JP2003038443A - 脳機能検査方法とその装置、脳機能検査システム、脳機能検査サービス方法及びそのプログラムと装置 - Google Patents

脳機能検査方法とその装置、脳機能検査システム、脳機能検査サービス方法及びそのプログラムと装置

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JP2003038443A
JP2003038443A JP2001232378A JP2001232378A JP2003038443A JP 2003038443 A JP2003038443 A JP 2003038443A JP 2001232378 A JP2001232378 A JP 2001232378A JP 2001232378 A JP2001232378 A JP 2001232378A JP 2003038443 A JP2003038443 A JP 2003038443A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な方法で精度良く脳機能の検査を行える脳
機能検査方法とその装置、脳機能検査システム、脳機能
検査サービス方法及びそのプログラムと装置を提供す
る。 【解決手段】多変量演算手段3は、多変量解析における
判別分析手法によって種々の指標より判別値を選出する
もので、その機能としては眼球運動検査手段1で求めた
被験者の眼球Mの運動を評価する指標と、神経心理検査
手段2で求めた神経心理検査に関する指標とを用い、よ
り少ない指標に変換して当該被験者の判別値w1を計算
する多変量解析計算部30と、眼球運動検査手段1及び
神経心理検査手段2で求めてデータベース4に格納した
多数の被験者の指標を呼び出して多変量解析計算を行
い、多数の被験者の判別値w2を計算する多変量解析計
算部31とからなり、これらの判別値w1、w2を出力
手段5で表示させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脳機能の老化度合
いや、自律神経系疾患や痴呆症さらにアルツハイマー病
などの脳疾患の検査ができるような脳機能検査方法とそ
の装置、脳機能検査システム、脳機能検査サービス方法
及びそのプログラムと装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、痴呆症の確定診断手法は確立され
ておらず、様々な検査結果を考慮して総合的に診断を行
っている。痴呆症の検査方法の一つには、被験者に対し
て問診や問答を行う神経心理学検査があり、特別な検査
器具が不要で簡単に行えるため、広く用いられている。
例えば日本語による神経心理学検査としては改訂長谷川
式知能評価スケール(HDS−R)、国立精研式痴呆ス
クリーニングテスト、N式精神機能検査、かなひろいテ
スト、ミニメンタルステイトエグザミネイション(MM
SE)などの知能評価方法があり、英語によるものでは
MMSE(mini mental state examination)やADA
S(Alzheimer's Disease Assessment Scale Cognitive
Subscale)などがある。また、行動評価を加味したC
DR(Clinical Dementia Rating)などを用いることに
よって、痴呆の有無やその重症度の診断を行うこともで
きる。
【0003】このような神経心理学検査は簡単に行える
ため、多大な費用と時間を要する精密検査の前に行うス
クリーニング検査に向いており、また医療従事者以外の
検査者でも行えるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た神経心理学検査では、被験者の協力が不可欠であり、
その取り組み方によって検査結果が左右される虞があ
り、また検査者の被験者に対する質問の仕方によって検
査結果が変わることもあり、主観的な検査方法であるこ
とに起因して検査結果に偏りが生じる虞もある。
【0005】また、従来よりアルツハイマー型痴呆患者
と健常者との間で、非侵襲的計測が可能な対象である眼
球運動などで有意差があることが研究論文などで報告さ
れており、この有意差を利用して従来診断が困難であっ
たアルツハイマー型痴呆症の検査が行えることも示唆さ
れている。アルツハイマー型痴呆症の検査に、眼球運動
などの非侵襲的検査が可能な対象を用いる場合、眼球運
動の検査自体も簡便に行えるため、必ずしも医療従事者
が検査を行う必要はなく、早期発見のため被験者自身が
検査するセルフケアへの応用も期待される。しかしなが
ら、眼球運動の指標をそのまま使用して検査を行う場合
は、検査の精度に制限があると予想され、やはり痴呆の
判定、更には脳機能の老化度合いを判定するのは難しい
と考えられる。
【0006】本発明は上記問題点に鑑みて為されたもの
であり、その目的とするところは、簡単な方法で精度良
く脳機能の検査を行える脳機能検査方法とその装置、脳
機能検査システム、脳機能検査サービス方法及びそのプ
ログラムと装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明では、眼球運動検査または視覚認知
検査を行うことにより被験者の眼球の動きを評価する複
数の指標を導出し、導出された複数の指標を用いてより
少ない指標に変換する多変量演算を行い、この変換され
た指標を用いて脳機能の検査を行うことを特徴とし、眼
球運動という副作用のない簡易な方法で脳機能の検査が
行え、さらに多変量演算を行って複数の指標をより少な
い指標に変換することにより、検査精度を高めることが
できる。
【0008】請求項2の発明では、被験者に対して神経
心理学検査を行うことにより神経心理学検査で用いる複
数の指標を導出し、導出された複数の指標を用いてより
少ない指標に変換する多変量演算を行い、この変換され
た指標を用いて脳機能の検査を行うことを特徴とし、神
経心理学検査という副作用のない簡易な方法で脳機能の
検査が行え、さらに多変量演算を行って複数の指標をよ
り少ない指標に変換することにより、検査精度を高める
ことができる。
【0009】請求項3の発明では、眼球運動検査または
視覚認知検査を行うことにより被験者の眼球の動きを評
価する指標を導出するとともに、被験者に対して神経心
理学検査を行うことにより神経心理学検査で用いる指標
を導出し、導出された複数の指標を用いてより少ない指
標に変換する多変量演算を行い、この変換された指標を
用いて脳機能の検査を行うことを特徴とし、眼球運動の
検査や神経心理学検査という副作用のない簡易な方法で
脳機能の検査が行え、さらに眼球運動の検査と神経心理
学検査とを組み合わせ、多変量演算を行って複数の指標
をより少ない指標に変換することにより、検査精度を高
めることができる。
【0010】請求項4の発明では、請求項1乃至3の発
明において、多変量演算として、多変量解析の判別分析
を用いることを特徴とし、請求項1乃至3の発明と同様
の作用を奏する。
【0011】請求項5の発明では、請求項1乃至3の発
明において、多変量演算として、多変量解析の二次判別
を用いることを特徴とし、請求項1乃至3の発明と同様
の作用を奏する。
【0012】請求項6の発明では、請求項1乃至3の発
明において、多変量演算として、ニューラルネットワー
クを用いることを特徴とし、請求項1乃至3の発明と同
様の作用を奏する。
【0013】請求項7の発明では、請求項1乃至3の発
明において、多変量演算として、ファジィ理論を用いる
ことを特徴とし、請求項1乃至3の発明と同様の作用を
奏する。
【0014】請求項8の発明では、請求項1乃至3の発
明において、多変量演算として、エキスパートシステム
を用いることを特徴とし、請求項1乃至3の発明と同様
の作用を奏する。
【0015】請求項9の発明では、請求項1乃至3の発
明において、眼球の運動を評価する指標として、移動す
る対象物を追跡する能力を示す指標を用いることを特徴
とし、請求項1乃至3の発明と同様の作用を奏する。
【0016】請求項10の発明では、請求項1乃至3の
発明において、眼球の運動を評価する指標として、立体
視の能力を示す指標を用いることを特徴とし、請求項1
乃至3の発明と同様の作用を奏する。
【0017】請求項11の発明では、請求項1乃至3の
発明において、眼球の運動を評価する指標として、被検
者の眼前に提示した検査用の映像内に設定した複数の領
域の何れかに現れる目標物を探索する能力を示す指標を
用いることを特徴とし、請求項1乃至3の発明と同様の
作用を奏する。
【0018】請求項12の発明では、請求項1乃至3の
発明において、眼球の運動を評価する指標として、一定
の時間間隔で画面上の位置が不規則に変化する複数の対
象物の中から、一定の方向に一定量だけ位置が変化する
対象物を識別する能力を示す指標を用いることを特徴と
し、請求項1乃至3の発明と同様の作用を奏する。
【0019】請求項13の発明では、請求項1乃至3の
発明において、眼球の運動を評価する指標として、文字
