JP4359165B2 - 敷設レールの軸応力測定装置 - Google Patents

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この発明は、敷設レールの軸応力測定装置に関し、特に、歪みゲージセンサおよび温度センサを用いて鉄道線路に敷設されるレールの複数点の軸応力を同時に且つ継続的に高精度に測定する敷設レールの軸応力測定装置に関する。
鉄道線路に敷設されるロングレールは、道床とマクラギとの間に生成している縦方向道床抵抗により道床において縦方向に変位することを阻止されている。この時、レール中央部においては不動区間を生じ、この不動区間のレールは年間を通して原則として全く伸縮しない。即ち、気温変化に伴って発生する熱エネルギはレールの伸縮には消費されず、熱エネルギは全て熱応力としてレールに蓄えられ、この蓄えられた力を軸応力という。この軸応力が過大になると、レールの張り出しを生じ、列車脱線の如き重大事故が発生する恐れが生ずる。従って、ロングレールの不動区間については、レールに生ずる軸応力に耐え得る座屈強度および溶接強度が常に確保されているか否かを管理することが要請されている。
敷設レールの軸応力測定装置の従来例としては、レール敷設前の状態においてレールに測尺用マークを付与しておく。そして、軸応力測定を実施する度毎に作業員が軌道内に立ち入ってこの測尺用マーク間の距離とその状態におけるレール温度を測定することで、軸応力を測定する装置が開発されている(特許文献1 参照)。
他の従来例として、作業員が軌道内に立ち入って測定地点まで出向き、測定装置を設置して1箇所づつ軸応力測定を実施する方法が公知である(特許文献2 参照)。
特許第1709788号明細書 特開昭58−071973号公報
上述した敷設レールの軸応力測定装置は、軸応力測定を実施する度毎に、作業員が軌道内に立ち入らなければならないので、測点数が多いと、それに比例して多大の測定時間と測定人員を必要とし、実際に、多数の測定箇所を同時に常に監視することはできない。そして、走行車両と測定作業員との間の接触事故が発生する危険性もある。
この発明は、歪みゲージセンサおよび温度センサを用いて鉄道線路に敷設されるレールの複数点の軸応力を同時に且つ継続的に測定する軸応力測定装置において、測定精度の高い敷設レールの軸応力測定を実施する軸応力測定装置を提供するものである。
請求項1:レールに貼り付けられた歪みゲージセンサgおよび温度センサtより成る軸圧センサ1を有し、軸圧センサ1により得られたセンサ信号をディジタルデータに変換して出力する軸圧変換器2を有し、軸圧変換器2から出力されるセンサ信号を収集し、軸応力値を算出、表示するデータ収集装置3を有する敷設レールの軸応力測定装置において、歪みゲージセンサgと温度センサtとをクランプしたテストピース全体を恒温槽に浸漬し、基準外部温度にして所定時間のサイクルで所定温度範囲内で温度変化させる見かけ歪み特性測定試験により両センサの測定値を求め、これらを温度変化に対する歪みゲージセンサの見かけ歪み特性として記憶し、これら歪みゲージセンサgと温度センサtより成る軸圧センサ1を敷設する前の自由に熱膨張伸縮することができるロングレールに対して接合固定し、敷設前のレール歪み値とレール温度値を測定して初期値とし、また、敷設後のレール歪み値とレール温度値を測定して敷設後測定値とし、見かけ歪み特性と初期値から軸応力の存在しないときの歪み値を求め、敷設後測定値と初期値から実際に伸縮した量を求め、軸応力の存在しないときの歪み値と実際に伸縮した量から軸応力を計算することを特徴とし、さらに、前記初期値のレール歪み値と前記敷設後測定値のレール歪み値は、レールに接合した歪みゲージセンサとゼロ温度特性の基準抵抗を切り替えて接続し、歪みゲージセンサ或いは基準抵抗の内の何れかを一辺とするブリッジ回路を構成してレールの歪み値と基準抵抗による各測定値を求め、その差を求めることによって得られた値である敷設レールの軸応力測定装置を構成した。
