以下、本発明の実施形態としてのモザイク画像提供システムの第1実施例について説明する。
[システム構成]
第1実施例におけるモザイク画像提供システムのシステム構成について図1を用いて説明する。図1は、第1実施例におけるモザイク画像提供システムの概略構成を示す。第1実施例におけるモザイク画像提供システム1は、サーバ10、携帯端末2等を備える。モザイク画像提供システム1は、サーバ10と携帯端末2とが所定のネットワーク(例えば、インターネット4)で接続されることにより、モザイク画像提供サービスを実現する。なお、所定のネットワークは、インターネット4に限らず、イントラネットや社内LAN(Local Area Network)等であってもよい。
以下、このモザイク画像提供サービスの概略内容を説明する。
このモザイク画像提供サービスは、そのユーザインタフェースを全て携帯端末2で実現する。すなわち、ユーザによって準備された素材画像の投稿及び変更、並びにモザイク画像の閲覧を全て携帯端末2の操作で実現する。投稿時及び既に投稿されている素材画像が差し替えられる際に、素材画像はメールに添付されて携帯端末2からサーバ10へ送られる。
このモザイク画像提供サービスは、モザイク画像の閲覧に関し、モザイク画像から素材画像までの間のズームアウト表示及びズームイン表示を携帯端末2の画面上で実現する。このズームアウト表示及びズームイン表示は携帯端末2の操作キーで実現する。当該ズームアウト表示及びズームイン表示には、所定の段階(第1実施例では4段階)を設ける。また、モザイク画像のうちのズームイン表示させたい箇所の位置指定を容易にするために、携帯端末2上に表示される画像を所定数のセルで区分けし、この区分けされた各セルを携帯端末2の操作キーで選択可能に形成する。なお、以下の説明では、本来遠くから見る者に視認される状態(ズームアウト表示された状態)で表示されるモザイク状の画像のみならず、本来近くから見る者に視認される状態(ズームイン表示された状態)で表示される画像(素材画像が視認される状態の画像)もいずれもモザイク画像と表記する場合がある。
[装置構成]
次に、第1実施例におけるモザイク画像提供システム1を構成するサーバ10及び携帯端末2の各装置構成についてそれぞれ説明する。携帯端末2は、例えば、携帯電話、携帯情報端末(PDC(Personal Digital Assistant)とも呼ばれる)等である。サーバ10
は、一般的なパーソナルコンピュータ等のような汎用コンピュータで構築されてもよいし、専用コンピュータで構築されてもよい。
図2は、第1実施例におけるサーバ10及び携帯端末2のハードウェア構成の例を示す図である。
サーバ10は、ハードウェア構成として、CPU(Central Processing Unit)11、
メモリ(RAM(Random Access Memory)12、ハードディスク13、各種入出力インタフェース等を備える。各ユニットは例えばバス17で接続される。入出力インタフェースには、例えば、ユーザインタフェース(UI)コントローラ15、ネットワークインタフェース(NI)コントローラ16等がある。UIコントローラ15には、ディスプレイ等の表示装置、マウスやキーボード等の入力装置が接続される。NIコントローラ16には、NIカードやUSB(Universal Serial Bus)等の通信カードが接続される。
携帯端末2についても、同様に、CPU21、RAM22、ROM(Read Only Memory)23、各種入出力インタフェース(例えば、UIコントローラ25、NIコントローラ24等)を備える。UIコントローラ25は、ディスプレイの表示制御や操作キーの入力制御等を行う。NIコントローラ24は、無線信号を送受するための無線処理部等を含む。
第1実施例におけるサーバ10及び携帯端末2は、ハードディスク13、ROM23等のメモリに格納されるプログラムがCPU11及び21により読み出され実行されることにより、後述するような各機能部(モジュール)を実現する。もちろん、当該プログラムは、CD(Compact Disc)等の記録媒体からインストールされてもよいし、ネットワークを介して他の装置からインストールされてもよい。本発明は、このようなサーバ10及び携帯端末2のハードウェア構成を限定するものではない。
〔サーバ10〕
図3は、第1実施例におけるサーバ10の概念的な機能構成を示すブロック図である。サーバ10は、図3に示すように、通信部31、メール制御部32、表示画像制御部33、モザイク画像生成部34、表示画像生成部35、モザイク画像情報データベース(DB)36、表示情報格納部37等を有する。サーバ10は、このような機能部が実行されることで、上述のモザイク画像提供サービスを実現する。
通信部31は、NIコントローラ16を制御し、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)、POP(Post Office Protocol)等のプロトコルにより携帯端末2との間で送受されるデータを処理する。通信部31は、表示画像制御部33から送られるWEBファイル39、表示画像データ群38等を携帯端末2へ送信する。また、通信部31は、当該WEBファイル39により表示される画面が携帯端末2上で操作されることに伴い携帯端末2から送信されるデータを受けると、そのデータを表示画像制御部33へ送る。
更に、通信部31は、携帯端末2から送信されたメールを受信した場合にはこのメールをメール制御部32へ送る。第1実施例におけるサーバ10は、メールサーバ機能を有していてもよいし、その機能を有さず、他のメールサーバ(図示せず)を介して携帯端末2とメールの送受をするようにしてもよい。
モザイク画像情報DB36は、ユーザを識別するためのユーザID、そのユーザにより投稿された素材画像を識別するための画像ID、その素材画像が配置されるモザイク画像中の座標情報、正規化された素材画像ファイル(以降、正規素材画像ファイルと表記する
)の格納先を示す情報、その素材画像の投稿日時を示す情報を関連付けて格納する。各素材画像は、後述するように、対象画像が所定の数に分割された領域(ブロック)の少なくとも1つにそれぞれ配置される。以降、この各領域の位置を識別するための情報をブロックIDと表記し、素材画像が配置されるモザイク画像中の座標情報をそのブロックIDを用いて表記する。
メール制御部32は、携帯端末2から送られたメールを通信部31を介して受けると、そのメールから所定のデータ及び添付ファイルを抽出する。素材画像はメールに添付されて携帯端末2からサーバ10へ送られる。よって、メール制御部32は、素材画像ファイル6をそのメールから抽出する。所定のデータとして、例えば、件名(SUBJECT)データが抽出される。件名データには、添付された素材画像の配置位置を示すブロックID、ユーザIDが含まれている。
メール制御部32は、モザイク画像情報DB36に画像IDを発行を依頼し、メールから抽出されたブロックID及びユーザIDと関連付けてその画像IDをモザイク画像情報DB36に格納する。メール制御部32は、これら画像ID及びブロックIDを、素材画像ファイル6と共にモザイク画像生成部34へ送る。
表示画像制御部33は、モザイク画像提供サービスに関し、携帯端末2とサーバ10との間でやりとりされるデータを処理する。具体的には、表示画像制御部33は、携帯端末2での画面操作に伴うユーザ要求を受け、このユーザ要求に応じた画面データ(WEBファイル39、表示画像データ群38等)を表示情報格納部37から取得し、この画面データを通信部31を介して携帯端末2へ送信する。また、表示画像制御部33は、携帯端末2との通信により、ユーザIDを発行する。ユーザIDは、新たなユーザがモザイク画像提供システム1への登録を要求した場合に発行される。
表示情報格納部37は、正規素材画像ファイル30、WEBファイル39、表示画像ファイル群38等を格納する。正規素材画像ファイル30は、モザイク画像生成部34によりユーザから投稿された素材画像ファイル6内の素材画像が所定の画像サイズ及び形状に正規化された正規素材画像を格納する。
WEBファイル39は、携帯端末2上で表示される画面を形成するための各種ファイルである。WEBファイル39には、例えば、HTML(HyperText Markup Language)フ
ァイル、このHTMLファイルから呼び出され携帯端末2上で所定の処理を実行するデータファイル等が含まれる。このデータファイルとしては、例えば、SWF(Shockwave Flash)ファイル、JAVA(登録商標)ファイル等がある。なお、本発明は、後述する携
帯端末2上で表示される画面を形成することができれば、これらWEBファイル39を限定するものではない。第1実施例では、簡易画面を形成するのにHTMLファイルが利用され、リッチ画面を形成するのにSWFファイルが利用される。
表示画像ファイル群38は、表示画像生成部35により生成され、WEBファイル39から呼び出されるピクチャファイルとして格納される。表示画像ファイル群38は、例えばPNG(Portable Network Graphics)ファイル、GIF(Graphic Interchange Format)ファイル、JPEG(Joint Photographic Experts Group)ファイル等がある。第1
実施例では、JPEGファイルが利用される。
モザイク画像生成部34は、ユーザから投稿された複数の素材画像ファイル6をメール制御部32から受け、更に、モザイク画像の元となる画像としての対象画像ファイル5を取得し、これらに基づいて正規素材画像ファイル30及びモザイク画像ファイル8を生成する。表示画像生成部35は、モザイク画像生成部34により生成されたモザイク画像フ
ァイル8を加工することにより、携帯端末2での表示に利用される表示画像ファイル群38を生成する。この生成された表示画像ファイル群38、及び正規素材画像ファイル30は、表示情報格納部37に格納される。以下、モザイク画像生成部34及び表示画像生成部35の詳細機能について説明する。
〈モザイク画像生成部〉
図4は、第1実施例におけるモザイク画像生成部34の概念的な機能構成を示すブロック図である。第1実施例におけるモザイク画像生成部34は、図4に示すように、対象画像処理部41、対象画像変換部42、ブロック画像処理部43、素材画像取得部46、素材画像前処理部44、素材画像変換部45、素材画像算出部47、素材画像補正部48、モザイク画像生成部49等を有する。モザイク画像生成部34は、このような各機能部が実行されることにより、対象画像ファイル5及び複数の素材画像ファイル6を用いてモザイク画像ファイル8を生成する。
素材画像ファイル6は、上述したようにメール制御部32から送られる。対象画像ファイル5は、予めハードディスク等に格納されている。以下、対象画像ファイル5及び素材画像ファイル6がそれぞれカラー画像である例を挙げ説明する。更に以下の説明では、各画像ファイル5及び6が有する色情報(色空間)としてR(Red)、G(Green)、B(Blue)が利用される場合を例に挙げる。もちろん、本発明は、このような色構成モデルを限定するものではないため、C(Cyan)、M(Magenta)、Y(Yellow)、K(Key tone)
のモデル等が利用されてもよい。
本発明は、例えば写真画像であるとかカラー画像であるといった対象画像自体及び素材画像自体の形態を限定するものではないし、対象画像ファイル5及び素材画像ファイル6の生成手法(ファイル形式等)を限定するものでもない。但し、対象画像及び素材画像がカラー画像であり、生成されるモザイク画像もカラー画像である場合に、第1実施例におけるモザイク画像提供システム1はより高い効果を発揮する。以下、これら各機能部についてそれぞれ詳細に説明する。
〈〈対象画像処理部41〉〉
対象画像処理部41は、生成されるモザイク画像の元となる対象画像のファイル(対象画像ファイル5)を取得する。対象画像処理部41は、図5に示すように、この対象画像ファイル5を所定の数の領域(ブロック)に分割し、この分割されたブロック単位でこの対象画像ファイル5のフィルタリング処理を行う。図5は、対象画像処理を示す概念図である。