を探索する能力を示す指標を用いることを特徴とし、請
求項1乃至3の発明と同様の作用を奏する。
【0020】請求項14の発明では、請求項1乃至3の
発明において、被験者の眼前に散文を示した映像を表示
させ、この映像に対する被験者の眼球の運動履歴を示す
指標を導出し、この指標を眼球の運動を評価する指標と
して用いることを特徴とし、請求項1乃至3の発明と同
様の作用を奏する。
【0021】請求項15の発明では、請求項1乃至3の
発明において、被験者の眼前にカラーパターンからなる
映像を表示させ、この映像に対する被験者の眼球の運動
履歴を示す指標を導出し、この指標を眼球の運動を評価
する指標として用いることを特徴とし、請求項1乃至3
の発明と同様の作用を奏する。
【0022】請求項16の発明では、被験者の脳機能を
検査する脳機能検査装置において、被験者の眼球の運動
を評価する指標を求める眼球運動検査手段と、被験者の
視覚認知機能を評価する指標を求める視覚認知検査手段
と、前記両検査手段の内少なくとも何れか一方の検査手
段により得られた複数の指標を多変量演算手法を用いて
より少ない指標に変換する多変量演算手段と、該変換さ
れた指標を表示する出力手段とを備えたことを特徴と
し、眼球運動検査又は視覚認知機能検査という副作用の
ない簡易な方法で脳機能の検査が行え、さらに多変量演
算を行って複数の指標をより少ない指標に変換すること
により、検査精度を高めることができる。
【0023】請求項17の発明では、請求項1又は3の
発明において、被験者の眼球の運動を評価する指標、又
は、視覚認知機能を評価する指標の内、少なくとも何れ
か一方の指標の測定データに、当該被験者の生体データ
を付加して得た複数のデータに対して、多変量演算手法
を用いてより少ない指標に変換し、該変換された指標を
用いて脳機能の検査を行うことを特徴とし、眼球運動又
は視覚認知機能を評価する指標と生体データとを組み合
わせることによって、より精度の高い脳機能の検査が行
える。
【0024】請求項18の発明では、被験者の脳機能を
検査する脳機能検査装置において、被験者の眼球の運動
を評価する指標又は視覚認知機能を評価する指標の内少
なくとも何れか一方の指標を求める視機能検査手段と、
当該被験者の生体データを計測する生体データ検査手段
と、両検査手段により得られた複数の指標を多変量演算
手法を用いてより少ない指標に変換する多変量演算手段
と、該変換された指標を表示する出力手段とを備えたこ
とを特徴とし、眼球運動又は視覚認知機能を評価する指
標と生体データとを組み合わせることによって、より精
度の高い脳機能の検査が行える。
【0025】請求項19の発明では、被験者の脳機能を
検査する脳機能検査装置と、当該脳機能検査装置に通信
ネットワークを介して接続されるサーバとで構成される
脳機能検査システムであって、前記脳機能検査装置は、
被験者の眼球の運動を評価する指標又は視覚認知機能を
評価する指標の内少なくとも何れか一方の指標を求める
視機能検査手段と、被験者に対して神経心理学検査を行
うことにより神経心理学検査で用いる指標を求める神経
心理検査手段と、両検査手段により得られた指標を通信
ネットワークを介してサーバに出力する第1の出力手段
とを備え、前記サーバは、予め基準となる指標を格納し
ているデータベースと、脳機能検査装置から入力された
被験者の指標とデータベースに記憶されている基準とな
るデータとを比較する比較手段と、比較手段の比較結果
を通信ネットワークを介して脳機能検査装置に出力する
第2の出力手段とを備えて成ることを特徴とし、眼球の
運動を評価する指標又は視覚認知機能を評価する指標
に、神経心理学検査の結果を組み合わせることにより、
より精度の高い脳機能の検査を行うことができ、さらに
脳機能検査装置とサーバとをネットワークを介して接続
し、脳機能検査装置では被験者のデータを測定するだけ
で、サーバ側にデータベースを持たせているので、脳機
能検査装置側の構成を簡単にできるという利点がある。
【0026】請求項20の発明では、通信ネットワーク
を介して送信された被験者の眼球運動検査、視覚認知検
査又は神経心理学検査の内少なくとも何れか一つの検査
による複数の測定データに基づいて脳機能検査を行う脳
機能検査サービス方法であって、被験者に割り当てられ
た識別ID及び当該被験者の測定データを通信ネットワ
ークを介して受け取るステップと、前記測定データを多
変量演算手法を用いてより少ない指標に変換するステッ
プと、多変量演算によって得られる指標と比較するため
の基準となるデータをデータベースから読み出すステッ
プと、前記指標と基準となるデータを比較するステップ
と、予め被験者の通信ネットワーク上の通信連絡先を記
憶した被験者情報記憶手段から前記識別IDをもとに当
該被験者の通信連絡先を読み出すステップと、比較結果
を前記通信連絡先に通信ネットワークを介して送信する
ステップとを実行することを特徴とし、ネットワークを
介して送信された測定データを多変量演算手法を用いて
より少ない指標に変換し、多変量演算により得られた指
標と基準となる指標を比較した結果を被験者側に送信し
ているので、遠隔にいる被験者にも脳検査サービスを提
供することができ、さらに被験者側では眼球運動検査又
は神経心理学検査の測定装置を用意するだけで良いの
で、被験者側の装置を簡単にできる。
【0027】請求項21の発明では、コンピュータに請
求項20に記載した脳機能検査サービス方法を実行させ
ることができる。
【0028】請求項22の発明では、通信ネットワーク
を介して送信された被験者の眼球運動検査、視覚認知検
査又は神経心理学検査の内少なくとも何れか一つの検査
による複数の測定データに基づいて脳機能検査を行う脳
機能検査サービス装置であって、複数の被験者の識別I
Dと通信ネットワーク上の通信連絡先とを含む被験者情
報が記憶された被験者情報記憶手段と、通信ネットワー
クを介して送信された識別IDと当該被験者の測定デー
タを受信する受信手段と、受信手段の受信した測定デー
タを多変量演算手法を用いてより少ない指標に変換する
多変量演算手段と、多変量演算によって得られる指標と
比較するための基準となるデータを記憶する比較基準記
憶手段と、多変量演算によって得られる指標と比較基準
記憶手段に記憶されたデータを比較して比較結果を求め
る比較手段と、受信手段の受信した識別IDをもとに被
験者情報記憶手段から当該被験者の通信連絡先を読み出
し、通信ネットワークを介して前記通信連絡先に比較手
段の比較結果を送信する送信手段とを備えて成ることを
特徴とし、ネットワークを介して送信された測定データ
を多変量演算手法を用いてより少ない指標に変換し、多
変量演算により得られた指標と基準となる指標を比較し
た結果を被験者側に送信しているので、遠隔にいる被験
者にも脳検査サービスを提供可能な脳機能検査サービス
装置を提供でき、さらに被験者側では眼球運動検査又は
神経心理学検査の測定装置を用意するだけで良いので、
被験者側の装置を簡単にできるという利点もある。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明を実施形態により説明す
る。
【0030】(実施形態1)図1に本実施形態における
全体構成図を示す。本実施形態の装置は、眼球運動検査
手段1と、神経心理検査手段2と、多変量演算手段3
と、データベース4と、出力手段5とで構成される。
【0031】眼球運動検査手段1は、水平方向および垂
直方向の眼球運動を評価する指標を算出するために設け
たもので、発光素子10、撮像カメラ11、画像処理回
路12、眼球運動計算部13、映像表示部14により構
成される。
【0032】発光素子10は、暗環境下においても明瞭
な眼球映像が得られるようにするための照明であり、例
えば発光波長が人間に感知されない赤外線波長領域にあ
る赤外光LEDを用いれば、発光素子10の光が被験者
に感知されることはなく、被験者の不安を軽減すること
ができる。
【0033】また撮像カメラ11は被験者の眼球Mを撮
影するためのものであり、CCDカメラやCMOSセン
サ等により構成することが可能である。
【0034】画像処理回路12は撮像カメラ11で撮像
された図2に示すような画像から眼球部分を抽出し、眼
球Mの運動を求めている。すなわち、画像処理回路12
で撮像カメラ11の画像を画像処理することによって、
眼球Mの水平位置および垂直位置が求められる。そし
て、眼球運動計算部13が、画像処理回路12により得
られた眼球Mの位置データを逐次計算することによっ
て、眼球Mの水平方向における運動速度及び運動加速
度、垂直方向における運動速度及び運動加速度などの指
標を計算して求めている。ここで、眼球運動計算部13
は上述の多変量演算手段3及びデータベース4を構成す
るパーソナルコンピュータ6の演算機能により構成され
る。
【0035】映像表示部14は例えばディスプレイ装置
からなり、後述する視覚認知検査や運動機能検査を行う
際に脳の視覚皮質の活動状態を反映する視覚系機能のテ