そして、請求項2:請求項1に記載される敷設レールの軸応力測定装置において、軸圧センサと軸圧変換器を組み合わせて、敷設前のレール歪み値とレール温度値を測定して初期値とし、また、前記組み合わせと同一の組み合わせを使用して、敷設後のレール歪み値とレール温度値を測定して敷設後測定値とし、見かけ歪み特性と初期値および測定値とに基づいて軸応力を計算する敷設レールの軸応力測定装置を構成した。
また、請求項3:請求項1および請求項2の内の何れかに記載される敷設レールの軸応力測定装置において、見かけ歪み特性測定試験により求められた測定値に基づいて、レールの歪み値について温度の4次補正式を導き出し、これを温度変化に対する歪みゲージセンサgの見かけ歪み特性として記憶する敷設レールの軸応力測定装置を構成した。
更に、請求項4:請求項1ないし請求項3の内の何れかに記載される敷設レールの軸応力測定装置において、歪みゲージセンサの見かけ歪み特性を、使用する歪みゲージセンサ毎の温度特性試験により各歪みゲージセンサ固有の見かけ歪み特性を求めることにより、レール軸応力測定において必要とされる測定精度を確保する敷設レールの軸応力測定装置を構成した。
また、請求項5:請求項1ないし請求項4の内の何れかに記載される敷設レールの軸応力測定装置において、歪みゲージセンサgおよび温度センサtより成る軸圧センサ1を敷設されたレールの複数地点に設置し、同時に多測点の測定をする敷設レールの軸応力測定装置を構成した。
この発明に依れば、作業員が線路内に立ち入る必要がなく、複数測点を無人で同時に測定すると共に、継続的に測定することができる。列車運行時においても測定することができるところから、常にレールの状態を監視することができ、レールが危険な状態に到る前に問題箇所を発見し、これに対処する準備をすることができる。
そして、発明の構成の一部として、歪みゲージセンサgと温度センサtとをクランプしたテストピース全体を恒温槽に浸漬し、基準外部温度にして例えば12時間程度の所定時間のサイクルで所定温度範囲内で温度変化させる見かけ歪み特性測定試験により両センサの測定値を求め、これらを温度変化に対する歪みゲージセンサgの見かけ歪み特性として記憶し、これら歪みゲージセンサgと温度センサtより成る軸圧センサ1を敷設する前の自由に熱膨張伸縮することができるロングレールに対して接合固定し、敷設前のレール歪み値とレール温度値を測定して初期値とし、また、敷設後のレール歪み値とレール温度値を測定して測定値とし、見かけ歪み特性と初期値および測定値とに基づいて軸応力を計算する構成を具備することにより、測定精度の高い敷設レールの軸応力測定を実施することができる。
(行程1) 敷設レールの軸応力測定に使用する歪みゲージセンサ、温度センサをテストピースに適用して、当該歪みゲージセンサの温度特性、即ち、見かけ歪み特性或いは熱出力特性を測定する。なお、この歪みゲージセンサの温度特性には、歪みゲージセンサの一般的な温度特性と鉄の物体が発生する伸縮量とが含まれている。
(行程2) 行程1において測定に供した歪みゲージセンサおよび温度センサを、敷設する前の自由に熱膨張伸縮することができるロングレールに対して接合固定し、敷設前のレールの歪み値と温度値を測定し、この両値を初期値として記憶しておく。この場合の歪み値とは、軸応力の存在しない時の歪み値を意味している。
(行程3) 行程2の自由に熱膨張伸縮することができる状態のロングレールを道床に締結、敷設し、道床において縦方向に変位することを阻止した状態に固定する。この状態のレールの歪み値と温度値を測定する。
(行程4) 行程1ないし行程3の測定値に基づいて敷設レールの軸応力を求める。