対象画像ファイル5内の対象画像に関する画像サイズ(画素数)及び分割数(ブロック数)は、予めサービス提供者等により決められメモリ等に設定情報として格納されている。第1実施例では、ブロック数が縦81ブロック、横81ブロックの合計6561ブロックに設定され、1ブロックの画像サイズが縦100ピクセル、横100ピクセルに設定される。よって、第1実施例では、対象画像ファイル5内の対象画像は、縦8100ピクセル、横8100ピクセルの合計65.61メガピクセルの画像サイズに設定される。なお
、対象画像のリサイズ及びトリミングは対象画像処理部41により実行されてもよいし、他の機能部で別途行われてもよい。
対象画像処理部41は、このように設定された、対象画像ファイル5内の対象画像を、図5の符号51に示すように複数ブロック(6561ブロック)に分割する。図5の符号52は、この分割されたブロックの画像(以降、ブロック画像と表記する)を示す。図5の例では、全てのブロック画像のサイズが同一の例を示すが、本発明はこのようなブロック画像のサイズを限定するものではないため、各ブロック画像によりサイズが異なるよう
に分割されてもよい。
対象画像処理部41は、この分割された各ブロック画像に関し、以下に示すフィルタリング処理をそれぞれ行う。このフィルタリング処理において、まず、対象画像処理部41は、ブロック画像内の各RGBについてそれぞれ濃度値(階調値)の平均値を算出する。以降、各RGBの濃淡を示す濃度値をそれぞれR値、G値、B値又は総称してRGB値と表記する。具体的には、対象画像処理部41は、1つのブロック画像に含まれる全画素のR値の合計をその画素数で割った平均値(以降、平均R値と表記する)、全画素のG値の合計を画素数で割った平均値(以降、平均G値と表記する)、全画素のB値の合計を画素数で割った平均値(以降、平均B値と表記する)をそれぞれ算出する。
対象画像処理部41は、そのブロック画像の全画素のRGB値をそのブロック画像について算出された平均RGB値に設定する(図5の符号53参照)。具体的には、各ブロック画像に関しそれぞれ、全R値が平均R値に設定され、全G値が平均G値に設定され、全B値が平均B値に設定される。これにより、各ブロック画像の色が各ブロック画像の平均RGB値で均一化される。図5の符号54は、このようにフィルタリング処理された対象画像を示す。
〈〈対象画像変換部42〉〉
対象画像変換部42は、対象画像処理部41により処理された対象画像に対し、更に図6に示す変換処理を行う。図6は、対象画像変換処理を示す概念図である。図6の符号54は、対象画像処理部41によりフィルタリング処理された対象画像である。各ブロックの色が平均RGB値に均一化された対象画像54は、各RGB値についてRGBヒストグラム61が示すような濃度値分布をそれぞれ有する。このRGBヒストグラム61では、横軸に濃度値が示され、縦軸にその濃度値を持つ画素数が示される。RGBの濃度値がそれぞれ8ビットで示される場合には、許容される最低濃度値(最暗濃度値)(以降、許容最低濃度値と表記する)は0でありRGBヒストグラム31の左端に示され、許容される最高濃度値(最明濃度値)(以降、許容最高濃度値と表記する)は255でありRGBヒストグラム61の右端に示される。
対象画像変換部42は、対象画像54のRGB値として、許容最低濃度値から所定濃度値の範囲及び許容最高濃度値から所定濃度値の範囲が使われないように、RGBの単位幅を圧縮する。この所定濃度値としては32(階調)が利用されると好適である。この場合、対象画像変換部42は、濃度値31以下及び濃度値224以上の濃度値が対象画像54で使われないようにRGBの単位幅を圧縮する。図6のRGBヒストグラム62は、圧縮処理された後の対象画像のヒストグラムの例を示す。
ここでいう圧縮とは、RGBヒストグラム61で示される形(濃度値分布率)を保持しながら取り得る濃度値の幅を狭めることを意味する。具体的には、RGB値が8ビットで示される場合には、中心濃度値127.5を変えないで、0から255で示される濃度値が32から223で示されるように濃度値の単位の幅を狭めることを意味する。但し、この濃度値の単位幅は装置として1で変えることができないのが一般的であるため、例えば圧縮処理後に小数点以下を四捨五入等することにより新たな濃度値とすればよい。
図6の符号63は、対象画像変換部42により圧縮処理された対象画像を概念的に示している。図6は、白黒図面でかつ概念図であるため分かり難いが、対象画像63は、圧縮処理前の対象画像54と比べ一定の色調を保持しながら最明濃度(濃度値255)及び最暗濃度(濃度値0)の周辺濃度(白又は黒に近い色)が使われていないためシャープさに欠ける画像となっている。しかしながら、このように対象画像の濃度値単位の圧縮処理を行うことにより、素材画像の視認性の低下を防ぐことができる。
〈〈ブロック画像処理部43〉〉
ブロック画像処理部43は、対象画像変換部42により処理された対象画像に基づいて、各ブロック画像のRGBの各濃度値(階調値)を各目標濃度値としてそれぞれ取得する。これにより、各ブロック画像について、Rの目標濃度値(以降、R目標値と表記する)、Gの目標濃度値(以降、G目標値と表記する)、Bの目標濃度値(以降、B目標値と表記する)がそれぞれ取得される。
〈〈素材画像取得部46〉〉
素材画像取得部46は、メール制御部32から素材画像ファイル6、その素材画像の画像ID、及び位置情報としてのブロックIDを取得する。以下に説明する各機能部は、素材画像取得部46により取得された1つの素材画像ファイル6を処理対象とする。但し、これら素材画像ファイル6を処理する機能部は、複数の素材画像ファイル6を並行に処理するようにしてもよい。素材画像取得部46は、メール制御部32から送られる素材画像ファイル6をバッファに一時格納するようにしてもよい。
〈〈素材画像前処理部44〉〉
素材画像前処理部44は、ブロック数及び各ブロックの大きさに関する情報を上述のようにメモリ等に格納される設定情報から取得する。素材画像前処理部44は、素材画像取得部46により取得された素材画像ファイル6の位置情報(ブロックID)に基づいて、上記対象画像処理部41からその素材画像が配置されるべきブロック画像に関する情報を取得する。ブロック画像に関する情報には、そのブロック画像を特定するための識別情報、そのブロック画像の形状及び画像サイズ等が含まれる。
素材画像前処理部44は、これら取得された情報に応じて、素材画像ファイル6内の素材画像の形状及び画像サイズを決定する。素材画像前処理部44は、素材画像ファイル6内の素材画像がこのように決められた形状及び画像サイズとなるように画像処理する。第1実施例では、素材画像ファイル6内の素材画像は、縦100ピクセル、横100ピクセルの正方形の画像にリサイズ及びトリミングされる。素材画像前処理部44は、このように正規化された正規素材画像ファイル30を表示情報格納部37に格納する。
〈〈素材画像変換部45〉〉
素材画像変換部45は、図7に示すように、素材画像前処理部44により処理された素材画像ファイル71をグレースケール画像に変換する。以降、変換後の素材画像をグレースケール素材画像と表記する。グレーススケール画像とは、明度情報のみによって表現される画像であり、各画素の各RGB値がそれぞれ同一となる。図7は、第1実施例における素材画像変換部45及び素材画像算出部47による処理概念を示す図である。
このように素材画像をグレースケール画像に変換することにより、素材画像の各RGB値のばらつきをなくすことができる。よって、素材画像ファイルに対し素材画像補正部48による色補正が行われた場合に、各RGB値のばらつきによりその素材画像に存在しなかった色が発生するのを防ぐことができ、ひいては、素材画像の視認性を向上させることができる。
また、図7に示すように、グレースケール素材画像72のヒストグラムは、RGBそれぞれに関し同一情報となる。よって、素材画像をグレースケール画像に変換することにより、次に説明する素材画像算出部47の算出処理をRGBのいずれか1つに関してのみ行えばよくなるため計算量を減らすことができる。なお、このグレースケール画像への変換手法については、各RGB値の単純平均又は重み付き平均を取る手法等、様々な手法が既に知られているため、ここでは詳細な説明を省略する。
〈〈素材画像算出部47〉〉
素材画像算出部47は、素材画像変換部45により変換されたグレースケール素材画像72に関し、その素材画像に含まれるRGBのうちのいずれか1つの基本色に基づいて所定の統計値を算出する。以下、例として、基本色としてR値が利用される場合について説明する。
素材画像算出部47は、そのグレースケール素材画像72に含まれる全画素のR値のうち、最小R値を抽出する。素材画像算出部47は、その素材画像の全R値からこの最小R値をそれぞれ減算する。言い換えれば、素材画像算出部47は、抽出された最小R値が許容最低濃度値(0(ゼロ))となるようにR値分布を濃度値が下がる方向にずらす。図7の例では、ヒストグラム73がヒストグラム74へ変換される。
素材画像算出部47は、このように変換されたRヒストグラム74に関し、最低濃度値(許容最低濃度値と同一)、最高濃度値、平均濃度値、最低濃度値から平均濃度値までの濃度値と平均濃度値から最高濃度値までの濃度値との割合をそれぞれ算出する。平均濃度値は、変換されたヒストグラム74における全画素のR値の合計を画素数で割った値である。以降、平均濃度値より小さい方向の割合値を暗濃度値、平均濃度値より大きい方向の割合値を明濃度値と表記する。
図8は、第1実施例における素材画像の統計値算出の例を示す図である。この場合、素材画像算出部47は、図8の例における全画素のR値(全濃度値)から最小R値として16を抽出する。素材画像算出部47は、全画素のR値からそれぞれ16を減算する。このように変換されたR値分布に基づいて、素材画像算出部47は、最低濃度値(0)、最高濃度値(215)、平均濃度値(93.60)、暗濃度値(0.44、93.60)、明濃度値(0.56、121.40)の各統計値をそれぞれ算出する。以降、これら算出された各統計値は、各RGBの統計値としてそれぞれ処理される。
〈〈素材画像補正部48〉〉
素材画像補正部48は、素材画像算出部47で処理されたグレースケール素材画像72に関する各統計値をそれぞれ取得し、その素材画像72が配置されるブロック画像を示す識別情報を取得する。更に、素材画像補正部48は、ブロック画像処理部43から、その素材画像72が配置されるブロック画像のR目標値、G目標値、B目標値をそれぞれ取得する。素材画像補正部48は、素材画像算出部47により算出された素材画像の平均濃度値が対象ブロック画像のR目標値、G目標値及びB目標値となるようにその素材画像72を色補正する。
図9は、第1実施例における素材画像の色補正処理の例を示す図である。素材画像72の平均濃度値は、上述のように素材画像算出部47により93.60と算出されている。その素材画像72を配置すべきブロック画像のRGBの目標値は、ブロック画像処理部43により、R目標値が165、G目標値が105、B目標値が54と決定されている。
素材画像補正部48は、その素材画像72の全R値を、その平均濃度値(93.60)がブロック画像のR目標値(165)となるように補正する。同様に、素材画像補正部48は、その素材画像72の全G値を、その平均濃度値(93.60)がブロック画像のG目標値(105)となるように補正し、全B値をその平均濃度値(93.60)がブロック画像のB目標値(54)となるように補正する。
ここで、元の素材画像の平均濃度値を目標濃度値に移動した場合に、元の素材画像の最高濃度値が許容最高濃度値を超える場合とそうでない場合がある。素材画像補正部48は
、最高濃度値が許容最高濃度値を超えると判断した場合には、平均濃度値を目標濃度値に固定させた状態で最高濃度値が許容最高濃度値となるように、元の素材画像の分布幅を縮小(圧縮)する。図9の例では、素材画像のR値がこのように補正される。
