JP4359933B2 - 水晶発振器 - Google Patents

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Description

本発明は、水晶発振器に属するものである。
従来、同一のキャビティー内にICチップ及びチップ状電子部品素子を実装してなる電子部品としては、温度補償型水晶発振器などが例示できる。
例えば、温度補償型水晶発振器は、従来、ガラスエポキシ樹脂基板上に、温度補償型水晶発振器を構成する各電子部品素子、例えば水晶振動子、トランジスタ、感温素子、コンデンサ素子、抵抗素子などを所定回路上に実装していた。また、表面に開口を有する筺体状の容器に、これらの水晶振動子、トランジスタ、感温素子、コンデンサ素子、抵抗素子などが収容して、1つの温度補償型水晶発振器としていた。
このような構造においては、容器体の1つのキャビティー内に、すべての部品を搭載するためには、小型化に限界があった。
特開平7−106891号公報
本発明の温度補償型水晶発振器は、容器体の主面にキャビティー部を配置するとともに、該主面の四隅部に端子電極を配置し、前記キャビティー部は、隣り合う前記端子電極間の4つの領域よりも内側に位置している中央部と、前記中央部と一体的に設けられ、隣り合う前記端子電極間の4つの領域に位置している周辺部とを有しており、水晶振動子に電気的に接続されるICチップが、前記中央部を挟んで対向する前記周辺部間を跨ぐようにして配置されていることを特徴とする。
また、本発明は、上記水晶発振器において、前記ICチップは、前記キャビティー部の底面に配置されるIC接続用電極パッドに対してバンプ部材を介して接続されていることを特徴とする。
さらに、本発明は、上記水晶発振器において、前記キャビティー部内にICチップ封止用樹脂が充填されていることを特徴とする。
また、本発明は、上記水晶発振器において、前記ICチップの前記一部は、前記ICチップの両端に設けられていることを特徴とする。
本発明では、上記構成により、容器体の1つのキャビティー内に、すべての部品を搭載するでき、小型化を実現できる。
以下、本発明の水晶発振器を図面に基づいて詳説する。
図1は本発明の水晶発振器の外観斜視図であり、図2はその断面図である。図3は容器体の底面図であり、図4は容器体のキャビティー部底面のパターンを示す図である。
図において、水晶発振器は、上面(以下、表面という)が平坦で且つ下面(以下、底面という)側に凹部状キャビティー部10が形成された概略直方体状の容器体1、矩形状の水晶振動子2、制御回路を構成するICチップ3及び2つのチップ状電子部品素子4、5、金属製蓋体6及び充填樹脂7とから主に構成されている。
容器体1は、複数の略矩形状のセラミック絶縁層1a、1b、異形状の開口を有する概略枠状セラミック絶縁層1c、1dが一体的に積層されて構成されている。
そして、セラミック絶縁層1a、1bは、水晶振動子2が収容される領域とICチップ3、チップ状電子部品素子4、5が収容される領域を仕切る仕切部となり、また、セラミック絶縁層1c、1dは枠状となる脚部となり、これにより、仕切部の底面と、該底面と枠状脚部とに囲まれた凹部状のキャビティー部10が構成される。
そして、容器体1の底面の4つの隅部には、各々外部端子電極11〜14が形成されている。
また、容器体1の側面には、必要に応じて、ICチップ3の動作制御を行うための端子電極15〜18が形成されている。
また、容器体1の表面の水晶振動子の収容領域内には、水晶振動子用電極パッド20、21(21は図では現れない)が形成されており、容器体1のキャビティー部10の内部には、IC接続用電極パッド30、一対の電極部40a,40bから成る素子用電極パッド40、一対の電極部50a,50bから成る素子用電極パッド50、さらに、これら電極パッド30、40、50と接続する配線パターンが形成されている。
また、容器体1を構成するセラミック層1a〜1dの層間又はセラミック層1a〜1dの厚み方向には、上述の電極パッド30、40、50と外部端子電極11〜14、端子電極15〜18とを接続する配線パターンが形成されている。