以下、発明を実施するための最良の形態を図を参照して具体的に説明する。
図1はロングレールに敷設する前のロングレールRに温度センサtおよび歪みゲージセンサgより成る軸圧センサ1を設置したところを示す図であり、図2は道床に敷設後のロングレールに軸圧センサ1が接続される軸応力測定装置の全体のブロック図である。
図2を参照するに、道床に敷設する前の自由に熱膨張伸縮することができるレールRには、歪みゲージセンサgと温度センサtとより成る軸圧センサ1を、測定箇所毎に取り付け設置している。軸圧センサ1により得られる検出値は、センサケーブル12を介して軸圧変換器2に供給される。軸圧変換器2の変換データは伝送ケーブル23を介してデータ収集装置3に送り込まれる。データ収集装置3の詳細は図3に示されている。
この敷設前の自由に熱膨張伸縮することができる状態のレールRの歪み値と、温度センサtのレール温度値を測定し、この両値を初期値とする。この初期値には軸圧変換器2の特性も含まれるので、使用する軸圧センサ1と軸圧変換器2とは常に同一組み合わせで使用する。ところで、この初期値の測定は、実際は、行程1に記載した通り、歪みゲージセンサgと温度センサtをテストピースに適用して測定し、その結果を見かけ歪みとして使用する。なお、この温度センサtとしては、測定精度が高く、安定したデータを得ることができるものとして、通常、白金抵抗温度センサが使用される。このテストピースの具体的な測定方法は後で説明する。
このテストピースによる見かけ歪みの測定を図4および図5を参照して説明する。図4はテストピースを説明する図であり、図5はテストピースによる見かけ歪み特性測定試験を説明する図である。
使用する歪みゲージセンサg毎に温度特性試験を行い、各歪みゲージセンサg固有の見かけ歪み特性或いは熱出力特性を求めることにより、歪みゲージセンサgの測定精度を向上することができる。そして、正確な軸圧量を導くには、使用する歪みゲージセンサgの個々の見かけ歪み特性を更に詳しく正確に知ることが必要になる。歪みゲージセンサgの見かけ歪み特性を知るには、試験体に貼り付けた上で、温度変化させる必要がある。しかし、歪みゲージセンサgは、一度び試験体に貼り付けると、取り外し再使用することができない。即ち、測定に供した歪みゲージセンサgおよび温度センサtを、敷設する前の自由に熱膨張伸縮することができるロングレールに対して接合固定して使用する必要上、歪みゲージセンサgおよび温度センサtを取り外し再使用することができない状態で温度特性試験を実施する訳には行かない。ここで、以下の通りにして歪みゲージセンサgの見かけ歪み特性を知る。
図4を参照するに、これは歪みゲージセンサgと温度センサtをテストピースにクランプすることによって、これらをレールに溶接貼り付けした場合と同じ状態の試験を実現することができる。テストピースは、ロングレールの原材料に対応する鉄より成る基板B、歪みゲージセンサ固定板G、温度センサ固定板F、固定ネジSにより構成される。歪みゲージセンサ固定板Gおよび温度センサ固定板Fも、基板Bと同様に鉄より構成される。固定ネジSが螺合するネジ孔は歪みゲージセンサ固定板Gおよび温度センサ固定板Fの表面から基板Bの内部に亘って形成されている。
ここで、基板Bと歪みゲージセンサ固定板Gとの間に図示されない歪みゲージセンサgを配置し、基板Bと温度センサ固定板Fとの間に温度センサtを配置して固定ネジSを締め付けて、歪みゲージセンサgと温度センサtをクランプすることによりレールに溶接貼り付した場合と同じ状態を実現することができる。
見かけ歪み特性測定試験方法の実施例としては、歪みゲージセンサgと温度センサtとをクランプしたテストピース全体を恒温槽に浸漬し、基準外部温度を外部温度を20℃にして12時間のサイクルで所定温度範囲±40℃で温度変化させ、各センサの出力値を求め、この温度変化に対する歪みゲージセンサ出力値を正確な見かけ歪みとしている。
