JP4357005B2 - 生体適合性および/または物理的特性を向上させるための金属表面処理 - Google Patents

生体適合性および/または物理的特性を向上させるための金属表面処理 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、金属表面の生体適合性および/または物理的特性を向上させるための金属表面を処理する方法に関する。本発明はまた、生体適合性金属物品に関する。本発明は、特に医療用デバイスの表面に関する。
イントロダクション
ヒトまたは動物の血液が、身体内または身体の外側のいずれかで、異物表面と接触させられる多くの医療技術が知られている。ある状況において、通常は機械的特性のために、動脈内に、または、例えば身体外部の熱交換器アセンブリ内に位置する冠動脈ステント(血管内プロステーシス)に要求されるように、金属質表面を使用することが必要である。従って、第一の応用において、外部応用において要求されるものが熱輸送特性であるのに対して、金属物体の機械的強度が要求される。しかしながら、両方の応用において、血液または血液関連生成物は金属表面に接触させられ、このことは、次に、血液自身に有害な影響を有し得る。
異物表面に存在する場合、血液は凝固する傾向を有する。異物表面との接触に応答する血液の活性化は、Hageman(F)XIIの活性酵素FXIIaへの転換が引き金となる、内在性の経路により生じることが知られる(Johan Riesenfeldら、Surface Modification with Functionally Active Heparin,Medical Device Technology,March 1995 24〜31頁の図2を参照のこと、この開示は本明細書中参考として援用される)。次いで、これはプロトロンビンを酵素的に活性なトロンビンへ転換する凝固因子FXI、FIX、およびFX、ならびに最終的にFXaの逐次的活性化を開始させ、これが可溶性血漿タンパク質フィブリノーゲンを固体フィブリン血塊へ沈殿させる。凝固システムは、血液および血管壁の一連の調節機構の制御下にあり、最も重要であるのは血漿凝固インヒビター、抗トロンビン(III)である。
ヘパリンは、異種構造およびほぼ6000〜30000ダルトン(原子質量単位)の範囲の分子量を持つ多糖類からなる天然に生じる物質である。これは、抗トロンビン(III)と複合体化してその活性を強力に向上させることによって凝固システムの活性化を抑制することにより、未制御の凝血を阻害する。ヘパリン分子のほぼ3分の1が、抗トロンビンが高い親和性で結合する非常に特異的な構造の配列を含む。特異的配列と結合した場合、凝固酵素は、ヘパリンが非存在の場合よりも数桁大きい速度において阻害される。従って、ヘパリン分子はそれ自身ではインヒビターではないが、しかし抗凝固プロセスの間消費されることなく天然の制御機構のための触媒として作用する。ヘパリンの触媒的性質は、生体活性表面の創造のために所望される性質である。なぜなら、固定化ヘパリンは血液に曝される間機能的に消耗されないが、表面上の安定な活性触媒のままであるからである。
非血栓形成性表面を作成するための方法は、米国特許第3,634,123号において開示される。異物表面と接触することにより誘導される、血液の血栓症を減少するための方法が、カチオン性表面活性剤およびヘパリンのような従来の抗凝固薬で表面を処理することで見られる。この特許において開示される技術は、プラスチック表面に対して適切であるが、しかし金属表面まで拡張され得ない。
University Hospital Rotterdamの循環器科の、Benestent IIのグループは、CBAS Carmeda Inc(Sweden)によりCarmeda Bioactive Surfaceの登録商標のもとで製造される型と類似した、ヘパリン分子の末端が下層をなすポリマーマトリクスと共有結合でカップリングしているヘパリン被覆Palmaz-Schatzステントを開発した。プロセスは、4つの段階からなる:
− 金属表面のエッチ
− 表面にイオン的に付加されるポリアミノ層の導入
− 官能アミノ基の、部分分解したヘパリン分子のアルデヒド基への共有結合
− 還元剤の使用による結合したヘパリンの化学的安定化
この公知のアプローチの利点は、それが、ヘパリン分子を比較的やさしい化学的環境でポリアミノ層に付着させることである。しかしながら、ポリアミノ層は調節された金属表面に物理的に付着されているに過ぎず、そしてそのような付着の強度は幾分心許ない。従って、身体内での連続した使用において、ヘパリンまたは類似の分子が分離した状態になり、それによりステントの効率を減少させ、順に、このことがさらなる手術を要求し得るリスクが存在する。同様に、外部応用において、デバイスの効率は低下し得、そしてこの低下は、デバイスが著しく厳しい条件下できれいにされなければならない場合、促進され得る。最後に、抗凝固薬被覆法は一般に、相対的に高い製造原価を招く。
US-A-5356433は、生物学的に活性な薬剤と金属質表面との間の共有結合での連結の申し立てられた(alleged)形成による、ステントまたは他の医療用デバイスの処置を開示している。一つの実施例において、タンタルのステントは、110℃での硬化(curing)でステントの表面の酸化タンタル層とシランのケイ素との間に結合を形成するように、N-(2-アミノエチル-3-アミノプロピル)トリメトキシシランのエタノール溶液で下塗りされた。次いで、ヘパリンを1,3-エチルジメチル-アミノプロピルカルボジイミド(EDC)を使用してアミノ基とカップリングする。第二の実施例において、アミノ官能基重合シラン、トリメチルシリルプロピル置換ポリエチレンイミンのエタノール溶液は、これもまた110℃での硬化でタンタルステントの表面に結合され、その後ヘパリンはEDCを使用して被覆とカップリングされた。他の実施例は、ステンレス鋼ワイヤー、白金タングステンワイヤー、およびアミノプロピル-トリメトキシシランを下塗りとして使用する。しかしながら、下塗りは加熱しながら行われなければならない。本出願者は、金属表面への共有結合が、不可避にエタノール中に存在する水がメトキシ基とケイ素との間の連結を加水分解するために、およびトリメトキシシラン基と表面酸化物との間の反応が触媒を要求するがそれが存在しないために、記載される条件下で形成されないと考える。その上さらに、ヘパリンは下塗り層に直接に、およびポリマーまたはオリゴマースペーサーアームによって直接ではなくカップリングし、立体的に利用可能ではなく、そしてそれ故にその完全な抗凝固活性を示さない。米国特許第5,607,475号は、金属またはガラス表面上の被覆におけるアミノシランの使用が、高いレベルの生体効率および安定性の両方を持つ表面を提供する上で優れていなかったことを報告している。
US-A-5607475は、体液と接触するための金属表面を有する体内プロステーシスを開示し、表面上に被覆を有する金属表面は以下を含む:
(a)ビニル官能基(functionality)を含むシラン、シランはビニル官能基が表面からつり下がるように金属表面に付着している;
(b)グラフトポリマー、グラフトポリマーは付着したシランのペンダントビニル官能基と共有結合しており、アクリルアミドおよびアクリル酸からなる群より選択される少なくとも1つのエチレン不飽和モノマーでの金属の酸化により開始されるフリーラジカル反応により、グラフトポリマーは形成とペンダントビニル官能基への結合とが同時に行われる;
(c)グラフトポリマーと共有結合されたポリアミンスペーサー;および
(d)スペーサーと共有結合された生体分子。
