JP4357141B2 - 地震による管路の被害予測システム - Google Patents

地震による管路の被害予測システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地震による水道やガスなどの管路の被害を予測する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
地震による管路被害が発生した場合、その被害箇所の特定は困難である。例えば水道管路の場合、まず一定区間の管路に水を供給し圧力をかけて漏水箇所を探す。漏水箇所を発見したとき該発見した漏水箇所を修理する。そして、この区間の漏水箇所を全て修理したら、次に区間に広げて再度同じように漏水箇所の探索と修理とを繰り返す。この作業を全ての管路が復旧するまで繰り返す。このため管路の復旧には時間がかかる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる管路のうち特にライフラインである水道やガスは、迅速に復旧する必要がある。しかし、上述した従来の手法では被害箇所の発見には手間がかかり復旧作業に長時間を要する、という問題があった。
【0004】
本発明の目的は、地震による管路の被害をすみやかに発見し、且つ迅速な復旧作業を可能とする、地震による管路の被害予測システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、被害予測対象地域における管路の管種をファイルした管路データファイルと、前記被害予測対象地域の地質データをファイルした地質データファイルと、発生した地震の震度データを震度計ネットワークを介して入力し収集する入力手段と、前記被害予測対象地域をメッシュ状の複数のエリアに分割し、前記収集した震度データから前記分割したエリア毎に、順次、震度データを決定し、当該決定した震度データをもとに前記各エリアの地震動の加速度の大きさを推定する加速度推定手段と、地震動の加速度の大きさ、管路の管種、地質及び管路被害の関係を関数として持ち、該関数と、前記加速度推定手段で推定した前記各エリアの加速度の大きさ、前記管路データファイル及び前記地質データファイルとに基づいて前記被害予測対象地域における管路の被害を予測する被害予測手段と、この被害予測手段による被害予測結果を表示する被害予測結果出力手段とを具備した地震による管路の被害予測システムを提供する
【0006】
本発明によれば被害箇所を予測することができ、予測箇所から優先的に復旧作業を行うことができるので、これによりライフラインである水道やガスなどの管路を、地震時に迅速に復旧することが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る地震による管路の被害予測システムの実施形態を図面を参照して説明する。
【0008】
本発明の被害予測システムは、実施形態によって内部のプロセス及びファイル構成が複数の形態をとり得る被害予測装置100と、震度計ネットワーク30と、震度計40と、被害予測結果出力装置50とからなり、実施形態によっては動画撮影カメラ10又は静止画撮影カメラ20を備える。
【0009】
被害予測装置100は、プロセス部100Aと、ファイル部100Bとからなり、計算機により実現される。
【0010】
プロセス部100Aは、震度データ入力プロセス101、加速度推定プロセス102、被害予測プロセス103、地震被害件数予測プロセス104、被害分析プロセス105及び模擬震度データ入力プロセス106を有する。
【0011】
ファイル部100Bは、管路データファイル111、地質データファイル112、画像記録ファイル113、地震動データファイル114、地質データファイル115、地震被害データファイル116、模擬震度データファイル117を有し、計算機の記憶装置上のデータファイルである。
【0012】
動画撮影カメラ10及び静止画撮影カメラ20はそれぞれ動画、静止画の入力装置として被害予測装置100の加速度推定プロセス102に接続する。
【0013】
複数の地点に設置された複数の震度計40及び該震度計40を接続する震度計ネットワーク30は、被害予測装置100の震度データ入プロセス101に接続し、地震発生時に震度情報を得る。
【0014】
被害予測結果出力装置50には、モニター、プリンターなどを接続する。
【0015】
上記における各プロセス及び各ファイルについては各実施形態で説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