この見かけ歪み特性測定において、外部温度の基準を20℃とする理由は、歪みゲージセンサgの見かけ歪み特性の基準となる温度が20℃であることによる。温度変化のサイクルを12時間とする理由は、日中の屋外において温度変化の時間サイクルは通常12時間程度であることによる。温度変化範囲を±40℃とする理由は、レール温度の変化範囲は通常−20℃〜+60℃であることによる。
以上の方法で測定した見かけ歪みと、歪みゲージセンサgを試験物体であるレールRに実際に貼り付けて測定した測定結果とを比較してみると、ほぼ同一の特性を得ることができる。また、メーカー発表の見かけ歪みとの間の差は、最大で20μm/mの誤差であった。約20μm/mの誤差はレール軸圧量を測定する精度の範囲外である。
次に、図6および図7を参照するに、図6はテストピースを使用した見かけ歪み特性測定試験の結果を示す図であり、図7は実際にテストピースに歪みゲージを溶接接合し、見かけ歪み特性測定試験を行った結果を図6上に加えた図としている。両特性試験で求めた見かけ歪みは一致しており、クランプにより見かけ歪み特性を求める方法が有効であることが判る。これら見かけ歪み特性測定試験により得られた値から、レールの歪み値について温度の4次補正式を導き出す。先に、テストピース全体を恒温槽に浸漬して求めた温度変化に対する歪みゲージセンサ出力値を正確な見かけ歪みとすると記載したが、実際は、温度の連続関数であるこの4次補正式を見かけ歪み特性の見かけ歪みとして記憶しておく。
見かけ歪みεapp =−22+1.6×T1−3.0×10-2 ×T2
+1.8×10-4 ×T3 −7.0×10-7 ×T4
軸圧量を計算する時にこの4次補正式を加えることにより、見かけ歪みを補正することができるので、正確な軸圧測定をすることができる。
図8および図9を参照するに、図8は軸圧変換器2内に具備される検出値測定ブリッジ回路を説明する図であり、図9は軸圧変換器2のブロック図である。敷設レールの軸応力測定装置を構成する軸圧変換器2内の電気回路は、正確な軸応力測定を実施する観点から、電気回路における使用部品の外部温度の変動に起因する誤差を除去するブリッジ回路を含む電気回路構造としている。このブリッジ回路は、レールRの歪み値に対応する抵抗値と、ゼロ温度特性を示す基準抵抗と、3個の120Ω抵抗を4辺として構成されている。2.5Vを基準電圧とし、右端に検出電圧が得られる。ブリッジ回路においては、フォトモスリレー21の如き高速動作する電子スイッチ3個を上側に切り替えることにより歪みゲージセンサgの抵抗値を測定し、下側に切り替えることにより基準抵抗の抵抗値を測定する。歪みゲージセンサgにより得られるレールRの歪み値に対応する抵抗値と、基準抵抗により得られる外部温度変化を受けないゼロ温度特性抵抗値とを交互に切り替え測定し、その差として検出電圧を得、これを歪みゲージセンサgの測定値としている。
・1 フォトモスリレー21を切り替え、歪みゲージセンサ側で測定した場合、検出される電圧は、歪みゲージ基準値からの変化分と、基板上のブリッジ回路より成るアナログ回路部で発生した誤差が含まれる。
・2 次に、フォトモスリレー21を切り替え、基準抵抗側で測定した場合、検出される電圧は、基板上のアナログ回路部で発生した誤差分のみとなる。
・3 よって、・1の電圧と・2の電圧の差を求めることで、アナログ回路部で発生した誤差を取り除くことができる。
これにより、歪みゲージセンサgと基準抵抗とは、フォトモスリレー21の高速切り替えにより殆ど同時刻に同条件により測定されるので、アナログ回路部における各使用部品が外部温度変化に影響を受けても、この影響はブリッジ回路において相殺されて、歪みゲージセンサ出力値を安定した精度で測定することができる。
以下、理論、計算例を説明する。