好適な下塗りは、キシレン中に加えられたトリクロロビニルシランである。しかしながら、これらの条件下、下塗りは金属表面に単に物理的に保持されているにすぎず、そして金属質表面上の酸化物と化学的結合を形成しない。続いて起こるヘパリンの接着のための手順は、長くそして複雑である。記載される方法は、効果的でも実用的でもなく、そして本出願者の情報および確信は、それが実行されてこなかったというものである。
WO 97/07834号は、本当に抗血栓形成性表面を得るために、生体分子の適切な固定化が鍵であること、および基盤または下塗り層の金属またはガラス表面への結合は、表面への共有結合の形成の難しさのために問題があることを認めている。下塗りの工程はキシレン中のトリクロロビニルシランを使用し、そしてそれ故に金属表面との共有結合を形成せず、そして引き続いて起こるヘパリンの付着は手の込んだ多工程手順による。
発明の要旨
本発明は、金属、ガラス、またはセラミックス表面上に下塗り層を提供する工程の問題に関係し、下塗り層は十分に丈夫に接着されており、それは血液または他の生物学的液体との長い接触によく耐え得、このことが生体適合性親水性鎖またはスペーサーアームが下塗り層上に接ぎ木されることを可能にし、そして容易なおよび効果的なヘパリンまたは他の生物学的に活性な分子の付着を可能にする。
一つの局面において、本発明は、その表面に酸化物または水酸化物を有する金属、ガラス、またはセラミックス物品を、表面の生体適合性および/または物理的特性を向上させるために処理する方法を提供し、上述の方法は以下の工程を含む:
上述の表面を、上述の表面の酸化物または水酸化物との反応により少なくとも1個の第一の共有結合を形成し得るアルコキシシラン基を少なくとも1個、およびフリーラジカル重合に関与し得る他の基を少なくとも1個、それぞれの分子が有する官能性分子によって下塗りする工程、下塗りする工程は、非プロトン性有機溶媒中、上述の官能性分子と、および上述の第一の共有結合の形成を促進する酸と、上述の表面を接触させることにより行われる;および
官能性分子の上述の他の基に共有結合で接着した鎖を、上述の鎖に親水性性質を与える少なくとも1個の重合可能なモノマーのフリーラジカルグラフト重合により形成する工程。グラフト重合は、商業規模における生産の容易さのために、および反応の速度のために、好ましくはフリーラジカル重合である。しかしながら、イオンにより開始されるのは付加重合であり得る。
酸の存在下、下塗りは穏やかな条件下で行われ得、それ故にスペーサーアームおよびヘパリンまたは他の生体分子(必要とされる場合)の付着の形成は、穏やかな水性条件下で行われ得る。ヘパリンまたは他の生物学的巨大分子の付着は、スペーサーアームの形成と同時に行われ得るか、またはスペーサーアームは、ヘパリンまたは他の生物学的分子が形成されるように、それらのための付着部位とともに提供され得、その後ヘパリンまたは他の生物学的巨大分子が別個の操作で付着される。
本発明の第二の局面に従って、生体適合性の、金属、ガラス、またはセラミックス物品が提供され、それらの表面はこの表面と共有結合した官能性分子に由来する残基で下塗りされており、ここで上述の官能性分子の残基は1分子あたり1個より多いアルコキシシラン基を有するポリマーであり、そしてここで上述の表面は上述の官能性分子残基と共有結合した生体適合性親水性ポリマー鎖を有する。
好適な特性の説明
それらがモノマーである場合、上述の官能性分子は以下の式のいずれかであり得る:
CH2=CR1-(CH2n-Si(OR23
CH2=CR1-(CH2n-Si(OR22R3または
CH2=CR1-(CH2n-Si(OR2)R3R4
ここで、R1は水素原子またはアルキル基を表し、R2、R3、およびR4はアルキル基を表し、そしてnは0であるか、または正の整数である。上記の分子において、好ましくは、R1は水素、メチル、またはエチルを表し、R2、R3、およびR4はメチルまたはエチルを表し、そしてnの値は0〜6である。R3およびR4の他の基(value)(例えばヒドロキシルまたはクロリド)には、結合生成が干渉されない基が提供され得る。
好ましくは、上述のビニル官能性シラン分子はオリゴマーまたはポリマーであり、そして好ましくは、上述のビニル官能性シラン分子は上述の表面に多数の場所で結合される。
オリゴマーまたはポリマーの好適な群において、官能性分子は、ケイ素原子に直接接続したアルコキシ基を有し、そしてケイ素原子に直接または連結基を介して接続したオレフィンの不飽和基を有する[-Si-O-]n鎖を含む。
好ましくは、官能性分子は鎖のケイ素原子に接続したビニルおよびアルコキシ基を有する。
官能性分子のさらに好適な群の分子は以下を有する:
炭素原子を基にしたオリゴマーまたはポリマー鎖、この鎖はまた、窒素または酸素原子を含み得る;
表面の酸化物または水酸化物と共有結合を形成するための鎖に接続した1個以上のアルコキシシランまたはアルキルアルコキシシラン基;および
フリーラジカル重合に関与し得る1個以上のオレフィンの不飽和基。上記の官能性分子は好ましくは、トリアルコキシシランまたはジアルコキシアルキルシラン基を有し、アルキルは好ましくはメチルまたはエチルである。
使用され得る特定の官能性分子は、以下を1個以上含む:
3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート;
ビニルメトキシシロキサンオリゴマー;
ジエトキシメチルシリル-修飾ポリブタジエン
トリエトキシシリル-修飾ポリブタジエン。
グラフト重合は、好ましくは、多数の型の重合可能な分子を重合して上述のポリマー鎖を形成する工程を含む、フリーラジカル重合を含む。さらに好適な実施態様において、上述の重合可能な分子の少なくとも1つの型が、生体活性な分子への付加的結合に適している。代替的な実施態様において、上述の重合可能な分子の少なくとも1つは修飾生体活性分子である。さらに好適な実施態様において、上述の生体活性分子はヘパリンであるか、または修飾生体活性分子の場合、ヘパリン誘導分子である。
さらに好適な実施態様において、上述の金属表面は医療用デバイスの表面である。
【図面の簡単な説明】
図1は、官能化工程および重合工程を含む、金属デバイスの処理についての概要を示す。
図2は、図1において示された官能化工程の詳細である。
図3は、図1において示された重合工程を行うためのプロセスの詳細である。
図4は、図1において示された重合工程を行うための代替的プロセスの詳細である。
図5は、本発明に従って処理される代表的な金属表面を例示する。
図6は、図5において例示された金属表面と反応する、適切な官能性分子(ビニル官能性シラン分子)の詳細である。
図7は、図5において例示された金属表面と共有結合した、図6において詳述されたシラン分子を例示する。
図8は、フリーラジカル重合に適したビニルモノマーの詳細であり、上述のモノマーはアクリルアミドである。
図9は、生体活性分子へ結合するのに適した第二のビニルモノマーの詳細であり、上述のモノマーは3-アミノプロピルメタクリルアミドとして知られる。
図10は、図7において示された官能化金属質表面の、重合後の化学的構造の詳細であり、ここで重合は、図8において詳述されたアクリルアミド、および図9において詳述された3-アミノプロピルメタクリルアミドを使用してなし遂げられた。
図11は、ヘパリン分子の繰り返し単位の化学的構造の詳細であり、上述の分子は、図10において示されたポリマー鎖の血液適合性をさらに向上するために望ましい。
図12は、図10において示されるような金属質表面の詳細であり、ここで上述の表面はさらにヘパリンで処理されている。
