JP4357200B2 - 統合失調症診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、統合失調症(いわゆる「精神分裂症」)の罹患の可能性を診断する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常の病理疾患であれば、体温やその他の物理的な数値に異常が発現するため、各種検査の結果を医師が判断することにより、罹患しているか否かを正確に判定(診断)を行うことが可能である。
【0003】
これに対して、統合失調症のような精神的な疾患の場合は、係る物理的な数値に異常が生じない場合が多く、検査結果のみから罹患の判定を行うことは非常に困難であった。
そのため、統合失調症に罹患しているか否かは、専門医師による面接診断によって判定するしかない、というのが実情であった。
【0004】
発明者は、長年に亘り統合失調症患者との面接診断を行った。そこで、面接して診断していると、統合失調症の人に固有の特徴が幾つか存在することが分かった。例えば、表情の乏しさ、特有の目つき、身振りや手振りが乏しい、等の特徴であり、「打てば響くような」対人反応の障害を表していると考えられている。そして、統合失調症患者と統合失調症患者以外の者とは、対人反応の良し悪しによって、臨床的に区別出来る、とする見解も存在する。
しかしながら、臨床で分かるこれ等の特徴は、客観的な基準として固定することが大変困難である。
【0005】
発明者は、さらに統合失調症患者との面接及び診断を重ねた結果、健常者と統合失調症患者との間で、最も顕著に差が出るのは、質問に答えた後の視覚的行動であることを見出した。すなわち、統合失調症の患者は、答えた後に自分の行動を「吟味、確認」するような注視点の動きが極めて乏しかった。これに対して、健常者では、極めて活発な注視点の動きが見られ、大きな差を認めた。これは、面接場面における対人反応と、密接に関連すると考えられる。そして、係る特徴は統合失調症患者に特有のものであり、他の精神疾患や脳神経科で取り扱う疾患を保有する患者では、観察されないことを見出した(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。
【0006】
従って、係る特徴を用いて統合失調症の診断を自動的に行えば、医師による臨床的な面談による診察に比較して、大量の患者を迅速且つ正確に診断することが可能である。
しかし、従来、係る特徴を利用して統合失調症の診断を自動的に行うことを可能ならしめるような装置は、提案されていない。
【0007】
【非特許文献1】
季刊精神科診断学13(2)181頁〜187頁
【非特許文献2】
臨床精神医学講座第16巻精神医学的診断法と検査法(別刷)252頁〜261頁
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、統合失調症の診断を自動的に行い、大量の患者を迅速且つ正確に診断することを可能ならしめる様な統合失調症診断装置の提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の統合失調症診断装置(10)は、被験者(C)に対して視覚的な刺激(S1チャート、S2チャート、S3チャート)を提示する刺激表示手段(ディスプレイ12)と、刺激表示手段(ディスプレイ12)に対する被験者(C)の視点を特定するための視点特定手段(眼球撮影カメラユニット14)と、刺激表示手段(ディスプレイ12)及び視点特定手段(眼球撮影カメラユニット)の計測結果から反応的探索スコア(RSS)を算出する反応的探索スコア算出手段(RSS算出手段34)と、刺激表示手段(ディスプレイ12)及び視点特定手段(眼球撮影カメラユニット)の計測結果から運動数(NEF:注視点の個数)を計測する運動数計測手段(NEF計測手段36)と、反応的探索スコア算出手段(34)で得られた反応的探索スコア(RSS)及び運動数計測手段(36)で得られた運動数(NEF)から、数式D=10.625−(0.065×NEF+0.871×RSS)を演算する演算手段(38)を備え、ここで前記数式におけるNEFは運動数計測手段で得られた運動数、RSSは反応的探索スコア算出手段で得られた反応的探索スコアであり、前記数式で求められた数値Dが0以上であれば統合失調症に罹患している可能性があると判断し、数値Dが負の値であれば統合失調症に罹患している可能性はないと判定する機能を有する判定手段(40)を備えている(請求項1)。
【0010】
ここで、注視点とは視線が固定された点である。運動数計測手段(NEF計測手段36)では、刺激表示手段(ディスプレイ12)及び視点特定手段(眼球撮影カメラユニット)の計測結果を処理して、たとえは図Jで示す様な注視点の軌跡を求め、注視点の個数を計測する処理を行い、運動数(NEF)を決定する。
【0011】