軸応力測定の概念は、外部の影響に起因して物体が実際に伸縮しなければならない状態に対して、伸縮することができずに蓄積されている量をいうところから、物体が完全に拘束されて伸縮することができない状態における外部温度変化に対する軸圧量EAβ△tから、実際に伸縮した量EA△L/L(EAε )を引くことによって、現在のレール軸応力を導き出すことができる。
軸応力:P=EAβ△t−EAε
(=EAβ△t−EA△L/L)
ここで、E:レールの縦弾性係数(ヤング率) 2.1×106 kg/cm2
A:レール断面積 60kgレール 77.5cm2
50Nレール 64.2cm2
β:レールの線膨張係数 11.4×10-6 (1/deg)
△t:レール温度変化量(℃)
ε:歪み(伸縮)量(μm/m)
L:基準測定間隔(mm)
△L:基準測定間隔からの変化量(mm)
実際の軸圧測定理論、概念は以上の公式により導き出すものが定説であるが、歪みゲージを使用した連続軸圧測定器においては、歪みゲージの弾性を利用して次の方法で軸圧計算を行っている。
軸圧量:P=EAεc
ここで、E:レールの縦弾性係数 2.1×106 kg/cm2
A:レール断面積 60kgレール 77.5cm2
50Nレール 64.2cm2
εc :伸縮できなかった量(μm/m)
εc:伸縮できなかった量(μm/m)
=(自由伸縮時における外部温度変化に対する歪み量)−(締結レ ールにおける外部温度変化に対する歪み量)
=εapp(見かけ歪み)−εi(歪みゲージ出力値)
この概念は、先の概念とは逆の理論であり、同様に軸応力測定の概念は、外部の影響に起因して物体が実際に伸縮しなければならない状態εapp(見かけ歪み)に対して、伸縮することができずに蓄積されている量をいうところから、物体が全く拘束されずに自由伸縮状態における外部温度変化に対する歪みゲージ出力値εapp(見かけ歪み)から、実際の歪みゲージ出力値εi を引くことによって、この値を伸縮することができなかった量とすることができ、レール軸応力としている。この方法で、連続軸圧計の測定値の算出理論としている。
(例) 測定レール:60kgレール
フリー状態測定値:歪みゲージ出力値 +1000(μm/m)、レール温度 +12℃
レール敷設後測定値:歪みゲージ出力値 +900(μm/m)、レール温度 +30℃
見かけ歪み補正式(例):
εapp(T)=−22+(1.6×T)−(3×10-2 ×T2
+(1.8×10-4 ×T3 )−(7×10-7 ×T4 )(μm/m)
εapp(12)=−6.8(μm/m)
P=EAεc=EA(εapp −εi)より、
P=2.1×77.5×((εapp(30)−(−6.8))−(900−1000))
=2.1×77.5×(10+100)
=+17.9[tf]
上述の如くにして、この発明は、敷設前のレールに対して、歪みゲージセンサと温度センサとを内蔵した軸圧センサを設置し、これにより敷設前のレールの歪み値と温度値を測定し、この両値を初期値とすることで、レール敷設後の軸応力測定を正確に行うことができる敷設レールの軸応力測定装置を構成した。
この場合の軸応力測定はプログラム設定により任意の時刻に、継続して、無人で実施することができ、同時に多測点の測定をすることができる。
敷設レールの軸応力測定装置内の電気回路は、正確な軸応力測定を実施する観点から、電気回路における使用部品の外部温度の変動に起因する誤差を除去するブリッジ回路を含む電気回路構造としている。
更に、歪みゲージセンサの検出値をより正確にする観点から、歪みゲージセンサの熱出力特性を、使用する歪みゲージセンサ毎に温度特性試験を実施し、各歪みゲージセンサ固有の熱出力特性を求め、歪みゲージセンサの測定精度を向上させた。