スト行う際に、検査用の映像を被験者に提示するための
ものである。
【0036】本実施形態では眼球運動検査手段1を用い
て、人間の高度な認知機能を要求する場合に生じる眼球
運動を計測する視覚認知検査、又は、単純な運動機能の
みを計測する運動機能検査を行っている。例えば視覚認
知検査の方法としては滑動性眼球運動検査、立体視検
査、指標探索検査、色模様傍観検査などの方法があり、
運動機能検査の方法としては移動性指標認知検査、文字
探索検査、散文黙読検査などの方法がある。そして、こ
れらの検査により得られた指標には、アルツハイマー型
痴呆症の患者と健常者との間で有意差の存在すること
が、研究論文などで発表されている(文献1:G.Zaccar
aらの、"Smooth-pursuit eye movements:alteration i
n Alzheimer's disease";Journal of the Neurological
Sciences;112;pp.81-92;1992、文献2:S.Corkinら
の、"Visual Dysfunction in Alzheimer's Disease:Re
lation to Normal Aging";Annals of Neuro1ogy;vol.2
9;No.1;41-52;1991、文献3:LFM.Scintoらの、"Impair
ment of spatially directed attention in patients w
ith probable Alzheimer's disease as measured by ey
e movements";Arch Neurol;1994;Vol.51;pp.682-688、
文献4:Gray L.Trickらの、"Visua1 sensitivity to m
otion:Age-related changes and deficits in seniled
ementia of the Alzheimer type";NEUROLOGY 1991;41;1
437-1440、文献5:A.Roslerらの、"Alterations of vi
sual search strategy in Alzheimer's disease and ag
ing:Neuropsychology";2000;Vol.14;No.3;pp.398-40
8、文献6:KS.Lueckらの、"Eye movement abnormaliti
es during reading in patients with Alzheimer disea
se";Neuropsychiatry,Neuropsychology,and Behavioral
Neurology;2000;Vol.13;No.2;pp.77-82、文献7:A.Mo
serらの、"Eye movement dysfunction in dementia of
the Alzheimer typr";Dementia;1995;No.6;pp.264-26
8、)。
【0037】尚、視覚認知検査および運動機能検査の何
れにしても計測対象は眼球の運動であり、各検査におい
て客観的な指標として眼球の位置、運動速度或いは運動
加速度などを算出することが可能であり、多変量演算手
段3の入力変数として用いることができる。
【0038】ここで、上述した各検査方法について図3
〜図9を参照して簡単に説明する。
【0039】先ず、滑動性眼球運動検査について図3を
参照して説明する。この検査では、被験者Aに対して点
灯している発光素子15を注視するように指示して、被
験者Aの眼前に配列された複数個の発光素子15を順番
に点灯させており、この時の被験者Aの眼球Mの動きを
計測し、眼球Mが追従可能な速度や、点灯中の発光素子
15に対する眼球Mの追従遅れなどの指標を導出する。
この検査では、移動する対象物を追跡する能力を示す指
標を求めており、上述した文献1にはアルツハイマー型
痴呆症の患者群と健常者群との間に、統計的に有意に追
跡能力の能力差があると報告されている(p=0.00
1)。
【0040】図4は立体視検査の説明図である。立体視
の実現手段としては、人間の瞳孔間間隔を利用して視差
を与えた2種類の画像を左右両目のそれぞれに提示する
ことによって奥行感を生成する両眼立体視法があり、本
実施形態では映像表示部14を用いて被験者Aの左右の
目に視差を与えた2種類の画像をそれぞれ提示する。そ
して、画像14a中の3つの円C1〜C3の内、飛び出
している円を注視するように被験者Aに指示し、眼球運
動計算部13では眼球Mの位置から正解か否かを判断す
る。この検査では、正解となった最小の視差などを評価
指標として導出しており、上述した文献2にはアルツハ
イマー型痴呆症の患者群と健常者群との間に、統計的に
有意差があると報告されている(p<0.05)。
【0041】図5は指標探索検査の説明図である。この
検査では、映像表示部14の提示する画像14a内に複
数の領域を設定し、何れかの領域に現れる目標物を探索
する能力を測定しており、上述した文献3にはアルツハ
イマー型痴呆症の患者群と健常者群との間に、統計的に
有意差があると報告されている。本検査では、先ず被験
者に対して画面14aの中央(CT)を注視させた後、
画面14aの4角に設けた領域の内の何れかに円形のマ
ークM1〜M4を一定時間(例えば約0.5秒間)だけ
表示させる。尚、図5では画像14aに4つのマークM
1〜M4を表示しているが、実際に検査を行う際には4
つのマークM1〜M4の内、何れか1つだけを表示させ
る。ここで、検査者は被験者Aに対して、4角の何れか
に現れるマークを注視するようにという課題を提示して
おり、眼球運動計算部13では、画像処理回路12によ
り測定された眼球Mの位置から、眼球運動に関する指標
を導出する。尚、評価項目としては、正解率(p<0.
014)や遅れ時間(p<0.005)などがある。
【0042】図6(a)(b)は移動性指標探索検査の
説明図である。この検査では、一定の時間間隔で画面上
の位置が不規則に変化する複数の対象物の中から、一定
の方向に一定量だけ位置が変化する対象物を識別する能
力を測定しており、上述した文献4にはアルツハイマー
型痴呆症の被験者群と健常者群との間にその識別能力に
ついて統計的に有意に能力差があると報告されている
(p=0.001)。この検査を行う場合、映像表示部
14により、図6(a)(b)に示すように背景画面上
の任意の位置に丸形の対象物(以下、ドットと言う。)
Cが複数配置された映像を表示させるとともに、一定時
間後(例えば1秒後)に各ドットCの位置を変化させて
いる。ここで、複数のドットCの内の大部分は不規則な
方向に移動させ、一部分のみを前回の位置から一定の向
きに一定量だけ移動させており、このようなドットCを
特にコヒーレントドットC’という。尚、図6(a)
(b)ではコヒーレントドットC’にハッチングを施
し、他のドット(ランダムドットと言う。)Cを白丸で
示しているが、検査映像では同一の色及び輝度で表示し
ており、色や輝度などの特徴からコヒーレントドット
C’を識別できないようにしている。また、図6(a)
はコヒーレントドットC’の割合が10%の状態、図6
(b)はコヒーレントドットC’の割合が50%の状態
をそれぞれ示している。
【0043】この時、被験者Aは、映像表示部14の画
面14aに示された検査用画像から、コヒーレントドッ
トC’を識別して、その移動する向きをパーソナルコン
ピュータ6の入力装置(ジョイスティックなど)を用い
て入力するように指示されており、眼球運動計算部13
は、被験者が入力装置を用いて入力した情報と検査内容
とに基づいて、眼球運動に関する指標を導出する。例え
ば、眼球運動計算部13では、75%以上の正解が得ら
れた時のコヒーレントドットC’の割合(コヒーレンス
値)でその識別能力を評価している。なお、映像表示部
14が検査映像を切り換える際に、複数のドットCの中
からコヒーレントドットC’を毎回ランダムに選択する
ようにしても良いが、本検査を一通り行う間は同じドッ
トをコヒーレントドットC’とし、一定の時間間隔でこ
のコヒーレントドットC’を一定の向きに一定量だけ移
動させるようにしても良く、この場合は眼球がコヒーレ
ントドットC’の動く向きに応じて移動するから、眼球
の動きを測定することによって、被験者の識別能力を自
動的に計測することができ、脳機能の判定を自動的に行
える。
【0044】図7は文字探索検査の説明図である。この
検査では、複数の文字の中から特定の文字(例えば数
字)を探索する能力を測定しており、上述した文献5に
はアルツハイマー型痴呆症の被験者群と健常者群との間
に、統計的に有意に輝度差識別能力の能力差があると報
告されている。本検査では、先ず被験者に対して映像表
示部14の画面14a中央を注視させた後、図7に示す
ように画面14a上のランダムな位置に複数個の文字
(例えばアルファベットなど)と1個の数字を配置した
検査用の映像を被験者に対して提示する。この時、試験