図13は、抗トロンビン(III)と相互作用している、図12において詳述されたようなポリマー鎖を持つ金属質表面を一般的に例示する。
図14は、フィブリンの形成、およびそれ故の血液凝固を阻害するような、抗トロンビン(III)の血液凝固因子との相互作用の詳細である。
図15(a)は、修飾ヘパリンの分子の詳細である。
図15(b)は、図15(a)において示された分子のさらなる詳細であり、これは、図8において示されたようなビニルモノマーとともに、図7において示されたような官能化表面と反応して、図12において示された重合化表面を実質上生成し得る。
図16(a)〜16(c)は、本発明に従って処理され得る代表的な金属医療用デバイスを示す。
図17(a)および17(b)はそれぞれ、未処理のステンレス鋼上の細胞およびフィブリン沈着、および本発明によるヘパリン処理ステンレス鋼上の細胞およびフィブリン沈着の欠如を示す、SEM顕微鏡写真(×800)である。
好適な実施態様の詳細な説明
本発明は、ここで先に示した図面に関してのみ、例として記載される。
金属表面の、例えば血液または血液関連生成物との生体適合性を向上するための、金属表面を処理する方法の概要は、図1において示される。医療用デバイスのような物品の金属表面は、示される方法に従って処理されるのに特に適している。代表的な医療用デバイスは、血液の熱を放散させるための熱交換器、冠動脈ステントおよび末梢ステント(血管内プロステーシス)、経皮的経管冠動脈血管形成術(PTCA)において使用されるようなガイドワイヤ、人工心臓弁および血液または血液関連生成物のような生物学的材料の貯蔵および/または輸送のためのデバイスを含む。最初に、金属物品またはデバイスが、工程101で貯蔵から取り出され、その後工程102で、デバイス表面の官能化に適した化学薬品が選択される。これらの化学薬品は、官能性分子、溶媒、および触媒を含む。示唆されるように、適した官能性分子はビニル官能性シランである。工程103で、金属質物品の表面が官能化または下塗りされる、すなわち工程102で選択された化学薬品で処理される。官能化に続き、工程104で、金属質表面での重合に適した材料が選択され、その後、工程105で示されるように、重合が下塗りされた表面で行われて血液適合性ポリマー鎖を形成する。工程105の重合に続いて、官能化および重合表面を持つデバイスが、工程10で示されるように貯蔵され、そしてそれに続いて工程107で示されるように使用され得る。
所定の金属質デバイスを下塗りまたは官能化するための工程103は、図2において詳述される。工程201で、所定の金属質デバイスの表面(単数または複数)が洗浄される。ステンレス鋼表面の例について、この工程は代表的には、デバイスを、1% w/vの炭酸水素ナトリウム溶液中に60℃で1時間置く工程を含む。他の金属質表面については、記載されるような炭酸水素ナトリウム溶液または別の適した溶液のいずれかを使用し得る。その上さらに、例えば熱交換器のような内部表面が官能化されるべきである金属質デバイスについて、洗浄溶液は、例えば蠕動ポンプおよび適切な連結管を使用して上述のデバイスを通して上述の溶液を引くことにより、デバイスの内部機械装置を通過し得る。工程202で、金属質デバイスは熱水で洗浄され、その後それは、工程203で示されるように、好ましくは室温で乾燥される。工程204で、図1の工程102で選択された官能化化学薬品が調製される。調製は、例えば、適切な溶媒中のビニル官能化シランを少量の付加触媒と一緒に混合する工程を含む。代表的には、ステンレス鋼表面について、適したビニル官能性シランはビニルメトキシシロキサンオリゴマーであり、適した溶媒はトルエンであり、そして適した触媒は数滴の酢酸である。工程205で、デバイスは官能化化学薬品の調製された混合物中に所望の長さの時間置かれる。図2において、時間の長さは2時間として示され、そして適した温度は室温である。温度および時間の長さは、要求される官能化の程度によって変化し得る。従って、デバイスを官能化溶液中にほんの1時間置いておくことが、特定の応用のために要求される官能化を提供する。同様に、官能化の速度に影響を与えるために温度を変化し得る。工程206で、官能化溶液から取り出された官能化デバイスは洗われる。代表的には、デバイスはメタノールのような有機溶媒中で洗われる。工程207で、デバイスは水で洗われて残留するいかなる望ましくない化学薬品も除去される。
先に下塗りされた金属質表面での生体適合性ポリマー鎖との重合のための工程105は、種々の方法で行われ得る。所定の金属質デバイスを重合するための第一の方法は、図3において詳述される。この工程は図1における工程104に続き、ここで要求される重合材料が選択される。工程301で、重合混合物が調製され、そしてこの方法に示されるように、修飾ヘパリンのような適した生体活性分子がこの工程に組み込まれる。選択されるヘパリンは、ヘパリン分子がポリマー鎖へ接着するための手段を提供されている修飾された異版である。代表的には、修飾ヘパリンまたは他の生体活性分子は、さらに重合可能な分子(単数または複数)と混合される。ヘパリンへ付着され得る適した重合可能な分子は、例えばアクリルアミドのような重合可能なビニルモノマーである。次いで、選択された重合可能な分子は、少量のチオ硫酸ナトリウムのようなフリーラジカル指示薬、および少量の過硫酸アンモニウムと混合される。代表的には、混合物は室温で約3時間の間使用されるが、これは再び、使用される正確な温度および時間についての特定の要求の問題である。工程302での重合に続いて、重合化金属質デバイス表面は、工程303で示されるように、水で洗われる。
金属物品の下塗りされた表面でポリマーを形成するための図1における工程105の代替的方法は、図4において詳述される。工程401で、適した重合可能な混合物が調製される。工程401で調製された混合物は生体活性分子を組み込まず、そして適した重合可能な分子は、例えば、少量のチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)および少量の過硫酸アンモニウム(NH4S2O8)とともに水性媒体中に調製されたアクリルアミドおよび3-アミノプロピルメタクリルアミドである。工程402で、金属質デバイスは調製された重合混合物で処理される。処理条件は再び、要求に依存して変化し得るが、しかし代表的には室温で3時間が、多くの医療用デバイスに適している。工程402に続いて、工程403で金属質デバイスは水で洗われ、その後工程404で、例えば市販されている未修飾ヘパリンを含む適した生体活性化化学薬品が調製される。未修飾ヘパリンの場合、調製は、適した溶媒、例えば1-エチル-3-(-3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩との混合物である水にヘパリンを溶解する工程を含む。工程405で、重合化金属質デバイスは、再び適切なように要求される時間の間および要求される温度で、生体活性化混合物中に置かれる。代表的には、室温で6時間の間が、多くの医学的適用に適していることが見いだされている。工程405に続いて、組み込まれた生体活性分子を持つ重合化金属質デバイスが、工程406で示されるように水で洗われる。
