JP4354703B2 - 可変静電吹付被覆装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は基板の被覆を行う装置およびその方法に係る。
静電吹付被覆とは一般に、液体を霧化した後、霧滴を静電界において付着させて行う方法である。霧滴の平均径と滴径分布は、個々の吹付被覆ヘッドによって大きく変動する場合がある。また、液体のもつ導電性、表面張力、粘度といった要素も滴径と滴径分布を決定する上で大きな役割を果たす。静電吹付被覆ヘッドおよび装置の代表的な例が、例えば米国特許第2,685,536号、第2,695,002号、第2,733,171号、第2,809,128号、第2,893,894号、第3,486,483号、第4,748,043号、第4,749,125号、第4,788,016号、第4,830,872号、第4,846,407号、第4,854,506号、第4,990,359号、第5,049,404号、第5,326,598号、第5,702,527号、第5,954,907号の各明細書に示されている。金属細長片に対して缶形成用潤滑剤の静電吹き付けを行うための装置については、例えば米国特許第2,447,664号、第2,710,589号、第2,762,331号、第2,994,618号、第3,726,701号、第4,073,966号、第4,170,193号の各明細書に記載されている。また、ロール式被覆装置については、例えば米国特許第4,569,864号明細書、欧州特許公開第949380号明細書、ドイツOLS DE 198 14689 A1号明細書に記載されている。
一般に、吹付被覆ヘッドに送られた液体は、そこに印加される静電界の影響を少なくとも部分的に受けて液体の流れが不安定になることが多く、そのため分散して微小液滴になる。一般に、静電吹付被覆ヘッドから吐出される帯電した微小液滴は、電界によって吹付被覆ヘッドを通過する物品、無端ウェブ等の基板に向かって吐出される。用途によって所望の塗膜の厚さの方が平均滴径より大きい場合、液滴を相互に重なり合うように着地させ、融合させて塗膜を形成する。また、所望の塗膜の厚さの方が平均滴径より小さい場合は、衝撃で液滴と液滴の間に間隔をあけ、拡散させて空隙のない塗膜を形成する必要がある。
金属細長片に対して缶形成用潤滑剤の静電吹き付けを行うための装置については、例えば米国特許第3,726,701号、第4,073,966号、第4,170,193号の各明細書に記載されている。米国特許第3,726,701号では、被塗装物の速度と成膜速度に基づいて、静電位の調節を行っている。
米国特許第2,733,171号では、静電吹付被覆ヘッドの機械的振動と、吹付被覆ヘッドの間欠運動を利用して、堆積する被覆材料に縞模様やリブが形成されるのを抑制している。
米国特許第5,049,404号では、誘電静電吹き付けノズルの圧電気振動を利用して、ノズルを出る液体の表面形状を安定化し、流速が低い場合のノズルの詰りを抑制すると共に、非常に薄い塗膜が得られるようにしている。
本出願人の同時係属出願であり、その内容を本明細書に援用する2001年4月24日出願の米国特許出願第09/841,380号、「静電吹付被覆装置および方法」は、液体で湿潤させた導電性転写面の上に液体の小滴を静電吹き付けし、こうして塗布した液体の一部を転写面から基板へ転写して塗膜を形成する方法により液体塗膜を基板に塗布する装置および方法を開示している。
また、本出願人の同時係属出願であり、その内容を本明細書に援用する2001年1月10日出願の米国特許出願第09/757,955号、「被覆装置および方法」は、基板上の湿潤塗膜の均等性を改善する装置と方法を開示している。塗膜を第1位置において2つ以上の周期的ピックアンドプレース装置と接触させ、第1位置とは異なる基板上の位置であって、第1位置からの距離に関して相互に関連付けられている位置において再び接触させる。塗膜の塗布は無気吹付ノズル、静電吹付ノズル、回転盤吹付ノズル、空気圧吹付ノズルなどの点源ノズルと、線源霧化装置とを用いて行うことができる。ノズルは基板横断方向に振動させることができる。
上述出願の装置および方法は、特に組合わせて使用した場合に非常に均等性の高い塗膜を形成することができる。本発明もまた塗膜の均等性を改善するものである。
本発明はその一形態において、基板上に液体塗膜を形成する方法であって、
a)静電界に応じたパターンを生成する静電吹付ヘッドから基板上へ液滴パターンを吹き付けるステップと、
b)吹き付けを行いながら静電界を繰り返し電気的に変化させ、それによってパターンを繰り返し変化させるステップとを含む方法を提供する。
好ましい方法は、導電性転写面上に液滴のパターンを吹き付け、こうして塗布した液体の一部を転写面から基板に転写して液体被膜を形成することを含む。
別の形態では、基板上に液体塗膜を形成する方法であって、
a)静電界に応じたパターンを生成する静電吹付ヘッドから基板上または転写面上へ液滴パターンを吹き付けるステップと、
b)前記パターンを第1方向において繰り返し変えるステップと、
c)i)転写面を用いる場合は、こうして塗布した塗膜の一部を転写面から基板へ転写することと、
ii)塗膜の均等性を第2方向において改善する2つ以上のピックアンドプレース装置と塗膜を接触されることとを何れかの順番で行うステップとを含む方法を提供する。
本発明はまた、静電界に応じて基板上に液滴のパターンと湿潤塗膜を生成する静電吹付ヘッドと、吹き付け中に静電界を繰り返し電気的に変化させることにより、前記パターンを繰り返し変化させる装置または回路とを含む被覆装置も提供する。好ましい実施形態では、前記装置または回路が第一方向においてパターンを変更し、湿潤塗膜と周期的に接触または再接触して第2位置において塗膜の均等性を改善することのできる2つ以上のピックアンドプレース装置がさらに設けられる。
本発明の方法および装置は、導電性基板、半導電性基板、絶縁性基板、多孔質基板、非多孔質基板などの上に略均等な薄膜または厚膜を形成することができる。
静電吹付被覆を行う場合、静電吹付被覆ヘッドから堆積される液滴の平均径より所望の塗膜厚さの方が小さいことがある。このような被覆法を「薄膜法」と呼び、形成される塗膜を「薄膜塗膜」と呼ぶことにする。また、静電吹付被覆においては、平均液径より所望の塗膜厚さの方が大きい場合もある。このような被覆法を「厚膜法」と呼び、形成される塗膜を「厚膜塗膜」と呼ぶことにする。
本発明は、導電性、半導電性、絶縁性、多孔質、または非多孔質の基板の上に、溶剤型、水性、無溶剤型等の塗料組成物を用いて、略均等な、空隙の無い薄膜塗膜および厚膜皮膜を塗布するのに利用できる簡便な被覆方法を提供する。本発明の静電吹付被覆装置は、移動するウェブの塗布に特に有用であるが、それに限定されるものではない。必要であれば、基板は有限寸法の個別の物体、あるいは個別物体を連ねたものまたは並べたものとすることもできる。実施形態によっては、被覆に用いる静電吹付被覆ヘッドによって生成される電荷を基板上に堆積することなく塗膜を形成することも可能である。
本発明の一実施形態では、吹き付けを行う際に静電界を繰り返し電気的に変化させることにより、ターゲット基板にパターンを繰り返し変化させながら液滴を堆積する。別の実施形態では、ターゲット基板に堆積する液滴のパターンを(例えば静電界を電気的に繰り返し変化させるか、機械的に繰り返し変化させる方法で)第1方向において繰り返し変化させ、液滴から形成された湿潤塗膜を2つ以上のピックアンドプレース装置と接触させることにより、第2方向における塗膜の均等性を改善する。
ここで「液滴のパターンを繰り返し変化させる」、または「パターンを繰り返し変化させた液滴」と言う時は、湿潤塗膜を移動方向を有する移動ターゲット基板に静電塗布する場合、塗布部分の外形が基板の移動方向以外の方向に物理的に移動すること、または基板上の湿潤塗膜の分布または塗布量が基板の移動方向以外の方向に変化し、かつこのような移動と変化が反復することを意味する。このようなパターンの変化は、例えば液滴が生まれる空間位置(吹付ヘッド上の地点に関する)の変化や、液滴の大きさ、数、または軌道の変化などを通じて生じ得るものである。例えば、基板が第1方向に移動する場合、液滴のパターンによって形成される塗布領域の外形は、第2方向に移動し、1つ以上の第3方向に移動した後第2方向に何度も繰り返し移動する場合もあれば、外形が拡大し、縮小し、その後何度も繰り返し拡大する場合もある。あるいは塗布領域内の液滴が第1分布または塗布量で配置され、1種類以上の分布または塗布量で配置された後、第1の分布または塗布量で何度も繰り返し配置されるかもしれない。このような反復性の変化は、連続的、定期的、周期的である必要はなく、また大きさにおいて等しい必要もないが、液滴のパターンが長時間一定に保持されることのないように、吹付塗布を行う間に頻繁に生じさせる必要がある。
ここで「機械的に繰り返し変化させた」静電界と言う時は、湿潤塗膜を移動方向を有する移動ターゲット基板に静電塗布する際に、液滴のパターンが変化するようにターゲット上方の空間の固定地点に関して吹付ヘッドの位置を十分に移動させること、かつその移動を反復して行うことを意味する。このような反復性の移動は連続的、定期的、周期的である必要はなく、また大きさにおいて等しい必要もないが、液滴のパターンが長時間一定に保持されることのないように、吹付塗布を行う間に頻繁に行う必要がある。このような移動は、例えば吹付ヘッドからターゲットまでの距離を増減したり、吹付ヘッドをターゲットに平行な移動方向に移動させることにより実現することができる。
「電気的に変化させた」静電界と言う時は、吹付ヘッド(あるいは吹付ヘッドおよびターゲット付近にある、電界調整用電極または第2吹付ヘッドなどの1つまたはそれ以上の物体)に印加される電圧または対地電圧を、静電界と液滴のパターンが変化するように十分に変化せしめ、かつその変化を反復すること、あるいは吹付ヘッドまたはターゲット以外の物体を吹付ヘッドに関して十分に移動させることにより、静電界および液滴のパターンを変化させ、かつその移動を反復させることを意味する。これらの反復性の変化または移動は連続的、定期的、周期的である必要はなく、また大きさにおいて等しい必要もないが、液滴のパターンが長時間一定に保持されることのないように、吹付塗布を行う間に頻繁に行う必要がある。このような変化または移動は、例えば吹付ヘッドとターゲット間の電圧を第1の値からそれより高い値または低い値に変えた後、第1の値の方向に戻したり、近傍にある電界調整用電極に印加する電圧を変えたり、あるいは近傍にある静電吹付ヘッドに印加する電圧を変えたり、あるいは近傍にある電界調整用電極または第2静電吹付ヘッドを移動させることにより実現することができる。
「吹付中に」と言う時は、静電吹付ヘッドにより液滴を吹き付けている間を意味する。