一方、素材画像補正部48は、最高濃度値が許容最高濃度値を超えないと判断した場合には、最低濃度値を許容最低濃度値に固定させた状態で平均濃度値が目標濃度値となるように、元の素材画像の分布幅を圧縮又は伸張する。元の平均濃度値が目標濃度値よりも大きい場合には、分布幅は縮小され、元の平均濃度値が目標濃度値よりも小さい場合には、分布幅は拡大される。図9の例では、素材画像のG値の分布幅は拡大され、B値の分布幅は縮小されている。
このように、素材画像補正部48は、全体のモザイク画像の視認性を上げるために素材画像をブロック画像の色調に近づけつつ、素材画像の視認性を上げるために素材画像の色調を可能な限り保持するよう処理する。以下、素材画像補正部48の具体的な処理例について図10を用いて説明する。図10は、第1実施例における素材画像の補正処理の具体例を示す図であり、素材画像が図8に示すRGB値を持つ場合の例を示している。
素材画像補正部48は、まず、以下に示すように、RGBそれぞれについて、目標値を暗濃度値(0.44)で割った値が許容最高濃度値(255)を超えるか否かを判断する。
(R値):R目標値(165)/暗濃度値(0.44)=375
(G値):G目標値(105)/暗濃度値(0.44)=238.64
(B値):B目標値(54)/暗濃度値(0.44)=122.73
素材画像補正部48は、算出された値が許容最高濃度値を超えると判断すると、以下の(数式A)を用いて、元の素材画像の各画素の濃度値をそれぞれ補正する。なお、255は許容最高濃度値を示す。
(数式A):(元の濃度値−最低濃度値)×H+I
H=(255−目標値)/明濃度値
I=255−(最高濃度値×H)
一方、素材画像補正部48は、算出された値が許容最高濃度値を超えないと判断すると、以下の(数式B)を用いて、元の素材画像の各画素の濃度値をそれぞれ補正する。
(数式B):(元の濃度値−最低濃度値)×J
J=目標値/暗濃度値
図10の例によれば、素材画像補正部48は、素材画像の全R値を上記(数式A)で補正し、全G値及び全B値をそれぞれ上記(数式B)で補正する。具体的には、R値については、Hが0.74(=(255-165)/121.40)でIが95.90(=255-(215*0.74))となる。G値については、Jが1.12(=105/93.60)となり、B値については、Jが0.58(=54/93.60)となる。このように、素材画像補正部48は、素材画像のRGBそれぞれ
を色補正する。
〈〈モザイク画像生成部49〉〉
モザイク画像生成部49は、素材画像補正部48により色補正された素材画像を対象画像ファイルのうちその素材画像を配置すべきブロック画像と置き換える。モザイク画像生成部49は、複数の素材画像ファイルをそれぞれブロック画像と置き換えることでモザイク画像ファイル8を生成する。ここでは、対象画像ファイルのうちの対象のブロック画像と素材画像とを置き換えることでモザイク画像を生成すると説明しているが、素材画像をその配置すべきブロック位置に配置できさえすれば新たな画像ファイルからこのモザイク
画像を生成するようにしてもよい。
素材画像の存在しない位置は、その位置のブロック画像が配置されてもよいし、未だ素材画像の配置されていない空きブロックであることを認識し易いように所定色の画像を配置するようにしてもよい。以降、空きのブロックに配置される画像を空きブロック画像と表記する。モザイク画像生成部49で生成されるモザイク画像は、上述のように対象画像処理部41で利用される設定情報で規定されている画像サイズ(画素数)を持ち、分割数分の素材画像又は空きブロック画像を持つ。従って、第1実施例で生成されるモザイク画像は、縦81ブロック、横81ブロックの合計6561ブロックに配置された素材画像又は空きブロック画像から形成され、縦8100ピクセル、横8100ピクセルの合計65.61メガピクセルの画像サイズを持つ。
〈表示画像生成部35〉
表示画像生成部35は、上述のモザイク画像生成部49で生成されたモザイク画像ファイル8を受け、このモザイク画像をリサイズ及び分割する。これにより、表示画像生成部35は、携帯端末2での表示に利用される表示画像ファイル群38を生成し、生成された表示画像ファイル群38を表示情報格納部37に格納する。
図11は、モザイク画像生成部34及び表示画像生成部35の入出力を示す概念図である。上述したように、モザイク画像生成部34は、素材画像ファイル6を入力としてモザイク画像ファイル8を生成する。表示画像生成部35は、このモザイク画像ファイル8を入力とする。
表示画像生成部35は、携帯端末2におけるモザイク画像のズーム表示(ズームアウト表示及びズームイン表示)に設けられる所定の段階数に対応する種類の表示画像ファイル群38を生成する。第1実施例では、所定の段階として4段階が設けられるため、表示画像ファイル群38は、4種類(図11に示す符号111、112、113及び114)生成される。なお、本発明は、このようなズーム表示の段階数を限定するものではない。
以下、この4種類の表示画像ファイル群38についてそれぞれ図12を参照しながら説明する。図12は、携帯端末におけるモザイク画像のズーム表示を示す図である。なお、以下の説明では、携帯端末2が縦300ピクセル、横300ピクセルの画像を表示できる画面仕様を持つ場合を例に挙げる。
表示画像ファイル111は、携帯端末2で表示される第1画面131を形成するためのファイルである。第1画面131は、最もズームアウトされたモザイク画像を表示する。すなわち、第1画面131は、図36におけるモザイク画像505を遠くから見た場合に視認されるモザイク画像のイメージであり、個々には視認不可能ではあるが全ての素材画像が含まれた状態のイメージである。図11に示すように、表示画像ファイル111は、縦300ピクセル、横300ピクセルで形成される画像を含む。
各表示画像ファイル112はそれぞれ携帯端末2で表示される第2画面132を形成するためのファイルである。第2画面132は、第1画面131から1段階ズームインされたモザイク画像(以降、2段階目のモザイク画像と表記する)のうちの1画面分を表示する。第1実施例ではこの2段階目のモザイク画像は、第1画面131を面積比で9倍(縦3倍、横3倍)拡大した画像とする。これにより、表示画像生成部35は、第1画面131と同様の1画面分の大きさ(縦300ピクセル、横300ピクセル)を持つ表示画像フ
ァイル112を9枚生成する。結果、各表示画像ファイル112には、729ブロック(全6561ブロックを9で割ったブロック数)の素材画像又は空きブロック画像がそれぞれ含まれる。
各表示画像ファイル113はそれぞれ携帯端末2で表示される第3画面133を形成するためのファイルである。第2画面133は、第2画面132から更に1段階ズームインされたモザイク画像(以降、3段階目のモザイク画像と表記する)のうちの1画面分を表示する。第1実施例ではこの3段階目のモザイク画像は、第1画面131を面積比で81倍(縦9倍、横9倍)拡大した画像とする。これにより、表示画像生成部35は、第1画面131と同様の大きさ(縦300ピクセル、横300ピクセル)を持つ表示画像ファイル113を81枚生成する。結果、各表示画像ファイル113には、81ブロック(全6561ブロックを81で割ったブロック数)の素材画像又は空きブロック画像がそれぞれ含まれる。
各表示画像ファイル114はそれぞれ携帯端末2で表示される第4画面134を形成するためのファイルである。第4画面134は、第3画面133から更に1段階ズームインされたモザイク画像(以降、4段階目のモザイク画像と表記する)であって最大にズームインされたモザイク画像のうちの1画面分を表示する。第1実施例ではこの4段階目のモザイク画像は、第1画面131を面積比で729倍(縦27倍、横27倍)拡大した画像とする。これにより、表示画像生成部35は、第1画面131と同様の大きさ(縦300ピクセル、横300ピクセル)を持つ表示画像ファイル114を729枚生成する。結果、各表示画像ファイル114には、9ブロック(全6561ブロックを729で割ったブロック数)の素材画像又は空きブロック画像がそれぞれ含まれる。第4画面134によれば、ユーザは自身の素材画像をはっきりと視認することができる。
図13は、表示画像生成部35における表示画像ファイル群38の生成処理を示す概念図である。表示画像生成部35は、上述の表示画像ファイル群38を以下のように生成する。
表示画像生成部35は、モザイク画像ファイル8を受けるとこれを4つコピーする。表示画像生成部35は、コピーされたモザイク画像のうちの1つを729分の1に縮小し、1つを81分の1に縮小し、1つを9分の1に縮小する。残された1つのモザイク画像はそのまま縮小されない。
表示画像生成部35は、729分の1に縮小されたモザイク画像をそのまま表示画像ファイル111として出力する。表示画像生成部35は、81分の1に縮小されたモザイク画像を9つに分割し、分割された各画像をそれぞれ表示画像ファイル112として出力する。表示画像生成部35は、9分の1に縮小されたモザイク画像を81個に分割し、分割された各画像をそれぞれ表示画像ファイル113として出力する。表示画像生成部35は、そのままコピーされたモザイク画像を729個に分割し、分割された各画像をそれぞれ表示画像ファイル114として出力する。表示画像生成部35は、このように出力された4種類の表示画像ファイル群38を表示情報格納部37に格納する。
なお、本発明はこのような表示画像生成部39による表示画像ファイル群の生成手法を限定するものではなく、設定情報で規定されている対象画像の画像サイズ(画素数)及びブロック数、並びに携帯電話2の画面仕様を考慮して以下のような観点を考慮して手法を変更すればよい。
携帯電話2で表示される1画面分の画像サイズを1つの表示画像のサイズ(以降、単位サイズと表記する)に設定する。最大ズームアウト表示に対応する表示画像、すなわち最も小さく縮小するモザイク画像は、対象画像のサイズに応じて生成されるモザイク画像を単位サイズとなるように縮小して生成する。
一方で、最大ズームイン表示に対応する表示画像に関しては、各表示画像のサイズがそれぞれ単位サイズでありかつ各表示画像上に表示する各セルと各ブロックとが一致するようなサイズとなるように決定する。このように決定された各表示画像のサイズにより対象画像のサイズに応じて生成されたモザイク画像の縮小率及び分割数を決定する。残りの表示画像は、対応ズーム表示の段階数に応じて対象画像の画像サイズで生成されるモザイク画像の縮小率を決め、分割後の各画像がそれぞれ最小単位となるように分割数を決める。
〔携帯端末2〕
図14は、第1実施例における携帯端末2の概念的な機能構成を示すブロック図である。携帯端末2は、図14に示すように、通信部141、WEBブラウザ142、メーラー143、FLASHプレイヤ144等を有する。携帯端末2は、このようなアプリケーションが実行されることで、上述のモザイク画像提供サービスの提供を受ける。
通信部141は、NIコントローラ24を制御し、HTTP、SMTP、POP等のプロトコルによりサーバ10との間で送受されるデータを処理する。通信部141は、サーバ10から送信されるWEBファイル39、表示画像データ38等を受信する。また、通信部141は、当該WEBファイル39及び表示画像データ38により表示される画面操作に伴うサーバ10との間の通信を実行する。また、通信部141は、サーバ10へメールを送信する場合には、メール送信のためのプロトコルを実行し、メールデータをサーバ10へ送信する。
WEBブラウザ142は、サーバ10から提供されるWEBファイル39をディスプレイ上に表示させ、その表示に応じたユーザ操作を制御する。WEBブラウザ142は、そのWEBファイル39にSWFファイル、JAVA(登録商標)ファイル等のような所定処理を実行するデータファイルが含まれる場合には、このデータファイルを実行するためのアプリケーションをそのWEBブラウザ上のプラグインとして動作させる。