担当者は被験者に対して、「文字の中から数字を探して
その数字を入力して下さい。」という課題を与えてお
り、この課題に対して数字が見つかった時点で被験者が
パーソナルコンピュータ6の入力装置(例えばキーボー
ドなど)を操作して、数字を入力する。本実施形態では
撮像カメラ11の撮像した眼球画像を画像処理回路12
で処理することによって眼球の動きを計測しており、眼
球運動計算部13では、画像処理回路12の計測結果と
入力装置を用いて被験者が入力した情報とに基づいて、
文字の探索能力に関する指標を導出する。そして、上記
のテストを複数回実行して眼球運動に関する指標を導出
する。尚、評価項目としては、正解率(p<0.000
1)、反応時間(p<0.0001)、固視時間(p<
0.0001)、固視回数(p<0.0001)、固視
持続時間(p=0.0003)、動作時間(p<0.0
001)などがある。
【0045】図8は散文黙読検査の説明図である。この
検査では、被験者の眼前に散文を示した映像を表示させ
た際の被験者の眼球の運動履歴を示す指標を測定してお
り、上述した文献6にはアルツハイマー型痴呆症の被験
者群と健常者群との間に、統計的に有意差があると報告
されている。本検査では、映像表示部14により、図8
に示すように散文Eを示した映像を被験者に対して提示
し、被験者にこの散文Eを黙読させており、文章を黙読
する際に眼球Mがどのような運動を行っているかを測定
する。すなわち、画像処理回路3では撮像カメラ11の
撮像した画像を画像処理回路12で処理することによっ
て眼球の動きを計測しており、眼球運動計算部13で
は、画像処理回路12の計測結果に基づいて、被験者の
眼球の運動履歴を示す指標を導出する。尚、眼球の運動
履歴を示す指標としては、一定時間に読んだ量(読量、
p<0.001)、フォワードサッケード(p<0.0
01)、後退サッケード(p<0.05)、固視持続時
間(p=0.0001)などがある。
【0046】図9は色模様傍観検査の説明図である。こ
の検査では、被験者の眼前にカラーパターンからなる映
像を表示させた際の被験者の眼球の運動履歴を示す指標
を測定しており、上述した文献7にはアルツハイマー型
痴呆症の被験者群と健常者群との間に、統計的に有意差
があると報告されている。本検査では、先ず被験者に対
して映像表示部14の画面14a全体を見るよう指示し
た後、映像表示部14により、図9に示すようにカラー
パターンPTからなる映像を被験者に対して提示し、被
験者にこの映像を目視させており、カラーパターンPT
を見る際に眼球Mがどのような運動を行っているかを測
定する。すなわち、画像処理回路12では撮像カメラ1
1の撮像した画像を画像処理回路12で処理することに
よって眼球の動きを計測しており、眼球運動計算部13
では、画像処理回路12の計測結果に基づいて、被験者
の眼球の運動履歴を示す指標を導出する。尚、眼球の運
動履歴を示す指標としては、サッカード数(p<0.0
5)や固視持続時間(p<0.05)などがある。
【0047】一方、神経心理検査手段2は、被験者に対
して神経心理学検査を行い、神経心理学検査で用いる指
標を導出するために設けたもので、入力部21と、正否
・得点計算部22と、課題提示部23とで構成される。
【0048】従来技術で説明したように、神経心理学検
査としては種々のものが痴呆症の検査に利用されてお
り、神経心理検査手段2では、課題提示部23が表1
(改訂長谷川式簡易知能評価スケール、日本医師会編、
老年期痴呆診療マニュアル参照)に示すような問答やア
ンケートをディスプレイ装置からなる出力手段5に表示
させ、被験者に対して回答を促す。被験者は、キーボー
ドやマウスや音声入力装置からなる入力部21を用いて
回答を入力し、この回答をもとに正否・得点計算部22
が被験者の知能を示す得点を計算する。ここに、パーソ
ナルコンピュータ6には、被験者に対して提示した問答
やアンケートに対する回答から得点を計算するプログラ
ムが組み込まれており、上述した正否・得点計算部22
はパーソナルコンピュータ6の演算機能により構成され
る。
【0049】
【表1】
【0050】ここで上述の各検査によって得られた眼球
運動を評価する指標や、神経心理学検査で用いる指標は
一般に複数あるが、それらを組み合わせて多変量解析の
計算に用いるのが本発明の特徴である。
【0051】本実施形態の多変量演算手段3は、多変量
解析における判別分析手法によって、眼球運動検査手段
1及び神経心理検査手段2から入力された種々の指標よ
り判別値を選出する。この判別値は通常一つであること
が多いが、入力された指標をいくつかのグループに分類
して、各グループに各々一つの判別値を求めることによ
って、結果的に全部の指標から複数の判別値を求めるこ
とも可能である。本実施形態では判別値が一つであるこ
ととする。多変量解析による判別分析は、複数の指標の
情報を集約して、一つの判別値に変換し、その判別値を
代表値とし、さらにその判別値を用いて何らかの判定を
行う手法である。この他の多変量解析手法としては、主
成分分析手法がある。これは複数の指標から、より少な
い指標へと変換し、元来ある多くの指標からより少ない
情報に集約する手法であり、先の判別分析手法の判定以
外の前処理を一般化した手法と言える。以下本実施形態
では、判別分析手法を基に判別値を導出する方法を用い
るが、主成分分析手法における第1主成分又は複数の主
成分を代表値として本実施形態における判別値に置き換
えても勿論良く、本発明は実施形態に特に限定されるも
のではない。
【0052】尚多変量解析手法に関しては、[「医学統
計学ハンドブック」、宮原英夫、単語俊郎(編)(朝倉
書店、1995)]、[「多変量データ解析入門」、杉
山高一、(朝倉書店、1983)]、[「非線形多変量
解析−ニューラルネットによるアプローチー」(朝倉書
店、1996)]等を参照する。
【0053】さて本実施形態に用いる、多変量演算手段
3の機能としては眼球運動計算部13で求めた被験者の
眼球運動に関する指標、及び、正否・得点計算部22で
求めた神経心理学検査で用いる指標を用い、より少ない
指標に変換して当該被験者の判別値w1を計算する多変
量解析計算部30と、眼球運動計算部13及び正否・得
点計算部22で求めてデータベース4に格納した多数の
被験者の指標を呼び出して多変量解析計算を行い、多数
の被験者の判別値w2を計算する多変量解析計算部31
とからなる。
【0054】尚本実施形態の多変量演算手段3は眼球運
動計算部13及び正否・得点計算部22と同一のパーソ
ナルコンピュータ6で実現しているが、夫々別のパーソ
ナルコンピュータで実現してもよいし、パーソナルコン
ピュータでなくDSP(デジタルシグナルプロセッサ)
やマイクロコンピュータを用いても実現可能であり、本
発明の具体的実現手段としては実施形態に特に限定され
るものではない。
【0055】データベース4は、眼球運動に関する個々
の変量を表す指標、神経心理学検査で用いる指標、これ
らの指標を用いて多変量演算によって得られる判別値、
更に当該被験者又は他の被験者の年齢、性別、既往症、
現在の疾患、測定日時、測定場所、測定場所の照度や温
度等の環境条件、知能テストの結果等、脳機能検査に必
要な被験者情報や計測環境情報からなる情報を含めた全
ての情報をデータとして指標とともに蓄積格納するもの
で、実施形態においては、当該被験者の眼球運動指標及
び神経心理指標や、判別値w1、w2、更に当該被験者
の情報や計測環境情報からなる情報などのデータ登録す
るようになっている。このようにデータベース4により
データを蓄積することによって、より多くの被験者のデ
ータが蓄積され信頼性の高いデータベースを構築できる
ようなっている。
【0056】尚本実施形態のデータベース4は多変量演
算手段3及び眼球運動計算部13と同一のパーソナルコ
ンピュータ6で実現しているが、多変量演算手段3と同
様に必ずしも同一のパーソナルコンピュータで実現する
必要はない。
【0057】出力手段5はディスプレイや、プリンタ等
の表示装置から構成され、当該被験者の判別値w1と、
他の被験者の判別値w2を表示し、当該被験者の判別値
w1が他の被験者の判別値w2と比較して相対的にどの
ような値を示しているかが判るようになっている。ここ
で、出力手段5による表示方法としては、グラフなどを
利用して図示することも可能であるし、単純に数値のみ
を表示するようにしても良い。他の被験者の判別値w2
としては他の被験者の一つの判別値だけでなく、複数の
被験者の判別値の平均値であっても良く、またある特定
の被験者群の判別値の平均値であっても良い。つまり当
該被験者の判別値と比較を行いたい被験者の判別値とし
ては、当該被験者の判別値以外であればどのような対象
でも良い。更に他の被験者の指標としては、当該被験者
の過去に得られた判別値であっても良い。また図1では
示していないが、出力手段5を構成する表示装置には判
別値w1,w2だけでなく、指標そのものやその他のデ
ータを表示しても良い。