「塗膜の均等性を改善する」というのは、上述のような静電界の変化を行うことなく形成した同様の塗膜と比較して、1種以上の均等性測定法により評価した場合に、高い均等性を示すことを意味する。塗膜の均等性の改善を測定するには多くの基準を適用することができる。例えば、厚さ標準偏差、最小(または最大)厚さを平均厚さで割った比、レンジ(一定の観測地点における経時的な最大厚さから最小厚さを引いたものと定義する)、および空隙領域の減少などを挙げることができる。例えば、本発明の好ましい実施形態では、75%超、さらには90%超のレンジの縮小を提供する。不連続的な塗膜(すなわち、当初は空隙を有する塗膜)に関しては、本発明では検出可能な空隙の全空隙面積の50%超、75%超、90%超、99%超の減少、さらには100%の除去をも実現することができる。当業者であれば理解できるように、塗膜の均等性改善に関して望ましい程度は、塗膜の種類、被覆装置、塗布条件、塗布基板の用途などさまざまな要素によって決まるものである。
本発明の好ましい実施形態では、液滴パターンを第1方向において変化させ、2つ以上のピックアンドプレース装置を用いて塗膜の均等性を第2方向において改善する。この時、第1方向と第2方向はどちらも基板の平面内にあるが相互に異なる方向である。移動ウェブに塗膜を塗布する場合、第1方向は一般にウェブを横断する方向であり、第2方向は一般に縦方向すなわち流れ方向である。
図1aを参照すると、静電吹付被覆装置30は、接地した回転式ドラム14の上に塗布液13の液滴または霧13aのパターンを分注する静電吹付ヘッド31を備えている。ドラム14は、ドラム14の回転周期によって決まる間隔で、ドラム上の同一地点を吹付ヘッド11の下方に出現させたり出現しないようにしながら、吹付ヘッド11の側を通って連続的に循環している。当業者であれば理解されるであろうが、このような装置ではドラム等の導電性転写面を接地する必要はなく、必要であれば導電性転写面の電圧を帯電させた霧化粒子より低くするだけで良い。ただし、導電性転写面を接地するのが一般には最も便利な方法である。
吹付ヘッド31は米国特許第5,326,598号に示されており、「エレクトロスプレー」ヘッドと呼ばれることがある。上記各特許に示されたものを含めて様々な形式の静電吹付ヘッドを用いることができる。静電吹付ヘッドは帯電液滴を略均等に噴霧するのが好ましい。吹付ヘッドに一連の吐出突起を設け、吹付中に噴霧パターンを変えながらこれらの突起から1列以上の噴霧が吐出されるように構成することができる。より好ましくは、静電吹付ヘッド(または適宜に連結した一連の静電吹付ヘッド)が列等のアレー状帯電液滴を生成し、これらの液滴が一つ以上の噴霧を形成するようにする。吹付ヘッド31は、液体供給通路33とスロット34とを備えるダイボディ32を含む。液体13は通路33とスロット34を流れた後、ワイヤ36の上を流れ、ワイヤ36の周りに略一定の曲率半径を有する液体薄膜13を形成する。吹付ヘッド31とドラム14の間の第1電圧V1が電界を生み出し、液滴の霧化を助けると共に液滴をドラム14に向かって付勢する。液滴に影響を及ぼす電界は、吹付ヘッド31によって堆積される霧滴のパターンを変化させるように、吹付中、繰り返し変えられる。電極35とドラム14の間に任意に印加される電圧V2は、液滴をドラム14に向かって付勢する付加的電界を生み出す。必要に応じて、第2電圧V2を省略し、電極35を接地しても良い。電圧V1を印加すると、液体13は一連の液体フィラメントを間隔をあけて形成し(図3aに不図示)、これらが分裂してワイヤ36から下方向に延びる噴霧13aとなる。噴霧13aはその先端において分裂して、高度に帯電した液滴の均等な噴霧が生成され、回転ドラム14に着地する。印加電圧を一定とした場合、噴霧13aはワイヤ36において空間的時間的に一定である。印加電圧V1が変わると、ワイヤ36におけるフィラメントおよび噴霧の数と間隔が変わり、それによってドラム14に堆積される液滴のパターンがウェブの横断方向に移動する。
ドラム14が回転するに従って、帯電した液滴を入口地点17において移動ウェブ16と接触させる。ニップローラ26が入口地点17において移動ウェブ16をドラム14に押圧する。ニップ圧に助けられて、既にドラム14上に着地している液滴は分離地点18に来るまでに拡散融合して空隙の無い塗膜となる。分離地点18において塗膜の一部はウェブ16上に残るが、残りの部分はドラム14上に残る。ドラム14が何回か回転すると安定した状態となり、ドラム14の全表面が塗料で湿潤した状態となり、ウェブ16によって除去される塗料の量とドラム14上に堆積する塗料の量が等しくなる。湿潤したドラム14表面は、新たに塗布される液滴3がウェブ16と接触する前に拡散融合するのを助ける働きをする。液滴の拡散に関する問題は、ドラム14にニップローラ26が圧力を加えることによってさらに低減される。霧化した液滴を直接基板上に吹き付け、液滴自体の物理特性による速度で拡散させる場合に比較して、はるかに短時間で液滴が融合し、塗膜が連続するようになる。このことは液滴が広範囲に分離されがちな薄膜塗布の場合に特に有利である。
装置30は8ロール式改善ステーション37を組み入れており、その動作については本出願人の同時係属出願である2001年1月10日出願の米国特許出願第09/757,955号明細書に記載されている通りである。改善ステーション37はアイドラーローラ38a〜38gと径が等しくないピックアンドプレースローラ39a〜39hを備える。改善ステーションにおいて、ウェブ16の湿潤側がピックアンドプレースローラ39a〜39hの湿潤面に接触し、以下に詳述するように塗膜はウェブ下流方向において均等性を高めて行く。図1aに示した装置と方法は、ウェブ下流方向の均等性が高い非常に薄い塗膜を形成するのに特に有利である。
図1bは図1aの静電吹付ヘッド31とドラム14を装置30のウェブ上流側から見た斜視図である。サイドパン12aが滑り棒12b、12cに装着され、サイドパン15aが滑り棒15b、15cに装着されている。サイドパン12aとサイドパン15aは相互に接近・離開する方向に移動させて塗布幅を制御することができる。液体噴霧13aがワイヤ36の下方に延びている。余分な塗布液はダム12d、15dにより排出される。必要であれば、滑り棒12b、12c、15b、15cを相互に接触するまで移動させた後、さらに可変幅のパンを滑り棒沿いに追加して、ウェブ下流方向にストライプをつけた塗布パターンを生成することができる。
図1cは図1aの静電吹付ヘッド31とドラム14を装置30のウェブ下流側から見た斜視図である。明確化のため電極35は省略されている。ドラム14上の中心ストライプが塗布液13で湿潤される。液体噴霧13aがワイヤ36の下方に伸びているが、図1cにおいては電圧V1が低くなっているため、図1bよりワイヤ36沿いの単位長さあたりのフィラメントの数が少なく(従って噴霧13aの数も少なく)なっている。
噴霧13a間に間隔があるため、ドラム14上に着地する液滴はドラム14の横方向に塗布厚さの大きい領域と小さい領域を形成しがちである。薄膜塗布の場合、塗布厚さの小さい領域は図1bに示したような細いストライプ13bのように見えることがある。ニップローラ26と分離地点18を通過した後、ストライプは図1cから最もよく分かるように、噴霧13aのターゲット領域と分離地点18との間のドラム14において、ストライプは最も目立たなくなる。
噴射を行いながら静電界を変化させることによって、これらの厚みが小さい領域はさらに目立たなくなり、ターゲット基板上または転写面上の塗膜の均等性が改善される。静電界の変更は多くの方法で実施することができる。例えば、図1a〜図1cに示した吹付ヘッドの場合、吹付ヘッド31とドラム14の間の電圧V1を繰り返し変化させることにより、ワイヤ36沿いの噴霧の数と間隔が可視的に変化し、液滴のパターンをドラム14に沿って、ウェブの幅方向に前後に移動させる。この他吹き付けを行いながら静電界を変化させる方法としては、ドラム14やその他ターゲットの電位を上下させる(例えば電位を大地電位より高くした後大地電位に戻すなど)、近傍の電界調整用電極または第2静電吹付ヘッドに印加する電圧を上下させる、近傍の電界調整用電極または第2静電吹付ヘッドを、第1吹付ヘッドの静電界を変更できるように移動させる、基板に予備充電する際に予備充電電圧を上下させる、などの方法がある。電界調整用電極を2個使用する場合、一方の電極に非対称電圧を印加し、他方の電極は大地電圧または異なる電圧に維持した後、吹き付け中に変化させることができる。吹き付け中に液滴のパターンを適正に変化させることができれば、具体的にどの技術を選ぶかは重要な問題ではない。一般に、静電界変更技術を好ましいとするのは、この技術では基板上の区間の固定地点に関して吹付ヘッドの位置を物理的に変化させる必要がなく、構造が簡単になる上、機械的磨耗の原因を取り除くことができるためである。
静電界の変更は周期的(例えば正弦波、方形波などの周期関数)でも非周期的(例えば時間の線形ランプ関数、ランダムウォーク等の非周期関数)でも良い。このような変更の全てが有効であると思われるが、正弦波等の平滑な周期関数が好ましい。周波数については、零から静電吹付ヘッドの構成および塗布液の組成によっても決まる上限値までの幅の周波数を用いることができるが、上限値より高くなると液滴のパターンを大幅に変更することは困難になる場合がある。
図2aは静電吹付ヘッドに印加する電圧を変更するために使用できる回路を簡単に示した図である。関数発生器10と直流(DC)低電圧源20との少なくとも何れか一方が調節可能な出力電圧を有する。関数発生器10は出力波形と期間も調節可能である。関数発生器10と電圧源20は高電圧電源22の入力に直列接続されており、関数発生器10と直列にDC低電圧源20の両端で生成される全電圧を加算的または減算的に変更する波形を関数発生器10が生成するように調節される。例えば、高電圧電源22が50kVの出力を出すのに+10VDCの入力を要する場合、関数発生器10は山から山まで約±1VACの交流波形を生成するように調節し、直流源20は約+7VDC生成するように調節すれば良い。正味効果は、電源22に対して約+6VDCから約+8VDCの範囲で周期的に変化する入力信号を供給することによって、吐出ワイヤ36と地面との間に約30kV〜40kVで周期的に対応して変化する電圧を生成することにある。電圧が変化するに従って、ワイヤ36沿いの噴霧13aの数と間隔が変化し、それによって液滴が空間内で生成される場所がワイヤ36上の基準点(例えば図2bおよび図2cの地点C)に関して変化する。ターゲット基板上に堆積される液滴のパターンも同様に変化する。図2bに示すように、高電圧では吐出ワイヤ36沿いに形成される噴霧13aの数が比較的多く、間隔が比較的狭くなっている。図2cに示すように、低電圧では吐出ワイヤ36沿いに形成される噴霧13aの数が少なく、間隔は広くなっている。電圧の変化に伴って、噴霧13aはワイヤ36に沿って前後に移動し、ドラム14上に塗膜厚さの大きい領域と小さい領域を周期的に転換しながら生成する。こうして形成される塗膜厚さの大きい領域と小さい領域を均す作業は、改善ステーション37を用いることによって、吹き付け中静電界を固定させ、噴霧と厚い領域・薄い領域の位置を変えない場合に比較して、はるかに容易に行うことができる。