上述の容器体1は、セラミック絶縁層1a〜1dとなるセラミックグリーンを用いて形成する。具体的には、絶縁層1a〜1dとなるセラミックグリーンを所定形状に成型し、また、配線パターンに応じて貫通孔を形成し、モリブデンやタングステンなどの高融点金属ペーストで貫通孔を充填すると同時に、表面に各種電極パッドや端子電極、配線パターンとなる導体膜を高融点金属ペーストの印刷により形成する。
次に、このようなグリーンシートを積層・圧着した後、焼成処理を行う。
次に、容器体1に表面に露出する各外部端子電極、各電極パッド、各種配線パターンにNiメッキ、フラッシュ金メッキなどを施して容器体1が完成する。
即ち、容器体1の表面に露出する各種電極パッド、配線パターン、端子電極は、Auメッキ皮膜されていることになる。
上述のような容器体1の表面には、水晶振動子2が導電性接着材2a、2b(図では現れない)を介して配置されている。水晶振動子2は、所定カット、例えばATカットされた矩形状の水晶板の両主面に形成された振動電極、該振動電極から一方他端部に延出された島状の引出電極部とから構成されている。そして、水晶振動子2は、水晶振動子用電極パッド20、21とバンプ部材22、23を介して導電性接着材2a、2bを介して接続される。
容器体1の表面側に実装された水晶振動子2は金属製蓋体6によって気密的に封止されている。金属製蓋体6は、コバールや42アロイなどの金属材料からなり、例えば0.1mmの厚みであり、容器体1の表面の封止用導体パターンにろう付けされた枠状のシームリング61に溶接・接合される。
電子部品素子4、5としては、例えばコンデンサが例示できる。
そして、電子部品素子4は、図3に示すように一対の電極部40a,40bからなる素子用電極パッド40に、また、電子部品素子5は、一対の電極部50a,50bからなる素子用電極パッド50に、Ag粉末を含む導電性樹脂接着材41、51を介して接合される。
尚、導電性樹脂接着材41、51は、例えばAg粉末、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などからなる導電性樹脂ペーストをディスペンサ等を利用して供給塗布し、約150℃程度の熱硬化によって、硬化・接合する。
ICチップ3は、例えば発振器の制御を行うものであり、例えば、増幅手段、温度補償手段、感応手段を具備している。
増幅手段として増幅用インバータなどが例示でき、温度補償手段は、演算手段、温度補償データの記憶手段、バリキャップダイオード、負荷容量、抵抗手段などを具備している。
このようなICチップ3は、例えばICチップ3の表面または底面の電極にバンプ部材を形成し、このバンプ部材とIC接続用電極パッド30との間に、超音波ボンディングや導電性接着剤を介したフェースボンディングによって接合される。
また、ICチップ3をダイ接続して、ワイヤでボンディングしても構わない。
電子部品素子4であるコンデンサは、例えば、ICチップ3とOUT 外部端子電極12との間で、一方がグランド電位となるように接続される。
これは、出力信号中にノイズとなる直流成分を除去するものである。
また、電子部品素子5であるコンデンサは、ICチップ3とVCC 外部端子電極11との間に接続され、VCC 外部端子電極11に供給される電源電圧に重畳する高周波ノイズを除去するものである。
そして、これら電子部品素子4、5と、ICチップ3は、容器体1の矩形状の底面に設けられた概略十字形状のキャビティー部10に収容されており、この十字形状キャビティー部10によって発生した4つの領域、即ち、十字形状キャビティー部10によって区画された容器体下面の4隅部に外部端子電極11〜14を配置させている。
ここでチップ状電子部品素子4、5の両端に設けられている一対の端子電極は、図3に示すように、チップ状電子部品素子4、5に近接するICチップ3の側面に沿って対向配置されており、これをキャビティー部10の底面に設けられている一対の電極部40a,40b、50a,50bに導電性接着材41、51を介して接続させることによってチップ状電子部品素子4、5が容器体1のキャビティー部底面に実装される。