第1の実施形態を、図2乃至図4を参照して説明する。
【0017】
図2に示すように、本実施形態の被害予測システムは、被害予測装置100−1と、震度計ネットワーク30及び震度計40と、被害予測結果出力装置50とから構成される。
【0018】
被害予測装置100−1は、震度データ入力プロセス101と、加速度推定プロセス102と、被害予測プロセス103と、管路データファイル111と、地質データファイル112とから構成される。
【0019】
本実施形態及び後述する各実施形態において、被害予測の対象地域はメッシュ状のエリアに分割して考える。図3に示すように、例えば5km四方の地域を1辺250mのメッシュ状のエリアに分割したとすると縦20個、横20個となり全部で400個のエリアに分割できる。このエリアは横(00〜19)と縦(00〜19)の座標で表すことができる。
【0020】
このような被害予測対象地域において、地震が発生すると、震度計40で観測された震度は、震度計ネットワーク30を通じて震度データ入力プロセス101に入力される。震度データ入力プロセス101は、観測された震度をもとに図2に示される全エリアの震度を決定する。まず震度計40の設置されているエリアの震度は震度計の観測値とする。
【0021】
次に、例えば図2に示す被害予測対象エリアにおいて、震度計が設置されていないエリアの震度を、図4に示すフロー図に従って決定する。
【0022】
ステップS1として、最初のエリアに移り、ステップS2に移行して当該最初のエリアの震度が決定済みならステップS6に移行し、未決定の場合はステップS3に移行する。
【0023】
ステップS3では、最初のエリアに隣接した一つ以上のエリアの震度が既決定ならステップS4に移行し、一つも決定していない場合にはステップS5に移行する。
【0024】
ステップS4では、震度の決まっている隣接したエリアの震度の平均を、そのエリアの震度として決定し、ステップS6に移行する。
【0025】
ステップS5では、そのエリアの震度は決定することなくステップS6に移行する。
【0026】
ステップS6では、震度を決定すべき次のエリアがあるなら、次のエリアに移ってステップS2に移行し、震度を決定すべき次のエリアがない場合は、ステップS7に移行する。
【0027】
ステップS7にて、全エリアの震度が決定していない場合には、ステップS2に移行し、全エリアの震度が決定した場合は終了となる。
【0028】
上述し且つ図示したエリアの震度の決定方法は一例であり、他の方法によって決定しても良い。
【0029】
上記のようにして、図2に示す被害予測対象エリアの全エリアの震度が決まったら、エリア毎の加速度を加速度推定プロセス101で推定する。加速度推定プロセス101は、予め次の表のような震度と地震動の加速度の関係を持っており、震度から加速度を推定することができる。
【0030】
【表1】
Figure 0004357141
上記は加速度推定方法の一例であり他の方法でも推定可能である。
【0031】
加速度推定プロセス101からは加速度の推定結果が以下のように求められる。
【0032】
<各エリアの推定加速度例>
エリア=A00−00,120
エリア=A00−01,120
エリア=A00−02,210
エリア=A00−03,360
(以下略)
被害予測プロセス103は、加速度と管路データファイル111と地質データファイル112を読み込んで、管路の被害を予測する。管路データファイル111には以下のようなデータを持たせる。
【0033】
<管路データファイル111記述例>
エリア=A00−00,管種=DCIP
エリア=A00−00,管種=CIP
エリア=A00−01,管種=DCIP
エリア=A00−02,管種=CIP
エリア=A00−02,管種=SP
(以下略)
地質データファイル112には以下のようなデータを持たせる。
【0034】
<地質データファイル112記述例>
エリア=A00−00,地質=埋立地
エリア=A00−01,地質=埋立地
エリア=A00−02,地質=沖積層
(以下略)
また、被害予測プロセス103には下表のように被害と加速度、管種、地質の関係を表す関数を内部構造として持たせる。
【0035】
【表2】
Figure 0004357141
【0036】