図3においては、図1の装置30が用いられているが、アイドラーローラ38aが改善ローラに変換され、ウェブ16はドラム14の上部を通るように装着されている。この構成では、最初に形成される塗膜の平坦性が図1a〜図1cの装置に比較して低くなる。図3の装置において絶縁性基板の塗布を行う場合、通常は静電ウェブの予備帯電(図3では23に図示)が必要となり、塗布後の中和(図3では25に図示)を行うのが好ましく、改善ステーションを用いるのが好ましいといことになる。
図1a〜図1cの装置を用いる場合も、必要に応じてウェブの予備帯電を行うことができる。ただし、図1a〜図1cの装置の大きな利点は、ウェブの予備帯電および塗布後の中和の必要なしに絶縁性および半導電性基板の塗布を行えることにある。
図4aは、接地した循環式導電性転写ベルト41上に塗布液13の噴霧13aを分注する静電吹付ヘッド11を備えた本発明の被覆装置40を示している。装置40は導電性転写面を循環させ、略均等に塗布する目的で改善ステーションを用いている。ベルト41(金属帯など導電性材料で形成される)は、操舵部42、アイドラーローラ43a、43b、43c、43d、不等径のピックアンドプレースローラ44a、44b、44c、バックアップローラ45を通って循環する。ターゲットウェブ48は電動ローラ49によって駆動され、ベルト41がバックアップローラ45の周りを循環する際にベルト41と接触する。ピックアンドプレースローラ44a、44b、44cは駆動されないためベルト41と共に回転し、それぞれ例えば1.36と1.26と1の相対径を有している。ベルト41上の塗膜が液体を満たしたニップ領域46a、46b、46cにおいてピックアンドプレースローラ44a、44b、44cの表面と接触する。液体塗膜は分離地点47a、47b、47cにおいて分離し、塗膜の一部はピックアンドプレースローラ44a、44b、44cが分離地点47a、47b、47cから遠ざかる方向に回転する際にその上に残ったままとなる。その他の部分の塗膜はベルト41と共に移動して行く。分離地点47a、47b、47c直前で見られる塗膜厚さのウェブ下流方向におけるばらつきは、ベルト41およびピックアンドプレースローラ44a、44b、44cの表面が分離地点47a、47b、47cを離れる際に双方の塗膜の厚さにそのまま反映される。ベルト41がさらに移動すると、ピックアンドプレースローラ44a、44b、44c上の液体がベルト41上のベルト41に沿った新しい位置にさらに堆積される。
装置40を始動してからベルト41が数回回転すると、ベルト41とローラ44a、44b、44cの表面は略均等な液体13の層で被覆された状態となる。ベルト41が液体で被覆されると、塗布液13の霧滴がベルト41に到達する領域に三相(空気と塗布液とベルト)の湿潤線が形成されることはなくなる。このため、乾いたウェブに直接塗布する場合に比べて、塗布液14をはるかに容易に塗布することができる。
ローラ45とローラ49で挟むと、ベルト41上の湿潤塗膜の一部がターゲットウェブ48上に転写される。ローラ45と49のニップでは液体の約半分しか転写されないため、吹付ヘッド11のすぐ下流の領域ではベルト41上の厚みの不均等性の割合は、転写ベルトを用いずに、また同数のローラを有する改善ステーションに被覆したウェブを通すことなく、乾燥ウェブに塗布する場合に比べて、はるかに小さくなる(例えば半分程度まで)のが普通である。定常運転では、塗膜がターゲットウェブ48に転写されるのと同じ平均速度で吹付ヘッド11から塗布液13がベルト41に加えられる。
ベルト41と図4aの任意のローラとの間、あるいはベルト41とウェブ48の間に速度差を持たせることもできるが、ベルト41とピックアンドプレースローラ44a、44b、44cの間、あるいはベルト41とウェブ48との間には速度差をもたせない方が好ましい。その方が装置40の機械的構造が簡素化されるためである。
図4bは図4aのローラ45、49の拡大図である。図4bに示すように、ターゲットウェブ48は多孔質である。ターゲットウェブ48は必要に応じて非多孔質としても良い。ニップ圧を適宜調節することにより、湿潤塗膜が多孔質ターゲットウェブ内の細孔の中に浸透するのを制御し、多孔質ウェブの上表面に留めて、ウェブの他の表面、また好ましくはウェブの内部に浸透しないようにすることができる。これに対して、従来の静電吹付被覆やその他の吹付被覆技術を用いて多孔質ウェブに直接塗布を行った場合、霧化した液滴はウェブ内まで浸透することが多く、ウェブの細孔全体に完全に浸透する場合もある。織目の大きい織物ウェブや空隙率の大きい不織ウェブに関しては、特にこのことが言える。
図5aと図5bは、隣接するレーン、重なり合うレーン、または別個のレーンにおいてウェブにストライプ状に塗布することのできる本発明装置50の略側面図と略端面図である。一連の静電吹付ヘッド51a、51b、51cが、ウェブ53の幅方向に間隔をおいた位置でウェブ53に対して液体の噴霧52a、52b、52cを当てる。ウェブ53はニップローラ54a、54b、54cの上、回転式導電ドラム55a、55b、55cの下、引取ローラ56a、56b、56cの上を通過する。接地板57a、57b、57c、57dが静電吹付ヘッド51a、51b、51c間の静電干渉を抑制する働きをするが、必要であれば変動電圧に曝すことにより静電干渉を生じさせて、静電界の一つまたはそれ以上を変化させるようにしても良い。ドラム55bはドラム55aに塗布された塗膜用の改善ステーションの働きをし、ドラム55cはドラム55aと55bに塗布された塗膜用の改善ステーションの働きをする。
図5bに示すように、静電吹付ヘッド51a、51b、51cはそれぞれのレーンにおいてストライプ状に塗膜を塗布することができるように設置されている。当業者であれば理解されるであろうが、静電吹付ヘッド51a、51b、51cはこれ以外の横方向の位置に間隔をあけて設けても良いし、ドラム55cの上にサイドパン12a、15aのようなサイドパン等のマスキング装置(明解さを期すため図5bでは一方のみを図示)用いて、これを調節することにより塗膜の各ストライプの横方向の位置と幅を制御することができる。このように、塗膜のストライプは必要に応じて全体的または部分的に重ね合わせたり、突合せたり、被覆されていないウェブのストライプによって分離したりすることができる。当業者であれば理解されるように、静電吹付ヘッド51a、51b、51cにそれぞれ異なる塗布用化学品を容れて、複数種類の化学品をウェブ53に同時に塗布するようにすることもできる。
図5cは、一つの回転式導電性ドラム14またはその他の転写面と、複数の静電吹付ヘッド59a、59bを使ってそれぞれのレーンにストライプ状に塗膜を塗布することのできる本発明装置58を示す略側面図である。図5aおよび図5bの装置50と同様に、装置58の静電吹付ヘッド59a、59bも様々な横方向の位置に間隔をあけて配置して、サイドパン等のマスキング装置を用いて塗膜のストライプの横方向の位置および幅を制御するように調節できる。こうすることで装置58の生成する塗膜のストライプを、必要に応じて全体的または部分的に重ね合わせたり、突き合わせたり、被覆されていないウェブのストライプによって分離したりすることができる。静電吹付ヘッド59a、59bが相互に十分に近接して配置されていれば、一方の静電吹付ヘッド59aまたは59bにおいて静電界を変化させることにより、他方の静電吹付ヘッド59aまたは59bの静電界を変化させ、両吹付ヘッドによって生成される液滴のパターンを変えることができる。
転写面(例えば図5cのドラム14)の上方に2つ以上の吹付ヘッドを配置して、同一レーンに2種類以上の液体を堆積するように構成することができる。このような構成によって、独自の組成の組合せや積層塗膜を混合して塗布することが可能となる。例えば、無溶剤型シリコーン配合物の中には2種類の不混和性化学物質を用いるものがある。このような配合物は、混合すると混濁し、さらに相当な期間静置すると2相以上に分離する2種類のアクリル化ポリシロキサンを含む場合がある。また、多くのエポキシ・シリコーンポリマー前駆体等の重合可能な配合物は、残りの成分と不混和性の液体触媒成分を含有する。このような配合成分を連続するノズルから順次吹き付けることにより、各成分の配合と、ウェブ下流方向での成分濃度および厚さを調整することができる。連続して配設した吹付ヘッドの後に改善ステーションを通る塗布膜の通路を設け、これらを組合せて用いることにより、各成分の分離および合流を繰り返し行うことができる。このような構成は混合が難しい配合物や反応の速い配合物に特に有用である。
必要に応じて、不活性雰囲気または不活性でない雰囲気を用いることにより、液滴が吹付ヘッドから基板または転写面へと移動する際に液滴の反応を抑制または促進することができる。また、基板または転写面を加熱または冷却することにより、塗布液による反応を促進または抑制することができる。
静電界を周期的に電気的に変化させることと液滴のパターンを回転ドラムに塗布することに関しては、変更の期間とドラムの回転角振動数とを関係付ける計算式から本発明についての理解がより深められるであろう。周期τを有する変動電圧Vを典型的な静電吹付ヘッドに印加した場合、噴霧パターンも周期τで変動する。このような静電吹付ヘッドを用いて、半径RDを有し表面速度Sで移動する回転ドラム上に塗膜を堆積し、この塗膜をドラムの下に巻回されている移動ウェブに転写することができる。ここではウェブとドラム面とが同速度あるいはほぼ同速度で移動すると仮定する。ドラム面上の一点が短時間dtに短距離ds移動すると、S=ds/dtとなる。ドラム上の一地点の回転を説明するには、ドラムの中心軸と座標系の原点とを一致させた円筒座標系を用いると便利である。2本の線のうち第1の線を空間に固定して、両方共中心軸に対して直角に引くことができる。第2の線は空間内をドラムと共に回転するように、中心軸からドラム面の固定点へと引く。これら2本の線の成す角度を角度θを用いて定義することができる。この場合、ドラムの回転に伴って角度θは時間tにおけるθから、時間t+dtにおけるθ+dθへと変動する。ドラム面上の一地点はこの時間dtの間に距離ds移動することになる。距離dsは弧長RDdθによっても定義される。その結果、ωD=dθ/dtをドラムの回転角振動数とするとき、ds=RDdθ=RDdθ(dt/dt)=RD(dθ/dt)dt=RDωDdtとなる。従って、S=ds/dt=RDωDはウェブ速度Sをドラムの半径RDおよびドラムの回転角振動数ωDと関係付ける。同様に、t=0においてθ=0の場合、θ=2πでローラが1回完全に回転することになる。この1回の回転を行う時間を回転時間τDと定義すると、dθ=ωDτdDであるから、2π=ωDτDとなる。すなわち、角振動数と周期はωD=2π/τDで関係付けられる。