また、反応的探索スコア(RSS)は、無意識に自分の考えを「吟味、確認」する際における眼球の運動に関するスコアである。例えば、標的図(図2)とは一部異なった図(図3、図4)を呈示して、標的図(図2)と同じか、違うか、またどの部位が違うかを被験者Cに質問し、被験者Cからの答えが出尽くした後に「他に違いは有りませんか?」と質問をし、「ありません」と答えるときの注視点の動きを解析することにより、得られる。
【0012】
前述したように、統合失調症の患者では、面接場面で無意識に自分の答えを「吟味、確認」する際の注視点の動きに最も特徴がみられる(反応的探索スコア:RSS)。
これは、統合失調症患者本人だけではなく、1親等の親族にも異常が見られ、統合失調症の素因を反映している。実際、これを用いて統合失調症の連鎖解析を行ったところ、22番染色体長腕のあるマーカーで、連鎖を認めた。すなわち、この反応的探索スコア(RSS)は、統合失調症の遺伝的素因を反映している。一方、統合失調症の70%〜80%は発症に遺伝的要因が関与していると言われているが、反応的探索スコア(RSS)は、単独で、統合失調症の約70%を判別し、素因の強い中核的な統合失調症を抽出していることになる。
上述した様な構成を具備する本発明によれば、係る反応的探索スコア(RSS)を統合失調症診断のパラメータとして利用しているので、統合診断失調症の判断が正確に行われるのである。
そこで、発明者の研究の結果、素因を表す反応的探索スコア(RSS)だけではなく、精神症状を反映する運動数(NEF)をも診断のパラメータに加えると、統合失調症に罹患しているか否かの判断がさらに高精度にて行われる。
【0013】
そのため、本発明では、被験者が統合失調症に罹患しているか否かを判定する手段(演算手段38及び判定手段40)は、反応的探索スコア算出手段(RSS算出手段34)で得られた反応的探索スコア(RSS)及び運動数計測手段(NEF計測手段36)で得られた運動数(NEF:注視点の個数)の2つをパラメータとして、判断を行っているのである。
具体的には、次の数式(1)を演算する。
D=10.625−(0.065×NEF+0.871×RSS)・・(1)
ここで、「NEF」はNEF計測手段36で計測された運動数、「RSS」はRSS算出手段34で算出された反応的探索スコアである。
そして、式(1)の数値Dが「0(ゼロ)」以上であれば、「被験者Cは統合失調症に罹患している可能性がある」と判定し、数値Dが「負」の値であれば「被験者Cは健常者である」と判定するのである。
【0014】
ここで、統合失調症の患者の特徴である対人場面において打てば響くような反応が極めて乏しいことは、上述した様に反応的探索スコア(RSS)において顕著に表れる。
そのため、反応的探索スコア(RSS)のみにより、遺伝的素因をもった中核的な統合失調症の診断を行うことも可能である。
【0016】
係る構成を具備する本発明では、前記判定する手段(判定手段240)において、反応的探索スコア算出手段(RSS算出手段34)で得られた反応的探索スコア(RSS)を予め記憶された閾値とを比較し、反応的探索スコア(RSS)が閾値よりも大きければ「健常者」と判定し、小さければ「統合失調症罹患の疑い有り」と判定する。
上述した通り、統合失調症に罹患している被験者は、健常者に比較すると、反応的探索スコア(RSS)が有意に低い値を示すからである。
【0017】
従来の技術では、被験者の視点を特定するのに、例えばVTRで撮影し、VTRの1コマごとに、全て手作業で視点の座標データを抽出していたので、膨大な手間が必要であった。
上述した本願発明によれば、刺激表示手段(ディスプレイ12)と、刺激表示手段(ディスプレイ12)に対する被験者(C)の視点を特定するための視点特定手段(眼球撮影カメラユニット14)とを用いることにより、従来は手作業で行われた視点の特定作業を自動化することが可能である。
【0018】
本発明において、被験者(C)の視点を特定するための視点特定手段(眼球撮影カメラユニット14)は、角膜反射と瞳孔反射との差分により、被験者(C)の視線の方向を確定する様に構成されているのが好ましい(請求項2)。
被験者(C)の頭部と視点特定手段(眼球撮影カメラユニット14)との間に相対的な変位(ずれ)が生じても、計測結果に影響を及ぼさないからである。
【0019】
本発明の実施に際して、前記視覚的な刺激(S1チャート、S2チャート、S3チャート)としては、例えば、英字の「S」を横にした形状に突起を設けた形状(S1チャート、S2チャート)と、突起を設けていない形状(S3チャート)が好ましい。
【0020】
また、反応的探索スコア(RSS)の具体的な算出に際しては、標的図(S1チャート)とは一部異なった図(S2チャート、S3チャート)を呈示して、標的図(S1チャート)と同じか、違うか、またどの部位が違うかを被験者Cに質問し、被験者Cからの答えが出尽くした後に「他に違いは有りませんか?」と質問をしたときから5秒間における注視点の動きを解析する。解析に際しては、前記一部異なった図(S2チャート、S3チャート)を例えば7つの領域(K1〜K7、L1〜L7)に分けて、当該5秒間の間に注視点が及んだ領域の数を合計するのが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0022】
