JP4356518B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関用点火装置(以下、単に「点火装置」という。)に関するものである。
従来の内燃機関用点火装置は、点火プラグへの高電圧供給を機械式デストリビュータからハイテンションコードを介して行われていた。しかし、近年では、内燃機関の各気筒毎に独立して点火コイル(イグニッションコイル)が設けられ、それぞれの点火コイルから直接点火プラグへ高電圧が供給される形式が主流となりつつある。このような点火装置の場合、従来は、それぞれの点火コイルの上端部をシリンダヘッドカバー等にねじ止めして固定されることが多かった。しかし、最近では、そのねじ止めを廃して点火コイルを直接点火プラグ自体に固定するものが提案されている。そのような技術として、例えば特開2001−115940号公報や特開平11−191476号公報に開示されている。
特開2001−115940号公報 特開平11−191476号公報
ここで、特開2001−115940号公報に開示された点火装置は、シリンダヘッドカバーが樹脂製であることを活用して、シリンダヘッドカバーの上面側に弾性変形可能な係止部を設け、点火コイル側に設けた突起を係止させることで、点火コイルをシリンダヘッドカバーに固定させるものである。しかし、このような弾性変形可能な係止部をシリンダヘッドカバーの上面側に設けることは、シリンダヘッドカバーの成形型の複雑化を招き、コストアップするという問題があった。
また、特開平11−191476号公報に開示された点火装置は、プラグキャップの固定方法を点火コイルに流用したものである。つまり、シール部材によりシリンダヘッドカバーへ固定している。しかし、プラグキャップに比較し、点火コイルの重量は、かなり大きいため、内燃機関(エンジン)等の振動が点火コイルに作用して、点火コイルをシリンダヘッドカバーから抜こうとする外力が大きく働くため、その外力よりもシール部材のしめしろや摩擦によって発生させる保持力を増加させることは困難である。また、保持力増加ができたとしても点火コイルをシリンダヘッドカバーに挿入する際の挿入荷重が増大し、非常に作業性の悪いものとなる。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、シリンダヘッドカバーの成形型は容易にして低コスト化を図ると共に、点火コイルをシリンダヘッドカバーへ挿入する作業性を向上させた場合であっても、点火コイルをシリンダヘッドカバーに確実に固定することができる内燃機関用点火装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る内燃機関用点火装置は、内燃機関のシリンダヘッドの所定面側(例えば、上面側)に配設され嵌挿孔が形成されたシリンダヘッドカバーと、前記嵌挿孔に挿設され一次コイルと二次コイルと該一次コイル及び該二次コイルの少なくとも一部を収納するハウジングとからなり点火用高電圧を発生する点火コイルと、前記嵌挿孔のうち前記点火コイルの前記シリンダヘッド側に挿設されると共に前記点火コイルの前記二次コイルに電気的に接続され前記点火コイルから高電圧が印可されて放電火花を発生する点火プラグと、を備えた内燃機関用点火装置において、前記点火コイルは、さらに、前記ハウジングに嵌装されるシール筒部と、該シール筒部の外周側に環状に突設されると共に最外周端が前記嵌挿孔の内周面に当接し前記点火プラグの反対側の面である第1シール面と前記嵌挿孔の内周面とのなす角度が前記点火プラグ側の面である第2シール面と前記嵌挿孔の内周面とのなす角度より大きく形成されたシール突環部と、からなるシール部材を有することを特徴とする。
請求項2に係る内燃機関用点火装置は、前記シール突環部は、軸方向に複数を有することを特徴とする。
請求項3にかかる内燃機関用点火装置は、前記ハウジングは、外周側にハウジング環状溝を形成し、前記シール筒部は、前記ハウジング環状溝に嵌合することを特徴とする。
請求項4に係る内燃機関用点火装置は、前記第1シール面と前記嵌挿孔の内周面とのなす角度は90度以上であり、前記第2シール面と前記嵌挿孔の内周面とのなす角度は90度未満であることを特徴とする。
請求項5に係る内燃機関用点火装置は、前記ハウジングは、外周側に突設したハウジング突環部を有し、前記シール筒部は、前記ハウジング突環部に嵌合するシール筒部環状溝が内周側に形成されることを特徴とする。
請求項6に係る内燃機関用点火装置は、前記シール筒部環状溝は、前記シール突環部より前記点火コイルの挿入方向側に形成されることを特徴とする。
請求項7に係る内燃機関用点火装置は、前記ハウジング突環部のうちの前記点火プラグの反対側の面である第1ハウジング面は、前記ハウジングの外周面に対するなす角度が90度以上であることを特徴とする。
請求項8に係る内燃機関用点火装置は、前記ハウジング突環部のうちの前記点火プラグ側の面である第2ハウジング面は、前記ハウジングの外周面に対するなす角度が90度未満であることを特徴とする。
請求項9に係る内燃機関用点火装置は、前記嵌挿孔のうち少なくとも前記シール突環部が当接する部位は、前記シリンダヘッドの反対側(例えば、上面側)からシリンダヘッド側(例えば、下面側)に向かって傾斜拡径して形成されたことを特徴とする。
請求項10に係る内燃機関用点火装置は、前記ハウジングは、前記シール部材の軸方向両端側のうち少なくとも何れか一方の軸方向端側に配設され前記嵌挿孔との間に所定径方向間隙を形成して前記嵌挿孔に遊挿されたシールガイド部を有することを特徴とする。
請求項11に係る内燃機関用点火装置は、前記所定径方向間隙は、前記シール部材による前記嵌挿孔への面圧が所定値以上となる間隙であることを特徴とする。
請求項12に係る内燃機関用点火装置は、前記シリンダヘッドカバーは、前記嵌挿孔の外側であって前記嵌挿孔の挿入口を挟設して対向して立設された一対の壁部を有し、前記ハウジングは、前記嵌挿孔に挿設されたハウジング挿設部と前記ハウジング挿設部の端側に配設され前記嵌挿孔の外側に突出して前記一対の壁部の間に配設されたハウジング突出部とを有し、さらに、前記ハウジング突出部の外周側であってそれぞれの前記一対の壁部に対向する位置に固定された略板状の外部シール板部と、該外部シール板部の前記一対の壁部側に突設されると共に最外周端が前記一対の壁部の対向面に当接し前記点火プラグの反対側の面である第1外部シール面と前記一対の壁部の対向面とのなす角度が前記点火プラグ側の面である第2外部シール面と前記一対の壁部とのなす角度より大きく形成された外部シール突部と、からなる外部シール部材を有することを特徴とする。
請求項13に係る内燃機関用点火装置は、内燃機関のシリンダヘッドの所定面側(例えば、上面側)に配設され嵌挿孔が形成されたシリンダヘッドカバーと、前記嵌挿孔に挿設され一次コイルと二次コイルと該一次コイル及び該二次コイルの少なくとも一部を収納するハウジングとからなり点火用高電圧を発生する点火コイルと、前記嵌挿孔のうちの前記点火コイルの前記シリンダヘッド側に挿設されると共に前記点火コイルの前記二次コイルに電気的に接続され前記点火コイルから高電圧が印可されて放電火花を発生する点火プラグと、を備えた内燃機関用点火装置において、前記シリンダヘッドカバーの前記嵌挿孔は、前記点火プラグ側に拡径した拡径段差部が形成され、前記点火コイルは、さらに、前記ハウジングに嵌装されるシール筒部と、該シール筒部の外周側に環状に突設されると共に前記点火プラグの反対側の面である第1シール面が前記拡径段差部に係合するシール突環部と、からなるシール部材を有することを特徴とする。
請求項14に係る内燃機関用点火装置は、前記シール突環部は、最外周端が前記嵌挿孔の内周面に当接し前記点火プラグの反対側の面である第1シール面と前記嵌挿孔の内周面とのなす角度が前記点火プラグ側の面である第2シール面と前記嵌挿孔の内周面とのなす角度より大きく形成されたことを特徴とする。
請求項15に係る内燃機関用点火装置は、前記シリンダヘッドカバーの前記嵌挿孔は、前記拡径段差部の前記点火プラグ側に縮径した縮径段差部が形成され、前記シール筒部は、前記点火プラグ側端である第2端の内周側と前記ハウジングとの間に空隙を形成し、さらに、少なくとも一部が前記ハウジングと前記シール筒部の前記第2端の内周側との間に配設されると共に軸方向に直動可能に摺設され、前記縮径段差部に係止する直動リング爪を有し、前記点火コイルを前記嵌挿孔へ挿入する際に前記ハウジングと前記シール筒部と前記直動リング爪とにより第1空隙を形成し、前記点火コイルを前記嵌挿孔へ挿入した後に前記ハウジングと前記シール筒部と前記直動リング爪により空隙を形成しない又は前記第1空隙より狭い第2空隙を形成することを特徴とする。
請求項16に係る内燃機関用点火装置は、内燃機関のシリンダヘッドの所定面側(例えば、上面側)に配設され嵌挿孔が形成されたシリンダヘッドカバーと、前記嵌挿孔に挿設され一次コイルと二次コイルと該一次コイル及び該二次コイルの少なくとも一部を収納するハウジングとからなり点火用高電圧を発生する点火コイルと、前記嵌挿孔のうち前記点火コイルの前記シリンダヘッド側に挿設されると共に前記点火コイルの前記二次コイルに電気的に接続され前記点火コイルから高電圧が印加されて放電火花を発生する点火プラグと、を備えた内燃機関用点火装置において、前記シリンダヘッドカバーの前記嵌挿孔は、前記点火プラグ側に拡径した拡径段差部が形成され、前記点火コイルは、前記ハウジングの外周面に嵌装されるとともに、最外周端が前記嵌挿孔の内周面を押圧するゴム製のシール部材と、前記ハウジングの外周面側に配設され径方向外側に突設すると共に前記拡径段差部に係合する突設部を形成した係合爪と、を有することを特徴とする。
請求項17に係る内燃機関用点火装置は、前記拡径段差部及び/又は前記縮径段差部は、前記シリンダヘッドカバーを型形成により形成する割型の境界部であることを特徴とする。
請求項18に係る内燃機関用点火装置は、前記拡径段差部及び/又は前記縮径段差部は、前記シリンダヘッドカバーのガスケットが配設される部位であることを特徴とする。
請求項19に係る内燃機関用点火装置は、前記点火コイルは、さらに、前記ハウジング内に配設され前記二次コイルに電気的に接続されると共に前記点火プラグの頭部端子に係合し前記点火プラグに電気的に接続される筒状の高圧接続固定部を有する高圧ターミナルを備え、前記高圧接続固定部は、前記点火プラグ側に延在すると共に前記点火プラグの頭部端子に係合し前記点火プラグの頭部端子に電気的に接続する突起部が形成された延在部を周方向に少なくとも3以上有することを特徴とする。