例えば、WEBファイル39にSWFファイルが含まれている場合には、図14に示すようにそのSWFファイルを実行するためのFLASHプレイヤ144が呼び出される。FLASHプレイヤ144は、そのSWFファイルを実行することで、WEBブラウザ142上に後述するようなリッチ画面を表示させ、所定のユーザインタフェースを実現する。なお、WEBファイル39にそのようなデータファイルが含まれていない場合には、FLASHプレイヤ144が携帯端末2上にインストールされている必要はない。
このような携帯端末2で実現されるモザイク画像提供サービスのユーザインタフェースの詳細については後述する。
〔動作例〕
以下、第1実施例におけるモザイク画像提供システムの動作例をこのシステムにより提供されるユーザインタフェースに沿って説明する。このユーザインタフェースは、サーバ10から上述のように表示画像データ38及びWEBファイル39が携帯端末2にダウンロードされ、これらファイルがWEBブラウザ142等により実行されることで携帯端末2上で実現される。
図15は、第1実施例におけるモザイク画像提供サービスのユーザインタフェースフローを示す図である。
ユーザは、携帯端末2上のWEBブラウザ142を実行することにより、第1実施例におけるモザイク画像提供システムへアクセスする。これにより、携帯端末2にはトップページ151が表示される。このトップページ151は例えばHTMLファイルで実現され
る。このときサーバ10では、携帯端末2からのアクセスに応じて、表示画像制御部33が表示情報格納部37からそのトップページ151を形成するためのHTMLファイルをWEBファイル39として抽出し、このHTMLファイルを携帯端末2へ送信する。
ユーザは、携帯端末2を操作することで、このトップページ151に自身のユーザIDを入力し、ログインボタン等を選択することにより本モザイク画像提供システム1へログインする。このとき、携帯端末2からサーバ10へこのユーザIDが送られ、サーバ10の所定の機能部がこのユーザIDが既に登録されているか否か等を判定することでユーザ認証が行われる。
ユーザ認証が完了すると、サーバ10の表示画像制御部33がそのユーザIDのユーザホームページ152を形成するためのWEBファイル39を表示情報格納部37から抽出する。このユーザホームページ152は例えばFLASHで実現される。よって、表示画像制御部33は、このFLASHファイルを含むWEBファイル39を携帯端末2へ送信する。携帯端末2では、FLASHプレイヤ144がこのダウンロードされたFLASHを実行することで、WEBブラウザ142上にユーザホームページ152が表示される。このとき、そのページに必要な画像ファイル、音声ファイル等が存在する場合には、このように実行されるFLASHがそれらファイルをサーバ10に要求する。サーバ10の表示画像制御部33は、この要求されたファイルを表示情報格納部37から抽出し携帯端末2へ逐次ダウンロードする。他のFLASHで実現されるページ(画面)についてもこれと同様の動作により実現されるため、以降、詳細動作の説明を省略する場合がある。
ユーザホームページ152には、そのユーザIDに対応するユーザ名称等と共に、表示させたいモザイク画像を選択するための表示メニュー153が表示される。なお、他の機能によりユーザ認証を行うことができるのであれば、トップページ151を表示させることなく、直接ユーザホームページ152を表示させるようにしてもよい。
表示メニュー153には、モザイク画像を最大ズームアウト表示させるメニュー(図15の「全体の画像」メニュー)、そのユーザの投稿画像を表示させるメニュー等が含まれる。ユーザの投稿画像を表示させるメニューは、投稿日時毎の画像を選択することができるように表示される(図15の「5分前の画像」、「17時間前の画像」)。この投稿日時に関する情報は、携帯端末2上で実行されるFLASHがサーバ10へ問い合わせ、サーバ10の表示画像制御部33がモザイク画像情報DB36内を検索することにより取得される。サーバ10上の表示情報格納部37には、上述したように、各ユーザの正規素材画像がその投稿日時毎に格納されている。
ユーザホームページ152内で「全体の画像」メニューが選択された場合には第1画面131が表示される。第1画面131は例えばFLASHで実現され、図16に示されるように表示される。図16は、第1画面131の構成例を示す図である。なお、図16に示す携帯端末2上のキーやディスプレイの配置、形状等はあくまで例示である。各機能を有するキー割り当てもまた例示であり、以下の例に限定されるものではない。
第1画面131を実現するためのFLASHファイルがWEBファイル39としてダウンロードされ携帯端末2上で実行されると、FLASHは、表示画像ファイル111(図11参照)をサーバ10へ要求し、ダウンロードされた表示画像ファイル111に含まれるモザイク画像を表示エリア161へ表示させる。このモザイク画像は、最大にズームアウト表示されたモザイク画像である。第1実施例では、このモザイク画像は縦300ピクセル、横300ピクセルの画像サイズ(画素数)を持つ。携帯端末2がこの画像サイズをそのまま表示させることができない場合にはFLASHプレイヤ144により表示可能サイズに縮小される。以下に説明する第1画面131に関する処理はFLASHが実行され
ることにより実現される。
この第1画面131が表示される際に、表示エリア161内にはモザイク画像上に9つのセルがそれぞれ選択可能に形成される。第1画面131が表示された状態で、数字キー165、166、167又は168、若しくは決定キー169が選択された場合に選択枠163が表示される。選択枠163は、表示エリア161内に表示されるセルのいずれか1つをユーザに選択させるために表示され、例えば数字キー165、166、167又は168の操作により移動する。この選択枠163は、例えば、#キー160の操作により消去される。
ユーザは、表示エリア161内のモザイク画像の見たい部分を示すセルを当該選択枠163で選択し、決定キー169を操作する。これにより、選択されたセルの箇所がズームイン表示された第2画面132(図12参照)が表示される。
このとき、携帯端末2のメモリ上には、各セルが選択された場合に次に表示すべき2段階目の各表示画像に関する情報がそれぞれ保持されている。このような情報は、例えば、表示画像ファイル111と共にサーバ10からダウンロードされる。具体的な情報としては、2段階目のモザイク画像を構成する9枚の表示画像ファイル112のそれぞれを特定するためのファイル識別情報、この各ファイル識別情報と各セルとの対応関係情報等がある。
これにより、FLASHは、第1画面131においていずれかのセルが選択された場合には、その選択されたセルに関連付けられて保持されるファイル識別情報をサーバ10へ送信する。サーバ10の表示画像制御部33は、9つの表示画像ファイル112の中からそのファイル識別情報で特定される表示画像ファイル112を抽出しダウンロードする。結果、次のズーム表示段階の第2画面132が携帯端末2で表示される。
同様に、この表示画像ファイル112のダウンロード時には、その表示画像をズームイン表示させた場合に表示されるべき9つの表示画像ファイル113(図11参照)のそれぞれを特定するためのファイル識別情報、及びこれらファイル識別情報と各セルとの対応関係情報がサーバ10から携帯端末2へダウンロードされる。
なお、本発明は、キー操作自体を限定するものではなく、モザイク画像の見たい部分を選択可能でありその選択された部分をズームイン又はズームアウト表示させることができればどのような操作方法が採られてもよい。更に、表示エリア161内に9つのセルを設ける例を示したがこのセル数は限定されず、見たい箇所を選択することができる構成であればどのような形態が採られてもよい。
第2画面132では、図16に示す第1画面131と同様に、9つのセルを有する表示エリア161に上述のようにダウンロードされた表示画像ファイル112内の表示画像が表示される。表示エリア161内のモザイク画像の見たい部分を含むセルが選択枠163で選択され決定キー169が操作されると、選択されたセルの箇所がズームイン表示された第3画面133(図12参照)が表示される。
このとき、上述したように、選択されたセルに対応する表示画像ファイル113を特定するファイル識別情報が既にダウンロードされ保持されている。これにより、このファイル識別情報を含む表示要求がサーバ10へ送信され、サーバ10の表示画像制御部33により81枚の表示画像ファイル113の中からその指定された表示画像ファイル113が抽出されダウンロードされる。更に、この表示画像ファイル113のダウンロード時には、その表示画像をズームイン表示させた場合に表示されるべき9つの表示画像ファイル1
14(図11参照)のそれぞれを特定するためのファイル識別情報、及びこれらファイル識別情報と各セルとの対応関係情報がサーバ10から携帯端末2へダウンロードされる。
第3画面133は、第3段階目のモザイク画像が対象とされ、上述の第2画面132と同様に処理される。第3画面133において、いずれか1つのセルが選択枠163で選択され決定キー169が操作されると、選択されたセルの箇所がズームイン表示された第4画面134が図17に示すように表示される。図17は、第4画面134の構成例を示す図である。
第4画面134は、モザイク画像を最大にズームイン表示した画像を表示する。よって、第4画面134の各セルにはそれぞれ1つの素材画像が表示される。すなわち、第4画面134上の各セルは、モザイク画像全体の各ブロック(座標情報)に相当する。従って、第4画面134が表示される際には、対応する表示画像ファイル114と共に、各セルに対応するブロックIDがサーバ10から携帯端末2へダウンロードされる。
ところで、第2画面132、第3画面133及び第4画面134において、選択枠163が現在表示されていない方向へ移動された場合でその移動方向に画像が存在する場合には、その移動方向隣りの表示画像が表示される。この場合、当該移動方向隣りの表示画像を含む表示画像ファイル(112、113又は114)を指定する表示要求が携帯端末2からサーバ10へ送られ、その表示画像ファイル、その表示画像をズームイン表示させた場合に表示されるべき次段階の表示画像ファイルを特定するためのファイル識別情報、及びこれらファイル識別情報と各セルとの対応関係情報がサーバ10から携帯端末2へ送られる。
以上、モザイク画像の閲覧機能のうち、第1画面131から第4画面134へのズームイン表示に関する動作例を示した。第4画面134から第1画面131へのズームアウト表示は、選択枠163をズームアウトしたい箇所に置き、クリア(CLR)キー164を操作することで実行される。このとき、現在表示されている表示画像をズームアウト表示させた場合に表示させる表示画像ファイルを特定する情報は携帯端末2で既に保持されている。これは、ズームイン表示する過程において前回表示されていた表示画像に関する情報を保持するようにしてもよいし、現在表示されている表示画像ファイルのダウンロード時に合わせてその情報がダウンロードされ保持されるようにしてもよい。
また、ユーザホームページ152内でそのユーザの投稿画像を表示させるメニューが選択された場合には、直接、第4画面134が表示される。このとき、そのユーザにより投稿された素材画像を含む表示画像が第4画面134に表示される。具体的には、FLASHが、そのユーザのユーザIDを含む表示要求をサーバ10へ送信し、サーバ10の表示画像制御部33が、モザイク画像情報DB36をそのユーザIDで検索することにより、そのユーザにより投稿された素材画像が配置される座標を示すブロックIDを抽出する。結果、表示画像制御部33がそのブロックIDに対応する表示画像ファイル114を表示情報格納部37から取得し携帯端末2へダウンロードすることで、当該第4画面134が表示される。
次に、ユーザにより準備された素材画像が投稿される際の本モザイク画像提供システム1の動作例について説明する。
ユーザは、本モザイク画像提供システム1へログインした後、ユーザホームページ152から第1画面131へ移行する。ユーザは、上述したように各画面で選択枠163等を操作することにより、第1画面131、第2画面132、第3画面133、第4画面134の順に、モザイク画像のうちの自身の素材画像を配置させたい位置をズームイン表示さ