図1は、本発明の第1実施形態を示している。
全体を符号10で示す統合失調症診断装置は、被験者(或いは患者)Cに対して診断に必要な視覚的な刺激を与えるディスプレイ(刺激表示手段)12と、ディスプレイ12上の被験者Cの視点を特定して計測データを出力する眼球撮影カメラユニット(視点特定手段)14と、ディスプレイ12を操作するための操作ユニット16と、眼球撮影カメラユニット14からの計測データを処理・解析する解析ユニット20と、解析ユニット20による処理結果及び解析結果を表示する第2のディスプレイ(表示手段)22、とを有している。
ここで、操作ユニット16は音声発生手段24を有しており、音声発生手段24からは、後述する態様で被験者Cに対して各種指示が(音声により)出力される。
【0023】
眼球撮影カメラユニット14は、アイカメラを内蔵しており、角膜反射方式を用して、眼球の位置、角度を把握し、視線の方向を2次元的に判断している。そして、角膜反射と瞳孔反射とを組み合わせており、角膜反射と瞳孔反射との差分に基いて視線の方向を確定している。被験者Cとアイカメラとで相対的な変位(ずれ)が生じたとしても、角膜反射と瞳孔反射との差分は変動しない。そのため、当該「ずれ」が生じても、正確な計測が可能となる。
なお、後述する実機では、被験者Cは固定されたゴーグルに顔を押し当てることにより、被験者Cとアイカメラとで相対的な変位(ずれ)を可能な限り小さくしている。
【0024】
眼球撮影カメラユニット14により被験者Cの視点を特定するとともに、ディスプレイ12上でどのような画像が表示されているかを特定すれば、被験者Cがディスプレイ状の視点及びその軌跡を特定することが出来る。
ここで、被験者Cの視線は、一点鎖線の矢印ELで表現されている。
なお、ディスプレイ12は、従来技術における視野カメラの代用として、刺激呈示モニタとして採用されたものである。
図2、図3、図4には、ディスプレイ12上で表示される画像(統合失調症診断に用いられる画像)が表示されている。
【0025】
ディスプレイ12で表示されている画像の情報と、眼球撮影カメラユニット14で計測された被験者Cの視点に関する情報(計測データ)とが、信号伝達ラインCL1、CL2を介して、解析ユニット20に送られる。
【0026】
解析ユニット20は、信号伝達ラインCL1、CL2によりディスプレイ12及び眼球撮影カメラユニット14につながったインターフェース28と、データベース(記憶手段)30と、計測データの処理手段(眼球運動計測結果作成手段)32と、処理手段32で得られた処理結果(図5参照)から反応的探索スコア(RSS)を求めるRSS算出手段(反応的探索スコア算出手段)34と、処理手段32で得られた処理結果(図5参照)から運動数(NEF)を計測するNEF計測手段(運動数計測手段)36と、RSS算出手段34で算出した反応的探索スコア(RSS)及びNEF計測手段36で計測した運動数(NEF)から後述する演算を行う演算手段38と、演算手段38の演算結果より被験者Cが統合失調症に罹患しているか否かの可能性を判定する判定手段40と、第2のディスプレイ22へのインターフェース42と、これ等の各ユニットを電子情報的に接続するラインCL3〜CL13とを有している。
インターフェース42は、信号伝達ラインCL14を介して第2のディスプレス22とつながっており、解析ユニット20による処理結果の情報が第2のディスプレス22に表示される。
【0027】
インターフェース28及びデータベース30を介して処理手段32に送られた計測データが処理されて、チャート(図2、図3、図4で示すチャート)と視点及びその軌跡とを組み合わせた状態、すなわち図5から文字及び数字を除いたような態様で、実験結果として出力される。なお、図1において、処理手段32で示されている図形は、図5から文字、数字を除いたものである。
そして、処理手段32で得られた実験結果に基いて、NEF計測手段36では運動数が計測され、RSS算出手段34では反応的探索スコアが算出される。
【0028】
ここで、「運動数(NEF)」とは注視点(視線が固定された点)の個数であり、精神症状を反映する。
NEF計測手段36においては、処理手段32で得られた実験結果から、注視点の個数を計測する処理を行い、運動数(NEF)を決定する。ここで、注視点の個数を計測する処理自体は、公知の技術を適用することが可能である。
【0029】
RSS算出手段34で算出される「反応的探索スコア(RSS)」とは、標的図(図2)とは一部異なった図(図3、図4)を呈示して、標的図(図2)と同じか、違うか、またどの部位が違うかを被験者Cに質問し、被験者Cからの答えが出尽くした後に「他に違いは有りませんか?」と質問をしたときの注視点の動きを解析したものである。
【0030】