請求項20に係る内燃機関用点火装置は、前記点火プラグは、外周側に外周溝が形成されたプラグハウジングと、少なくとも一部を該プラグハウジング内に収納された導電部と、を有し、さらに、一端側が前記ハウジングに固定され他端側が前記プラグハウジングの前記外周溝に係止可能なプラグハウジング係止部材を有することを特徴とする。ここで、点火プラグの導電部は、上述した高電圧が印加される頭部端子、並びに、燃焼室内に突出される陽電極及び接地電極を含む。プラグハウジングは、円筒状に形成されており、点火プラグの一部を内部に収納している。そして、プラグハウジングの外周側には、シリンダヘッドに形成された雌ねじ部に噛合される雄ねじ部が形成されている。さらに、このプラグハウジングをシリンダヘッドに締め付けるための締付リブが形成されている。ここで、上述したプラグハウジングの外周溝は、例えば、締付リブと雄ねじ部との間としてもよい。この場合は、前記プラグハウジング係止部材は、締付リブのうちの燃焼室側の端面に係止されることになる。
請求項1に係る内燃機関用点火装置によれば、点火プラグの反対側の面である第1シール面とシリンダヘッドカバーの嵌挿孔の内周面とのなす角度が、点火プラグ側の面である第2シール面と前記嵌挿孔の内周面とのなす角度より大きく形成されている。すなわち、シール突環部の断面形状が、軸方向非対称に形成されている。これにより、点火コイルを嵌挿孔に挿入する際に作用するシール突環部による嵌挿孔への面圧は、点火コイルを嵌挿孔から抜き出す際に作用するシール突環部による嵌挿孔への面圧より小さくすることができる。つまり、点火コイルを嵌挿孔に挿入しやすく、かつ、点火コイルを嵌挿孔から抜き出しにくくなる。ここで、点火コイルが嵌挿孔から抜き出しにくくすることは、点火コイルを嵌挿孔から抜き出すための外力以下であれば点火コイルを嵌挿孔に固定することができることになる。
このように、シリンダヘッドカバーの所定面側(例えば、上面側)に弾性変形可能な係止部を設けることなく、シール部材のみにより嵌挿孔に点火コイルを固定することができる。さらに、点火コイルの挿入する作業性を良好にした場合であっても、点火コイルを嵌挿孔に確実に固定することができる。なお、第1シール面と嵌挿孔の内周面とのなす角度及び第2シール面と嵌挿孔の内周面とのなす角度を適宜変更することにより、点火コイルの嵌挿孔への固定力及び点火コイルの嵌挿孔へ挿入する作業性を適宜調整することができる。
なお、シール突環部は、最外周端がシリンダヘッドカバーの嵌挿孔の内周面に当接しているので、外部から点火コイルとシリンダヘッドカバーの嵌挿孔との隙間に、水分や油分の進入を確実に防止することができる。
請求項2に係る内燃機関用点火装置によれば、シール突環部を複数有しているので、点火コイルが嵌挿孔からより抜き出しにくくすることができる。つまり、点火コイルの嵌挿孔への固定力を増大することができる。なお、このように点火コイルの固定力を増大した場合であっても、第2シール面と嵌挿孔の内周面とのなす角度を調整することにより、点火コイルの嵌挿孔への挿入作業性は良好に保持することができる。また、シール突環部を複数有することは、シール性をより向上することにつながる。
請求項3にかかる内燃機関用点火装置によれば、ハウジングに形成されたハウジング環状溝にシール筒部を嵌合させているので、容易にかつ確実にシール部材をハウジングに固定することができる。
請求項4に係る内燃機関用点火装置によれば、第1シール面と嵌挿孔の内周面とのなす角度が90度以上であるので、点火コイルを嵌挿孔から抜き出す際に、確実にシール突環部の嵌挿孔への面圧を大きくすることができる。なお、第1シール面と嵌挿孔の内周面とのなす角度を90度付近とした場合が、最もシール突環部の嵌挿孔への面圧を大きくすることができる。さらに、第2シール面と嵌挿孔の内周面とのなす角度が90度未満であるので、点火コイルを嵌挿孔への挿入作業性をより良好に保持することができる。なお、第2シール面と嵌挿孔の内周面とのなす角度を0度付近とした場合が、最もシール突環部の嵌挿孔への面圧を小さくすることができ、挿入作業性をより良好に保持することができる。
請求項5に係る内燃機関用点火装置によれば、ハウジング突環部とシール部材のシール筒部のシール筒部環状溝とが嵌合することにより、点火コイルを嵌挿孔へ挿入する際にはより確実にシール部材の嵌挿孔への面圧を小さくすることができ、点火コイルを嵌挿孔から抜き出す際には、より確実にシール突環部の嵌挿孔への面圧を大きくすることができる。
請求項6に係る内燃機関用点火装置によれば、シール筒部環状溝がシール突環部より点火コイルの挿入方向側、すなわち、点火プラグ側に形成されているので、点火コイルを嵌挿孔へ挿入する際には、シール突環部がハウジング突環部により挿入方向側に引っ張られるため、シール突環部のうちの嵌挿孔との接触部分がハウジング側へ移動して、その結果シール突環部の嵌挿孔への面圧をより小さくすることができる。一方、点火コイルを嵌挿孔から抜き出す際には、シール突環部がハウジング突環部により抜き出し方向側へ押し上げられるため、シール突環部のうち嵌挿孔との接触部分が嵌挿孔側へ移動して、その結果シール突環部の嵌挿孔への面圧をより大きくすることができる。
請求項7に係る内燃機関用点火装置によれば、点火プラグの反対側の面である第1ハウジング面とハウジングの外周面に対するなす角度が90度以上であるので、点火コイルを嵌挿孔から抜き出す際に、シール突環部のうち嵌挿孔との接触部分を嵌挿孔側へより移動させることができる。その結果、シール突環部の嵌挿孔への面圧をより大きくすることができる。
請求項8に係る内燃機関用点火装置によれば、点火プラグ側の面である第2ハウジング面とハウジングの外周面に対するなす角度が90度未満であるので、点火コイルを嵌挿孔へ挿入する際に、シール突環部のうち嵌挿孔との接触部分をハウジング側へより移動させることができる。その結果、シール突環部の嵌挿孔への面圧をより小さくすることができる。
請求項9に係る内燃機関用点火装置によれば、嵌挿孔のシリンダヘッドの反対側(例えば、上面側)の内径がシリンダヘッド側(例えば、下面側)の内径より小さく形成されている。これにより、点火コイルが嵌挿孔に挿設された場合に、シール部材と嵌挿孔とのくさび効果により、点火コイルを嵌挿孔から抜き出しにくくすることができる。
請求項10に係る内燃機関用点火装置によれば、シールガイド部により、シール部材の最外周端側を確実に嵌挿孔に当接させた状態を維持することができる。これにより、良好なシール性を確保することができる。
請求項11に係る内燃機関用点火装置によれば、シール部材による嵌挿孔への面圧を所定値以上とすることができるので、良好なシール性をより確実に確保することができる。
請求項12に係る内燃機関用点火装置によれば、点火プラグの反対側の面である第1外部シール面と一対の壁部の対向面とのなす角度が、点火プラグ側の面である第2外部シール面と前記一対の壁部の対向面とのなす角度より大きく形成されている。すなわち、外部シール突部の軸方向断面形状が、軸方向非対称に形成されている。これにより、点火コイルを嵌挿孔に挿入する際に作用する外部シール突部による一対の壁部への面圧は、点火コイルを嵌挿孔から抜き出す際に作用する外部シール突部による嵌挿孔への面圧より小さくすることができる。つまり、点火コイルを嵌挿孔に挿入しやすく、かつ、点火コイルを嵌挿孔から抜き出しにくくなる。
請求項13に係る内燃機関用点火装置によれば、点火コイルのシール突環部がシリンダヘッドカバーの嵌挿孔に形成された拡径段差部に係合するので、点火コイルを嵌挿孔へ確実に固定することができる。すなわち、内燃機関の振動等により点火コイルが嵌挿孔から抜け出すことを確実に防止することができる。さらに、シリンダヘッドカバーの所定面側(例えば、上面側)に係止部を形成する場合に比べて、シリンダヘッドカバーの内周面に拡径段差部を形成することは、非常に容易にできる。その結果、低コスト化を図ることができる。さらに、シール部材を用いて拡径段差部に係合させているので、新たな固定部品を設ける必要がなく、この点からも低コスト化を図ることができる。
請求項14に係る内燃機関用点火装置によれば、点火プラグの反対側の面である第1シール面とシリンダヘッドカバーの嵌挿孔の内周面とのなす角度が、点火プラグ側の面である第2シール面と前記嵌挿孔の内周面とのなす角度より大きく形成されている。すなわち、シール突環部の断面形状が、軸方向非対称に形成されている。これにより、点火コイルを嵌挿孔に挿入する際に作用するシール突環部による嵌挿孔への面圧は、点火コイルを嵌挿孔から抜き出す際に作用するシール突環部による嵌挿孔への面圧より小さくすることができる。つまり、点火コイルを嵌挿孔に挿入しやすく、かつ、点火コイルを嵌挿孔から抜き出しにくくすることができる。
請求項15に係る内燃機関用点火装置によれば、点火コイルを嵌挿孔へ挿入する際には、第1空隙にシール部材の一部が移動する。そのため、シール部材の嵌挿孔への面圧は、より小さくなる。つまり、点火コイルを嵌挿孔へ挿入する際の作業性は、より向上させることができる。さらに、点火コイルを嵌挿孔へ挿入した後は、ハウジングとシール部材のシール筒部と直動リング爪との間には空隙が形成されないか、もしくは、第1空隙より狭い第2空隙が形成されることにより、シール部材の嵌挿孔への面圧は十分に確保することができる。つまり、点火コイルを嵌挿孔から抜き出しにくくすることができる。
請求項16に係る内燃機関用点火装置によれば、係合爪がシリンダヘッドカバーの嵌挿孔に形成された拡径段差部に係合するので、点火コイルを嵌挿孔へ確実に固定することができる。すなわち、内燃機関の振動等により点火コイルが嵌挿孔から抜け出すことを確実に防止することができる。さらに、シリンダヘッドカバーの所定面側(例えば、上面側)に係止部を形成する場合に比べて、シリンダヘッドカバーの内周面に拡径段差部を形成することは、非常に容易にできる。その結果、低コスト化を図ることができる。
請求項17に係る内燃機関用点火装置によれば、拡径段差部及び/又は縮径段差部は、シリンダヘッドカバーの型形成の割型の境界部としているので、複雑な型を形成することなく、拡径段差部及び縮径段差部を形成することができる。
請求項18に係る内燃機関用点火装置によれば、拡径段差部及び/又は縮径段差部は、ガスケットが配設される部位としているので、何ら新たに型を形成して製造することなく拡径段差部及び縮径段差部を形成することができる。