せる。ユーザは、第4画面134の表示エリア161に表示される画像中、素材画像が未だ配置されていないセル171を当該選択枠163で選択する。素材画像が未だ配置されていないセル171には、所定の空きブロック画像が表示されている。当該セル171が選択枠163で選択され決定キー169が操作されると、投稿画面159が表示される。投稿画面159は例えばFLASHで実現される。
図18は、投稿画面159の構成例を示す図である。投稿画面159の表示エリア161内には、例えば素材画像の投稿に関する操作説明、投稿に関する注意事項(例えば、他人の著作権や肖像権に関する注意等)が表示される。ユーザにより表示エリア161内の所定の箇所(図18の例における「ここをクリック」部)が選択されると、FLASHはメーラー143を起動させる。
このとき、FLASHは、保持されている情報に基づいて選択枠163で選択されたセル171に対応するブロックIDと共に、ユーザID及び本モザイク画像提供システム1のメールアドレスをメーラー143に渡す。メーラー143は、FLASHから渡されたブロックIDとユーザIDとを含む文字列が件名(SUBJECT)フィールドに格納され、宛先アドレスフィールドに本モザイク画像提供システム1のメールアドレスが格納された電文を生成する。ユーザは、一般的なメーラー143のインタフェース操作によりその電文に素材画像ファイル6を添付し、メール送信する。なお、本発明は、このメーラー143自体の機能等を限定するものではない。
サーバ10では、メール制御部32がこのように送信されたメールを受信し、このメールから素材画像ファイル6、ブロックID及びユーザIDを抽出する。メール制御部32は、この素材画像の画像IDの発行をモザイク画像情報DB36へ依頼する。モザイク画像情報DB36は、新たに発行された画像IDをそのユーザID及びブロックIDと関連付けて格納する。これと共に、メール制御部32は、その画像ID、ブロックID、及び素材画像ファイル6をモザイク画像生成部34に渡す。これにより、モザイク画像生成部34によりモザイク画像ファイル8が生成され、それに伴い表示画像生成部35により表示画像ファイル群38が更新される。モザイク画像生成部34によるモザイク画像生成処理の詳細については後述する。
このとき、モザイク画像生成部34の素材画像前処理部44は、その投稿された素材画像から正規素材画像を生成し、正規素材画像ファイル30として表示情報格納部37に格納する。そして、素材画像前処理部44は、この投稿された素材画像の正規素材画像ファイルの格納先を示す情報及び素材画像の投稿日時を示す情報をその画像IDに対応するレコードに格納する。
このように、本モザイク画像提供システム1によれば、素材画像の投稿も携帯端末2の操作で行うことができる。更に、素材画像の配置位置は、対象画像及び素材画像に制限されずユーザにより自由に指定することができる。また、この素材画像の配置位置は、サーバ10により未だ素材画像の配置されていないブロックから自動決定されるようにしてもよい。この場合には、上記メールの件名フィールドにはその位置情報としてのブロックIDを含めないようにすればよい。
更に、本モザイク画像提供システム1は、携帯端末2の操作による既に投稿された素材画像の削除及び変更にも対応する。
図19は、削除画面155の構成例を示す図である。ユーザホームページ152上のユーザの投稿画像を表示させるメニューの削除メニュー(操作メニュー154)が選択されると、この削除画面155が表示される。削除画面155の表示エリア161内には、そ
のユーザにより投稿された素材画像のうちのいずれか1枚が表示される。ユーザホームページ152のメニューで投稿日時を選択すれば、その日時に投稿された素材画像が削除対象として表示される。
具体的には、FLASHがユーザIDを含む素材画像要求をサーバ10へ送信する。すると、サーバ10の表示画像制御部33が、この指定されたユーザIDに基づいて、そのユーザにより投稿された素材画像の画像ID、その素材画像が加工された正規素材画像ファイル30の格納先を示す情報、及び投稿日時を示す情報をモザイク画像情報DB36から抽出し、この情報に基づいてそのユーザの正規素材画像ファイル30を表示情報格納部37から取得する。サーバ10は、画像ID、投稿日時を示す情報、及び正規素材画像ファイル30を携帯端末2へ送信する。このダウンロードされた素材画像が表示エリア161内に表示される。
この削除画面155において決定キー169が操作されると、FLASHはダウンロードされていた画像ID及び投稿日時を示す情報を含む削除要求をサーバ10へ送信する。これにより、サーバ10の表示画像制御部33は、この削除要求を受けると、モザイク画像情報DB36内からその画像ID及び投稿日時が格納されるレコードを削除し、かつ、表示情報格納部37からその画像ID及び投稿日時に対応する正規素材画像ファイル30を削除する。
表示画像制御部33は、モザイク画像情報DB36の該当レコードを削除する際に、その削除される素材画像の位置情報として格納されていたブロックIDを抽出し、モザイク画像生成部34にそのブロックIDを指定してその素材画像の削除を依頼する。これにより、モザイク画像生成部34によりこの素材画像が空きブロック画像に置き換えられたモザイク画像が生成され、それに伴い表示画像生成部35により表示画像ファイル群38が更新される。この削除処理に対応するモザイク画像生成部34のモザイク画像生成処理の詳細については後述する。
このように、本モザイク画像提供システム1によれば、素材画像の削除操作も携帯端末2の操作で行うことができる。
上述の素材画像の削除処理については、上述の第4画面134において削除したい素材画像が表示されるセルを選択枠163で選択し削除操作することで実行されるようにしてもよい。この場合には、その選択されたセルに対応するブロックIDを含む削除要求が携帯端末2からサーバ10へ送信され、これに応じてサーバ10で当該ブロックIDで示されるブロックの画像が空きブロック画像に置き換えられるようにすればよい。
図20は、変更画面156の構成例を示す図である。ユーザホームページ152上のユーザの投稿画像を表示させるメニューの変更メニュー(操作メニュー154)が選択されると、この変更画面156が表示される。変更画面156の表示エリア161内には、そのユーザにより投稿された素材画像のうちのいずれか1枚が表示される。ユーザホームページ152のメニューで投稿日時を選択すれば、その日時に投稿された素材画像が変更対象として表示される。この画面の具体的な生成処理については上述の削除画面155の場合と同様である。
この変更画面156において「#」キー160が操作されると現在投稿されている素材画像の配置処理が実行され、「*」キー201が操作されると現在投稿されている素材画像を新たな素材画像へ差し替える処理が実行される。
具体的には、「#」キー160が操作されると、FLASHはその変更対象の素材画像
の画像IDをサーバ10へ送信し、サーバ10からその画像IDで示される素材画像を含む表示画像ファイル114を受信することで、その変更対象の素材画像を含む第4画面134を表示する(図17参照)。
このとき、第4画面134は、その変更対象の素材画像が存在するセルが選択枠163で選択された状態で表示される。この状態で、数字キー165、166、167及び168により空きブロックへ選択枠163を移動させる。その空きブロック画像が表示されるセルに選択枠163を置いた状態で決定キー169が操作されると、その変更対象の素材画像がその選択枠163の置かれたセルに移動する。
このとき、FLASHは、その変更対象の素材画像の画像IDとその移動先のセルに対応するブロックIDとを含む移動要求をサーバ10へ送信する。これにより、サーバ10の表示画像制御部33は、この移動要求を受けると、モザイク画像情報DB36内のその画像IDに対応するブロックIDの値をその移動要求に含まれる値に変更する。それと共に、表示画像制御部33は、変更前のブロックIDと変更後のブロックIDとを指定してその素材画像の移動をモザイク画像生成部34に依頼する。これにより、モザイク画像生成部34によりその素材画像の配置が変更されたモザイク画像が生成され、それに伴い表示画像生成部35により表示画像ファイル群38が更新される。この移動処理に対応するモザイク画像生成部34によるモザイク画像生成処理の詳細については後述する。
このように、本モザイク画像提供システム1によれば、素材画像の移動操作も携帯端末2の操作で行うことができる。
一方で、素材画像の差し替え時、すなわち「*」キー201が操作された際には、図21に示すような差し替え画面210が表示される。図21は、差し替え画面210の構成例を示す図である。素材画像の差し替えは、上述した素材画像の投稿時の処理と基本的には同じである。ユーザにより表示エリア161内の所定の箇所(図21の例における「差し替え画像を投稿する」部)が選択されると、FLASHがメーラー143を起動させ、メーラー143により差し替えのための新たな素材画像ファイル6が添付された電文がサーバ10宛てに送信される。投稿時と異なるのは、メール電文の件名フィールドに、ユーザIDと共に元の素材画像の画像IDが設定されることである。
サーバ10では、メール制御部32がこのように送信されたメールを受信し、このメールから差し替えのための素材画像ファイル6、ユーザID及び元の素材画像の画像IDを抽出する。メール制御部32は、元の素材画像の画像IDに基づいてモザイク画像情報DB36からその元の素材画像に関するブロックIDを抽出する。更に、メール制御部32は、モザイク画像情報DB36に画像IDの発行を依頼する。モザイク画像情報DB36は、新たに発行された画像IDをそのユーザID及びブロックIDと関連付けて格納する。これと共に、メール制御部32は、この画像IDとブロックIDと共に、差し替えのための素材画像ファイル6をモザイク画像生成部34に渡す。これにより、モザイク画像生成部34により元の素材画像がこの新たな素材画像に差し替えられたモザイク画像ファイル8が生成され、それに伴い表示画像生成部35により表示画像ファイル群38が更新される。この差し替え処理に対応するモザイク画像生成部34によるモザイク画像生成処理の詳細については後述する。
このとき、モザイク画像生成部34の素材画像前処理部44は、その新たな素材画像から正規素材画像を生成し、正規素材画像ファイル30として表示情報格納部37に格納する。そして、素材画像前処理部44は、この新たな素材画像の正規素材画像ファイルの格納先を示す情報及び素材画像の投稿日時を示す情報をその画像IDに対応するレコードに格納する。
このように、本モザイク画像提供システム1によれば、素材画像の差し替えも携帯端末2の操作で行うことができる。
次に、第1実施例におけるサーバ10のモザイク画像生成部34の動作例について図22及び23を用いて説明する。
図22は、第1実施例におけるモザイク画像生成部34の対象画像に関する処理を示すフローチャートである。
対象画像処理部41は、モザイク画像の元となる対象画像ファイル5を取得し、この対象画像ファイル5を所定の数の領域(ブロック)に分割する(S2201)。この対象画像の分割数(ブロック数)は設定情報から取得される。この対象画像ファイル5の分割された各領域の画像をそれぞれブロック画像と表記している。
対象画像処理部41は、この分割されたブロック単位でこの対象画像ファイル5のフィルタリング処理を行う(S2202)。具体的には、まず、対象画像処理部41は、各ブロック画像についてRGB毎の濃度値(階調値)の平均値(平均R値、平均G値、平均B値)をそれぞれ算出する。対象画像処理部41は、そのブロック画像を構成する全画素のRGB値をそのブロック画像について算出された平均RGB値に設定する。これにより、各ブロック画像の色が各ブロック画像の平均RGB値に均一化される。