このように角振動数とその周期を関係付けるという概念は、時間的に反復動作する装置に適用できる一般的な概念である。従って、噴霧に周期τで液滴のパターンを振動させた場合、その角振動数ωは周期τとω=2π/τで関係付けられる。このような噴霧を周期τでウェブの横方向に変化させた場合、振動噴霧の角振動数はω=2π/τとなる。振動噴霧の周期τを、ドラムが一回転するのに要する周期τDより長くした場合、ドラムは噴霧パターンが1回の振動を完全に終えるより短時間で1回完全に回転することになる。ドラムは複数回の回転を行うかもしれないので、結果的にドラム上の特定個所に塗布パターンを繰り返し堆積することになる。ISを小さい方の整数、ILを大きい方の整数とするとき、ILτD=ISτである場合に塗布パターンが反復される。τDはドラムが1回回転する時間であるため、ILは噴霧パターンがドラム上に完全に同じように反復されるまでに必要なドラムの回転数となる。同様にISは噴霧パターンがドラム上で反復するまでに必要な噴霧パターンの周期の数となる。周期を逆にしても同じことが言える。すなわち、τDがτより大きい場合、ISを小さい方の整数、ILを大きい方の整数とするとき、ISτD=ILτである場合に塗布パターンが繰り返されることになる。τDはドラムが1回回転する時間であるため、ISはこの場合にはドラム上に噴霧パターンを繰り返すまでに必要なドラムの回転数を表し、ILが噴霧パターンがドラム上で反復するまでに必要な噴霧パターンの周期の数を表すことになる。
τDが噴霧パターン周期τより小さいか大きいかが分かると、塗膜パターンを反復するために必要な実際の回転数を決定することができる。いずれの場合にも手続きは同じである。例えば、ドラムの回転時間τDが噴霧パターン周期τより小さい場合を想定すると、ILτD=ISτの基準を満足する必要がある。ドラムの半径RDが分かっており、噴霧の振動周期τを測定した場合、Nを必ずしも整数ではない数とした時にτ/τD=IL/IS=[τ/(2πRD)]S=Nとなる。ドラム上に出現する反復噴霧パターンに関する要件は、τ/τD=IL/IS=N、あるいは単にNIS=ILまで減少される。整数ISの数値を求めるためには、展開表の欄の上から下へと整数1,2,3,...nを書き込み、対応するセルの隣の欄において各整数にNを掛ける。これによって2番目の欄の積が整数になる一番目の列がILの値を生むことになる。代替的に、Xを任意の数字とした場合、Xが整数の時に限ってX−INT(X)=0となるため、展開表の1番目の欄においてIiをi番目の整数(すなわちI1=1,I2=2,I3=3,...Ii=i,...In=n)として、展開表の2番目の欄の対応するセルにNIi−INT(NIi)の値を入れても良い。この数値がゼロに等しい場合、1番目の欄の対応する整数がISを表す。いずれの場合にも、上述の方法の何れかによってISかILの何れかが求められれば、Nは既に分かっているのでもう一つの整数もIL/IS=Nから求めることができる。その結果噴霧パターンがドラム上で反復するまでに必要なドラムの回転数と噴霧パターンの周期の数を求めることができる。
上述のように、本発明の方法および装置は塗膜の第2方向における均等性を改善するピックアンドプレース装置を2つ以上備える改善ステーションを利用することができる。移動ウェブへの塗布とウェブの幅方向での液滴パターンの変更を伴う方法の場合、この第2方向とは一般にウェブの下流方向である。改善ステーションに関しては、上記同時係属米国特許出願第09/757,955号に記載されているが、さらに以下の通り説明することができる。図6を参照すると、基板(例えば連続ウェブ)60上に呼称厚さhの液体塗膜が設けられている。この呼称厚さより高い高さHの変則的な局部スパイク62が何らかの理由により形成された場合、あるいは変則的局部的な陥没部(呼称厚さより小さい深さH’の部分空洞63または深さhの空隙部64など)が何らかの理由で発生した場合、被覆した基板の一部が欠陥品となって使用不能となる。改善ステーションは2つ以上のピックアンドプレース装置(図6では不図示)の塗布液で湿潤した表面を塗膜61と定期的(例えば周期的)に接触させる。これによってスパイク62のような塗膜の平坦でない部分を摘み取って基板の別の場所に配置したり、空洞63や空隙64のような塗膜の平坦でない部分に塗布材料を入れることが可能となる。ピックアンドプレース装置の配置周期は、装置の作用によって基板上の塗膜の欠陥が助長されることのないように選択される。必要に応じて、欠陥が出現した時に限ってピックアンドプレース装置を塗膜と接触させるようにしても良い。また、代替的に、接触地点の欠陥の有無に拘らずピックアンドプレース装置と塗膜を接触させるようにしても良い。
ウェブ60上の塗膜改善のために本発明において使用できる種類のピックアンドプレース装置70を示したのが図7である。ピックアンドプレース装置70は装置70がその周りで回転する中心ハブ71を備える。装置70は移動ウェブ60の被覆幅に亘って延び、移動ウェブ60はローラ72上の装置70を通って移送される。ハブ71からは2本のラジアルアーム73、74が延設されており、これらのアームにピックアンドプレース面75、76が取り付けられている。ピックアンドプレース面75、76は湾曲されており、装置70が回転すると単一の円弧を描くように構成されている。ピックアンドプレース面75、76の回転とウェブ60に対する空間的関係により、ピックアンドプレース面75、76はローラ72に相対してウェブ60と周期的に接触する。ウェブ60の幅Aの接触ゾーンは、始点77から分離点77まで、ウェブ60上の湿潤塗膜(図7では不図示)とピックアンドプレース面75、76とによって埋められる。分離点においては、ピックアンドプレース装置70が回転を続け、ウェブ60がローラ72の上を移動するのに伴い、ある程度の液体がウェブと60とピックアンドプレース面75の両方に残ったままとなる。1回の回転が終わると、ピックアンドプレース面75が液体の一部をウェブ60の長手方向の新しい位置に配置する。その間にウェブ60は、ウェブ速度にピックアンドプレース面75が一回転するのに必要な時間を掛けた積に等しい距離だけ移動している。このようにして、塗布液の一部をウェブ上のある位置から取り上げて、それをウェブの別の場所に別の時に配置することができる。ピックアンドプレース面75、76の両方がこの作用を生み出す。
ピックアンドプレース装置の周期は、該装置が基板のある位置から湿潤塗膜の一部を取り上げた後、これを別の場所に配置するのに要する時間、あるいは装置の表面部分が連続して接触する2つの地点間の距離によって表すことができる。例えば、図7の装置70が60rpmで回転し、装置に対する基板の相対運動が一定とした場合、周期は1秒である。
2種類以上の周期、より好ましくは3種類以上の周期を有する複数のピックアンドプレース装置が使用される。最も好ましくは、このような周期の対がお互いの整数倍とならないようにする。ピックアンドプレース装置の周期は多くの方法で変更することができる。例えば、回転装置の直径を変える方法、回転装置または揺動装置の速度を変える方法、定位置にいる観察者から見た時に基板の長さ方向(例えばウェブの上流方向または下流方向)において装置をその初期の空間的位置に関して繰り返し(例えば連続的に)移動させる方法、あるいは回転装置の回転速度に関して基板の移動速度を変える方法などがある。周期は平滑的に変動する関数とする必要はなく、経時的に一定とする必要もない。
多くの種類の機構によって、液体を塗布した基板との周期的接触を生み出すことができ、多くの種類の形状と構造を有するピックアンドプレース装置を使用することができる。例えば、往復機構(例えば上下に動く機構)を用いてピックアンドプレース装置の塗布液で湿潤した表面を揺動させて基板と接触させたり分離させたりすることができる。ピックアンドプレース装置を回転させるのが好ましいのは、装置に回転運動を与えるのは簡単である上、装置を機械的磨耗に対して比較的耐性のある軸受け等の適当なキャリヤを用いて支持することができるためである。
図7のピックアンドプレース装置はダンベル形状で2つの非連続的接触面を備えているが、ピックアンドプレース装置は他の形状としても良く、非連続的接触面を備える必要もない。既に図1a、図3および図4aに示したように、ピックアンドプレース装置を基板と接触する一連のローラとしたり、その湿潤側が一連の湿潤ローラおよび基板と接触する無端ベルトとしたり、あるいはこれらの組合せとしても良い。これらの回転式ピックアンドプレース装置は、基板と連続して接触させるのが好ましい。
移動するウェブまたはその他移動方向を有する基板に塗布する場合、回転ローラを用いた改善ステーションが好ましい。ローラは移動基板と同じ周速度、あるいはそれより低速または高速で回転させることができる。必要により、移動基板と反対方向に装置を回転させても良い。回転式ピックアンドプレース装置の少なくとも2つの回転方向を同じにし、かつ周期的な関係がないようにするのが好ましい。より好ましくは、ウェブ等の移動方向を有する基板上の塗膜を改善することを伴う用途に関しては、少なくとも2つのピックアンドプレース装置を基板と同じ方向にかつ略同じ速度で回転させる。最も好ましくは、ピックアンドプレース装置全部を基板と同じ方向にかつ略同じ速度で回転させる。このことは、基板に当接して基板の移動と共に運ばれる非駆動の共回転ローラを用いて容易に達成することができる。
図7に示すようなピックアンドプレース装置と塗膜を初期接触させると、材料に欠陥のある部分が生まれる。開始時はピックアンドプレース転写面75、76が乾燥しており、最初の接触が行われる時に、装置70は領域Aのウェブ60上の第1位置においてウェブ60と接触する。分離地点77において、始点78において領域Aに入った液体のほぼ半分が転写面75、76を塗布液で湿潤させ、ウェブから除去される。例えここに到達する前の塗膜の厚さが均等で所望の平均厚さと等しいものであっても、このように液体が分割されることでウェブ60上に塗膜厚さが小さく欠陥のある地点が生み出される。転写面75または76が第2位置においてウェブ60と再び接触すると、第2の塗膜液との接触および分離が生じ、第2欠陥領域が生まれる。ところが、この塗膜の欠陥は第1の欠陥領域に比べて程度の低いものとなっている。この後順次接触する毎にウェブ上の欠陥領域は小さくなって行き、平均厚さからの偏差が次第に小さくなって遂には平衡に達する。このように、初期接触によってある時間にわたって周期的に厚さのばらつきが生み出される。これは欠陥が反復されるということであり、それ自体は望ましくないものであろう。