金属物品の下塗りされた表面でポリマーを形成する2つの方法(それぞれ図3および4において概して例示される)は、生体活性分子の組み込みを必ずしも導く必要はない。例えば、官能化金属表面からの、例えばアクリルアミドを使用する単純な重合は、上述の官能化表面からの親水性ポリマー鎖を提供する。一般に、そのような親水性ポリマー鎖は、ある程度改良された、所定の金属表面の、血液または血液関連生成物のような生物学的材料との生体適合性を提供する。これは、親水性が表面の潤滑性に関連し、従って上述の表面が物理的により滑りやすいものであり得、これがそれ自身で改良された程度の特定の生物学的材料との適合性を提供するからである。しかしながら、特定の生体活性分子、例えばヘパリン、ヒルジン、またはプロスタグランジンなどの組み込みは、さらに所定の金属表面の生体適合性(血液適合性)を改良する。用語「重合可能な分子」は一般に、所定のポリマー鎖を構築するのに適した材料を示す。上記で示されるように、1種以上の重合可能な分子が使用され得、例えばアクリルアミドが単独で使用されるか、またはアクリルアミドは、重合の間修飾ヘパリンと一緒に、もしくはさらに3-アミノプロピルメタクリルアミドのような非生体活性分子と一緒に使用され、これは生体活性分子の組み込みのための適した結合部位を提供する。
記載されるように、図1〜4は、金属表面の生体適合性を向上させるための上述の表面を処理する2つの方法を詳述する。各方法は、官能性分子を金属表面に共有結合させる工程、続いて官能性分子からフリーラジカル重合をなし遂げて生体適合性ポリマー鎖を構築する工程を含む。
図5は、本発明に従って処理されるべき代表的な金属物品の表面、501を例示する。金属表面は、例えば酸化物層の下に横たわる金属原子502および503の外部層を本質的に含み、上述の酸化物層は、505および506のような結合を介して上述の金属原子に結合した、原子504のような酸素原子を含む。金属原子と酸素原子との間の正確な結合関係は金属原子の原子価に依存する。従って、示される例において、上述の金属原子の原子価が1であり、その結果、上述の金属原子の電子殻は、それぞれ各金属原子について酸素原子への単結合を介して満たされる。
図6は、例えば図5において例示される金属表面のような金属表面と反応するべき適したビニル官能性シラン分子601を詳述する。上述の図の垂直な炭素鎖の各末端で示されるように、厳密にこの図がシラン修飾ポリブタジエン分子の一部分または繰り返し単位を例示する。そのような公知の材料は、ワイヤーおよびケーブル工業のための例えば湿潤電気工学(wet electricals)および使用温度範囲の向上において、ポリマー被覆剤として使用される。例示されるビニル官能性シラン分子の本質的な特徴は、2個のケイ素原子602および605、ならびに二重結合608および609である。ケイ素原子602は、2個のアルコキシ基603および604それぞれに結合する。同様に、ケイ素原子605は、アルコキシル基606および607それぞれに結合する。アルコキシ基603、604、606、および607はそれぞれ、アルキル基Rを含み、これは、例えばメチル基またはエチル基であり得る。基603および604などの、酢酸のような適した加水分解剤との反応は、例えば原子602および605のようなケイ素原子と、図5において例示される原子502および503のような金属表面原子との間の結合形成を促進する。また、炭化水素鎖からのペンダント(pendant)は、オレフィン性不飽和基608および609であり、これはフリーラジカルにより開始されてグラフト重合が起こり生体適合性ポリマー鎖が構築され得る部位を提供する。適したビニル官能性シラン分子は、例えばFluorochem Limited、UKから供給されるようなトリエトキシシリル修飾ポリブタジエンである。
図7は、図6において詳述されたシラン分子の、図5において例示された金属表面への共有結合での付加を例示する。例示は、共有結合703および704を介した酸素701および702を介して金属に結合されたケイ素原子602および605を図式で示す。例示は、各ケイ素原子を表面に付加する2個の共有結合を示し、これは付加の強さおよび確実性のために好ましい。しかしながら、このことは、いくつかの場合において、所定のケイ素原子が酸素原子を介して所定の金属原子へ単一の共有結合により付加され、その場合、上述のケイ素原子に伴う他の結合部位は、例えば、水素原子により占められ得るということであり得る。
図6において例示される分子はポリマーである。ポリマーは繰り返し単位からなるので、そのような単位の全て、または単一の単位、あるいはいくつかが上述の表面へ結合し得、従って多数の場所において金属表面への共有結合を提供する。また、例示される特定の分子は繰り返し単位中に1対のケイ素原子を有することが見られ、従ってこの場合、金属表面へ結合するための複数の部位が、所定の繰り返し単位について利用可能である。
ビニル官能性ポリマーシランの金属質表面との反応は、例えば酢酸のような弱酸から供給されるような水素イオンにより促進される(触媒される)。反応は、例えばトルエンまたはシクロヘキサンのような炭化水素溶媒のような溶媒中で行われる。なぜなら、水が図6における基603および604のような「OR」基を加水分解するという点から、水が所望の反応を妨害するため、あまりに多い水はこの反応に適さないからである。
図8は、図6において示される二重結合608および609からポリマー鎖を実質的に構築するために使用される適した重合可能な分子(ビニルモノマー)を詳述する。示される分子はアクリルアミドであり、そしてこれはアミド基801、および金属表面に共有結合したビニル官能性シラン分子からの、これらの分子のフリーラジカル重合のために使用され得る二重結合802を有する。そのような重合可能なモノマーは、好ましくは水溶性であるが、しかしこの溶解性は本質的なことではない。なぜなら、厳密にそれが重合反応において使用される溶媒に依存し、そして逆もまた同じであるからである。
図9は、3-アミノプロピルメタクリルアミドとして知られる第二の重合可能なモノマーの詳細であり、これは図8において示される分子と一緒にポリマー鎖を構築し得る。フリーラジカル重合(olymerisation)は、二重結合901、およびヘパリンのような生体活性分子の付加結合のための部位を提供する炭素鎖903に付加したアミノ基902を介して起こる。炭素鎖903は、3個の炭素原子からなることがわかるが、しかし他の長さは、特定の応用について適切でありそして好ましいものであり得る。
図10は、図8および9において詳述された重合可能(polymerisaable)分子を使用して、図4において詳述された工程に従って、先に下塗りされた金属質表面での重合を示す。ポリマー鎖1001および1002は、それぞれ共有結合1003および1004によりビニル官能性シラン分子へ共有結合で付加していることがわかる。ブレース(brace)1005における鎖1001の部分は、分子単位であり、アクリルアミドモノマーの組み込みから生じ、そしてブレース(brace)1006における鎖1001の部分は、3-アミノプロピルメタクリルアミドモノマーの組み込みから生じるポリマー鎖の部分である。鎖1001および1002は、それらが主に、ブレース1006における型の臨時の単位とともに、ブレース1005における型の分子単位から成るために、実質的に類似している。3-アミノプロピルメタクリルアミド由来の分子単位の配置はランダムであり、従ってポリマー鎖1001および1002は、この点に関して同一ではない。同様に、フリーラジカル重合はそれ自身ランダムな性質のものであり、従って、ポリマー鎖1001および1002は異なる長さを有する傾向がある。使用される重合可能な分子の相対的な割合は、所定の鎖のどのくらい多くの部分が生体活性分子への付加に適している分子単位により表されるかについてある程度制御を可能にするために変化し得る。この事は、それが生体活性分子に付加する場合、使用される生体活性分子の量を最小限にすることが望ましくあり得るからという点で、重要である。そのような最小化は種々の要因により決定され、一つは利用可能な付加に適した部位の数である。一方で、ヘパリンのような生体活性分子の付加に利用可能な部位の数を最大限にすることが望ましいことであり得、従って重合可能な分子の相対的割合はこの事を促進するために設定され得る。選択された重合可能な分子の個々の割合を支配する主要な要因は、他の重合可能な分子(単数または複数)に対する、所定の分子に関する反応速度である。特定の重合可能な分子(一つは恐らく生体活性分子である)の割合についての制御は、プロセスが、個々の化学薬品および使用される生化学薬品のコストが重要な商業的関心事になる製造業環境においてスケールアップされる場合、特に重要である。