続いて、対象画像変換部42は、対象画像処理部41により処理された対象画像に対し、一定の色調を保持しながら許容最高濃度値(濃度値255)及び許容最低濃度値(濃度値0)の周辺濃度(白及び黒に近い色)が使われないように、そのRGB値の単位幅を圧縮(縮小)する(S2203)。最良の形態として例えば、対象画像変換部42は、中心濃度値(127.5)を固定した状態で許容最低濃度値0が濃度値32となり許容最高濃度値255が濃度値223となるように、濃度値の単位幅を圧縮する。
このように対象画像を変換することにより、対象画像の目標濃度値に素材画像の平均濃度値を近づけた場合に、素材画像が白又は黒に近づき過ぎ見え難くなるのを防ぐ。
ブロック画像処理部43は、対象画像変換部42により処理された対象画像に基づいて、各ブロック画像のRGBの各濃度値(階調値)を各目標濃度値としてそれぞれ取得する(R目標値、G目標値、B目標値)(S2204)。これら取得された各ブロック画像の各目標濃度値は、素材画像補正部48に送られる。
以上の対象画像に関する処理は、対象画像決定時に基本的には一度実行されればよい。
図23は、第1実施例におけるモザイク画像生成部34のモザイク画像生成処理を示すフローチャートである。この図23に示すモザイク画像生成処理は、例えば所定の周期で実行される。なお、本発明はこのモザイク画像生成処理の実行タイミングを限定するものではなく、素材画像が投稿された際、素材画像が削除された際又は素材画像が変更された際にその都度実行されるようにしてもよい。
素材画像取得部46は、メール制御部32又は表示画像制御部33からの処理要求の存在を確認する(S2301)。これら処理要求は例えばキューで管理される。処理要求が存在する場合には(S2301;YES)、素材画像取得部46は、そのうちの1つの処理要求を取得し、それが何の処理要求かを判断する(S2302)。素材画像取得部46は、処理要求が存在しない場合には(S2301;NO)、処理を終了する。
素材画像取得部46は、その処理要求が素材画像投稿時の要求又は差し替え要求であると判断すると(S2302;生成or差し替え)、その処理要求と共にメールに添付して送られた素材画像ファイル6を取得する(S2303)。素材画像取得部46は、1つの素材画像ファイル6を取得すると共に、その素材画像を配置する対象画像中のブロック位置(ブロックID)についての情報も併せて取得する。
素材画像前処理部44は、設定情報から素材画像ファイル6内の素材画像が配置されるべきブロック画像に関する情報を取得する。ブロック画像に関する情報には、そのブロック画像のサイズ(画素数)、形状等が含まれる。素材画像前処理部44は、これら取得された情報に合致するように素材画像ファイル6のサイズ、形状等を加工する。
素材画像変換部45は、素材画像前処理部44により処理された素材画像をグレースケール画像に変換する(S2304)。これにより、以降、素材画像の各RGB値を操作する場合に、いずれか1つの基本色の濃度値を扱うようにすれば足りる。また、素材画像の各RGB値のばらつきをなくすことができるため、素材画像ファイルに対し素材画像補正部48による色補正が行われた場合に、その素材画像に存在しなかった色が発生するのを防ぐ等、素材画像の視認性を向上させることができる。
素材画像算出部47は、素材画像変換部45により変換されたグレースケール素材画像42に関し、その素材画像に含まれるRGBのうちのいずれか1つの基本色について統計値を算出する。具体的には、まず、素材画像算出部47は、その素材画像に含まれる全画素の有する基本色の濃度値のうち、最小濃度値を抽出し、その素材画像の全画素の各濃度値からこの最小濃度値をそれぞれ減算する。素材画像算出部47は、このように変換されたいずれか1つの基本色に関し、最低濃度値(許容最低濃度値と同一)、最高濃度値、平均濃度値、最低濃度値から平均濃度値までの濃度値と平均濃度値から最高濃度値までの濃度値との割合(暗濃度値、明濃度値)をそれぞれ算出する(S2305)。
素材画像補正部48は、素材画像算出部47により算出された素材画像42に関する各統計値をそれぞれ取得し、更に、その素材画像42が配置されるブロック画像を示す識別情報に基づいてその素材画像42が配置されるブロック画像のR目標値、G目標値、B目標値をそれぞれ取得する。素材画像補正部48は、その素材画像42の各RGB値を素材画像算出部47により算出されたその平均濃度値が対象のブロック画像のR目標値、G目標値及びB目標値となるようにそれぞれ補正する(S2306)。
元の素材画像の平均濃度値を目標濃度値に移動した場合に、元の素材画像の最高濃度値が装置が許容する最高濃度値(許容最高濃度値)を超える場合とそうでない場合がある。素材画像補正部48は、最高濃度値が許容最高濃度値を超えると判断した場合には、平均濃度値を目標濃度値に固定させた状態で最高濃度値が許容最高濃度値となるように、元の素材画像の分布幅を縮小(圧縮)する。一方、素材画像補正部48は、最高濃度値が許容最高濃度値を超えないと判断した場合には、最低濃度値を許容最低濃度値に固定させた状態で平均濃度値が目標濃度値となるように、元の素材画像の分布幅を伸縮する。このように、素材画像補正部48は、全体のモザイク画像の視認性を上げるために元の素材画像をそれを配置するブロック画像の色調に近づけつつ、素材画像の視認性を上げるために元の素材画像の色調を可能な限り保持するよう処理する。
モザイク画像生成部49は、素材画像補正部48により色補正された素材画像を対象画像ファイルのうちその素材画像を配置すべきブロック画像と置き換える(S2307)。その素材画像を配置すべきブロック画像はブロックIDから検出される。処理要求が差し替え要求の場合には、その素材画像を配置すべきブロックには以前の素材画像が置かれて
いる。よって、モザイク画像生成部49は、新たに色補正された差し替えのための素材画像を元の素材画像と置き換える(S2307)。
ところで、素材画像取得部46は、処理要求が移動要求であると判断すると(S2302;移動)、その移動要求、その移動要求と共に取得される変更前のブロックID及び変更後のブロックIDをモザイク画像生成部49へ送る。これにより、モザイク画像生成部49は、変更前のブロックIDで特定される位置のブロック画像(素材画像)を変更後のブロックIDで特定される位置のブロック画像(素材画像又は空きブロック画像)と置き換え、変更前のブロックIDで特定される位置のブロック画像を空きブロック画像に設定する(S2308)。空きブロック画像は、例えば、素材画像の配置されていないブロックを明示するために予め設定された画像である。
また、素材画像取得部46は、処理要求が削除要求であると判断すると(S2302;削除)、その削除要求及びその削除要求と共に取得されるブロックIDをモザイク画像生成部49へ送る。モザイク画像生成部49は、そのブロックIDで特定されるブロック画像を空きブロック画像と置き換える(S2309)。
このように1つの処理要求が完了すると、素材画像取得部46が次の処理要求の存在を確認する(S2301)。素材画像取得部46は、次の処理要求が存在すると判断すると(S2301;YES)、上述と同様の処理がその次の処理要求に対して実行される。このように処理要求が存在しなくなるまで処理が継続される。もちろん、このように各処理要求がシーケンシャルに処理される構成に限定されるものではなく、複数の処理要求が変更処理されてもよい。
以上のようにモザイク画像ファイル8が更新されると、表示画像生成部35が、所定のタイミングでこの更新されたモザイク画像ファイル8に従って表示画像ファイル群38を更新する。この表示画像ファイル群38の更新方法については、上述した表示画像ファイル群38の生成方法(図13参照)と同様に表示画像ファイル群38を新たに生成するようにしてもよいし、表示画像ファイル112、113及び114については変更が生じたブロックを含むファイルのみを更新するようにしてもよい。
〈第1実施例における作用及び効果〉
ここで、上述した第1実施例におけるモザイク画像提供システム1の作用及び効果について述べる。
サーバ10では、モザイク画像生成部34が複数の素材画像ファイル6を用いてモザイク画像ファイル8を生成する。この素材画像ファイル6は、その素材画像を配置させたい位置情報(ブロックID)と共に、携帯端末2からメールに添付されて送られる。もちろん、素材画像ファイル6の取得方法はメールには限られない。
モザイク画像生成部34において、素材画像は、対象画像内の指定されたブロックIDで特定されるブロックの画像の色調に合うように色調補正される。すなわち、第1実施例によれば、素材画像の配置は対象画像の色調に制限されず任意に指定可能である。
対象画像に関しては、一定の色調を保持しながら白及び黒に近い色が使われないように変換された状態で、各ブロックのRGBの各目標濃度値がそれぞれ決定される。これにより、各ブロックのRGBの各目標濃度値に素材画像を近付けた場合であっても素材画像が白又は黒に近づき過ぎ見え難くなるのを防ぐことができる。すなわち、モザイク画像を生成する上で、個々の素材画像の視認性を低下するのを防ぐことができる。
また、第1実施例のモザイク画像生成部34において、素材画像は、グレースケール画像に変換された後、それが持つ基本色の統計値(平均濃度値、最低濃度値、最高濃度値、暗濃度値及び明濃度値)が算出される。このようにグレースケール画像に変換することにより、素材画像の有する基本色の統計値の計算量を減らすことができる。加えて、グレースケール画像に変換することにより、素材画像の各RGB値のばらつきを抑えることができるため、素材画像をブロック画像に近付けるように色調補正した場合であっても元の素材画像に存在しなかった色の発生を防ぐことができる。
また、素材画像をブロック画像の色調に近付けるにあたり、元の素材画像の色調が可能な限り保持されるように素材画像のRGB値の単位幅が伸縮される。これにより、元の素材画像がそれを配置するブロック画像の色調に近づけられることで全体のモザイク画像の視認性を上げることができ、かつ、元の素材画像の色調が可能な限り保持されるよう処理されるため素材画像の視認性を向上させることができる。
このように第1実施例におけるモザイク画像提供システムによれば、対象画像に応じた素材画像に関する限定をなくしユーザに任意にその素材画像の位置を指定させたとしても、素材画像及びモザイク画像の高い視認性を維持することができる。
サーバ10では、表示画像生成部35が、この高い視認性を維持するように生成されたモザイク画像ファイル8から携帯端末2の画面上でのズーム表示に対応するための表示画像ファイル群38を生成する。この表示画像ファイル群38は、携帯端末2にダウンロードされたWEBファイル39から呼び出されることで当該携帯端末2にダウンロードされ、携帯端末2の画面上に複数セルに区分けされた状態で表示される。この複数セルは、WEBファイル39の例えばFLASHにより生成され、携帯端末2の数字キー、方向キー、決定キー等の操作キーで操作される。
表示画像生成部35により生成される表示画像ファイル群38は、個々のファイルが携帯端末2の1画面で表示され得るサイズ(画素数)(第1実施例では縦300ピクセル、横300ピクセル)となり、携帯端末のズーム表示段階の各段階に対応するように生成される。具体的には、当該モザイク画像が携帯端末2のズーム表示段階数分(第1実施例では4段階)コピーされ、各コピーされたモザイク画像が各ズーム段階にそれぞれ対応する縮小率(第1実施例では1倍、1/9倍、1/81倍、1/729倍)でそれぞれ縮小され、各縮小されたモザイク画像が所定数で分割されることで表示画像ファイル群38は生成される。
このうち、分割数は、個々のファイルが携帯端末2の1画面で表示され得るサイズ(画素数)(第1実施例では縦300ピクセル、横300ピクセル)となるように決定され、縮小率は、最も小さいモザイク画像がそのまま携帯端末2の1画面で表示され得るサイズとなり、最も大きいモザイク画像については、それが分割されてなる各表示画像が携帯端末2の画面上で表示されるセルの数と同数のブロック数をそれぞれ持つサイズとなるように決定される。途中のズーム段階(1/9倍、1/81倍)に対応する表示画像の縮小率は最大縮小率及び最小縮小率の間で決定され、分割数は上述と同様の観点で決定される。