ウェブと転写面との間の液体の分割比率が常に一定値であるという保証はない。この分割比率には多くの要素が影響するが、これらの要素が予測不能であることが多い。分割比率が急激に変化すると、ピックアンドプレース装置を長時間運転していた場合でも、ウェブの下流方向に周期的な厚さのばらつきが生じる。ピックアンドプレース装置の転送面に異物が付着すると、装置は接触する度にウェブの下流方向に周期的な欠陥を生成する場合がある。従って、ピックアンドプレース装置を1つのみ使用した場合では、大量のスクラップ材料を生み出す可能性がある。
改善ステーションは塗膜の均等性を良好にするために、2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは5つ以上あるいは8つ以上のピックアンドプレース装置を用いる。ピックアンドプレース転送面上の塗布液が平衡値に到達した後に、塗膜の厚さが高かったり低かったりする不規則なスパイクがステーションを通過する場合がある。このような状態が生じて、しかも欠陥が接触する場合、単一のピックアンドプレース装置、または接触周期が同じである複数のピックアンドプレース装置のアレーがウェブと周期的に接触すると、ウェブの下流方向に周期的な厚さの欠陥を再び伝播する結果となる。この場合もスクラップが生み出されるため、当業者であればこのような装置を回避するであろうと思われる。長いウェブに元々の欠陥の像を多数含むものより、塗布ウェブの欠陥が一つだけの方がはるかに良い。従って、装置を1つだけとしたり、接触周期が同じまたは強化し合う一連の装置を用いることは非常に有害となり得る。ただし、ステーションに入る不規則な初期的欠陥または第1接触により生まれる欠陥は、欠陥を伝播するのではなく減少させるように接触周期を選択した2つ以上のピックアンドプレース装置から成る改善ステーションを使用することによって無くすことができる。このような改善ステーションは、長く延びる欠陥塗膜の代わりに、改良された塗膜の均等性を提供することができ、進入する欠陥を、その欠陥がもはや問題ではない程度まで低減することができる。
上述の静電吹付ヘッドと改善ステーションを組合わせて使用することにより、改善ステーションの出口においてウェブ下流方向に新たな塗膜プロファイルが生成される。すなわち、複数のピックアンドプレース装置を用いることにより、静電吹付ヘッドから塗布される塗膜の欠陥を修正することができる。これらの欠陥は、改善ステーションの第1装置により欠陥像として再伝播され、第2の装置および任意の後続装置によって伝播および再伝播された別の欠陥像によって変更される。これを建設的および破壊的加算の方法で利用して、結果がほぼ均等な厚みまたは厚さの変動が制御されたものとなるようにすることができる。実際に複数の波形を生成し、これらを各波形の建設的加算と破壊的加算が組み合さって所望程度の均等性が生まれるように加算する場合がある。やや見方を変えると、塗膜の乱れが改善ステーションを通過する際に、塗膜の一部が高くなっている地点から実際に摘み取られて、低い地点に配置される。
本発明の改善プロセスを数学的にモデリングすると、理解を深める上で役立つと思われる。モデリングは流体力学に基づくもので、観察可能な結果と良く一致する。図8は、周期的に接触するピックアンドプレース転写装置(図8には不図示)に接近するウェブ上の第1位置に位置する単独の不規則スパイク入力81に関して、液体塗膜の厚さとウェブ長さ方向(流れ方向)の距離との関係を示すグラフである。図9〜図13は、スパイク入力81が1つ以上のピックアンドプレース接触装置と遭遇する場合の数学的モデルの結果であり、ウェブ沿いの液体塗膜の厚さを示している。
図9は、スパイク入力81が単独の周期的ピックアンドプレース接触装置に遭遇する場合に、ウェブ上の第1位置に縮小されて残るスパイク91と、ウェブ上の後続の第2位置に再伝播されて配置されるスパイク92、93、94、95、96、97、98を示している。当初入力されたスパイク81のピークの長さを1長さ単位、高さを2厚み単位とする。接触装置の周期は10長さ単位に相当する。入力欠陥の像が10長さ単位の増分で60長さ単位超の長さに亘って周期的に反復される。このため、欠陥をもって被覆されたウェブ、すなわち「不良」ウェブの長さは入力欠陥の長さに比べて大きく増加する。勿論、欠陥ウェブの正確な長さは、所望の最終用途に対して許容できる塗膜厚さのばらつきによって決まるものである。
図10は、スパイク入力81が、それぞれ10長さ単位の周期を有し、2つの周期的同期ピックアンドプレース転写装置に遭遇する場合に、縮小してウェブ上の第1位置に残るスパイク104と、再伝播されてウェブ上の後続の第2位置に配置されるスパイク102、103、104、105、106、107、108、109のいくつかの振幅を示している。単独のピックアンドプレース装置を使用した場合に比べて、振幅の小さいスパイク像がウェブ上の長い距離に亘って発生している。
図11は、連続して配設された周期10と周期5の2つの周期的同期ピックアンドプレース接触装置を用いた場合に得られる塗膜を示したものである。これらの装置は周期的に関連した接触周期を有している。そのピックアンドプレース作用により、塗膜がウェブ上の周期的に関連した位置に堆積される。図10と比較すると、スパイク像の振幅は余り小さくなっていないが、塗膜に欠陥のあるウェブの長さはやや短くなっている。
図12は、10、5、2とそれぞれ異なる周期を有する3つの周期的ピックアンドプレース装置を使用した場合に得られる塗膜を示したものである。周期10の装置と周期5の装置は周期的に関連している。周期10の装置と周期2の装置も周期的に関連している。しかし、周期5の装置と周期2の装置は周期的に関連しておらず(5は2の整数倍でないため)、従ってこの一連の装置は、ウェブ上の第1位置において塗膜と接触した後、第1位置からの距離に関して相互に周期的に関連しない第2位置と第3位置において塗膜と再接触することのできる第1および第2の周期的ピックアンドプレース装置を含んでいる。図9〜図11に示した作用を有する装置に比較して、厚み偏差ははるかに小さく、塗膜に欠陥のあるウェブの長さもはるかに短くなっている。
図13は、周期10の第1装置と、周期5の第2装置と、周期2の第3〜第8装置から成る8つの接触装置を用いた場合の結果を示している。図9〜図11に示した作用を有する装置に比較して、スパイク像の振幅が大幅に小さくなっており、塗膜の厚さの均等性に大きな改善が見られる。
不規則な欠陥がスパイクではなく陥没部(例えば被覆されていない空隙など)の場合にも、同様の塗膜の改善が達成される。
上述の不規則なスパイクおよび陥没部は、改善ステーションに呈示される一般的な種類の欠陥の一つである。次に重要な種類の欠陥が周期的に反復する欠陥である。言うまでもなく、塗膜製造装置においては、これら両方の種類の欠陥が同時に発生することも多い。連続的に走行するウェブにスパイクまたは陥没部が高さまたは深さの高低に関わらず周期的に連なって生じる場合、被覆装置のオペレータは欠陥の原因を探ってそれを取り除こうとするのが普通である。図7に示したような単独の周期的ピックアンドプレース装置では効果がないばかりか、塗膜の品質をますます悪化しかねない。しかし、図7に例示したものと機能的に同じ2つ以上の装置を用いて、装置の周期を適正に選び、これらの装置により塗膜に断続的周期的に接触すれようにすれば、塗膜の均等性を改善することができる。改善は不規則的ばらつきと連続的・周期的ばらつきの双方、またそれらの組合せにも見られる。一般に、個々の装置による接触の相対的タイミングを、望ましくない相加効果を回避できるように調節する努力をした場合により良い結果が得られると言える。塗膜と連続的に接触して走行するローラを使用することでこの問題を回避すると共に、やや簡単で好ましい解決策が得られる。ウェブ上を走行するローラ面が少しずつウェブに接触して行くため、ローラ面を断続的周期的に接触する表面を連結した連なりとみなすことができる。同様に、回転式無端ベルトもローラと同じ機能を果たすことができる。必要に応じて、メビウスの帯の形式のベルトを使っても良い。塗布技術に精通した者なら分かるであろうが、楕円形のローラやブラシなど他の装置を用いても、改善ステーションにおいて周期的ピックアンドプレース装置として作用させることができる。装置が精密な周期性を有する必要はなく、単に繰り返し接触するだけで良い。
図14は、振幅の等しい反復性スパイク入力が連続して周期的に接触するピックアンドプレース転写装置に接近する場合の、液体塗膜の厚さとウェブに沿った距離の関係を示すグラフである。ピックアンドプレース装置がこの反復性欠陥に周期的かつ同期的に接触すると共に、その周期が欠陥周期と等しい場合、装置の始動時から何らの変化も生まれない。装置の周期が欠陥周期の整数倍である場合にもこのことが言える。この接触工程のシミュレーションが示すように、周期が入力される欠陥周期より短い場合は単独の装置ではより多くの欠陥スパイクが生み出される。図15は、周期10の反復性欠陥が周期7の周期的ピックアンドプレースローラ装置に遭遇する場合の結果を示したものである。
複数の装置を使用し、それらの装置の接触周期を適正に選択することにより、肉眼で見ても不均等な塗膜の品質でさえ実質的に改善することができる。図16と図17は、図14の欠陥パターンを有する塗膜を、それぞれの周期が相互に関連しているとは限らない7つまたは8つの周期的ピックアンドプレースローラ装置に連続してかけた場合のシミュレーションの結果を示している。図16では、装置の周期を7、5、4、8、3、3、3としている。図17では、装置の周期を7、5、4、8、3、3、3、2とした。どちらの場合も、最も高いスパイクの振幅が75%超縮小した。このようにスパイクの数が増えても、塗膜厚さの均等性において有意の改善が見られた。
乾燥、硬化、ゲル化、結晶化、相の変化など経時的に生じる要因が、使用されるローラの数を制限する場合がある。塗布液が揮発性の成分を含む場合、多くのローラを通って移動するのに必要な時間によって、液体が固化する程度まで乾燥が進行する場合がある。後で詳述するように、改善ステーションによって乾燥が実際に促進される。いずれにしても、何らかの理由により、改善ステーションの動作中にローラ上で塗膜相の変化が生じると、通常はウェブ上の塗膜に途絶やパターンが生じる結果となる。従って、一般にはできるだけ少ない数のローラを用いて、所望の程度の均等性をもつ塗膜を製造するのが好ましいと考えられる。
図18は、大きさは等しいが速度の異なる一連のピックアンドプレースローラ接触装置を用いた改善ステーション180を示す。液体を塗布されたウェブ181は、改善ステーション180に入るまでにその一面が被覆(図18に不図示の静電吹付ヘッドにより)されている。ウェブ181上の液体塗膜の厚さは、ピックアンドプレース接触装置のローラ182に接近する際のどの瞬間にもウェブの下流方向で空間的に変化する。位置を固定した観察者から見れば、塗膜の厚さは時間的に変動しているようにも見える。このような変動は、ウェブの下流方向において一過性の成分、不規則的成分、周期的成分、そして一過性の周期的成分を含んでいる。ウェブ181は、アイドラーローラ183、185によってステーション180を通る経路に沿って導かれ、ピックアンドプレース接触装置の各ローラ182、184、186、187と接触する。経路はウェブの湿潤被覆側がピックアンドプレースローラと物理的に接触するように選択される。ピックアンドプレースローラ182、184、186、187(図18では同径に示されている)は、ウェブ181と共に、しかし相互に異なる速度で回転するように駆動される。各ローラの速度はウェブ181上の塗膜の均等性を改善するように調節される。ピックアンドプレースローラ182、184、186、187のうち少なくとも2つ、好ましくは2つ以上のローラの速度を異なるものとし、しかも相互に整数倍とならないようにする。