【0058】本発明の目的は、眼球運動を評価する指標
と神経心理学検査に用いる指標とを組み合わせることに
よって、よりp値が小さくなるような値を導出すること
である。p値が小さいと両群の差は大きくなり、ある任
意の被験者がどちらの群に属するかを判定するときの判
定精度は向上すると期待できる。また健常群と患者群の
どちらの群に属するかの判定のように結果がAかBかの
ように明確に分けられる判定方法だけでなく、どちらの
群により近くてその距離はどの程度であるかなどの連続
量としての結果を知ることにより今後の疾患発症可能性
を予測することが期待でき、対策を施すことなどの対処
法も考えることが可能になると期待できる。
【0059】上述したように本実施形態では複数の指標
から1つの判別値を導出する。判別値の導出方法は多変
量解析における判別分析における二次判別手法による
(参考文献=宮原英夫、丹後俊郎(編)「医学統計学ハ
ンドブック」、朝倉書房、1995)。
【0060】図5は判別値wの計算方法例を示す。この
図示例ではステップS1である任意の被験者Zに関する
データz=(z1,z2,z3…)、つまり複数の指標
(z1…)を用いて健常者群Xと患者群Yのそれぞれに
対してマハラノビスの平方距離Dx2,Dy2を計算
し、ステップS2でその差(Dx2−Dy2)を計算し
てその計算値を判別値wとする。この判別値wの値によ
ってどちらの群に近いかがわかる。したがって、当該被
験者の判別値wが健常者群Xに近い距離に位置するなら
ば健常者と判定し、患者群Yに近い距離に位置するなら
ば患者と判定するなどの判定処理を行うこともできる。
また、これらの距離の比例配分をとることによって、疾
患の確率というような単一の数値として表示することも
できる。尚、図中x=(x1,x2,x3…)は健常者
データを示し、x1…は指標を、またy=(y1,y
2,y3…)は健常者データを示し、y1…は指標を示
す。
【0061】このように、多変量演算手段3で多変量演
算処理を行い、いくつかの指標を1つの値に集約するこ
とにより、両群(X)(Y)の有意差を大きくすること
が可能となり、また出力される情報も少なくなるので判
断が容易になる。
【0062】(実施形態2)図11に本実施形態にかか
る脳機能検査システムのシステム構成を示す。本システ
ムは、被験者の脳機能を検査する脳機能検査装置7と、
脳機能検査装置7にインターネット50(通信ネットワ
ーク)を介して接続されるサーバ8とで構成され、サー
バ8を運営する運営者は本システムを用いて脳機能検査
サービスを提供する。尚、サーバ8を運営する運営者は
脳検査事業の運営も兼ねているが、サーバ管理と脳検査
事業とを別々の事業者で行っても良い。
【0063】脳機能検査装置7は、眼球運動検査手段1
と、神経心理検査手段2と、出力手段5とで構成され
る。
【0064】眼球運動検査手段1は、水平方向および垂
直方向の眼球運動を評価する指標を算出するために設け
たもので、発光素子10、撮像カメラ11、画像処理回
路12、眼球運動計算部13、映像表示部14により構
成される。
【0065】発光素子10は、暗環境下においても明瞭
な眼球映像が得られるようにするための照明であり、例
えば発光波長が人間に感知されない赤外線波長領域にあ
る赤外光LEDを用いれば、発光素子10の光が被験者
に感知されることはなく、被験者の不安を軽減すること
ができる。
【0066】また撮像カメラ11は被験者の眼球Mを撮
影するためのものであり、CCDカメラやCMOSセン
サ等により構成することが可能である。
【0067】画像処理回路12は撮像カメラ11で撮像
された図2に示すような画像から眼球部分を抽出し、眼
球Mの運動を求めている。すなわち、画像処理回路12
で撮像カメラ11の画像を画像処理することによって、
眼球Mの水平位置および垂直位置が求められる。そし
て、眼球運動計算部13が、画像処理回路12により得
られた眼球Mの位置データを逐次計算することによっ
て、眼球Mの水平方向における運動速度及び運動加速
度、垂直方向における運動速度及び運動加速度などの指
標を計算して求めている。ここで、眼球運動計算部13
はパーソナルコンピュータ6の演算機能により構成され
る。
【0068】映像表示部14は例えばディスプレイ装置
からなり、後述する視覚認知検査や運動機能検査を行う
際に脳の視覚皮質の活動状態を反映する視覚系機能のテ
スト行う際に、検査用の映像を被験者に提示するための
ものである。
【0069】一方、神経心理検査手段2は、被験者に対
して神経心理学検査を行い、神経心理学検査で用いる複
数の指標を導出するために設けたもので、入力部21
と、正否・得点計算部22と、課題提示部23とで構成
される。
【0070】上述のように神経心理学検査としては種々
のものが痴呆症の検査に利用されており、神経心理検査
手段2では、課題提示部23が表1に示すような問答や
アンケートをディスプレイ装置からなる出力手段5に表
示させ、被験者に対して回答を促す。被験者は、キーボ
ードやマウスや音声入力装置からなる入力部21を用い
て回答を入力し、この回答をもとに正否・得点計算部2
2が被験者の知能を示す得点を計算する。ここに、パー
ソナルコンピュータ6には、被験者に対して提示した問
答やアンケートに対する回答から得点を計算するプログ
ラムが組み込まれており、上述した正否・得点計算部2
2はパーソナルコンピュータ6の演算機能により構成さ
れる。
【0071】パーソナルコンピュータ6の通信機能によ
り構成される出力手段(第1の出力手段)は、眼球運動
計算部13及び正否・得点計算部22により算出された
指標をインターネット50を介してサーバ8に送信す
る。また、パーソナルコンピュータ6の通信機能により
構成される受信手段は、サーバ8からインターネット5
0を介して送信された当該被験者の判別値w1や、他の
被験者の判別値w2などのデータを受け取る。
【0072】出力手段5は、ディスプレイ装置やプリン
タなどの表示装置によって構成され、パーソナルコンピ
ュータ6が受け取った当該被験者の判別値w1と、他の
被験者の判別値w2を表示し、当該被験者の判別値w1
が他の被験者の判別値w2と比較して相対的にどのよう
な値を示しているかが判るようになっている。尚、他の
被験者の判別値w2としては他の被験者の一つの判別値
だけでなく、複数の被験者の判別値の平均値であっても
良く、またある特定の被験者群の判別値の平均値であっ
ても良い。つまり当該被験者の判別値と比較を行いたい
被験者の判別値としては、当該被験者の判別値以外であ
ればどのような対象でも良い。更に当該被験者の判別値
w1と比較する判別値としては、当該被験者の過去に得
られた判別値であっても良い。また、出力手段8を構成
する表示装置には判別値w1,w2だけでなく、指標そ
のものやその他のデータを表示しても良い。
【0073】一方、サーバ40は多変量演算手段3とデ
ータベース4とを有し、パーソナルコンピュータなどで
構成される。
【0074】サーバ40の通信機能で構成される受信部
は、脳機能検査装置7からインターネット50を介して
送信された指標を受信し、またサーバ40の通信機能で
構成される送信部(第2の出力手段)は、多変量演算手
段3で求めた当該被験者の判別値W1や多数の被験者の
判別値W2をインターネット50を介して脳機能検査装
置7に送信する。
【0075】多変量演算手段3は、眼球運動検査手段1
の眼球運動計算部13で求めた被験者の眼球運動に関す
る複数の指標、及び、正否・得点計算部22で求めた神
経心理学検査で用いる複数の指標を用いてより少ない指
標に変換し、当該被験者の判別値w1を計算する多変量
解析計算部30と、眼球運動計算部13及び正否・得点
計算部22で求めてデータベース4に格納した多数の被
験者の眼球運動指標及び神経心理指標を呼び出して多変
量解析計算を行い、多数の被験者の判別値w2を計算す
る多変量解析計算部31とからなる。
【0076】データベース4はサーバ8の記憶装置に構
築されており、当該被験者を含む複数の被験者の眼球運
動指標と神経心理指標、及び、これらの指標を用いた多
変量解析計算により得られる判別値w1,w2、更には
当該被験者を含む複数の被験者の識別ID、例えばIP
アドレスのような通信ネットワーク上の通信連絡先、年
齢、性別、既往症、現在の疾患、測定日時、測定場所、
測定場所の照度や温度等の環境条件、知能テストの結果
等、脳機能検査に必要な被験者情報や計測環境情報から
なる情報が格納されている。なお、本実施形態において
は当該被験者の指標データやその情報をデータベース4
に新規データとして追加するようになっており、脳機能
検査を行う毎にその検査結果が新規データとしてデータ
ベース4に蓄積されるので、より多くの被験者のデータ
が蓄積され、信頼性の高いデータベース4を構築できる
ようになっている。ここに、データベース4により、被
験者情報を記憶する被験者情報記憶手段や、多変量演算
によって得られる指標と比較するための基準となるデー
タを記憶する判定基準記憶手段が構成される。