実際の反応的探索スコア(RSS)の解析或いは算出に際しては、「他に違いは有りませんか?」と質問をしたときに生じる5秒間の注視点の動きを調べてスコア化する。
スコア化に当たっては、例えば、図6、図7で示す様に、図3、図4をそれぞれ7つの領域(K1〜K7、L1〜L7)に分けて、当該5秒間の間に注視点が及んだ領域の数を合計する。その様にしてスコア化を行う場合には、例えば、図3、図4を用いるとすれば、図6及び図7で示す様に合計14の領域が有るので、反応的探索スコア(RSS)は14点満点となる。
【0031】
前述したように、統合失調症の患者は、対人場面における打てば響くような反応が極めて乏しい。そして、「他に違いは有りませんか?」と質問をしたときに生じる5秒間の注視点の動きである反応的探索スコア(RSS)は、自分の答えを無意識に「吟味、確認」する注視点の動きであり、この対人反応の障害をあらわすものである。したがって、統合失調症に罹患している被験者であれば、健常者に比較して、反応的探索スコア(RSS)の数値が、明らかに少ない。
【0032】
すなわち、RSS算出手段34では、処理手段32で得られた実験結果から、上述した5秒間の間に、図6或いは図7で示す14の領域中で注視点が及んだ数を、反応的探索スコア(RSS)として算出する。
図6或いは図7で示す14の領域中で注視点が及んだ数を算出する処理は、公知技術を適用して行うことが可能である。
【0033】
RSS算出手段34で算出された反応的探索スコアは、ラインCL7を介して演算手段38に送られ、NEF計測手段36で計測された運動数は、ラインCL8を介して演算手段38に送られる。
演算手段38では、次の数式(1)を演算する。
D=10.625−(0.065×NEF+0.871×RSS)・・(1)
ここで、「NEF」はNEF計測手段36で計測された運動数、「RSS」はRSS算出手段34で算出された反応的探索スコアである。
式(1)で求められた数値Dは、ラインCL9を介して判定手段40に送られる。
【0034】
判定手段40では、被験者Cが健常者であるか、或いは、統合失調症に罹患している可能性が有るかを判定する。
判定に当たっては、演算手段38で演算された式(1)の数値Dが「0(ゼロ)」以上であれば、「被験者Cは統合失調症に罹患している可能性がある」と判定し、数値Dが「負」の値であれば「被験者Cは健常者である」と判定する。
【0035】
上述した通り、統合失調症に罹患している被験者であれば、健常者に比較して、反応的探索スコア(RSS)の数値が、明らかに少ない。したがって、上記数値「D」の値も健常者に比較して小さいのである。
【0036】
係る判定結果は、ラインCL10、インターフェース42、ラインCL12を経由して、ディスプレイ22に表示することが出来る。
【0037】
RSS算出手段34で算出された反応的探索スコア(RSS)は、ラインCL7、演算手段38、ラインCL12、データベース30、ラインCL4を会して処理手段32に送られる。
また、NEF計測手段36で計測された運動数(NEF)は、ラインCL8、演算手段38、ラインCL12、データベース30、ラインCL4を会して処理手段32に送られる。
【0038】
演算手段38の演算結果も、ラインCL12、データベース30、ラインCL4を会して処理手段32に送られる。
さらに、判定手段40の判定結果は、ラインCL13、データベース30、ラインCL4を会して処理手段32に送られる。
これらの情報と、ディスプレイ12で表示されている画像の情報と、眼球撮影カメラユニット14で計測された被験者Cの視点に関する情報(計測データ)とから、図5で示す様な計測結果を得る事が出来る。係る計測結果は、ラインCL11、インターフェース42、ラインCL12を経由して、第2のディスプレイ22で見ることが出来る。
【0039】
なお、明示はされていないが、ディスプレイ22にプリンタ(印刷手段:図示せず)を接続して、図5で示す様な計測結果をプリントアウトすることが可能である。
【0040】
次に、図8、図9を参照して、図1で示す第1実施形態に係る診断装置による処理を、工程順に説明する。
先ず図8において、図1で示す診断装置を用いて、個々の被験者について、必要な計測(眼球運動の計測、NEFやRSSの決定)を行う。
【0041】
ステップS1において、被験者のデータ格納先の特定(調整)や、その他の初期設定を行う。
次に、被験者毎の較正作業を行い(ステップS2)、そして、被験者の眼球運動を計測して、視線や注視点を特定する(ステップS3)。ステップS3において、運動数(NEF)や反応的探索スコア(RSS)を決定するが、その具体的な内容については、図10、図11を参照して、後述する。
【0042】
診断の対象となる被験者が存在する場合は、ステップS4で「NO」のループを繰り返す。全ての被験者について計測(ステップS3)が完了したならば(ステップS4がYES)、診断装置による計測処理を終了する。
【0043】
図9は、図1で示す診断装置を用いて、個々の被験者について、必要な診断・判定を行う手順を示している。