このように、第1実施例では、携帯端末2で表示される各画面イメージに対応した表示画像がサーバ10で生成される。そして、携帯端末2では、必要な表示画像がサーバ10からダウンロードされるだけでモザイク画像から素材画像までの間のズームアウト表示及びズームイン表示を画面上で実現することができる。
更に、第1実施例では、表示画像ファイル38がダウンロードされる際には、この表示画像から更にズームイン表示された場合に表示されるべき次ズーム段階の表示画像ファイ
ルを特定するための情報(ファイル識別情報)が各セルについてそれぞれダウンロードされる。これにより、所定の表示画像からズームイン表示された場合にはこのダウンロードされた情報が用いられることにより表示されるべき表示画像ファイルが即座に特定されてサーバ10から携帯端末2へダウンロードされる。
従って、第1実施例によれば、効率的に高速にモザイク画像のズーム表示を実現することができる。更に、このようなズーム表示は、セル上を移動する選択枠163を携帯端末2上の操作キー等を用いた操作により実現されるため、第1実施例によれば、当該モザイク画像の段階的ズーム表示を携帯端末2の操作のみで実現することができる。
ここで、最大にズームイン表示した表示画像(第4画面134)が表示される場合には、各セルがそれぞれブロックに対応するため、各セルに対応するブロックIDがサーバ10から携帯端末2へダウンロードされる。
第1実施例では、このダウンロードされるブロックIDが用いられることで、素材画像の投稿、削除、変更(差し替え、移動)を携帯端末2上で実現することができる。投稿時には、第4画面134で所望のセルに選択枠163を移動させ選択操作を行うことにより、その選択されたセルに対応するブロックIDが指定されて新たな素材画像ファイルと共にサーバ10へ投稿が要求される。これにより、サーバ10では、その新たな素材画像が加工されその加工された素材画像がその指定されたブロックIDの示す位置に配置されたモザイク画像が生成される。
従って、第1実施例によれば、所望の位置を指定した素材画像の投稿を携帯端末2上で実現できる。もちろん、この位置指定は、投稿された素材画像に対しモザイク画像生成部34で上述したような補正が施されるため、その位置のブロック画像に制限されることなく任意に指定可能であり、携帯端末2の画面上のセルの選択操作のみで実行することができるため、高い操作性を実現することができる。
素材画像の変更時においても、第4画面134で所望のセルに選択枠163を移動させ選択操作を行うことにより、その選択されたセルに対応するブロックIDが指定されて変更が要求される。これにより、サーバ10では、その指定されたブロックIDの示す位置に配置されたモザイク画像が変更され、その変更が反映されたモザイク画像が生成される。差し替え時には、そのブロックIDと共に差し替えのための新たな素材画像がサーバ10へ送られ、移動時には、移動元のブロックIDと移動先のブロックIDとが送られる。
また、素材画像の削除時には、そのユーザにより投稿された素材画像のうちのいずれかが削除画面155において選択されこの素材画像の画像IDがサーバ10へ通知される。これにより、サーバ10では、その画像IDに基づいてモザイク画像情報DB36からその素材画像の配置されている位置を示すブロックIDが抽出され、このブロックIDで示されるブロックの画像が空きブロック画像に置き換えられる。
このように、第1実施例におけるモザイク画像提供システム1によれば、モザイク画像を携帯端末2に表示させるだけでなく、そのモザイク画像を構成するための素材画像の投稿、削除、変更を全て携帯端末2の操作により実現することができる。当該削除及び変更操作については、既に生成されたモザイク画像及び表示画像がその操作により更新され、携帯端末2へ提供される。
このように第1実施例によれば、モザイク画像を楽しむための全ての操作を携帯端末上で実現することができる。
以下、第3実施例におけるモザイク画像提供システムについて説明する。第3実施例におけるモザイク画像提供システムは、モザイク画像の形成のために上述のように素材画像を提供したり提供された素材画像を操作したりする機能を提供するだけでなく、当該モザイク画像を通じてユーザ間でコミュニケーションを取ることのできる機能を新たに提供する。具体的には、第3実施例におけるモザイク画像提供システムは、モザイク画像を閲覧するユーザがそのモザイク画像を形成する各素材画像に対してコメントを投稿でき、投稿されたコメントを閲覧できるような機能を提供する。
[装置構成]
上記新たな機能を実現する第3実施例におけるモザイク画像提供システムでは、サーバ10の機能のみが第1実施例と異なるため、以下、第3実施例におけるサーバ10の機能構成について説明する。なお、ハードウェア構成については第1実施例と同様でよい。
〔サーバ10〕
図30は、第3実施例におけるサーバ10の概念的な機能構成を示すブロック図である。第3実施例におけるサーバ10は、第1実施例の構成に加えて、更に、コメント情報データベース(DB)310を有する。以下、サーバ10の構成のうち第1実施例と異なる機能部についてのみ説明する。
図31は、第3実施例におけるコメント情報DB310を示す図である。図31に示すように、コメント情報DB310は、素材画像を識別するための画像ID、その素材画像に対して投稿されたコメント、そのコメントを記入したユーザを識別するためのユーザID(コメント記入ユーザID)、そのコメントの公開範囲情報、そのコメントの投稿日時情報を関連付けて格納する。このうち、画像ID及びコメント記入ユーザIDは、モザイク画像情報DB36に格納される画像ID及びユーザIDと同様の情報である。
公開範囲情報は、そのコメントの参照可能範囲を限定するための情報であり、例えば、コメントを記入した本人にのみ参照を可能とする範囲指定(図31における「本人」)、範囲を限定しない指定(図31における「全員」)、コメントを投稿した素材画像に隣接配置される素材画像を投稿したユーザにのみ参照を可能とする範囲指定(図31における「隣人」)がある。本発明は、このような範囲指定に限定するものではないため、固有のユーザを指定した範囲指定、所定のユーザグループを指定した範囲指定等が行えるようにしてもよい。
表示情報格納部37に格納されるWEBファイル39には、携帯端末2上において、選択された素材画像にコメントを投稿したり、投稿されたコメントを表示したりするためのユーザインタフェースを形成するためのファイル(例えば、SWFファイル)が含まれる。
表示画像制御部33は、第1実施例における処理に加え、このような新たなインタフェースを形成するためのWEBファイル39を携帯端末2へダウンロードし、当該新たなインタフェースが操作されることにより携帯端末2から送られる情報に応じた処理を実行する。表示画像制御部33は、携帯端末2からコメント情報、対象の画像ID、そのコメントの発信者としてのユーザID、公開範囲情報が送られてきた場合には、これらの情報をコメント情報DB310に格納する。
更に、表示画像制御部33は、所定の表示画像ファイル111、112、113又は114をダウンロードする際には、そのファイル中の表示画像内に配置される素材画像に対して投稿されているコメント情報も合わせてダウンロードする。各表示画像ファイルは、各ファイルを特定するためのファイル識別情報が付与されている。このファイル識別情報が用いられることにより、各表示画像ファイルに含まれるブロックIDがそれぞれ特定される。
表示画像制御部33は、ダウンロードされる表示画像ファイルの識別情報からその表示画像内の全ブロックIDを認識し、この認識された各ブロックIDの示す位置に配置される各素材画像の画像IDをモザイク画像情報DB36からそれぞれ抽出する。表示画像制御部33は、このように抽出された全画像IDを基に、各素材画像に対して投稿されたコメント情報であって表示を要求するユーザを公開範囲に含むコメント情報をコメント情報DB310からそれぞれ抽出する。表示画像制御部33は、このように抽出されたコメント情報を表示画像ファイルと共にダウンロードする。
このとき、表示画像制御部33は、通信量及び携帯端末2のメモリ容量等を加味して、全コメント情報のうちダウンロードされるコメントを制限するようにしてもよい。例えば、表示画像ファイル111、112及び113がダウンロードされる場合には、その表示画像内のブロック数が多いため、投稿日時が最も新しいものから50件分のコメントのみをダウンロードするようにしてもよいし、携帯端末2上で表示され得る文字長に切ったコメントをダウンロードするようにしてもよい。
本実施例における表示画像制御部33は、全コメント情報のうち携帯端末2上で表示させる必要のあるコメントのみをダウンロードする。具体的には、表示画像制御部33は、携帯端末2の画面上で各コメントの表示がそれぞれ重ならないように、同時に表示すべきコメントの組み合わせを選定し、携帯端末2からの表示更新要求を受けた場合或いは所定の周期で、ダウンロードするコメントの組み合わせを切り替える。コメントの組み合わせは、携帯端末2の画面上の各セルに1つずつのコメントの組み合わせであってもよいし、上段、下段及び下段に1つずつの組み合わせであってもよい。なお、全コメントがダウンロードされ、このような同時に表示すべきコメントの組み合わせの選定が携帯端末2上のFLASHにより実行されるようにしてもよい。
〔動作例〕
以下、第3実施例におけるモザイク画像提供システムの動作例を説明する。なお、以下の説明では、第3実施例におけるモザイク画像提供システムにおいて新たに付加されたユーザ間のコミュニケーション機能のみを対象にその動作例を説明する。この新たに付加された機能についても、ユーザインタフェースは携帯端末2上で実現される。
図32は、第3実施例における第1画面131の構成例を示す図である。図32に示すように、第3実施例における第1画面131では、表示エリア161に表示されたモザイク画像の上にコメントが吹き出し形状(符号321)で表示される。これは例えばFLASHで実現される。コメントの表示形態は、この吹き出し形状に限定されず、そのコメントの投稿対象の素材画像との関連が把握可能な形態であればよい。
FLASHは、表示画像ファイル111と共にダウンロードされたコメント情報を取得し、各コメントの所定の文字数を吹き出し内にそれぞれ表示させる。各吹き出し321は、そのコメントの投稿された素材画像の位置を差し示すように表示される。この位置は、その表示画像の縮小率とブロックIDの示すブロック位置との相対関係から決定することが可能である。
上述の説明によれば、公開範囲指定を満たしており同時に表示すべき組み合わせに係るコメント情報がダウンロードされているため、この公開範囲が考慮されたコメントのみがFLASHにより表示される。なお、コメントの公開範囲に関する処理は、FLASHにより行われるようにしてもよい。この場合には、公開範囲に制限されないコメント情報がその公開範囲情報と共にダウンロードされ、FLASHがこの公開範囲の条件に基づいて表示すべきコメントを選定する。
第1画面131において*キー322が操作されることにより、FLASHは、表示される吹き出し321の表示及び非表示を切り替える。
第2画面132、第3画面133においても、上述の第1画面131と同様に処理される。
図33は、第3実施例における第4画面134の構成例を示す図である。図33に示すように、第3実施例における第4画面134においても、上述の第1画面131と同様に、コメントが吹き出し321内に表示される。第4画面134では、表示される素材画像が少ないため、各素材画像について投稿されたコメント情報であって公開範囲に含まれるコメント情報は全てダウンロードされる。
FLASHは、上述の第1画面131の場合と同様に、各吹き出し321を相互に重ならず投稿された素材画像を指し示すように表示する。なお、第4画面134の場合には、吹き出し321内に表示するコメントの文字数は第1画面131のそれよりも長く設定されてもよい。