被害予測プロセス103は、管路データファイルのエントリー一つ一つについて被害状況を予測する。まず該当エリアの推定加速度と地質を調べる。次に被害予測プロセス103の内部構造である関数に推定加速度と地質と管種を入力し被害予測を出力として得る。これを被害予測結果出力装置50に出力する。
【0037】
このように本実施形態によれば、地震による加速度と管路の被害の関係から被害予測を計算機で実施することができ、被害箇所を予測することができ、予測箇所から優先的に復旧作業を行うことができるので、これによりライフラインである水道やガスなどの管路を地震時に迅速に復旧することが可能となる。
【0038】
(第2の実施形態)
次に図5を参照して請求項2に対応した第2の実施形態を説明する。
【0039】
本実施形態は、第1の実施形態の構成と、動画撮影カメラ10とで構成される。この動画撮影カメラ10は、ビルの屋上等のエリアを見渡せる場所に設置することが好ましい。
【0040】
上述した構成により、地震発生時には動画撮影カメラ10で撮影された映像はネットワーク経由または光ディスク等の媒体経由で地震被害予測システムの加速度推定プロセス101に入力される。尚、撮影画像の中の観測対象物は、予め定めておく。加速度推定プロセス101は、観測対象物の各フレーム毎の変位を画像中で計測し速度及び加速度を推定する。動画撮影カメラ10で撮影しているエリアの変位は、加速度は上述したようにして推定するものとし、また他は第1の実施形態1と同様に動作する。
【0041】
このように本実施形態によれば、動画撮影カメラ10で撮影された映像により、観測対象物の各フレーム毎の変位を画像中で計測し速度及び加速度を推定し得、震度計や加速度計がない場所でも、動画があれば地震の加速度を推定し被害予測をすることができ、予測箇所から優先的に復旧作業を行うことができるので、これによりライフラインである水道やガスなどの管路は地震時に迅速に復旧することが可能となる。
【0042】
(第3の実施形態)
次に図6を参照して請求項3に対応した第3の実施形態を説明する。
【0043】
本実施形態は、第1の実施形態の構成と、画像記録ファイル113及び及び静止画撮影カメラ20で構成される。静止画撮影カメラ20は、上記の実施形態の動画撮影カメラ10と同様に、ビルの屋上等のエリアを見渡せる場所に設置することが好ましい。画像記録ファイル113には、平時に定期的に撮影した静止画像を記録しておく。
【0044】
上述した構成により、地震発生時には静止画撮影カメラ20で撮影された画像はネットワーク経由または光ディスク等の媒体経由で地震被害予測システムの加速度推定プロセス101に入力される。地震発生後の撮影画像と画像記録ファイル113との差分から加速度を推定する。画像の差分が大きい場合は破壊された建造物が多いことが推定できるため、その度合いで加速度を推定することことができる。予め、画像の差分と加速度の関係を予め下表のように定めておいて加速度を推定する。
【0045】
【表3】
Figure 0004357141
上記は加速度推定方法の一例であり他の方法も可能である。
【0046】
加速度を推定した後は実施形態1と同様に動作する。
【0047】
このように本実施形態によれば、静止画撮影カメラ20で撮影された映像により、震度計や加速度計がない場所でも、地震発生の前の静止画と地震発生後の静止画があれば地震の加速度を推定し被害予測をすることができ、予測箇所から優先的に復旧作業を行うことができるので、これによりライフラインである水道やガスなどの管路は地震時に迅速に復旧することが可能となる。
【0048】
(第4の実施形態)
次に図7を参照して請求項4に対応した第4の実施形態を説明する。
【0049】
請求項4に対応した第4実施形態では、第1〜第3の実施形態に加え、地震被害件数予測プロセス104で構成される。地震被害件数予測プロセス104は計算機上のプロセスとして実現する。
【0050】
尚、過去の地震被害データから管の単位長さあたりの被害件数と加速度との関係を表す管種毎の経験式は得られている。地震被害件数予測プロセス104はこれを用いてエリア毎に各管種の被害件数を予測する。この予測件数も被害予測結果出力装置50に出力するものである。
【0051】
なお、図7は、図1の構成に地震被害件数予測プロセス104を付加した構成であるが、図5の構成に地震被害件数予測プロセス104を付加した構成又は図6の構成に地震被害件数予測プロセス104を付加した構成であっても良い。
【0052】
このように本実施形態によれば、被害箇所を予測することができ且つ地震被害件数を同時に表示することで被害の程度がつかめ、予測箇所から優先的に復旧作業を行うことができ、これによりライフラインである水道やガスなどの管路を、地震時に迅速に復旧することが可能となる。