図9で示す診断ルーチンにおいて、図8で示す計測処理が完了した後、個々の被験者に対する診断を開始するのであれば(図9のステップS11がYES)、処理手段32(図1)の処理結果からRSS算出手段34(図1)により反応的探索スコア(RSS)を決定し、NEF計測手段36(図1)により運動点(NEF)を決定する(ステップS12)。
【0044】
上述した通り、「運動数(NEF)」とは注視点(視線が固定された点)の個数であり、NEF計測手段36においては、処理手段32で得られた実験結果から、注視点の個数を計測する処理を行い、運動数(NEF)を決定する。
また、「反応的探索スコア(RSS)」は、標的図とは一部異なった図を呈示して、標的図と同じか、違うか、またどの部位が違うかを被験者に質問し、被験者からの答えが出尽くした後に「他に違いは有りませんか?」と質問をしたときの注視点の動きを解析したものである。具体的には、図3、図4をそれぞれ7つの領域(図6のK1〜K7、図7のL1〜L7)に分けて、「他に違いは有りませんか?」と質問をしてから5秒間の間に注視点が及んだ領域の数を合計して求めている。
【0045】
ステップS12で運動数(NEF)と反応的探索スコア(RSS)とが求まったのであれば、演算手段38において、上述した式(1)を演算する(ステップS13)。
そして、式(1)の演算結果である「D」の値から、判定手段40において、被験者が健常者であるか、或いは、統合失調症に罹患している可能性があるか、を判定する。
【0046】
判定手段40における判定を具体的に説明すれば、数値Dが「負」の値であるか、「0」以上の値であるかをステップS14では判断する。
数値Dが「負」であれば(ステップS14で「D<0」)、「被験者は健常者である」と判定する(ステップS15)。
一方、数値Dが「0(ゼロ)」以上であれば(ステップS14で「D≧0」)、「被験者は、統合失調症に罹患している可能性がある」と判定する(ステップS16)。
【0047】
診断するべき被験者の計測結果があれば、診断を続行するべくステップS11に戻り(ステップS17がNO)、診断を続行する必要がなければ(ステップS17がYES)、終了する。
【0048】
次に、図10、図11に基いて、(図1をも参照して)図8のステップS3で示す運動数(NEF)及び反応的探索スコア(RSS)の決定ルーチンについて、説明する。
ここで、図10と図11とは、同一のルーチンを連続して示している。換言すれば、個々の被験者について運動数(NEF)及び反応的探索スコア(RSS)を決定するルーチンは、図10と図11に分割して示されている。これは、係るルーチンを単一の図面で表示した場合の煩雑さを防止する趣旨である。
【0049】
先ず、図10において、計測を開始したならば(ステップS20)、ディスプレイ12(図1)上に9個の点を表示して、被験者に合わせた較正を行う(ステップS21)。
ここで較正は、被験者の目の形状、大きさ等が相違するため、刺激に対する反応が相違するので、必要となる。
具体的には、9個の点の何れかを赤く発光させ、赤く発光した点を注視させることにより、実行する。換言すれば、画面上の9箇所を見ることにより、微弱な差異を較正し、以って、角膜反射、瞳孔反射の組み合わせで特定されるポイントと、基準ポイントとの差異を較正する。
ステップS21で較正が終了したならば、検査を開始する。
【0050】
操作ユニット16(図1)を操作して、音声発生手段24から被験者に対して、簡単な図形を15秒間提示する旨を指示する。そして、図2で示すS1チャート、すなわち、「S」字を横にして2個の突起を設けた様な図形を15秒間、ディスプレイ12上に表示する(ステップS22)。
図2のS1チャートを15秒間表示したならば、再び、9個の点を表示して(ステップS23)、カウンタをリセットする(ステップS24)。
【0051】
次に、音声発生手段24から被験者に対して、
画面(この時点では9つの点が表示)が変わって、次の絵が出て来ること、
今度の絵は後で書いてもらうので、良く見てて貰いたいこと、
見る時間は、先程と同じ15秒であること、
を指示する。そして、再び、図2のS1チャートをディスプレイ12上に、15秒間、表示する(ステップS25)。
ステップS25(における15秒間)で、被験者の眼球運動を計測し、注視点の数(運動数:NEF)を計測する。
図2のS1チャートを15秒間表示したならば、9個の点を表示して(ステップS26)、カウンタをリセットする(ステップS27)。
【0052】
音声発生手段24から被験者に対して、
これまで見た2枚の絵は、同じ絵であり、良く覚えてもらいたいこと、
次に出て来る絵と、最初の2枚の絵とを見比べて貰うこと、
後で質問すること
質問があるまで、回答せずに画面を見ていて貰いたいこと、
を指示する。そして、ディスプレイ12に図3のS2チャートを表示する(ステップS28)。
次に、音声発生手段24から被験者に対して、
この絵(ディスプレイ12に表示されている図3のS2チャート)は最初の2枚の絵と同じであるか否か?