請求項19に係る内燃機関用点火装置によれば、点火コイルが、点火プラグの頭部端子に係合する高圧接続固定部を有するので、さらに点火コイルを嵌挿孔から抜き出しにくくすることができる。
請求項20に係る内燃機関用点火装置によれば、プラグハウジング係止部材を有することにより、さらに点火コイルを嵌挿孔から抜き出しにくくすることができる。
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
(点火装置の全体構成)
まず、本実施形態における点火装置の全体構成について主として図1を参照して説明する。図1は、本実施形態の点火装置の全体構成の軸方向断面図を示す。図1に示すように、点火装置は、シリンダヘッドカバー100と、点火プラグ200と、点火コイル1とから構成される。
シリンダヘッドカバー100(一部図示)は、エンジン(内燃機関)のシリンダヘッド(図示せず)の上部側(所定面側)に配設されている。このシリンダヘッドカバー100は、上面側からシリンダヘッド側まで貫通した嵌挿孔(以下、「プラグホール」という)101が気筒毎に形成されている。このプラグホール101には、後述する点火プラグ200及び点火コイル1が脱着可能に嵌挿されている。プラグホール101は、下方に向かって縮径された縮径段差部102が形成されている。
ここで、プラグホール101の縮径段差部102の詳細な構成について、図2を参照して説明する。図2に示すように、シリンダヘッドカバー100は、第1カバー(カムカバー)103と、ガスケット104と、第2カバー105とから構成される。すなわち、シリンダヘッド(図示せず)の上部側に第2カバー105が配設され、その第2カバー105の上部側にガスケット104が配設され、このガスケット104の上部側に第1カバー103が配設されている。そして、プラグホール101のうちの第2カバー105により形成される部分の径は、プラグホール101のうちのガスケット104により形成される部分の径の方より小さく形成されている。さらに、プラグホール101のうちのガスケット104により形成される部分の径は、プラグホール101のうちの第1カバー103により形成される部分の径より大きく形成されている。すなわち、プラグホール101は、上方に向かって拡径されており、ガスケット104部分に溝が形成されることになる。
点火プラグ200は、シリンダヘッドカバー100のプラグホール101に挿設されている。そして、この点火プラグ200は、後述する点火コイル1のシリンダヘッド側、すなわち点火コイル1の下方側に配設されている。この点火プラグ200は、上部側に点火コイル1の二次コイル40(後述する)に電気的に接続される頭部端子201を備えている。この頭部端子201の軸方向中央には、溝部202が形成されている。そして、点火プラグ200は、頭部端子201を介して、点火コイル1から点火用高電圧が印可されて放電火花を発生する。
点火コイル1は、上述したように、シリンダヘッドカバー100のプラグホール101内に点火プラグ200と共に収納されている。この点火コイル1は、点火プラグ200の上方側に配設され、かつ、電気的に接続されている。
そして、点火コイル1は、コイルハウジング2を備えている。このコイルハウジング2は、樹脂製であり、上方に向かって拡径する段差円筒状に形成されている。そして、コイルハウジング2の拡径した上端部には、広口部(ハウジング突出部)20が形成されている。この広口部20の側壁の一部には、切欠窓21が形成されている。この広口部20は、プラグホール101の外側に突出している。つまり、コイルハウジング2のうち広口部20を除く部分(ハウジング挿設部)がプラグホール101に挿設されている。そして、コイルハウジング2の拡径した部分(コイルハウジング拡径部)22の外周側には、シール部材150が嵌装されている。このシール部材150は、ゴム製である。なお、シール部材150の詳細については後述する。
また、コイルハウジング2の内部には、中心コア部5と一次スプール3と一次コイル30と二次スプール4と二次コイル40とが収納されている。
このうち、中心コア部5は、中心コア54と弾性部材50とゴムチューブ52とからなる。中心コア54は、幅の異なる短冊状の珪素鋼板を直径方向に積層して形成されており、棒状に形成されている。弾性部材50は、シリコンゴム製であって、円柱状に形成されている。この弾性部材50は、中心コア54の上端面と下端面に計二つ配設されている。ゴムチューブ52は、筒状に形成されている。そして、中心コア54及び弾性部材50は、このゴムチューブ52により被覆されている。
二次スプール4は、樹脂製であって、有底円筒状に形成されている。二次スプール4は、中心コア部5と同軸的に、かつ、中心コア部5の外周側に配設されている。二次コイル40は、二次スプール4の外周面に巻回されている。また、二次スプール4の上端面からは、上方向に向かって延びるスプール側係合爪41が立設されている。このスプール側係合爪41は、周方向に離間して計三つ配設されている。
一次スプール3は、二次スプール4と同軸的に、かつ、二次スプール4の外周側に配設されている。一次コイル30は、一次スプール3の外周面に巻回されている。また、一次スプール3の外周側には、長手方向に貫通するスリットの入った円筒状の外周コア31が配置されている。
コネクタ部6は、コイルハウジング2の広口部20に配設されている。コネクタ部6は、信号入力用コネクタ64とイグナイタ65とを備えている。この信号入力用コネクタ64は、樹脂製であって角筒状に形成されている。また、信号入力用コネクタ64は、広口部20の切欠窓21から拡径方向に突出して配設されている。
イグナイタ65は、樹脂製であって直方体状に形成されている。このイグナイタ65は、広口部20のほぼ中心に配置されており、信号入力用コネクタ64の縮径側端部に一体的に形成されている。イグナイタ65の下端面62には、リング状の位置決めリブ63が下方に向かって立設されている。この位置決めリブ63は、中心コア部5の弾性部材50と、二次スプール4との隙間に上方から介挿されている。この位置決めリブ63により、コイルハウジング2内における中心コア5と二次スプール4との位置決めがなされている。また、下端面62における位置決めリブ63の外周側には、イグナイタ側係合爪66が下方に向かって立設されている。このイグナイタ側係合爪66も、前記スプール側係合爪41と同様に、周方向に離間して計三つ配設されている。そして、イグナイタ側係合爪66とスプール側係合爪41とが係合することにより、イグナイタ65を保持しているコネクタ部6に二次スプール4が係止されている。
高圧タワー部7は、コイルハウジング2の下方側に配設されている。高圧タワー部7は、タワーハウジング70と高圧ターミナル71とを備えている。
タワーハウジング(ハウジング挿設部)70は、樹脂製であって、円筒状に形成されている。タワーハウジング70の上側内周面には、全周に突設した突環ガイド部72が形成されている。この突環ガイド部72は、高圧ターミナル71に当接し、高圧ターミナル71を径方向に位置決めする。また、タワーハウジング70の下側内周側には、円筒形状からなるゴム製のプラグキャップが嵌装されている。
高圧ターミナル71は、金属製であって上端側に底面を有する有底筒状に形成されている。さらに、高圧ターミナル71の上端面中央には、上方に向かって突出する円柱状の凸部75が形成されている。この凸部75は、二次スプール4の下端部に挿入されている。一方、高圧ターミナル71の下方側の筒部(高圧接続固定部)76は、外周側が突環ガイド部72に位置決めされている。そして、高圧ターミナル71の筒部76は、下方側が点火プラグ200の頭部端子201の溝部202に電気的に接触している。さらに、高圧ターミナル71の高圧接続固定部76は、点火プラグ200の頭部端子201に係合している。なお、高圧ターミナル71の高圧接続固定部76の詳細については後述する。
エポキシ樹脂8は、コイルハウジング2内及びタワーハウジング70内に配設された各部材間に介在している。このエポキシ樹脂8は、エポキシプリポリマと硬化剤とを、広口部20から予め真空引きしたコイルハウジング2内及びタワーハウジング70内に注入することにより、各部材間に循環浸透硬化する。このエポキシ樹脂8は、各々の部材同士を接合し、かつ、部材間の絶縁性を確保する役割を有する。
(点火装置の動作)
次に、点火装置の動作について説明する。まず、制御信号が信号入力用コネクタ64からイグナイタ65を介して一次コイル30に伝達される。そして、この制御信号による相互誘導作用で、二次コイル40に点火用高電圧が発生する。二次コイル40に発生した点火用高電圧は、高圧ターミナル71を介して点火プラグ200に伝達される。そして、この点火用高電圧により点火プラグ200のギャップに放電火花が発生する。
(シール部材150の詳細構成)
(第1実施形態のシール部材等の構成)
次に、第1実施形態のシール部材150等の詳細な構成について、図2及び図3を参照して説明する。図2は、シール部材150を含む点火装置の軸方向部分断面図を示す。図3は、点火コイル1をプラグホール101に挿入する際と、点火コイル1をプラグホール101から抜き出す際におけるシール部材150の変形態様を示す。
図2に示すように、シール部材150は、シール筒部151とシール突環部152とから構成される。
シール筒部151は、コイルハウジング拡径部22に嵌装されており、筒状に形成されている。シール突環部152は、シール筒部151の外周側全周に突設されて形成されている。このシール突環部152は、軸方向に三カ所形成されている。そして、シール突環部152の最外周端155は、プラグホール101に挿入された状態においてプラグホール101のうちの第1カバー103の内周面に当接している。また、シール突環部152は、軸方向(上下方向)に対して非対称に形成されている。具体的には、シール突環部152のシール上面(第1シール面)153とプラグホール101の内周面とのなす角度(上側角度)θが、シール突環部152のシール下面(第2シール面)154とプラグホール101の内周面とのなす角度(下側角度)ψより大きく形成されている。ここでは、上側角度θを90°とし、下側角度ψを30°としている。