【0077】本システムで脳機能検査を行う場合、検査
場所に配置された眼球運動検査手段1を用いて検査者又
は被験者自身が検査を行うと、眼球運動計算部13が眼
球の運動を評価する指標を算出するとともに、正否・得
点計算部22が神経心理学検査で用いる指標を算出す
る。そして、パーソナルコンピュータ6のキーボードの
ような入力装置を用いて当該被験者に割り当てられた識
別IDを入力すると、パーソナルコンピュータ6は当該
被験者の識別IDとその測定データをインターネット5
0を介してサーバ8に送信する。一方、サーバ8では、
インターネット50を介して脳機能検査装置7から送信
された被験者の識別ID及びその測定データを受信し、
受信したデータを多変量解析計算部30が多変量演算し
てより少ない指標に変換する。次に、サーバ8は、多変
量演算によって得られる指標と比較するための基準とな
るデータをデータベース4から読み出して、当該被験者
の指標と基準となる指標とを比較して比較結果を作成す
る。その後、サーバ8は、当該被験者の識別IDをもと
にデータベース4から当該被験者のIPアドレスを読み
出して、当該被験者の指標と基準となる指標とを比較し
た比較結果を表示したHTMLファイルを作成し、この
HTMLファイルをインターネット50を介してパーソ
ナルコンピュータ6に送信する。そしてパーソナルコン
ピュータ6ではサーバ8から送信されたHTMLファイ
ルを受信し、その比較結果をディスプレイ装置やプリン
タなどからなる出力手段8に出力させており、出力手段
8の表示から検査者或いは被験者が検査結果を容易に読
み取ることができる。
【0078】ここに、脳機能検査装置7から送信された
眼球運動検査手段1及び神経心理検査手段2の測定デー
タを多変量演算手法を用いてより少ない指標に変換する
多変量演算手段3と、多変量演算によって得られる指標
とデータベース4に記憶されたデータを比較して比較結
果を求める比較手段とは、サーバ8を構成するコンピュ
ータの演算機能により実現される。また、複数の被験者
の識別IDと通信ネットワーク上の通信連絡先とを含む
被験者情報が記憶された被験者情報記憶手段と、多変量
演算によって得られる指標と比較するための基準となる
データを記憶する比較基準記憶手段とはサーバ8を構成
するコンピュータの記憶装置により実現される。また、
通信ネットワークを介して送信された被験者IDと当該
被験者の測定データを受信する受信手段と、被験者ID
をもとに被験者情報記憶手段から当該被験者の通信連絡
先を読み出し、通信ネットワークを介して通信連絡先に
比較手段の比較結果を送信する送信手段とは、サーバ8
を構成するコンピュータの通信機能により実現される。
そして、サーバ8の記憶装置には、コンピュータに上述
の動作を実行させるための動作プログラムが予め記憶さ
れている。
【0079】ところで、上述した各実施形態の多変量演
算手段3では判別分析を用いたが、次のような方法によ
る多変量演算を行っても良い。
【0080】つまりその一の方法としては、図12に示
すような例えば入力ユニット、中間ユニット、出力ユニ
ットからなる3層構造のニューラルネットワークを用い
る方法であり、この場合複数の指標から一つ、若しくは
複数の値を算出し、指標とその指標による望ましい出力
値の対をネットワークに与える学習課程で、ネットワー
ク構造を決定し、その学習で得られるネットワークに複
数の指標を与えることにより出力値を得ることができ
る。また学習においては指標とその指標による望ましい
出力値の対をネットワークに与えるが、このときネット
ワークの出力が望ましい出力値に近づくように結合重み
の値の調整を行う。このような指標の提示を繰り返すこ
とにより、最終的にはネットワークにどの指標を与えて
も望ましい出力値を示すようになる。
【0081】また別の方法としては、ファジィ理論を用
いる方法である。例えば、指標に関する属性を考える
と、「固視時間が長い」若しくは反対に「固視時間が短
い」が考えられる。そして脳機能を検査する場合、「固
視時間が短い」且つ「固視回数が少ない」ような場合の
方が、「固視時間が短い」だけの場合や、「固視回数が
少ない」だけの場合よりも、脳機能が高い。このように
n個の属性に対して(2^n−1)通りの評価がある。
ファジィ理論ではこのようなものをファジィ集合と呼ぶ
が、このようなファジィ集合を予め用意しておき、検査
の際に、被験者から観測される指標から脳機能を判定す
るのである。
【0082】更に他の方法としては、エキスパートシス
テムを用いる方法である。例えば固視時間が時間t1よ
り短い場合や、更に固視時間が時間t2(>t1)より
長い場合等と言った具合に各指標に条件を設け、更にそ
の条件が成立するときの結果を設定する。そして検査の
際に、被験者から観察される各指標を夫々条件に当ては
めて脳機能を判定するのである。
【0083】また、上述した各実施形態では、眼球運動
検査手段1により得られた眼球運動指標と、神経心理検
査手段2により得られた神経心理指標の両方を多変量演
算手段3の入力として多変量演算を行っているが、眼球
運動指標又は神経心理指標の何れかを多変量演算手段3
の入力として多変量演算を行うようにしても良く、多変
量演算を行ってより少ない指標に変換し、変換された指
標を用いて脳機能の検査を行うことによって、より精度
の高い脳機能検査を行うことができる。また、眼球運動
以外の生体データ(例えば血液中のタンパクの量や脳髄
液の成分などの計測データ)を眼球運動指標又は神経心
理指標に組み合わせて、多変量演算手段3の入力として
も良く、このような生体データを組み合わせて脳機能の
検査を行うことにより、より精度の高い脳機能の検査を
行うことができる。
【0084】
【発明の効果】上述のように、請求項1の発明は、眼球
運動検査または視覚認知検査を行うことにより被験者の
眼球の動きを評価する複数の指標を導出し、導出された
複数の指標を用いてより少ない指標に変換する多変量演
算を行い、この変換された指標を用いて脳機能の検査を
行うことを特徴とし、眼球運動という副作用のない簡易
な方法で脳機能の検査が行え、さらに多変量演算を行っ
て複数の指標をより少ない指標に変換することにより、
検査精度を高めることができるという効果がある。
【0085】請求項2の発明は、被験者に対して神経心
理学検査を行うことにより神経心理学検査で用いる複数
の指標を導出し、導出された複数の指標を用いてより少
ない指標に変換する多変量演算を行い、この変換された
指標を用いて脳機能の検査を行うことを特徴とし、神経
心理学検査という副作用のない簡易な方法で脳機能の検
査が行え、さらに多変量演算を行って複数の指標をより
少ない指標に変換することにより、検査精度を高めるこ
とができるという効果がある。
【0086】請求項3の発明は、眼球運動検査または視
覚認知検査を行うことにより被験者の眼球の動きを評価
する指標を導出するとともに、被験者に対して神経心理
学検査を行うことにより神経心理学検査で用いる指標を
導出し、導出された複数の指標を用いてより少ない指標
に変換する多変量演算を行い、この変換された指標を用
いて脳機能の検査を行うことを特徴とし、眼球運動の検
査や神経心理学検査という副作用のない簡易な方法で脳
機能の検査が行え、さらに眼球運動の検査と神経心理学
検査とを組み合わせ、多変量演算を行って複数の指標を
より少ない指標に変換することにより、検査精度を高め
ることができるという効果がある。
【0087】請求項4の発明は、請求項1乃至3の発明
において、多変量演算として、多変量解析の判別分析を
用いることを特徴とし、請求項1乃至3の発明と同様の
効果を奏する。
【0088】請求項5の発明は、請求項1乃至3の発明
において、多変量演算として、多変量解析の二次判別を
用いることを特徴とし、請求項1乃至3の発明と同様の
効果を奏する。
【0089】請求項6の発明は、請求項1乃至3の発明
において、多変量演算として、ニューラルネットワーク
を用いることを特徴とし、請求項1乃至3の発明と同様
の効果を奏する。
【0090】請求項7の発明は、請求項1乃至3の発明
において、多変量演算として、ファジィ理論を用いるこ
とを特徴とし、請求項1乃至3の発明と同様の効果を奏
する。
【0091】請求項8の発明は、請求項1乃至3の発明
において、多変量演算として、エキスパートシステムを
用いることを特徴とし、請求項1乃至3の発明と同様の
効果を奏する。
【0092】請求項9の発明は、請求項1乃至3の発明
において、眼球の運動を評価する指標として、移動する
対象物を追跡する能力を示す指標を用いることを特徴と
し、請求項1乃至3の発明と同様の効果を奏する。
【0093】請求項10の発明は、請求項1乃至3の発
明において、眼球の運動を評価する指標として、立体視
の能力を示す指標を用いることを特徴とし、請求項1乃
至3の発明と同様の効果を奏する。
【0094】請求項11の発明は、請求項1乃至3の発
明において、眼球の運動を評価する指標として、被検者