ここでピックアンドプレースローラ182について見ると、液体塗膜は分離地点189において分割される。塗膜の一部はウェブと共に前進を続けるが、残りはローラ182と共に、その回転に伴って分離地点189から離れて行く。分離地点189直前の塗膜の厚さのばらつきは、ウェブ181とローラ182が分離地点189を離れる際に、ウェブ181上の液体の厚さとローラ182の表面上の液体の厚さの双方にそのまま反映される。ウェブ181上の塗膜がまずローラ182と接触してローラ182が1回転すると、ローラ182上の液体とウェブ181に乗って来る液体とが入口地点188において出会い、それによって入口地点188と分離地点189との間のニップ領域196を満たす液体が形成される。領域196に空気が連行されることはない。位置を固定した観察者から見ると、領域196に入る液体の流速は、ウェブ181に乗って入って来る液体とローラ182に乗って入って来る液体の速度を合計したものとなる。ローラ182の正味の作用は、ウェブ181上の一地点においてウェブから材料を取り、その材料の一部をウェブ上の別の位置に戻すことにある。
同様に、分離地点191、193、195においても液体塗膜が分離される。塗膜の一部が入口地点190、192、194においてウェブ181と再接触し、ウェブ181に再塗布される。
上述のような断続的ピックアンドプレース接触装置を並べたものによっても、ウェブ上の液体塗膜の厚さの不規則的または周期的なばらつきの程度が減少し、望ましくは図18の周期的接触ローラのピックアンドプレース作用によりばらつきが実質的に解消されると思われる。また、上述の装置を用いた場合でも、ウェブ上の液体被膜と接触して走行する一つのローラまたは周期的に関連付けられた一連のローラは一般的に言って、欠陥を伝播して、費用のかかるスクラップを大量に生み出す傾向がある。
複数のピックアンドプレースローラを使用することによって、連続するスパイクまたは陥没部の振幅を実質的に減少することと、これらを結合することにより連続的にやや変動するがスパイクおよび陥没部のない均等性の高い塗膜を形成することを同時に実現することができる。図18に示したように、このことは異なる速度で駆動される同径のローラ装置を用いて達成することができる。図1a,図3および図4に示したように、ローラ装置の径を変えることによっても達成することができる。ローラが独立して駆動されるのではなく、ウェブの牽引力によって回転される場合、各ローラの周期はその直径および湿潤ウェブの牽引力と関係する。大きさの異なるローラを選択するには、初期設定の段階で余分な時間を要するが、ローラは非駆動でウェブと共に回転できるため、改善ステーションにかかる全体的なコストは大幅に削減されることになる。
詳細な数学的シミュレーションはない場合、ピックアンドプレースローラの径の組合せ、従ってローラの周期の組合せを決定する上で推奨される実験手順を以下に示す。まず、ウェブへの塗布量を連続的に測定し、改善ステーションへ入る望ましくない周期的欠陥の進入周期Pを求める。次にその進入周期の整数の倍数および約数を避けながらそれより小さい周期からそれより大きい周期までの範囲の周期を有する一連のピックアンドプレースローラの径を選ぶ。この群の中から、その一つで均等性を最も改善できるローラを決定する。群の残りのローラの中から、最初に選択したローラと共に使用した場合に均等性を最も改善できる第2のローラを選択する。最初の2つのローラが決まったら、残りのピックアンドプレースローラの中から最も改善できるものを一つずつ選んで行く。最良のローラの組合せは、使用する均等性の基準および改善前にウェブ上に存在する当初のばらつきによって決まるものである。好ましいと考えられるローラの組合せは、進入欠陥の周期に0.03を増分として0.26〜1.97の範囲の数を掛けた積に等しい周期Qを有するローラを含む組合せである。例外がQ=0.5、0.8、1.1、1.25、1.4、1.7である。nを整数、k=1/nとする時、(Q+nP)および(Q+kP)の周期も推奨される。
図19は改善ステーション200に使用される厚さ監視・制御システムを示している。このシステムによると、改善ステーションの1つ以上のピックアンドプレース装置の周期で塗膜厚さのばらつきと調節を監視することができ、それによって塗膜の均等性の改善やその他所望の変更を行うことができる。このことは、進入してくる偏差の周期が変化する場合に特に有用である。図19を参照すると、ピックアンドプレース転写ローラ201、202、203が電動駆動システム(図19では不図示)に取り付けられており、電動駆動システムは制御器250からの信号に応じて各ローラの回転速度を個別に制御することができる。回転速度は必ずしも一致させる必要はなく、また基板205の速度にも一致させる必要はない。センサ210、220、230、240は、基板205またはその塗膜の1種以上の特性(例えば厚み)を検知することができ、ピックアンドプレースローラ201、202、203の何れか一つまたはそれ以上の前後いずれかに配置することができる。センサ210、220、230、240は信号線211、212、213、214を介して制御器250に接続される。制御器250はセンサ210,220、230、240の何れか一つまたはそれ以上からの信号を処理して、所望のロジックおよび制御関数を適用し、適切なアナログまたはデジタル調整信号を生成する。これらの調整信号は一つまたはそれ以上のピックアンドプレースローラ201、202、203用の電動部に送られ、一つまたはそれ以上のローラの速度調整を行う。一実施形態では、自動制御気250をマイクロプロセッサとし、ローラ201の出力側の塗膜厚さの標準偏差を計算し、制御機能を実施して改善された塗膜厚さの最小標準偏差を求めるようにプログラムすることができる。ローラ201、202、203の制御が個々に行われるか、共通して行われるかにより、残りのピックアンドプレースローラの後ろに配置されたセンサからの一変数または多変数閉ループ制御アルゴリズムを用いても、塗膜の均等性を制御することができる。センサ210、220、230、240は、光学比重計、β計、静電容量計、蛍光計、吸光度計など、多様な検知システムを用いることができる。必要であれば、センサの数をピックアンドプレースローラより少なくしても良い。例えば、センサ240のような単独のセンサを用いて塗膜の厚さを監視させ、順次あるいはその他の方法でピックアンドプレースローラ201、202、203に対して制御機能を実施させることができる。
上記のように、改善ステーションは、作動前あるいは作動中に回転速度を選択または変更できる駆動式のピックアンドプレースローラを使用することができる。ピックアンドプレースローラの周期は他の方法でも変更することができる。例えば、ローラの表面速度は一定としたままでローラの径を変えても良い(例えばローラを膨縮させる等の方法により拡大または収縮させる方法で)。ローラの径は一定とする必要はなく、必要であればその断面形状を中高、皿形、円錐形等とすることができる。このような形状とすることで、ローラの組合せの周期を変える助けとなる。また、ローラの位置やロール間の基板経路の長さを作動中に変えることもできる。ローラの一つまたはそれ以上をその回転軸が基板経路に対して直角とならないように(あるいは常に直角とならないように)配置しても良い。このように配置にすると、そのローラは取り上げた塗膜を基板の横方向にずれた位置で再塗布するため、性能を向上させることができる。静電吹付ヘッドへ供給される液体の流速を例えば周期的に変調し、その周期を変更するようにしても良い。このような変更は全て、上記のローラの大きさに関する法則に代わるものとして、あるいはそれに付加するものとして有用であり、全て改善ステーションの性能と最終的に得られる塗膜の厚さの均一性に影響を与えることができる。例えば、ピックアンドプレース装置の一つまたはそれ以上の相対速度または周期性、あるいは装置の一つまたはそれ以上と基板との間の装置速度または周期性を少し変化させることが、性能の向上に有効であるという知見を得た。このことは、使用するローラの大きさまたは周期の数が少ない場合に特に有用である。使用する変更は無作為でも管理されたものでも良い。個別のモータを用いてローラをそれぞれ独立して駆動し、モータの速度を変えることにより変更を達成するのが好ましい。当業者であれば理解されるように、回転速度の変更は他の方法、例えば変速装置、プーリまたはスプロケットの径を変更するベルトとプーリのシステムまたはギヤチェーンとスプロケットのシステム、リミテッドスリップ・クラッチ、ブレーキ、または直接駆動されるのではなく他のローラとの接触により摩擦駆動されるローラなどを使用する方法によっても達成することができる。変更は周期的としても非周期的としても良い。非周期的変更には、断続的な変更と、時間的な線形ランプ関数、ランダムウォーク等の非周期的関数に基づく変更が含まれる。このような変更の全てが、一定数のローラを含む改善ステーションの性能を向上することができると考えられる。速度の変更により振幅が平均で0.5パーセントまで低くなる改善された結果が得られる。
定常的速度差も有用である。この方法では、性能の低下を回避する回転速度を選択することが可能になる。回転速度を一定とすると、ローラの大きさを選択することで性能の低下を回避するのが好ましい。
液滴のパターンを変更できる静電吹付ヘッドと改善ステーションとを組合わせて使用することにより、相補的な利点を得ることができる。静電吹付ヘッドは基板または転写面、転写面から基板へと液滴のパターンを塗布する。吹付ヘッドへの流速を一定に保ち、基板の移動速度を一定として、大部分の液滴が基板に堆積するか基板へと転写される場合、液体の平均的な付着性はほぼ均等となる。ところが液体は通常の場合、間隔が不十分な液滴の状態で付着するため、塗膜の厚みに局部的ばらつきが生まれる。静電界の変更が液滴のパターンをウェブ横断方向に変化させ、塗膜の厚みの大きい地点と小さい地点をウェブ横方向に前後して移動させる場合がある。改善ステーションはこのようなウェブ横方向の厚みのばらつきを取り除くことができる。改善ステーションはまた、液滴を連続的塗膜に変更すること、塗膜を均等性を向上させること、あるいは液滴を延展するのに要する時間および機械長を短縮することができる。初期液滴をローラ等の選択されたピックアンドプレース装置と接触させ、液体の一部を除去した後、これを基板上の別の場所に戻すという動作によって、基板の表面被覆率が増し、被覆地点間の距離が短くなり、場合によっては液滴の密度が高くなる。改善ステーションはまた、液滴と基板に対する押圧力を生むことにより、液滴の延展速度を速める働きもする。吹付ヘッドからの液滴のパターンを変えることにより(特に流れ方向以外の方向においてパターンを変えることにより)、改善ステーションの有効性を増すことができる。このように、静電吹付ヘッドと選択されたピックアンドプレース装置を組合わせて使用することにより、最終的に得られる塗膜の均等性が向上する。