を質問する(ステップS29)。
【0053】
ステップS29の質問に対して、被験者が、ディスプレイ12に表示されている図3のS2チャートが、最初の2枚の絵(図2のS1チャート)とは異なる旨の回答をしたならば(ステップS30で「違う」)、相違点を全て回答させる(ステップS31がNOのループ)。
なお、ステップS29で、被験者が、ディスプレイ12に表示されている図3のS2チャートは、最初の2枚の絵(図2のS1チャート)と同じである旨の回答をした場合(ステップS30が「同じ」)は、ステップS36に進む。
【0054】
被験者が、ディスプレイ12に表示されている図3のS2チャートと、最初の2枚の絵(図2のS1チャート)との相違点を全て回答したならば(ステップS31がYES)、音声発生手段24から被験者に対して、「他に違いがないか?」と質問する(ステップS32)。そして、ステップS32で質問してから5秒間の視線の動きや注視点を計測し、反応的探索スコア(RSS)決定用の仮データとして記録する(ステップS33)。
ステップS32で為されたような質問(「他に違いがないか?」という様な質問)に対して自らの答えを無意識に「吟味、確認」するような注視点の動きが見られる。これは、健常者と統合失調症患者との間で最も有意差が見られ、反応的探索スコア(RSS)として計測される。そのため、ステップS33の段階で、反応的探索スコア(RSS)決定用の仮データを収集するのである。
【0055】
ステップS33で、反応的探索スコア(RSS)決定用の仮データを5秒間に亘って記録したならば、ステップS32の質問に対する被験者の回答をチェックする(ステップS33)。
被験者が、「他に違いが存在する」旨の回答をしたならば(ステップS34の「違いがあると回答」)、ステップS31に戻る。この場合(ステップS31〜S34を繰り返す場合)、ステップS33の段階で、反応的探索スコア(RSS)決定用の仮データが更新される。換言すれば、ステップS31〜S34を繰り返して、ステップS33で仮データが更新されてしまうため、ステップS33で計測されたデータは、後述するステップS35で反応的探索スコア(RSS)決定用データと見なされるまでは、あくまでも「仮データ」として取り扱われるのである。
【0056】
一方、被験者が「(他に違いは)ありません」、「わかりません」、「同じ」という類の回答をした場合には(ステップS34がYES)、ステップS33で収集された仮データを、図3のS2チャートにおける本データとせしめ(ステップS35)、以後、データベース30で保存し、処理手段32で処理し、RSS算出手段34で算出する基本となるべき計測データとして取り扱う。ステップS35の後に、ステップS36に進む。
【0057】
ステップS36では9個の点を表示する。そして音声発生手段24から被験者に対して、
次に出てくる絵は最初の2枚の絵(図2のS1チャート)と同じであるか否か?
を質問して、ディスプレイ12上に図2のS1チャートを表示し、上述したステップS30〜S34と同様な処理を行う(ステップS37)。この処理は、統合失調症診断には影響はないので、データは記録しない。
次に、9個の点を表示して(ステップS38)、カウンタをリセットする(ステップS39)。そして、図11の「E」に進む。
【0058】
図11の「E」に進んだならば、音声発生手段24から被験者に対して、
次に出て来るもう1枚の絵も、最初の2枚の絵とを見比べて貰うこと、
後で質問すること
質問があるまで、回答せずに画面を見ていて貰いたいこと、
を指示する。そして、ディスプレイ12に図4のS3チャートを表示する(ステップS40)。
次に、音声発生手段24から被験者に対して、
この絵(ディスプレイ12に表示されている図4のS3チャート)は最初の2枚の絵と同じであるか否か?