そして、点火コイル1をプラグホール101に挿入する際について図3(a)を参照して説明する。図3(a)の二点鎖線は、点火コイル1をプラグホール101に挿入されていない状態のシール部材150の形状を示し、図3(a)の実線は、点火コイル1をプラグホール101に挿入する際のシール部材150の形状を示す。点火コイル1をプラグホール101に挿入する際には、シール突環部152の下面角度ψが30°の角度であるので、シール突環部152がプラグホール101への引っかかりが少ない。その結果、シール突環部152は軸中心側へ移動して、シール突環部152によるプラグホール101への面圧が減少する。このように、シール突環部152によるプラグホール101への面圧が減少することは、点火プラグ1をプラグホール101への挿入作業性が向上することとなる。
一方、点火コイル1をプラグホール101から抜き出す際について図3(b)を参照して説明する。図3(b)の二点鎖線は、点火コイル1をプラグホール101に挿入されていない状態のシール部材150の形状を示し、図3(b)の実線は、点火コイル1をプラグホール101から抜き出す際におけるシール部材150の形状を示す。点火コイル1をプラグホール101から抜き出す際には、シール突環部152の上面角度θが90°であるので、シール突環部152がプラグホール101への引っかかりが大きい。その結果、シール突環部152は外周側へ移動して、シール突環部152によるプラグホール101への面圧が増大する。このように、シール突環部152によるプラグホール101への面圧が増大することは、点火プラグ1をプラグホール101から抜き出しにくくなる。つまり、エンジン等の振動により、点火プラグ1が抜け出すことを防止することができる。
(第1実施形態の変形態様のシール部材等の構成)
次に、第1実施形態の変形態様のシール部材150等の詳細な構成について図4を参照して説明する。図4に示すように、本実施形態のシール部材150は、上記第1実施形態のシール部材150に対して、シール突環部152のみの形状が異なる。すなわち、本実施形態におけるシール突環部152は、シール筒部151の外周側全周に突設されて形成されている。このシール突環部152は、軸方向に三カ所形成されている。そして、シール突環部152の最外周端155は、プラグホール101に挿入された状態においてプラグホール101のうちの第1カバー103の内周面に当接している。また、シール突環部152は、軸方向(上下方向)に対して非対称に形成されている。具体的には、シール突環部152のシール上面(第1シール面)153とプラグホール101の内周面とのなす角度(上側角度)θが、シール突環部152のシール下面(第2シール面)154とプラグホール101の内周面とのなす角度(下側角度)ψより大きく形成されている。そして、本実施形態では、上側角度θを120°とし、下側角度ψを60°としている。この場合も、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(第1実施形態の他の変形態様のシール部材等の構成)
次に、第1実施形態の他の変形態様のシール部材150等の詳細な構成について説明する。上記第1実施形態のシール部材150は、シール筒部151と三つのシール突環部152とにより構成されているが、本実施形態のシール部材150は、一つの円筒状のシール筒部151とそのシール筒部151の外周側に突設された一つのシール突環部152とから構成される。そして、このシール部材150が三つある。そして、コイルハウジング拡径部22の外周側全周には、ハウジング環状溝が軸方向に三つ形成されている。従って、それぞれのシール部材150は、コイルハウジング拡径部22に形成されたそれぞれのハウジング環状溝に嵌合されている。この場合も、上記実施形態と同様に、点火コイル1をプラグホール101に挿入する場合及び点火コイル1をプラグホール101から抜き出す場合に、同様の効果を奏する。
(第2実施形態のシール部材等の構成)
次に、第2実施形態のシール部材150の詳細な構成について、図5及び図6を参照して説明する。図5は、シール部材150を含む点火装置の軸方向部分断面図である。図6は、点火コイル1をプラグホール101に挿入する際と、点火コイル1をプラグホール101から抜き出す際におけるシール部材150の変形態様を示す。
図5に示すように、シール部材150は、シール筒部156とシール突環部152とから構成される。ここで、シール突環部152は、上記第1実施形態におけるシール突環部152と同一である。また、コイルハウジング拡径部22の外周面形状が上記実施形態と異なる。
コイルハウジング拡径部22は、外周側全周に突設したハウジング突環部23が形成されている。このハウジング突環部23は、軸方向に三カ所形成されている。また、ハウジング突環部23は、軸方向(上下方向)に対して非対称に形成されている。具体的には、ハウジング突環部23のハウジング上面(第1ハウジング面)24とコイルハウジング拡径部22の外周面(ハウジング突環部23を除く面)26とのなす角度(上側角度)αが、ハウジング突環部23のハウジング下面(第2ハウジング面)25とハウジング22の外周面26とのなす角度(下側角度)βより大きく形成されている。ここでは、上側角度αを150°とし、下側角度βを90°としている。
シール筒部156は、コイルハウジング拡径部22に嵌装されており、略筒状に形成されている。シール筒部156の内周側全周にシール筒部環状溝157が、軸方向に三カ所形成されている。このシール筒部環状溝157は、ハウジング突環部23に嵌合している。すなわち、シール筒部環状溝157は、軸方向(上下方向)に対して非対称に形成されている。具体的には、シール筒部環状溝157の上面158とシール筒部156の内周面とのなす角度(上側角度)αが、シール筒部環状溝157の下面159とシール筒部156の内周面とのなす角度(下側角度)βより大きく形成されている。ここでは、上述したように、上側角度αを150°とし、下側角度βを90°としている。そして、シール筒部環状溝157の溝端位置(シール筒部環状溝157の最深部分)は、シール突環部152の最外周端155の位置より、軸方向下方側、すなわち点火コイル1の挿入方向側に形成されている。
シール突環部152は、シール筒部156の外周側全周に軸方向に三カ所突設されて形成されている。このシール突環部152は、第1実施形態におけるシール突環部152と同一であるので詳細説明を省略する。
そして、点火コイル1をプラグホール101に挿入する際について図6(a)を参照して説明する。図6(a)の二点鎖線は、点火コイル1をプラグホール101に挿入していない状態のシール部材150の形状を示し、図6(a)の実線は、点火コイル1をプラグホール101に挿入する際のシール部材150の形状を示す。点火コイル1をプラグホール101に挿入する際には、シール突環部152の下面角度ψが30°の角度であるので、シール突環部152がプラグホール101への引っかかりが少ない。さらに、点火コイル1をプラグホール101に挿入する際には、ハウジング下面25がシール筒部環状溝157の下面159を挿入方向に押圧する。その結果、シール突環部152は軸中心側へ移動して、シール突環部152によるプラグホール101への面圧が減少する。このように、シール突環部152によるプラグホール101への面圧が減少することは、点火プラグ1をプラグホール101への挿入作業性が向上することとなる。
一方、点火コイル1をプラグホール101から抜き出す際について図6(b)を参照して説明する。図6(b)の二点鎖線は、点火コイル1をプラグホール101に挿入していない状態のシール部材150の形状を示し、図6(b)の実線は、点火コイル1をプラグホール101に挿入する際のシール部材150の形状を示す。点火コイル1をプラグホール101から抜き出す際には、シール突環部152の上面角度θが90°であるので、シール突環部152がプラグホール101への引っかかりが大きい。さらに、点火コイル1をプラグホール101から抜き出す際には、ハウジング上面26がシール筒部環状溝157の上面158を抜き出す方向に押圧する。その結果、シール突環部152は外周側へ移動して、シール突環部152によるプラグホール101への面圧が増大する。このように、シール突環部152によるプラグホール101への面圧が増大することは、点火プラグ1をプラグホール101から抜き出しにくくなる。つまり、エンジン等の振動により、点火プラグ1が抜け出すことを防止することができる。
(第2実施形態の変形態様のシール部材等の構成)
次に、第2実施形態の変形態様のシール部材150等の詳細な構成について、図7を参照して説明する。図7は、シール部材150を含む点火装置の軸方向部分断面図である。ここで、第3実施形態は、上述の第2実施形態のシール部材150の一部分を変形し、第2実施形態のハウジング突環部23の一部分を変形したものである。
図7に示すように、本実施形態のハウジング突環部23のハウジング下面25とハウジング22の外周面26とのなす角度(下側角度)βを60°としている。そして、本実施形態のシール筒部環状溝157の下面159とシール筒部156の内周面とのなす角度(下側角度)βを60°としている。
そして、点火コイル1をプラグホール101に挿入する際には、シール突環部152の下面角度ψが30°の角度であるので、シール突環部152がプラグホール101への引っかかりが少ない。さらに、点火コイル1をプラグホール101に挿入する際には、ハウジング下面25がシール筒部環状溝157の下面159を挿入方向よりやや内側に押圧する。その結果、シール突環部152は軸中心側へ移動して、シール突環部152によるプラグホール101への面圧がさらに減少する。このように、シール突環部152によるプラグホール101への面圧がさらに減少することは、点火プラグ1をプラグホール101への挿入作業性が向上することとなる。
(第2実施形態の他の変形態様のシール部材等の構成)
次に、第2実施形態の他の変形態様のシール部材150等の詳細な構成について、図8を参照して説明する。図8は、シール部材150を含む点火装置の軸方向部分断面図である。
コイルハウジング拡径部22の下方側には、外周側全周に突設したハウジング突環部23が一つ形成されている。このハウジング突環部23は、軸方向(上下方向)に対して対称に形成されている。
シール部材150は、シール筒部156とシール突環部152とから構成される。シール筒部156は、コイルハウジング拡径部22に嵌装されており、略筒状に形成されている。シール筒部156の内周側全周には、コイルハウジング拡径部22のハウジング突環部23に嵌合するシール筒部環状溝157が形成されている。すなわち、シール筒部環状溝157は、軸方向(上下方向)に対して対称に形成されている。さらに、シール筒部環状溝157は、シール筒部156のうち軸方向下側に形成されている。