敷設する前のロングレールRに温度センサおよび歪みゲージセンサより成る軸圧センサを設置したところを示す図。 敷設後のロングレールの複数地点に軸圧センサを含む軸応力測定装置が設置されたところを示す図。 データ収集装置の詳細を説明する図。 テストピースを説明する図。 テストピースによる見かけ歪み特性測定試験を説明する図。 テストピースを使用した見かけ歪み特性測定試験の結果を示す図。 テストピースに歪みゲージを溶接接合した見かけ歪み特性測定試験の結果を示す図。 検出値測定ブリッジ回路を説明する図。 軸圧変換器の詳細を説明する図。
符号の説明
1 軸圧センサ 2 軸圧変換器
3 データ収集装置 g 歪みゲージセンサ
t 温度センサ

Claims (5)

  1. レールに貼り付けられた歪みゲージセンサgおよび温度センサより成る軸圧センサを有し、軸圧センサにより得られたセンサ信号をディジタルデータに変換して出力する軸圧変換器を有し、軸圧変換器から出力されるセンサ信号を収集し、軸応力値を算出、表示するデータ収集装置を有する敷設レールの軸応力測定装置において、
    歪みゲージセンサと温度センサとをクランプしたテストピース全体を恒温槽に浸漬し、基準外部温度にして所定時間のサイクルで所定温度範囲内で温度変化させる見かけ歪み特性測定試験により両センサの測定値を求め、これらを温度変化に対する歪みゲージセンサの見かけ歪み特性として記憶し、
    これら歪みゲージセンサと温度センサより成る軸圧センサを敷設する前の自由に熱膨張伸縮することができるロングレールに対して接合固定し、敷設前のレール歪み値とレール温度値を測定して初期値とし、また、敷設後のレール歪み値とレール温度値を測定して敷設後測定値とし、見かけ歪み特性と初期値から軸応力の存在しないときの歪み値を求め、敷設後測定値と初期値から実際に伸縮した量を求め、軸応力の存在しないときの歪み値と実際に伸縮した量から軸応力を計算することを特徴とし、
    さらに、前記初期値のレール歪み値と前記敷設後測定値のレール歪み値は、レールに接合した歪みゲージセンサとゼロ温度特性の基準抵抗を切り替えて接続し、歪みゲージセンサ或いは基準抵抗の内の何れかを一辺とするブリッジ回路を構成してレールの歪み値と基準抵抗による各測定値を求め、その差を求めることによって得られた値であることを特徴とする敷設レールの軸応力測定装置。
  2. 請求項1に記載される敷設レールの軸応力測定装置において、
    軸圧センサと軸圧変換器を組み合わせて、敷設前のレール歪み値とレール温度値を測定して初期値とし、また、前記組み合わせと同一の組み合わせを使用して、敷設後のレール歪み値とレール温度値を測定して敷設後測定値とし、見かけ歪み特性と初期値および測定値とに基づいて軸応力を計算することを特徴とする敷設レールの軸応力測定装置。
  3. 請求項1および請求項2の内の何れかに記載される敷設レールの軸応力測定装置において、
    見かけ歪み特性測定試験により求められた測定値に基づいて、レールの歪み値について温度の4次補正式を導き出し、これを温度変化に対する歪みゲージセンサの見かけ歪み特性として記憶することを特徴とする敷設レールの軸応力測定装置。
  4. 請求項1ないし請求項3の内の何れかに記載される敷設レールの軸応力測定装置において、
    歪みゲージセンサの見かけ歪み特性を、使用する歪みゲージセンサ毎の温度特性試験により各歪みゲージセンサ固有の見かけ歪み特性を求めることにより、レール軸応力測定において必要とされる測定精度を確保することを特徴とする敷設レールの軸応力測定装置。
  5. 請求項1ないし請求項4の内の何れかに記載される敷設レールの軸応力測定装置において、
    歪みゲージセンサおよび温度センサより成る軸圧センサを敷設されたレールの複数地点に設置し、同時に多測点の測定をすることを特徴とする敷設レールの軸応力測定装置。
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