【0053】
(第5の実施形態)
次に図8を参照して請求項5に対応した第5の実施形態を説明する。
【0054】
請求項5に対応した第5の実施形態では、第1〜第4の実施形態に加え、模擬震度データ入力プロセス106と模擬震度データファイル117で構成される。模擬震度データ入力プロセス106は計算機上のプロセス、模擬震度データファイル117は計算機上のファイルで実現する。模擬震度データファイル117には模擬的な地震の震度データを登録しておく。模擬震度データ入力プロセスは模擬震度データファイル117を読みこみ、震度データ入力プロセス101と同様に加速度推定プロセス101に、震度データを渡す。他の処理は第1〜第4の実施形態と同様である。
【0055】
このように本実施形態によれば、実際の地震の発生時の被害予測だけでなく、平常時に要注意の管路を発見して換するなどの対策ができる。
【0056】
(第6の実施形態)
次に図9を参照して請求項6に対応した第6の実施形態を説明する。
【0057】
請求項6に対応した第6の実施形態では、被害予測プロセス103は、管路データファイル111、地質データファイル112、加速度推定プロセス102からの入力を受けてこれをエリアをキーにして結合し一つの表を作る。以下に結合の例を挙げる。次のような管路データファイル111、地質データファイル112、加速度推定プロセス102の出力があったとする。
【0058】
<各エリアの推定加速度例>
エリア=A00−00,加速度=120
エリア=A00−01,加速度=120
エリア=A00−02,加速度=210
<管路データファイル111記述例>
エリア=A00−00,管種=DCIP
エリア=A00−00,管種=CIP
エリア=A00−01,管種=DCIP
エリア=A00−02,管種=CIP
エリア=A00−02,管種=SP
<地質データファイル112記述例>
エリア=A00−00,地質=埋立地
エリア=A00−01,地質=埋立地
エリア=A00−02,地質=沖積層
以上を結合すると以下のようになる。
【0059】
<結合した例>
エリア=A00−00,加速度=120,管種=DCIP,地質=埋立地
エリア=A00−00,加速度=120,管種=CIP,地質=埋立地
エリア=A00−01,加速度=120,管種=DCIP,地質=埋立地
エリア=A00−02,加速度=210,管種=CIP,地質=沖積層
エリア=A00−02,加速度=210,管種=SP,地質=沖積層
被害予測プロセス103は、結合したデータの1行1行について被害予測を行う。つまり上記の例の1行目では、エリアA00−00は埋立地で加速度は120でDCIPの管路が敷設されている。このときこの管に被害が出たかどうかを予測する。
【0060】
被害予測は被害予測プロセス103のメモリー上に次のような木構造の分類規則を持っている。
【0061】
分類規則の例は図10に示される。この例において、結合した結果の1行1行について、上記のような木構造の分類規則を左からたどっていく。分類規則の例の<>で囲まれたものが属性でその属性値によって木構造のどちらへたどっていけば良いかが( )で囲まれた条件で示されている。条件に合う方へ次々にたどっていくと最終的には[]で囲まれた予測被害箇所に到達する。
【0062】
上記の分類規則の例ではまず最左端に<管種>があるのでこの属性を調べる。結合した例の1行目のデータでは管種がDCIPなので(DCIP)の方へたどっていく。次に加速度は120で210より小さいので(<210)の方へたどる。すると[継手]に到達する。したがってエリアA00−00に敷設されているDCIPの管は継手に被害が発生している可能性が高いと予測されたことになる。このようにして結合したデータの全ての行について予測を実行してこれを被害予測結果出力装置50で出力する。
【0063】
このように本実施形態によれば、地震と被害の関係を木構造とすることで容易に計算機で作成でき、被害箇所を予測することができ、地震被害件数予測を行うことができるので、予測箇所から優先的に復旧作業を行うことができ、これによりライフラインである水道やガスなどの管路を、地震時に迅速に復旧することが可能となる。
【0064】
(第7の実施形態)
次に図11を参照して請求項7に対応した第7の実施形態を説明する。
【0065】