シール突環部152は、シール筒部151の外周側全周に突設されて形成されている。このシール突環部152は、軸方向に三カ所形成されている。そして、シール突環部152の最外周端155は、プラグホール101に挿入された状態においてプラグホール101のうちの第1カバー103の内周面に当接している。また、シール突環部152は、軸方向(上下方向)に対して非対称に形成されている。具体的には、シール突環部152のシール上面(第1シール面)153とプラグホール101の内周面とのなす角度(上側角度)θが、シール突環部152のシール下面(第2シール面)154とプラグホール101の内周面とのなす角度(下側角度)ψより大きく形成されている。そして、本実施形態では、上側角度θを120°とし、下側角度ψを60°としている。さらに、最下端側のシール突環部152の最外周端155が、シール筒部環状溝157より軸方向上側に配設されている。この場合も、第2実施形態と同様の効果を奏する。
(第3実施形態のシール部材等の構成)
次に、第3実施形態のシール部材150等の詳細な構成について、図9を参照して説明する。図9は、シール部材150を含む点火装置の軸方向部分断面図である。
シリンダヘッドカバー100の第1カバー103により形成されるプラグホール101には、軸方向の中央付近に下方側に向かって拡径されたカバー拡径段差部106が形成されている。このカバー拡径段差部106は、第1カバー103を型形成により形成する割型の境界部である。すなわち、型そのものに段差を形成する必要がない。
シール部材150は、シール筒部151とシール突環部151、160とから構成される。シール筒部151は、コイルハウジング拡径部22に嵌装されており、筒状に形成されている。
シール突環部152,160は、シール筒部151の外周側全周に突設されて形成されている。そして、シール突環部152は、軸方向に二カ所形成されており、シール突環部160は、シール突環部152の軸方向下方側に一カ所形成されている。シール突環部152,160は、軸方向(上下方向)に対して非対称に形成されている。具体的には、シール突環部152,160のシール上面(第1シール面)153とプラグホール101の内周面とのなす角度(上側角度)θが、シール突環部152のシール下面(第2シール面)154とプラグホール101の内周面とのなす角度(下側角度)ψより大きく形成されている。ここでは、上側角度θを90°とし、下側角度ψを30°としている。
また、軸方向下側に形成されたシール突環部160の外径は、軸方向上側に形成されたシール突環部152の外径より大きく形成されている。そして、軸方向上側に形成された二つのシール突環部152の最外周端155は、プラグホール101に挿入された状態において第1カバー103のうちのカバー拡径段差部106より軸方向上方側の内周面に当接している。また、軸方向下側に形成された一つのシール突環部160は、最外周端155がプラグホール101に挿入された状態において第1カバー103のうちのカバー拡径段差部106より軸方向下方側の内周面に当接している。さらに、軸方向下側に形成されたシール突環部160の上面は、カバー拡径段差部106の段差部分に当接、すなわち、シール突環部160の上面がカバー拡径段差部106に係合している。
そして、点火コイル1をプラグホール101に挿入する際には、シール突環部152,160の下面角度ψが30°の角度であるので、シール突環部152,160がプラグホール101への引っかかりが少ない。その結果、シール突環部152は軸中心側へ移動して、シール突環部152によるプラグホール101への面圧が減少する。このように、シール突環部152によるプラグホール101への面圧が減少することは、点火プラグ1をプラグホール101への挿入作業性が向上することとなる。ただし、上記実施形態に比べると、軸方向下側に形成されたシール突環部160は、軸方向上側に形成されたシール突環部152に比べて外径が大きいため、僅かではあるが点火コイル1をプラグホール101に挿入しにくくなる。
一方、点火コイル1をプラグホール101から抜き出す際には、シール突環部152,160の上面角度θが90°であるので、シール突環部152,160がプラグホール101への引っかかりが大きい。さらに、軸方向下側に形成されたシール突環部160は、カバー拡径段差部106に係合しているので、シール突環部160によるプラグホール101への引っかかりがより大きくなる。その結果、シール突環部152によるプラグホール101への面圧が増大する。このように、シール突環部152によるプラグホール101への面圧が増大することは、点火プラグ1をプラグホール101から抜き出しにくくなる。つまり、エンジン等の振動により、点火プラグ1が抜け出すことを防止することができる。
(第3実施形態の変形態様のシール部材等の構成)
次に、第3実施形態の変形態様のシール部材150等の詳細な構成について、図10及び図11を参照して説明する。図10は、点火コイル1をプラグホール101に挿入する際におけるシール部材150を含む点火装置の軸方向部分断面図である。図11は、点火コイル1をプラグホール101に挿入した後におけるシール部材150を含む点火装置の軸方向部分断面図である。
コイルハウジング拡径部22の下方側には、外周側全周に形成されたハウジング環状溝27が二つ形成されている。これらのハウジング環状溝27は、円弧形状であって僅かな深さに形成されている。
シール部材150は、シール筒部161とシール突環部152,160とから構成される。シール筒部161は、コイルハウジング拡径部22に嵌装されており、略筒状に形成されている。さらに、シール筒部161の内周面は、軸方向下側に向かって拡径して形成されている。すなわち、シール筒部161の軸方向下端の内周側には、コイルハウジング拡径部22との間に空隙が形成されている。また、シール筒部161の内周面が拡径されていない上側部分は、コイルハウジング拡径部22のうちのハウジング環状溝27が形成されていない上側部分に嵌合している。シール突環部152,160は、上記第3実施形態におけるシール突環部152,160と同一である。
さらに、点火コイル1は、直動リング爪180を有している。この直動リング爪180は、軸方向断面が略L字型形状に形成されている。さらに、直動リング爪180の上側内周面181は、コイルハウジング拡径部22のハウジング環状溝27に嵌合する形状に突設している。すなわち、直動リング爪180の上側内周面181は、円弧形状であって僅かな高さに形成されている。また、直動リング爪180の外周面は、シール筒部161の軸方向下端の内周側(第2端の内周側)と嵌合するように形成されている。さらに、直動リング爪180の下端面は、プラグホール101の縮径段差部102に係止する。すなわち、直動リング爪180の下端面は、シリンダヘッドカバー100の第2カバー105の上面に当接可能となる。そして、この直動リング爪180は、コイルハウジング拡径部22及びシール部材150に対して軸方向に直動可能に摺設されている。
そして、点火コイル1をプラグホール101に挿入する際について図10及び図11を参照して説明する。点火コイル1をプラグホール101に挿入する際には、図10に示すように、直動リング爪180の上側内周面181がコイルハウジング拡径部22の軸方向下方側のハウジング環状溝27に嵌合している。そのため、コイルハウジング拡径部22とシール部材150と直動リング爪180とにより、空隙(第1空隙)182が形成される。さらに、軸方向下側のシール突環部160の外径は、第1カバー103の内径より大きく形成されているため、第1空隙182側にシール部材150が移動する。従って、点火コイル1をプラグホール101に挿入する際に、上記第3実施形態の場合に比べて、より挿入作業性が向上する。
その後、さらに、点火コイル1をプラグホール101に挿入すると、直動リング爪180の下端面が第2カバー105の上面に当接して、位置決めされる。さらに、点火コイル1をプラグホール101に挿入すると、直動リング爪180は固定されているのに対して、コイルハウジング拡径部22及びシール部材150は下方側に移動するので、これらの間に形成されていた空隙182が徐々に狭くなっていく。そうすると、軸方向下側のシール突環部160は、徐々に第1カバー103への押圧力が増大していく。
そして、図11に示すように、直動リング爪180の上側内周面181は、コイルハウジング拡径部22の軸方向上方側のハウジング環状溝27に嵌合する位置まで相対移動する。このとき、軸方向下側のシール突環部160は、第1カバー103に形成されたカバー拡径段差部106に係合する。このように、点火コイル1をプラグホール101に挿入した後は、軸方向下側のシール突環部160がカバー拡径段差部106に係合するので、上記第3実施形態の場合と同様に、点火プラグ1がプラグホール101から抜き出しにくくなる。
(第4実施形態のシール部材等の構成)
次に、第4実施形態の変形態様のシール部材150等の詳細な構成について、図12及び図13を参照して説明する。図12は、点火コイル1をプラグホール101に挿入する際におけるシール部材150を含む点火装置の軸方向部分断面図である。図13は、点火コイル1をプラグホール101に挿入した後におけるシール部材150を含む点火装置の軸方向部分断面図である。
シリンダヘッドカバー100に形成されるプラグホール101は、図12に示すように、ガスケット104部分に溝(拡径段差部)が形成されている。
コイルハウジング拡径部22は、ほぼ軸方向中央付近から下方側に向かって徐々に縮径している。さらに、コイルハウジング拡径部22の軸方向中央付近には、周方向に三カ所凹部28が形成されている。
シール部材150は、シール筒部151とシール突環部152とから構成される。すなわち、第1実施形態におけるシール部材150と同一形状をなしている。従って、シール筒部161は、コイルハウジング拡径部22の軸方向上方側に嵌装されている。さらに、シール筒部151の下方側とコイルハウジング拡径部22の下方側との間には空隙162が形成されている。
さらに、点火コイル1は、係合爪190を三つ有している。この係合爪190は、金属製又は樹脂製からなる。この係合爪190は、略T字型に形成されている。そして、係合爪190の略T字型の上側水平部191は、コイルハウジング拡径部22の凹部28に嵌合する形状に形成されている。すなわち、係合爪190の略T字型の上側水平部191がコイルハウジング拡径部22の凹部28に嵌合された状態において、係合爪190の略T字型の上側水平部191及びコイルハウジング拡径部22の上方側によりほぼ円柱形状を形成している。