図11は、図10において示されるポリマー鎖内へ組み込むかまたは鎖への結合に対して好適な生体活性分子であるヘパリンの繰り返し単位の化学構造を詳述する。この分子の繰り返し単位は、本質的に、例えば環1101および1102のような5個の付加された単糖類環から成る。カルボキシ基1103は、図10において示される鎖1001および1002のような特定のポリマー鎖へ付加するための手段を提供する。特に、カルボキシ基1003は、図10におけるブレース1006中の分子単位のようなポリマー鎖部分に伴うアミン基に共有結合する。
図12は、共有結合したビニル官能性ポリマーシランで官能化された金属質表面の一部分を模式的に例示し、ここで図4において略述される工程に従って重合により血液適合性ポリマー鎖の形成がなし遂げられ、そしてここで工程405において、生体活性分子の組み込みがなし遂げられる。図12において、血液適合性ポリマー鎖、1201および1202は、ポリマー鎖に沿った種々の位置で、図11において詳述されたように、分子1203のようなヘパリン分子を組み込む。図は一般に、包含される一般的原則を例示し、従って例えば図12において、分子1203は、例示されるように、含まれる分子の大きさの代表ではなく、代表的なヘパリン分子は例えばアクリルアミドモノマーと比較して極端に大きいことに留意するべきである。
図12において詳述される官能化および重合化金属表面は、図13においてより一般的に例示され、ここで金属表面1301は好ましくは医療用デバイスの表面であり、上述のデバイスは血液または血液関連製剤のような生物学的材料と一緒に使用される。表面1301は、ビニル官能性シラン分子1302、1303、および1304がそれぞれ上述の表面に共有結合することにより官能化される。それぞれの個々の上述のビニル官能性シラン分子は、それぞれポリマー鎖1305、1306、および1307に結合し、上述のポリマー鎖は、図4において例示される方法に従って、フリーラジカル重合を介して上述のビニル官能化シラン分子から構築される。分子単位1308および1310のような鎖の特定の部分が、それぞれヘパリン分子のような生体活性分子1309および1311の付加のために提供される。従って、分子単位1308および1310(図10のブレース1006中に詳述される)は、図10において示されるアミン基902と図11において示されるカルボキシ基1103との間に形成される結合を介して、ヘパリン分子に付加される。例示の目的で、分子1302のような任意の所定のビニル官能性シラン分子から発出する、鎖1305のような1本だけのポリマー鎖が示される。実際には、多くのそのような鎖が、特に上述の分子が好適な実施態様における場合であるようにビニル官能性ポリマーシランである場合、所定のビニル官能性シラン分子から発出する。その上さらに、図10において詳述される型のシラン分子は、ポリマーシランの繰り返し単位あたり2個のポリマー鎖を提供することがわかる。図13はまた、遊離分子1312および分子1313のような抗トロンビン(III)の分子を示し、例示される後者は、ヘパリン分子1309と相互作用している。
抗トロンビン(III)の血液との相互作用は、イントロダクションにおいて記述されてきたが、しかしさらなる詳細が図14において提供される。フィブリンの形成のための機構は複雑であり、そして例えば因子1401および1402のような凝固因子の連続した活性化を含む。抗トロンビン(III)は、反応配列における種々の点で連続した機構を阻害し得る。従って、抗トロンビン(III)は、阻害プロセス(矢印)1404により示されるように因子1403の形成を直接阻害し得る。同様に、抗トロンビン(III)は、阻害プロセス1405により示されるように、プロトロンビンのトロンビンへの転換を直接阻害し得る。従って、金属質表面の、抗トロンビン(III)の上述の因子との相互作用を促進し向上する能力は、非常に望ましいものであることがわかる。図13において一般に示される本発明に従ったヘパリン分子の使用は、所定の金属表面に共有結合したヘパリンと抗トロンビン(III)との間の複合体形成を通して上述の表面の血液適合性を改善すると考えられる。
図3において示される代替的方法に従った金属表面での重合は、修飾されたヘパリンマクロマー(macromer)のような生体分子を使用して行われる。適したヘパリンマクロマーは、共発明者K.G.Al-Lameeにより考案された方法に従って製造され得る。この初期に開示された方法は、「合成ポリマーの血液適合性を改良するための化学的方法」という表題で、雑誌「Clinical Materials 10(1992)」に公開されている。図15(a)は、初期に開示された方法に従って製造された修飾ヘパリン分子を詳述し、ここでヘパリン分子1501はアミン分子への共有結合により修飾されており、上述のアミン分子が実質的に化学的鎖1502を形成する。ヘパリン分子1501と化学的鎖1502との間の共有結合は、図15(b)においてさらに詳述され、ここで関連した共有結合1503は、ヘパリン分子1501上の炭素原子と化学的鎖1502上の窒素原子との間に存在することがわかる。
図15(b)において例示される修飾ヘパリン分子は、ポリマー鎖の一部分、または繰り返し単位であることがわかる。この修飾された生体活性分子は、官能化金属質表面の存在下、アクリルアミドのようなビニルモノマーと一緒に反応して、図12において示される重合化表面を実質的に生成し得る。図15(b)において例示される分子は、図3の方法により生成されるものと同一であるポリマー鎖を生成する。修飾ヘパリン分子を使用する官能化および重合化金属質表面は、血液適合性に関して、未修飾ヘパリンを使用する前者の方法が有するのと同じ官能性を実質的に有する金属表面を提供し、上述の官能性は一般に図13において例示される。
ヘパリンを金属の表面上へ組み込むための先に記載された方法の両方が、要求され得るように、他の適した抗凝血薬または任意の他の適した薬物に、代替的に応用され得る。従って、例えば、プロスタグランジン(抗血小板剤)またはヒルジンが、類似の方法により組み込まれ得る。ヘパリンの場合、すでに所定の金属表面へ結合したポリマー鎖への、またはフリーラジカル重合における組み込みのための適した修飾ヘパリン分子を形成するためのいずれかで、適した結合をなし遂げるためにアミン基が必要である。ヒルジンの場合、アミン基ではなくカルボキシル基が必要とされる。同様に、カルボキシル基を含む薬物が、上記の方法に従って、適切なヒドロキシル基を有する化合物を介して結合され得る。