請求項7に対応した第7の実施形態では、被害予測プロセス103は被害予測規則をif−thenのルール形式で持つ。以下にその例を示す。
【0066】
<分類規則の例>
if(管種=CIP&地質=沖積層&加速度<210)
then継手
if(管種=CIP&地質=沖積層&加速度>=210)
then管体
if(管種=CIP&地質=埋立地)
then継手
if(管種=DCIP&加速度<210)
then継手
if(管種=DCIP&加速度>=210)
then管体
被害予測プロセス103は第6の実施形態で述べた結合したデータの1行1行について分類規則の上から順次テストし、if節が真になったルールのthen節を予測被害箇所とする。他は第6の実施形態と同様である。
【0067】
このように本実施形態によれば、被害予測プロセス103を、木構造よりなじみ易いif−thenのルール形式で持つことによって人間による可読性を高めることができ、地震被害件数予測を行うことができるので、予測箇所から優先的に復旧作業を行うことができ、これによりライフラインである水道やガスなどの管路を、地震時に迅速に復旧することが可能となる。
【0068】
(第8の実施形態)
次に図12を参照して請求項8に対応した第8の実施形態を説明する。
【0069】
請求項8に対応する第8の実施形態では、被害予測プロセス103は被害予測規則をニューラルネットワークとして持つ。ニューラルネットワークの入力層には管種や地質等の属性に対応したニューロンがある。ニューラルネットワークの例を以下に示す。
【0070】
ニューラルネットワークの例を図13に示す。図13においては、データに示されている属性値に対応するニューロンに入力を加えると出力層のニューロンに出力が出る。出力層の出力があったニューロンを予測被害箇所とする。他は台6の実施施形態と同様である。
【0071】
このように本実施形態によれば、被害予測プロセス103は被害予測規則をニューラルネットを用いることで徐々に学習する予測システムとすることができ、地震被害件数予測を行うことができるので、予測箇所から優先的に復旧作業を行うことができ、これによりライフラインである水道やガスなどの管路を、地震時に迅速に復旧することが可能となる。
【0072】
(第9の実施形態)
次に図14を参照して請求項9に対応した第9の実施形態を説明する。
【0073】
請求項9に対応した第9の実施形態では、第6〜第8の実施形態に加え、被害分析プロセス105と地震動データファイル114、地質データファイル115、地震被害データファイル116で構成される。被害分析プロセス105は計算機上のプロセス、地震動データファイル114と地質データファイル115と地震被害データファイル116は計算機上のファイルとして実現する。
【0074】
被害予測プロセス103が持つ木構造の分類規則やif−thenルールやニューラルネットワークは被害分析プロセス105によって地震動データファイル114と地質データファイル115と地震被害データファイル116から生成される。地震動データファイル114は第6〜第8の実施形態の各エリアの推定加速度にあたる。
【0075】
<地震動データファイル114記述例>
エリア=A00−00,加速度=120
エリア=A00−01,加速度=120
エリア=A00−02,加速度=210
地質データファイル115は地質データファイル112に相当する。
【0076】
<地質データファイル115記述例>
エリア=A00−00,地質=埋立地
エリア=A00−01,地質=埋立地
エリア=A00−02,地質=沖積層
また地震被害データファイル116は管路データファイル111に被害箇所を加えたものである。
【0077】
<管路データファイル111記述例>
エリア=A00−00,管種=DCIP,被害箇所=継手
エリア=A00−00,管種=CIP,被害箇所=管体
エリア=A00−01,管種=DCIP,被害箇所=継手
エリア=A00−02,管種=CIP,被害箇所=管体
エリア=A00−02,管種=SP,被害箇所=管体
3つファイルを結合すると以下のようなデータが得られる。
【0078】
<結合例>
エリア=A00−00,加速度=120,地質=埋立地,管種=DCIP,被害箇所=継手
エリア=A00−00,加速度=120,地質=埋立地,管種=CIP,被害箇所=管体
エリア=A00−01,加速度=120,地質=埋立地,管種=DCIP,被害箇所=継手
エリア=A00−02,加速度=210,地質=沖積層,管種=CIP,被害箇所=管体
エリア=A00−02,加速度=210,地質=沖積層,管種=SP,被害箇所=管体
