液を冷凍した多重管3を曲げる曲げ機500と、多重管3内から温液の解凍槽601へ流出する解凍装置に順に至る多重管3と一緒に移動する氷曲げ液の第1移動路と、管内を通って解凍装置の解凍槽601から氷曲げ液を密栓注水機200に移動する氷曲げ液の第2の移動路から氷曲げ液を循環させる循環経路Wを構成している。
【0126】
解凍槽601には、氷曲げ液の流出で水面が所定高さになる時、氷曲げ液を密栓注水機200に戻すように構成され、解凍槽601の水位を一定にすることで解凍時間のばらつきを軽減し、解凍のサイクルタイムの安定化を図り、作業性が向上する。密栓注水機200は本願で言う圧力注入装置を構成する。
【0127】
さらに、解凍機600からの多重管3を開栓機700に搬送し、この開栓機700で多重管3の密栓を解除して脱液機800に移動し、この脱液機800で除去した氷曲げ液を密栓注水機200に循環させており、効率的に氷曲げ液を循環させている。
【0128】
すなわち、解凍装置において解凍された氷曲げ液が付着する多重管3を高速旋回させて、多重管3から液体を分離する脱液機800へ、解凍装置から多重管3を移動させることで、この多垂管3と一緒に氷曲げ液を移動するとともに、脱液機800において多重管3から分離され貯留する氷曲げ液を管路内を通って、解凍装置の解凍槽601を経るか、あるいは解凍装置を迂回して密栓注水機200へ移動する第3移動路を設けている。
【0129】
この実施の形態では、氷曲げ液の劣化対策として、多重管3の製造時に充填材としてグラスウールの巻き付け、糊付けを行なっているが、この時の糊が溶解し、氷曲げ液の成分が劣化するので、多重管3の曲げ回数で、あるいは時間経過で、所定量の入れ替えを行なう。また、多重管3の完成品に氷曲げ液が極わずかに付着し、液損耗を起こすので、多重管3の曲げ回数で、あるいは時間経過で、追加の注液を行なう。この実施の形態では、圧力注液機100への氷曲げ液の供給源である貯留タンク111に補充するようにする。
【0130】
尚、氷曲げ液の交換装置を設け、解凍槽601に設ける劣化検知手段S30からの劣化情報に基づき制御装置670が交換装置を駆動して氷曲げ液の交換を行うようにしても良い。あるいは循環経路Wの途中に氷曲げ液の排出部と注入部を設け、劣化検知手段S30の劣化情報に基づき、制御装置670が排出部から氷曲げ液を排出する一方、排出後あるいは排出と同時に新規氷曲げ液を注入部から循環経路W中に注入するようにしても良い。排水量より所定量多い氷曲げ液を注入する。
【0131】
劣化検知手段S30は、氷曲げ液の排出及び新規氷曲げ液の注入が実施された後の経過時間、あるいは冷凍曲げが実施される時間あるいは冷凍曲げが実施された多重管3の数を検知する。
【0132】
【発明の効果】
前記したように、請求項1に記載の発明では、凍結状態の曲げ完了の素材管に注液具を介して昇温した液体を加圧注入し、曲げ完了の素材管の内部から外部へ解凍した液体を流出させることで、短時間で素材管内側から解凍することができる。また、注液具を介して曲げ完了の素材管を吊支し、吊支した状態で曲げ完了の素材管を解凍槽の浴液に浸漬し、浸漬中さらに昇温した液体を加圧注入することで、素材管の外側と内側の両方から解凍するので、短時間で解凍することができる。
【0134】
請求項に記載の発明では、解凍後の曲げ完了の素材管を保持し、遠心分離で氷曲げ液をさらに除去することができる。
【0135】
請求項3に記載の発明では、凍結状態の曲げ完了の素材管に注液具を介して昇温した液体を加圧注入し、曲げ完了の素材管の内部から外部へ解凍した液体を流出させることで、短時間で素材管内側から解凍することができる。また、注液具を介して曲げ完了の素材管を吊支し、吊支した状態で曲げ完了の素材管を解凍槽の浴液に浸漬し、浸漬中さらに昇温した液体を加圧注入することで、素材管の外側と内側の両方から解凍するので、短時間で解凍することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多重管からなる素材管及びその製造方法を示す図である。