そして、係合爪190の略T字型の下方垂直部192の上方側は、空隙162内に配設される。この略T字型の下方垂直部192の上方側は、空隙162内を径方向に揺動可能となる。さらに、この略T字型の下方垂直部192の下端側には、外周側に突設した係合部193が形成されている。この係合部193は、シール部材150の下端側に配設されている。そして、略T字型の下方垂直部192がシール筒部150側に位置する場合には、係合部193は、シール部材150の外周側よりも外側に突出している。一方、略T字型の下方垂直部192がコイルハウジング拡径部22側に位置する場合には、係合部193は、シール部材150の外周側よりも内側もしくはほぼ同一位置にある。
そして、点火コイル1をプラグホール101に挿入する際について図12及び図13を参照して説明する。点火コイル1をプラグホール101に挿入する際には、図12に示すように、係合部193の外周側が第1カバー103により押圧されるため、係合爪190の略T字型の下方垂直部192は空隙162内のうちのコイルハウジング拡径部22側に移動する。この状態で点火コイル1はプラグホール101に挿入される。
そして、点火コイル1がプラグホール101にさらに挿入すると、図13に示すように、ガスケット104部分に形成されるプラグホール101の拡径段差部に、係合部193が係合する。すなわち、係合部193の上面側がプラグホール101に形成されるガスケット104部分の溝の下面側に当接する。なお、この場合、係合爪190の略T字型の下方垂直部192は、空隙162内のうちのシール部材150側に移動する。従って、点火コイル1をプラグホール101に挿入する際の挿入作業性は良好であって、挿入した後には点火コイル1が抜き出しにくくなる。
(第5実施形態のシール部材等の構成)
次に、第5実施形態のシール部材等の詳細な構成について、図14を参照して説明する。図14は、第5実施形態のシール部材150を含む点火装置の軸方向部分断面図を示す。図14に示すように、シール部材150は、第1実施形態のシール部材150と同一構成からなる。
そして、第1カバー103は、内周面の内径が上側から下側に向かって傾斜拡径して形成している。すなわち、この第1カバー103の内周面は、挿入口側が狭くなるようにテーパに形成されている。従って、点火コイル1をプラグホール101に挿入した後には、シール部材150と第1カバー103とのいわゆるくさび効果により、点火コイル1が抜き出しにくくなる。なお、この第1カバー103の内周面の傾斜拡径は、直線的に拡径する場合に限らず、曲線的に拡径するようにしてもよい。
(第6実施形態のシール部材等の構成)
次に、第6実施形態のシール部材150等の詳細な構成について、図15及び図16を参照して説明する。図15及び図16は、第6実施形態のシール部材150を含む点火装置の軸方向部分断面図を示す。
まず、図15に示す点火装置について説明する。図15に示すように、シール部材150は、第1実施形態のシール部材150とほぼ同一である。すなわち、シール部材150は、シール筒部151とシール突環部152とから構成される。ただし、第1実施形態におけるシール部材150のシール突環部152は、軸方向に三カ所形成されているが、第5実施形態のシール部材150のシール突環部152は、軸方向二カ所形成している。
そして、コイルハウジング拡径部22は、シール部材150の上端側に配設されプラグホール101との間に径方向間隙を形成してプラグホール101に遊挿されたシールガイド部22aを有している。このシールガイド部22aは、シール部材のシール筒部151の外径よりも大きな外径となるように形成されている。そして、プラグホール101とシールガイド部22aとの間に形成される径方向間隙は、シール部材150によるプラグホール101への面圧が所定値以上となるようにしている。
ここで、シール部材150は、上述したようにゴム製としているので、例えば、車両の振動などにより点火コイル1がシリンダヘッドカバー100に対して移動する場合には、シール部材150に押圧力がかかり大きく変形する。しかし、シールガイド部22aを有することにより、シール部材150はシールガイド部22aとプラグホール101との間の径方向間隙よりも変形することはない。つまり、このシールガイド部22aとプラグホール101との間の径方向間隙を調整することにより、シール部材150によるプラグホール101への面圧を調整することができる。
次に、図16に示す点火装置について説明する。図16に示すように、シール部材150は、上記のシール部材150と同一である。そして、コイルハウジング拡径部22は、シール部材150の下端側に配設されプラグホール101との間に径方向間隙を形成してプラグホール101に遊挿されたシールガイド部22bを有している。このシールガイド部22bは、シール部材のシール筒部151の外径よりも大きな外径となるように形成されている。そして、プラグホール101とシールガイド部22bとの間に形成される径方向間隙は、シール部材150によるプラグホール101への面圧が所定値以上となるようにしている。この場合も上記と同様の作用効果を奏する。
(高圧ターミナル71の高圧接続固定部76の詳細構成)
(第1実施形態の高圧接続固定部)
次に、第1実施形態の高圧接続固定部76の詳細な構成について、図17を参照して説明する。図17は、高圧接続固定部76及び点火プラグ200の頭部端子201の組み付け前の斜視図である。
図17に示すように、高圧ターミナル71の高圧接続固定部76は、軸方向に一カ所切欠77が形成された略円筒形状に形成されている。さらに、高圧接続固定部76の下端は、外側に拡径している。さらに、高圧接続固定部76の下方側(高圧下端円筒部)78には、周方向に3カ所の貫通窓(貫通孔)79が形成されている。なお、高圧接続固定部76は、上述したように、金属製からなる。
そして、この高圧下端円筒部78の外周側には、C字型リング(高圧接続固定リング)90が嵌装されている。このC字型リング90は、例えばバネ鋼などの金属製からなる。そして、C字型リング90は、内周側に周方向に3カ所突設した突起部91が形成されている。この突起部91は、高圧下端円筒部78に形成された貫通窓79に係合する。さらに、C字型リング90を高圧下端円筒部78に嵌合した状態で、突起部91は、高圧下端円筒部78の内周面よりも内周側に突設している。
この高圧接続固定部76を点火プラグ200に接続固定する場合、点火プラグ200の頭部端子201の溝部202に、C字型リング90の突起部91が当接している。すなわち、高圧ターミナル71と点火プラグ200が電気的に接続されている。また、点火プラグ200の頭部端子201の溝部202の上面側とC字型リング90の突起部91の上面側とが係合している。すなわち、点火コイル1は点火プラグ200に固定されている。
なお、点火コイル1を点火プラグ200の頭部端子201に挿入する際には、高圧接続固定部76に形成された切欠77により高圧接続固定部76は容易に拡径し、さらに、C字型リング90も同様にC字型であることにより容易に拡径するため、点火コイル1を点火プラグ200に容易に挿入することができる。
(第2実施形態の高圧接続固定部)
次に、第2実施形態の高圧接続固定部76の詳細な構成について、図18を参照して説明する。図18は、高圧接続固定部76の部分斜視図を示す。
図18に示すように、高圧ターミナル71の高圧接続固定部76は、軸方向に一カ所切欠77が形成された略円筒形状に形成されている。さらに、高圧接続固定部76は、下方側に3カ所に延在した延在部80を有している。そして、それぞれの延在部80の下方側には、内周側に突設した突起部81が形成されている。
そして、この延在部80の外周側には、C字型リング(撓み抑制リング)92が嵌装されている。このC字型リング92は、例えばバネ鋼などの金属製からなる。このC字型リング92は、延在部80の外周側への撓みを防止するためのものである。
そして、この高圧接続固定部76を点火プラグ200に接続固定する場合には、点火プラグ200の頭部端子201の溝部202に、延在部80の突起部81が当接する。すなわち、高圧ターミナル71と点火プラグ200が電気的に接続されている。また、点火プラグ200の頭部端子201の溝部202の上面側とC字型リング80の突起部81の上面側とが係合している。すなわち、点火コイル1は点火プラグ200に固定されている。
なお、点火コイル1を点火プラグ200の頭部端子201に挿入する際には、高圧接続固定部76に形成された切欠77により高圧接続固定部76は容易に拡径し、さらに、C字型リング80も同様にC字型であることにより容易に拡径するため、点火コイル1を点火プラグ200に容易に挿入することができる。
(外部シール部材210を用いた点火装置の詳細構成)
次に、外部シール部材210を用いた点火装置の詳細構成について図19〜図21を参照して説明する。図19は、外部シール部材210を含む点火装置の斜視図を示す。図20は、図19の平面図である。図21は、図19の側面図である。ここで、外部シール部材210を用いた点火装置は、上述した点火装置に対して、新たに外部シール部材210を設け、シリンダヘッドカバー100の一部の形状を変更している。
つまり、シリンダヘッドカバー100は、図19及び図21に示すように、プラグホール101の外側であって、プラグホール101の挿入口を挟設して対向するように立設された一対の壁部107を有している。
そして、外部シール部材210は、図19〜図21に示すように、広口部20の外周側のうち対向する2カ所に固定されている。つまり、外部シール部材210は、プラグホール101の外側に配設されている。さらに詳細には、外部シール部材210は、外部シール板部211と外部シール突部212とから構成される。
外部シール板部211は、略板状からなり、広口部20の外周側のうちのコネクタ6の存在しない一対の平行な部分に固定されている。外部シール突部212は、外部シール板部211の外側に突設されて形成されている。この外部シール突部212は、軸方向に三カ所形成されている。そして、外部シール突部212の最外周端215は、点火コイル1がプラグホール101に挿入された状態において一対の壁部107の対向面に当接している。また、外部シール突部212は、軸方向(上下方向)に対して非対称に形成されている。具体的には、外部シール突部212の外部シール上面(第1外部シール面)213と一対の壁部107の対向面とのなす角度(上側角度)が、外部シール突部212の外部シール下面(第2外部シール面)214と一対の壁部107の対向面とのなす角度(下側角度)より大きく形成されている。ここでは、上側角度を90°とし、下側角度を30°としている。