第6の実施形態に対応した第9の実施形態では、被害分析プロセス105は、id3アルゴリズムを用いて、このデータを被害箇所について分類する木構造分類規則を生成し、これを被害予測プロセス103に渡す。
【0079】
第7の実施形態に対応した第9の実施形態では、被害分析プロセス105は、得られた木構造分類規則のルートノードから各葉ノードまでの条件を列挙したものをif−then形式のルールとして生成する。
【0080】
第8の実施形態に対応した第9の実施形態では、被害分析プロセス105は、加速度、地質、管種の各属性に対応する入力に対する出力層のニューロンの出力と実際の被害箇所との違いからバックプロパゲーションを用いてニューラルネットワークの学習を行う。学習の結果得たニューラルネットワークを被害予測プロセス103に渡す。
【0081】
このように本実施形態によれば、地震が発生した時には被害を予測し、地震発生直後被害データが明かになってからそのデータを用いて被害予測システムをリファインでき、地震被害件数予測を行うことができるので、予測箇所から優先的に復旧作業を行うことができ、これによりライフラインである水道やガスなどの管路を、地震時に迅速に復旧することが可能となる。
【0082】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、従来、地震による管路の被害発生箇所の探索は手間がかかり被害箇所発見に時間を要し、このため復旧作業も長期化していたのに対し、被害箇所を予測する本発明によって、予測箇所から優先的に復旧作業を行うことができるようになり、ライフラインである水道やガスなどの管路の地震時の迅速な復旧が期待できる地震による管路の被害予測システムを提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る地震による管路の被害予測システムのブロック図。
【図2】本発明の第1の実施形態の被害予測システムを示すブロック図。
【図3】同実施形態における被害予測対象エリアを説明する図。
【図4】同実施形態における震度計が設置されていないエリアの震度を求め方る方法を示すフロー図。
【図5】本発明の第2の実施形態の被害予測システムを示すブロック図。
【図6】本発明の第3の実施形態の被害予測システムを示すブロック図。
【図7】本発明の第4の実施形態の被害予測システムを示すブロック図。
【図8】本発明の第5の実施形態の被害予測システムを示すブロック図。
【図9】本発明の第6の実施形態の被害予測システムを示すブロック図。
【図10】第6の実施形態における木構造の分類規則を説明する図。
【図11】本発明の第7の実施形態の被害予測システムを示すブロック図。
【図12】本発明の第8の実施形態の被害予測システムを示すブロック図。
【図13】同実施形態における被害予測をニューラルネットで行う例を説明する図。
【図14】本発明の第9の実施形態の被害予測システムを示すブロック図。
【符号の説明】
10 動画撮影カメラ
20 静止画撮影カメラ
30 震度計ネットワーク
40 震度計
50 被害予測結果出力装置
100 被害予測装置
101 加速度推定プロセス
102 加速度データ入力プロセス
103 被害予測プロセス
104 被害予測プロセス
105 被害予測プロセス
106 被害予測プロセス
111 管路データファイル
112 地質データファイル
113 画像記録ファイル
114 地震動データファイル
115 地質データファイル
116 地震被害データファイル
117 模擬震度データファイル

Claims (9)

  1. 被害予測対象地域における管路の管種をファイルした管路データファイルと、
    前記被害予測対象地域の地質データをファイルした地質データファイルと、
    発生した地震の震度データを震度計ネットワークを介して入力し収集する入力手段と、
    前記被害予測対象地域をメッシュ状の複数のエリアに分割し、前記収集した震度データから前記分割したエリア毎に、順次、震度データを決定し、当該決定した震度データをもとに前記各エリアの地震動の加速度の大きさを推定する加速度推定手段と、
    地震動の加速度の大きさ、管路の管種、地質及び管路被害の関係を関数として持ち、該関数と、前記加速度推定手段で推定した前記各エリアの加速度の大きさ、前記管路データファイル及び前記地質データファイルとに基づいて前記被害予測対象地域における管路の被害を予測する被害予測手段と、