またICチップ3は、図3に示すように、十字形状キャビティー部10の中央部より四方に延びる4つの張出部のうち、中央部を挟んで対向する一対の張出部間を跨ぐようにして配置されており、残りの張出部に前記チップ状電子部品素子4、5が一対の電極部40a,40b、50a,50bを跨ぐようにして配置されている。
ここで一対の電極部40a,40b、50a,50bは、容器体下面の短手方向に所定の間隔をあけて対向配置されており、チップ状電子部品素子4、5の長手方向が容器体下面の短手方向と平行に配された形となっている。
これにより、電子部品素子4、ICチップ3、電子部品素子5の配置及び外部端子電極11〜14との配置関係により、容器体1を非常にコンパクトなものとしている。
また、キャビティー部10には、上述のICチップ3、電子部品素子4、5を強固に接合させ、また、耐湿信頼性を向上させるために、充填樹脂7が充填形成されている。充填樹脂7は、例えば、少なくとも2種類の充填樹脂から成り、例えばキャビティー部10底面側に主に充填・硬化される樹脂層と、該樹脂層上に充填・硬化される樹脂層である。具体的に、キャビティー部10の底面側に充填・硬化される収縮率が比較的大きい樹脂材料で構成される。一般にアンダーフィル樹脂と言われるエポキシ樹脂などの樹脂成分が多い材料である。この樹脂層は、少なくともICチップ3の上面を完全に被覆する程度に充填・硬化されている。
即ち、ICチップ3、電子部品素子4、5とキャビティー部4の底面との間に充填された樹脂層の収縮によって発生する応力によって、両者の接合強度が向上する。
しかも、ICチップ3を完全に覆うように形成された樹脂層の収縮によって発生する応力が、ICチップ3に向かって発生する。これにより、応力がICチップ3の上面側からキャビティー部10の底面側に押しつけるように働き、キャビティー部10の底面に接合したICチップ3の接合強度が向上する。
また、表面に充填する樹脂層は、ICチップ3や電子部品素子4、5を被覆する樹脂層だけでは耐湿性などが充分に得られないことを懸念して充填・硬化されるものである。これにより、キャビティー部10内に実装したICチップ3や電子部品素子4、5の接合強度及び耐湿性信頼性が向上する。尚、充填樹脂は、キャビティー部10の開口面から突出させないようにすることが重要である。これは、表面実装型水晶発振器を安定してプリント配線基板に配置するためである。
また、図3及び図4に示すように、電子部品素子4を配置する部品搭載用電極パッド40を構成する一対の電極部40a,40b及び電子部品素子5を配置する部品搭載用電極パッド50を構成する一対の電極部50a,50bの外方側辺に、電極部40a,40b及び50a,50bの内部に向かって切り欠き部42(42a,42b)、52(52a,52b)が形成されている。
具体的には、例えば電子部品素子4が載置される一対の電極部40a,40bは、電子部品素子4の一対の外部電極間の距離を考慮して、応じて互い所定間隔xを有して互いに対向するように配置されている。尚、対向しあう一辺を内方側辺といい、1つの電極部、例えば、40aで内方側辺と対向する辺を図4では外方側辺としている。
例えば、電極部40aは、配線パターンとの接続より完全な矩形状ではないが、全体として概略矩形状となっている。そして、この電極部40aの外方側辺には、概略矩形状の切り欠き部42aが形成されている。例えば、矩形状の切り欠き部42aの形状の幅方向の寸法は、電極部40aの外方側辺の長さに比較して短い寸法であり、矩形状の切り欠き部42aの形状の切り込みの寸法は、電極部40aの対向方向の寸法に比較して短い寸法であり、電極部40aの外方側辺の中心線と切り欠き部42aの形状の幅方向の中心線が略同一となっている。
このような電極部40a,40b及び50a,50bに、電子部品素子4、5を導電性樹脂接着剤41、51となる導電性樹脂ペーストを供給・硬化して実装される。
これにより、例えば、電極部40a,40bに供給した導電性樹脂ペーストが、切り欠き部42a、42b側に引き寄せられて、互いの間隔x側に導電性樹脂ペーストが広がることを規制できる。
したがって、電極部40a,40b上に導電性樹脂ペーストを供給し、さらにその上に電子部品素子4を載置したとき、導電性樹脂ペーストが広がっても、電子部品素子4の外部端子電極間を短絡させるようなことはない。