【図2】他の実施の形態の多重管からなる素材管及びその製造方法を示す図である。
【図3】多重管からなる素材管の製造工程を示す図である。
【図4】自動二輪車に用いた排気管を示す図である。
【図5】多重管の製造装置の配置を示す図である。
【図6】多重管の製造装置の全体概略制御ブロックを示す図である。
【図7】氷曲げ/ハイドロシステムと液循環を示す図である。
【図8】圧力注水機の概略構成図である。
【図9】氷曲げ液の圧力注水のタイムチャートである。
【図10】氷曲げ液の注水状態を示す図である。
【図11】密栓注水機の概略構成図である。
【図12】密栓構造を示す図である。
【図13】密栓注水機の動作タイムチャートである。
【図14】泡抜き機を示す図である。
【図15】冷凍槽と冷凍機の概略構成図である。
【図16】冷凍槽の平面図である。
【図17】冷凍槽の側面図である。
【図18】曲げ機の平面図である。
【図19】曲げ部の側面図である。
【図20】解凍機の側面図である。
【図21】解凍機の平面図である。
【図22】開栓機を示す図である。
【図23】脱液機の平面図である。
【図24】脱液機の側面図である。
【符号の説明】
1 内管
2 外管
3 多重管
4 繊維状の充填材
5 切り込み
A 圧力注水工程
B 密栓注水工程
C 気泡抜き工程
D 冷凍工程
E 曲げ工程
F 栓抜き工程
G 解凍工程
H 開栓工程
I 脱水工程
J 検査工程

Claims (3)

  1. 充填された液体が凍結した素材管を曲げる冷凍曲げ工程を経た曲げ完了の前記素材管に注液具を取り付け、
    凍結状態の曲げ完了の前記素材管を下方側端を開放し、上方側端に前記注液具を取り付けた状態で、
    前記注液具を介して前記曲げ完了の素材管を吊支し、
    前記吊支した状態で前記曲げ完了の素材管を前記液体と同一組成の昇温した液体を貯留する解凍槽の浴液に浸漬し、
    前記浸漬中さらに充填された前記液体と同一組成の昇温した液体を、前記注液具を介して前記曲げ完了の素材管内に加圧注入することにより
    凍結した液体を前記素材管の外側と内側の両方から解凍し、
    前記解凍した液体を前記曲げ完了の素材管の下方側端から前記解凍槽内に流出させることを特徴とする解凍方法。
  2. 解凍後の前記曲げ完了の素材管を保持し、遠心分離で液体をさらに除去することを特徴とする請求項1に記載の解凍方法。
  3. 充填された液体が凍結した素材管を曲げる冷凍曲げ工程を経た曲げ完了の素材管を、一方端を開栓し、この一方端を下方側にする状態で他方端を吊支する吊支装置と、
    前記凍結状態の曲げ完了の素材管の他方端に取り付けた注液具と、
    昇温した液体を前記注液具を介して加圧注入可能とする温液注入装置と、
    前記液体と同一組成の昇温した液体を貯留する解凍槽と、
    を備え、
    前記吊支装置は、
    凍結状態の前記曲げ完了の素材管を前記注液具を介して吊支した状態で、前記素材管を上下動可能とする駆動装置を有し、
    前記曲げ完了の素材管全体を、あるいは前記曲げ完了の素材管を一方端から所定以上の長さ、前記解凍槽内に浸潰させ、
    前記温液注入装置は、
    前記曲げ完了の素材管を前記解凍槽内に浸漬中にさらに充填された前記液体と同一組成の昇温した液体を、前記注液具を介して前記曲げ完了の素材管内に加圧注入することにより、
    凍結した液体を前記素材管の外側と内側の両方から解凍し、
    前記解凍した液体を前記曲げ完了の素材管の下方側端から前記解凍槽内に流出させることを特徴とする解凍装置。
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