換言すると、上述の静電界の変更および液滴パターンの変更は、その位置が流れ方向以外の方向において前後に移動する厚みのばらつきを有する意図的に変更可能な塗膜を改善ステーションにかけることによって、塗膜の均等性を改善する。
液滴の平均径が所望の塗膜の厚さより小さく、しかも吹付被覆速度が連続的な塗膜を生成できるだけの速さであっても、吹付の統計的性質により塗膜の厚さに不均等性が生まれる。この場合も、ローラその他の選択されたピックアンドプレース装置を用いることで塗膜の均等性を向上させることができる。
静電吹付ヘッドとピックアンドプレース装置という効果的な組合せに関しては、個々の用途ごとに実験的に試験を行うか、シミュレートすることができる。本発明を使用することにより、固体100%の塗料組成物を空隙の無い、あるいは実質的に空隙の無い、平均厚さが非常に小さい硬化塗膜に変更することができた。例えば、厚さが10μm未満、1μm未満、0.5μm未満、さらには0.1μm未満の塗膜でも容易に得ることができる。厚さ10μm超(例えば100μm超)の塗膜も得ることができる。このように厚さの大きい塗膜の場合、ピックアンドプレース装置の一つまたはそれ以上(あるいは全部)の表面に溝、刻み目、食刻等の表面模様を付け、厚くなった湿潤塗膜を収容できるようにすると良い。
改善ステーションは、乾燥基板を製造するのに要する時間を大幅に短縮し、塗膜の厚み変動を大幅に緩和することができる。改善ステーションが塗膜の厚み変動を小さくできる理由は、既に上で述べた通りである。改善ステーションに進入する塗膜が既に均等であっても、改善ステーションは乾燥速度を大幅に速くする。理論に縛られるわけではないが、湿潤塗膜をピックアンドプレース装置と繰り返し接触させることで、露出される液体表面が増え、それによって熱・質量伝達速度が速くなると考えられる。基板上の液体を繰り返し分離し、除去し、再付着させることもまた、温度および濃度勾配を大きくし、熱・質量の伝達速度を高めることにより、乾燥速度を速めることができると考えられる。さらに、ピックアンドプレース装置が湿潤基板に近接しかつ湿潤基板に対して移動することによって、湿潤塗膜の液体面付近にある律速境界層の破壊を助けると考えられる。これらの要素の全てが乾燥を助けると思われる。移動ウェブを伴う工程においては、これによって被覆ステーションから下流の乾燥ステーション(例えば乾燥炉または送風機)を小型化または短縮することができる。必要により、改善ステーションを乾燥ステーションまで延設しても良い。
本発明の装置と方法を用いて多様な可撓性または剛性の基板に塗膜を塗布することができる。これらの基板には紙、プラスチック(例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリエステル類、フェノール類、ポリカーボネート類、ポリイミド類、ポリアミド類、ポリアセタール類、ポリビニルアルコール類、フェニレンオキシド類、ポリアリルスルフォン類、ポリスチレン類、シリコーン類、尿素類、ジアリルフタレート類、アクリル類、セルロース・アセテート類、ポリ塩化ビニル等の塩化ポリマー類、フルオロカーボン類、エポキシ類、メラミン類など)、ゴム、ガラス、セラミックス、金属、生物起源の材料、およびこれらの組合せまたは複合物などが含まれる。必要に応じて、塗膜の塗布前に基板の前処理を行うことにより(例えば下塗剤、コロナ処理、火炎処理等の表面処理により)、基板表面の塗膜受容性を高めることもできる。基板は実質的に連続的なもの(例えばウェブ)としても良いし、有限長のもの(例えばシート)としても良い。基板は多様な表面トポグラフィー(例えば平滑、表面模様付き、型押し、微細組織、多孔質など)と多様な内部特質(例えば全体的に均質、不均一、波形、編組状、非編組状など)を持つものとすることができる。例えば、微細組織の基板に塗布する場合(そして目標とする微細組織を基板の上面として基板上方から塗膜を塗布する仮定する)、微細組織の最上部に塗膜を容易に塗布することができる。塗布液の表面張力と、ニップ圧の印加(ニップ圧がある場合)と、微細組織の表面エネルギーおよび表面形状とによって微細組織の最下部(例えば谷部)に塗布が行われるかどうかが決まる。必要に応じて基板の予備帯電を行えば、微細組織の谷部の中に塗膜を付着させるのを助けることができる。図1a〜図3に示したようなドラム転写法あるいは図4a〜図4bに示したような転写ベルト法を用いて繊維質ウェブに塗布する場合、塗膜の浸入深さは主としてウィッキングフロー(wicking flow)によって決まる。
基板の用途は、テープ、膜(燃料電池膜など)、絶縁、光学フィルムまたは成分、写真フィルム、電子フィルム、回路、または成分、それらの前駆体など多岐に亘る。基板は塗布層の下に一層のみとしても良いし、多層としても良い。
以下に実施例をあげて本発明についてさらに説明するが、特に断らない限り、ここで使用する部およびパーセントは全て重量部および重量パーセントである。
厚さ35μm、幅30.5cmのポリエチレン・テレフタレート(PET)のウェブをアイドラーローラの上、直径50.8cm,幅61cmの接地したステンレス鋼ドラムの下、別のアイドラーローラの上に通した。このウェブをドラム周囲の約半分に接触させた。ドラムを移動ウェブの表面速度の同じ速度、すなわち7.62m/分の速度Sで回転させた。従って、ドラムの回転角振動数ωD=S/RDは0.5-1秒、回転周期τD=2π/ωDは12.57秒であった。
HP6216A 0−30VDC電源(ヒューレット・パッカード社(Hewlett−Packard, Inc.))とPM5134関数発生器(フィリップス・エレクトロニクス社(Phillips Electronics NV))をPS/WG−50N6−DM 50kVDC 6ミリアンペア負出力高圧電源(グラスマン・ハイヴォルテージ社(Glassman High Voltage Inc.))の入力に直列に接続した。HP6216A電源を約6.5VDCに調節し、PM5134関数発生器はHP5315B万能カウンタ(ヒューレット・パッカード社(Hewlett−Packard, Inc.))で測定した周期が27.4秒の交流正弦波を出すように調節した。フリューク8000Aディジタルマルチメータ(フリューク社(Fluke Corp.))を用いて測定したグラスマン高圧電源への入力電圧が4.51ボルトから8.62ボルトまで変化するまで、正弦波の振幅を大きくした。この振動性入力により、出力電圧には−22.6kVから−42.6kVへの変化が認められた。グラスマン電源の出力を、直列接続された200MΩ安全抵抗器2つを介して、米国特許第5,326,598号に記載されているようなエレクトロスプレーモードで動作し得る静電吹付ヘッドのダイワイヤに送った。合計400MΩの安全抵抗により、ダイワイヤーに誤って触れても、電源から125マイクロアンペア以下が連続的に引き出されることはないようにした。吹付ヘッドの電界調整用電極(「抽出棒」とも呼ばれる)は接地した。ダイワイヤをドラム表面から10.8cmの一定距離に保持した。吹付ヘッドのスロットは幅33cmとした。しかし、霧化した液滴の噴霧の中の電荷反発により、吹付ヘッドはドラムに幅38cmの噴霧を吹き付けることができた。
幅14cm、長さ25.4cmの接地したサイドパンを吹付ヘッド両端の下方、ドラムの直ぐ上の位置に配設した。サイドパンは塗布領域を隠蔽すると共に、余分な塗料を流し出した。サイドパンは滑り棒の上を側方に調節して、塗布幅を10cmから30cmまでとすることができた。サイドパンの間を落下する噴霧のみがドラムに到達するようにした。サイドパン間の間隔を30.4cmとして、ウェブの全幅の塗布が行えるようにした。
全体的外径が10.2cmのニップローラをドラムに当接して配置し、2つの空気シリンダにより0.276Mpaのニップ圧で定位置に保持した。ニップローラは、80デュロメータ硬度の厚さ0.794cmの高分子被覆層を備えるものとした。
米国特許第5,858,545号の実施例10に記載されているような無溶剤型シリコーンアクリレートから成る紫外線硬化性剥離塗料組成物を調製し、100部あたり0.3部(pph)の2,2’−(2,5−チオフェンジイル)ビス「5−ター−ブチルベンゾオキサゾール」(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals Corp.)製UVITEX(商標)−OB蛍光色素)を添加して改質した。
この剥離組成物を、回転式金属ドラム上に厚さ1.2μmの塗膜を形成できる流速でドラム上部に静電吹き付けした。ドラムを数回回転させると、ドラム表面は剥離塗料で湿潤し、平衡状態に達した。ドラムが静電吹付ヘッドを通過して回転するに伴い、静電噴霧の霧滴が接地されているドラムに引き付けられ、ドラム上で霧滴の電荷が消失した。
1列の液体噴霧が吐出ワイヤからドラムに向けて発射され、ドラム上に霧化された液滴から成る変動パターンが形成された。グラスマン電源電圧を最大の−42.6kVとした時、ワイヤ沿いに1cmあたり約2つから3つの噴霧が形成された。静電界が弱まるにつれて、噴霧の数が減少し、噴霧と噴霧の間隔は大きくなった。静電界を周期的に変化させることにより、噴霧をドラムの幅方向に前後に移動させ、ドラムの全域に塗膜厚ところと薄いところから成る転移領域を形成した。塗膜の厚い領域と薄い領域は、湿潤塗膜にモデル801(Model 801)「暗光」蛍光灯(ヴィジュアル・イフェクツ・インコーポレイテッド(Visual Effects, Inc.))を照射することによって、観察し易くなった。
ダイワイヤはダイより長くすると共に、ダイワイヤの湿潤していない部分がコロナ放電を始めるため、非線形電流はグラスマン電源電圧が発振するのに伴って安全抵抗器を通過した。塗布液の無いときに、安全抵抗器のある状態と無い状態でグラスマン電源において行った電流・電圧測定値から、ダイワイヤの電圧は一周期に−22kVから−25kVの間で変化すると推測された。コロナ放電に関する電流電圧の関係は線形でないため、ワイヤ上の電圧の変動は正弦的でなかった。それにも拘らず、ワイヤ上の噴霧間の距離は、周期的に徐々に大きくなった後小さくなることが観察された。変動に非正弦的な性質があることも観察された。当業者であればお気づきと思われるが、安全抵抗器を除去することによって、ダイワイヤに正弦的な電圧変動を生じさせることができた。