第3実施例では、FLASHは、左右両端の素材画像に対して投稿されたコメントを表示する吹き出し341については全部を表示せず切れた状態で表示する。よって、この第4画面134を閲覧するユーザは、その吹き出し341内に表示されるコメントを1部しか見ることができない。これにより、ユーザにその吹き出し341が切れている方向の表示画像を見たいという欲求を駆り立たせ、隣接する表示画像への移動を誘う。従って、この実施例によれば、ユーザに多くの画像を見させることができる。なお、図33の例において、FLASHは、図面左方向への移動操作が行なわれた場合には、切れていた吹き出し341を全て表示するように制御する。
更に、第4画面134において、素材画像を表示するセルが選択枠163で選択され、決定キー169が操作されるとその素材画像に対してコメントを投稿するためのコメント表示画面341が表示される。このコメント表示画面341は例えばFLASHで実現される。
図34は、第3実施例におけるコメント表示画面341の構成例を示す図である。コメント表示画面341の表示エリア161には、コメント入力部342、投稿ボタン343、公開範囲指定部344、コメント表示部345等が表示される。
コメント入力部342にコメントが入力され、公開範囲指定部344で所望の範囲が設定され、投稿ボタン343が選択されると、FLASHは、この入力されたコメント、現在選択中の素材画像を示す画像ID、公開範囲情報をサーバ10へ送信する。サーバ10の表示画像制御部33は、このように送信されたコメント情報を受け、コメント情報DB310にそれらを格納する。
コメント表示部345には、現在選択中の素材画像に対し投稿されているコメントが最近のものから順に上方から下方へ表示される。このコメント表示部345に表示される各
コメントには、その投稿日時とそのコメントの投稿ユーザに関する情報も合わせて表示される。その素材画像の投稿者自身により投稿されたコメントは、他のコメントと異なる色で表示されるようにしてもよい。
また、コメントの投稿ユーザの表示は、そのユーザが素材画像を投稿している場合にはその素材画像を表示する第4画面134へ移行し得ることを示すように例えば下線が付されて表示される。このような表示が選択されると、そのユーザにより投稿された素材画像を含む第4画面134が表示される。
更に、第4画面134において#キー160が操作された場合には、複数の素材画像に対して一度にコメントを投稿し得る動作モードに移行される。この動作モードでは、コメントを投稿したい素材画像が選択枠163で選択され決定キー169が操作されると、図35に示すようにそのセルに選択マーク351が表示される。図35は、第3実施例における複数素材画像への一括コメント投稿の例を示す図である。このような操作により複数のセルに選択マーク351を表示させた後、*キー322が操作されると、コメント入力画面352が表示される。このコメント入力画面352は例えばFLASHにより実現される。
このコメント入力画面352でコメントが入力されると、その入力されたコメントは、選択マーク351が付された素材画像に対する投稿コメントとして処理される。すなわち、FLASHは、そのコメントと共に、選択マーク351が付された素材画像を示す複数の画像ID及びそのユーザIDをサーバ10へ送信する。
〈第3実施例における作用及び効果〉
ここで、上述した第3実施例におけるモザイク画像提供システムの作用及び効果について述べる。
第3実施例では、モザイク画像が最もズームイン表示された画像を表示する第4画面134において、選択枠163によりいずれかのセルが選択されると、コメント表示画面341が表示される。このコメント表示画面341では、選択中のセル内の素材画像に対するコメント、そのコメントの公開範囲情報が設定される。コメント表示画面341においてコメント情報が入力されると、選択中のセル内の素材画像を示す画像IDと共に、ユーザID、コメント情報等がサーバ10へ送られる。サーバ10では、携帯端末2から送られる画像ID、ユーザID、コメント情報(コメント、公開範囲情報等)、投稿日時情報等がコメント情報DB310に格納される。
更に、第4画面134において#キー160が操作されコメントモードへ移行されると、選択枠163の操作により複数のセルが選択可能となる。複数のセルが選択され、*キー322が操作されるとコメント入力画面352が表示される。このコメント入力画面352においてコメントが入力されると、選択された複数のセル内の素材画像を示す複数の画像ID、ユーザID、その入力されたコメント等がサーバ10へ送られる。サーバ10では、その入力されたコメントが各画像ID及びユーザIDで特定される各レコードにそれぞれ格納される。
このように、第3実施例におけるモザイク画像提供システムによれば、ユーザは、モザイク画像を閲覧し操作するだけでなく、各素材画像に対してコメントを投稿することができる。
このように投稿されたコメント情報は、表示画像ファイル111、112、113及び114がダウンロードされる際に、そのダウンロードされる表示画像に含まれる素材画像
に対して投稿されたコメント情報がダウンロードされる。
これにより、第1画面131、第2画面132、第3画面133、第4画面134において、その投稿されたコメントが吹き出し形状により表示される。この吹き出し形状は、表示されているモザイク画像内の対象素材画像を指し示すように形成される。
従って、ユーザは、ズーム表示によりモザイク画像を閲覧することができるだけでなく、閲覧している範囲内の素材画像に対して投稿されたコメントも合わせて閲覧することができる。更に、その吹き出し形状によりどの素材画像に投稿されているコメントかも特定することができるため、多数コメントが投稿された人気素材画像を探したり、素材画像を通じて知人にメッセージを送ることも可能となる。
すなわち、第3実施例におけるモザイク画像提供システムによれば、モザイク画像を通じてユーザにコミュニケーションの場を提供することができる。ひいては、本モザイク画像提供システムの集客性を上げることができ、モザイク画像の基となる対象画像の認知度を上げることもできる。
〈付記〉
(付記1)
複数ブロックに区分けされた対象画像内の少なくとも1つのブロックに素材画像が配置されたモザイク画像を生成するモザイク画像生成手段と、
前記モザイク画像生成手段により生成されたモザイク画像に基づいて、前記携帯端末の画面で該モザイク画像全体が視認されるズームアウト表示と該携帯端末の画面で該モザイク画像の1部領域内の複数ブロックが視認されるズームイン表示との間の段階的ズーム表示の各ズーム段階にそれぞれ対応する複数の表示画像を生成する表示画像生成手段と、
前記表示画像生成手段により生成された複数の表示画像のそれぞれを、該携帯端末の操作により選択可能な複数のセルであって各セルが前記ズームイン表示で視認される各ブロックに対応するように配置される複数のセルに、区分けされた状態で該携帯端末の画面に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とするモザイク画像提供装置。
(付記2)
前記表示画像生成手段は、前記モザイク画像生成手段により生成されたモザイク画像を各ズーム段階に応じた縮小率でそれぞれ縮小し、各表示画像が前記携帯端末の画面で視認可能なサイズとなるように各縮小されたモザイク画像を分割することにより、前記複数の表示画像を生成することを特徴とする付記1に記載のモザイク画像提供装置。
(付記3)
前記表示制御手段は、前記携帯端末からズーム表示要求を受けた場合に、前記携帯端末において選択されたセル内に表示される領域に対応する表示画像又は前記携帯端末に表示されている表示画像を1部領域に持つ表示画像を前記複数の表示画像から抽出し、この抽出された表示画像を該携帯端末の画面に表示させることを特徴とする付記1又は2に記載のモザイク画像提供装置。
(付記4)
前記表示制御手段は、
前記携帯端末に前記ズームイン表示させる場合に、該ズームイン表示に対応する表示画像と共に前記複数のセルのそれぞれに表示される各ブロックに関する前記モザイク画像内の位置を示す識別情報をそれぞれ該携帯端末にダウンロードし、
前記モザイク画像生成手段は、
前記携帯端末でズームイン表示されている場合で前記複数のセルのいずれか1つを用いて選択されたブロックの識別情報と共に、新たな素材画像を該携帯端末から受信した場合に、この新たな素材画像を該識別情報で特定されるブロックに配置したモザイク画像を生成する、
ことを特徴とする付記1から3のいずれか1つに記載のモザイク画像提供装置。
(付記5)
前記モザイク画像生成手段は、
前記携帯端末でズームイン表示されている場合で前記複数のセルのいずれか1つを用いて選択されたブロックの識別情報を含む削除要求を前記携帯端末から受信した場合に、該識別情報で特定されるブロックを素材画像の配置されていない状態を示す空きブロック画像に置き換えたモザイク画像を生成し、前記携帯端末でズームイン表示されている場合で前記複数のセルのいずれか2つを用いて選択された移動元ブロック及び移動先ブロックの各識別情報を含む移動要求を前記携帯端末から受信した場合に、該移動元ブロックの識別情報で特定されるブロックの画像を該移動先ブロックの識別情報で特定されるブロックの画像と置き換えたモザイク画像を生成する、
ことを特徴とする付記4に記載のモザイク画像提供装置。
(付記6)
複数ブロックに区分けされた対象画像内の少なくとも1つのブロックに素材画像が配置されたモザイク画像を生成するモザイク画像生成手段と、
前記各素材画像に対して投稿されたコメント情報をそれぞれ格納するコメント情報テーブルと、
前記モザイク画像生成手段により生成されたモザイク画像に基づいて、携帯端末の画面で該モザイク画像全体が視認されるズームアウト表示と該携帯端末の画面で該モザイク画像の1部領域内の複数ブロックが視認されるズームイン表示との間の段階的ズーム表示の各ズーム段階にそれぞれ対応する複数の表示画像を生成する表示画像生成手段と、
前記表示画像生成手段により生成された複数の表示画像のそれぞれを、前記コメント情報テーブルから抽出されたコメントと該コメントの投稿対象の素材画像との関係が表された状態で前記携帯端末の画面に表示させる表示制御手段と、
を備えるモザイク画像提供装置。
(付記7)
前記表示制御手段は、
前記携帯端末の画面に表示画像及びコメント情報を表示させる際に、該表示画像内の複数の素材画像に対して投稿されたコメントのうち同時に表示されるコメントの組み合わせを決定し、各組み合わせの表示、非表示を所定の周期で切り替えさせる、
ことを特徴とする付記6に記載のモザイク画像提供装置。
(付記8)
前記携帯端末のユーザを識別するユーザ識別手段、
を更に備え、
前記コメント情報テーブルは、前記コメント情報としてコメントと該コメントの公開範囲情報とを含み、
前記表示制御手段は、前記携帯端末の画面にコメント情報を表示させる際に、前記ユーザ識別手段の識別結果に基づいて、該携帯端末のユーザがそのコメントの公開範囲に含まれない場合にはそのコメントを表示させないように制御する、
ことを特徴とする付記6又は7に記載のモザイク画像提供装置。
(付記9)
前記表示制御手段は、前記携帯端末の画面でズームイン表示されている場合に、前記視認される複数ブロックのうち選択された少なくとも1つのブロック内に表示される素材画像の識別情報と共に、該素材画像に対して投稿されたコメント情報を該携帯端末から受信した場合に、このコメント情報を前記コメント情報テーブルに格納する、
ことを特徴とする付記6から8のいずれか1つに記載のモザイク画像提供装置。
(付記10)
前記表示制御手段は、前記携帯端末の画面に素材画像に対するコメント及び該コメントの投稿者名を一覧表示させ、該投稿者名が選択された場合に該投稿者名で特定されるユーザにより投稿された素材画像が前記ズームイン表示時に視認される複数ブロックのいずれかに配置された表示画像を該携帯端末の画面に表示させる、
ことを特徴とする付記6から9のいずれか1つに記載のモザイク画像提供装置。