を質問する(ステップS41)。
【0059】
ステップS41の質問に対して、被験者が、ディスプレイ12に表示されている図4のS3チャートが、最初の2枚の絵(図2のS1チャート)とは異なる旨の回答をしたならば(ステップS43で「違う」)、相違点を全て回答させる(ステップS43がNOのループ)。
なお、ステップS42で、被験者が、ディスプレイ12に表示されている図4のS3チャートは、最初の2枚の絵(図2のS1チャート)と同じである旨の回答をした場合(ステップS42が「同じ」)は、ステップS48に進む。
【0060】
被験者が、ディスプレイ12に表示されている図4のS3チャートと、最初の2枚の絵(図2のS1チャート)との相違点を全て回答したならば(ステップS43がYES)、音声発生手段24から被験者に対して、「他に違いがないか?」と質問する(ステップS44)。そして、ステップS44で質問してから5秒間の視線の動きや注視点を計測し、反応的探索スコア(RSS)決定用の仮データとして記録する(ステップS45)。
この段階で反応的探索スコア(RSS)決定用のデータを収集する理由と、ステップS45で記録したデータを「仮データ」として取り扱う理由とは、ステップS33に関連して前述したのと同一である。
【0061】
ステップS45で、反応的探索スコア(RSS)決定用の仮データを5秒間に亘って記録したならば、ステップS41の質問に対する被験者の回答をチェックする(ステップS46)。
被験者が、「他に違いが存在する」旨の回答をすれば(ステップS46の「違いがあると回答」)、ステップS43に戻り、ステップS43〜S46を繰り返す。その場合、ステップS45の段階で、反応的探索スコア(RSS)決定用の仮データが更新される。
一方、被験者が「(他に違いは)ありません」、「わかりません」、「同じ」という類の回答をした場合には(ステップS46がYES)、ステップS45で収集された仮データを、図4のS3チャートにおける本データとして、データベース30で保存し、処理手段32で処理し、RSS算出手段34で算出する計測データとせしめ(ステップS47)、ステップS48に進む。
【0062】
ステップS48では9個の点を表示する。そしてカウンタをリセットして(ステップS48)、この被験者に対する計測が終了する(ステップS49)。
【0063】
図1で示す統合失調症診断装置を使用する以外の手法(その他の診断)による診断の結果、統合失調症に罹患していると診断された被験者と、健常であると判定された被験者とを、図1で示す統合失調症診断装置で診断したところ、その他の診断による診断結果と、図1で示す統合失調症診断装置による判定結果とは、一致することが実験の結果、確認された。
【0064】
また、統合失調症以外の疾患(例えば、「てんかん」その他)に罹患している被験者と、統合失調症に罹患している被験者とを、それぞれ、図1で示す統合失調症診断装置で診断したところ、統合失調症以外の疾患に罹患している被験者については、健常者と同様の判定結果が得られた。
このことから、図1で示す統合失調症診断装置で診断した場合には、統合失調症以外の精神疾患を有する被験者を、統合失調症に罹患していると誤診することが防止できる旨が明らかである。
【0065】
次に、図12を参照して、実際の完成した装置(実機)の構成について説明し、以って、図1で示す第1実施形態における構成及びその作用について、さらに述べる。
図1を参照して上述したブロック図に示す構成を具備する統合失調症診断装置と、図12で示す実機の構成を具備する統合失調症診断装置とは同一である。但し、実機を示す回路図として表現された図12は、図1で示すブロック図の表現とは若干の相違が生じてしまう。
例えば、図1で図示を省略した構成であって、図12では明示されている構成が多々存在する。一方、図1では詳細に示されている構成であっても、図12では、他の構成要素と同一のブロックでのみ表現されているものもある。
以上のことを考慮して、本発明の第1実施形態に係る統合失調症診断装置をさらに説明するために、図12で実際の機械(実機)の構成を説明する。
【0066】
図12において、全体を符号100で示す実機(図1で示す統合失調症診断装置と対応する機器)は、刺激提示部102と、データ収集部104とから、概略構成されている。但し、図12では明示されていないが、観察用のモニタ(ディスプレイ:図1のディスプレイ22に相当)を設けている。
刺激提示部102は、従来技術における視野カメラの代用として設けられた刺激呈示モニタ(ディスプレイ12)と、コンピュータ(パソコン)とを有している。このパソコンは、図1における解析ユニット20に相当するので、それと同様に符号「20」を付して、図12では表示されている。パソコン20内には、中央処理ユニットとしてデータプロセスボード106が設けられている。
【0067】
データ収集部104には、図1でも示す眼球撮影カメラユニット14が設けられている。この眼球撮影カメラユニット14は、角膜反射をとるための光源として、LEDを使用しており、LED電源ボックス108に接続している。そして、LED電源ボックス108は、ACパワーシステム110と接続している。
LEDによる角膜反射の信号と、眼球撮影カメラユニット14からのVD信号とを重畳して、被験者の視点を特定することが出来る。
【0068】
マイク112、マイクアンプ114は、図1における音声発生手段24に対応しており、マイクアンプ114はACアダプタ116を介して、図示しない商用電源に接続している。
マイクアンプ114はビデオ117及びモニタ118に接続している。ここで、モニタ118は、統合失調診断装置の操作或いは制御用である。
データプロセスボード106もビデオ117につながっている。
【0069】