改良された血液適合性を要求する代表的な金属医療用デバイスは、図16(a)〜16(c)において示される。図16(a)は、金属メッシュ(mesh)から作られた冠動脈ステントを例示する。ステントは、封鎖が形成された血管を通る血液の流れを改良するために、上述の血管中の挿入物として使用される。伝統的に、ステントは生物分解性ではない金属質デバイスである。ステントのいくつかの型が、十字交差したワイヤー1601で作られ、これはステントの周りの内皮化について減少された障害と一緒に、血管壁との機械的柔軟性を促進する。しかしながら、ステントの乏しい血液適合性性質に関して、それらの使用についての問題が残る。本発明は、金属ステントの表面の血液適合性を改善し、従って、長い時間、所定の血管中の適所に残され得るステントに備える。多くの型の金属ステントが存在し、あるものは冠動脈に使用され(冠動脈ステント)、そして他のものは末梢で使用される(末梢ステント)。種々の型が存在し、例えば以下を含む:
コイルバネステント、熱形状記憶合金ステント、自己拡張鋼らせん状ステント、自己拡張可能ステンレス鋼メッシュステント、および交互嵌合コイルを含むバルーン拡張ステント。
列挙されるもののような、全ての実際的金属質ステントは、本発明に従った処理に適している。
図16(b)は、身体の外部で使用される金属質医療用デバイスを例示する。例示されるデバイスは熱交換器であり、ここで血液は引入口1602を通ってデバイスに入り、そして内部機械装置1603の周りを循環してから、排出口1604を介してデバイスから出ていく。内部機械装置1603は、デバイスを通って循環する血液と直接接触させられる。本発明は、血液の内部機械装置1603との相互作用を容易にし、従って血液凝固に伴う問題を減少させる。
図16(c)は、さらなる金属質医療用デバイス、PTCAに代表的に使用されるようなガイドワイヤ1605を示す。この型のガイドワイヤは、バルーンを血管内へ挿入するために使用され、ここで血管壁の一部分は、例えば堆積した物質またはプラク(plaque)によって血流を制限している。ガイドワイヤ1605のようなガイドワイヤにより配置されるバルーンの挿入は、本発明に従って改良される。改良は、ガイドワイヤが血液と接触し、そして血液凝固によりその動きを邪魔されるために、生じる。本発明は、ガイドワイヤの表面の生体適合性および平滑潤滑性を改良し、従って血管壁を処理する外科的プロセス全体を容易にする。
本発明は、以下の実験室規模での金属表面の処理の実施例によりさらに例示される。与えられる実施例は、ステンレス鋼およびニチノールに関連するが、本発明はそれらの2種の金属の処理に制限されない。本発明は広範な金属表面の処理に適している。その上さらに、与えられる実施例はそれぞれ、単一の型のビニル官能性シラン分子の使用を組み込むが、実際には、所定の金属表面の官能化のために数種が使用され得る。実施例は、モノマー、ポリマー、およびオリゴマービニル官能性シラン分子の使用を例示する。本発明は、金属物品の血液との改良された適合性に制限されない。本発明は一般に、生物学的材料を持つ多くの金属物品の性能を改良するために適しており、別の重要な例は、特定の医療用デバイスへのバクテリア付着を減少することである。
調製例
ヘパリンマクロマーの生成
ヘパリンマクロマーは、縮合剤1-エチル-3-(2-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)の助けとともに水性溶液中、ヘパリンのカルボキシル基を、以下に記述される式のアミノモノマー(ここでn=3、6、および12)でアミド化することにより生成された(C.H.BamfordおよびK.G.Al-Lamee、Chemical Methods for Improving the Haemocompatibility of Synthetic Polymers、Clinical Materials、10(1992)、243〜261に記載されるとおり)。
CH2=CH(CH3)-CO-NH-(CH2n-NH2
ヘパリン(1.0g、Sigma(Dorset、UK)から購入)を、脱イオン水(8.3ml)およびEDC(0.33gを加えた)に溶解した。pHを5と6との間に調整し、そして30分後、アミノプロピルメタクリルアミド(0.35g)を加えた。混合物を、Spiramix回転ミキサーをによって混合しながら室温で17時間維持した。水酸化ナトリウムを加えることによりpHは8まで上がり、次いで溶液をメタノール中に注いだ。ヘパリンマクロマー(約0.7g)が沈澱し、そして濾過により単離した。CH2=CH(CH3)-基の、沈澱したヘパリンへの組み込みは、NMR分光により確認された。
上記の手順を、n=6およびn=12のモノマーを使用して繰り返し、同様の結果を得た。3種の得られるヘパリンマクロマーのそれぞれが、以下に記載される手順を使用することで、共重合して、その表面上に酸化物膜またはヒドロキシル基を有する金属またはセラミックス物質上に被覆を形成し得る。しかしながら、水性溶媒中のカップリング反応における沈澱の利用可能性および有効性に基づいて、n=3のモノマーが好適である。
実施例1
表面と共有結合したシロキサンオリゴマーを使用したステンレス鋼の処理
(a)官能化
ステンレス鋼の2個のサンプルを、60℃で1時間、炭酸水素ナトリウム溶液(1%w/v)で洗浄し、次いで熱水で洗った。次いで、サンプルを室温で乾燥し、そして室温で2時間、酢酸を10滴含むトルエン中1%のビニルメトキシシロキサンオリゴマー(Fluorochem Limited、Old Glossop、Derbyshire、PSO78.9)と反応させた。引き続きサンプルをメタノールおよび水で洗ってから、重合に供した。
(b)重合
処理された表面を、チオ硫酸ナトリウム(0.1%w/v)および過硫酸アンモニウム(0.1%w/v)を使用して、水性媒体中、室温で3時間、アクリルアミド(10%w/v)およびヘパリンマクロマー(修飾ヘパリン、0.2%w/v)を用いるグラフト重合により官能化ステンレス鋼サンプル上に形成した。グラフト重合を行う前に溶液を窒素で洗い出した。次いで、サンプルを水で注意深く洗ってから、APTT-FS試験を使用して生物学的に試験した。
(c)活性化部分トロンボプラスチン時間-Fs(APTT-FS)
APTT試験は、ヘパリンの有効性をモニターするために広く使用されてきており、ここで凝固時間は利用可能なヘパリンの量に比例して延長される。本試験において、上記のヘパリンで処理されたステンレス鋼の小サンプルを、200μlの血漿を含む試験管中に置き、そして37℃で1分間インキュベートした。使用されたステンレス鋼サンプルの大きさは、4mm×4mmであった。インキュベーションに続いて、200μlのAPTT-FS剤を、血漿および試験サンプルを含む試験管中に加え、次いでさらに3分間37℃でインキュベートした。このインキュベーション期間に続いて、200μlの塩化カルシウム溶液(20mM)を、反応混合物中に加え、そして同時にタイマーを開始させて凝固時間を記録した。APTT結果は、以下の表に示される:
サンプル 凝固時間の平均値(秒)
血漿コントロール 37
未処理のステンレス鋼 9
ヘパリンが共有結合した親水性ステンレス鋼 60
(d)インビトロでのウシ血流試験
200sのACTを持つウシの血液を、蠕動ポンプおよび3.5L/分の循環速度を使用して、未処理およびヘパリン処理したステンレス鋼上で6時間循環させた。循環期間後、ステンレス鋼サンプルを取り出し、そして生理食塩水で洗った。次いで、それらをグルタルアルデヒド(2%)で固定化し、そして走査型電子顕微鏡(SEM)により検査した。再循環血液のサンプルを、そのACTについて試験し、そして試験前の値からの明らかな変化は示されなかった。未処理のサンプルのSEM顕微鏡写真(図17a)は、表面上への細胞およびフィブリンの堆積を示したが、一方で上記される生成された親水性処理およびヘパリン化サンプル上に、そのような堆積は見られなかった(図17b)。これらの結果は、本処理がステンレス鋼に明らかに未処理の材料よりも良い血液適合性を与えることを示している。