ドラムが1回転するのに要する時間は、グラスマン電源の1回の発振にかかる時間より短くした。τD(12.57秒)はτ(27.4秒)より小さいため、塗布パターンの反復はISを小さい方の整数、ILを大きい方の整数とする時ILτD=ISτの要件から決定することができる。τDはドラムが1回転する時間であるため、ILは吹付パターンがドラム上に反復されるまでに必要なドラム回転数である。反復塗布パターンの基準としてτ=27.4秒、RD=0.254m、S=7.62m/分、N=τ/τD=IL/IS=[τ/(2πRD)]S=2.18、NIS=ILとした場合、展開表計算を行うと整数の結果を与える最初の積が2.18(50)=109であることが分かる。従って、ドラム上のある地点に同じ塗布パターンが現れるまでに、ドラムは109回回転を行うということになる。同様に、液滴パターンの振動についても、ドラム上の反復地点に同一の液滴パターンが着地するまでに50回の振動を繰り返すことになる。いろいろなウェブ速度または吹付パターンの振動に関して展開表計算を行い、0.002の増分でτ/τD=2.17からτ/τD=2.2となった結果を示したのが図20である。パターン周期をごく僅か大きくした場合(例えば27.4秒から27.65秒へ)、あるいはウェブ速度をごく僅か速くした場合(例えば7.62m/分から7.69m/分へ)、τ/τD=2.2となり、展開表計算の結果は2.2(5)=11となる。このように僅かに大きくしたときの噴霧は、ドラム11回転ごと、吹き付け5周期ごとに反復パターンを有することになる。
ドラムが移動ウェブを通過して回転するに従って、塗布した液滴がウェブ面と接触した。ニップローラが液滴を延展させ融合して空隙の無い塗膜を形成した。ニップローラの表面の一箇所に深い打痕を設けることにより、塗膜に観察可能な欠陥を生じさせた。
ウェブが回転ドラムを離脱する際に、一部の塗布液がドラム上に残存し、残りの塗布液はウェブ上に残存した。暗光を用いて分離地点直後のウェブを観察したところ、塗膜の薄い転移領域がウェブに転写されたことが分かった。
被覆されたウェブは8つのローラから成る改善ステーションを巡らせ、ウェブの湿潤側を8つのピックアンドプレースローラと接触させた。ニップから改善ステーションまでの経路長は0.86m、改善ステーションを通る経路長は1.14mであった。8つのローラの径はそれぞれ54.86mm、69.52mm、39.65mm、56.90mm、41.66mm、72.85mm、66.04mm、52.53mmとし、全てについて許容差を±0.025mmとした。ローラはウェベックス社(Webex Inc.)から、16Raに仕上げたクロムめっき面を有する動的に同調した鋼製ライブシャフトローラとして入手した。改善ステーションは、ニップローラに付けた圧痕によって生じた観察可能なパターンも含めて、ウェブの被覆されていない領域を完全に無くし、暗光照射を用いて評価したときに視覚的にはるかに均等性の向上した塗膜を形成した。
実施例1の方法、ウェブおよび塗料組成物を使用し、サイドパンの可変分離幅を30.4cm未満に調節した。ウェブ速度を7.62m/分に固定し、ニップ圧0.28MPaで厚さ1.2μmの塗膜をウェブに塗布した。暗光照射を用いて評価すると、いずれのサイドパン分離距離においても均等な塗膜が獲得された。
実施例1の方法、ウェブおよび塗料組成物を使用し、ウェブに再度剥離剤を塗布した。ダイワイヤ上の汚れの細かい繊維片が原因となって、ダイの一端部付近の流速の方がやや高くなった。これによって塗膜の厚い領域が生まれ、塗布されたウェブ試料をLS−50B型蛍光分光計(パーキン・エルマー・インスツルメンツ社(Perkin Elmer Instruments))のセンサの下を通過させたとき、ダイワイヤの問題の端部付近の蛍光強度が高くなっていることによって観察することができた。ウェブの残りの部分については、蛍光強度が均等であることから分かるように、非常に良好な塗膜の均等性を示した。
被覆ウェブ試料の上側(被覆側)と裏側に幅2.54cmのNo.845ブックテープ(Book Tape)(3M社)を貼付し、被覆していないウェブからなる対照試料の上側と裏側にもこれを貼付して、剥離特性の評価を行った。両試料を室温または70℃で3日ないし7日老化させた。テープを2.3m/分の速度で除去するのに必要な180°の剥離力を測定することによって、塗布された塗膜の性質を評価した。剥離したテープ試料を清浄なガラスに再添付した後、このテープをガラスから除去するのに必要な180°の剥離力を測定することによって塗膜の転写を評価した。試料の内訳、剥離力の値は次の表Iに明記したとおりである。
Figure 0004354703
表Iのデータが示すように、塗布された塗布膜は優れた剥離性を示し、ブックテープの接着剤への剥離塗膜の転写を生じることはなかった。塗膜を70℃で加熱老化させた後でも、塗布された塗膜に対する接着剤の優れた剥離性と再付着性は維持された。例えば、テープをガラスから剥離する際、対照試料(7日、70℃)の剥離力は±6%変動した。これに対し、テープをガラスから剥離する際の被覆試料(7日、70℃)の剥離力は±8%変動した。このように剥離力の変動値が類似しているのは、被覆したPET試料と被覆していないPET試料の表面形態が非常に似ているためである。従ってこのデータは、非導電性ウェブの上に均等に薄い膜を塗布するのに本発明が有効であることを証明するものである。
当業者には明らかなように、本発明は発明の範囲および精神から逸脱することなく様々な修正および変更を加えることができる。以上の記載は説明のみを目的としたものであり、本発明がこれに限定されることはない。
本発明装置の略側面図である。 図1aの装置の静電吹付被覆ヘッドと導電性転写面を示す斜視図である。 図1aの装置の静電吹付被覆ヘッドと導電性転写面を示す別の斜視図である。 吹付被覆中に静電界を変化させるために使用することのできる回路である。 高電圧時の図2aの静電吹付被覆ヘッドの入力端を示す略図である。 低電圧時の図2aの静電吹付被覆ヘッドの入力端を示す略図である。 本発明による別の装置を部分的に断面で示す略側面図。 導電性転写ベルトを備える本発明装置の略側面図である。 図4a装置の一部を拡大して示す側面図である。 一連の静電吹付被覆ヘッドと導電ドラムを備える本発明装置の略側面図である。 図5aの装置を隣接するレーンにおいてストライプ状に吹付被覆するように設定した状態を示す略端面図である。 一連の静電吹付被覆ヘッドと一つの導電ドラムを備えた本発明装置の略側面図である。 ウェブの欠陥を被覆する状態を示す略側面図。 ピックアンドプレース装置の略側面図。 ウェブ上に大きなスパイクが一つ生じる場合の塗膜厚さとウェブ距離の関係を示すグラフ。 10の周期を有する1つの周期的ピックアンドプレース装置に図8のスパイクが遭遇する場合の塗膜厚さとウェブ距離の関係を示すグラフ。 10の周期を有する2つの周期的ピックアンドプレース装置に図8のスパイクが遭遇する場合の塗膜厚さとウェブ距離の関係を示すグラフ。 それぞれ10と5の周期を有する2つの周期的ピックアンドプレース装置に図8のスパイクが遭遇する場合の塗膜厚さとウェブ距離の関係を示すグラフ。 それぞれ10と5と2の周期を有する2つの周期的ピックアンドプレース装置に図8のスパイクが遭遇する場合の塗膜厚さとウェブ距離の関係を示すグラフ。 10の周期を有する1つの周期的ピックアンドプレース装置に続いて5の周期を有する1つのピックアンドプレース装置と2の周期を有する6つの装置に図8のスパイクが遭遇する場合の塗膜厚さとウェブ距離の関係を示すグラフ。 10の周期を有する反復スパイク欠陥に関して塗膜厚さとウェブ距離の関係を示すグラフ。 7の周期を有する周期的ピックアンドプレース装置に図14のスパイクが遭遇する場合の塗膜厚さとウェブ距離の関係を示すグラフ。 それぞれ7、5、4、8、3、3、3の周期を有する7つの周期的ピックアンドプレース装置を連ねたものに図14のスパイクが遭遇する場合の塗膜厚さとウェブ距離の関係を示すグラフ。 それぞれ7、5、4、8、3、3、3、2の周期を有する8つの周期的ピックアンドプレース装置を連ねたものに図14のスパイクが遭遇する場合の塗膜厚さとウェブ距離の関係を示すグラフ。 同径であるが不均等に駆動されるコンタクトローラを連続して備える改良ステーションを用いた本発明装置の略側面図。 本発明において使用する制御システムの略側面図。 各種の静電界条件下において液滴の繰り返しパターンを形成するために必要なドラムの回転数を示すグラフ。

Claims (5)

  1. 基板上に液体塗膜を形成する方法であって、
    a)静電界に応じた液滴パターンを形成する静電吹付ヘッドから導電性の転写面上へ液滴パターンを吹き付けるステップと、
    b)吹き付けを行いながら前記静電界を繰り返し電気的に変化させ、それによって、前記液滴パターンを繰り返し変化させるステップと、
    c)前記液体塗膜の一部を前記転写面から移動するウェブに転写するステップと、
    を含む方法。
  2. 移動する基板上に液体塗膜を形成する方法であって、
    a)静電界に応じた液滴パターンを生成する静電吹付ヘッドから前記基板上または転写面上へ液滴パターンを吹き付けるステップと、
    b)前記液滴パターンを第1方向において繰り返し変えるステップと、
    c)前記液体塗膜の第2方向における均等性を改善する2つ以上のピックアンドプレース装置に前記液体塗膜を接触させるステップと、
    d)転写面を用いる場合は、前記塗膜の一部を前記転写面から前記基板へ転写するステップと、
    を含む方法。
  3. 静電界に応じて導電性の転写面上に液滴パターン及び湿潤塗膜を形成する静電吹付ヘッドと、
    吹き付け中に前記静電界を繰り返し電気的に変化させることにより、前記液滴パターンを繰り返し変化させることができる装置または回路と、を含み、
    前記導電性の転写面は前記湿潤塗膜の一部を前記基板に転写することができる、被覆装置
  4. 静電界に応じて導電性の転写面上に液滴パターン及び湿潤塗膜を形成する静電吹付ヘッドと、
    吹き付け中に前記静電界を繰り返し電気的に変化させることにより、前記液滴パターンを繰り返し変化させる装置または回路と、を含み、
    前記導電性の転写面は前記湿潤塗膜の一部を前記導電性の転写面から移動するウェブに転写することができる、被覆装置
  5. 移動方向を有する基板上に、塗膜厚さが厚い領域及び薄い領域を備えた不均等な液体塗膜を静電界に応じて形成可能な静電吹付ヘッドと、
    吹き付け中に前記静電界を繰り返し電気的に変化させることにより、前記塗膜厚さが厚い領域及び薄い領域を、前記移動方向を横切る方向に沿って往復動させる装置または回路と、
    を含む被覆装置
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