    この被害予測手段による被害予測結果を表示する被害予測結果出力手段と
    を具備することを特徴とする地震による管路の被害予測システム。
  2. 前記被害予測対象地域を動画撮影する動画撮影手段と、
    この動画撮影手段によって被害発生時に撮影した前記被害予測対象地域の動画から観測対象物の各フレーム毎の変位を計測し、速度および加速度を推定して、前記被害予測対象地域の地震動の加速度の大きさを推定する動画像による加速度推定手段と
    を更に具備することを特徴とする請求項1記載の地震による管路の被害予測システム。
  3. 前記被害予測対象地域における被災後の家屋の被害状況を撮影する撮影手段と、
    前記被害予測対象地域の被災前の家屋を撮影した画像記録ファイルと、
    被災前の画像と被災後の画像とから地震動の加速度の大きさ、向き及び変位を推定する静止画像による加速度推定手段と
    を具備することを特徴とする請求項2記載の地震による管路の被害予測システム。
  4. 前記地震動の加速度から単位エリア内の管路の被害件数を推定する被害件数推定手段を具備し、前記被害予測結果出力手段により推定被害件数分も出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の地震による管路の被害予測システム。
  5. 前記被害予測手段は、地震動の加速度の大きさ、向き及び変位と、管路の管種と、地質と、管路被害との関係を、木構造の分類規則で表現した構造として有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の地震による管路の被害予測システム。
  6. 前記被害予測手段は、地震動の加速度の大きさ、向き及び変位と、管路の管種と、地質と、管路被害との関係を、if−then形式の規則として有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の地震による管路の被害予測システム。
  7. 前記被害予測手段は、地震動の加速度の大きさ、向き及び変位と、管路の管種と、地質と、管路被害との関係を、ニューラルネットとして有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の地震による管路の被害予測システム。
  8. 過去に発生した地震動の加速度の大きさ、向き及び変位を記録した地震動データをファイルした地震動データファイルと、
    前記過去に発生した地震によって管路被害が発生した地域の地質を記録した地質データをファイルした地質データファイルと、
    前記過去に発生した地震による地震被害データをファイルした地震被害データファイルと、
    前記地震動データファイルと前記地質データファイルと前記地震被害データファイルとを読み込んで、地震動の加速度の大きさ、向き及び変位と、管路の管種と、地質と、管路被害との関係を抽出する被害分析手段とを具備し、
    この被害分析手段の分析結果を前記被害予測手段との関係として有することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項記載の地震による管路の被害予測システム。
  9. 被害予測対象地域における管路の管種をファイルした管路データファイルと、
    前記被害予測対象地域の地質データをファイルした地質データファイルと、
    模擬的な地震の震度データを登録した模擬震度データファイルと、
    前記模擬震度データファイルから模擬的な地震の震度データを読み込む入力手段と、
    前記被害予測対象地域をメッシュ状の複数のエリアに分割し、前記入力手段が入力した模擬的な地震の震度データから前記分割したエリア毎に、順次、震度データを決定し、当該決定した震度データをもとに前記各エリアの地震動の加速度の大きさを推定する加速度推定手段と、
    地震動の加速度の大きさ、管路の管種、地質及び管路被害の関係を関数として持ち、該関数と、前記加速度推定手段で推定した前記各エリアの加速度の大きさ、前記管路データファイル及び前記地質データファイルとに基づいて前記被害予測対象地域における管路の被害を予測する被害予測手段と、
    この被害予測手段による被害予測結果を表示する被害予測結果出力手段と
    を具備することを特徴とする地震による管路の被害予測システム。
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