データ収集部104は信号変換ボックス120を有しており、該ボックス120は、刺激提示部102のモニタ12及びパソコン20と接続している。ボックス120には信号分配器122、リレーユニット124、ダウンコンバータ126が内蔵されている。
リレーユニット124は、コネクタボックス128と接続しており、コネクタボックス128、キュースイッチ130、LED電源ボックス108は、コントローラ132に接続している。さらに、コントローラ132は、パソコン20のデータプロセスボード106に接続している。
【0070】
ここで、図12で示す実機では、被験者がディスプレイ上を両眼で見る場合、右眼で見る場合、左眼で見る場合の全てについて、視点の軌跡を計測できる用に較正されている。換言すれば、両眼で見たデータを採取しても、左右何れか1方の目のみで見たデータを採取しても、統合失調症の判断結果については差異が無い。これは、コンタクトを装着している被験者が、片眼のみコンタクトを着用している事態等に対応するためである。
また、両眼のデータの何れか一方が取れなかった場合、データが取れた側の目のデータ(例えばRSS)を2倍して処理することが可能である。すなわち、片眼ずつ、2階に渡って計測を行うことにより、データ収集失敗のリスクを低く抑えることが出来るのである。
【0071】
なお、図12で示す実機では、データ検出時はランプが点灯する様に構成されており、データ検出作業を行っていることが、操作員(オペレータ)に把握できる様になっている。データ検出作業時に、新たな作業を開始しないようにするためである。
【0082】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない旨を付記する。
【0083】
【発明の効果】
本発明の作用効果を以下に列挙する。
(A) 被験者がディスプレイを観察し、音声発生手段からの指示に従って回答をするだけで、被験者が統合失調症に罹患している可能性があるか、或いは健常者であるかが、高精度で判定できる。
(B) 統合失調症以外の疾患に罹患している被験者が、統合失調症に罹患していると誤診断されることが少ない。
(C) 注視点の数(運動数:NEF)の計測を省略して、構成を簡素化することが出来るので、要求される診断レベルに対応することが出来る。換言すれば、脆弱性素因の強い統合失調症の診断が要求される場合には注視点の数(運動数:NEF)の計測を省略する構成を採用し、高レベルの診断が要求される場合には注視点の数(運動数:NEF)を診断パラメータに包含する構成を採用することが出来る。
(D) 被験者と装置との間の相対的な変位(ずれ)が小さく、且つ、その様な相対的な変位が計測データ及び診断装置による判定結果に悪影響を及ぼすことが無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を示すブロック図。
【図2】 第1実施形態で用いられるS1チャートを示す図。
【図3】 第1実施形態で用いられるS2チャートを示す図。
【図4】 第1実施形態で用いられるS3チャートを示す図。
【図5】 第1実施形態による計測結果の1例を示す図。
【図6】 図3のS2チャートを7つの領域に区画した状態を示す図。
【図7】 図4のS3チャートを7つの領域に区画した状態を示す図。
【図8】 第1実施形態における計測手順を示すフローチャート。
【図9】 第1実施形態における判定の手順を示すフローチャート。
【図10】 運動数及び反応的探索スコアを計測する具体的な手順を示すフローチャート。
【図11】 運動数及び反応的探索スコアを計測する具体的な手順を示すフローチャートであって、図10に連続する手順を示すフローチャート。
【図12】 第1実施形態に係る装置の回路構成を示す図。
【符号の説明】
10・・・統合失調症診断装置
C・・・被験者(或いは患者)
12・・・ディスプレイ(刺激表示手段)
14・・・眼球撮影カメラユニット(視点特定手段)
16・・・操作ユニット
20・・・解析ユニット
22・・・第2のディスプレイ
24・・・音声発生手段
28、42・・・インターフェース
30・・・データベース(記憶手段)
32・・・処理手段(眼球運動計測結果作成手段)
34・・・RSS算出手段(反応的探索スコア算出手段)
36・・・NEF計測手段(運動数計測手段)
38・・・演算手段
40・・・判定手段
Claims (2)
- 被験者に対して視覚的な刺激を提示する刺激表示手段(12)と、刺激表示手段(12)に対する被験者の視点を特定するための視点特定手段(14)と、刺激表示手段(12)及び視点特定手段(14)の計測結果から反応的探索スコア(RSS)を算出する反応的探索スコア算出手段(34)と、刺激表示手段(12)及び視点特定手段(14)の計測結果から運動数(NEF)を計測する運動数計測手段(36)と、反応的探索スコア算出手段(34)で得られた反応的探索スコア(RSS)及び運動数計測手段(36)で得られた運動数(NEF)から、数式D=10.625−(0.065×NEF+0.871×RSS)を演算する演算手段(38)を備え、ここで前記数式におけるNEFは運動数計測手段で得られた運動数、RSSは反応的探索スコア算出手段で得られた反応的探索スコアであり、前記数式で求められた数値Dが0以上であれば統合失調症に罹患している可能性があると判断し、数値Dが負の値であれば統合失調症に罹患している可能性はないと判定する機能を有する判定手段(40)を備えていることを特徴とする統合失調症診断装置。
- 被験者の視点を特定するための視点特定手段(14)は、角膜反射と瞳孔反射との差分により、被験者の視線の方向を確定する様に構成されている請求項1の統合失調症診断装置。
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