上述の導電性樹脂ペーストが切り欠き部42a、42b側に引き寄せされるのは、電極部40a,40bの表面にAuメッキが施されており、切り欠き部42a,42bから露出するキャビティー部10の底面はセラミック材料が露出しているからであり、この場合、電極部40a,40bの表面に比較して、キャビティー部10の底面の表面状態が粗いため、導電性樹脂ペーストが流れ易い。
上述の電極部40a,40bに導電性接着材41を用いて電子部品素子4を実装する構造に関しては、キャビティー部10の底面のように、効率的な半田の塗布が困難な場合、即ち、半田を印刷手法で供給できない場合や、キャビティー部10のように洗浄が困難な構造である場合、キャビティー部10内に200℃前後の熱の印加を嫌う素子、例えばICチップ3と並設する場合などに特に有用であり、導電性接着剤41の流れ方向を規制することができるため、キャビティー部10のICチップ3や電子部品素子4の配置設計次第で、導電性接着材41による短絡のない、効率的な配置設計が可能である。
また、電極部40a,40bの外方側辺に形成した切り欠き部42a,42bは、電極部の厚み相当分のへこみが形成されることになる。
従って、導電性樹脂ペーストを塗布し、電子部品素子4を搭載すると、電子部品素子4の端子電極部分の底面または側面にフィレットが形成されることになり、接合強度を向上させることもできる。同時に、耐衝撃や耐振動などの信頼性が向上させることができる。
尚、上述の実施例では、例えば、電極部40a,40bが互いに対向しあう内方側辺と対をなす外方側辺に切り欠き部42a、42bを形成しているが、近接しあう他の電子部品素子、例えば、ICチップ3の配置方向を考慮して、電極部40a,40bの内方側辺を除く他の辺に形成するようにしても構わない。
また、外方側辺とは、対を成す電極部40a,40bの互いに対向しあう内方側辺以外の3つの辺のいずれであっても構わない。また、電極部40a,40bの形状も、矩形状に限られるものではない。
本発明の水晶発振器の外観斜視図である。 本発明の水晶発振器の断面図である。 本発明の水晶発振器の樹脂を省略した状態の底面図である。 本発明の水晶発振器のキャビティー部底面となる平面における配線パターンを説明する概略平面図である。
符号の説明
1・・容器体
2・・水晶振動子
3・・ICチップ
4、5・・電子部品素子
6・・・金属製蓋体
40、50・・・部品搭載用電極パッド
40a、40b、50a、50b・・・・電極部
41a 、41b 、44a 、44b 、45a 、45b 、46a 、46b ・・切り欠き部

Claims (5)

  1. 容器体の主面にキャビティー部を配置するとともに、該主面の四隅部に端子電極を配置し、
    前記キャビティー部は、隣り合う前記端子電極間の4つの領域よりも内側に位置している中央部と、前記中央部と一体的に設けられ、隣り合う前記端子電極間の4つの領域に位置している周辺部とを有しており、
    水晶振動子に電気的に接続されるICチップが、前記中央部を挟んで対向する前記周辺部間を跨ぐようにして配置されていることを特徴とする水晶発振器。
  2. 前記ICチップは、前記キャビティー部の底面に配置されるIC接続用電極パッドに対してバンプ部材を介して接続されていることを特徴とする請求項1に記載の水晶発振器。
  3. 前記キャビティー部内にICチップ封止用樹脂が充填されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水晶発振器。
  4. 前記ICチップ封止用樹脂の一部が、前記キャビティー部の前記周辺部に設けられており、前記キャビティー部の側壁に接していることを特徴とする請求項3記載の水晶発振器。
  5. 前記ICチップの前記一部は、前記ICチップの両端に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の水晶発振器。
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