の眼前に提示した検査用の映像内に設定した複数の領域
の何れかに現れる目標物を探索する能力を示す指標を用
いることを特徴とし、請求項1乃至3の発明と同様の効
果を奏する。
【0095】請求項12の発明は、請求項1乃至3の発
明において、眼球の運動を評価する指標として、一定の
時間間隔で画面上の位置が不規則に変化する複数の対象
物の中から、一定の方向に一定量だけ位置が変化する対
象物を識別する能力を示す指標を用いることを特徴と
し、請求項1乃至3の発明と同様の効果を奏する。
【0096】請求項13の発明は、請求項1乃至3の発
明において、眼球の運動を評価する指標として、文字を
探索する能力を示す指標を用いることを特徴とし、請求
項1乃至3の発明と同様の効果を奏する。
【0097】請求項14の発明は、請求項1乃至3の発
明において、被験者の眼前に散文を示した映像を表示さ
せ、この映像に対する被験者の眼球の運動履歴を示す指
標を導出し、この指標を眼球の運動を評価する指標とし
て用いることを特徴とし、請求項1乃至3の発明と同様
の効果を奏する。
【0098】請求項15の発明は、請求項1乃至3の発
明において、被験者の眼前にカラーパターンからなる映
像を表示させ、この映像に対する被験者の眼球の運動履
歴を示す指標を導出し、この指標を眼球の運動を評価す
る指標として用いることを特徴とし、請求項1乃至3の
発明と同様の効果を奏する。
【0099】請求項16の発明は、被験者の脳機能を検
査する脳機能検査装置において、被験者の眼球の運動を
評価する指標を求める眼球運動検査手段と、被験者の視
覚認知機能を評価する指標を求める視覚認知検査手段
と、前記両検査手段の内少なくとも何れか一方の検査手
段により得られた複数の指標を多変量演算手法を用いて
より少ない指標に変換する多変量演算手段と、該変換さ
れた指標を表示する出力手段とを備えたことを特徴と
し、眼球運動検査又は視覚認知機能検査という副作用の
ない簡易な方法で脳機能の検査が行え、さらに多変量演
算を行って複数の指標をより少ない指標に変換すること
により、検査精度を高めることができるという効果があ
る。
【0100】請求項17の発明は、請求項1又は3の発
明において、被験者の眼球の運動を評価する指標、又
は、視覚認知機能を評価する指標の内、少なくとも何れ
か一方の指標の測定データに、当該被験者の生体データ
を付加して得た複数のデータに対して、多変量演算手法
を用いてより少ない指標に変換し、該変換された指標を
用いて脳機能の検査を行うことを特徴とし、眼球運動又
は視覚認知機能を評価する指標と生体データとを組み合
わせることによって、より精度の高い脳機能の検査が行
えるという効果がある。
【0101】請求項18の発明は、被験者の脳機能を検
査する脳機能検査装置において、被験者の眼球の運動を
評価する指標又は視覚認知機能を評価する指標の内少な
くとも何れか一方の指標を求める視機能検査手段と、当
該被験者の生体データを計測する生体データ検査手段
と、両検査手段により得られた複数の指標を多変量演算
手法を用いてより少ない指標に変換する多変量演算手段
と、該変換された指標を表示する出力手段とを備えたこ
とを特徴とし、眼球運動又は視覚認知機能を評価する指
標と生体データとを組み合わせることによって、より精
度の高い脳機能の検査が行えるという効果がある。
【0102】請求項19の発明は、被験者の脳機能を検
査する脳機能検査装置と、当該脳機能検査装置に通信ネ
ットワークを介して接続されるサーバとで構成される脳
機能検査システムであって、前記脳機能検査装置は、被
験者の眼球の運動を評価する指標又は視覚認知機能を評
価する指標の内少なくとも何れか一方の指標を求める視
機能検査手段と、被験者に対して神経心理学検査を行う
ことにより神経心理学検査で用いる指標を求める神経心
理検査手段と、両検査手段により得られた指標を通信ネ
ットワークを介してサーバに出力する第1の出力手段と
を備え、前記サーバは、予め基準となる指標を格納して
いるデータベースと、脳機能検査装置から入力された被
験者の指標とデータベースに記憶されている基準となる
データとを比較する比較手段と、比較手段の比較結果を
通信ネットワークを介して脳機能検査装置に出力する第
2の出力手段とを備えて成ることを特徴とし、眼球の運
動を評価する指標又は視覚認知機能を評価する指標に、
神経心理学検査の結果を組み合わせることにより、より
精度の高い脳機能の検査を行うことができ、さらに脳機
能検査装置とサーバとをネットワークを介して接続し、
脳機能検査装置では被験者のデータを測定するだけで、
サーバ側にデータベースを持たせているので、脳機能検
査装置側の構成を簡単にできるという利点がある。
【0103】請求項20の発明は、通信ネットワークを
介して送信された被験者の眼球運動検査、視覚認知検査
又は神経心理学検査の内少なくとも何れか一つの検査に
よる複数の測定データに基づいて脳機能検査を行う脳機
能検査サービス方法であって、被験者に割り当てられた
識別ID及び当該被験者の測定データを通信ネットワー
クを介して受け取るステップと、前記測定データを多変
量演算手法を用いてより少ない指標に変換するステップ
と、多変量演算によって得られる指標と比較するための
基準となるデータをデータベースから読み出すステップ
と、前記指標と基準となるデータを比較するステップ
と、予め被験者の通信ネットワーク上の通信連絡先を記
憶した被験者情報記憶手段から前記識別IDをもとに当
該被験者の通信連絡先を読み出すステップと、比較結果
を前記通信連絡先に通信ネットワークを介して送信する
ステップとを実行することを特徴とし、ネットワークを
介して送信された測定データを多変量演算手法を用いて
より少ない指標に変換し、多変量演算により得られた指
標と基準となる指標を比較した結果を被験者側に送信し
ているので、遠隔にいる被験者にも脳検査サービスを提
供することができ、さらに被験者側では眼球運動検査又
は神経心理学検査の測定装置を用意するだけで良いの
で、被験者側の装置を簡単にできるという効果がある。
【0104】請求項21の発明は、コンピュータに請求
項20に記載した脳機能検査サービス方法を実行させる
ことができるという効果がある。
【0105】請求項22の発明は、通信ネットワークを
介して送信された被験者の眼球運動検査、視覚認知検査
又は神経心理学検査の内少なくとも何れか一つの検査に
よる複数の測定データに基づいて脳機能検査を行う脳機
能検査サービス装置であって、複数の被験者の識別ID
と通信ネットワーク上の通信連絡先とを含む被験者情報
が記憶された被験者情報記憶手段と、通信ネットワーク
を介して送信された識別IDと当該被験者の測定データ
を受信する受信手段と、受信手段の受信した測定データ
を多変量演算手法を用いてより少ない指標に変換する多
変量演算手段と、多変量演算によって得られる指標と比
較するための基準となるデータを記憶する比較基準記憶
手段と、多変量演算によって得られる指標と比較基準記
憶手段に記憶されたデータを比較して比較結果を求める
比較手段と、受信手段の受信した識別IDをもとに被験
者情報記憶手段から当該被験者の通信連絡先を読み出
し、通信ネットワークを介して前記通信連絡先に比較手
段の比較結果を送信する送信手段とを備えて成ることを
特徴とし、ネットワークを介して送信された測定データ
を多変量演算手法を用いてより少ない指標に変換し、多
変量演算により得られた指標と基準となる指標を比較し
た結果を被験者側に送信しているので、遠隔にいる被験
者にも脳検査サービスを提供可能な脳機能検査サービス
装置を提供でき、さらに被験者側では眼球運動検査又は
神経心理学検査の測定装置を用意するだけで良いので、
被験者側の装置を簡単にできるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の全体構成図である。
【図2】同上に用いる眼球運動指標を得るために撮像カ
メラにより撮像した眼球画像の例図である。
【図3】同上による滑動性眼球運動検査の説明図であ
る。
【図4】同上による立体視検査の説明図である。
【図5】同上による指標探索検査の説明図である。
【図6】同上による移動性指標探索検査の説明図であ
る。
【図7】同上による文字探索検査の説明図である。
【図8】同上による散文黙読検査の説明図である。
【図9】同上による色模様傍観検査の説明図である。
【図10】同上に用いる判別値の計算方法の説明図であ
る。
【図11】本発明の実施形態2の全体構成図である。
【図12】ニューラルネットワークのモデル図である。
【符号の説明】
1 眼球運動検査手段 2 神経心理検査手段 3 多変量演算手段 5 出力手段 31,32 多変量解析計算部 w1,w2 判別値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仲島 了治 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】眼球運動検査または視覚認知検査を行うこ