このように、点火コイル1をプラグホール101に挿入した場合に、外部シール部材210が一対の壁部107へ所定の面圧をかけることができるので、点火プラグ1がプラグホール101から抜き出しにくくなる。
(プラグハウジング係止部材を用いた点火装置の構成)
次に、プラグハウジング係止部材300a〜300cを用いた点火装置の詳細構成について図22〜図25を参照して説明する。
(第1プラグハウジング係止部材300aを用いた点火装置)
第1プラグハウジング係止部材300aを用いた点火装置について、図22及び図23を参照して説明する。図22は、第1プラグハウジング係止部材300aを含む部分の軸方向断面図である。図23は、第1プラグハウジング係止部材300aを含む部分の斜視図である。
図22及び図23に示すように、第1プラグハウジング係止部材300aは、係止部材用固定部301aと、係止部材用係止爪302aとから構成される。係止部材用固定部301aは、ほぼ円筒状に形成されており、内周側に凸部を有している。そして、この係止部材用固定部301aの凸部が、タワーハウジング70の下端側の外周に形成された固定溝に係合しており、これにより第1プラグハウジング係止部材300aがタワーハウジング70に固定されている。係止部材用係止爪302aは、係止部材用固定部301aの下端側から下方側(シリンダヘッド側)に向かって延在している。この係止部材用係止爪302aは、120度間隔毎に3つ配設されている。これらの係止部材用係止爪302aの下端側部分が、内側に屈曲して成形されている。そして、この係止部材用係止爪302aの屈曲して成形された下端側部分が、点火プラグ200の外周溝205に係止される。
ここで、点火プラグ200は、頭部端子201及び燃焼室側に突出して配設される陽極端子及び接地端子(図示せず)を含む導電部と、この導電部の一部を内部に収納するプラグハウジング203とから構成される。そして、プラグハウジング203は、シリンダヘッドに形成された雌ねじ部(図示せず)に点火プラグ200を固定するための雄ねじ部206を形成している。この雄ねじ部206の上方側には、点火プラグ200をシリンダヘッドに締付けるための六角ナット状の締付リブ204が形成されている。そして、締付リブ204と雄ねじ部206との間には、くびれ部分、すなわち、外周溝205が形成されている。つまり、係止部材用係止爪302aの下端側部分は、この外周溝205に係止するようになる。
ここで、係止部材用係止爪302aは、係止部材用固定部301aの下端側に等間隔に3つ配設されている。つまり、係止部材用係止爪302aは、係止部材用固定部301a側を支点として下端側部分は径方向に弾性的にたわみ変形可能な形状とされている。これにより、点火コイル1に点火プラグ200を挿入する際において非常に容易となる。
(第2プラグハウジング係止部材300bを用いた点火装置)
第2プラグハウジング係止部材300bを用いた点火装置について、図24を参照して説明する。図24は、第2プラグハウジング係止部材300bを含む部分の斜視図である。
図24に示すように、第2プラグハウジング係止部材300bは、係止部材用固定部301bと、係止部材用係止部302bとから構成される。係止部材用固定部301bは、C字型の径方向断面形状からなる筒状に形成されており、上方側の内周側に凸部を有している。この凸部は、上述した第1プラグハウジング係止部材300aの係止部材用固定部301aの凸部とほぼ同様の形状からなる。そして、この係止部材用固定部301bの凸部が、タワーハウジング70の下端側の外周に形成された固定溝(図22に示す)に係合しており、これにより第2プラグハウジング係止部材300bがタワーハウジング70に軸方向に固定されている。係止部材用係止部302bは、係止部材用固定部301bの下端側に形成された内突部分である。そして、この係止部材用係止部302bの内突部分が、点火プラグ200の外周溝205に係止される。
ここで、係止部材用係止部302bはC字型の径方向断面形状からなる係止部材用固定部301bの下方側に形成されているので、係止部材用係止部302bもC字型の径方向断面形状からなる。すなわち、係止部材用係止部302bは、径方向に弾性的に変形可能な形状とされている。これにより、点火コイル1に点火プラグ200を挿入する際において非常に容易となる。
(第3プラグハウジング係止部材300cを用いた点火装置)
第3プラグハウジング係止部材300cを用いた点火装置について、図25を参照して説明する。図25は、第3プラグハウジング係止部材300cを含む部分の斜視図である。
図25に示すように、第3プラグハウジング係止部材300cは、係止部材用固定部301cと、係止部材用係止爪302cとから構成される。係止部材用固定部301cは、円筒状からなり、上方側の内周側に凸部を有している。この凸部は、上述した第1プラグハウジング係止部材300aの係止部材用固定部301aの凸部とほぼ同様の形状からなる。そして、この係止部材用固定部301cの凸部が、タワーハウジング70の下端側の外周に形成された固定溝(図22に示す)に係合しており、これにより第3プラグハウジング係止部材300cがタワーハウジング70に軸方向に固定されている。さらに、係止部材用固定部301cの下方側には、周方向に3つの貫通孔が形成されている。この貫通孔は、ほぼ長方形形状に形成されている。係止部材用係止爪302cは、係止部材用固定部301cの貫通孔が形成された部位に配設されている。具体的には、係止部材用係止爪302cの上端側が貫通孔が形成された部位に接合している。そして、係止部材用係止爪302cの下端側には、内突部分が形成されている。そして、この係止部材用係止爪302cの内突部分が、点火プラグ200の外周溝205に係止される。
ここで、係止部材用係止爪302cは、上端側のみが係止部材用固定部301cに接合している。つまり、係止部材用係止爪302cは、係止部材用固定部301cとの接合部位を支点として下端側部分は径方向に弾性的にたわみ変形可能な形状とされている。これにより、点火コイル1に点火プラグ200を挿入する際において非常に容易となる。
(その他)
上記実施形態において、コイルハウジング2は、筒状の部分と拡径した部分22とを別体としているが、これらを一体に成形してもよい。また、コイルハウジング2の内部に、中心コア5と一次スプール3と一次コイル30と二次スプール4と二次コイル40とからなるコイル内部部材の全てを収納しているが、コイル内部部材の一部を収納するようにしてもよい。例えば、コイルハウジング2が、コイル内部部材の両端側のみを収納するようにしてもよいし、コイル内部部材の一端側のみを収納するようにしてもよい。
また、上記実施形態において、シール部材は1つの部材により構成したが、2つ以上の部材を組み合わせて構成してもよい。また、コイルハウジング2に対するシール部材150のの取付方法は、接着、圧入、コイルハウジング側の凸部とシール部材側の凹部との係合、コイルハウジング側の凹部とシール部材側の凸部との係合、溶着など、各種方法を適宜選択することができる。
また、上記実施形態において、点火コイル1の上端側をシリンダヘッドカバー100にねじ止めしない構成としたが、点火コイル1の上端側をシリンダヘッドカバー100にねじ止めする構成とすることもできる。
本実施形態の点火装置の全体構成の軸方向断面図を示す。 第1実施形態のシール部材を含む点火装置の軸方向部分断面図を示す。 第1実施形態における点火コイルをプラグホールに挿入する際及び点火コイルをプラグホールから抜き出す際のシール部材の変形態様を示す。 第1実施形態の変形態様のシール部材を含む点火装置の軸方向部分断面図を示す。 第2実施形態のシール部材を含む点火装置の軸方向部分断面図を示す。 第2実施形態における点火コイルをプラグホールに挿入する際及び点火コイルをプラグホールから抜き出す際のシール部材の変形態様を示す。 第2実施形態の変形態様のシール部材を含む点火装置の軸方向部分断面図を示す。 第2実施形態の他の変形態様のシール部材を含む点火装置の軸方向部分断面図を示す。 第3実施形態のシール部材を含む点火装置の軸方向部分断面図を示す。 第3実施形態の変形態様における点火コイルをプラグホールに挿入する際の点火装置の軸方向部分断面図を示す。 第3実施形態の変形態様における点火コイルをプラグホールから抜き出す際の点火装置の軸方向部分断面図を示す。 第4実施形態における点火コイルをプラグホールに挿入する際の点火装置の軸方向部分断面図を示す。 第4実施形態における点火コイルをプラグホールから抜き出す際の点火装置の軸方向部分断面図を示す。 第5実施形態のシール部材を含む点火装置の軸方向部分断面図を示す。 第6実施形態のシール部材を含む点火装置の軸方向部分断面図を示す。 第6実施形態のシール部材を含む点火装置の軸方向部分断面図を示す。 第1実施形態における高圧接続固定部の部分斜視図を示す。 第2実施形態における高圧接続固定部の部分斜視図を示す。 外部シール部材を含む点火装置の斜視図を示す。 図19の平面図を示す。 図19の側面図を示す。 第1プラグハウジング係止部材を含む部分の軸方向断面図を示す。 第1プラグハウジング係止部材を含む部分の斜視図を示す。 第2プラグハウジング係止部材を含む部分の斜視図を示す。 第3プラグハウジング係止部材を含む部分の斜視図を示す。
符号の説明