(e)表面上のヘパリンの安定性
ヘパリンの、処理された表面上で安定でありそして活性であるままでいる能力を、処理された金属を生理食塩水中37℃で1週間インキュベートすることにより調査した。次いで、APTT試験を行い、これは共有結合で接続されたヘパリンが安定でありその生体活性を保持していることを実証した。
別の処理されたサンプルを、血塊が形成され、そして金属(meal)表面に接続した状態になるように、血液と1時間接触したままにした。血塊をこすることにより除去し、そしてサンプルを水道水の下で洗った。APTT試験を行い、これは凝固時間が未処理のサンプルにおけるよりも長いままであることを示した。
(f)分光的検出
未処理のサンプル、およびモノマーのヘパリンマクロマーに対する異なる比M/Hを有する共重合された材料を持つサンプルを、上記される一般的手順を使用して調製した。サンプルを何度も溶出して、結合していないおよび未反応の化学種を除去した。C/O、N/O、およびS/Oの原子の比を、X-線光電子分光法(XPS)により測定し、以下の結果を得た:
Figure 0004357005
実施例2
表面と共有結合したシランを使用したニッケル/チタン合金の被覆
(a)官能化
ニチノールの2個のサンプルを、60℃で1時間、炭酸水素ナトリウム溶液(1%w/v)で洗浄し、次いで熱水で洗った。次いで、サンプルを室温で乾燥してから、室温で12時間、3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート(Aldrich Chemical Company;酢酸を10滴含むヘキサン中10%)と反応させた。引き続きサンプルをメタノールおよび水で洗ってから、重合に供した。
(b)重合
処理された表面を、チオ硫酸ナトリウム(0.1%w/v)および過硫酸アンモニウム(0.1%w/v)を使用して、水性媒体中、室温で3時間、アクリルアミド(10%w/v)およびヘパリンマクロマー(修飾ヘパリン、0.2%w/v)を用いるグラフト重合により官能化ニチノールサンプル上に形成した。グラフト重合を行う前に溶液を窒素で洗い出した。次いで、サンプルを水で注意深く洗ってから、APTT-FS試験を使用して生物学的に試験した。
(c)活性化部分トロンボプラスチン時間-FS
サンプル 凝固時間の平均値(秒)
血漿コントロール 35
未処理のステンレス鋼 8
ヘパリンが共有結合した親水性ステンレス鋼 61
実施例3
共有結合した材料の形成および続いて起こるヘパリンの接続
(a)官能化
ステンレス鋼の2個のサンプルを、60℃で1時間、炭酸水素ナトリウム溶液(1%w/v)で洗浄し、次いで熱水で注意深く洗った。次いで、サンプルを室温で乾燥してから、室温で2時間、酢酸を10滴含むトルエン中の1%のトリエトキシシリル修飾ポリブタジエン(Fluorochem Limited、PSO78.6)と反応させた。サンプルをメタノールおよび水それぞれで洗ってから、重合に供した。
(b)重合
処理された表面を、チオ硫酸ナトリウム(0.1%w/v)および過硫酸アンモニウム(0.1%w/v)を使用して、水性媒体中、室温で3時間、アクリルアミド(10%w/v)および3-アミノプロピルメタクリルアミド(0.1%w/v)ヘパリンマクロマーを用いるグラフト重合により官能化ステンレス鋼サンプル上に形成した。グラフト重合を行う前に溶液を窒素で洗い出した。次いで、サンプルを水で注意深く洗ってから、室温で6時間、0.1%の未修飾ヘパリン(Fluka Chemical Company)、および0.03%w/vの1-エチル-3(-3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリド(pH4〜5)とカップリングした。次いで、サンプルを水で注意深く洗ってから、APTT-FSを使用して生物学的に試験した。
(c)活性化部分トロンボプラスチン時間-FS
サンプル 凝固時間の平均値(秒)
血漿コントロール 34
未処理のステンレス鋼 10
ヘパリンが共有結合した親水性ステンレス鋼 73
実施例4
さらなる化合物の金属質ステントへの接続
ステンレス鋼ステントを、上記の実施例3において記載されるように、トリエトキシシロキサン修飾ポリブタジエン(Fluorochem)で官能化した。
次いで、処理された表面を、開始剤としてアゾ-シアノ吉草酸を使用して、アクリルアミド(10%w/v)とジピリダモール(dipyridamole)(Persantin)モノエタクリレートエステル(5%w/v)との共重合により、ステンレス鋼ステントのいくつかに調製した。溶液を窒素で洗い出し、そして60℃で3時間重合を行った。次いで、サンプルを水およびメタノールで逐次十分に洗った。
代替的手順として、コモノマーヘパリンマクロマー(修飾ヘパリン、0.2%w/v)としてさらに存在することを除いては、上記で記載されるように処理された表面を調製した。
上記の2つの手順のそれぞれにより作成されたステントを、被覆にイオン的に接続される血管内皮成長因子(VEGF、Sigma、保存溶液、80ng/ml)の溶液にさっと浸した。
上記の2つの手順により作成されたステントのさらなる群を、イオン的に接続されるヒト血小板GPIIbIIIa(Sigma、保存溶液、80ng/ml)中にさっと浸した。
上記のように作成されたステントは、例えばエチレンオキシドを使用して滅菌され、そして滅菌維持容器中に詰められ得る。移植において、ステントは良好な血液適合性を示し、そしてそれらの被覆(coatng)は内皮細胞の成長を助長する。
実施例5
ガラス表面上に共有結合した材料の形成
ガラス管を、10滴の酢酸を含むトルエン中の1%w/vのトリエトキシシリル修飾ポリブタジエン(Fluorochem Ltd)と、室温で30分間反応させた。次いで、管をメタノールおよび水で洗った。
次いで、窒素で洗い出される水性媒体中のアクリルアミド(5%w/v)を使用して、得られた官能化管の表面上にグラフトポリマーを形成した。反応は、窒素で洗い出し続けながら、そしてチオ硫酸ナトリウム(0.1%w/v)および過硫酸アンモニウム(0.1%w/v)を使用して、室温で2時間行われた。非常になめらかな表面被覆が形成され、これは熱水での長時間の洗浄に耐えた。

Claims (40)

  1. 表面に酸化物または水酸化物を有する金属、ガラス、またはセラミックス物品を、表面の生体適合性および/または物理的特性を向上させるために処理する方法であって、該方法は以下の工程:
    該表面の酸化物または水酸化物との反応により少なくとも1個の第一の共有結合を形成し得るアルコキシシラン基を少なくとも1個、およびフリーラジカル重合に関与し得る他の基を少なくとも1個、それぞれの分子が有する官能性分子により該表面を下塗りする工程であって、該表面を非プロトン性溶媒中で、該官能性分子と、および該第一の共有結合の形成するための酸触媒と、接触させることにより行われる、工程;および
    該官能性分子の他の基に共有結合で接着した鎖を、該鎖に親水性特性を与える少なくとも1個の重合可能なモノマーおよび該官能性分子の該他の基のフリーラジカル重合により形成する工程、を含む方法。
  2. 前記物品が、冠動脈ステント(血管内(endovascular)プロステーシス)、末梢ステント、生体材料と一緒に使用するための熱交換器、脈管形成において使用するためのガイドワイヤ、人工心臓弁、生体材料の貯蔵および/または輸送のためのデバイス、あるいは他の医療用デバイスである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記物品が以下のステントのうちの1つである、請求項2に記載の方法:
    コイルバネステント;
    熱形状記憶合金ステント;
    自己拡張鋼らせん状ステント;
    自己拡張可能ステンレス鋼メッシュステント;
    嵌合コイルを含むバルーン拡張ステント。
  4. 前記物品がステンレス鋼またはニチノール(nitanol)製である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記官能性分子がオレフィン不飽和基を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記官能性分子が以下の式のうちのいずれかである、請求項5に記載の方法:
    CH2=CR1-(CH2n-Si(OR23
    CH2=CR1-(CH2n-Si(OR22R3または
    CH2=CR1-(CH2n-Si(OR2)R3R4
    ここで、R1は水素原子またはアルキル基を表し、R2、R3、およびR4はアルキル基を表し、そしてnは0であるか、または正の整数である、方法。
  7. R1は水素、メチル、またはエチルを表し、そしてR2、R3、およびR4はメチルまたはエチルを表し、そしてnの値は0〜6である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記官能性分子がトリアルコキシシラン基を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記官能性分子は、ケイ素原子に直接接続したアルコキシ基を有し、そしてケイ素原子に直接または連結基を介して接続したオレフィンの不飽和基を有する[-Si-O-]n鎖を含む、請求項5に記載の方法。
  10. 前記官能性分子が前記鎖のケイ素原子に接続したビニルおよびアルコキシ基を有する、請求項9に記載の方法。
  11. 前記官能性分子が以下を有する、請求項5に記載の方法:
    炭素原子のオリゴマーまたはポリマー鎖、これは窒素または酸素原子を含み得る;
    前記表面の酸化物または水酸化物と共有結合を形成するための鎖に接続した1個以上のアルコキシシランまたはアルキルアルコキシシラン基;および
    フリーラジカル重合に関与し得る1個以上のオレフィンの不飽和基。
  12. 前記官能性分子がトリアルコキシシラン基を有する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記官能性分子が以下を1個以上含む、請求項5に記載の方法:
    3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリート;
    ビニルメトキシシロキサンオリゴマー;
    ジエトキシメチルシリル-修飾ポリブタジエン
    トリエトキシシリル-修飾ポリブタジエン。
  14. 前記フリーラジカル重合が、多数の異なる重合可能なモノマーの重合を含む、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記ポリマー鎖がアクリルアミド由来の分子単位を含む、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記重合可能な分子の少なくとも1種の型が、生体活性分子と結合する手段を提供する、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記結合する手段がアミン基である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記アミン基が3-アミノプロピルメタクリルアミドにより提供される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記結合する手段がカルボキシル基である、請求項16に記載の方法。
  20. 前記結合する手段がヒドロキシル基である、請求項16に記載の方法。
  21. 前記重合可能な分子の少なくとも1種の型が、重合可能な基を含むように修飾された生体活性分子である、請求項14に記載の方法。
  22. 前記生体活性分子が抗凝固剤または抗血小板剤である、請求項16または21に記載の方法。
  23. 前記抗凝固剤がヘパリンである、請求項22に記載の方法。
  24. 前記抗凝固剤がヒルジンである、請求項22に記載の方法。
  25. 前記抗血小板剤がプロスタグランジンまたはそのアナログである、請求項22に記載の方法。
  26. 前記金属表面の処理が実質的に室温で行われる、請求項1〜25のいずれかに記載の方法。
  27. 前記物品を滅菌する工程、および必要に応じて該物品を滅菌保存容器または包み中に詰め込む工程をさらに含む、請求項1〜26のいずれかに記載の方法。
  28. 請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法により製造された、生体適合性の、金属、ガラス、またはセラミックス物品であって、その表面は該表面と共有結合した官能性分子由来の残基で下塗りされており、ここで該表面は該官能性分子残基と共有結合した生体適合性親水性ポリマー鎖を持ち、そしてここで該残基は1分子あたり1個以上のアルコキシシラン基を有するポリマーである、物品。
  29. 前記ビニル官能性シラン分子が以下を1個以上含む、請求項28に記載の物品:
    ビニルメトキシシロキサンオリゴマー、
    3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、
    ジエトキシメチルシリル-修飾ポリブタジエン、または
    トリエトキシシリル-修飾ポリブタジエン。
  30. 前記生体適合性鎖が血液または血液関連生成物と適合性である、請求項28または29に記載の物品。
  31. 前記ポリマー鎖が多数の型の分子単位から成る、請求項28〜30のいずれかに記載の物品。
  32. 前記分子単位がアクリルアミド由来の単位を含む、請求項31に記載の物品。
  33. 前記分子単位が3-アミノプロピルメタクリルアミド由来の単位を含む、請求項31または32に記載の物品。
  34. 前記分子単位の少なくとも1つの型が共有結合した生体活性分子を含む、請求項31〜33のいずれかに記載の物品。
  35. 前記生体活性分子が血液抗凝固剤または抗血小板剤である、請求項34に記載の物品。
  36. 前記生体活性分子がヘパリンまたはヘパリン誘導分子である、請求項34に記載の物品。
  37. 前記生体活性分子がプロスタグランジンまたはそれに由来する分子である、請求項34に記載の物品。
  38. 前記生体活性分子がヒルジンまたはそれに由来する分子である、請求項34に記載の物品。
  39. 冠動脈ステント(血管内プロステーシス)、末梢ステント、生体材料と一緒に使用される熱交換器、脈管形成において使用されるガイドワイヤ、人工心臓弁、生体材料の貯蔵および/または輸送のために使用されるデバイス、あるいは他の医療用デバイスである、請求項28〜38のいずれかに記載の物品。
  40. 以下のうちの1つである、請求項28〜39のいずれかに記載の物品:
    コイルバネステント;
    熱形状記憶合金ステント;
    自己拡張鋼らせん状ステント;
    自己拡張可能ステンレス鋼メッシュステント;
    嵌合コイルを含むバルーン拡張ステント。
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