    とにより被験者の眼球の動きを評価する複数の指標を導
    出し、導出された複数の指標を用いてより少ない指標に
    変換する多変量演算を行い、この変換された指標を用い
    て脳機能の検査を行うことを特徴とする脳機能検査方
    法。
  2. 【請求項2】被験者に対して神経心理学検査を行うこと
    により神経心理学検査で用いる複数の指標を導出し、導
    出された複数の指標を用いてより少ない指標に変換する
    多変量演算を行い、この変換された指標を用いて脳機能
    の検査を行うことを特徴とする脳機能検査方法。
  3. 【請求項3】眼球運動検査または視覚認知検査を行うこ
    とにより被験者の眼球の動きを評価する指標を導出する
    とともに、被験者に対して神経心理学検査を行うことに
    より神経心理学検査で用いる指標を導出し、導出された
    複数の指標を用いてより少ない指標に変換する多変量演
    算を行い、この変換された指標を用いて脳機能の検査を
    行うことを特徴とする脳機能検査方法。
  4. 【請求項4】前記多変量演算として、多変量解析の判別
    分析を用いることを特徴とする請求項1乃至3記載の脳
    機能検査方法。
  5. 【請求項5】前記多変量演算として、多変量解析の二次
    判別を用いることを特徴とする請求項1乃至3記載の脳
    機能検査方法。
  6. 【請求項6】前記多変量演算として、ニューラルネット
    ワークを用いることを特徴とする請求項1乃至3記載の
    脳機能検査方法。
  7. 【請求項7】前記多変量演算として、ファジィ理論を用
    いることを特徴とする請求項1乃至3記載の脳機能検査
    方法。
  8. 【請求項8】前記多変量演算として、エキスパートシス
    テムを用いることを特徴とする請求項1乃至3記載の脳
    機能検査方法。
  9. 【請求項9】眼球の運動を評価する指標として、移動す
    る対象物を追跡する能力を示す指標を用いることを特徴
    とする請求項1又は3記載の脳機能検査方法。
  10. 【請求項10】眼球の運動を評価する指標として、立体
    視の能力を示す指標を用いることを特徴とする請求項1
    又は3記載の脳機能検査方法。
  11. 【請求項11】眼球の運動を評価する指標として、被検
    者の眼前に提示した検査用の映像内に設定した複数の領
    域の何れかに現れる目標物を探索する能力を示す指標を
    用いることを特徴とする請求項1又は3記載の脳機能検
    査方法。
  12. 【請求項12】眼球の運動を評価する指標として、一定
    の時間間隔で画面上の位置が不規則に変化する複数の対
    象物の中から、一定の方向に一定量だけ位置が変化する
    対象物を識別する能力を示す指標を用いることを特徴と
    する請求項1又は3記載の脳機能検査方法。
  13. 【請求項13】眼球の運動を評価する指標として、文字
    を探索する能力を示す指標を用いることを特徴とする請
    求項1又は3記載の脳機能検査方法。
  14. 【請求項14】被験者の眼前に散文を示した映像を表示
    させ、この映像に対する被験者の眼球の運動履歴を示す
    指標を導出し、この指標を眼球の運動を評価する指標と
    して用いることを特徴とする請求項1又は3記載の脳機
    能検査方法。
  15. 【請求項15】被験者の眼前にカラーパターンからなる
    映像を表示させ、この映像に対する被験者の眼球の運動
    履歴を示す指標を導出し、この指標を眼球の運動を評価
    する指標として用いることを特徴とする請求項1又は3
    記載の脳機能検査方法。
  16. 【請求項16】被験者の脳機能を検査する脳機能検査装
    置において、被験者の眼球の運動を評価する指標を求め
    る眼球運動検査手段と、被験者の視覚認知機能を評価す
    る指標を求める視覚認知検査手段と、前記両検査手段の
    内少なくとも何れか一方の検査手段により得られた複数
    の指標を多変量演算手法を用いてより少ない指標に変換
    する多変量演算手段と、該変換された指標を表示する出
    力手段とを備えたことを特徴とする脳機能検査装置。
  17. 【請求項17】被験者の眼球の運動を評価する指標、又
    は、視覚認知機能を評価する指標の内、少なくとも何れ
    か一方の指標の測定データに、当該被験者の生体データ
    を付加して得た複数のデータに対して、多変量演算手法
    を用いてより少ない指標に変換し、該変換された指標を
    用いて脳機能の検査を行うことを特徴とする請求項1又
    は3記載の脳機能検査方法。
  18. 【請求項18】被験者の脳機能を検査する脳機能検査装
    置において、被験者の眼球の運動を評価する指標又は視
    覚認知機能を評価する指標の内少なくとも何れか一方の
    指標を求める視機能検査手段と、当該被験者の生体デー
    タを計測する生体データ検査手段と、両検査手段により
    得られた複数の指標を多変量演算手法を用いてより少な
    い指標に変換する多変量演算手段と、該変換された指標
    を表示する出力手段とを備えたことを特徴とする脳機能
    検査装置。
  19. 【請求項19】被験者の脳機能を検査する脳機能検査装
    置と、当該脳機能検査装置に通信ネットワークを介して
    接続されるサーバとで構成される脳機能検査システムで
    あって、前記脳機能検査装置は、被験者の眼球の運動を
    評価する指標又は視覚認知機能を評価する指標の内少な
    くとも何れか一方の指標を求める視機能検査手段と、被
    験者に対して神経心理学検査を行うことにより神経心理
    学検査で用いる指標を求める神経心理検査手段と、両検
    査手段により得られた指標を通信ネットワークを介して
    サーバに出力する第1の出力手段とを備え、前記サーバ
    は、予め基準となる指標を格納しているデータベース
    と、脳機能検査装置から入力された被験者の指標とデー
    タベースに記憶されている基準となるデータとを比較す
    る比較手段と、比較手段の比較結果を通信ネットワーク
    を介して脳機能検査装置に出力する第2の出力手段とを
    備えて成ることを特徴とする脳機能検査システム。
  20. 【請求項20】通信ネットワークを介して送信された被
    験者の眼球運動検査、視覚認知検査又は神経心理学検査
    の内少なくとも何れか一つの検査による複数の測定デー
    タに基づいて脳機能検査を行う脳機能検査サービス方法
    であって、被験者に割り当てられた識別ID及び当該被
    験者の測定データを通信ネットワークを介して受け取る
    ステップと、前記測定データを多変量演算手法を用いて
    より少ない指標に変換するステップと、多変量演算によ
    って得られる指標と比較するための基準となるデータを
    データベースから読み出すステップと、前記指標と基準
    となるデータを比較するステップと、予め被験者の通信
    ネットワーク上の通信連絡先を記憶した被験者情報記憶
    手段から前記識別IDをもとに当該被験者の通信連絡先
    を読み出すステップと、比較結果を前記通信連絡先に通
    信ネットワークを介して送信するステップとを実行する
    ことを特徴とする脳機能検査サービス方法。
  21. 【請求項21】コンピュータに請求項20記載の脳機能
    検査サービス方法を実行させるためのプログラム。
  22. 【請求項22】通信ネットワークを介して送信された被
    験者の眼球運動検査、視覚認知検査又は神経心理学検査
    の内少なくとも何れか一つの検査による複数の測定デー
    タに基づいて脳機能検査を行う脳機能検査サービス装置
    であって、複数の被験者の識別IDと通信ネットワーク
    上の通信連絡先とを含む被験者情報が記憶された被験者
    情報記憶手段と、通信ネットワークを介して送信された
    識別IDと当該被験者の測定データを受信する受信手段
    と、受信手段の受信した測定データを多変量演算手法を
    用いてより少ない指標に変換する多変量演算手段と、多
    変量演算によって得られる指標と比較するための基準と
    なるデータを記憶する比較基準記憶手段と、多変量演算
    によって得られる指標と比較基準記憶手段に記憶された
    データを比較して比較結果を求める比較手段と、受信手
    段の受信した識別IDをもとに被験者情報記憶手段から
    当該被験者の通信連絡先を読み出し、通信ネットワーク
    を介して前記通信連絡先に比較手段の比較結果を送信す
    る送信手段とを備えて成ることを特徴とする脳機能検査
    サービス装置。
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