1:点火コイル、 2:コイルハウジング、 3:一次スプール、 4:二次スプール、 5:中心コア部、 6:コネクタ部、 7:高圧タワー部、 20:広口部、 21:切欠窓、 22:コイルハウジング拡径部、 22a、22b:シールガイド部、 23:ハウジング突環部、 24:ハウジング上面(第1ハウジング面)、 25:ハウジング下面(第2ハウジング面)、 26:コイルハウジング拡径部の外周面、 27:ハウジング環状溝、 28:凹部、 30:一次コイル、 31:外周コア、 40:二次コイル、 41:スプール側係合爪、50:弾性部材、 52:ゴムチューブ、 54:中心コア、 64:信号入力用コネクタ、 65:イグナイタ、 70:タワーハウジング、 71:高圧ターミナル、 72:突環ガイド部、 75:凸部、 76:高圧接続固定部、 77:切欠、 78:高圧下端円筒部、 79:貫通窓(貫通孔)、 80:延在部、 81:突起部、 90:C字型リング(高圧接続固定リング)、 91:突起部、 92:C字型リング(撓み抑制リング)、 100:シリンダヘッドカバー、 101:プラグホール(嵌挿孔)、 102:縮径段差部、 103:第1カバー、 104:ガスケット、 105:第2カバー、 106:カバー拡径段差部、 107:一対の壁部、 150:シール部材、 151:シール筒部、 152:シール突環部、 153:シール上面(第1シール面)、 154:シール下面(第2シール面)、 155:最外周面、 156:シール筒部、 157:シール筒部環状溝、 158:シール筒部環状溝の上面、 159:シール筒部環状溝の下面、 160:シール突環部、 161:シール筒部、 162:空隙、 180:直動リング爪、 181:上側内周面、 182:空隙(第1空隙)、 190:係合爪、 191:略T字型の上側水平部、 192:略T字型の下方垂直部、 193:係合部、200:点火プラグ、 201:頭部端子、 202:溝部、 203:プラグハウジング、 204:締付リブ、 205:外周溝、 206:雄ねじ部、 210:外部シール部材、 211:外部シール板部、 212:外部シール突部、 213:外部シール上面(第1外部シール面)、 214:外部シール下面(第2外部シール面)、 215:最外周端、 300a〜300c:プラグハウジング係止部材、 301a〜301c:係止部材用固定部、 302a,302c:係止部材用係止爪、 302b:係止部材用係止部

Claims (20)

  1. 内燃機関のシリンダヘッドの所定面側に配設され嵌挿孔が形成されたシリンダヘッドカバーと、
    前記嵌挿孔に挿設され一次コイルと二次コイルと該一次コイル及び該二次コイルの少なくとも一部を収納するハウジングとからなり点火用高電圧を発生する点火コイルと、
    前記嵌挿孔のうち前記点火コイルの前記シリンダヘッド側に挿設されると共に前記点火コイルの前記二次コイルに電気的に接続され前記点火コイルから高電圧が印可されて放電火花を発生する点火プラグと、
    を備えた内燃機関用点火装置において、
    前記点火コイルは、
    さらに、前記ハウジングに嵌装されるシール筒部と、該シール筒部の外周側に環状に突設されると共に最外周端が前記嵌挿孔の内周面に当接し前記点火プラグの反対側の面である第1シール面と前記嵌挿孔の内周面とのなす角度が前記点火プラグ側の面である第2シール面と前記嵌挿孔の内周面とのなす角度より大きく形成されたシール突環部と、からなるシール部材を有することを特徴とする内燃機関用点火装置。
  2. 前記シール突環部は、軸方向に複数を有することを特徴とする請求項1記載の内燃機関用点火装置。
  3. 前記ハウジングは、外周側にハウジング環状溝を形成し、
    前記シール筒部は、前記ハウジング環状溝に嵌合することを特徴とする請求項1記載の内燃機関用点火装置。
  4. 前記第1シール面と前記嵌挿孔の内周面とのなす角度は90度以上であり、
    前記第2シール面と前記嵌挿孔の内周面とのなす角度は90度未満であることを特徴とする請求項1記載の内燃機関用点火装置。
  5. 前記ハウジングは、外周側に突設したハウジング突環部を有し、
    前記シール筒部は、前記ハウジング突環部に嵌合するシール筒部環状溝が内周側に形成されることを特徴とする請求項1記載の内燃機関用点火装置。
  6. 前記シール筒部環状溝は、前記シール突環部より前記点火コイルの挿入方向側に形成されることを特徴とする請求項5記載の内燃機関用点火装置。
  7. 前記ハウジング突環部のうちの前記点火プラグの反対側の面である第1ハウジング面は、前記ハウジングの外周面に対するなす角度が90度以上であることを特徴とする請求項5記載の内燃機関用点火装置。
  8. 前記ハウジング突環部のうちの前記点火プラグ側の面である第2ハウジング面は、前記ハウジングの外周面に対するなす角度が90度未満であることを特徴とする請求項5記載の内燃機関用点火装置。
  9. 前記嵌挿孔のうち少なくとも前記シール突環部が当接する部位は、前記シリンダヘッドの反対側からシリンダヘッド側に向かって傾斜拡径して形成されたことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の内燃機関用点火装置。
  10. 前記ハウジングは、前記シール部材の軸方向両端側のうち少なくとも何れか一方の軸方向端側に配設され前記嵌挿孔との間に所定径方向間隙を形成して前記嵌挿孔に遊挿されたシールガイド部を有することを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の内燃機関用点火装置。
  11. 前記所定径方向間隙は、前記シール部材による前記嵌挿孔への面圧が所定値以上となる間隙であることを特徴とする請求項10記載の内燃機関用点火装置。
  12. 前記シリンダヘッドカバーは、前記嵌挿孔の外側であって前記嵌挿孔の挿入口を挟設して対向して立設された一対の壁部を有し、
    前記ハウジングは、前記嵌挿孔に挿設されたハウジング挿設部と前記ハウジング挿設部の端側に配設され前記嵌挿孔の外側に突出して前記一対の壁部の間に配設されたハウジング突出部とを有し、
    さらに、前記ハウジング突出部の外周側であってそれぞれの前記一対の壁部に対向する位置に固定された略板状の外部シール板部と、該外部シール板部の前記一対の壁部側に突設されると共に最外周端が前記一対の壁部の対向面に当接し前記点火プラグの反対側の面である第1外部シール面と前記一対の壁部の対向面とのなす角度が前記点火プラグ側の面である第2外部シール面と前記一対の壁部とのなす角度より大きく形成された外部シール突部と、からなる外部シール部材を有することを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の内燃機関用点火装置。
  13. 内燃機関のシリンダヘッドの所定面側に配設され嵌挿孔が形成されたシリンダヘッドカバーと、
    前記嵌挿孔に挿設され一次コイルと二次コイルと該一次コイル及び該二次コイルの少なくとも一部を収納するハウジングとからなり点火用高電圧を発生する点火コイルと、
    前記嵌挿孔のうち前記点火コイルの前記シリンダヘッド側に挿設されると共に前記点火コイルの前記二次コイルに電気的に接続され前記点火コイルから高電圧が印可されて放電火花を発生する点火プラグと、
    を備えた内燃機関用点火装置において、
    前記シリンダヘッドカバーの前記嵌挿孔は、前記点火プラグ側に拡径した拡径段差部が形成され、
    前記点火コイルは、
    さらに、前記ハウジングに嵌装されるシール筒部と、該シール筒部の外周側に環状に突設されると共に前記点火プラグの反対側の面である第1シール面が前記拡径段差部に係合するシール突環部と、からなるシール部材を有することを特徴とする内燃機関用点火装置。
  14. 前記シール突環部は、最外周端が前記嵌挿孔の内周面に当接し前記点火プラグの反対側の面である第1シール面と前記嵌挿孔の内周面とのなす角度が前記点火プラグ側の面である第2シール面と前記嵌挿孔の内周面とのなす角度より大きく形成されたことを特徴とする請求項13記載の内燃機関用点火装置。
  15. 前記シリンダヘッドカバーの前記嵌挿孔は、前記拡径段差部の前記点火プラグ側に縮径した縮径段差部が形成され、
    前記シール筒部は、前記点火プラグ側端である第2端の内周側と前記ハウジングとの間に空隙を形成し、
    さらに、少なくとも一部が前記ハウジングと前記シール筒部の前記第2端の内周側との間に配設されると共に軸方向に直動可能に摺設され、前記縮径段差部に係止する直動リング爪を有し、
    前記点火コイルを前記嵌挿孔へ挿入する際に前記ハウジングと前記シール筒部と前記直動リング爪とにより第1空隙を形成し、前記点火コイルを前記嵌挿孔へ挿入した後に前記ハウジングと前記シール筒部と前記直動リング爪により空隙を形成しない又は前記第1空隙より狭い第2空隙を形成することを特徴とする請求項13記載の内燃機関用点火装置。
  16. 内燃機関のシリンダヘッドの所定面側に配設され嵌挿孔が形成されたシリンダヘッドカバーと、
    前記嵌挿孔に挿設され一次コイルと二次コイルと該一次コイル及び該二次コイルの少なくとも一部を収納するハウジングとからなり点火用高電圧を発生する点火コイルと、
    前記嵌挿孔のうち前記点火コイルの前記シリンダヘッド側に挿設されると共に前記点火コイルの前記二次コイルに電気的に接続され前記点火コイルから高電圧が印加されて放電火花を発生する点火プラグと、
    を備えた内燃機関用点火装置において、
    前記シリンダヘッドカバーの前記嵌挿孔は、前記点火プラグ側に拡径した拡径段差部が形成され、
    前記点火コイルは、
    前記ハウジングの外周面に嵌装されるとともに、最外周端が前記嵌挿孔の内周面を押圧するゴム製のシール部材と、
    前記ハウジングの外周面側に配設され径方向外側に突設すると共に前記拡径段差部に係合する突設部を形成した係合爪と、
    を有することを特徴とする内燃機関用点火装置。
  17. 前記拡径段差部及び/又は前記縮径段差部は、前記シリンダヘッドカバーを型形成により形成する割型の境界部であることを特徴とする請求項13〜16の何れかに記載の内燃機関用点火装置。
  18. 前記拡径段差部及び/又は前記縮径段差部は、前記シリンダヘッドカバーのガスケットが配設される部位であることを特徴とする請求項13〜16の何れかに記載の内燃機関用点火装置。
  19. 前記点火コイルは、
    さらに、前記ハウジング内に配設され前記二次コイルに電気的に接続されると共に前記点火プラグの頭部端子に係合し前記点火プラグに電気的に接続される筒状の高圧接続固定部を有する高圧ターミナルを備え、
    前記高圧接続固定部は、前記点火プラグ側に延在すると共に前記点火プラグの頭部端子に係合し前記点火プラグの頭部端子に電気的に接続する突起部が形成された延在部を周方向に少なくとも3以上有することを特徴とする請求項1〜18の何れかに記載の内燃機関用点火装置。
  20. 前記点火プラグは、外周側に外周溝が形成されたプラグハウジングと、少なくとも一部を該プラグハウジング内に収納された導電部と、を有し、
    さらに、一端側が前記ハウジングに固定され他端側が前記プラグハウジングの前記外周溝に係止可能なプラグハウジング係止部材を有することを特徴とする請求項1〜19の何れかに記載の内燃機関用点火装置。
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